JP3547949B2 - マルチビームアンテナ用反射鏡 - Google Patents

マルチビームアンテナ用反射鏡 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる方向からの電波の受信、または異なる方向へ電波の送信をするマルチビームアンテナに用いられる反射鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のパラボラアンテナまたはオフセットパラボラアンテナでは、それの反射鏡の焦点距離対反射鏡の口径比(F/D)と、電波到来方向とにより、一次放射器の位置が定められ、ビーム分離角度が小さいマルチビームアンテナの場合、所要の性能を得る一次放射器を並べて配置することができない。
【0003】
即ち、図8に示すように、一般にパラボラアンテナ反射鏡1の正面方向とθbの角度をなす方向より到来する電波は、一次放射器1aを焦点位置からθfだけθbと反対側に偏位させることにより、受信することができ、ビーム偏向係数(=θb/θf)はF/Dに従属する値となる。また、一次放射器1aの焦点位置からの偏位量dはθfによって決まる。
【0004】
現在、日本で受信可能な放送を行っている通信衛星は、軌道上の衛星配置が4度間隔であり、隣接した2基の通信衛星若しくはそれらを含む複数の静止衛星からの電波を受信するマルチビームアンテナでは、約4.5度のビーム分離角が必要である。その場合、一次放射器の間隔(dX2)は、F/D=0.5程度のとき、反射鏡の口径が45cmの場合25mm程度、75cmの場合50mm程度になる。
【0005】
一方、パラボラアンテナの性能要求として、オフセットパラボラアンテナの場合、図9に示すように一次放射器の焦点Fと反射鏡1の中心とを含む直線が反射鏡1の外周との間になす角度をθaとし、一次放射器のビームの中心の放射レベルを0dBとしたとき、θa方向(中心軸回りに全周)の放射レベルが、−10乃至−13dB(相対利得−10乃至−13dB、一般に−10乃至−13dBのエッジテーパ)であることが望ましい。しかし、上記の通信衛星で運用されている12.5GHz帯では、上記エッジテーパを得るためには、一次放射器の開口径が30乃至35mm必要である。
【0006】
上述したように、アンテナ口径が45cmで、4.5度のビーム分離角の場合、一次放射器の間隔は25mm程度としているので、一次放射器の口径も25mm程度にしかできず、上記のエッジテーパを得ることができない。また、アンテナ口径が75cmで、4.5度のビーム分離角の場合、上記のエッジテーパを得ることは理論的には可能であるが、近年、ローノイズブロックコンバータと一次放射器とを一体にした給電部が増加しているので、この給電部を50mmの間隔で配置するのは物理的に困難になっている。
【0007】
また、異なる方向から到来する複数の電波を受信する公知技術としては、例えば特開平4−122108号公報、特許第2539104号の明細書に、2つの回転放物面を加重平均して反射鏡を構成し、この反射鏡の一点において、2つの回転放物面の座標値と法線とがそれぞれ一致するように構成したものが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このマルチビームアンテナ用反射鏡において、ビーム分離角を4.5度とし、口径が45cmの反射鏡と、開口径が35mmの一次放射器を使用し、一次放射器の間隔を35mmとした場合、反射鏡の一点において2つの回転放物面の座標値と法線とがそれぞれ一致するという条件を満たそうとすると、座標値と法線とをそれぞれ一致させる点(融合中心点)と、焦点距離と、一次放射器の間隔との間に、相関関係があるので、融合中心点の位置または焦点距離を反射鏡の口径よりも大幅に大きくする必要がある。そのため、例えば図10に示すように、反射鏡1の口径Dよりもオフセット量Ofがかなり大きくなり、かつオフセット角θoが極めて大きく、融合中心点と反射鏡の周囲との角度θaが小さく、チルト角τが大きく、非常にアンバランスな反射鏡となる。なお、図10はF/D=0.5とした例である。図9は、F/Dが約0.5で、Of≪Dの通常のオフセットパラボラ反射鏡の側面を示しているが、図9と図10との比較からも図10の反射鏡がアンバランスな形状であることが明らかである。
