JP3547329B2 - マルチキャリア信号発生装置 - Google Patents
マルチキャリア信号発生装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3547329B2 JP3547329B2 JP35894398A JP35894398A JP3547329B2 JP 3547329 B2 JP3547329 B2 JP 3547329B2 JP 35894398 A JP35894398 A JP 35894398A JP 35894398 A JP35894398 A JP 35894398A JP 3547329 B2 JP3547329 B2 JP 3547329B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- transmission
- signal
- additional information
- information
- transmitting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の搬送波を用いて情報を伝送するマルチキャリア伝送方式において、伝送フレームの同期信号中に付加情報を挿入することが可能なマルチキャリア信号発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の搬送波を用いて情報を伝送するマルチキャリア伝送方式は、1つの搬送波を用いて情報を伝送する場合と比較して1個のデータの伝送に使用できる時間(シンボル期間)を長く取ることができる。従って、反射(マルチパス)波の遅延時間に比べてシンボル期間を十分長く取れば、マルチパス妨害の影響を軽減することができる伝送方式である。
【0003】
このマルチキャリア伝送方式は高品質な音声・映像信号のディジタル伝送や、移動通信などに用いられている。(「98年版 データ圧縮とディジタル変調」、日経エレクトロニクス・ブックス、301頁参照)
この伝送方式を用いると、同じ番組を同一の周波数で中継伝送することにより周波数の利用効率を向上させることができ、また、複数局で同じ放送を行なうことが可能となる。このようなとき、例えば、送信局を識別する情報などの付加情報を送信信号に挿入することができる(米国特許5,617,411号明細書参照)。
【0004】
マルチキャリア伝送方式の送信信号は、同期信号として一定の無信号状態期間をもち、同期信号が送信された後に、実際の情報に対応するいくつかの情報ブロックが送信される。付加情報は、この同期信号中に微小な信号として挿入される。
【0005】
従来の付加情報を挿入可能なマルチキャリア信号発生装置は、図3に示すように、付加情報の演算に関しては、付加情報の入力手段1と、入力された付加情報に対応する送信信号を演算する演算手段2から構成され、また、送信信号の選択に関しては、ビット列を入力するビット列入力手段4、入力ビット列から情報ブロック数を計数する情報ブロックカウンタ5、情報ブロックのカウント数からフレーム数を計数するフレームカウンタ9、付加情報を挿入するフレームをフレーム数を基に演算し決定するための演算手段10、演算手段10の結果により送信信号を選択する選択手段7、一定の無信号状態を作成する同期信号発生手段8、および、上記付加情報の演算手段2によって構成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
1つの伝送フレームの送信信号の演算は、規定されている限られた時間内で行なわなければならないため、高速に演算をしなければならない。しかしながら、従来の付加情報を挿入可能なマルチキャリア信号発生装置においては、送信局識別信号などのように送信中は常に一定である付加情報に対応する送信信号の演算を、各伝送フレームの送信時に毎回行なっているため、演算量が多いという欠点を持っていた。
【0007】
また、算出された付加情報に対応する送信信号の送信は、必ずしもすべての伝送フレームで行なわれるわけではなく、ある一定の条件を満たす伝送フレームにおいてのみ送信されるわけであるが、その条件を求める際に複雑な演算を行なっているという欠点を持っていた。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するために、付加情報に対応する送信信号をあらかじめ演算し記憶手段にデータ配列として保持しておくことによって演算回数を削減し、より効率的な付加情報の演算を行なうマルチキャリア信号発生装置を提供することを目的としている。
【0009】
