JP3547346B2 - 原子吸光測定方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気加熱炉を用いる原子吸光光度計に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気加熱炉によって試料を加熱して原子状態にし、測定光を照射してその吸光度を測定する原子吸光光度計において、血液,ミルク,樹脂などの有機物が多量に存在する物質を試料として測定する場合、電気加熱炉で、最初から目的元素が原子化する温度にまで加熱すると、突沸を起こして試料が飛散してしまい、計測不可能になる。このため、目的元素を原子化するまでの加熱プログラムを幾つかのステップに分け進行させる。進行させる順番は、初め乾燥段階があり、次に有機物や共存する塩類を除去するための灰化段階があり、最終的に分析目的の元素を原子化させるための原子化段階がある。
【0003】
従来の原子吸光光度計においては、元素の種類または試料の形態毎に経験的な値を基に作成した加熱プログラムをメモリしておき、測定前に加熱プログラムを呼び出し、これを用いて測定を行っている。また、多種類の試料を分析する場合、標準の加熱プログラムでは乾燥不足や多大なバックグラウンド吸収が生じる試料が出てくるため、これを解決するために、従来の情報を参考にしてトライアンドエラーで加熱プログラムを修正して測定を行っていた。この様な例として、例えば特開平6−94606号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
加熱プログラムは、その名のとおり電気加熱炉の時系列的な設定温度を定義したプログラムである。従って、測定者からはそのプログラムを確認すれば、電気加熱炉のその時の温度は認識できる。しかし、その温度で、その時測定している試料がどのような現象を起こすのかについては、熟練した測定者でなければ判断できない。
【0005】
従って、その加熱温度でどのような検出信号が得られるのかについては、測定者の経験が浅い場合や未知試料を測定する場合などは、容易には推定できないため、突沸や再現不良が発生しない条件を探り当てるために数多くの測定をする必要があり、試料を多量に消費し、更に多大な時間を要するなどの問題が生じる。また、この様な試行錯誤を行っているうちは、当然データの信頼性も低い。
【0006】
本発明の目的は、測定者の個人差に関わりなく容易に最適な加熱プログラムを設定することができる原子吸光光度計の測定方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の特徴は、光源部と、試料が注入され加熱により試料を原子化する試料加熱部と、当該試料加熱部を介して前記光源部からの光を検出する検出部と、当該検出部によって検出された信号を処理し且つ前記試料加熱部の加熱制御を行う演算部と、測定結果の表示且つ測定者の操作に使用される表示部とを用いて行われる原子吸光測定方法において、予め格納された複数の検出信号パターンの内、任意のパターンを選択し、前記試料加熱部に試料を注入し、前記選択されたパターンが検出されるように、前記試料加熱部を加熱制御し、前記試料加熱部に試料を注入し、前記加熱制御を再度実行することである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。
【0009】
まず図1で、本発明が適用される原子吸光光度計の概略構造を説明する。
【0010】
中空陰極放電管等の光源1から測定対象の元素に応じた波長を有する発光線
(輝線)が発せられる。黒鉛管などの電気抵抗体からなる試料セル2(電気加熱炉)には、測定時、試料が数十μl程度注入される。試料セル2は、電流を流すかまたは電圧を印加することにより加熱され、その熱により試料は原子化される。
【0011】
原子化された試料に対して光源1から発光線が照射されると、照射された発光線の波長と原子が有する固有の波長とが同一波長の場合、共鳴吸収現象を起こし、発光線のエネルギーが吸収される。
【0012】
試料セル2を通過した発光線には、複数の波長が混在しているため、特定波長を選択する分光器3を経てその時の発光線のエネルギー変化を光電子増倍管等の検出器4により電気信号に変換して検出する。
【0013】
検出器4によって検出される信号は、図2に示すように、発光線のエネルギーを吸収した目的元素による原子吸光信号と、それ以外に試料中に共存する他の元素による吸収や散乱光の成分が加わった信号(バックグランド信号5)が合わせて検出される。演算器7では、連続光源による方式,自己反転方式または、ゼーマン方式などによりバックグラウンド信号5を除去し、操作用処理装置8の表示画面に目的元素の吸光度信号6として表示する。
【0014】
以上が、電気加熱炉を用いた原子吸光光度計の測定原理とデータの表示の概要である。
【0015】
上記の測定において、試料セル2で試料を加熱し原子化する時には、前述のように一般的には加熱の段階を複数行程設けている。各段階は便宜上、▲1▼乾燥、▲2▼灰化、▲3▼原子化、▲4▼クリーンといい、測定する元素や試料により各段階毎に加熱温度を変化させる。通常、装置には標準的な加熱プログラムが複数組み込まれているが、実際の試料に対応する場合は、トライアンドエラーで加熱プログラムを検討し修正していく必要がある。