【0009】
図10の場合、チルト角が大きいので、反射鏡を支柱等に取り付けるためのマウントを大型にしなければならず、θaが小さいので、ビームの鋭い、即ち開口径が大きい一次放射器が必要になる。さらにオフセット量Ofが大きく、オフセット角θoが大きいので、一次放射器支持用のアームが大型になる。このように、公知のパラボラアンテナの形状とは非常に異質なものとなり、一般消費者に受け入れられない可能性がある。
【0010】
本発明は、通常のパラボラアンテナやオフセットパラボラアンテナとほぼ同様な形状であって、かつ良好に異なる方向の電波を送受できるマルチビームアンテナ用の反射鏡を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するための請求項1記載の発明は、少なくとも2つの方向から到来する電波の受信を、または前記少なくとも2つの方向への電波の放射をするマルチビームアンテナ用反射鏡である。この反射鏡は、前記少なくとも2つの方向を回転軸として得られる少なくとも2つの鏡面対象な回転放物面を加重平均して形成された融合領域内にある。前記少なくとも2つの回転放物面の焦点位置間の距離が、前記反射鏡と共に使用される少なくとも2つの一次放射器の開口径よりも大きく設定されている。前記少なくとも2つの回転放物面の焦点位置間の中点を原点とし、これら焦点位置を含む直線の方向をX軸方向とし、前記2つの焦点と同一平面内で前記X軸方向と直交する方向をZ軸方向とし、前記X軸及びZ軸方向と直交する方向をY軸方向とする座標系において、前記融合領域の中心位置のX値が0であって、Y値が前記反射鏡の口径の1/2の値とオフセット量(送受信しようとする電波の0乃至2波長)とを加算した値に設定されている。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、この焦点位置間の距離と、融合領域の中心位置とを互いに独立に設定できるので、焦点位置間の距離を、複数の一次放射器同士が物理的に接触しないように、一次放射器の開口径よりも大きく設定できる。また、融合領域内の反射鏡の口径が、オフセット量よりも充分に大きく設定されているので、公知のオフセットパラボラ反射鏡と同様な形状となる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の反射鏡において、前記少なくとも2つの電波に対応する2つの回転放物面に対する前記加重平均の重みが、前記X軸方向の座標位置の関数である。
【0015】
請求項3記載の発明は、n個(nは3以上の整数)の方向から到来する電波の受信を、または前記n個の方向への電波の放射をするマルチビームアンテナ用反射鏡である。この反射鏡は、前記n個の方向を回転軸として得られるn個の回転放物面を加重平均して形成される融合領域内にある。前記n個の電波のうち最もビーム分離角度が小さい2個の電波に対する2つの回転放物面の焦点位置間の距離を、前記反射鏡と共に使用する一時放射器の開口径よりも大きく設定してある。 前記2つの回転放物面の焦点位置間の中点を原点とし、これら焦点位置を含む直線の方向をX軸方向とし、前記2つの焦点と同一平面内で前記X軸方向と直交する方向をZ軸方向とし、前記X軸及びZ軸方向と直交する方向をY軸方向とする座標系において、前記融合領域の中心位置のX値が0であって、Y値が前記反射鏡の口径の1/2の値と、オフセット量(送受信しようとする電波の0乃至2波長)とを加算した値に設定されている。前記融合領域の中心位置で前記n個の回転放物面の座標位置が一致し、かつ前記融合領域の中心位置で前記2つの回転放物面の法線の平均値と、他のn−2個の回転放物面の法線とが一致するように、n−2個の回転放物面が配置されている。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様に、ビーム分離角度が小さい2個の電波に対する2つの回転放物面を設定している。さらに、これら以外のn−2個の電波に対する回転放物面を、融合領域の中心位置で、2つの回転放物面と座標位置を一致させた上で、少なくとも2つの回転放物面の法線の平均値と、他のn−2個の回転放物面の法線とを一致させているので、上述した特開平4−122108号と同様に、各回転放物面は、融合領域の中心位置で一致しているので、無理のない融合が可能である。