JP3547183B2 - ディジタル信号記録装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ディジタル映像信号とディジタルオーディオ信号とを、斜めトラックのそれぞれ決められたエリアに記録するようなトラックフォーマットを有するディジタルビデオテープレコーダ(以下、ディジタルVTRと記す。)において、ディジタル映像信号とディジタルオーディオ信号とがビットストリームで入力され、このビットストリームを記録するディジタル信号記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図16は従来の一般的な家庭用ディジタルVTRのトラックパターン図である。図において、磁気テープには斜めトラックが形成されており、一つのトラックはディジタル映像信号を記録する映像エリアと、ディジタルオーディオ信号を記録するオーディオエリアの二つのエリアに分割されている。
【0003】
このような家庭用ディジタルVTRに映像およびオーディオ信号を記録するには二つの方法がある。一つは、アナログ映像信号とオーディオ信号を入力として、映像信号やオーディオ信号に高能率符号化を施してデータレートを削減して記録する、いわゆるベースバンド記録方式である。もう一つは、ディジタル伝送されたビットストリームを記録する、いわゆるトランスペアレント記録方式である。
【0004】
アメリカ合衆国で審議されているATV(Advanced Television)信号を記録するには、後者のトランスペアレント記録方式が適している。その理由は、ATV信号は既にディジタル圧縮された信号であり、高能率符号化器や復号化器が不要であることや、そのまま記録するので画質の劣化がないことなどである。一方、短所としては、高速再生や、スチル、スローなどの特殊再生時の画質である。特に、ビットストリームを斜めトラックにそのまま記録しただけでは、高速再生時はほとんど画像を再生することができない。
【0005】
上述のようなATV信号を記録するディジタルVTRの方式として、1993年10月26日から28日にカナダ国オタワ市で開催された“International Workshop on HDTV’93”における技術発表に、“A Recording Method of ATV data on aConsumer Digital VCR”がある。以下、この内容を従来例として述べる。
【0006】
家庭用ディジタルVTRのプロトタイプの基本仕様として、SD(Standard Definition)モード時、ディジタル映像信号の記録レートを25Mbpsとして、フィールド周波数が60Hzの場合、映像の1フレームを10トラックの映像エリアに記録するものがある。ここで、ATV信号のデータレートを17〜18Mbpsとすると、このSDモードでATV信号のトランスペアレント記録が可能になる。
【0007】
図17は従来のディジタルVTRの通常再生時と高速再生時における回転ヘッドのヘッド走査軌跡を示す図である。図において、隣接したトラックは異なるアジマス角度を持つ回転ヘッドにより交互に斜め記録されている。通常再生時は、テープ送り速度が記録時と同じであるので、回転ヘッドは記録トラックに沿って、図17(a)のようにトレースすることができる。しかし、高速再生時はテープ速度が異なるためいくつかのトラックを横切ってトレースし、各同一アジマストラックの断片のみを再生することができる。図17(b)では5倍速の早送りの場合を示す。
【0008】
MPEG2のビットストリーム(ATV信号のビットストリームはMPEG2のビットストリームに準拠している。)では、イントラ符号化されたブロックのみが他のフレームを参照せずに独立に復号できる。もし、MPEG2のビットストリームが順番に各トラックに記録されているとしたら、高速再生時の再生データは間欠的に再生される再生信号よりイントラ符号化されたデータを分離しこのイントラ符号化されたデータのみで画像を再構成することになる。このとき、スクリーン上では、再生されるエリアは連続ではなく、また、ブロックの断片がスクリーンに広がることになる。さらに、ビットストリームは可変長符号化されているので、スクリーンのすべてが周期的に更新される保証はなく、ある一部が長い時間更新されないこともある。結果として、高速再生時の画質は十分とは言えず、家庭用ディジタルVTRでは受け入れられないことになる。
【0009】
図18は高速再生が可能な従来のディジタルVTRのブロック構成図である。ここでは、各トラックの映像エリアを、すべてのATV信号のビットストリームを記録するメインエリアと、高速再生時に画像を構成する際に用いるビットストリームの重要な部分(HPデータ)を記録する複写エリアとに分ける。高速再生時は、イントラ符号化ブロックのみが有効であるので、複写エリアにこれを記録するが、さらにデータを削減するために、すべてのイントラ符号化ブロックから低域周波数成分を抜き出して、HPデータとして記録する。図18において、1はビットストリームの入力端子、2はビットストリームの出力端子、3はHPデータの出力端子、4は可変長復号器、5はカウンタ、6はデータ抜き取り回路、7はEOB(End of Block)付加回路である。
【0010】
MPEG2のビットストリームは入力端子1から入力され、出力端子2からそのまま出力されて、メインエリアに順次記録される。一方、入力端子1からのビットストリームは可変長復号化器4にも入力され、MPEG2のビットストリームのシンタックスが解析され、イントラ画像を検出し、カウンタ5にてタイミングを発生し、データ抜き取り回路6でイントラ画像のすべてのブロックの低域周波数成分を抜き出し、さらに、EOB付加回路7でEOBを付加して、HPデータを構成し、複写エリアに記録する。
【0011】
図19は従来のディジタルVTRで通常再生、および高速再生を行った際のシステムの概念図である。通常再生時はメインエリアに記録されているすべてのビットストリームが再生され、ディジタルVTRの外にあるMPEG2復号器に送られる。HPデータは捨てられる。一方、高速再生時は、複写エリアのHPデータのみが集められて復号器に送られ、メインエリアのビットストリームは捨てられる。
【0012】
次に、メインエリアと複写エリアの1トラック上の配置について述べる。図20は高速再生時の回転ヘッド走査軌跡の例を示す図である。テープ速度が整数倍速で、位相ロック制御されておれば、ヘッドスキャンニングは同じアジマストラックに同期する。従って、再生されるデータの位置は固定される。図20において、再生信号の出力レベルが−6dBより大きい部分が再生されると仮定すると、一つのヘッドにより網掛けした領域が再生されることになる。図20では9倍速の例を示しており、9倍速ではこの網掛け領域の信号読みだしが保証される。従って、HPデータをこのエリアに記録すれば良い。しかし、他の倍速では、信号読みだしは保証されず、いくつかのテープ速度で読み出せるようこの領域を選ぶ必要がある。
【0013】
図21は従来の複数の高速再生速度時のオーバラップのエリアを説明する図であり、ヘッドが同一アジマストラックに同期する3つのテープ速度のスキャン領域の例を示している。各テープ速度でスキャンされる領域には、いくつかの重複領域がある。これらの領域から複写エリアを選択し、異なるテープ速度でのHPデータの読みだしを保証する。図21では、4倍、9倍、17倍の早送りの場合を示しているが、これらのスキャン領域は、−2倍、−7倍、−15倍の早送りの場合と同じになる。
【0014】
いくつかのテープ速度で、全く同じ領域をヘッドがトレースするのは不可能である。それは、テープ速度によりヘッドが横切るトラック数が異なるからである。さらに、どの同一アジマストラックからもトレースできる必要がある。図22は従来のディジタルVTRにおける5倍速と9倍速の回転ヘッド走査軌跡の例を示す図であり、図では、5倍速と9倍速の重複領域から領域1、2、3が選択されている。同じHPデータを9トラックに繰り返し記録することにより、HPデータは5倍速、9倍速どちらでも読み出せる。
【0015】
図23は従来のディジタルVTRにおける5倍速再生時の2つの回転ヘッド走査軌跡図である。図からわかるように、テープ速度と同じトラック数に同じHPデータを繰り返し記録することにより、HPデータは、同一アジマストラックに同期したヘッドにより、読み出すことができる。したがって、高速再生の最大のテープ速度と同じトラック数に、HPデータの複製を繰り返すことにより、複製HPデータは、いくつかのテープ速度で、正方向、逆方向のどちらでも、読み出しを保証することができる。
【0016】
図24は従来のディジタルVTRにおけるトラック配置図であり、メインエリアと複写エリアの例を示す。家庭用ディジタルVTRでは、各トラックの映像エリアは135のシンクブロックから構成されており、メインエリアは97シンクブロック、複写エリアは32シンクブロックとした。この複写エリアは、図21で示した、4、9、17倍速に対応する重複領域を選んでいる。この場合、メインエリアのデータレートは約17.46Mbps、複写エリアは17回同じデータが記録されるので、約338.8kbpsとなる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来の家庭用ディジタルVTRは以上のように構成されているため、上記複写エリアに特殊再生用データを何回も重複して記録しているために、特殊再生用データの記録レートが著しく低く、特にスロー再生、あるいは高速再生においては再生画質が十分に得られないという問題点を有していた。たとえば、イントラフレームが2枚/秒とすると、ATV信号のイントラ符号化のみのデータ量は約3Mbps程度と予測されるが、従来例では約340Kbpsしか記録することができず再生画質は非常に劣化する。
【0018】
また、上記SDモードで定義される(以下、SD規格と記す。)ディジタルVTRの1トラック内の映像信号エリア、およびオーディオ信号エリアの誤り訂正符号の構成を図25に示す。SD規格では映像信号エリアの誤り訂正符号として記録方向に(85,77,9)のリードソロモン符号(以下、C1検査符号と記す。)を、垂直方向に(149,138,12)のリードソロモン符号(以下、C2検査符号と記す。)を用いている。また、オーディオ信号エリアの誤り訂正符号として記録方向に映像信号と同様の(85,77,9)のリードソロモン符号(C1検査符号)を、垂直方向に(14,9,6)のリードソロモン符号(以下、C3検査符号と記す。)を用いている。また、1シンクブロックの構成を図26に示す。図26に示すように90バイトで構成されており、その内先頭の5バイトはシンクパターンとID信号が記録されており、また後ろの8バイトには誤り訂正符号(C1検出符号)が記録される。
【0019】
上述のように、ATV信号は動き補償予測をベースとした圧縮方式を用いてデータ圧縮を行っている。圧縮データは、再生されたデータのみを用いて画像を復元することができるイントラデータ(フィールド、あるいはフレーム内符号化)、および参照フィールド(あるいはフレーム)データと再生データを用いて画像を復元するインターデータ(フィールド、あるいはフレーム間符号化)で構成されている。従って、再生データ中に誤りが発生した場合、ATV信号では誤りが複数のフィールド、あるいはフレームにまで伝搬してしまい視覚上非常に見苦しい。また、上記SD規格のディジタルVTRをコンピュータ等のデータ、あるいはプログラムなどを記憶する蓄積メディアとして使用する場合、テープ上の傷、あるいは磁気テープ上に付着しているゴミ等で発生するドロップアウトなどで再生されなかったデータについて、それを復元(誤り訂正)するためにさらに強力な誤り訂正符号を付加することが望まれる。
【0020】
また、特殊再生時(高速再生、スロー再生、スチル再生時など)、回転ヘッドは記録トラックを斜めに横ぎるため再生信号は各トラックより間欠的に再生される。よって、特殊再生時には図25(a)に示すような誤り訂正ブロック(映像データ)を構成することができない。従って、特殊再生時にはC1検査符号による誤り訂正のみ再生データに施す。
【0021】
C1検査符号による誤り訂正のみを施した場合、シンボルエラーレートが0.01の場合、誤り検出確率は1.56×10ー3となり、約8シンクブロックに1個の誤りが検出される事になる。特に特殊再生時には再生出力が安定しないのでシンボルエラーレートが0.01以上になる場合が多々発生する。記録データは可変長符号化が施されているため誤りが発生すると以下の再生データが使用することができなくなり、再生画質の劣化を招く。また、見逃し誤りも7.00×10ー8と非常に発生頻度が高くなる。
【0022】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、特に通常再生時、あるいは高速再生時に発生する誤りを訂正する誤り訂正能力を向上させ再生画質を改善するとともに、高速再生用データの記録レートを向上することにより高速再生時の再生画質の向上をはかることができるディジタル信号記録装置を得ることを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るディジタル信号記録装置は、トランスポートパケットの状態で入力された、フレームあるいはフィールド内、もしくは、フレームあるいはフィールド間符号化されたディジタル映像信号と、ディジタルオーディオ信号とがトランスペアレント記録されるディジタル信号記録装置において、上記トランスポートパケットよりフレームあるいはフィールド内符号化の施されたディジタル映像信号を分離するデータ分離手段と、上記データ分離手段によって分離された上記フレームあるいはフィールド内符号化の施されたディジタル映像信号を再構成して特殊再生用データを生成する特殊再生用データ生成手段と、入力されたトランスポートパケットのデータを再構成してシンクブロックフォーマットを生成する記録データ生成手段と、予め定められた高速再生速度でヘッドが記録媒体上を走査する際の上記ヘッドの走査軌跡上に上記特殊再生用データを記録するエリア、および誤り訂正検査符号を記録するエリアを配置するとともに、上記誤り訂正検査符号を記録するエリアには、上記特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号、あるいは少なくとも上記記録データ生成手段より出力されるデータに付加する誤り訂正検査符号のどちらか一方を、入力コマンドに応じて選択して記録するとともに、記録信号中に、上記誤り訂正検査符号の記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号の識別信号を付加し記録する記録手段とを有するものである。
