JP3222760B2 - 電子現像型カメラの露出制御装置 - Google Patents

電子現像型カメラの露出制御装置

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JP3222760B2
JP3222760B2 JP08577996A JP8577996A JP3222760B2 JP 3222760 B2 JP3222760 B2 JP 3222760B2 JP 08577996 A JP08577996 A JP 08577996A JP 8577996 A JP8577996 A JP 8577996A JP 3222760 B2 JP3222760 B2 JP 3222760B2
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晴美 青木
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旭光学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露光により得られ
た画像を電子的に現像する記録媒体を使用するカメラに
関し、特にこのカメラの露出動作を制御する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、撮影レンズにより得られた光学像
を電子的に現像することができる写真材料が知られてい
る。このような写真材料の一例として、特開平4−21
1221号公報には、被写体像を感光体層に結像させる
とともに、この被写体像を光変調材層によって現像する
ように構成された記録媒体が開示されている。またこの
公報の図5には、感光体層と光変調材層を透過した光量
が所定レベルに達するようにして、記録媒体に対する露
出制御を行う構成が示されている。
【0003】なお、この明細書では、このような記録媒
体を電子現像型記録媒体と呼び、また、この電子現像型
記録媒体を用いたカメラを電子現像型カメラと呼ぶ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】被写体光の強度が変化
することによって透過光量の検出レベルも変化するた
め、上述した従来の構成では透過率を正確に検出するこ
とはできず、露出制御の精度を十分に高めることは困難
である。一方、例えば特公昭48−769号公報に開示
されているように、ダイレクト測光を行うことにより露
出制御の精度を向上させることも可能であるが、従来の
ダイレクト測光では記録媒体の感度等を直接検出してい
るわけではないので、記録媒体の感度やガンマ特性(光
学濃度と露光量特性の関係)のばらつきを補償すること
はできない。
【0005】本発明は、電子現像型記録媒体の感度等の
特性に関係なく、常に露出制御を高精度に行うことがで
きる電子現像型カメラの露出制御装置を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電子現像型
カメラの露出制御装置は、露光により得られた画像を電
子的に現像する電子現像型記録媒体を使用する電子現像
型カメラの露出制御装置であって、電子現像型記録媒体
を透過した被写体光に応じた測光データを検出する測光
センサと、電子現像型記録媒体への露出開始時と露出期
間中の測光データに基づいて、現像後の電子現像型記録
媒体の透過率を測定し、透過率に基づいて電子現像型記
録媒体に対する露出を制御する手段とを備えたことを特
徴としている。
【0007】制御手段が、透過率が所定値に達したとき
電子現像型記録媒体に対する露出を停止させてもよい。
【0008】測光センサが電子現像型記録媒体の後方に
配設され、測光データが電子現像型記録媒体を透過した
被写体光の強度であってもよい。
【0009】制御手段は例えば、露出開始時の前記測光
データを記憶するとともに、この記憶された測光データ
と露出期間中に測定した測光データとを比較することに
より、透過率を測定する。
【0010】透過率は例えば、記憶された測光データに
対応した対数値と露出期間中に測定した測光データに対
応した対数値との差として測定される。
【0011】測光センサは、電子現像型記録媒体の後方
に配設されたハーフミラーを透過した光を検出してもよ
い。また測光センサは、電子現像型記録媒体の後方に配
設された全反射ミラーにより反射された光を検出しても
よい。
【0012】電子現像型記録媒体は例えば、画像に応じ
た電荷が発生する静電情報記録媒体と、この電荷に応じ
て可視像が発生するとともにこの可視像を保持可能な電