また、付加情報を送信する伝送フレーム数の選択を、演算手段を用いずに簡易判定手段のみで行なうことによって、より効率的な付加情報の挿入を行なうマルチキャリア信号発生装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この第1の目的を達成するための本発明のマルチキャリア信号発生器は以下のような構成である。入力手段はユーザが指定した付加情報を入力する。演算手段は入力された付加情報に対応する送信信号を演算する。記憶手段は演算された送信信号を記憶する。以上の処理は送信開始前に実行され、各伝送フレームの同期信号送信時に記憶手段からあらかじめ演算された送信信号のデータ配列を読み出すことのみで実現される。
【0011】
また、第2の目的を達成するための本発明のマルチキャリア信号発生装置は以下のような構成である。ビット列入力手段は情報ビット列を入力する。情報ブロックカウンタは入力された情報ブロック数を計数する。簡易判定手段は送信フレームが奇数であるか偶数であるかを判定する。選択手段は簡易判定手段の判定結果により送信信号を選択する。記憶手段はあらかじめ演算された付加情報に対応する送信信号を記憶する。同期信号発生手段は一定の無信号状態を作成する。このような構成により、付加情報を送信する伝送フレーム数の演算なしに、伝送フレームが奇数であるか偶数であるかの2値の判定のみで付加情報の送信が実現される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数の搬送波を用いて情報を伝送するマルチキャリア伝送方式において、同期信号である一定の無信号状態期間中に付加情報を挿入する手段を備えたマルチキャリア信号発生装置であって、該マルチキャリア信号発生装置は、付加情報を入力する入力手段と、入力された付加情報から送信信号を演算する演算手段と、演算された送信信号を記憶する記憶手段とを備え、前記入力手段より入力された前記付加情報に対応する送信信号を前記演算手段が算出しデータ配列として前記記憶手段にあらかじめ記憶させておき、各伝送フレームの同期信号送信時に前記記憶手段に記憶されている前記付加情報に対応する送信信号を読み出して送信することを特徴とするマルチキャリア信号発生装置としたものであり、各伝送フレームの同期信号送信時に毎回付加信号を演算する必要がなくなり、処理時間を短縮することができるという作用を有する。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、情報ビット列の入力手段と、入力された情報ブロック数を計数する情報ブロックカウンタと、送信フレーム数が奇数であるか偶数であるかを判定する簡易判定手段と、前記簡易判定手段の判定結果により送信信号を選択する選択手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリア信号発生装置としたものであり、付加情報を送信する伝送フレーム数の演算を行なわずに、簡易判定手段が行なう簡易判定で付加情報を送信する伝送フレームを判定できるという作用を有する。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態では付加情報に対応する送信信号の記憶手段を備えたマルチキャリア信号発生装置について説明する。図2においてマルチキャリア信号発生装置は、付加情報の入力手段1と、入力手段1によって入力された付加情報から付加情報に対応する送信信号(以下、付加信号と記す)を演算する演算手段2と、演算手段2によって演算された付加信号を記憶する記憶手段3と、情報ビット列の入力手段4と、ビット列入力手段4によって入力されたビット列から情報ブロック数を計数する情報ブロックカウンタ5と、情報ブロックカウンタ5のカウント数からフレーム数を計数するフレームカウンタ9と、フレームカウンタ9のカウント数から付加情報の挿入フレーム数を演算する演算手段10と、演算手段10の結果により送信信号を選択する選択手段7と、一定の無信号状態を作成する同期信号発生手段8と、ビット列入力手段4で入力された情報ビット列を変調する変調手段11と、送信信号を多重化するマルチキャリア多重化手段12と、伝送フレームを出力する出力手段13とから構成されている。
【0018】
次に、上記第1の実施形態の動作について図6を用いて説明する。伝送フレームを送信するまでの流れは図6のフローチャートに示したような手順で行なわれる。すなわち、
ステップ14:付加情報入力手段1から、ユーザが付加情報を入力する。
ステップ15:入力手段1により入力された付加情報から演算手段2によって付加信号を演算する。
ステップ16:演算手段2によって演算された付加信号を、記憶手段3にデータ配列として記憶する。
ステップ17:ビット列入力手段4によって、情報ビット列を入力する。
ステップ18:入力手段4によって入力されたビット列から情報ブロックカウンタ5によって情報ブロック数を計数する。