【0016】
特に▲1▼乾燥段階は重要であり、血液,ミルク,樹脂、などの有機物が多量含まれる試料の場合、この段階の加熱プログラムが最適でないと突沸や乾燥不足などを起こしやすい。また、▲2▼灰化段階が不十分であると原子化時に多大なバックグラウンド吸収を起こし、そのバックグラウンド吸収を補正しきれない場合が生じてしまい、測定値の信頼性を損なう。特に初めて分析する試料の場合は、指標が無いためにこれらの段階の設定は困難である。
【0017】
本発明においては、試料セル2への加熱プログラムの設定は、類似する加熱プログラムを修正していくことで設定するのではなく、▲1▼乾燥段階からの検出信号の変化を基に加熱プログラムを設定していくものである。つまり、バックグランド信号を除去していない状態の▲1▼乾燥段階から少なくとも▲3▼原子化段階に至るまでの検出信号の変化を複数パターン化して記憶しておき、その中で最も良いと思われるものを事前に選択し、仮の測定(プレ測定)でその検出信号が得られるように、試料セル2に対して電流をかけていき、最終的に▲4▼クリーン行程が終了したときに、それまでの電流の掛け方を加熱プログラムとするものである。
【0018】
本発明の操作の手順を図4のフローチャートを用いて説明する。尚、ここでの操作手順は、全て操作用処理装置8のディスプレイに表示された画面上から操作することができる。
【0019】
1.元素の選択
ディスプレイ上に元素の一覧表が表示され、測定すべき元素をポインティングデバイス等でカーソルを用いて選択する。
【0020】
2.試料の種類の選択
元素選択と同様に、ディスプレイ上に試料の一覧表が表示され、測定すべき試料をポインティングデバイス等でカーソルを用いて選択する。図5に一覧表の例を示す。
【0021】
尚、測定対象試料が未知試料である場合、このステップはスキップすることができる。
【0022】
3.検出信号モデルパターンの選択
上記の元素,試料の選択を選択することで、測定の条件が絞り込まれる。例えば、元素の選択により▲2▼灰化段階・▲3▼原子化段階の温度の目安が決まり、試料の選択により▲1▼乾燥段階・▲2▼灰化段階の温度の目安が決まる。
【0023】
これらの条件に適合する検出信号のモデルパターンがディスプレイ上に複数表示される。図3に検出信号モデルパターンの一覧が表示された例を示す。
【0024】
測定者は、これらのパターンの中から、最適と思われるモデルパターンを選択する。例えば、血液を試料とした場合、多量の有機物を含むので純水と同じような加熱プログラムを使用すると、▲1▼乾燥段階で突沸現象を起こし易い。従って、
▲1▼乾燥段階においては、緩やかに温度を上昇させ発泡を少なくする必要がある。このため検出信号モデルパターンの選択は、▲1▼乾燥段階が低いなだらかな半円状のパターンを選ぶ。
【0025】
4.プレ測定開始
実際に試料セル2を加温し、指定された検出信号モデルパターンと同じ信号が得られるように、検出器4でモニタした検出信号をフィードバックしながら、試料セル2へ流す電流値をコントロールしていく。
【0026】
例えば、モニタした検出信号の上昇率が大きくなった場合、流す電流値を下げ試料セル2の温度を下げる。また、検出信号が下がらない場合は、電流を増加して温度を上げるか電流値はそのまま(温度一定)で時間を長く保つ。
【0027】
各段階で流された一連の電流値は全て記憶されていく。
【0028】
5.加熱プログラムを決定する。
【0029】
プレ測定で▲4▼クリーン段階まで終了すると、▲1▼乾燥段階から▲4▼クリーン段階までにプレ測定で流した電流値が、加熱プログラムとして決定される。
【0030】
6.本測定を行う。
【0031】
その後、再度試料を試料セル2へ注入し、測定を行い、バックグラウンド信号除去の演算を行い、目的元素の吸光度を得る。
【0032】
7.本測定の結果に不具合が有るような場合、モデルパターンの選択が最適ではなかった場合が考えられるため、再度検出信号選択のステップに戻り、測定を繰り返す。
【0033】
本測定の結果に、不具合な内容であればそのまま終了とする。
【0034】
本発明の基本的な加熱プログラム設定手順は、上記のとおりである。上記のように加熱プログラムを設定することにより、プログラムが決定するまでの測定は、プレ測定と本測定の2回で済み、設定に要する試料の消費を大幅に低減することが可能となる。
【0035】
また、モデルパターンを選択するのみで、具体的な加熱プログラムは装置側で自動的に設定していくため、測定者の熟練の度合いに関わらず安定した加熱プログラムを設定することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】
上記に示すように、本発明によれば、加熱プログラムの設定を自動的に行うことができ、初心者でも信頼性の高い測定ができるようになり、ルーチン分析の自動化及び効率向上の効果がある。
【0037】
また、設定が簡単なステップで行えることから消費する試料もごく僅かな量で済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子吸光光度計の概略構成図である。
【図2】目的元素の検出信号と、バックグラウンド信号の例である。
【図3】検出信号モデルパターン選択時の表示例を示す図である。
【図4】測定におけるフローチャートである。
【図5】試料選択画面の表示例である。
【符号の説明】
1…光源、2…試料セル、3…分光器、4…検出器、5…バックグランド信号、6…吸収信号、7…演算器、8…操作用処理装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気加熱炉を用いる原子吸光光度計に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気加熱炉によって試料を加熱して原子状態にし、測定光を照射してその吸光度を測定する原子吸光光度計において、血液,ミルク,樹脂などの有機物が多量に存在する物質を試料として測定する場合、電気加熱炉で、最初から目的元素が原子化する温度にまで加熱すると、突沸を起こして試料が飛散してしまい、計測不可能になる。このため、目的元素を原子化するまでの加熱プログラムを幾つかのステップに分け進行させる。進行させる順番は、初め乾燥段階があり、次に有機物や共存する塩類を除去するための灰化段階があり、最終的に分析目的の元素を原子化させるための原子化段階がある。
【0003】
従来の原子吸光光度計においては、元素の種類または試料の形態毎に経験的な値を基に作成した加熱プログラムをメモリしておき、測定前に加熱プログラムを呼び出し、これを用いて測定を行っている。また、多種類の試料を分析する場合、標準の加熱プログラムでは乾燥不足や多大なバックグラウンド吸収が生じる試料が出てくるため、これを解決するために、従来の情報を参考にしてトライアンドエラーで加熱プログラムを修正して測定を行っていた。この様な例として、例えば特開平6−94606号公報がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
加熱プログラムは、その名のとおり電気加熱炉の時系列的な設定温度を定義したプログラムである。従って、測定者からはそのプログラムを確認すれば、電気加熱炉のその時の温度は認識できる。しかし、その温度で、その時測定している試料がどのような現象を起こすのかについては、熟練した測定者でなければ判断できない。
【0005】
従って、その加熱温度でどのような検出信号が得られるのかについては、測定者の経験が浅い場合や未知試料を測定する場合などは、容易には推定できないため、突沸や再現不良が発生しない条件を探り当てるために数多くの測定をする必要があり、試料を多量に消費し、更に多大な時間を要するなどの問題が生じる。また、この様な試行錯誤を行っているうちは、当然データの信頼性も低い。
【0006】
本発明の目的は、測定者の個人差に関わりなく容易に最適な加熱プログラムを設定することができる原子吸光光度計の測定方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の特徴は、光源部と、試料が注入され加熱により試料を原子化する試料加熱部と、当該試料加熱部を介して前記光源部からの光を検出する検出部と、当該検出部によって検出された信号を処理し且つ前記試料加熱部の加熱制御を行う演算部と、測定結果の表示且つ測定者の操作に使用される表示部とを用いて行われる原子吸光測定方法において、予め格納された複数の検出信号パターンの内、任意のパターンを選択し、前記試料加熱部に試料を注入し、前記選択されたパターンが検出されるように、前記試料加熱部を加熱制御し、前記試料加熱部に試料を注入し、前記加熱制御を再度実行することである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図を用いて説明する。
【0009】
まず図1で、本発明が適用される原子吸光光度計の概略構造を説明する。
【0010】
中空陰極放電管等の光源1から測定対象の元素に応じた波長を有する発光線
(輝線)が発せられる。黒鉛管などの電気抵抗体からなる試料セル2(電気加熱炉)には、測定時、試料が数十μl程度注入される。試料セル2は、電流を流すかまたは電圧を印加することにより加熱され、その熱により試料は原子化される。
【0011】
原子化された試料に対して光源1から発光線が照射されると、照射された発光線の波長と原子が有する固有の波長とが同一波長の場合、共鳴吸収現象を起こし、発光線のエネルギーが吸収される。
【0012】
試料セル2を通過した発光線には、複数の波長が混在しているため、特定波長を選択する分光器3を経てその時の発光線のエネルギー変化を光電子増倍管等の検出器4により電気信号に変換して検出する。
【0013】
検出器4によって検出される信号は、図2に示すように、発光線のエネルギーを吸収した目的元素による原子吸光信号と、それ以外に試料中に共存する他の元素による吸収や散乱光の成分が加わった信号(バックグランド信号5)が合わせて検出される。演算器7では、連続光源による方式,自己反転方式または、ゼーマン方式などによりバックグラウンド信号5を除去し、操作用処理装置8の表示画面に目的元素の吸光度信号6として表示する。
【0014】
以上が、電気加熱炉を用いた原子吸光光度計の測定原理とデータの表示の概要である。
【0015】
上記の測定において、試料セル2で試料を加熱し原子化する時には、前述のように一般的には加熱の段階を複数行程設けている。各段階は便宜上、▲1▼乾燥、▲2▼灰化、▲3▼原子化、▲4▼クリーンといい、測定する元素や試料により各段階毎に加熱温度を変化させる。通常、装置には標準的な加熱プログラムが複数組み込まれているが、実際の試料に対応する場合は、トライアンドエラーで加熱プログラムを検討し修正していく必要がある。
【0016】
特に▲1▼乾燥段階は重要であり、血液,ミルク,樹脂、などの有機物が多量含まれる試料の場合、この段階の加熱プログラムが最適でないと突沸や乾燥不足などを起こしやすい。また、▲2▼灰化段階が不十分であると原子化時に多大なバックグラウンド吸収を起こし、そのバックグラウンド吸収を補正しきれない場合が生じてしまい、測定値の信頼性を損なう。特に初めて分析する試料の場合は、指標が無いためにこれらの段階の設定は困難である。
【0017】
本発明においては、試料セル2への加熱プログラムの設定は、類似する加熱プログラムを修正していくことで設定するのではなく、▲1▼乾燥段階からの検出信号の変化を基に加熱プログラムを設定していくものである。つまり、バックグランド信号を除去していない状態の▲1▼乾燥段階から少なくとも▲3▼原子化段階に至るまでの検出信号の変化を複数パターン化して記憶しておき、その中で最も良いと思われるものを事前に選択し、仮の測定(プレ測定)でその検出信号が得られるように、試料セル2に対して電流をかけていき、最終的に▲4▼クリーン行程が終了したときに、それまでの電流の掛け方を加熱プログラムとするものである。
【0018】
本発明の操作の手順を図4のフローチャートを用いて説明する。尚、ここでの操作手順は、全て操作用処理装置8のディスプレイに表示された画面上から操作することができる。
【0019】
1.元素の選択
ディスプレイ上に元素の一覧表が表示され、測定すべき元素をポインティングデバイス等でカーソルを用いて選択する。
【0020】
2.試料の種類の選択
元素選択と同様に、ディスプレイ上に試料の一覧表が表示され、測定すべき試料をポインティングデバイス等でカーソルを用いて選択する。図5に一覧表の例を示す。
【0021】
尚、測定対象試料が未知試料である場合、このステップはスキップすることができる。
【0022】
3.検出信号モデルパターンの選択
上記の元素,試料の選択を選択することで、測定の条件が絞り込まれる。例えば、元素の選択により▲2▼灰化段階・▲3▼原子化段階の温度の目安が決まり、試料の選択により▲1▼乾燥段階・▲2▼灰化段階の温度の目安が決まる。
【0023】
これらの条件に適合する検出信号のモデルパターンがディスプレイ上に複数表示される。図3に検出信号モデルパターンの一覧が表示された例を示す。
【0024】
測定者は、これらのパターンの中から、最適と思われるモデルパターンを選択する。例えば、血液を試料とした場合、多量の有機物を含むので純水と同じような加熱プログラムを使用すると、▲1▼乾燥段階で突沸現象を起こし易い。従って、
▲1▼乾燥段階においては、緩やかに温度を上昇させ発泡を少なくする必要がある。このため検出信号モデルパターンの選択は、▲1▼乾燥段階が低いなだらかな半円状のパターンを選ぶ。
【0025】
4.プレ測定開始
実際に試料セル2を加温し、指定された検出信号モデルパターンと同じ信号が得られるように、検出器4でモニタした検出信号をフィードバックしながら、試料セル2へ流す電流値をコントロールしていく。
【0026】
例えば、モニタした検出信号の上昇率が大きくなった場合、流す電流値を下げ試料セル2の温度を下げる。また、検出信号が下がらない場合は、電流を増加して温度を上げるか電流値はそのまま(温度一定)で時間を長く保つ。
【0027】
各段階で流された一連の電流値は全て記憶されていく。
【0028】
5.加熱プログラムを決定する。
【0029】
プレ測定で▲4▼クリーン段階まで終了すると、▲1▼乾燥段階から▲4▼クリーン段階までにプレ測定で流した電流値が、加熱プログラムとして決定される。
【0030】
6.本測定を行う。
【0031】
その後、再度試料を試料セル2へ注入し、測定を行い、バックグラウンド信号除去の演算を行い、目的元素の吸光度を得る。
【0032】
7.本測定の結果に不具合が有るような場合、モデルパターンの選択が最適ではなかった場合が考えられるため、再度検出信号選択のステップに戻り、測定を繰り返す。
【0033】
本測定の結果に、不具合な内容であればそのまま終了とする。
【0034】
本発明の基本的な加熱プログラム設定手順は、上記のとおりである。上記のように加熱プログラムを設定することにより、プログラムが決定するまでの測定は、プレ測定と本測定の2回で済み、設定に要する試料の消費を大幅に低減することが可能となる。
【0035】
また、モデルパターンを選択するのみで、具体的な加熱プログラムは装置側で自動的に設定していくため、測定者の熟練の度合いに関わらず安定した加熱プログラムを設定することが可能となる。
【0036】
【発明の効果】
上記に示すように、本発明によれば、加熱プログラムの設定を自動的に行うことができ、初心者でも信頼性の高い測定ができるようになり、ルーチン分析の自動化及び効率向上の効果がある。
【0037】
また、設定が簡単なステップで行えることから消費する試料もごく僅かな量で済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子吸光光度計の概略構成図である。
【図2】目的元素の検出信号と、バックグラウンド信号の例である。
【図3】検出信号モデルパターン選択時の表示例を示す図である。
【図4】測定におけるフローチャートである。
【図5】試料選択画面の表示例である。
【符号の説明】
1…光源、2…試料セル、3…分光器、4…検出器、5…バックグランド信号、6…吸収信号、7…演算器、8…操作用処理装置。
Claims (3)
- 光源部と、試料が注入され加熱により試料を原子化する試料加熱部と、当該試料加熱部を介して前記光源部からの光を検出する検出部と、当該検出部によって検出された信号を処理し且つ前記試料加熱部の加熱制御を行う演算部と、測定結果の表示且つ測定者の操作に使用される表示部とを用いて行われる原子吸光測定方法において、
予め格納された複数の検出信号パターンの内、任意のパターンを選択し、
前記試料加熱部に試料を注入し、前記選択されたパターンが検出されるように、前記試料加熱部を加熱制御し、
前記試料加熱部に試料を注入し、前記加熱制御を再度実行することを特徴とした原子吸光測定方法。 - 請求項1において、
前記予め格納された複数の検出信号パターンは、少なくとも乾燥段階から原子化段階までの検出信号のデータが定義されることを特徴とした原子吸光測定方法。 - 請求項1において、
前記任意のパターンを選択する前に、測定すべき元素を選択し、選択された元素に適合するパターンを前記表示部に表示することを特徴とする原子吸光測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26318299A JP3547346B2 (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | 原子吸光測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26318299A JP3547346B2 (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | 原子吸光測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001083082A JP2001083082A (ja) | 2001-03-30 |
JP3547346B2 true JP3547346B2 (ja) | 2004-07-28 |
Family
ID=17385918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26318299A Expired - Fee Related JP3547346B2 (ja) | 1999-09-17 | 1999-09-17 | 原子吸光測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5255686A (en) * | 1975-10-31 | 1977-05-07 | Seiko Instr & Electronics Ltd | Computer controlled atomic absorption spectrophotometer |
JPH07119689B2 (ja) * | 1988-03-26 | 1995-12-20 | 株式会社島津製作所 | フレーム原子吸光分析装置 |
JPH0572122A (ja) * | 1991-09-18 | 1993-03-23 | Hitachi Ltd | 高温炉原子吸光光度計 |
JP2576745B2 (ja) * | 1992-09-11 | 1997-01-29 | 株式会社島津製作所 | フレームレス原子吸光分光光度計 |
JPH0694606A (ja) * | 1992-09-16 | 1994-04-08 | Hitachi Ltd | 原子吸光光度計 |
JPH07239302A (ja) * | 1994-02-28 | 1995-09-12 | Shimadzu Corp | 原子吸光分光光度計 |
-
1999
- 1999-09-17 JP JP26318299A patent/JP3547346B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JP2001083082A (ja) | 2001-03-30 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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