【0024】
また、本発明の請求項2に係るディジタル信号記録装置は、上記記録データ生成手段でシンクブロックフォーマットを生成する際、上記入力されたm個のトランスポートパケットを用いてnラインのシンクブロックのデータを生成するとともに、上記記録手段が、上記記録データ生成手段より出力される上記nラインのシンクブロックのデータが複数の記録トラックにまたがって記録されないように記録データを配置するように記録フォーマットを構成するものである。
【0025】
また、本発明の請求項3に係るディジタル信号記録装置は、上記特殊再生用データ生成手段で生成する特殊再生用データを、上記入力されたトランスポートパケットの形で生成するとともに、記録時には入力されたトランスポートパケットと同様にシンクブロックフォーマットに変換して記録するように構成するものである。
【0026】
また、本発明の請求項4に係るディジタル信号記録装置は、上記少なくとも記録データ生成手段より出力されるデータに誤り訂正検査符号を付加する際に、2トラックの記録データを用いてデータブロックを構成するとともに、上記データブロックを複数ブロック集めデータにインターリーブを施し誤り訂正検査符号を生成するものである。
【0027】
また、本発明の請求項5に係るディジタル信号記録装置は、上記記録データ生成手段が、上記誤り訂正検査符号の記録エリアを上記特殊再生用データ記録エリアに隣接して配置するように記録フォーマットを生成するものである。
【0028】
また、本発明の請求項6に係るディジタル信号記録装置は、上記記録データ生成手段で付加する誤り訂正検査符号を生成する際に施すデータのインターリーブの深さを、NTSC圏では10トラックの深さとし、PAL、SECAM圏では12トラックの深さで上記通常再生用の誤り訂正ブロックを構成するものである。
【0029】
また、本発明の請求項7に係るディジタル信号記録装置は、上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号を識別するための識別信号を上記記録データ生成手段で上記トランスポートパケットをシンクブロックフォーマットに変換する際に余ったデータ記録部分に記録エリアを設けそのエリアを用いて記録するように構成するものである。
【0030】
また、本発明の請求項8に係るディジタル信号記録装置は、上記記録手段は、上記少なくとも記録データ生成手段の出力に誤り訂正検査符号を付加する際、記録データ生成手段の出力、および一部、あるいは全ての特殊再生用データ生成手段の出力を用いて上記データブロックを構成するものである。
【0031】
【作用】
本発明の請求項1に係るディジタル信号記録装置においては、トランスポートパケットの状態で入力された、フレームあるいはフィールド内、もしくは、フレームあるいはフィールド間符号化されたディジタル映像信号と、ディジタルオーディオ信号とがトランスペアレント記録されるディジタル信号記録装置において、上記まず始めトランスポートパケットよりフレームあるいはフィールド内符号化の施されたディジタル映像信号(以下、イントラ画像信号と記す。)を分離する。そして、分離された上記イントラ画像信号は画像信号中の高域成分が除去され記録レートが更に圧縮される。そして、記録レートの圧縮された上記イントラ画像信号を再構成して特殊再生用データを生成する。一方、入力されたトランスポートパケットのデータは、再構成されシンクブロックフォーマットに変換される。上記特殊再生用データを記録する際は、予め定められた高速再生速度でヘッドが記録媒体上を走査する際の上記ヘッドの走査軌跡上に上記特殊再生用データを記録するエリアを配置する。その際、誤り訂正検査符号を記録するエリアも、上記ヘッドの走査軌跡上に配置する。そして、上記誤り訂正検査符号を記録するエリアには、上記特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号、あるいは少なくとも上記シンクブロックフォーマットに変換された記録データに付加する誤り訂正検査符号のどちらか一方を、入力コマンドに応じて選択して記録するとともに、記録信号中に、上記誤り訂正検査符号の記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号の識別信号を付加し記録するように記録フォーマットを生成するように構成する。
【0032】
また、本発明の請求項2に係るディジタル信号記録装置においては、上記記録データ生成手段でシンクブロックフォーマットを生成する際、上記入力されたn個のトランスポートパケットを用いてmラインのシンクブロックのデータを生成する。また、記録媒体上に上記変換されたシンクブロックフォーマットのデータを記録する際、同一トラック上に上記mシンクブロックのデータが配置されるように記録媒体上の記録フォーマットを構成する。
【0033】
また、本発明の請求項3に係るディジタル信号記録装置においては、入力されたイントラ画像データを用いて上記特殊再生用データ生成手段で生成する際、特殊再生用データを上記入力されたトランスポートパケットの形で生成する。そして、このトランスポートパケット形式で生成された特殊再生用データを記録媒体上に記録する時には入力されたトランスポートパケットと同様にシンクブロックフォーマットに変換して記録する。
【0034】
また、本発明の請求項4に係るディジタル信号記録装置においては、上記少なくとも記録データ生成手段より出力されるデータに誤り訂正検査符号を付加する際に、2トラックの記録データを用いてデータブロックを構成する。そして、上記データブロックを複数ブロック集め通常再生用データの誤り訂正ブロックを構成する。そして、上記通常再生用の誤り訂正ブロック内のデータにインターリーブを施し誤り訂正検査符号を生成する。
【0035】
また、本発明の請求項5に係るディジタル信号記録装置においては、上記誤り訂正検査符号の記録エリアを上記特殊再生用データ記録エリアに隣接して配置する。
【0036】
また、本発明の請求項6に係るディジタル信号記録装置においては、上記記録データ生成手段で付加する誤り訂正検査符号を生成する際に施すデータのインターリーブの深さを、NTSC圏では10トラックの深さとし、PAL、SECAM圏では12トラックの深さとして上記通常再生用の誤り訂正ブロックを構成し、通常再生用データにインターリーブを施し通常再生用の誤り訂正検査符号を生成する。
【0037】
また、本発明の請求項7に係るディジタル信号記録装置においては、MPEG2に代表されるトランスポートパケット形式で伝送されたデータを、上記SD規格に代表されるディジタルVTRに記録する際、上記記録データ生成手段でシンクブロックフォーマットを生成する際、上記入力されたm個のトランスポートパケットを用いてnラインのシンクブロックのデータを生成する。その際、上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号を識別するための識別信号を上記記録データ生成手段で上記トランスポートパケットをシンクブロックフォーマットに変換する際に余ったデータ記録部分に記録エリアに設け識別信号を記録するように構成する。
【0038】
また、本発明の請求項8に係るディジタル信号記録装置においては、上記記録データ生成手段の出力に誤り訂正検査符号を付加する際、記録データ生成手段の出力、および一部、あるいは全ての特殊再生用データ生成手段の出力を用いて上記データブロックを構成する。そして、上記データブロックを複数ブロック集めデータにインターリーブを施し通常再生用の誤り訂正検査符号を構成する。
【0039】
【実施例】
実施例1.
図1は本発明の一実施例であるディジタルVTRの記録系のブロック構成図である。図において、1はトランスポートパケットの入力端子である。10はトランスポートパケット中のトランスポートヘッダを検出するとともに、ビットストリーム中に含まれるシーケンスヘッダやピクチャヘッダ等のヘッダを検出し、フレーム、あるいはフィールド内符号化(以下、イントラ符号化と記す。)データを分離するヘッダ解析回路、11は入力されたトランスポートパケットを1ビットのビットストリームのデータにパラレル/シリアル変換するパラレル/シリアル回路(以下、P/S変換回路と記す。)、12は、上記ヘッダ解析回路10で検出されたヘッダ情報をもとにフレーム、あるいはフィールド内符号化された画像(以下、イントラ画像と記す。)のビットストリームデータを分離し、各高速再生速度(本実施例1では4倍速、および18倍速)における特殊再生用データを生成する特殊再生用データ生成回路である。
【0040】
13は入力端子1より入力されるトランスポートパケットを一旦メモリ内に記憶するとともに、データを出力する際図6(b)に示すシンクブロックのフォーマット(詳細は後述する。)に変換する第1のメモリ、14は特殊再生用データ生成回路12より出力される4倍速再生用のデータを用いて4倍速用の特殊再生用トランスポートパケットを生成する4倍速用データ生成回路、15は特殊再生用データ生成回路12より出力される18倍速再生用のデータを用いて18倍速用の特殊再生用トランスポートパケットを生成する18倍速用データ生成回路である。
【0041】
16はトランスポートパケットの形で入力された4倍速再生用データを一旦メモリ内に記憶するとともに、データを出力する際シンクブロックのフォーマットに変換する(図6参照。詳細は後述する。)第2のメモリ、17はトランスポートパケットの形で入力される18倍速再生用データを一旦メモリ内に記憶するとともに、データを出力する際シンクブロックのフォーマットに変換する(図6参照。詳細は後述する。)第3のメモリである。18は第2のメモリ16、および第3のメモリ17より出力される各特殊再生用データに特殊再生用誤り訂正符号(以下、C5検査符号と記す。)を付加する第1の誤り訂正符号回路、19は第1のメモリ13より出力される入力トランスポートパケット、および第1の誤り訂正符号回路18より出力されるデータを予め定められたシンクブロックの順番に並べ変えるデータ合成回路、20はコマンド、およびサーボ情報の入力端子である。
【0042】
21は入力端子20より入力されるコマンド情報、およびサーボ情報をもとに、記録時の誤り訂正符号の記録モードが特殊再生用誤り訂正符号記録モードであるか、通常再生用誤り訂正記録モードであるかを判別し、後述する誤り訂正検査符号記録エリアにどちらの誤り訂正検査符号(特殊再生用誤り訂正符号、および通常再生用誤り訂正符号)を記録するかを指し示す制御信号を第1の誤り訂正符号回路18、データ合成回路19、第2の誤り訂正符号回路23、第3の誤り訂正符号回路24、およびディジタル変調回路25へ出力する誤り訂正符号制御回路である。
【0043】
22は第4のメモリ、23は通常再生用のデータに誤り訂正検査符号(以下、C4検査符号と記す。)を付加する第2の誤り訂正符号回路、24は第4のメモリ22より出力されるデータにSD規格で定義される水平方向(C1検査符号)、および垂直方向(C2検査符号)の誤り訂正検査符号を付加する第3の誤り訂正符号回路である。25は第3の誤り訂正符号回路24より出力されるデータにディジタル変調を施すディジタル変調回路である。なお、ID情報、およびシンク情報の付加は、上記ディジタル変調回路25の入力時点で各シンクブロックのデータに付加される。26は記録アンプ、27aはAトラックのデータを記録再生する回転ヘッド、27bはBトラックのデータを記録再生する回転ヘッド、28は回転ドラムである。
【0044】
図2は本発明の一実施例である特殊再生用データ生成回路12のブロック構成図である。なお、図中、従来例と同一符号を記したものは、構成、および動作が同一である。30はフレーム、あるいはフィールド内符号化されたデータ(以下、イントラデータと記す。)のビットストリームを入力する入力端子、31a、および31bは4倍速再生用データ、および18倍速再生用データの出力端子である。4は入力されたイントラデータに可変長復号を施す可変長復号器、5はカウンタ、6a、および6bは入力されたイントラデータのビットストリームより4倍速再生用データ、および18倍速再生用データを抜き取るデータ抜き取り回路、7a、および7bは各DCTブロックの終わりにEOB(End Of Block)コードを付加するEOB付加回路である。
【0045】
図3は本発明の一実施例である4倍速用データ生成回路14のブロック構成図である。なお、4倍速用データ生成回路14、および18倍速用データ生成回路15の回路構成は同一であるので本実施例1では18倍速用データ生成回路15の詳細な説明は省略する。40はヘッダ解析回路10より出力されるトランスポートヘッダ、シーケンスヘッダ、ピクチャヘッダ等のヘッダ情報、および量子化テーブル等の付加情報の入力端子、41は特殊再生用データ生成回路12より出力される4倍速再生用データの入力端子、42は入力端子40より入力されるトランスポートヘッダに修正を加え出力するトランスポートヘッダ修正回路、43は特殊再生用データ生成回路12より出力される4倍速再生用データにヘッダ解析回路10で検出されたシーケンスヘッダ、ピクチャヘッダ等のヘッダ情報、および4倍速再生用データを復号する際に必要となる付加情報(量子化テーブル情報など)を付加するヘッダ付加回路、44はヘッダ付加回路43より出力されるビットストリームデータにシリアル/パラレル変換を施し1バイトが8ビットのデータを生成するとともに、データを184バイト集めトランスポートパケットのデータ部分を構成するパケット化回路、45はパケット化回路44より出力されるトランスポートパケットのデータにトランスポートヘッダ修正回路42より出力されるトランスポートヘッダを付加するトランスポートヘッダ付加回路である。
【0046】
図4はSD規格のディジタルVTRで使用される代表的な回転ドラム上の各チャンネルの回転ヘッドの配置図であり、図4(a)〜(c)には上記SDモード時に用いられる代表的な回転ドラム28上の回転ヘッド27a、および27bの配置を示す。以下、図4(a)および(b)に示す回転ヘッド27の配置を有するシステムを9000rpmシステムと記す。以下、同図(a)に示す回転ヘッド配置を1Ch×2、同図(b)に示す回転ヘッド配置を2Ch×1、同図(c)に示す回転ヘッド配置を2Ch×2と記す。また、図4(c)に示す回転ヘッド27の配置を有するシステムを4500rpmシステムと記す。以下の説明では図4(a)に示すシステムの場合について説明する。
【0047】