ステップ19:情報ブロックカウンタ5のカウント数が1伝送フレームの情報ブロック数に満たない場合は、ステップ27を経た後、ステップ17に戻り、満たしている場合にはステップ20に進む。
ステップ20:フレームカウンタ9のカウント数を1加算する。
ステップ21〜22、24〜25:挿入フレーム演算手段10によって挿入フレーム数を演算し、選択手段7によって送信信号を選択する。これらのステップにおける処理については第2の実施形態の説明で併せて詳しく述べる。
ステップ26:出力手段13によって、選択された送信信号を送信する。
ステップ27:出力手段13によって、伝送シンボルを送信する。
ステップ14からステップ16までの処理は送信開始前にあらかじめ行なっておく。
【0019】
このような構成にしたことにより、各伝送フレームの同期信号送信時に毎回付加信号を演算する必要がなくなり、処理時間を短縮することができる。
【0020】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図1に示したマルチキャリア信号発生装置は図2に示すマルチキャリア信号発生装置の付加信号記憶手段に加え、挿入フレーム演算手段に代わりに簡易判定手段を具備しているものである。図1において、情報ブロックカウンタ5のカウント数が奇数であるか偶数であるかを判定する簡易判定手段6が備えられ、それ以外は上記した第1の実施形態の構成と同様である。
【0021】
次に、上記第2の実施形態の動作について図4、図5および図6を用いて説明する。図4は付加情報を送信する伝送フレームを示す説明図であり、図5は本実施の形態での伝送フレーム送信までの流れを示すフローチャートである。
【0022】
まず、図4に示すとおり1伝送フレームの情報ブロック数が4である場合を考える。伝送フレームは同期信号と4つの情報ブロックから構成される。図6のフローチャートに従う信号発生装置では伝送フレームのカウントと情報ブロックのカウントは必ず0から始まり、そのとき送信装置側と受信装置側で次のような約束があるものとする。
(1) 4つの情報ブロック番号をそれぞれ8で除算し、その余りがそれぞれ0,1,2,3のとき:同期信号には付加情報が含まれている。
(2)(1)以外のとき、同期信号には付加情報は含まれていない。
【0023】
上記第1の実施形態を含め従来は上記(1)(2)の演算を行ない、付加情報を送信する伝送フレームを選択していたが、図4によると、上記(1)の条件を満たすのは、伝送フレーム番号が偶数の時であることが分かる。つまり、上記(1)(2)の演算を行なわずに偶数フレームのときに付加情報を送信するように処理を行なえばよいことが分かる。
【0024】
付加情報を送信する伝送フレームの演算は、上記第1の実施形態を含め従来図6のステップ21〜22および24〜25に示すような流れで実現されていた。以下にその処理の内容を示す。
ステップ21:挿入フレーム演算手段10によって4つの情報ブロック番号をそれぞれ8で除算し、その余りを求める。
ステップ22:ステップ21の結果によって、以下に示す「1」及び「2」の処理を行なう。
「1」 ステップ21の結果(余り)が4つの情報ブロックに対してそれぞれ0,1,2,3のとき、ステップ24に進む。
「2」 ステップ21の結果(余り)が4つの情報ブロックに対してそれぞれ4,5,6,7のとき、ステップ25に進む。
ステップ24:記憶装置3に記憶されている付加信号のデータ配列を読み出し、ステップ26に進む。
ステップ25:同期信号発生手段8によって同期信号を発生させ、ステップ26に進む。
【0025】
一方、第2の実施形態では、図5に示すような流れで付加情報の挿入が行なわれる。以下にその処理内容を示す。
ステップ23:情報ブロックカウンタ5のカウント数が1フレームの情報ブロック数を満たしていたら、現在の伝送フレームが偶数であるか奇数であるかを簡易判定手段6によって判定する。このとき、もし判定結果が偶数ならステップ24に進み、奇数ならステップ25に進む。
その他の処理は、第1の実施形態と同様である。
【0026】
このような構成にしたことにより、付加情報を挿入する伝送フレームの選択を、演算手段を用いずに奇数であるか偶数であるかの2値の判定のみで行なうため、処理時間を短縮することができる。
【0027】
なお、第2の実施形態においては、1伝送フレームの情報ブロック数を4としているが、次のような場合も同様である。
A.1伝送フレームの情報ブロックが1の場合
(1)1つの情報ブロック番号を2で除算し、その余りが0のとき:同期信号には付加情報が含まれている。
【0028】
(2)(1)以外のとき、同期信号には付加情報は含まれていない。
B.1伝送フレームの情報ブロックが2の場合