荷保持媒体とを有している。電荷保持媒体はメモリタイ
プの液晶を用いた液晶表示素子であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態を適
用したスチルビデオカメラの外観図である。このスチル
ビデオカメラは電子現像型カメラであり、電子現像型記
録媒体によって画像を現像するように構成されている。
【0014】カメラ本体11を前方から見ると、前面の
略中央には撮影レンズ等を備えた撮像光学系12が設け
られ、撮像光学系12の右上方にはストロボ13が配設
されている。またストロボ13とは反対側にはレリーズ
スイッチ14が設けられている。ファインダ15はカメ
ラ本体11の上面の中央部に設けられ、スキャンスター
トスイッチ16等の操作スイッチはファインダ15の側
方に設けられている。このカメラにより得られた画像信
号を外部の記録装置等に出力するため、カメラ本体11
の側面の下部には出力端子17が配設されている。
【0015】図2はスチルビデオカメラのブロック図で
ある。システムコントロール回路20はマイクロコンピ
ュータであり、本スチルビデオカメラの全体の制御を行
う。
【0016】撮像光学系12には複数のレンズ群の他、
絞り12aが設けられている。撮像光学系12の後方に
は、電子現像型記録媒体30が配設されている。電子現
像型記録媒体30は記録媒体駆動回路41の制御に基づ
いて電圧を印加され、この電圧印加の間に露光されるこ
とによって電子現像型記録媒体30には、後述するよう
に、撮像光学系12によって結像された画像が可視像と
して現像される。なお記録媒体駆動回路41は、システ
ムコントロール回路20から出力される指令信号に従っ
て動作する。
【0017】撮像光学系12と電子現像型記録媒体30
の間には半透鏡のクイックリターンミラー21が設けら
れ、クイックリターンミラー21と電子現像型記録媒体
30の間にはシャッタ22が設けられている。シャッタ
22は電子現像型記録媒体30に導かれる光路を開閉す
るものであり、先幕と後幕から構成されるフォーカルプ
レーンシャッタである。クイックリターンミラー21の
上方にはファインダ光学系23のピント板23aが配設
されている。
【0018】シャッタ22よりも撮影光学系12側であ
って撮影光学系12の光路から外れた位置には第1測光
センサ28が設けられ、第1測光センサ28とシャッタ
22の間には集光レンズ29が配設されている。電子現
像型記録媒体30の後方、すなわち撮影光学系12とは
反対側には、第2測光センサ51が配設され、この測光
センサ51と電子現像型記録媒体30の間には集光レン
ズ52が設けられている。第1および第2測光センサ2
8、51の出力信号は測光回路53に入力される。
【0019】絞り12a、クイックリターンミラー21
およびシャッタ22は、それぞれアイリス駆動回路2
4、ミラー駆動回路25およびシャッタ駆動回路26に
よって駆動され、これらの回路24、25、26は露出
制御回路27により制御される。露出制御回路27はシ
ステムコントロール回路20から出力される指令信号に
従って動作する。
【0020】露出演算時、シャッタ22は閉塞してお
り、シャッタ22の表面による反射光が第1測光センサ
28によって検出される。この第1測光センサ28の検
出データに基づいて、システムコントロール回路20に
おいて露出演算が行われ、露出制御回路27の制御によ
り、アイリス駆動回路24を介して絞り12aの開度が
調整される。これに対して露出制御(撮像動作)時、露
出制御回路27の制御により、シャッタ駆動回路26を
介してシャッタ22が開放される。このシャッタ22が
開放している間、電子現像型記録媒体30を透過した被
写体光が第2測光センサ51によって検出される。
【0021】クイックリターンミラー21は通常、被写
体像を観察する位置であるダウン位置(実線により示さ
れる傾斜状態)に定められ、撮像光学系12を通過した
光をファインダ光学系23に導いているが、撮像動作
時、露出制御回路27の制御に従い、ミラー駆動回路2
5によって上方に回動せしめられアップ位置(破線によ
り示される水平状態)に定められる。
【0022】電子現像型記録媒体30は図示しない走査
機構によって、撮像光学系12の光軸に垂直な方向に移
動可能である。この移動径路の近傍には、例えばLED
(発光素子)から成る光源42と、スキャナ光学系43
と、ラインセンサ44とが設けられている。図3に示す
ようにスキャナ光学系43は、第1および第2の全反射
ミラー43a、43bと、レンズ43cとから構成され
る。ラインセンサ44は、例えば2000画素のCCD