図5は本発明の一実施例であるディジタルVTRの1トラック内の記録フォーマットを示す図である。SD規格では、従来例でも述べたが図5(あるいは図25)に示すように1トラックあたり映像データを記録するエリアとして149シンクブロック用意されている。その内3シンクブロックがVAUXデータ記録エリアとして、また11シンクブロックが誤り訂正符号記録エリア(C2検査符号)として設けられている。また、1シンクブロックは従来例と同様に、図26に示すように90バイトで構成されており、その内先頭の5バイトはシンクパターンとID信号が記録されており、また後ろの8バイトには誤り訂正符号(C1検出符号)が記録される。よって、1シンクブロック内に記憶することができるデータは77バイトとなる。
【0048】
図6は本発明の一実施例であるデータパケットを示す図であり、図6(a)は入力ビットストリーム(あるいはデータ)に含まれるトランスポートパケット図、図6(b)は磁気テープ上に記録される記録データパケット図を示す。入力端子1より入力されるビットストリームには、ディジタル映像信号、ディジタルオーディオ信号、さらには映像信号、およびオーディオ信号に関するディジタルデータが含まれており、それらは図6(a)に示すトランスポートパケットに区切られて伝送されてくる。パケットは、4バイトのヘッダ部と184バイトのデータ部とから構成されている。
【0049】
本実施例1では、ビットストリームをトランスポートパケット単位に検出し、検出された2つのトランスポートパケットを図6(b)に示すように5シンクブロックの記録データブロックに変換し記録する。図において、H1は第1のヘッダ、H2は第2のヘッダである。H1には5シンクブロック(1シンクブロック内のデータエリアは図26に示すように77バイトのデータで構成されている。)の何番目のシンクかを示す識別データなどが記録される。H2には映像データかオーディオデータか等の識別データなどが記録される。なお、各トランスポートヘッダの先頭に付加されているシンクバイトは記録しなくてもよい。本実施例1ではトランスポートパケット内の全てのデータを記録するものとして説明を続ける。
【0050】
図7は各高速再生速度において1トラックより再生できるシンクブロック数を示す図である。なお、図中の各値は10μm(なお、SD規格におけるトラックピッチは10μmとなっている。)の回転ヘッドを用いて特殊再生を行った際に各再生速度において1本のトラックより再生できるシンクブロック数を示したものである。なお、計算は1トラック(180度相当)のシンクブロック数を186シンクブロックとし、従来例と同様に再生信号の出力レベルが−6dBより大きい部分が得られるものと仮定して算出した。
【0051】
図8は本発明の一実施例である特殊再生用データ記録エリアの配置を含む4トラック周期のトラックパターンを示す図であり、図に示すように本実施例1では、各トラック上の特殊再生用データ記録エリア、および誤り訂正検査符号記録エリアは4トラックを周期として繰り返すものとする。以下、この4本のトラックをトラックフォーマットと記す。図9には、図8に示す4トラック周期のデータ(1トラックフォーマットのデータ)の磁気テープ上での配置を示した。
【0052】
以下、図7〜図9を用いて本実施例1の記録フォーマットを説明する。なお、以下の説明では回転ヘッド27aで記録したトラックをAトラック、回転ヘッド27bで記録したトラックをBトラックを記す。図8において、T1はAチャンネルの回転ヘッド27aによって記録される第1のトラック、T2はBチャンネルの回転ヘッド27bによって記録される第2のトラック、T3はAチャンネルの回転ヘッド27aによって記録される第3のトラック、T4はBチャンネルの回転ヘッド27bによって記録される第4のトラックを示す。本実施例1では上述のように第1のトラックから第4のトラックの4本のトラックを1単位(1トラックフォーマット)として磁気テープ上にデータを記録する。図中トラックの下側に記したf0、f1、f2は再生時にトラッキングを行うための基準信号として各トラックに記録されるパイロット信号の種類を示している。なお、図8ではビデオエリア中のC2検査符号記録エリア、およびVAUXデータ記録エリアを除く135シンクブロックのビデオエリアを示した。
【0053】
図8において、A0〜A4は18倍速再生用データ記録エリアの磁気テープ上での配置を示す。各18倍速再生用データ記録エリア(A0〜A4)は5シンクブロックの幅で構成されている。また、18倍速再生用データ記録エリアは図に示すように各Aトラック上(T1、およびT3)に5箇所のエリアが設けられている。なお、図中同一符号を記したエリアには同一のデータが記録される。
【0054】
同様に、図においてB0は4倍速再生用データ記録エリアの磁気テープ上での配置を示す。4倍速再生用データ記録エリアは25シンクブロックの幅で構成されている。また、4倍速再生用データ記録エリアは図に示すようにT2トラック上に1箇所設けられている。
【0055】
同様に、図においてD0〜D5は誤り訂正検査符号記録エリアの磁気テープ上での配置を示す。各誤り訂正検査符号記録エリア(D0〜D5)は5シンクブロックの幅で構成されている。また、D1の記録エリアは上記4倍速用データ記録エリアに隣接して設けられている。D4のエリアに関してはD1の記録エリアと同一高さに設けられている。
【0056】
なお、各データ記録エリアに割り当てたシンクブロック数は、図7に示すデータに基づいて決定した。すなわち、図7より、9000rpmシステムにおいては4倍速再生時には1トラックより62シンクブロックが収得可能である。また、18倍速再生時には1トラックより10.9シンクブロックが収得可能である。これに基づいて構成した各特殊再生速度に対応する磁気テープ上のデータ配置が図8に示すものである。
【0057】
また、入力されたトランスポートパケットはビデオエリア内の上記特殊再生用記録エリア(A0〜A4、B0)、誤り訂正検査符号記録エリア(D0〜D5)、C2検査符号、およびVAUX記録エリア以外のエリアに記録される。(以下、このエリアをメインエリアと記す。)
【0058】
次に、本発明の1つの中心になる誤り訂正符号の記録方法について説明する。従来例でも述べたように、ATV信号は動き補償予測をベースとした圧縮方式を用いてデータ圧縮を行っている。従って、通常再生時、再生データ中に誤りが発生した場合、ATV信号では上記誤りが複数のフィールド、あるいはフレームにまで伝搬してしまい視覚上非常に見苦しいという問題点があった。また、上記SD規格のディジタルVTRをコンピュータ等のデータ、あるいはプログラムなどを記憶する蓄積メディアとして使用する場合、テープ上の傷、あるいは磁気テープ上に付着しているゴミ等で発生するドロップアウトなどで再生されなかったデータについて、それを復元するためにさらに強力な誤り訂正符号を付加することが望まれるという課題もあった。
【0059】
また、高速再生時には従来例で述べたようにC1検査符号による誤り訂正のみ再生データに施すため、誤りの発生頻度が多く特殊再生時の再生画像が視覚上見苦しいという問題点もあった。
【0060】
一方、磁気テープ上へ記録できる付加データの量は従来例でも述べたように限られている。よって、本実施例1では限られたデータエリアを有効に活用するため誤り訂正検査符号を付加するエリアを特殊再生時に回転ヘッド27a、および27bが走査する軌跡上に配置するとともに、ユーザが通常再生時の画質を重視する場合には通常再生用データに誤り訂正検査符号を付加するようにデータを生成し、特殊再生時の再生画質を重視する場合は特殊再生用データに誤り訂正検査符号を付加するように誤り訂正検査符号を生成する。
【0061】
これにより限られたデータ記録エリアを有効に活用することができるとともに、誤り訂正検査符号を所望のデータに付加することができる。また、上記ディジタルVTRをコンピュータなどの蓄積メディアに使用する際は、同一の記録フォーマットで強力な誤り訂正符号を構成することができる。(通常再生用の誤り訂正検査符号を上記誤り訂正検査符号記録エリアに書き込む。)
【0062】
以上のことを考慮して誤り訂正検査符号記録エリアに記録するデータについて以下説明する。図8に示すように誤り訂正検査符号の記録エリアは1トラックフォーマット内に6箇所のエリア(各5シンクブロック)が設けられている。通常再生データ用の誤り訂正検査符号(以下、C4検査符号と記す。)を記録するモードの場合には上記6箇所のエリアにC4検査符号が記録される。
【0063】
一方、特殊再生用データに誤り訂正検査符号(以下、C5検査符号と記す。)を記録するモードの場合には上記D0、およびD3エリアには18倍速用データに対するC5検査符号が記録され、D1エリアには4倍速用データに対するC5検査符号が記録される。その際、D2、D4、およびD5エリアには予め定められた固定値データ(例えば、全てのデータが0であるデータを記録する。なお、予め定められているデータであるなら固定値データである必要はない。)が記録される。これにより、特殊再生用の誤り訂正符号が記録されている磁気テープを通常再生する場合には、上記エリア(D2、D4、およびD5)に記録されているデータは、固定値であるので通常再生時の誤り訂正復号の際にC2符号の持つ誤り訂正能力を若干向上することができる。(C2復号の際に上記シンボルについては予め定められた固定値が記録されているので、誤り無しとすることができるため誤り訂正能力を向上することができる。)
【0064】
なお、C4検査符号、およびC5検査符号の構成方法については後述する。また、上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録する誤り訂正検査符号の切り換えは誤り訂正符号制御回路21から出力される誤り訂正検査符号記録モード信号に基づき行われる。
【0065】
また、4倍速再生用データ記録エリア(B0)は、4倍速再生時に回転ヘッド27bの1スキャンで1本のトラックより再生することができる。また、18倍速のエリアA0〜A4、および誤り訂正検査符号記録エリアD0(あるいはD3)は、18倍速再生時に回転ヘッド27aの1スキャンで6つのエリアを6本のトラックより再生することができる。(詳細は再生系の動作で説明する。)
【0066】
また、上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号が、C5検査符号である場合は特殊再生時にこれらの誤り訂正検査符号を用いて特殊再生用データに誤り訂正が施される。一方、C4検査符号である場合は特殊再生時は無視される。また、通常再生時には、上記エリアに記録されている誤り訂正検査符号が、C4検査符号である場合には、これらの誤り訂正検査符号を用いて再生ディジタルデータに誤り訂正が施される。一方、C5検査符号である場合には、通常再生時にはこれらデータは無視される。なお、通常再生時、および特殊再生時の誤り訂正検査符号の構成方法の詳細については後述する。
【0067】
また、詳細は再生系ので説明するが、図8に示した1トラックフォーマットのデータ配置(記録フォーマット)によれば、4倍速再生時、及び18倍速再生時に磁気テープ上のITIのエリアと、サブコードのエリアを回転ヘッド27a、および27bが走査する。すなわち特殊再生時にITIエリアでパイロット信号f0、f1、f2を用いてトラッキングを制御することができるとともに、サブコードエリア記録されている時間情報や曲番情報等の付加情報を再生することができる。
【0068】
図8に示した1トラックフォーマットを繰り返し記録することで磁気テープ上にデータを記録していく。図9は磁気テープ上の記録フォーマットを示す図である。図において、4倍速再生用データ(B0エリアに記録する。)は2回繰り返し記録され(図9参照)、18倍速再生用データは9回繰り返し記録される。すなわち、18倍速用データは1トラックフォーマット(4トラック)内に同一データを2本のトラックに記録するので、全体では同一のデータが18回繰り返し記録されることになる。(36トラック周期で18倍速の特殊再生用データは切り変わる。)また、4倍速用データは同一のデータが2回繰り返して記録されることになる。(8トラック周期で4倍速の特殊再生用データは切り変わる。)図9中、同一符号を記したエリアには同一信号のデータが記録される。
【0069】
また、図9では、誤り訂正検査符号記録エリアには特殊再生用データを記録した場合のデータ配置を示した。18倍速再生用データに関しては、a1、a2、a3、a4、およびa5(a6、a7、a8、a9、およびa10)を用いてC5検査符号を生成する。生成したC5検査符号はd18,1(d18,2)エリアに記録する。すなわち、a1、a2、a3、a4、a5、およびd18,1のデータで18倍速再生用の1誤り訂正ブロックを構成する。同様に、a6、a7、a8、a9、a10、およびd18,2で18倍速再生用データの1誤り訂正ブロックを構成する。
【0070】
また、4倍速再生用データに関しては4倍速再生用データ記録エリア、および4倍速再生用データ記録エリアに隣接して設けられた誤り訂正検査符号記録エリアのデータを用いて4倍速再生用データの1誤り訂正ブロックを構成する。具体的にはb1、およびd4,1、あるいはb2、およびd4,2、あるいはb5、およびd4,5を用いて4倍速再生用データの1誤り訂正ブロックを構成する。なお、図中、d0,0と記したエリアには特殊再生の誤り訂正検査符号を記録するモードであるので上述のように固定置データが記録される。なお、通常再生用の誤り訂正検査符号を記録するモードの場合は上記誤り訂正検査符号記録エリア(D0〜D5)にはC4検査符号が記録される。
【0071】
次に、図10〜図12を用いて通常再生、および特殊再生時に用いる誤り訂正符号の符号構成を説明する。まず始め通常再生用の誤り訂正検査符号(C4検査符号)の符号構成について説明する。本実施例1では、10トラックのデータを集め、集めたデータにインターリーブを施しC4検査符号を生成する。C4検査符号としては(245、230、16)リードソロモン符号を用いる。以下、図10、および図11を用いて10トラックのインターリーブの1実施例を説明する。
【0072】
図10は本発明の一実施例である通常再生用データに付加する誤り訂正検査符号を構成する際にデータブロックの構成方法を説明するための図であり、図10(a)、および図10(b)にATVデータ、特殊再生用データ、および誤り訂正検査符号(C4検査符号、あるいはC5検査符号)のAトラック、およびBトラック上の具体的な配置を示す。図中に記したA、およびBはそれぞれAトラック、およびBトラックのデータを示す。本実施例1では、10トラックのインターリーブを行うために、まず始め隣接する2トラック(T1、T2トラック、あるはT3、T4トラックのペアーで構成するものとする。)を用いて245シンクブロックのデータブロックを構成する。(同図(g)参照)