(1)2つの情報ブロック番号をそれぞれ4で除算し、その余りがそれぞれ0,1のとき:同期信号には付加情報が含まれている。
【0029】
(2)(1)以外のとき、同期信号には付加情報は含まれていない。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、第1の発明によれば、記憶手段が演算された付加情報に対応する送信信号を記憶し、各伝送フレームの同期信号送信時に付加情報に対応する送信信号を読み出すことのみで実現でき、同じ付加信号の演算を毎回行なわずに済むため、送信時の負荷を軽減することができるという効果を有する。
【0031】
また、第2の発明では、付加情報を送信する伝送フレームの選択について、演算手段を用いず2値の判定のみで行なうため、回路の構成を簡単にできるという効果を有する。
【0032】
さらに、このように演算回数を削減することによって、高速な演算手段を用いる必要がなくなり、より安価に装置を構成することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の機能を含む、第2の実施形態におけるマルチキャリア信号発生装置の構成を示すブロック図、
【図2】本発明の第1の実施形態におけるマルチキャリア信号発生装置の構成を示すブロック図、
【図3】従来のマルチキャリア信号発生装置を示すブロック図、
【図4】本発明の第2の実施形態における付加情報を送信する伝送フレームを示す説明図、
【図5】本発明の第2の実施形態における伝送フレーム送信までの流れを示すフローチャート、
【図6】本発明の第1の実施形態における伝送フレーム送信までの流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 付加情報入力手段
2 付加信号演算手段
3 記憶手段
4 ビット列入力手段
5 情報ブロックカウンタ
6 簡易判定手段
7 選択手段
8 同期信号発生手段
9 フレームカウンタ
10 挿入フレーム演算手段
11 変調手段
12 マルチキャリア多重化手段
13 出力手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の搬送波を用いて情報を伝送するマルチキャリア伝送方式において、伝送フレームの同期信号中に付加情報を挿入することが可能なマルチキャリア信号発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の搬送波を用いて情報を伝送するマルチキャリア伝送方式は、1つの搬送波を用いて情報を伝送する場合と比較して1個のデータの伝送に使用できる時間(シンボル期間)を長く取ることができる。従って、反射(マルチパス)波の遅延時間に比べてシンボル期間を十分長く取れば、マルチパス妨害の影響を軽減することができる伝送方式である。
【0003】
このマルチキャリア伝送方式は高品質な音声・映像信号のディジタル伝送や、移動通信などに用いられている。(「98年版 データ圧縮とディジタル変調」、日経エレクトロニクス・ブックス、301頁参照)
この伝送方式を用いると、同じ番組を同一の周波数で中継伝送することにより周波数の利用効率を向上させることができ、また、複数局で同じ放送を行なうことが可能となる。このようなとき、例えば、送信局を識別する情報などの付加情報を送信信号に挿入することができる(米国特許5,617,411号明細書参照)。
【0004】
マルチキャリア伝送方式の送信信号は、同期信号として一定の無信号状態期間をもち、同期信号が送信された後に、実際の情報に対応するいくつかの情報ブロックが送信される。付加情報は、この同期信号中に微小な信号として挿入される。
【0005】
従来の付加情報を挿入可能なマルチキャリア信号発生装置は、図3に示すように、付加情報の演算に関しては、付加情報の入力手段1と、入力された付加情報に対応する送信信号を演算する演算手段2から構成され、また、送信信号の選択に関しては、ビット列を入力するビット列入力手段4、入力ビット列から情報ブロック数を計数する情報ブロックカウンタ5、情報ブロックのカウント数からフレーム数を計数するフレームカウンタ9、付加情報を挿入するフレームをフレーム数を基に演算し決定するための演算手段10、演算手段10の結果により送信信号を選択する選択手段7、一定の無信号状態を作成する同期信号発生手段8、および、上記付加情報の演算手段2によって構成されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