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項2記載のマルチビームアンテナ用反射鏡において、前記融合領域の中心位置における前記各回転放物面の法線のずれを、約10度以下としたものである。請求項3記載の発明では、最もビーム分離角が小さい2つの回転放物面の法線ベクトルのX方向成分には、ずれがあるが、このずれを3次元で10度以下とすることによって、各回転放物面の融合領域の中心位置における反射鏡面の近似性を損なうことなく、融合することができる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項2記載のマルチビームアンテナ用反射鏡において、前記少なくとも2つの回転放物面に対する加重平均の重みは、X座標値の関数であり、他の回転放物面に対する重みは、定数であるものである。
【0019】
請求項6記載の発明は、請求項1または2記載のマルチビームアンテナ用反射鏡において、前記回転放物面を表す関数が、修整パラボラ関数であるものである。一般に、パラボラ関数は、(X+Y)=4fZで表される。これを修整した、例えば(X+Y)=4(f+g(X、Y))Zを使用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、N(Nは3以上の任意の整数)基の静止衛星、例えば通信衛星からの電波を受信する場合の反射鏡を説明するための図である。無論、受信と逆の経路を通って送信する場合も同様である。複数の静止衛星を衛星1乃至Nとし、その各々の到来電波の進行方向をベクトルZ1、ベクトルZ2・・・ベクトルZNとする。但し、図1では、図が錯綜するので、ベクトルZ1、Z2、ZNのみを示してある。これらベクトルZ1乃至ZNを回転軸とする回転放物面P1乃至PN(図示せず)を考える。回転放物面P1乃至PNは、後述する座標系において、Z=〔−(X+Y)/4f〕+fのパラボラ関数によって現されるものを、後述するように、移動させたものである。fは焦点距離である。これら回転放物面を、後述するように加重平均して形成した融合領域内に、反射鏡2がある。
【0021】
ベクトルZ1乃至ZNのうち、隣接する到来波との間の角度(アンテナにおけるビーム分離角)θsが最も小さい組合せを、例えばベクトルZ1、Z2の組合せとする。その角度θsをδ1+δ2(但し、δ1=δ2)とする。δ1+δ2≦(2×アンテナのビーム幅程度)とする。
【0022】
各回転放物面P1乃至PNの焦点位置をf1乃至fNとし、f1とf2との直線距離を、この反射鏡において使用する各一次放射器の開口径より大きな値d1+d2(d1=d2)に、任意に設定する。このように設定することによって、各一次放射器が物理的に衝突することを回避できる。
【0023】
焦点位置f1及びf2を通り、f1からf2に向かう方向を正とする軸をX軸とし、X軸上のf1とf2との中間点(線分f1f2の2分点)を原点Oとし、この原点Oを通り、ベクトルZ1、Z2と同一平面にあり、かつX軸と直交し、かつベクトルZ1、Z2と概ね一致する方向を正とする軸をZ軸とし、Y軸をX軸、Z軸と右手系をなすように定める。
【0024】
必要とするパラボラ反射鏡の口径をDとし、オフセット量Ofを、通常のオフセットパラボラ反射鏡と同様に、使用する一次放射器の開口径+αとする。このオフセット量Ofは、概ね受信しようとする電波の0乃至2波長程度の大きさとなる。従って、D≫Ofである。そして、各回転放物面P1乃至PNの融合領域における融合中心点MpのY値を(Of+D/2)、X値を0とする。Z値は、回転放物面P1またはP2の関数より求まる。なお、回転放物面P1は、Z=〔−(X+Y)/4f〕+fをδ1だけ回転させ、さらに焦点位置をd1だけ平行移動させることによって得られる。なお、回転放物面P2も同様にZ=〔−(X+Y)/4f〕+fをδ2だけ回転させ、さらに焦点位置をd2だけ平行移動させることによって得られる。
【0025】
上記のようにd1、d2を設定し、かつ融合中心点MpのY値を設定しているので、形成された反射鏡2の各オフセット角θo1乃至θoNは、図2に示すように通常のオフセットパラボラ反射鏡のθoに近い値となる。同様に、各焦点と融合中心点Mpとを結ぶ直線と反射鏡2の周縁とがなす角θaも、通常のオフセットパラボラ反射鏡のθaに近い値となる。従って、通常のパラボラアンテナにおける同様なエッジテーパの設計が可能となる。