【0073】
以下、245シンクブロックのデータブロックの構成方法について説明する。上記245シンクブロックのデータを構成する際は、Aトラックに記録されている18倍速再生用データを除く。これは、SD規格で採用されている誤り訂正検査符号はGF(28 )で定義されるガロア体上の元で構成されている。よって、上記ガロア体の元で定義されるリードソロモン符号の最大符号長は255となる。2トラックのデータ全てを用いると符号長が270となり誤り訂正符号を構成することができなくなる。よって、本実施例1では通常再生データとは異なる18倍速再生用データを除くことにより通常再生用のデータブロックを構成する。なお、4倍速再生用データに関しては図8に示すようにT2トラックのみデータが記録されるので今回は通常再生用誤り訂正符号をつけるものとした。これは、T2とT4の識別、およびデータブロックを構成する際の回路規模が大きくなるため実施例1では4倍速再生用データを通常再生用データと同様に扱うことにより回路規模の削減を図っている。4倍速再生用データを除いた場合は、後述するデータブロックを構成する際は4トラックのデータを用いて2つのデータブロックを構成しなくては成らず制御が複雑になるとともに、回路規模が増大する。
【0074】
SD規格のディジタルVTRでは、フレーム周波数が60Hzの場合、1フレームのディジタル映像信号を10本のトラックに記録する。その際、上記1フレームのデータを記録する10トラックの先頭より順番にトラックナンバーをID信号中に付加する。具体的には、上記AトラックとBトラックのペアーには同一の番号が付加されるので0番〜4番までのトラックナンバーが付加される。米国では周知のようにフレーム周波数は30HzであるのでSD規格のディジタルVTRでは上述の要領でトラックナンバーが付加される。よって、本実施例1ではインターリーブを10トラック単位で施すことにより、新たに付加情報を付加することなくデータにC4検査符号を付加することができる。本実施例1では、説明は省略するが、欧州などのPAL/SECAM圏ではフレーム周波数が25Hzであるので1フレームのデータは12トラックに記録され、トラックナンバーも0番〜5番が付加されることになる。よって、インターリーブも12トラック単位で施しても良いことはいうまでもない。
【0075】
また、誤り訂正検査符号のガロア体上の元を、例えばGF(29 )に変えた場合、誤り訂正符号を生成するための原始多項式、および1シンボルのビット幅などが変わるため、SD規格対応の誤り訂正符号回路との共用(例えば、ガロア体上の乗算回路、除算回路等)ができなくなるばかりか、1シンボルのビット幅が増えるので回路規模も非常に大きくなる。よって、本実施例1では、上述のようにC4検査符号として(245、230、16)のリードソロモン符号を用いるものとする。従って、通常再生用の誤り訂正符号の生成時には通常再生時に用いない18倍速再生用データを除外して245シンクブロックのデータブロックを構成する。4倍速再生用データに関しても通常再生時に使用しないが、このエリアはT2トラックのみに存在しており、このエリアを除く場合は4トラックで2つの上記ブロックを構成する必要がありC4検査符号を生成する際のトラック周期が20トラックになり回路規模の増加をともなうため本実施例1では4倍速再生用データに関しては通常再生用の誤り訂正検査符号を生成する際用いるものとする。また、本実施例1では、インターリーブの深さを10トラックにした。
【0076】
以上のことを考慮して本実施例1の誤り訂正符号の構成方法を説明する。まず始め、図10を用いて245シンクブロックのデータブロックの構成方法について説明する。図10(a)においては、まず上述のように18倍速再生用データエリア[13]〜[17]が除かれる。また、誤り訂正検査符号記録エリア[10]についてもC4検査符号生成の際にはデータエリアより除かれる。図10(c)に抽出されたAトラックの通常再生用データを示す。同様に同図(b)にBトラック上のATVデータ、特殊再生用データ、および誤り訂正検査符号データの配置を示した。なお、エリア[8]に関してはT2トラックでは4倍速再生用データの記録エリアであるがT4トラックでは通常再生用データの記録エリアになっている。
【0077】
本実施例1では、245シンクブロックのデータブロックを生成する際、上記エリア[8]を除く、エリア[7]、およびエリア[9]を用いて構成したデータ群(同図(d)参照)、およびエリア[8]のデータで構成されたデータ群(同図(e)参照)を生成する。また、Aトラック、およびBトラック上の誤り訂正検査符号記録エリア[10]、[11]、および[12]を集めて同図(f)に示すデータ群を構成する。
【0078】
上記要領で構成された図10(c)、(d)、および(e)に示すデータ群は図に示すように5シンクブロックを単位としてぞれぞれ21個、20個、および5個のブロックに分割される。5シンクブロック単位で分割されたデータはまず始め同図(e)に示すB’1ブロックのデータを先頭に、以下A1、B1、A2、B2・・・の順に交互に同図(c)、および同図(d)に示すデータが配置される。そして、同図(g)に示すようにA21のデータに続きB’2、B’3、B’4、B’5が配置され、その後ろに誤り訂正検査符号記録エリア[11]、[10]、および[12]が順に配置され、245シンクブロックのデータブロックが構成される。なお、図中に記した同一符号のエリアは同一のエリアを指し示すものとする。(例えば、図10(a)で[1]と記したエリアは同図(c)で[1]と記したエリアと同一のエリアを示す。)また、同図(g)中に記した水平方向の数字は、シンクブロック内のデータの位置(アドレス)を示し、垂直方向に記した数字は上記245シンクブロックのデータブロック内のシンクブロックアドレスを示す。
【0079】
上記要領で構成された245シンクブロックのデータブロックを5データブロック集め10トラックのインターリーブを通常再生用データに施しC4検査符号を生成する。図11を用いて通常再生用データに付加するC4検査符号を生成する際にデータに施すインターリーブのパターンを説明する。
【0080】
図11は本発明の一実施例である通常再生用データに誤り訂正検査符号を付加する際にデータに施す5データブロックのインターリーブの方法を説明するための図である。ここで、図10(g)に示す上記245シンクブロックのデータブロックのブロックナンバーをBn(0≦Bn≦4)、上記データブロック内のシンクブロックナンバーをSBn(0≦SBn≦244)、シンクブロック内のデータナンバーがDn(0≦Dn≦76)であるデータをD[Bn,SBn,Dn]で定義した場合、図11に示すシャフリングの1実施例では、
(D[0,0,0] ,D[1,1,1] ,D[2,2,2],・・・,D[(i mod 5) ,i ,(i mod 77)],・・・,D[4,229,75] , D[0,230,76],D[1,231,0],・・・、D[4,244,13])
となる。ここでD[0,0,0]〜D[4,229,75]までの230バイトは情報シンボル、D[0,230,76]〜D[4,244,13]までの15バイトはC4検査符号となる。図11には上記シャフリング動作を図式的に表した。インターリーブは1点鎖線の方向に上記245シンクブロックのデータブロックのデータに対して5データブロックのインターリーブが施され実施される。(なお、実質的には図10(g)に示すようにデータブロックを構成するのでデータにはほぼ10トラックのデータインターリーブが施されることになる。)点線は上記データブロック内でのインターリーブ方向を示す。(実際は、5データブロック毎のインターリーブが施されるので5データブロック毎に1データがサンプリングされる。)
【0081】
この動作を各データブロックの先頭のシンクブロック内の全てのデータに行う。すなわち、jデータブロック目の先頭のシンクブロックよりk番目のデータを先頭として上記C4検査符号の生成を行う際は、
(D[j,0,k], D[(j+1 mod 5),1,(k+1 mod77)],・・・,D[(j+i mod 5),i,(k+i mod 77)],・・・,D[(j+229 mod 5),229,(k+229 mod 77)],D[(j+230 mod 5),230,(k+230 mod 77)],・・・,D[(j+244 mod 5),244,(k+244 mod 77)])
となり、1データブロック当りkを0〜76まで変化させ、これを5データブロック(jを0〜4まで変化させる。)に施すことによりインターリーブを実行しC4検査符号を生成する。なお、図11中、あるいは上式中の(X mod Y)は整数Xを整数Yで除算した時の余りをあらわす。なお、上記インターリーブが施されC4検査符号が生成されたデータは、図10(a)、および(b)に示す所定のエリアに記録される。なお、誤り検査符号の付加モードが特殊再生用誤り訂正符号記録モードの場合はC5検査符号が誤り訂正検査符号記録エリアに記録され、C4検査符号は捨てられる。
【0082】
次に、C4検査符号の持つバースト誤り訂正能力について簡単に説明する。図10(g)に示す245シンクブロックのデータブロックに対して図11に示すように5データブロックの深さのデータインターリーブを施す。また、C4検査符号は最小距離が16の符号であるので最大15個の消失まで誤りを訂正することができる。上述のように、図10(g)に示すデータブロックに対して深さが5のインターリーブを施すので最大のバースト誤り訂正能力は15×5=75シンクブロックとなる。従って、Aトラックの場合は18倍速再生用データエリアに対してはC4検査符号が付加されていないので最大75+20(=95)シンクブロックのバースト誤り訂正能力を有する。同様にBトラックのデータに関しては、最大75シンクブロックのバースト誤りを訂正することができる。なお、T2トラックに関しては4倍速再生用のデータが2回繰り返し記録されているので、バースト誤り発生時に異なるトラックに記録された同一の4倍速データを上記エリアのデータと交換することにより最大バースト誤りの訂正能力は75+25(=100)シンクブロックとなる。よって、通常再生時に例えばドロップアウトにより1トラック内の75シンクブロックのデータが再生されなかった場合でもC4検査符号によりデータを復元することができる。
【0083】
次に、図12を用いて特殊再生用データに付加する誤り訂正符号の構成を説明する。図12は特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号(C5検査符号)の構成を示す図である。(以下、図12に示すデータ構成を誤り訂正ブロックと記す。)C5検査符号は(30、25、6)のリードソロモン符号を用いるものとする。図10(a)にAトラックに記録する18倍速再生用データ、および誤り訂正検査符号の配置を示した。図12に示す誤り訂正ブロックのデータは、18倍速再生用データに関しては5シンクブロックづつに区切られ、それぞれ同図(a)に示す各エリア[13]〜[17]に示すエリアに記録される。また、C5検査符号に関してはエリア[10]に記録される。
【0084】
同様に、Bトラックに記録される4倍速再生データは25シンクブロックを単位として特殊再生用エリア(エリア[8])に記録される。一方、C5検査符号に関してはエリア[8]に隣接して設けられたエリア[11]の誤り訂正検査符号記録エリアに記憶される。
【0085】
本実施例1では上述のようにデータに深さが10トラックのインタリーブを施してC4検査符号を生成する。その際、第1のメモリ13、第2のメモリ16、および第3のメモリ17では、入力端子1を介して入力されたトランスポートパケット(図6(a))を図6(b)に示すシンクブロック単位のデータに変換する。そして、シンクブロック単位に変換された第1のメモリ13より出力されるATV信号と第1の誤り訂正符号回路18より出力される4倍速再生用データを用いてデータ合成回路19で図10(g)に示す245シンクブロックのブロックデータが生成される。なお、第1の誤り訂正符号回路18より出力される18倍速再生用データ、および各倍速数の特殊再生用データに付加されたC5検査符号に関しては一旦データ合成回路19内のメモリ内の所定のアドレスに記憶される。
【0086】
データ合成回路19で構成された上記245シンクブロックのデータブロックは第4のメモリ22内の所定のアドレスに記憶される。その際、データ合成回路19内のメモリに記憶されていた18倍速再生用データ、および各倍速数の特殊再生用データに付加されたC5検査符号についても上記データブロックと同一のタイミングでデータ合成回路19より読みだされ第4のメモリ22内の所定のアドレスに記憶される。なお、記録系の回路動作の詳細な説明は後述する。
【0087】
次に図1〜図12を用いて記録系の動作について説明する。入力端子1から入力されたトランスポートパケットは、第1のメモリ13、およびヘッダ解析回路10へ入力される。ヘッダ解析回路10ではまずはじめ、入力されたトランスポートパケットからトランスポートヘッダを検出し、ビデオデータ伝送するトランスポートパケットを分離する。そして、上記分離されたビデオデータを伝送してきたトランスポートパケット内のデータを解析しシーケンスヘッダ、ピクチャヘッダ、スライスヘッダ等のヘッダ情報を検出し、上記トランスポートパケットよりイントラ画像を分離する。なお、上記各種ヘッダ情報、およびヘッダ情報に付加されている付加情報も分離する。
【0088】
なお、シーケンスヘッダとは、ビデオ信号のビットストリーム中に設けられたヘッダ情報でMPEG1とMPEG2の識別情報などが付加されている。また、ピクチャヘッダとは、各フレーム、あるいはフィールドの先頭に付加されているヘッダで各フレーム、あるいはフィールドの先頭を指し示すとともに、符号化モードなどのモード信号などが付加されている。また、MPEG2では、1フレームのデータを伝送する際、1フレーム(フィールド)の画面を複数のスライスというブロックに区切って伝送する。スライスヘッダはその先頭を指し示す。(各ヘッダについての詳細はMPEG2のドラフトを参照)
【0089】
ヘッダ解析回路10で検出された上記ヘッダ情報、それに付随する付加情報(例えば、量子化テーブル情報など)、およびイントラ画像情報は、P/S変換回路11、4倍速用データ生成回路14、および18倍速用データ生成回路15へ出力される。
【0090】