1つの伝送フレームの送信信号の演算は、規定されている限られた時間内で行なわなければならないため、高速に演算をしなければならない。しかしながら、従来の付加情報を挿入可能なマルチキャリア信号発生装置においては、送信局識別信号などのように送信中は常に一定である付加情報に対応する送信信号の演算を、各伝送フレームの送信時に毎回行なっているため、演算量が多いという欠点を持っていた。
【0007】
また、算出された付加情報に対応する送信信号の送信は、必ずしもすべての伝送フレームで行なわれるわけではなく、ある一定の条件を満たす伝送フレームにおいてのみ送信されるわけであるが、その条件を求める際に複雑な演算を行なっているという欠点を持っていた。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するために、付加情報に対応する送信信号をあらかじめ演算し記憶手段にデータ配列として保持しておくことによって演算回数を削減し、より効率的な付加情報の演算を行なうマルチキャリア信号発生装置を提供することを目的としている。
【0009】
また、付加情報を送信する伝送フレーム数の選択を、演算手段を用いずに簡易判定手段のみで行なうことによって、より効率的な付加情報の挿入を行なうマルチキャリア信号発生装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この第1の目的を達成するための本発明のマルチキャリア信号発生器は以下のような構成である。入力手段はユーザが指定した付加情報を入力する。演算手段は入力された付加情報に対応する送信信号を演算する。記憶手段は演算された送信信号を記憶する。以上の処理は送信開始前に実行され、各伝送フレームの同期信号送信時に記憶手段からあらかじめ演算された送信信号のデータ配列を読み出すことのみで実現される。
【0011】
また、第2の目的を達成するための本発明のマルチキャリア信号発生装置は以下のような構成である。ビット列入力手段は情報ビット列を入力する。情報ブロックカウンタは入力された情報ブロック数を計数する。簡易判定手段は送信フレームが奇数であるか偶数であるかを判定する。選択手段は簡易判定手段の判定結果により送信信号を選択する。記憶手段はあらかじめ演算された付加情報に対応する送信信号を記憶する。同期信号発生手段は一定の無信号状態を作成する。このような構成により、付加情報を送信する伝送フレーム数の演算なしに、伝送フレームが奇数であるか偶数であるかの2値の判定のみで付加情報の送信が実現される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、複数の搬送波を用いて情報を伝送するマルチキャリア伝送方式において、同期信号である一定の無信号状態期間中に付加情報を挿入する手段を備えたマルチキャリア信号発生装置であって、該マルチキャリア信号発生装置は、付加情報を入力する入力手段と、入力された付加情報から送信信号を演算する演算手段と、演算された送信信号を記憶する記憶手段とを備え、前記入力手段より入力された前記付加情報に対応する送信信号を前記演算手段が算出しデータ配列として前記記憶手段にあらかじめ記憶させておき、各伝送フレームの同期信号送信時に前記記憶手段に記憶されている前記付加情報に対応する送信信号を読み出して送信することを特徴とするマルチキャリア信号発生装置としたものであり、各伝送フレームの同期信号送信時に毎回付加信号を演算する必要がなくなり、処理時間を短縮することができるという作用を有する。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、情報ビット列の入力手段と、入力された情報ブロック数を計数する情報ブロックカウンタと、送信フレーム数が奇数であるか偶数であるかを判定する簡易判定手段と、前記簡易判定手段の判定結果により送信信号を選択する選択手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリア信号発生装置としたものであり、付加情報を送信する伝送フレーム数の演算を行なわずに、簡易判定手段が行なう簡易判定で付加情報を送信する伝送フレームを判定できるという作用を有する。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図6を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