【0026】
また、δ1=δ2、d1=d2であるので、回転放物面P1、P2は鏡面対称である。そして、反射鏡2は、このような回転放物面P1、P2を少なくとも融合したものである。従って、X座標値が0の場合、必ず座標値が一致するので、融合領域内に座標値の一致する点は、無限に考えられるが、それらの中に法線が一致するものは、上記のようにd1、d2を設定し、かつ融合中心点MpのY値を設定しているので、存在しない。また、融合領域の中には、法線が一致する点も多数考えられるが、それらの中に座標値が一致するものは、上記のようにd1、d2を設定し、かつ融合中心点MpのY値を設定しているので、存在しない。従って、融合する領域内では、回転放物面P1、P2の座標値、法線のいずれか一方が一致する点か、いずれも一致しない点しか存在しない。特に、融合中心点Mpでは、座標値は一致しているが、法線は一致していない。このように構成しているので、反射鏡2の形状は、通常のオフセットパラボラアンテナと同様な形状となる。
【0027】
他の回転放物面P3乃至PNも、回転放物面P1、P2と共に融合されている。その融合中心点Mpにおいて、回転放物面P3乃至PNは、座標値が、回転放物面P1、P2の座標値と一致し、かつ回転放物面P3乃至PNの法線ベクトルのX成分が0となるように、焦点位置f3乃至fNの位置が設定されている。焦点位置f3乃至fNの位置は、d3乃至dN、b3乃至bN、c3乃至cNによってそれぞれ現される。代表として、焦点位置fNのX座標値dNを図1に、同Y座標値bN、同Z座標値cNを、図3に示す。回転放物面P3乃至PNは、Z=〔−(X+Y)/4f〕+fをδ3乃至δNだけ回転させ、さらに焦点位置をd3乃至dN、b3乃至bN、c3乃至cNだけ平行移動させることによって得られる。
【0028】
上述したように、融合中心点Mpでは、回転放物面P1の法線ベクトルV1と同P2の法線ベクトルV2とは、一致していないが、回転放物面P1、P2は、鏡面対称であるので、図4に示すように、それらのX成分V1X、V2X、Y成分V1Y、V2Y、Z成分V1Z、V2Zには、V1X=−V2X、V1Y=V2Y、V1Z=V2Zの関係がある。従って、両法線ベクトルを平均した平均ベクトルV0のX成分は0である。他の回転放物面3乃至Nは、回転放物面P1、P2と融合中心点Mpにおいて、座標値が一致し、かつ、それらの法線ベクトルのX成分、例えばV3X、V4X・・・VNXが零になるように、即ち、これらの法線ベクトルのX−Z平面成分がZ軸と平行になるように、各焦点位置が設定されている。このように設定することによって、回転放物面P1、P2の平均したベクトルV0と、回転放物面P3乃至PNのY−Z平面成分の方向が一致する。従って、特開平4−122108号公報と同様に、各回転放物面P1乃至PNの法線は、融合中心点Mpにおいて、ほぼ一致し、無理のない融合が可能となる。
【0029】
このようにして、各回転放物面P1乃至PNの配置を決め、これら回転放物面P1乃至PNのZ値に、重みW1乃至WNを乗算して、加算することによって、即ち加重平均することによって、反射鏡2の融合領域を決定する。但し、重みW3乃至W4は、定数で、各々零以上1以下の値で、その累算値は、数1で示される。また、重みW1、W2は、数2、数3で表される。
【0030】
【数1】
Figure 0003547949
【数2】
Figure 0003547949
【数3】
Figure 0003547949
【0031】
数2、数3から明らかなように、重みW1、W2は、X軸上の座標値の関数である。融合領域における法線が一致しない領域での合成を良好に行えるように、シミュレーションの結果、各重みの値は決定されている。
【0032】
【実施例】
2基の通信衛星からの電波を受信する場合の実施例の融合形態と、元の回転放物面の概念を図5(a)、(b)に示す。この場合、δ1=δ2 =4.5度、反射鏡の口径Dを460mm、焦点距離Fを230mm、オフセット量Ofを0及び50mm、融合中心点MpのY値を230+Ofmmとした。なお、融合中心点MpのX値は0であり、Z値は、回転放物面P1、P2の関数によって、定まる。
【0033】
この反射鏡を使用したアンテナにおいて、一次放射器間隔(d1+d2)を変化させた場合の利得の変化のシミュレーション結果を図7(a)に示す。一次放射器にその口径が35mmのものを使用した場合、一次放射器が物理的に衝突しないためには、一次放射器の間隔は35mm以上必要であるが、この35mm以上の範囲では、39mmにおいて、アンテナ径450mmのシングルビームアンテナの利得33.8dBとほぼ同様な33.5dB以上の利得が得られた。
【0034】
4基の通信衛星からの電波を受信する場合の実施例の融合形態と、元の回転放物面の概念を図6(a)、(b)に示す。この場合、δ1=δ2 =4.5度、δ3=δ4=10.1度、アンテナ径Dを460mm、焦点距離Fを230mm、オフセット量Ofを0、融合中心点MpのY値を230mm(無論X値は0)とした。
【0035】
この反射鏡を使用したアンテナにおいて、一次放射器間隔(d1+d2)を変化させた場合における±4.5度、±10.5度の方向から電波が到来する場合の利得の変化のシミュレーション結果を図7(b)、(c)に示す。なお、重みW3、W4を同じ値とし、これをパラメータとして、0.1乃至0.4の範囲で変化させている。
【0036】
図7(b)から明らかなように、±4.5度でビームが入射する場合のみを考えると、W3、W4を0.1またはO.2とした場合、一次放射器の間隔が40mm程度で、利得33.5dBが得られる。追加ビームとして±10.1度も必要な場合、±10.1度のビームの利得として30dB以上必要であれば、図7(b)、(c)から、W3、W4を0.3として、±4.5度のビーム用の一次放射器の間隔を35mmとすると、これらのビームに対して33dBの利得が得られる。
【0037】
以上のように、アンテナのビーム幅の2倍程度以下のビーム分離角を含むマルチビームアンテナにおいて、さらに広い分離角のビームを付加することが可能なマルチビームアンテナ用反射鏡を実現できる。
【0038】
上記の実施の形態では、回転放物面を使用したが、これを修整したものを使用することもできる。例えばX+Y=4(f+g(X,Y))Zと修整した関数を使用することもできる。但し、g(X,Y)はK1(Y+α)+K2(|X|+β)、αは−Of+D以上で、−Of−D以下、βは−(D/2)以上で、(D/2)以下、K1、K2は係数である。K2=0、K1<0、α=−(Of+D/2)とすることもでき、K1=0、K1>0、β=0とすることもでき、K1=0とすることもでき、K1=K2=0、α=−(Of+D/2)、β=0とすることもできる。このような修整関数を用いると、反射鏡の収差に基づく等位相点の拡散を抑え、等位相点を集中させることができ、利得を向上させることができる。
【0039】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明によれば、必要な開口径を持つ一次放射器を物理的に衝突することなく配置可能で、かつ利得性能を大幅に低下させることがなく、通常のオフセットパラボラアンテナと近似の形状のマルチビームアンテナ用反射鏡を実現できる。
【0040】
請求項2記載の発明によれば、反射鏡の融合領域における法線が一致しない領域での各回転放物面の合成を良好に行える。
【0041】
請求項3記載の発明によれば、通常のオフセットパラボラアンテナと近似の形状であって、必要な開口径を持つ一次放射器を物理的に衝突することなく複数台配置可能で、かつ利得性能を大幅に低下させることがなく、3波以上の電波を送受信することができるマルチビームアンテナ用反射鏡を実現できる。
【0042】
請求項4記載の発明によれば、各パラボラ関数の融合領域の中心位置における各反射面の近似性を損なうことなく、融合することができる。
【0043】
請求項5記載の発明によれば、3波以上のビームを送受できる各反射鏡の融合領域における法線が一致しない領域での各回転放物面の合成を良好に行える。
【0044】
請求項6記載の発明によれば、修整関数を用いているので、反射鏡の収差に基づく等位相点の拡散を抑え、等位相点を集中させることができ、利得を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のマルチビーム反射鏡の斜視図である。
【図2】同第1の実施の形態の側面図である。
【図3】同第1の実施の形態の焦点fNを示す図である。
【図4】同第1の実施の形態における融合領域の断面を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例の形状とその原関数とを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の形状とその原関数とを示す図である。
【図7】第1及び第2の実施例における一次放射器の間隔と利得との関係を示す図である。
【図8】従来の通常のパラボラ反射鏡においてアンテナ正面方向以外からの電波を受信する状態を示す図である。
【図9】従来の通常のパラボラ反射鏡の側面図である。
【図10】従来の融合鏡面反射鏡の側面図である。
【符号の説明】
2 反射鏡
d1+d2 焦点位置間の距離
D 開口径
Of オフセット量
Mp 融合領域の中心位置

Claims (6)

  1. 少なくとも2つの方向から到来する電波の受信を、または前記少なくとも2つの方向への電波の放射をするマルチビームアンテナ用反射鏡であって、
    この反射鏡は、前記少なくとも2つの方向を回転軸として得られる少なくとも2つの鏡面対象な回転放物面を加重平均して形成された融合領域内にあり、
    前記少なくとも2つの回転放物面の焦点位置間の距離が、前記反射鏡と共に使用される少なくとも2つの一次放射器の開口径よりも大きく設定され、
    前記少なくとも2つの回転放物面の焦点位置間の中点を原点とし、これら焦点位置を含む直線の方向をX軸方向とし、前記2つの焦点と同一平面内で前記X軸方向と直交する方向をZ軸方向とし、前記X軸及びZ軸方向と直交する方向をY軸方向とする座標系において、前記融合領域の中心位置のX値が0であって、Y値が前記反射鏡の口径の1/2の値と、オフセット量(送受信しようとする電波の0乃至2波長)とを加算した値に設定されている
    マルチビームアンテナ用反射鏡。
  2. 請求項1記載のマルチビームアンテナ用反射鏡において、前記少なくとも2つの電波に対応する2つの回転放物面に対する前記加重平均の重みは、前記原点からの前記X軸方向への距離の関数であるマルチビームアンテナ用反射鏡。
  3. n個(nは3以上の整数)の方向から到来する電波の受信を、または前記n個の方向への電波の放射をするマルチビームアンテナ用反射鏡であって、
    この反射鏡は、前記n個の方向を回転軸として得られるn個の回転放物面を加重平均して形成される融合領域内にあり、
    前記n個の電波のうち最もビーム分離角度が小さい2個の電波に対する2つの回転放物面の焦点位置間の距離を、前記反射鏡と共に使用する一時放射器の開口径よりも大きく設定し、
    前記2つの回転放物面の焦点位置間の中点を原点とし、これら焦点位置を含む直線の方向をX軸方向とし、前記2つの焦点と同一平面内で前記X軸方向と直交する方向をZ軸方向とし、前記X軸及びZ軸方向と直交する方向をY軸方向とする座標系において、前記融合領域の中心位置のX値が0であって、Y値が前記反射鏡の口径の1/2の値と、オフセット量(送受信しようとする電波の0乃至2波長)とを加算した値に設定され、
    前記融合領域の中心位置で前記n個の回転放物面の座標位置が一致し、かつ前記融合領域の中心位置で前記2つの回転放物面の法線の平均値と、他のn−2個の回転放物面の法線とが一致するように、n−2個の回転放物面を配置してなるマルチビームアンテナ用反射鏡。
  4. 請求項2記載のマルチビームアンテナ用反射鏡において、前記融合領域の中心位置における前記各回転放物面の法線のずれが、約10度以下であるマルチビームアンテナ用反射鏡。
  5. 請求項2記載のマルチビームアンテナ用反射鏡において、前記少なくとも2つの回転放物面に対する加重平均の重みは、X座標値の関数であり、他の回転放物面に対する重みは、定数であるマルチビームアンテナ用反射鏡。
  6. 請求項1または2記載のマルチビームアンテナ用反射鏡において、前記回転放物面を表す関数が、修整パラボラ関数であるマルチビームアンテナ用反射鏡。
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