P/S変換回路11では、入力されたトランスポートパケットのデータにP/S変換を施し1ビットのビットストリームデータに変換する。1ビットのシリアルデータに変換された上記イントラフレームのトランスポートパケットデータは特殊再生用データ生成回路12へ入力される。図2を用いて特殊再生用データ生成回路12の動作を説明する。MPEG2による画像圧縮は8ライン×8画素のブロック(以下、DCTブロックと記す。)に離散コサイン変換(以下、DCTと記す。)を施し、DCTの施されたデータ(以下、DCT係数と記す。)をジグザグスキャニングというスキャニング順序でパワースペクトラムの集中する低域成分より順次読みだし、係数0をランとするランレングス符号化(ランレングスデータと係数データに分離する。)を施した後に2次元の可変長符号化を施す。
【0091】
入力端子30を介して入力されたイントラ画像のシリアルデータは可変長復号器4、データ抜き取り回路6a、およびデータ抜き取り回路6bに入力される。可変長復号器4では、入力されたビットストリームに可変長復号を施す。本実施例1では、可変長復号の際に入力ビットストリームを完全に復号するのではなく、可変長符号語の上記ランレングス長、および可変長符号語の符号長のみ検出し出力することにより回路規模の削減を図っている。(なお、完全に可変長復号を行っても良いことは言うまでもない。)カウンタ5では、上記ランレングス長をもとに復号された1DCTブロック内のDCT係数の数をカウントし、データ抜き取り回路6a、およびデータ抜き取り回路6bにカウント結果を出力する。
【0092】
データ抜き取り回路6aは、カウンタ5より出力される上記カウント結果をもとに伝送する4倍速再生用データの可変長符号語を抜きとる。なお、データの抜き取りタイミングは上記カウンタ5より出力される復号されたDCT係数の数を所定値と比較し、所定値を越える前までの可変長符号語を伝送するように制御する。なお、可変長符号語の切れ目は可変長復号器4より出力される符号長情報によって検出する。データ抜き取り回路6bも同様に上記カウンタ5、および可変長復号器4より出力される情報をもとにそれぞれ独立に予め設定されたタイミング(スレッショルド)で18倍速再生用データの可変長符号語を抜き取る。それぞれ抜き取られたデータはEOB付加回路7a、EOB付加回路7bで各DCTブロックの終わりにEOBコードが付加され、それぞれ出力端子31a、出力端子31bから出力される。なお、各DCTブロックの先頭に関しては、可変長復号器4で検出され、カウンタ5、およびデータ抜き取り回路6a、および6bに出力される。
【0093】
この時データを抜き取るDCT係数の数はそれぞれのデータ抜き取り回路において同一でもかまわないし、異なっていてもかまわない。抜き取るDCT係数の数が異なるということは、特殊再生用トランスポートパケット内に記録されるDCTブロックの個数が異なることを意味する。特殊再生用データを記録することができるエリアは上述のように限られている。よって、各特殊再生速度に対する、該特殊再生用データ記録エリアが同一シンクブロック数で有れば、1DCTブロック内のDCT係数の記録数を多くすると記録する特殊再生用データ記録エリアが多く必要となり、高速再生時の高速再生画像データの更新周期(以下、リフレッシュと記す。)が長くなる。なお、再生画質はDCT係数を多く伝送する分良くなる。反対に、1DCTブロック内のDCT係数の記録数を少なくすると特殊再生用データの1フレーム当りのデータ量が少なくなり、特殊再生用データ記録エリアが少なくてすむので高速再生画像のリフレッシュが短くなる。なお、再生画質は記録するDCT係数が少ないので悪くなる。このリフレッシュと画質のトレードオフで各倍速におけるデータの抜き取り量を決定すれば良い。
【0094】
特殊再生用データ生成回路12より出力された4倍速再生用データ、および18倍速再生用データはそれぞれ4倍速用データ生成回路14、および18倍速用データ生成回路15へ入力される。続く処理は各再生速度(4倍速、および18倍速)において同様であるので、ここでは4倍速再生用データの生成方法について述べる。以下、図3を用いて4倍速用データ生成回路14の動作を説明する。4倍速用データ生成回路14では、ヘッダ解析回路10より入力されるトランスポートヘッダ情報、および各種ヘッダ情報(付加情報を含む。)、および特殊再生用データ生成回路12より出力される4倍速再生用データを用いて4倍速再生用のトランスポートパケットを生成する。入力端子40を介して入力されたトランスポートヘッダ情報はトランスポートヘッダ修正回路42でトランスポートヘッダに修正が加えられる。具体的には、ヘッダ解析回路10より出力されるイントラ情報に基づき、イントラ画像を伝送してきたトランスポートパケットのトランスポートヘッダ中のトランスポートパケットの連続性を指し示すヘッダ情報を書き換える。一方、ヘッダ付加回路43では、特殊再生用データ生成回路12より出力される特殊再生用ビットストリームに、ヘッダ解析回路10で検出されたシーケンスヘッダ、ピクチャヘッダ、スライスヘッダ等のヘッダ情報、および各ヘッダの中から特殊再生用データを復号する際に必要となる情報を付加する。(符号化モードフラグ、あるいは量子化テーブル情報など。)
【0095】
ヘッダ情報の付加された特殊再生用データはパケット化回路44で、シリアル/パラレル変換が施され1バイトが8ビットのデータに変換される。シリアル/パラレル変換の施された8ビットのデータは184バイトづつに区切られトランスポートパケットのデータ部分が構成される。なお、シリアル/パラレル変換の際に各ヘッダ情報がMPEG2で規定されているように4バイトで構成されるように各ヘッダ情報の前に“0”データが挿入される。(各ヘッダ情報は32ビットで構成されており、トランスポートパケットを生成する際4バイトで構成する必要がある。)具体的にはヘッダ情報が5バイトにまたがるような場合には、ヘッダ情報の前に“0”情報を付加することによりにヘッダ情報が4バイトで構成されるように制御する。パケット化回路44で構成された184バイトのトランスポートパケットのデータは、トランスポートヘッダ付加回路45でトランスポートヘッダ修正回路42より出力されるトランスポートヘッダ情報が付加され出力される。なお、上記トランスポートヘッダ修正回路42からのヘッダ情報の読みだしはパケット化回路44より出力されるタイミング信号に基づき出力される。4倍速用データ生成回路14で生成された4倍速再生用データはトランスポートパケットの形で第2のメモリ16へ出力される。
【0096】
上述では、4倍速再生用データのトランスポートパケット化について述べたが、18倍速再生用データも同様の処理が施される。特殊再生用データ生成回路12から出力された18倍速再生用データは18倍速用データ生成回路15に入力される。18倍用データ生成回路15では、ヘッダ付加回路43で、ヘッダ解析回路10より出力されるヘッダ情報に基づき各ヘッダ、および付加情報が付加された後に、パケット化回路44で上記要領でシリアル/パラレル変換が施されトランスポートパケットのデータ部分が構成され、トランスポートヘッダ付加回路45でトランスポートヘッダ修正回路42より出力される修正トランスポートヘッダが付加され、トランスポートパケットの形で第3のメモリ17に出力される。
【0097】
ここで、誤り訂正符号制御回路21の動作について説明する。誤り訂正符号制御回路21では入力端子21を介して入力されたコマンド情報により、誤り訂正検査符号記録モードを(特殊再生用誤り訂正符号記録モード、あるいは通常再生用誤り訂正符号記録モード)第1の誤り訂正符号回路18、データ合成回路19、第2の誤り訂正符号回路23、第3の誤り訂正符号回路24、およびディジタル変調回路25へ出力するとともに、テープ走行制御、およびドラムの回転制御系から出力されるサーボ情報をもとに4トラック周期のトラック識別信号、および10トラックのトラック識別信号も出力する。なお、本実施例1では誤り訂正符号の切り換えは第4のメモリ22の出力で行うものとする。
【0098】
4倍速用データ生成回路14、および18倍用データ生成回路15より出力された各々の特殊再生用トランスポートパケットデータは、第2のメモリ16、および第3のメモリ17へ一旦記憶される。第2、および第3のメモリ16、および17では入力されたデータをトランスポートパケットの形でメモリ内に記憶し、1フレーム(フィールド)の特殊再生用データを構成する。第2のメモリ16、および第3のメモリ17で構成された1フレームの特殊再生用データは2つのトランスポートパケットを単位として各メモリより読みだされ、図6(b)に示すように5シンクブロックのデータに変換され第1の誤り訂正符号回路18へ出力される。なお、第2、および第3のメモリ16、および17よりのデータの読みだしは第1の誤り訂正符号回路18より出力される制御信号に基づき行われるものとする。また、H1、およびH2ヘッダ情報は、第1の誤り訂正符号回路18の入力時点で付加されるものとする。
【0099】
第1の誤り訂正符号回路18では図6(b)に示すようにシンクブロック単位に変換された各倍速数に対応する特殊再生用データを25シンクブロック集めC5検査符号を付加するための誤り訂正ブロックを構成する。そして、4倍速再生用データ、および18倍速再生用データに対して各々C5検査符号が生成され付加される。C5検査符号の付加された4倍速再生用データ、および18倍速再生用データはデータ合成回路19へ入力される。なお、上記特殊再生用データに付加するC5検査符号の生成はデータ合成回路19より出力される制御信号(データリクエスト信号)に基づき生成される。
【0100】
一方、入力端子1を介して入力されたATV信号のトランスポートパケットは第1のメモリ13へ入力され記憶される。第1のメモリ13はデータ合成回路19より出力される制御信号に基づき入力されたデータを読みだす。その際、トランスポートパケット単位で入力されたデータを2トランスポートパケットを単位として、図6(b)に示すように5シンクブロックのデータに変換して出力する。
【0101】
データ合成回路19では、誤り訂正符号制御回路21より出力される4トラック、および10トラックの各々のトラック識別信号をもとに、図10(g)に示す245シンクブロックのデータブロックを構成する。その際、特殊再生用データの繰り返し回数などは内部のカウンタでカウントし第1の誤り訂正符号回路18へ特殊再生用データのデータリクエスト信号を出力する。データ合成回路19ではまず始め2トラック分の通常再生用データを第1のメモリ13より読み出す。第1のメモリ13より読み出されたデータは、データ合成回路19内に設けられたメモリ内へ記憶される。同様に、第1の誤り訂正符号回路18より出力された各特殊再生用データ、およびC5検査符号もデータ合成回路19内に設けられた所定のメモリ内に記憶される。データ合成回路19内に記憶された各データは、データの読み出し順序が変えられ、図10(g)に示す245シンクブロックのデータブロックが構成され第4のメモリ22へ出力される。なお、Bトラック上の4倍速再生用データと通常再生用データの切り換えは、4トラック周期のトラック情報を用いてデータ合成回路19内で処理する。また、18倍速再生用データ、および各特殊再生用データに対するC5検査符号は245シンクブロックのデータブロックに続きデータ合成回路19より第4のメモリ22へ出力される。
【0102】
データ合成回路19より出力された上記データは第4のメモリ22の所定のアドレスに書き込まれる。なお、第4のメモリ22への書き込みアドレス、および制御信号は第2の誤り訂正符号回路23より出力されるものとする。
【0103】
次に、C4検査符号の生成動作について説明する。第4のメモリ22で、5データブロック分のブロックの構成が終了すると、第2の誤り訂正符号回路23では、C4検査符号を生成するためのデータの読みだしアドレス、および制御信号を第4のメモリ22へ出力する。第4のメモリ22では入力される制御信号に基づき、データを読みだす。(なお、読みだされたデータには図11に示すインターリーブが施されているものとする。すなわち、第2の誤り訂正符号回路23より出力される上記読みだしアドレスに上記インターリーブが予め施されているものとする。)第2の誤り訂正符号回路23では第4のメモリ22より読みだされたデータをもとにC4検査符号を生成する。第2の誤り訂正符号回路23で生成されたC4検査符号は、第4のメモリ22内に予め設けられているC4符号記憶エリアに記憶される。上記5データブロック分のC4検査符号の生成が終了すると第4のメモリ22に記憶されているデータは第3の誤り訂正符号回路24へ出力される。
【0104】
第4のメモリ22からのデータの読みだしは第3の誤り訂正符号回路24より出力されるデータの読みだしアドレス、および制御信号に基づき行われる。第3の誤り訂正符号回路24では、誤り訂正符号制御回路21より出力されるモード信号、およびトラックの識別信号に基づき、第4のメモリ22内に記憶されているデータを図10(a)、あるいは(b)のシンクブロックの順番にデータを並べ変えて読みだす。その際、C4検査符号とC5検査符号の選択も誤り訂正符号制御回路21より出力されるモード信号に基づき、第3の誤り訂正符号回路24より出力する読みだしアドレス(C4検査符号読み出しアドレスとC5検査符号読み出しアドレス)を切り換えることにより実行する。なお、本実施例1では特殊再生用誤り訂正符号記録モードの場合、C5検査符号を第4のメモリ22より読み出す際は、図8中のD2、D4、およびD5へは上述のように固定値データを記録するので、予め、第4のメモリ22内の所定のアドレスに固定値データが記憶されているものとする。
【0105】
第4のメモリ22より読みだされたデータは第3の誤り訂正符号回路24内のメモリに1トラック単位で記憶される。1トラックのデータが構成されると、第3の誤り訂正符号回路24では図25に示すSD規格に基づく誤り訂正符号を上記データに付加する。すなわち、ビデオエリアに記録される上記データは、各トラック単位にまず始めC2検査符号が生成され付加される。C2検査符号の付加されたデータはシンクブロック単位にC1検査符号が生成され付加される。また、オーディオエリアに関してもC3検査符号、及びC1検査符号が付加される。なお、本実施例1では、オーディオのデータエリアは将来の拡張のためにあけておき、本実施例1では固定値のダミーデータを記録しておくものとする。SD規格に基づく誤り訂正符号の付加されたデータは、各トラック単位に所定のタイミングで第3の誤り訂正符号回路24より読みだされる。その際に、SD規格に基づくトラックフォーマットを生成する。具体的には、各シンクブロック間にシンク信号、およびID信号を付加するために5バイト分の間隔があけられるとともにITIエリア、サブコードエリア、および各データ間のギャップ等が所定量あけられて上記データが出力される。第3の誤り訂正符号回路24の出力は、ディジタル変調回路25に入力される。
【0106】
ディジタル変調回路25では、まず始め各シンクブロックの先頭にシンク信号、およびID信号を付加する。その際、上記誤り訂正符号記録エリアに記録されるシンクブロックに関しては、誤り訂正符号の種類を識別するためのフラグ情報がID信号中に付加される。再生時は、上記ID信号中のフラグにより誤り訂正符号に種類を識別し各データの誤り訂正を行う。ID信号の付加されたデータは、ディジタル変調が施され、記録アンプ26で増幅され、回転ヘッド27a、および27bを介して磁気テープ上に記録される。
【0107】
次に、上記記録フォーマットを有する磁気テープを再生するディジタルVTRの再生系の構成について説明する。図13は本発明の一実施例であるディジタルVTRの再生系のブロック構成図である。なお、図1と同一符号を記したものはその構成、および動作が同一であるので説明は省略する。図において、50は再生アンプ、51はディジタル復調回路、52は再生ディジタル信号にC1検査符号、及びC2検査符号を用いて再生信号中の誤りの訂正、および検出を行う第1の誤り訂正復号回路である。なお、第1の誤り訂正復号回路52では、再生信号中のID信号を検出して誤り訂正復号制御回路54へ出力する。
【0108】
53は現在の再生状態を示すモード信号(通常再生、あるいは特殊再生)の入力端子、54は第1の誤り訂正復号回路52より出力されるID信号、及び上記再生モード信号に基づいて、特殊再生時、あるいは通常再生時の誤り訂正復号処理を切り換えるための制御信号を第2の誤り訂正復号回路56、第3の誤り訂正復号回路57へ出力するとともに、スイッチ59の切り換え信号も出力する誤り訂正復号制御回路である。なお、誤り訂正復号制御回路54では、ID信号よりトラックナンバー情報、シンクブロックアドレス情報、誤り訂正検査符号記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号の種類などの情報も検出する。55は通常再生用データを記憶する第5のメモリ、56は誤り訂正復号制御回路54から出力される制御信号(第1の誤り訂正復号回路52で検出されたID情報の判別結果、および再生モード信号等)に基づき、上記誤り訂正検査符号記録エリアにC4検査符号が記録されている場合には第5のメモリ55内に記憶されているデータに上記C4検査符号による誤り訂正復号を施し通常再生用信号中に発生した誤りを訂正、あるいは検出する第2の誤り訂正復号回路、57は誤り訂正復号制御回路54から出力される制御信号に基づき、上記誤り訂正検査符号記録エリアにC5検査符号が記録されている場合には上記C5検査符号を用いて誤り訂正復号を施し特殊再生用データに発生した誤りを訂正、および検出する第3の誤り訂正復号回路、58は第3の誤り訂正復号回路57より出力される特殊再生用データを記憶する第6のメモリ、59はスイッチ、60は出力端子である。
【0109】
以下、再生系の動作を説明する前に、図14、および図15を用いて本実施例1に示すディジタルVTRで4倍速、および18倍速再生を行った場合の動作を説明する。図14は図9に示す記録フォーマットを有する磁気テープを1Ch×2のドラム構成で4倍速再生したときの回転ヘッドの走査軌跡とトラックパターンの関係を示す図である。図中、Aと記した走査軌跡は、Aチャンネルの回転ヘッド27aの走査軌跡を示す。同様にBと記した走査軌跡は、Bチャンネルの回転ヘッド27bの走査軌跡を示す。上述のように、4倍速再生用データはBチャンネルのトラックに記録されており、また上述のように2トラックフォーマット期間、同一データが繰り返し記録(2箇所の記録エリアに同一のデータが記録されている。)されているので、図14に示すように回転ヘッド27a、および27bの2走査期間に上記4倍速再生用データの記録エリアをAチャンネルの回転ヘッド27a、およびBチャンネルの回転ヘッド27bが1回づつスキャンするためBチャンネルの回転ヘッド27bによって記録された4倍速再生用データを再生することができる。またこのとき、図14に示すように回転ヘッド27a、および27bはサブコードエリアのデータも再生することができる。また、トラッキングもITIエリアでかけることができる。なお、2Ch×1のドラム構成を有するディジタルVTRで4倍速再生を行った場合の説明は省略するが、1Ch×2の回転ヘッド27bの左側を回転ヘッド27aが同時に走査する。(図14中、回転ヘッド27aの走査軌跡が回転ヘッド27bの左どなりを隣接して走査する。)よって、Bチャンネルの回転ヘッド27bによって記録された4倍速用の特殊再生データを再生することができる。
【0110】
図15は図9に示す記録フォーマットを有する磁気テープを1Ch×2のドラム構成で18倍速再生したときの回転ヘッドの走査軌跡とトラックパターンの関係を示す図である。図中、Aと記した走査軌跡は、Aチャンネルの回転ヘッド27aの走査軌跡を示す。同様にBと記した走査軌跡は、Bチャンネルの回転ヘッド27bの走査軌跡を示す。18倍速再生用データはAチャンネルのトラックに9トラックフォーマット繰り返し(計18箇所同一のデータが記録されている。)記録されているので、従来例でも述べたようにAチャンネルの回転ヘッド27aによって記録された18倍速再生用データを再生することができる。(図15に示すようにAチャンネルの回転ヘッド27aにより必ず18倍速再生用データは再生できる。)またこのとき、回転ヘッド27aはサブコードエリアの信号も再生することができる。なお、その際ITIエリアも通るのでITIエリアに記録されているパイロット信号によりトラッキングをかけることもできる。なお、上記4倍速再生の場合と同様に2Ch×1のドラム構成を有するディジタルVTRで18倍速再生を行った場合の説明は省略するが、1Ch×2の回転ヘッド27aの右側を回転ヘッド27bが同時に走査する。(図15中、回転ヘッド27bの走査軌跡が回転ヘッド27aの右どなりを隣接して走査する。)よって、Aチャンネルの回転ヘッド27aによって記録された18倍速用の特殊再生データを再生することができる。
【0111】
4倍速、および18倍速再生時に1本のトラックより再生できるデータ量は図7に示すように9000rpmのシステムで4倍速で62SB、18倍速で10.9SBとなっている。なお、−2倍速再生、および−16倍速再生についてもトラック上のデータの再生位置はそれぞれ4倍速、および18倍速再生時と同一になるので図9に示す記録フォーマットで実現することができる。また、詳細な説明は省略するが4500rpmのシステムで上記記録フォーマットを有する磁気テープを再生する際は、高速再生時の再生速度を2倍速(93SB)、および8倍速(13SB)に設定することにより実現できる。よって、各倍速の高速再生時には特殊再生用データ以外に、隣接して配置された誤り訂正検査符号記録エリア(4倍速再生用データ)、あるいはトラック上別途設けられた誤り訂正検査符号記録エリア(18倍速再生)も同時に再生することができる。また、通常再生時には回転ヘッド27a、および27bはすべてのトラックを再生する。よって、上記誤り訂正符号記録エリアは高速再生時(4倍速、18倍速再生、−2倍速、および−16倍速)、および通常再生時のどちらの場合も再生できるので記録時に述べたように同一の記録エリアで共用することができる。(すなわち、どちらの誤り訂正符号を付加しても高速再生時、あるいは通常再生時に上記誤り訂正検査符号記録エリアは再生することができる。)
【0112】
なお、上記説明では、高速再生時のトラッキングをITIエリアでかけるように説明したがこれに限るものではなく、例えば、18倍速再生の場合は上記特殊再生用データ記録エリアの1つのデータエリアでトラッキング位相を検出して制御してもよく、また、複数の上記特殊再生用データ記録エリアでトラッキング位相を検出して制御してもよい。また、4倍速再生については隣接するAトラックの所定の位置で回転ヘッド27aによりトラッキング位相を検出して制御してもよい。また、ITIエリアでトラッキング位相の粗調節を行い特殊再生用エリアで微調節を行ってもよい。特に、上述のトラッキング制御方式は互換再生などでトラック曲がりがある場合に効果がある。
【0113】
次に上記再生系の通常再生時の動作について説明する。磁気テープから、ドラム28上の回転ヘッド27a、及び27bを介して再生されたデータは再生アンプ50において増幅され、ディジタル復調回路51に入力される。ディジタル復調回路51では、入力された再生データよりデータ検出を行い、再生ディジタルデータに変換した後にディジタル復調を施す。ディジタル復調回路51においてディジタル復調された再生ディジタルデータは第1の誤り訂正復号回路52に入力される。誤り訂正復号回路52では、再生ディジタルデータが入力されると各シンクブロックの先頭に付加されているID信号を分離しその結果を誤り訂正復号制御回路54へ出力する。また、ID信号の分離された再生ディジタルデータは、第1の誤り訂正復号回路52においてC1検査符号、及びC2検査符号を用いて再生時に発生した誤りの訂正、および検出が行われる。第1の誤り訂正復号回路52において誤り訂正を行われた再生ディジタルデータは、第5のメモリ55、および第3の誤り訂正復号回路57へ出力される。その際、特殊再生用データ記録エリアから再生された特殊再生用データ(4倍速再生用データ、および18倍速再生用データ)は第3の誤り訂正復号回路57へ入力され、18倍速再生用データを除く再生ディジタルデータは第5のメモリ55へ入力される。なお、本実施例1では通常再生時には、第3の誤り訂正復号回路57でのC5検査符号による誤り訂正復号動作を行わないものとする。(すなわち、特殊再生用データは第3の誤り訂正復号回路57へ入力されるだけで誤り訂正復号動作は施されない。)
【0114】
一方、第1の誤り訂正復号回路52で検出されたID信号は誤り訂正復号制御回路54へ入力される。誤り訂正復号制御回路54では上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録されていたシンクブロックより分離されたID信号を検出し、付加されている上記識別フラグデータを用いて誤り訂正検査符号の種類を識別するとともに、通常再生時は現在再生中のトラックナンバー、およびシンクブロックナンバーの検出も行う。また、入力端子53を介して入力される再生モード信号により、現在の再生モードを検出する。そして、上記誤り訂正検査符号の識別結果、トラックナンバー、シンクブロックナンバー、および再生モード情報を第2の誤り訂正復号回路56、および第3の誤り訂正復号回路57へ出力するとともに、再生モード信号をスイッチ59へ供給する。
【0115】
また、第5のメモリ55へ1トラック単位で入力された再生ディジタルデータは回転ヘッド27a、および27bの再生ヘッド情報を用いてAトラック、およびBトラックを識別する。そして、Aトラックより再生される図10(a)に示す信号と、Bトラックより再生される図10(b)の信号を用いてメモリ内に245シンクブロックのデータブロックを構成する。一方、第2の誤り訂正復号回路56では誤り訂正検査符号記録エリアに記録された誤り訂正符号が通常再生用の誤り訂正検査符号(C4検査符号)であった場合、誤り訂正復号制御回路44より出力されるトラックナンバー情報を用いて図11に示すC4検査符号による誤り訂正ブロック(5データブロック)が第5のメモリ55内に構成されたかを確認する。
【0116】
第5のメモリ55内に図11に示すC4符号による誤り訂正ブロック(5データブロック)が構成されると、図11に示す要領で第5のメモリ55よりデータを読み出しC4検査符号による誤り訂正(以下、C4復号と記す。)を通常再生データ、および4倍速再生用データに施す。なお、第5のメモリ55からのデータの読み出しアドレス、および読み出し制御信号は第2の誤り訂正復号回路56より出力される。また、5データブロックにわたるデータインターリーブに関しても、第5のメモリ55からの読み出し時点で行われるものとする。(第2の誤り訂正復号回路56より出力されるデータ読み出しアドレスによりインターリーブの制御は行われる。)なお、18倍速用データに関しては第5のメモリ55の入力で捨てられる。C4復号の施されたデータはスイッチ59を介して出力端子60に供給される。
【0117】
一方、誤り訂正検査符号記録エリアに記録された誤り訂正符号が特殊再生用の誤り訂正検査符号であった場合は、何もせずそのまま再生ディジタルデータは第5のメモリ55より読みだされスイッチ59に出力される。なお、第5のメモリ55より再生ディジタルデータを読み出す際は、4倍速再生用データ、および誤り訂正検査符号記録エリアに記録されていたデータを削除するとともに、5シンクブロックのデータ内に付加されたヘッダ情報(H1、およびH2ヘッダ情報)をもとにトランスポートパケットを再構成してデータを出力する。(図6参照)スイッチ59は通常再生時は第5のメモリ55の出力を選択するように誤り訂正復号制御回路54より選択制御信号(再生モード信号)が出力される。
【0118】
次に、特殊再生時の動作を説明する。磁気テープから、ドラム28上の回転ヘッド27a、及び27bを介して間欠的に再生されたデータは再生アンプ50において増幅され、ディジタル復調回路51に入力される。ディジタル復調回路51では、入力された再生データよりデータ検出を行い、再生ディジタルデータに変換した後にディジタル復調を施す。ディジタル復調回路51においてディジタル復調の施された再生ディジタルデータは第1の誤り訂正復号回路52に入力される。第1の誤り訂正復号回路52では、再生ディジタルデータが入力されると各シンクブロックの先頭に付加されているID信号を分離しその結果を誤り訂正復号制御回路54へ出力する。また、ID信号の分離された再生ディジタルデータは、第1の誤り訂正復号回路52においてC1検査符号を用いて特殊再生時に発生した誤りの訂正、及び検出が施される。なお、特殊再生時にはデータが従来例でも述べたように間欠的に再生されるため、図25、あるいは図5に示すような誤り訂正ブロックを構成することができないため、C2検査符号による誤り訂正、およびC4検査符号による誤り訂正は行わないものとする。
【0119】
第1の誤り訂正復号回路52において誤り訂正が施された再生ディジタルデータは、第5のメモリ55、および第3の誤り訂正復号回路57へ出力される。その際、特殊再生用データ記録エリアから再生された特殊再生用データは第3の誤り訂正復号回路57内に設けられているメモリ内に一旦記憶される。なお、第5のメモリ55には上記理由により再生ディジタルデータは書き込まれない。
【0120】
通常再生時と同様に、第1の誤り訂正復号回路52で検出されたID信号は誤り訂正復号制御回路54へ入力される。誤り訂正復号制御回路54では上記誤り訂正符号記録エリアに記録されていた再生ディジタルデータより分離されたID信号を検出し、ID信号に付加されている誤り訂正検査符号の種類を識別するとともに、現在再生中のトラックナンバー、およびシンクブロックナンバーの検出を行う。また、入力端子53を介して入力される再生モード信号により、現在の再生モードを検出する。そして、上記誤り訂正検査符号の識別結果、トラックナンバー、シンクブロックナンバー、および再生モード情報(通常再生、および高速再生情報(4倍速再生、18倍速再生、あるいは−2倍速再生、−16倍速再生等))を第2の誤り訂正復号回路56、および第3の誤り訂正復号回路57へ出力するとともに、再生モード信号をスイッチ59へ供給する。
【0121】
第3の誤り訂正復号回路57では上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録された誤り訂正検査符号がC4検査符号であった場合は何もせず再生された特殊再生用データをそのまま第6のメモリ58へ出力する。一方、C5検査符号であった場合は図12に示す誤り訂正ブロックを第3の誤り訂正復号回路57内で構成して特殊再生用データにC5検査符号による誤り訂正を施す(以下、C5復号と記す。)。C5復号の施されたデータは第6のメモリ58へ出力される。第6のメモリ58の出力はスイッチ59に供給される。スイッチ59は特殊再生時は第6のメモリ58の出力を選択するように制御される。なお、第6のメモリ58より特殊再生用ディジタルデータを読み出す際は、誤り訂正検査符号記録エリアに記録されていたデータを削除するとともに、5シンクブロックのデータ内に付加されたヘッダ情報(H1、およびH2ヘッダ情報)をもとにトランスポートパケットを再構成してデータを出力する。(図6参照)スイッチ59は特殊再生時は第6のメモリ58の出力を選択するように誤り訂正復号制御回路54より選択制御信号(再生モード信号)が出力される。
【0122】
本実施例1に示すディジタルVTRは上述のように構成されているので、記録トラック中に設けられた誤り訂正符号の記録エリアを通常再生時にも高速再生時にも読みだせる位置に記録するので、誤り訂正検査符号の記録エリアを共用することができ、用途に応じて生成する誤り訂正符号を切り換えるので、限られた付加情報を記録するエリアを有効に活用することができるともに、将来、上記ディジタルVTRがコンピュータなどのデータを記録する外部機器として用いられるような場合、同一の記録フォーマットでデータに強力な誤り訂正符号付加することができる。
【0123】
また、用途に応じて誤り訂正検査符号を生成するので、特殊再生時の再生画質を重視する場合はC5検査符号を上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録することにより特殊再生時の誤り訂正能力を改善し、通常再生時の再生画質を重視する場合は上記エリアにC4検査符号を記録することにより通常再生データの誤り訂正能力を改善することができるとともに、磁気テープ上の限られたエリアを効率よく活用することができる。また、将来上記ディジタルVTRをコンピュータなどの外部記憶機器として使用する際は同一の記録フォーマットで記録データに強力な誤り訂正検査符号を付加することができ、外部記憶機器との共用も可能となる。また、簡易的に現在手持ちのディジタルVTRをコンピュータなどの外部記憶機器として用いることができる。(記録フォーマットに互換があるため流用することができる。)また、上述のように記録トラック上の記録エリアを効率よく使用するので特殊再生用データに割り振ることのできるデータ量が増加し特殊再生時の再生画質を向上することができる。
【0124】
なお、本実施例1では記録フォーマットとして図9に示す場合について説明したがこのフォーマットに限るものではなく、特殊再生用データを入力データより分離し記録媒体上の予め定められたエリアに記録するような記録フォーマットを有するディジタル信号記録装置、再生装置、および記録再生装置(ディジタルVTR、ディジタルディスクプレーヤ等)において、上記誤り訂正符号記録エリアを特殊再生時に各装置のヘッドより上記特殊再生用データ記録エリア、および誤り訂正検査符号記録エリアがともに再生できるようにデータエリアを配置する記録フォーマットを有するシステムでは同様の効果を奏する。例えば、実施例1では回転ヘッド27aの走査軌跡上に誤り訂正記録エリアを配置する場合(18倍速再生用データ)、および特殊再生用データ記録エリアに隣接して上記誤り訂正検査符号記録エリアを配置する場合(4倍速再生用データ)について述べた。
【0125】
また、通常再生時のインターリーブの深さも10トラック(5データブロック)に限るものではなく欧州を中心とするPAL圏(フレーム周波数が25Hz)では、例えば12トラック(6データブロック)とNTSC圏(10トラック)とインターリーブの深さを変えてもよい。また、NTSC圏でも例えば12トラック等でもよい。また、インターリーブの深さはNTSC圏,PAL圏で同一であってもよいことは言うまでもない。また、インターリーブの方法を図10、および図11に示したがこれに限るものでもないことはいうまでもない。例えばトラック内のインターリーブの方向を垂直方向にとっても良い。また、データブロックの構成方法も図10に限るものではなく、例えば、18倍速用データ、および誤り訂正検査符号記録エリアを除去しAトラックのシンクブロックナンバーの若い順番(例えば、ビデオエリアの135シンクブロックについて)にデータを読み出した後にBトラックのデータを同様にシンクブロックナンバーの若い順番に読み出し230シンクブロックのデータブロックを構成した後に、図10中のエリア[10]、エリア[11]、エリア[12]の順番で誤り訂正検査符号記録エリアのデータを付加して245シンクブロックのデータブロックを構成してもよい。
【0126】
また、記録データはATV信号に限らず例えばMPEG2をベースとして映像信号を圧縮する欧州のDVB信号、あるいはMPEG1で圧縮された信号を記録する場合も同様の効果を奏することは言うまでもない。また、高速再生時の再生速度についても4倍速、および18倍速に限るものではなく、ディジタル信号記録装置に要求される再生速度に合わせて上記特殊再生用データ記録エリアを配置し、上記誤り訂正符号記録エリアを特殊再生時にヘッドより上記特殊再生用データ記録エリア、および誤り訂正検査符号記録エリアがともに再生できるようにデータエリアを配置する記録フォーマットを有するシステムでは同様の効果を奏する。
【0127】
また、上述のようにデータを配置するので、1つのトランスポートパケットが2つ以上のトラックにまたがって配置されることがないので、1トラック完結のデータ配置を行うことができ、上記インターリーブなどを行う際の回路規模の削減ができるとともに、PAL、あるいはSECAM圏でインターリーブの深さを12トラックとしたような場合でも1トラック完結のデータであるので非常に制御が行いやすい。また、データブロックも2トラックで構成することができるので12トラックのインターリーブを施す際も非常に制御が行いやすい。例えば、従来例で示す記録フォーマットのような場合は各トラックメインエリアが97シンクブロックで構成されているので、データは5トラック周期で配置されることになる。すなわち、入力されたトランスポートパケットを、図6(b)に示すシンクブロックフォーマットに変換して記録する際、従来例では5トラック毎に先頭のシンクブロックよりトランスポートパケットの先頭のデータからデータが配置される構成になるが、この際には、先頭データを識別するための識別信号の付加して、先頭のトランスポートパケットの付加されているシンクブロックを検出する必要が発生するが、1トラック完結の場合は、上記識別信号を付加することなくトランスポートパケットの先頭を容易に検出することができるので、ID信号、あるいは図6(b)におけるH1、H2ヘッダエリアを有効に活用することができ、また回路規模の削減がはかれる効果がある。
【0128】
また、MPEG2に代表されるトランスポートパケット形式で伝送されたデータを、上記SD規格に代表されるディジタルVTRに記録する際、実施例1では2個のトランスポートパケットを5シンクブロックフォーマットに変換して記録したが、これに限るものではなく、上記シンクブロックフォーマットを生成する際、上記入力されたm個のトランスポートパケットを用いてnラインのシンクブロックのデータを生成する。(m、およびnは正数)また、記録媒体上に上記変換されたシンクブロックフォーマットのデータを記録する際、同一トラック上に上記nシンクブロックのデータが配置されるように記録媒体上の記録フォーマットを構成することによりトランスポートパケットのデータを効率よくシンクブロックフォーマットに変換することができる効果がある。また、同一トラック内で上記nシンクブロックのデータが完結するので、再生時、シンクブロックフォーマットのデータをトランスポートパケットのデータに変換する際、トラックの識別信号等のトラック情報と、シンクブロックナンバーを用いて簡単に上記nシンクブロックフォーマットの組を分離することができ、特に再生系の回路規模の削減を図ることができる効果がある。また、nシンクブロックの識別信号を記録する必要もなく、データの記録領域を有効に活用することができる効果がある。また、1シンクブロックの長さも図26に示すものに限らない。
【0129】
実施例2.
なお、4倍速再生用データ記録エリア、18倍速再生用データ記録エリア、誤り訂正検査符号記録エリアの配置、あるいはエリア数はこれに限るものではない。また、トラック周期も4トラック周期に限るものではない。また、本実施例1では、高速再生速度の1実施例として4倍速、あるいは18倍速を選定したがこれに限るものではなく、他の倍速数であっても、上述のように回転ヘッド27a、および27bの走査軌跡上に特殊再生用データ記録エリア、及び誤り訂正符号の記録エリアを設け、このエリアに記録する誤り訂正検査符号を用途に応じて通常再生用データに対する誤り訂正検査符号を付加するか、特殊再生用データに対する誤り訂正検査符号を付加するかを切り換えるように構成すれば同様の効果を奏する。
【0130】
また、上記実施例1では入力コマンド(例えば、ユーザーが設定)に応じて誤り訂正検査符号記録エリアに記憶する誤り訂正検査符号を切り換えるように構成したが、これに限るものではなく、例えば、コストを抑えるために、どちらか一方の誤り訂正符号器、および誤り訂正復号器しか持たないディジタルVTR(誤り訂正符号記録エリアには特殊再生用データに付加する誤り訂正符号のみを記録再生する構成を持つディジタルVTR、あるいは上記エリアに通常再生用データに付加する誤り訂正符号のみを記録再生する構成を持つディジタルVTR)であっても、各々のディジタルVTRで記録した磁気テープには互換があり、どちらの機種でも再生することができるとともに、将来上記ディジタルVTRをコンピュータなどの外部記憶機器として使用する際は同一の記録フォーマットで記録データに強力な誤り訂正検査符号を付加することができ、外部記憶機器との共用も可能となる。また、上述のように記録トラック上の記録エリアを効率よく使用するので特殊再生用データに割り振ることのできるデータ量が増加し特殊再生時の再生画質を向上することができる効果がある。
【0131】
また、低価格のディジタルVTRで、上記誤り訂正検査符号記録エリアに付加する誤り訂正検査符号の符号器、および復号器を持たないディジタルVTRでも上記信号を識別するためのフラグを例えばID信号中に記録すれば、上記ディジタルVTRと互換をとることができ、新たな、低価格用の記録フォーマットを決める必要はなく、また、将来、コンピュータ等の外部記録機器として上記ディジタルVTRを用いた場合でも互換をとることができる。
【0132】
また、上記3種類の低価格用のディジタルVTRを用いて互換再生を行う際は、誤り訂正検査符号記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号を復号する誤り訂正復号器が準備されていなかった場合、上記誤り訂正検査符号を用いた誤り訂正復号を施さず再生ディジタルデータを出力するように構成すれば、上述のように互換をとることができることは言うまでもない。
【0133】
実施例3.
なお、本実施例1では、上記誤り訂正検査符号の識別信号をID信号に付加したがこれに限るものではない。上記実施例1では高速再生時にサブコードエリアを再生するので、サブコードエリアに上記3つの信号の識別信号(通常再生用の誤り訂正検査符号、高速再生用の誤り訂正検査符号、あるいは上記誤り訂正検査符号以外の信号であることを指し示す識別信号(例えば、予め定められた固定パターンの信号))を記録すれば同様の効果を奏する。この際、回路規模の増加はほとんどない。また、ID信号、およびサブコード信号の両方に上記識別信号を付加してもよい。また、必ず誤り訂正符号を付加するような規格の場合は識別フラグは2つの信号を切り換えるものだけでよいことは言うまでもない。また、上記C4検査符号を図7(b)に示すH1ヘッダ部にはかけず、このヘッダ部分に例えば上記3つの信号の識別信号を記録しても同様の効果を奏することはいうまでもない。あるいは、H2ヘッダ部分に記憶して伝送してもよい。また、通常再生、あるいは特殊再生用データの上記H1、あるいはH2ヘッダ部分に付加して伝送してもよい。上述のように、H1、あるいはH2ヘッダ部分に付加して伝送することにより、特にSDディジタルVTRとの共用機ではID部分には記録信号の識別コードだけ付加し記録できるので限られたID領域を効果的に利用することができる。
【0134】
実施例4.
なお、上記誤り訂正検査符号記録エリアに関しては、特殊再生用データの記録エリアが設けられないトラックが存在する場合には(図8に示すT4トラック)、特殊再生用データが記録される同一アジマス角を有する回転ヘッドにより形成されるトラック上に設けられた誤り訂正検査符号記録エリアと同一高さに上記誤り訂正検査符号の記録エリアを設ける。(図8に示すT2トラック)これにより、同一アジマス角を有するトラックでバースト誤り訂正能力をほぼ均一にできるとともに、C4検査符号生成時のインターリーブの際の制御が非常に簡単になり回路規模の削減が図れる。なお、回路規模は若干増えるが、特殊再生用エリアを持たないトラックに関しては、上記特殊再生用データ記録エリアを有する同一アジマス角で記録されたトラック上に配置された誤り訂正符号記録エリアとは異なるエリア(異なる高さ)に配置しても良いことは言うまでもない。
【0135】
実施例5.
また、C4検査符号、およびC5検査符号の符号構成をそれぞれ(245、230、16)のリードソロモン符号、および(30、25、6)のリードソロモン符号で構成したがこれに限るものではなく他の符号構成であっても上記要領で記録フォーマットを構成すれば同様の効果を奏することはいうまでもない。すなわち、回転ヘッド27a、および27bの走査軌跡上に特殊再生用データ記録エリア、及び誤り訂正符号の記録エリアを設け、このエリアに記録する誤り訂正検査符号を用途に応じて通常再生用データに対する誤り訂正検査符号を付加するか、特殊再生用データに対する誤り訂正検査符号を付加するかを切り換えるように構成すれば同様の効果を奏する。
【0136】
また、通常再生用データに付加する誤り訂正検査符号を生成する際に施すデータのインターリーブの深さを、NTSC圏では10トラックの深さとし、PAL、SECAM圏では12トラックの深さで上記通常再生用の誤り訂正ブロックを構成し、通常再生用データにインターリーブを施し通常再生用の誤り訂正検査符号を生成する。これにより、例えば、SD規格のディジタルVTRでは、NTSC圏ではフレーム周波数30Hzに対応して、またPAL、SECAM圏ではフレーム周波数25に対応してディジタルデータを記録するので、上記SD規格のディジタルVTRのフレーム周波数に併せて通常再生用データのインターリーブを行うことができる。よって、通常の信号を記録するディジタルVTRと例えばATV信号などを記録するディジタルVTRとの共用が非常にコンパクトなシステムで行うことができ(インターリーブを行ったデータをID信号に付加されているトラックナンバーで識別することにより誤り訂正ブロックのナンバーを新たに追加記録するエリアを設ける必要がない。また、上記誤り訂正ブロックを分離するための回路を新たに設ける必要がない。)、上記共用ディジタルVTRを構成するときに共用できる部分が増加し、回路規模を削減することができる。
【0137】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0138】
本発明の請求項1記載のディジタル信号記録装置によれば、トランスポートパケットの状態で入力された、フレームあるいはフィールド内、もしくは、フレームあるいはフィールド間符号化されたディジタル映像信号と、ディジタルオーディオ信号とがトランスペアレント記録されるディジタル信号記録装置において、上記まず始めトランスポートパケットよりイントラ画像信号を分離する。そして、分離された上記イントラ画像信号は画像信号中の高域成分が除去され記録レートが更に圧縮される。そして、記録レートの圧縮された上記イントラ画像信号を再構成して特殊再生用データを生成する。一方、入力されたトランスポートパケットのデータは、再構成されシンクブロックフォーマットに変換される。上記特殊再生用データを記録する際は、予め定められた高速再生速度でヘッドが記録媒体上を走査する際、上記ヘッドの走査軌跡上に配置する。その際、誤り訂正検査符号を記録するエリアも、上記ヘッドの走査軌跡上に配置する。そして、上記誤り訂正検査符号を記録するエリアには、上記特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号、あるいは少なくとも上記シンクブロックフォーマットに変換された記録データに付加する誤り訂正検査符号のどちらか一方を、入力コマンドに応じて選択して記録するとともに、記録信号中に、上記誤り訂正検査符号の記録エリアに記録されている誤り訂正符号の識別信号を付加し記録するように記録フォーマットを生成するので、限られた付加データ記録エリア(特殊再生用データ記録エリア、および誤り訂正符号記録エリア等)を有効に活用することができる効果がある。
【0139】
例えば、民生用機器としてディジタル信号記録装置に上記ATV信号(あるいは、MPEG1、およびMPEG2等に代表される動き補償予測(1枚の画像データを復号する際、他の画像データを参照して画像データを復元する圧縮方式)をベースとした圧縮方式を採用する信号)等の画像データを記録する場合は上記エリアに例えば特殊再生用データに対する誤り訂正検査符号を上記誤り訂正検査符号の記録エリアに記録し、業務用に上記ディジタル信号記録装置を用いる場合、あるいはコンピュータなどのデータを記録する外部記録機器として上記ディジタル信号記録装置を用いる際は、上記誤り訂正検査符号の記録エリアに通常再生用データに付加する誤り訂正符号を付加するように制御する。その際、同一の記録フォーマットで、必要とされるデータに強力な誤り訂正検査符号を付加することができるとともに、識別信号を記録信号中に記録するので、例えば、上記誤り訂正符号の復号器のどちらか一方の復号器しかを持たないディジタル信号記録再生装置でも上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号の種類を識別し誤り訂正符号の復号制御を行えば互換再生を行うことができる効果がある。
【0140】
さらに、上述のように誤り訂正検査符号の記録エリアを通常再生用データに付加する誤り訂正検査符号、および特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号を記録するエリアと共用し用途に応じて切り換えて記録するので、限られた付加データ記録エリア内における誤り訂正検査符号記録領域を少なく抑えることができるのでその分、上記特殊再生用データを記録するエリアを多く取ることができ特殊再生用データの記録レートを改善することができるので特殊再生時の再生画質を向上することができる効果がある。
【0141】
また、本発明の請求項2記載のディジタル信号記録装置によれば、MPEG2に代表されるトランスポートパケット形式で伝送されたデータを、上記SD規格に代表されるディジタルVTRに記録する際、上記記録データ生成手段でシンクブロックフォーマットを生成する際、上記入力されたm個のトランスポートパケットを用いてnラインのシンクブロックのデータを生成する。また、記録媒体上に上記変換されたシンクブロックフォーマットのデータを記録する際、同一トラック上に上記nシンクブロックのデータが配置されるように記録媒体上の記録フォーマットを構成することによりトランスポートパケットのデータを効率よくシンクブロックフォーマットに変換することができる効果がある。また、同一トラック内で上記nシンクブロックのデータが完結するので、再生時、シンクブロックフォーマットのデータをトランスポートパケットのデータに変換する際、トラックの識別信号等のトラック情報と、シンクブロックナンバーを用いて簡単に上記nシンクブロックフォーマットの組を分離することができ、特に再生系の回路規模の削減を図ることができる効果がある。また、nシンクブロックの識別信号を記録する必要もなく、データの記録領域を有効に活用することができる効果がある。
【0142】
本発明の請求項3記載のディジタル信号記録装置によれば、入力されたイントラ画像データを用いて上記特殊再生用データ生成手段で特殊再生用データを生成する際、特殊再生用データを上記入力されたトランスポートパケットの形で生成する。そして、このトランスポートパケット形式で生成された特殊再生用データを記録媒体上に記録する時には入力データと同様にシンクブロックフォーマットに変換して記録するので、ディジタル信号再生装置で高速再生を行う際に、トランスポートパケット生成のための回路を必要とせず、また通常再生用のシンクブロックフォーマットをトランスポートパケットに変換するための回路を共用することができ、特に再生専用器等での回路規模の削減が行える効果がある。
【0143】
本発明の請求項4記載のディジタル信号記録装置によれば、上記少なくとも記録データ生成手段より出力されるデータに誤り訂正検査符号を付加する際に、2トラックの記録データを用いてデータブロックを構成する。上記データブロックを複数ブロック集め通常再生用データの誤り訂正ブロックを構成する。そして、上記通常再生用の誤り訂正ブロック内のデータにインターリーブを施し誤り訂正検査符号を生成するので、SD規格に代表されるディジタルVTRのデータ記録エリアを有効に用いて通常再生用の誤り訂正検査符号生成することができるとともに、バースト誤り訂正能力も十分に確保できる効果がある。また、上記請求項2に示す記録フォーマットを生成することもできるので、再生系での回路規模の削減を図ることができる効果がある。
【0144】
本発明の請求項5記載のディジタル信号記録装置によれば、上記誤り訂正検査符号の記録エリアを上記特殊再生用データ記録エリアに隣接して配置するので、高速再生時に確実に特殊再生用データと一緒に上記誤り訂正検査符号記録エリアを再生することができるので特殊再生用データ、および誤り訂正検査符号を効率よく記録媒体上に配置することができるとともに、トラックのリニアリティ等の影響を受けにくいデータ配置を実現することができる効果がある。
【0145】
本発明の請求項6記載のディジタル信号記録装置によれば、上記記録データ生成手段で付加する誤り訂正検査符号を生成する際に施すデータのインターリーブの深さを、NTSC圏では10トラックの深さとし、PAL、SECAM圏では12トラックの深さとして上記通常再生用の誤り訂正ブロックを構成し、通常再生用データにインターリーブを施し通常再生用の誤り訂正検査符号を生成する。これにより、例えば、SD規格のディジタルVTRでは、NTSC圏ではフレーム周波数30Hzに対応して、またPAL、SECAM圏ではフレーム周波数25に対応してディジタルデータを記録するので、上記SD規格のディジタルVTRのフレーム周波数に併せて通常再生用データのインターリーブを行うことができる。よって、通常の信号を記録するディジタルVTRと例えばATV信号などを記録するディジタルVTRとの共用が非常にコンパクトなシステムで行うことができ、上記共用ディジタルVTRを構成するときに共用できる部分が増加し、回路規模を削減することができる。
【0146】
本発明の請求項7記載のディジタル信号記録装置によれば、MPEG2に代表されるトランスポートパケット形式で伝送されたデータを、上記SD規格に代表されるディジタルVTRに記録する際、上記記録データ生成手段でシンクブロックフォーマットを生成する際、上記入力されたm個のトランスポートパケットを用いてnラインのシンクブロックのデータを生成する。その際、上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号を識別するための識別信号を上記記録データ生成手段で上記トランスポートパケットをシンクブロックフォーマットに変換する際に余ったデータ記録部分に記録エリアを設け識別信号を伝送するように構成するの、上記識別信号を伝送するための記録エリアを新たに設ける必要がなく効率よく記録データを生成することができる効果がある。また、それにより特殊再生用データの記録エリアが増加し高速再生画像の再生画質も向上する効果がある。
【0147】
本発明の請求項8記載のディジタル信号記録装置によれば、上記記録データ生成手段の出力に誤り訂正検査符号を付加する際、記録データ生成手段の出力、および一部、あるいは全ての特殊再生用データ生成手段の出力を用いて上記データブロックを構成する。そして、上記データブロックを複数ブロック集めデータにインターリーブを施し通常再生用の誤り訂正検査符号を構成するので、特殊再生用データを記録するエリアが複数トラック周期で繰り返されるような場合、通常再生用データのみに誤り訂正符号を付加するように制御を行った場合、上記データブロックを効率よく構成することができず最大バースト誤り訂正能力が各トラックで極端に異なったり、不必要に回路規模が増大する場合が生じるが、特殊再生用データの一部、あるいは全てのデータを用いて上記データブロックを生成することにより、データブロックを構成する際の自由度が増加し、その分データブロック構成のための回路規模を削減することができるとともに、最大バースト誤り訂正能力も各トラック間でほぼ均一にすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディジタルVTRの記録系のブロック構成図である。
【図2】本発明の一実施例である特殊再生用データ生成回路12のブロック構成図である。
【図3】本発明の一実施例である4倍速用データ生成回路14のブロック構成図である。
【図4】SD規格のディジタルVTRで使用される代表的な回転ドラム上の各チャンネルの回転ヘッドの配置図である。
【図5】本発明の一実施例であるディジタルVTRの1トラック内の記録フォーマットを示す図である。
【図6】本発明の一実施例である入力ビットストリームのトランスポートパケット図と、磁気テープに記録する記録データパケット図である。
【図7】各高速再生速度において1トラックより再生できるシンクブロック数を示す図である。
【図8】本発明の一実施例である特殊再生用データ記録エリアの配置を含む4トラック周期のトラックパターンを示す図である。
【図9】本発明の一実施例である磁気テープ上の記録フォーマットを示す図である。
【図10】本発明の一実施例である通常再生用データに付加する誤り訂正検査符号を生成する際に構成するデータブロックの構成方法を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施例である通常再生用データに誤り訂正検査符号を付加する際にデータに施す5データブロックのインターリーブの方法を説明するための図である。
【図12】本発明の一実施例である特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号(C5検査符号)の構成を示す図である。
【図13】本発明の一実施例であるディジタルVTRの再生系のブロック構成図である。
【図14】図9に示す記録フォーマットを有する磁気テープを1Ch×2のドラム構成で4倍速再生したときの回転ヘッドの走査軌跡とトラックパターンの関係を示す図である。
【図15】図9に示す記録フォーマットを有する磁気テープを1Ch×2のドラム構成で18倍速再生したときの回転ヘッドの走査軌跡とトラックパターンの関係を示す図である。
【図16】従来の一般的な家庭用ディジタルVTRのトラックパターン図である。
【図17】従来のディジタルVTRの通常再生時と高速再生時における回転ヘッドのヘッド走査軌跡を示す図である。
【図18】高速再生が可能な従来のディジタルVTRのブロック構成図である。
【図19】従来のディジタルVTRで通常再生、および高速再生を行なった際のシステムの概念図である。
【図20】一般的な高速再生時の回転ヘッド走査軌跡の例を示す図である。
【図21】従来の複数の高速再生速度時のオーバラップのエリアを説明する図である。
【図22】従来のディジタルVTRにおける5倍速と9倍速の回転ヘッド走査軌跡図である。
【図23】従来のディジタルVTRにおける5倍速再生時の2つの回転ヘッド走査軌跡図である。
【図24】従来のディジタルVTRにおけるトラック配置図である。
【図25】SD規格における映像信号の1トラック内の映像信号記録エリアのデータフォーマット図である。
【図26】SD規格における1シンクブロックの構成を示す図である。
【符号の説明】
4 可変長復号器、5 カウンタ、6 データ抜き取り回路、7 EOB付加回路、10 ヘッダ解析回路、12 特殊再生用データ生成回路、13 第1のメモリ、14 4倍用データ生成回路、15 18倍用データ生成回路、16 第2のメモリ、17 第3のメモリ、18 第1の誤り訂正符号回路、19 データ合成回路、21 誤り訂正符号制御回路、22 第4のメモリ、23 第2の誤り訂正符号回路、24 第3の誤り訂正符号回路、25 ディジタル変調回路、42 トランスポートヘッダ修正回路、43 ヘッダ付加回路、44 パケット化回路、45 トランスポートヘッダ付加回路。
Claims (10)
- トランスポートパケットの状態で入力された、フレームあるいはフィールド内、もしくは、フレームあるいはフィールド間符号化されたディジタル映像信号と、ディジタルオーディオ信号とがトランスペアレント記録されるディジタル信号記録装置において、
上記トランスポートパケットよりフレームあるいはフィールド内符号化の施されたディジタル映像信号を分離するデータ分離手段と、
上記データ分離手段によって分離された上記フレームあるいはフィールド内符号化の施されたディジタル映像信号を再構成して特殊再生用データを生成する特殊再生用データ生成手段と、
入力されたトランスポートパケットのデータを再構成してシンクブロックフォーマットを生成する記録データ生成手段と、
予め定められた高速再生速度でヘッドが記録媒体上を走査する際の上記ヘッドの走査軌跡上に上記特殊再生用データを記録するエリア、および誤り訂正検査符号を記録するエリアを配置するとともに、上記誤り訂正検査符号を記録するエリアには、上記特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号、あるいは少なくとも上記記録データ生成手段より出力されるデータに付加する誤り訂正検査符号のどちらか一方を、入力コマンドに応じて選択して記録するとともに、記録信号中に、上記誤り訂正検査符号の記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号の識別信号を付加し記録する記録手段と
を有することを特徴とするディジタル信号記録装置。 - 上記記録データ生成手段でシンクブロックフォーマットを生成する際、m個の上記トランスポートパケットを用いてnラインのシンクブロックのデータを生成するとともに、
上記記録手段が、上記記録データ生成手段より出力される上記nラインのシンクブロックのデータが複数の記録トラックにまたがって記録されないように記録データを配置する
ことを特徴とする請求項1記載のディジタル信号記録装置。 - 上記特殊再生用データ生成手段で生成する特殊再生用データを、上記入力されたトランスポートパケットの形で生成するとともに、記録時には入力されたトランスポートパケットと同様にシンクブロックフォーマットに変換して記録することを特徴とする請求項1記載のディジタル信号記録装置。
- 上記少なくとも記録データ生成手段より出力されるデータに誤り訂正検査符号を付加する際に、2トラックの記録データを用いてデータブロックを構成するとともに、上記データブロックを複数ブロック集めデータにインターリーブを施し誤り訂正検査符号を生成することを特徴とする請求項1記載のディジタル信号記録装置。
- 上記記録データ生成手段が、上記誤り訂正検査符号の記録エリアを上記特殊再生用データ記録エリアに隣接して配置することを特徴とする請求項1記載のディジタル信号記録装置。
- 上記記録データ生成手段で付加する誤り訂正検査符号を生成する際に施すデータのインターリーブの深さを、NTSC圏では10トラックの深さとし、PAL、SECAM圏では12トラックの深さとすることを特徴とする請求項4記載のディジタル信号記録装置。
- 上記誤り訂正検査符号記録エリアに記録されている誤り訂正検査符号を識別するための識別信号を上記記録データ生成手段で上記トランスポートパケットをシンクブロックフォーマットに変換する際に余ったデータ記録部分に記録エリアを設けそのエリアを用いて記録することを特徴とする請求項2記載のディジタル信号記録装置。
- 上記記録手段は、上記少なくとも記録データ生成手段の出力に誤り訂正検査符号を付加する際、記録データ生成手段の出力、および一部、あるいは全ての特殊再生用データ生成手段の出力を用いて上記データブロックを構成することを特徴とする請求項4記載のディジタル信号記録装置。
- 上記入力コマンドをもとに、上記誤り訂正検査符号を記録するエリア に上記特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号と上記少なくとも記録データ生成手段より出力されるデータに付加する誤り訂正検査符号のどちらを記録するかを指示する制御信号を出力する制御手段をさらに有し、
上記記録手段が、上記誤り訂正検査符号を記録するエリアに上記特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号と上記少なくとも記録データ生成手段より出力されるデータに付加する誤り訂正検査符号のどちらを記録するかを、上記制御信号に基づいて定めることを特徴とする請求項1記載のディジタル信号記録装置。 - 前記記録手段が、上記特殊再生用データに付加する誤り訂正検査符号、あるいは上記少なくとも記録データ生成手段より出力されるデータに付加する誤り訂正検査符号のどちらか一方を付加することにより得られたデータに対し、SD規格で定義される水平方向及び垂直方向の誤り訂正検査符号をさらに付加することを特徴とする請求項4記載のディジタル信号記録装置。
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