図2は、本発明の第1の実施形態の構成を示すブロック図である。本実施形態では付加情報に対応する送信信号の記憶手段を備えたマルチキャリア信号発生装置について説明する。図2においてマルチキャリア信号発生装置は、付加情報の入力手段1と、入力手段1によって入力された付加情報から付加情報に対応する送信信号(以下、付加信号と記す)を演算する演算手段2と、演算手段2によって演算された付加信号を記憶する記憶手段3と、情報ビット列の入力手段4と、ビット列入力手段4によって入力されたビット列から情報ブロック数を計数する情報ブロックカウンタ5と、情報ブロックカウンタ5のカウント数からフレーム数を計数するフレームカウンタ9と、フレームカウンタ9のカウント数から付加情報の挿入フレーム数を演算する演算手段10と、演算手段10の結果により送信信号を選択する選択手段7と、一定の無信号状態を作成する同期信号発生手段8と、ビット列入力手段4で入力された情報ビット列を変調する変調手段11と、送信信号を多重化するマルチキャリア多重化手段12と、伝送フレームを出力する出力手段13とから構成されている。
【0018】
次に、上記第1の実施形態の動作について図6を用いて説明する。伝送フレームを送信するまでの流れは図6のフローチャートに示したような手順で行なわれる。すなわち、
ステップ14:付加情報入力手段1から、ユーザが付加情報を入力する。
ステップ15:入力手段1により入力された付加情報から演算手段2によって付加信号を演算する。
ステップ16:演算手段2によって演算された付加信号を、記憶手段3にデータ配列として記憶する。
ステップ17:ビット列入力手段4によって、情報ビット列を入力する。
ステップ18:入力手段4によって入力されたビット列から情報ブロックカウンタ5によって情報ブロック数を計数する。
ステップ19:情報ブロックカウンタ5のカウント数が1伝送フレームの情報ブロック数に満たない場合は、ステップ27を経た後、ステップ17に戻り、満たしている場合にはステップ20に進む。
ステップ20:フレームカウンタ9のカウント数を1加算する。
ステップ21〜22、24〜25:挿入フレーム演算手段10によって挿入フレーム数を演算し、選択手段7によって送信信号を選択する。これらのステップにおける処理については第2の実施形態の説明で併せて詳しく述べる。
ステップ26:出力手段13によって、選択された送信信号を送信する。
ステップ27:出力手段13によって、伝送シンボルを送信する。
ステップ14からステップ16までの処理は送信開始前にあらかじめ行なっておく。
【0019】
このような構成にしたことにより、各伝送フレームの同期信号送信時に毎回付加信号を演算する必要がなくなり、処理時間を短縮することができる。
【0020】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図1に示したマルチキャリア信号発生装置は図2に示すマルチキャリア信号発生装置の付加信号記憶手段に加え、挿入フレーム演算手段に代わりに簡易判定手段を具備しているものである。図1において、情報ブロックカウンタ5のカウント数が奇数であるか偶数であるかを判定する簡易判定手段6が備えられ、それ以外は上記した第1の実施形態の構成と同様である。
【0021】
次に、上記第2の実施形態の動作について図4、図5および図6を用いて説明する。図4は付加情報を送信する伝送フレームを示す説明図であり、図5は本実施の形態での伝送フレーム送信までの流れを示すフローチャートである。
【0022】
まず、図4に示すとおり1伝送フレームの情報ブロック数が4である場合を考える。伝送フレームは同期信号と4つの情報ブロックから構成される。図6のフローチャートに従う信号発生装置では伝送フレームのカウントと情報ブロックのカウントは必ず0から始まり、そのとき送信装置側と受信装置側で次のような約束があるものとする。
(1) 4つの情報ブロック番号をそれぞれ8で除算し、その余りがそれぞれ0,1,2,3のとき:同期信号には付加情報が含まれている。
(2)(1)以外のとき、同期信号には付加情報は含まれていない。
【0023】
上記第1の実施形態を含め従来は上記(1)(2)の演算を行ない、付加情報を送信する伝送フレームを選択していたが、図4によると、上記(1)の条件を満たすのは、伝送フレーム番号が偶数の時であることが分かる。つまり、上記(1)(2)の演算を行なわずに偶数フレームのときに付加情報を送信するように処理を行なえばよいことが分かる。
【0024】
付加情報を送信する伝送フレームの演算は、上記第1の実施形態を含め従来図6のステップ21〜22および24〜25に示すような流れで実現されていた。以下にその処理の内容を示す。
ステップ21:挿入フレーム演算手段10によって4つの情報ブロック番号をそれぞれ8で除算し、その余りを求める。
ステップ22:ステップ21の結果によって、以下に示す「1」及び「2」の処理を行なう。
「1」 ステップ21の結果(余り)が4つの情報ブロックに対してそれぞれ0,1,2,3のとき、ステップ24に進む。
「2」 ステップ21の結果(余り)が4つの情報ブロックに対してそれぞれ4,5,6,7のとき、ステップ25に進む。
ステップ24:記憶装置3に記憶されている付加信号のデータ配列を読み出し、ステップ26に進む。