1次元センサ等である。電子現像型記録媒体30は光源
42に沿って移動する。この移動の間、光源42の照射
光が電子現像型記録媒体30を透過し、この透過光が第
1の全反射ミラー43a、レンズ43cおよび第2の全
反射ミラー43bを介してラインセンサ44に到達す
る。これにより電子現像型記録媒体30上に形成された
可視像がラインセンサ44によって読み出される。
【0023】光源42のオンオフ制御は照明光源駆動回
路45により行われ、ラインセンサ44に発生した画素
信号の読出し動作等の制御はラインセンサ駆動回路47
により行われる。電子現像型記録媒体30の移動の制御
はスキャナ系駆動回路46により行われる。これらの回
路45、46、47はシステムコントロール回路20に
より制御される。
【0024】ラインセンサ44から読み出された画素信
号は、アンプ61により増幅され、A/D変換器62に
よってデジタル信号に変換される。デジタルの画素信号
は、システムコントロール回路20の制御に従って、画
像処理回路63においてシェーディング補正およびガン
マ補正等の処理を施された後、メモリ64に一時的に格
納される。なおメモリ64は、ラインセンサ44から出
力される1水平走査線分だけの記憶容量を有していても
よいが、1フレーム分の記憶容量を有するメモリであっ
てもよい。またメモリ64はE2 PROMを備えてお
り、このE2 PROMにはシェーディング補正等の補正
値か格納される。
【0025】メモリ64から読み出された画素信号は、
画像処理回路63からインターフェイス回路65に入力
されてフォーマットの変換等の所定の処理を施され、出
力端子17を介して外部のディスプレイ装置(図示せ
ず)等に出力可能である。また画像処理回路63から出
力された画素信号は、記録装置制御回路66において、
画像圧縮あるいはフォーマットの変換等の所定の処理を
施され、画像記録装置67において例えばICメモリカ
ード等の記録媒体に記録可能である。インターフェイス
回路65と記録装置制御回路66はシステムコントロー
ル回路20からの指令信号に従って動作する。
【0026】システムコントロール回路20には、レリ
ーズスイッチ14およびスキャンスタートスイッチ16
等を備えた操作部71が接続されている。レリーズスイ
ッチ14の操作によって撮像動作が行われ、スキャンス
タートスイッチ16の操作によって画像信号の電子現像
型記録媒体30からの読出し動作が行われる。
【0027】またシステムコントロール回路20には、
このスチルビデオカメラの種々の設定状態等を表示する
ための表示素子68が接続されている。
【0028】図4は電子現像型記録媒体30の構成を示
す図であり、これは特開平5−2280号公報に開示さ
れたものと基本的に同じである。
【0029】すなわち電子現像型記録媒体30は静電情
報記録媒体31と電荷保持媒体32を備え、電源33に
よって電圧を印加される。静電情報記録媒体31は、基
板34、電極層35、無機酸化物層36および光導電層
37を積層して成り、光導電層37は電荷発生層37a
と電荷輸送層37bを重合させて構成される。電荷保持
媒体32は、液晶支持体38と液晶電極層39の間に液
晶40を封入して構成される。静電情報記録媒体31の
電荷輸送層37bと電荷保持媒体32の液晶支持体38
とは微小間隙をもって対向している。
【0030】電源33は記録媒体駆動回路41によりオ
ンオフ制御され、電源33がオン状態のとき、電極層3
5と液晶電極層39の間、すなわち静電情報記録媒体3
1と電荷保持媒体32に電圧が印加される。この電圧印
加状態で静電情報記録媒体31が露光されると、静電情
報記録媒体31には、画像に応じた電荷が発生する。こ
の電荷に応じて、液晶40に作用する電界の強さが変化
するため、液晶40には、その画像が可視像として表示
され、被写体像が現像される。この電荷保持媒体32は
例えばスメクティック液晶が封入されたメモリタイプの
液晶を用いた液晶表示素子であり、現像された可視像は
電界を除去しても保持される。この液晶表示素子は、加
熱装置(図示せず)を用いて所定の温度に加熱すること
により、現像された可視像を消去させることもでき、そ
の場合は繰り返し同一記録媒体を用いることもできる。
【0031】次に、本実施形態における露出制御の基本
原理について説明する。記録媒体への露光が行われてい
ない時、この記録媒体の透過率が略一定であり、かつ露
光中における記録媒体の像面照度が一定であると仮定す
る。
【0032】記録媒体に対する露光量Hは、記録媒体に
対する入射光の強度すなわち像面照度If と露光時間t
との積により得られ、 H(t)=If ・t ・・・(1) となる。ここで露光量H(t)が適正露光量Hgとなる
ように、露光時間τを定めればよい。
【0033】記録媒体が透過型である場合、すなわち電
子現像型記録媒体30の場合、透過率Tは露光量Hに応
じて変化する。したがって電子現像型記録媒体30にお
いて適正露光量Hgを得るには、透過率Tが適正値にな
るように露光時間τを定めればよい。
【0034】電子現像型記録媒体30の透過率Tと露光
量Hは時間とともに変化し、また図5の実線P1のよう
な関係がある。この図に示すように、実線P1の傾斜す
なわち露光量Hに対する透過率Tの変化率(ガンマ特性
k)は露光量Hに応じて変化する。すなわちガンマ特性
kは露光量Hの関数である。したがって透過率は、 T(t)=k(H)・H(t) ・・・(2) と表される。
【0035】したがって、適正な透過率をTgとする
と、 Tg=k(H)・Hg=k(H)・If ・τ ・・・(3) となるように、露光時間τを定めればよい。
【0036】一方、現像された電子現像型記録媒体30
を透過した光の照度Is は、 Is(t)=T(t)・If ・・・(4) である。すなわち、露出開始時に記録媒体を透過した光
の照度Is(0)は、 Is(0)=T(0)・If ・・・(5) で表され、露出期間中(時間t)に記録媒体を透過した
光の照度Is(t)は、 Is(t)=T(t)・If ・・・(6) で表される。
【0037】したがって、時間τにおいて適正透過率T
gが得られるとすると、 Is(τ)=Tg・If ・・・(7) となり、(7)式と(5)式の比をとると、 Is(τ)/Is(0)=Tg/T(0) ・・・(8) となる。すなわち、(8)式を満足するような露出時間
τを定めれば、適正露光量が得られる。
【0038】本実施形態では、第2測光センサ51によ
って、露出開始時に電子現像型記録媒体30の透過光の
照度Is(0)に対応した測光データを検出し、この測光
データを記憶しておく。そして露出期間中に時間ととも
に変化する照度Is(t)を検出し、照度Is(t)と露出
開始時の照度Is(0)の比が(8)式によって定まる基
準値に達したとき、適正透過率Tgが得られたと判断し
て露光を終了する。
【0039】第2測光センサ51により検出される測光
データは、電子現像型記録媒体30を透過した被写体光
の強度に応じた電流値であり、この電流値は測光回路5
3において、電圧に変換されるとともに対数圧縮され
る。すなわち、露出開始時に第2測光データに基づいて
得られる電圧V20は、 V20=Log(α2・T(0)・If ) ・・・(9) と表される。ただし、α2は第2測光センサ51の特性
によって定まる比例定数である。
【0040】一方、露出期間中に第2測光データに基づ
いて得られる電圧V2は、 V2=Log(α2・T(t)・If ) ・・・(10) と表される。
【0041】したがって、露出期間中の電圧V2と露出
開始時の電圧V20との差が V2−V20=Log(Tg)−Log(T(0)) ・・・(11) となるように露出時間τを定めれば適正露光量が得られ
る。(11)式の右辺により示される基準値は、比例定
数α2、露出開始時の透過率T(0)および適正透過率
Tgによって計算され、予め測光回路53内のメモリに
記憶されている。すなわち、Is(τ)/Is(0)の比が
(11)式によって定められる基準値に達した時、電子
現像型記録媒体30に対する露出を停止すれば、電子現
像型記録媒体30の露光量は適正値となる。
【0042】図5は、上述した露出制御における透過率
等の時間的変化を示している。この図を参照して露出制
御を説明する。
【0043】一点鎖線C1は、電子現像型記録媒体30
における像面照度If が相対的に大きい場合を示し、実
線L1は像面照度If が相対的に小さい場合を示してい
る。像面照度If は、実際には時間とともに変動する
が、本実施形態では実質的に一定であると仮定してい
る。
【0044】露光量Hは(1)式に示すように像面照度
If の時間の積によって求められる。すなわち露光量H
は一点鎖線C2および実線L2で示すように時間tとと
もに直線的に増加し、その増加率は像面照度If が大き
いほど大きい。したがって、像面照度If が大きいほど
早く適正露光量Hgに達し、像面照度If が大きい時の
露出時間τ(一点鎖線C3)は、像面照度If が小さい
時の露出時間τ(実線L3)よりも短い。
【0045】露光量Hと透過率Tは実線P1で示すよう
な関係を有し、適正露光量Hgが定められると適正透過
率Tgが決定される。透過率Tは(5)式と(6)式に
示すように透過光の照度Is と像面照度If の比であ
り、透過光の照度Is は、像面照度If が大きい場合、
一点鎖線C4で示すように急激に増大するのに対し、像
面照度If が小さい場合、実線L4で示すように比較的
緩やかに増加する。像面照度If は実質的に一定である
ため、透過率Tは、像面照度If が大きい場合(一点鎖
線C5)の方が、像面照度If が小さい場合(実線L
5)よりも早く適正透過率Tgに達する。
【0046】上述したように本実施形態では、第2測光
センサ51を介して得られる透過率Tの時間的な変化率
((8)式参照)を検出し、この変化率が所定の制御値
に達した時、露出を停止させることにより適正露光量H
gを得ている。
【0047】図6は上述した露出制御を行うための測光
回路53の構成を示している。この図に示すように、測
光回路53は対数回路53a、53bと、A/D変換器
53c、53dと、差分回路53eと、比較回路53f
と、メモリ53gとを有する。
【0048】第1測光センサ28の出力信号である電流
値は、対数回路53aにおいて対数圧縮されて電圧V1
に変換され、A/D変換器53cにおいてデジタル信号
に変換される。この信号は、プリ測光における測光デー
タとしてシステムコントロール回路20に入力される。
すなわち、この信号に基づいて表示素子68により測光
結果が表示され、また絞り12aの開度が調整される。
【0049】第2測光センサ51の出力信号である電流
値(測光データ)は、対数回路53bにおいて対数圧縮
されて電圧V2またはV20に変換され((9)式と
(10)式参照)、A/D変換器53dにおいてデジタ
ル信号に変換される。露出開始時の電圧V20はメモリ
53gに格納される。露出期間中の電圧V2は差分回路
53eに入力される。また、差分回路53eには、メモ
リ53gから読み出された電圧V20も入力される。差
分回路53eでは、電圧V2とV20の差((11)式
参照)、すなわち制御値が求められる。この制御値に対
応した信号は、比較回路53fにおいて所定の基準値
((11)式の右辺)と比較され、これらが等しくなっ
たとき、電子現像型記録媒体30の露光量が適正値にな
ったと判断され、システムコントロール回路20の制御
に基づいてシャッタ22が閉塞される。
【0050】図7はプリ測光時に第1測光センサ28が
受光する光の径路を示し、第8図は露出時に第1測光セ
ンサ28が受光する光の径路を示している。プリ測光
時、シャッタ22は閉塞しており、撮影光学系12を通
過した光はシャッタ22の表面において反射し、集光レ
ンズ29を介して第1測光センサ28に導かれる。これ
に対して露出時は、シャッタ22は開放しており、撮影
光学系12を通過した光は電子現像型記録媒体30の受
光面において反射し、集光レンズ29を介して第1測光
センサ28に導かれる。本実施形態においてシャッタ2
2の表面は、記録媒体30の受光面の反射率および反射
特性と略一致するように加工され、後述するように露光
前、第1測光センサによって撮影光学系12を介して電
子現像型記録媒体30へ入射する光の強度を擬似的に測
光できるように構成されている。なお、反射率に関して
は、シャッタ22と記録媒体30において異なっていた
としても、補正可能であるので、適正な測光値を得るこ
とができる。
【0051】このようにプリ測光時、第1測光センサ2
8からの出力が用いられるが、本測光時は第2測光セン
サ51の出力のみが用いられ、第1測光センサ28の出
力は用いられない。
【0052】図9と図10は本実施形態における撮像動
作のプログラムのフローチャートであり、図11と図1
2は撮像動作のタイミングチャートである。これらの図
を参照して、本実施形態の作用を説明する。
【0053】このプログラムはレリーズスイッチ14が
押下されたことにより実行される(符号S11)。ステ
ップ101ではプリ測光が行われ(符号S12)、測光
センサ28からの出力信号に基づいてプリ測光値が検出
される。ステップ102では、プリ測光値に基づいて露
出演算が行われ、絞り12aの開度とシャッタスピード
が演算される(符号S13)。ステップ103において
露出演算が完了したことが確認されると、ステップ10
4において、ステップ103において求められた演算シ
ャッタ時間が基準シャッタ時間tL 以下であるか否かが
判定される。
【0054】まず、演算シャッタ時間が基準シャッタ時
間tL よりも長い場合(図11の場合)を想定する。こ
の場合、ステップ105において低速シャッタモードが
設定される。そしてステップ107へ進み、絞り12a
の開度が全開状態から所定開度まで変化し(符号S1
4)、またクイックリターンミラー21がダウン状態か
らアップ状態に変化する(符号S15)。ステップ10
8においてミラー21のアップ状態への変化と絞り12
aの開度調整が完了したことが確認されると、ステップ
109において、高速シャッタモードが設定されている
か否かが判定される。ここでは低速シャッタモードが設
定されていると仮定しているため、ステップ111、1
12が実行される。すなわち、記録媒体活性化信号がオ
ン状態に定められて電子現像型記録媒体30に所定の電
圧が印加されるとともに(符号S17)、シャッタ22
の先幕が走行を開始し(符号S16)、このような電圧
印加の状態で露光されることにより、電子現像型記録媒
体30には被写体像が可視像として現像される。ステッ
プ131ではシャッタ22の先幕が全開位置まで達した
か否かが判定され、シャッタ22の先幕が全開位置まで
達すると、ステップ132において第2測光センサ51
の測光値Is(0)がメモリ53gに格納される。すなわ
ち露光開始時における電子現像型記録媒体30を透過し
た光の測光値が記憶される。
【0055】次いでステップ116では、本露光測光が
行われ(符号S18)、(1)式〜(11)式を参照し
て上述したように、第2測光センサ51の出力信号が検
出され、照度の比Is(t)/Is(0)が透過率T(t)
に対応したデータとして検出される。ステップ117に
おいて、照度の比Is(t)/Is(0)すなわち本露光測
光値が所定の露出判定レベルに達したことが確認される
と(符号S19)、ステップ118へ進み、高速シャッ
タモードが設定されているか否かが判定される。ここで
は低速シャッタモードが設定されていると仮定している
ため、ステップ121〜123が実行される。すなわ
ち、シャッタ22の後幕が走行を開始し(符号S2
0)、ミラー21がダウン状態に変化する(符号S2
1)とともに絞り12aが開放する(符号S22)。ま
た記録媒体活性化信号の出力が停止される(符号S2
3)。
【0056】ステップ127では、ミラー21と絞り1
2aが初期状態に復帰したか否か、すなわちミラー21
がダウン状態に変化し、また絞り12aが開放状態に復
帰したか否かが判定される。ミラー21と絞り12aが
初期状態に復帰したことが確認されると、ステップ12
8においてミラー21と絞り12aの駆動が停止され
る。またシャッタチャージが行われ、シャッタ22の先
幕と後幕が初期状態に移動し、マグネットによって初期
位置に固定される。これにより、この撮像動作のプログ
ラムは終了する。
【0057】次に、演算シャッタ時間が基準シャッタ時
間tL よりも短い場合(図12の場合)を説明する。こ
の場合、ステップ104からステップ106へ進み、高
速シャッタモードが設定される。ステップ107、10
8においてクイックリターンミラー21がアップ状態に
変化し、絞り12aの開度が調整された後、ステップ1
09からステップ113へ進み、シャッタ22の先幕が
走行を開始する(符号S25)。次いで、ステップ11
4においてシャッタ22の先幕が全開状態に定められた
ことが確認されると、ステップ115において記録媒体
活性化信号がオン状態に定められる(符号S26)。す
なわちシャッタ22が全開される時点よりも後に、電子
現像型記録媒体30に対する電圧印加が開始される。
【0058】そしてステップ116が実行され、本露光
測光が行われる(符号S27)。すなわち高速シャッタ
モードでは、シャッタ22が全開状態となった後、第2
測光センサ51の出力信号が検出されて、照度の比Is
(t)/Is(0)が透過率T(t)に対応したデータと
して検出される。ステップ117において、照度の比I
s(t)/Is(0)が所定の露出判定レベルに達したこと
が確認されると(符号S28)、ステップ118におい
て、高速シャッタモードが設定されているか否かが判定
される。ここでは高速シャッタモードが設定されている
と仮定しているため、ステップ124〜126が実行さ
れる。すなわち、記録媒体活性化信号の出力が停止され
(符号S29)、シャッタ22の後幕が走行を開始する
(符号S30)。換言すれば、電子現像型記録媒体30
に対する電圧印加が停止した後、シャッタ22の閉塞動
作が開始する。シャッタ22の後幕が閉塞位置に達する
と、ミラー21がダウン状態に変化する(符号S31)
とともに絞り12aが開放する(符号S32)。
【0059】この後、低速シャッタモードと同様にステ
ップ127、128が実行され、この撮像動作のプログ
ラムは終了する。
【0060】なお、高速シャッタモードと低速シャッタ
モードの間の切り替え点は、できるだけ高速のシャッタ
スピードであり、かつ高速シャッタモードにおける電子
現像型記録媒体30の電圧印加の制御が可能である範囲
のものが好ましい。
【0061】以上のように本実施形態では、露出開始時
と露出期間中に、電子現像型記録媒体30を透過した被
写体光の光量を第2測光センサ51によって検出するこ
とより、電子現像型記録媒体30の透過率Tに対応した
照度の比Is(t)/Is(0)を測定し、この比に基づい
て電子現像型記録媒体30に対する露出を制御してい
る。したがって、電子現像型記録媒体30における像面
照度If 、感度およびガンマ特性が変動しても、露出制
御を高精度に行うことができる。
【0062】また本実施形態では、低速シャッタモード
時、ステップ108においてミラー21と絞り12aの
動作完了が確認された後、記録媒体活性化信号がオン状
態に定められるとともに、シャッタ22の開放動作が開
始する。このようにシャッタ22の開放動作の開始前に
は電子現像型記録媒体30に電圧が印加されないので、
カブリ現象が発生することが防止される。同様に高速シ
ャッタモード時においても、ステップ114においてシ
ャッタ22の先幕が全開状態に定められたことが確認さ
れた後、電子現像型記録媒体30への電圧印加が行われ
ているので、低速シャッタモードと同様に、カブリ現象
の発生が防止される。
【0063】さらに本実施形態では、高速シャッタモー
ドにおいて、シャッタ22の先幕が全開位置に達するま
での間に後幕の走行が開始するスリット露光を行うので
はなく、シャッタ22を強制的に全開させた状態で、記
録媒体活性化信号のオンオフ制御による電子シャッタを
用いている。したがって高速シャッタモードであって
も、被写体光は常に、電子現像型記録媒体30の受光面
の全体に入射することとなり、電子現像型記録媒体30
の受光面が均一に露光される。すなわち、電子現像型記
録媒体30における現像状態が受光面の全体にわたって
均一化され、露出制御の精度が向上する。また、スリッ
ト露光を行わないため、シャッタ22の走行精度は粗く
てもよく、したがってシャッタ22の制御が単純にな
る。
【0064】図13は、本発明の第2実施形態の要部を
示している。この例では、電子現像型記録媒体30の後
方にはハーフミラー43dが配設され、このハーフミラ
ー43dの後方に、集光レンズ52と第2測光センサ5
1が設けられている。すなわち第2測光センサ51は、
ハーフミラー43dを透過した光を検出する。一方、第
1測光センサ28は、図2および図3の構成と同様に、
シャッタ(図示せず)の表面または電子現像型記録媒体
30の受光面からの反射光を検出する。また全反射ミラ
ー43bに対向させて、電子現像型記録媒体30上の可
視像を読み出すためのラインセンサ44が設けられてい
る。この構成によっても第1実施形態と同様な効果が得
られる。
【0065】図14は、本発明の第3実施形態の要部を
示している。この例では、第2実施形態とは異なり、電
子現像型記録媒体30の後方に全反射ミラー43a、4
3bが配設され、これらの全反射ミラー43a、43b
の間にレンズ43f、43gが設けられている。第2測
光センサ51は、レンズ43f、43gの間に設けられ
ている。この第2測光センサ51は、測光の際、図示さ
れた位置に定められているが、電子現像型記録媒体30
上の可視像を読み出す際、図の右方向に移動し、レンズ
43f、43g間から退避する。またレンズ43fから
出射される光線は平行光であり集光しないが、その出力
が小さくなるだけであり、したがって電子現像型記録媒
体30の全面において透過する被写体光を測光すること
が可能である。
【0066】図15は、本発明の第4実施形態の要部を
示している。クイックリターンミラー21の背面には、
これに垂直にサブミラー81が設けられている。サブミ
ラー81により反射した光はクイックリターンミラー2
1の下方に配設された集光レンズ29を通過し、第1測
光センサ28によって検出される。なおサブミラー81
は、従来公知のように、クイックリターンミラー21が
破線で示すように上昇位置にあるとき、クイックリター
ンミラー21側に折り畳まれる。その他の構成は第1実
施形態と同様である。
【0067】図16は、本発明の第5実施形態の要部を
示している。集光レンズ29と第1測光センサ28は、
ファインダ光学系23の中であって、ファインダ像にけ
られを生じない部位に設けられている。その他の構成は
第1実施形態と同様である。
【0068】なお、電子現像型記録媒体30は上述した
構成のものに限定されず、画像を電子的に現像するもの
であれば、他の構成であってもよい。
【0069】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電子現像
型記録媒体の感度等の特性に関係なく、常に露出制御を
高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用したスチルビデオカ
メラの外観図である。
【図2】図1のスチルビデオカメラの回路構成を示すブ
ロック図である。
【図3】電子現像型記録媒体とスキャナ光学系の近傍の
構成を示す図である。
【図4】電子現像型記録媒体の構成を示す図である。
【図5】露出制御における透過率等の時間的変化を示す
図である。
【図6】測光回路の構成を示すブロック図である。
【図7】プリ測光時に第1測光センサが受光する光の径
路を示す図である。
【図8】露出時に第1測光センサが受光する光の径路を
示す図である。
【図9】撮像動作のプログラムのフローチャートであ
る。
【図10】撮像動作のプログラムのフローチャートであ
る。
【図11】撮像動作のタイミングチャートである。
【図12】撮像動作のタイミングチャートである。
【図13】本発明の第2実施形態の要部を示す図であ
る。
【図14】本発明の第3実施形態の要部を示す図であ
る。
【図15】本発明の第4実施形態の要部を示す図であ
る。
【図16】本発明の第5実施形態の要部を示す図であ
る。
【符号の説明】
30 電子現像型記録媒体 51 第2測光センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 7/00 - 7/28 G02F 1/13 505 G03G 15/04 G03G 15/043 H04N 5/91

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光により得られた画像を電子的に現像
    する電子現像型記録媒体を使用する電子現像型カメラの
    露出制御装置であって、前記電子現像型記録媒体を透過
    した被写体光に応じた測光データを検出する測光センサ
    と、前記電子現像型記録媒体への露出開始時の前記測光
    データを記憶するとともに、この記憶された測光データ
    と露出期間中に測定した測光データとを比較することに
    より、現像後の前記電子現像型記録媒体の透過率を測定
    し、前記透過率に基づいて前記電子現像型記録媒体に対
    する露出を制御する手段とを備えたことを特徴とする電
    子現像型カメラの露出制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が、透過率が所定値に達し
    たとき前記電子現像型記録媒体に対する露出を停止させ
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子現像型カメラ
    の露出制御装置。
  3. 【請求項3】 前記測光センサが電子現像型記録媒体の
    後方に配設され、前記測光データが電子現像型記録媒体
    を透過した被写体光の強度であることを特徴とする請求
    項1に記載の電子現像型カメラの露出制御装置。
  4. 【請求項4】 前記透過率が、前記記憶された測光デー
    タに対応した対数値と前記露出期間中に測定した測光デ
    ータに対応した対数値との差として測定されることを特
    徴とする請求項1に記載の電子現像型カメラの露出制御
    装置。
  5. 【請求項5】 前記測光センサが、前記電子現像型記録
    媒体の後方に配設されたハーフミラーを透過した光を検
    出することを特徴とする請求項1に記載の電子現像型カ
    メラの露出制御装置。
  6. 【請求項6】 前記測光センサが、前記電子現像型記録
    媒体の後方に配設された全反射ミラーにより反射された
    光を検出することを特徴とする請求項1に記載の電子現
    像型カメラの露出制御装置。
  7. 【請求項7】 前記電子現像型記録媒体が、画像に応じ
    た電荷が発生する静電情報記録媒体と、この電荷に応じ
    て可視像が発生するとともにこの可視像を保持可能な電
    荷保持媒体とを有することを特徴とする請求項1に記載
    の電子現像型カメラの露出制御装置。
  8. 【請求項8】 前記電荷保持媒体がメモリタイプの液晶
    を用いた液晶表示素子であることを特徴とする請求項7
    に記載の電子現像型カメラの露出制御装置。
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