ステップ25:同期信号発生手段8によって同期信号を発生させ、ステップ26に進む。
【0025】
一方、第2の実施形態では、図5に示すような流れで付加情報の挿入が行なわれる。以下にその処理内容を示す。
ステップ23:情報ブロックカウンタ5のカウント数が1フレームの情報ブロック数を満たしていたら、現在の伝送フレームが偶数であるか奇数であるかを簡易判定手段6によって判定する。このとき、もし判定結果が偶数ならステップ24に進み、奇数ならステップ25に進む。
その他の処理は、第1の実施形態と同様である。
【0026】
このような構成にしたことにより、付加情報を挿入する伝送フレームの選択を、演算手段を用いずに奇数であるか偶数であるかの2値の判定のみで行なうため、処理時間を短縮することができる。
【0027】
なお、第2の実施形態においては、1伝送フレームの情報ブロック数を4としているが、次のような場合も同様である。
A.1伝送フレームの情報ブロックが1の場合
(1)1つの情報ブロック番号を2で除算し、その余りが0のとき:同期信号には付加情報が含まれている。
【0028】
(2)(1)以外のとき、同期信号には付加情報は含まれていない。
B.1伝送フレームの情報ブロックが2の場合
(1)2つの情報ブロック番号をそれぞれ4で除算し、その余りがそれぞれ0,1のとき:同期信号には付加情報が含まれている。
【0029】
(2)(1)以外のとき、同期信号には付加情報は含まれていない。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、第1の発明によれば、記憶手段が演算された付加情報に対応する送信信号を記憶し、各伝送フレームの同期信号送信時に付加情報に対応する送信信号を読み出すことのみで実現でき、同じ付加信号の演算を毎回行なわずに済むため、送信時の負荷を軽減することができるという効果を有する。
【0031】
また、第2の発明では、付加情報を送信する伝送フレームの選択について、演算手段を用いず2値の判定のみで行なうため、回路の構成を簡単にできるという効果を有する。
【0032】
さらに、このように演算回数を削減することによって、高速な演算手段を用いる必要がなくなり、より安価に装置を構成することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の機能を含む、第2の実施形態におけるマルチキャリア信号発生装置の構成を示すブロック図、
【図2】本発明の第1の実施形態におけるマルチキャリア信号発生装置の構成を示すブロック図、
【図3】従来のマルチキャリア信号発生装置を示すブロック図、
【図4】本発明の第2の実施形態における付加情報を送信する伝送フレームを示す説明図、
【図5】本発明の第2の実施形態における伝送フレーム送信までの流れを示すフローチャート、
【図6】本発明の第1の実施形態における伝送フレーム送信までの流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 付加情報入力手段
2 付加信号演算手段
3 記憶手段
4 ビット列入力手段
5 情報ブロックカウンタ
6 簡易判定手段
7 選択手段
8 同期信号発生手段
9 フレームカウンタ
10 挿入フレーム演算手段
11 変調手段
12 マルチキャリア多重化手段
13 出力手段
Claims (2)
- 複数の搬送波を用いて情報を伝送するマルチキャリア伝送方式において、同期信号である一定の無信号状態期間中に付加情報を挿入する手段を備えたマルチキャリア信号発生装置であって、該マルチキャリア信号発生装置は、付加情報を入力する入力手段と、入力された付加情報から送信信号を演算する演算手段と、演算された送信信号を記憶する記憶手段とを備え、前記入力手段より入力された前記付加情報に対応する送信信号を前記演算手段が算出しデータ配列として前記記憶手段にあらかじめ記憶させておき、各伝送フレームの同期信号送信時に前記記憶手段に記憶されている前記付加情報に対応する送信信号を読み出して送信することを特徴とするマルチキャリア信号発生装置。
- 情報ビット列の入力手段と、入力された情報ブロック数を計数する情報ブロックカウンタと、送信フレーム数が奇数であるか偶数であるかを判定する簡易判定手段と、前記簡易判定手段の判定結果により送信信号を選択する選択手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリア信号発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35894398A JP3547329B2 (ja) | 1998-12-17 | 1998-12-17 | マルチキャリア信号発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35894398A JP3547329B2 (ja) | 1998-12-17 | 1998-12-17 | マルチキャリア信号発生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000183838A JP2000183838A (ja) | 2000-06-30 |
JP3547329B2 true JP3547329B2 (ja) | 2004-07-28 |
Family
ID=18461926
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35894398A Expired - Fee Related JP3547329B2 (ja) | 1998-12-17 | 1998-12-17 | マルチキャリア信号発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3547329B2 (ja) |
-
1998
- 1998-12-17 JP JP35894398A patent/JP3547329B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000183838A (ja) | 2000-06-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0786982A (ja) | 同期式pn符号系列発生回路 | |
CN101909175B (zh) | 接收装置、接收方法和接收系统 | |
JP3547329B2 (ja) | マルチキャリア信号発生装置 | |
KR100959730B1 (ko) | 수신 장치, 디스크램블러, 및 스크램블러 | |
JP2007502568A (ja) | デジタル伝送システムに対する暗号化方法及び復号方法 | |
JP2007019799A (ja) | 基地局装置、移動局装置およびフレーム送信方法 | |
JPH11225138A (ja) | 暗号処理装置、暗号処理方法及びその方法を記録した記録媒体 | |
CN112188446B (zh) | 一种同步信号发送方法、终端及装置、存储介质 | |
JP4152586B2 (ja) | データシンボルから成る信号の処理方法 | |
US6826239B1 (en) | Modulating method, modulator, demodulating method and demodulator | |
EP1796306A1 (en) | Data communication system, data reproducing apparatus and data reproducing method | |
JP3496765B2 (ja) | Catvネットワークを利用したカラオケデータ配信システム | |
JP3717896B2 (ja) | 同期制御方法及び変復調装置 | |
JPH098671A (ja) | バス伝送システム | |
JP3947858B2 (ja) | Ofdmシンボル波形整形器 | |
JP2015518331A (ja) | 光受信機、光受信機によって実行される方法、光送信機、および光送信機によって実行される方法 | |
US11431536B2 (en) | Receiving device, receiving method, transmitting device, and transmitting method | |
JP3651875B2 (ja) | データ伝送装置 | |
JPH0779265A (ja) | 復調回路及び復調方法 | |
JP3179347B2 (ja) | データ配信方式 | |
JP3575985B2 (ja) | 周波数分割多重信号送信装置におけるデータ処理方法 | |
JPH0738468A (ja) | スペクトラム拡散通信装置 | |
KR20000025323A (ko) | 엠펙-2 시스템의 전송스트림 생성 장치 | |
JPH07135519A (ja) | 速度変換装置 | |
JP2000244346A (ja) | 周波数多重放送受信装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040413 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040413 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |