JP3787871B2 - 映像データ処理方法、映像データ処理装置および映像データ記録・再生装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、16×16画素といった比較的大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、ビデオテープに記録した映像データを高速再生しても、観者が再生した映像を把握しやすい映像データ処理方法、映像データ処理装置および映像データ記録・再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、動画のディジタル映像データの圧縮符号化は、フレームそれぞれに含まれる映像データを8×4画素程度の比較的小さいブロックに分割し、これらのブロック単位で予測符号化等の処理をすることにより行われていた。
しかしながら、現在は、映像データの圧縮符号化に、16×16画素といった大きいマクロブロックが用いられるようになってきている。
【0003】
一方、再生時にバースト状のデータ誤りが生じ、同一の誤り訂正符号(ECC)による誤り訂正データブロック(ECCブロック)に多くのエラーが生じて誤り訂正処理が不可能になることを防止するため、同一ECCブロックに含まれるマクロブロックの分布がビデオテープ(VTRテープ)のヘリカルトラック上でランダムになるように、映像データにはシャフリング処理がなされ、VTRテープに記録される。
【0004】
以上述べたように、大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、ヘリカルトラック上の分布がランダムになるようにシャフリング処理してVTRテープに記録した映像データを通常の再生スピードで再生する際には、何らの問題も生じない。
しかしながら、かかる映像データを、VTRテープから2倍速あるいは3倍速等の高速再生したい場合がある。高速再生時には、ビデオカセットテープレコーダ装置(VCR装置(VCR;Video Cassette Recorder) )の再生ヘッドは、VTRテープのヘリカルトラックに沿って走査(トレース)せず、ヘリカルトラックの長手方向に対して、高速再生の倍速に応じた角度でヘリカルトラックをトレースする。従って、高速再生時にはヘリカルトラックそれぞれに記録された映像データの全ては再生されず、一部だけが再生される。
【0005】
一方、上述したように、従来のシャフリング処理においては、映像データはVTRテープのヘリカルトラック上で同一のフレームに含まれるマクロブロックの分布が一定になるようにシャフリングされるので、ヘリカルトラックそれぞれに記録された映像データの一部だけが再生された場合、同一のヘリカルトラックからは画像上で相互に離れているマクロブロックが再生される。
【0006】
マクロブロックが比較的小さい場合には、人の視覚特性上、更新されるマクロブロックの1個1個が目立たず、画像全体が積分されたように見えるので、観者に与える影響は少ない。しかしながら、マクロブロックが大きくなればなるほど1個1個のマクロブロックが目立つようになり、観者にとって、再生画像が見づらくなってしまう。つまり、このような場合、互いに離れた複数の矩形領域(マクロブロック)がランダムに更新され、観者には画像がチェッカーフラグ状に領域分けされたように不自然に見えることになる。このような現象は、映像の動きが激しい場合に顕著になる。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、映像データを16×16画素といった大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、ビデオテープに記録し、さらに、高速再生して表示する場合であっても、再生画像が自然で見やすい映像データ処理方法、映像データ処理装置および映像データ記録・再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る映像データ処理方法は、それぞれ1画像における矩形画像領域単位である複数の第1領域を、隣接する領域順に、前記磁気テープ記録媒体の複数の連続したトラックに対応付け、それぞれ前記第1領域における矩形画像領域単位である複数の第2領域は、複数のマクロブロックを含み、前記第2領域が隣接した順となって、かつ、第2領域において隣接したマクロブロックの順となるように、前記各第1領域内のマクロブロックの配列を変更処理する。
525/60構成の映像データの場合には、1画像(1画面)は45×32(個)のマクロブロックが含まれるが、第1領域をたとえば9×8(個)のマクロブロックを有する単位とし、この第1領域が10個のトラック1〜トラックAに対応付けられる。第2領域は、たとえば、その第1領域の中でさらに3×4(個)のマクロブロックを有する単位とする。
【0009】
また、本発明に係る映像データ処理装置は、マクロブロック単位に圧縮され、磁気テープ記録媒体に記録される映像データの前記マクロブロックの配列を変更処理する映像データ処理装置であって、画像上で隣接する前記マクロブロックの前記磁気テープ記録媒体における記録位置が隣接するように、前記マクロブロックの配列を変更する映像データ配列変更処理手段と、前記画像上で隣接する前記マクロブロック同士が同一のデータブロックに含まれないようにインターリーブ処理するインターリーブ処理手段と、インターリーブした前記データブロックに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加処理手段とを有し、前記映像データ配列変更処理手段は、それぞれ1画像における矩形画像領域単位である複数の第1領域を、隣接する領域順に、前記磁気テープ記録媒体の複数の連続したトラックに対応付けるとともに、前記各第1の画像領域内のマクロブロックの配列を、それぞれ前記第1領域における矩形画像領域単位である複数の第2領域が隣接した順となって、かつ、前記第2領域において隣接したマクロブロックの順となるように、変更処理する。
【0010】
また、本発明に係る映像データ記録・再生装置は、マクロブロック単位に圧縮された映像データを磁気テープ記録媒体に対して記録・再生する映像データ記録・再生装置であって、前記映像データの前記マクロブロックの配列を変更処理する映像データ処理手段と、配列を変更した前記映像データを前記磁気テープ記録媒体に記録する記録手段とを有し、前記映像データ処理手段は、画像上で隣接する前記マクロブロックの前記磁気テープ記録媒体における記録位置が隣接するように、前記マクロブロックの配列を変更する映像データ配列変更処理手段と、前記画像上で隣接する前記マクロブロック同士が同一のデータブロックに含まれないようにインターリーブ処理するインターリーブ処理手段と、インターリーブした前記データブロックに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加処理手段とを有し、前記映像データ配列変更処理手段は、それぞれ1画像における矩形画像領域単位である複数の第1領域を、隣接する領域順に、前記磁気テープ記録媒体の複数の連続したトラックに対応付けるとともに、前記各第1の画像領域内のマクロブロックの配列を、それぞれ前記第1領域における矩形画像領域単位である複数の第2領域が隣接した順となって、かつ、前記第2領域において隣接したマクロブロックの順となるように、変更処理する。
【0011】
好適には、前記磁気テープ記録媒体に記録された前記映像データを再生する映像データ再生手段と、再生した前記映像データの前記マクロブロックの配列を元に戻す配列復元手段と、前記マクロブロックの配列を元に戻した前記映像データに付加された前記誤り訂正符号を用いて、誤り訂正処理を行う誤り訂正処理手段と、誤り訂正された前記映像データを伸長処理する映像データ伸長手段とを有する。
【0012】
本発明に係る映像データ処理装置は、1つのフレームを例えば、16×16画素といった、比較的大きいマクロブロックに分割し、予測符号化等により複数のフレームから構成される映像データブロック(GOP;Group Of Picture)単位に圧縮符号化され、VTRテープのヘリカルトラックに記録される映像データブロックをシャフリング処理およびインターリーブ処理する。
【0013】
映像データ配列変更手段は、例えば映像データのマクロブロックを所定の記録ブロックに分け、画像上(フレーム内)で隣接するマクロブロックが、磁気テープ記録媒体においても隣接する位置に記録されるように、記録ブロックの配列を変更する。
インターリーブ処理手段は、画像上で隣接するマクロブロック同士が同一のデータブロックに含まれないようにインターリーブ処理し、再生時にバースト的なデータ誤りが発生した場合にも、画像上で隣接するマクロブロックがそれぞれ異なる誤り訂正符号により誤り訂正されるようにして、映像データの欠落が画面上で集中しないようにする。
誤り訂正符号付加手段は、インターリーブされたマクロブロックに所定の誤り訂正符号を付加する。
【0014】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るビデオカセットレコーダ(VCR;Video Cassette Recorder)装置1の構成を示す図である。
図1に示すように、本発明に係るVCR装置1は、記録部10、記録ヘッド部20、再生ヘッド部40、再生部48、制御部60、テープ走行系62およびドラム回転系64から構成される。
記録部10は、圧縮符号化系12、記録系14およびメモリ回路18から構成される。
再生部48は、再生系50、メモリ部56および伸長復号系58から構成される。
【0015】
VCR装置1は、これらの構成部分により、外部の映像処理機器(図示せず)、例えば音声・映像データ中継装置および音声・映像データ編集装置から入力された音声・映像データをMPEG等の圧縮符号化方式により映像データを所定数のフレーム(GOP;Group Of Picure)単位で圧縮符号化する。
【0016】
さらに、VCR装置1は、従来のVCR装置と同様に映像データをシャフリングし、複数の記録ヘッドおよび再生ヘッド(録再ヘッド)の内の一部にヘッドクロッグ(head clog) 等の障害が発生した場合にも、再生した画像に連続して同一位置に欠落が生じないようにシャフリングし、非圧縮の音声データとともに、カセットハーフに収容されたVTRテープ2に対して記録する。
また、VCR装置1の再生系50は、上述のようにVTRテープ2に記録された音声・映像データを読み出して記録時の音声・映像データを再生し、外部の映像処理機器に対して出力する。
【0017】
図2は、図1に示した記録部10の構成を示す図である。
図2に示すように、記録部10の記録系14は、パック(pack)回路140、書き込みアドレス制御回路142、シャフリング(shuffling) ROM回路144、外符号(outer ECC) エンコーダ146、インターリーブ(interleave)ROM回路148、読み出しアドレス制御回路150、SYNC・ID付加回路150および内符号(inner ECC) エンコーダ回路154から構成される。
【0018】
図3は、図1に示した再生部48の構成を示す図である。
図3に示すように、再生部48の再生系50は、内符号デコーダ回路500、ID検出回路510、ノントラッキング(non-tracking)制御回路512、外符号デコーダ回路518、デシャフリング(deshuffling) ROM回路520、読み出しアドレス制御回路522およびデパック(depack)回路524から構成される。再生部48のメモリ部56は、メモリ回路560およびジョグメモリ(jog memory)回路562から構成される。
【0019】
図4は、図1に示した記録ヘッド部20および再生ヘッド部40の構成を、ヘッド数4の場合について例示する図である。
図4(A)に示すように、記録ヘッド部20は4個の記録ヘッド200,202,204,206を有する。
【0020】
図4(B)に示すように、再生ヘッド部40は再生ヘッド400,402,404,406から構成される。再生ヘッド400,402,404,406それぞれは、VTRテープ2のヘリカリトラック1本分の間隔をおいて回転ドラム30のテープ走行面に配設される正アジマス角の再生ヘッド(正アジマス再生ヘッド)a11,a12(A1 )a21,a22(A2 ),a31,a32(A3 ),a41,a42(A4 )、および、回転ドラム30のテープ走行面の正アジマス再生ヘッドと回転ドラム30の回転軸に対して対称な位置に、正アジマス再生ヘッドと同様にVTRテープ2のヘリカリトラック1本分の間隔をおいて配設される負アジマス角の再生ヘッド(負アジマス再生ヘッド)b11,b12(B1 ),b21,b22(B2 ),b31,b32(B3 ),b41,b42(B4 )から構成される。
【0021】
以下、VCR装置1の各構成部分を説明する。
制御部60は、VCR装置1のユーザー等によりVCR装置1に配設された操作ボタンあるいは端末装置を介して入力された操作データに従って、VCR装置1の各構成部分を制御する。
テープ走行系62は、制御部60の制御に従って、VTRテープ2を走行させる。
ドラム回転系64は、制御部60の制御に従って、回転ドラム30を回転させ、回転ドラム30に配設された記録ヘッド部20および再生ヘッド部40にVTRテープ2のヘリカルトラックを走査(スキャン)させる。
【0022】
以下、VCR装置1がVTRテープ2に音声・映像データを記録する際の動作に係る各構成部分を説明する。
記録部10は、外部の映像処理機器から入力される非圧縮映像データ(INPUT DATA VIDEO)を、例えばMPEG方式等の圧縮符号化方式により圧縮符号化し、非圧縮音声信号(INPUT DATA AUDIO)とともにVTRテープ2に記録する。
【0023】
図5は、図1および図2に示した圧縮符号化系12が非圧縮映像データを圧縮符号化する際の映像データの分割方法を示す図である。
図5に示すように、1画面は走査線方向に720画素を含み、525/60構成の映像データの場合には垂直方向に512ラインを含み、625/50構成の映像データの場合には垂直方向に608ラインを含み、また、1マクロブロックは16画素×16ラインであるため、1画面は、525/60構成の映像データの場合には45×32のマクロブロックに分割され、625/50構成の映像データの場合には45×38のマクロブロックに分割される。
【0024】
記録部10(図1)において、圧縮符号化系12は、入力された非圧縮映像データを、図5に示すように16画素×16ラインのマクロブロックに分割し、これらのマクロブロックに対してDCT(離散コサイン変換)等の直交変換処理、予測符号化処理、量子化処理および可変長符号化処理を行ってGOP単位で圧縮符号化する。
【0025】
図6は、図1に示した圧縮符号化系12から記録系14に対して出力される圧縮映像データを示す図である。
図6(A)に示すように、圧縮映像データのGOPは、例えば2フレームの圧縮映像データ、つまり、フレーム内に閉じて圧縮符号化され、他のフレームのデータを用いずに伸長復号可能なIフレーム(Intra Picture) と、前後のフレームと相関を有するように圧縮符号化され、伸長復号後の前後のフレームのデータを用いて伸長復号されるBフレーム(Bi-directional Picture)とを含む。
【0026】
図6(B)に示すように、圧縮符号化系12は生成した圧縮映像データを、Iフレームを先とし、その後の各構成部分における処理時間が比較的長いBフレームを後ろにしたビット列として記録系14のパック回路140(図2)に対して出力する。
【0027】
記録系14(図1,図2)は、メモリ回路18を用いて圧縮映像データをシャフリングし、所定の記録フォーマットに組み立て、誤り訂正符号(外符号(OUTER ECC) および内符号(INNER ECC) これらを併せて積符号とも称す)を付加し、記録ヘッド部20を介してVTRテープ2のヘリカルトラックに記録する。
【0028】
記録系14において、パック回路140は、圧縮符号化系12から入力されるGOPデータに基づいて処理を行い、圧縮符号化系12から入力された可変長の圧縮映像データ、非圧縮音声データおよび制御部60から入力されたシステム補助データを、図6(C)および図7に示す固定長の記録ブロック単位に収容し、書き込みアドレス制御回路142が発生する書き込みアドレスに従ってメモリ回路18に記憶する。また、パック回路140は、圧縮映像データに含まれ、マクロブロックそれぞれの画面上の位置(図5)を示すマクロブロック位置データ(Macroblock Number) を分離し、書き込みアドレス制御回路142に対して出力する。
【0029】
図7は、図2に示したVCR装置16が圧縮映像データと非圧縮音声データとを多重化する図6(C)に示した記録ブロック単位の構成を示す図である。
図7(A)に示すように、記録ブロック単位は126バイト構成であって、先頭から、2バイトの同期データ領域SYNC、4バイトの識別データ領域ID、108バイトのデータ領域(DATA)および内符号(INNER PARITY)領域の各領域になっている。
【0030】
図7(B)に示すように、圧縮映像データ(IフレームおよびBフレーム)用の64個の記録ブロックは、映像データを含む1個のECC(Error Collection Code) ブロックを構成する。ECCブロックは、データ領域(DATA)に圧縮映像データが多重化された50個の記録ブロック単位と、外符号(OUTER PARITY)を含む14個の記録ブロック単位とを含む。なお、圧縮映像データが625/50構成の場合には、1GOP分の映像データが36個のECCブロックに収容され、圧縮映像データが525/60構成の場合には、1GOP分の映像データが30個のECCブロックに収容される。
【0031】
また、図7(C)に示すように、非圧縮音声データ用の14個の記録ブロックは、1GOP分の映像データに対応する非圧縮音声データを含む1個のECCブロックを構成する。ECCブロックは、データ領域(DATA)に非圧縮音声データが多重化された6個の記録ブロック単位と、外符号(OUTER PARITY)を含む8個の記録ブロック単位とを含む。
【0032】
なお、圧縮映像データが625/50構成の場合には、1GOP分の音声データが12個のECCブロックに収容され、圧縮映像データが525/60構成の場合には、1GOP分の音声データが10個のECCブロックに収容され、1GOPには最大4チャネル(CH1〜CH4)の音声データが含まれる。なお、非圧縮音声データは固定長であり、パック回路140は、非圧縮音声データを固定長に等分して各記録ブロック単位に収容する。
【0033】
また、図7(D)に示すように、1GOP分の音声・映像データごとに、制御部60等が生成したシステム補助データが付加される。システム補助データはデータ領域(DATA)に先頭から、再生系50のノントラッキング制御回路512においてノントラッキング処理(図3を参照して後述)の際に用いられる30バイトのノントラッキング制御データ(NT Control)、および、ユーザーがVTRテープ2を管理するため等に用いる39バイトの管理データ(Frame 0 Data,Frame 1 Data) が1フレーム分ずつ2個、収容される。
【0034】
なお、システム補助データは、映像データ用の記録ブロック単位および音声データ用の記録ブロック単位とは異なり外符号は付加されず、ECCブロックの構成を採らないが、その代わり、システム補助データの信頼性を確保するため、VTRテープ2の音声・映像データ1GOP分の記録領域ごとに、圧縮映像データが625/50構成の場合には32個、圧縮映像データが525/60構成の場合には24個のシステム補助データが繰り返し書き込まれる。
【0035】
ここで、また、圧縮映像データはマクロブロックごとに可変長であるのに対し、記録ブロック単位は固定長であり、このため、1個の記録ブロック単位それぞれにちょうど1個のマクロブロック分の圧縮映像データが収容されるとは限らず、記録ブロック単位には余りが生じたり、1個の記録ブロック単位に1個のマクロブロックの圧縮映像データが収容しきれないことがある。
一方、記録ブロック単位の途中にデータ誤りが生じると、その記録ブロック内のデータ誤りが生じた部分以降のデータは再生できなくなる。
【0036】
また、再生後の画像の品質に対しては、各マクロブロックの直流成分および低周波成分が大きく影響する。このため、パック回路140は、図7(B)に示したECCブロックのデータ領域(DATA) の先頭から、各マクロブロックの圧縮映像データの成分を周波数が低い順に収容する。
このようにデータ領域(DATA)に周波数が低い順に圧縮映像データの成分を収容し、VTRテープ2に記録すると、記録ブロック単位のデータ領域の先頭にデータ誤りが生じない限り、最低、再生画像の品質に最も影響が大きい圧縮映像データの直流成分を再生することができる。
【0037】
従って、この方法により圧縮映像データを記録ブロック単位に収容することにより、データ誤りが生じたマクロブロックの画像を全く再生できないという事態を防ぐことができ、再生画像の品質劣化を最低限に抑えることができる。また、この方法を採ると、VCR装置1がVTRテープ2から音声・映像データを高速再生したために、各記録ブロック単位のデータの全てが読み出されなかった場合にも同様の効果がある。
【0038】
図8は、図1に示したメモリ回路18に記憶されたECCブロックを示す図である。
図9は、図1に示したメモリ回路18の記録領域を示す図である。
記録系14が上述のように記録ブロック単位(図7)に収容した圧縮映像データは、図8および図9に示すようにメモリ回路18に記憶される。
メモリ回路18において、映像用のECCブロック(図7(B))は、例えば、図9に示すように、メモリ回路18の000h(h;hexa-decimal) 番地から240h番地(1番地当たり2バイト(16ビット))までに記憶される。
【0039】
また、音声用のECCブロック(図7(C))は、例えば、メモリ回路18の240h番地から300h番地までに記憶される。
また、システム補助データ(図7(D))は、例えば、メモリ回路18の300h番地から340h番地までに記憶される。
また、メモリ回路18の340h番地から3FFh番地までは、音声遅延用の予備領域として用いられる。
【0040】
シャフリングROM回路144は、パック回路140がメモリ回路18に記録しようとする記録ブロック単位それぞれに対応するメモリ回路18のアドレス(シャフリングパターン)を記憶し、書き込みアドレス制御回路142の制御に従って、書き込みアドレス制御回路142に対して出力する。
【0041】
つまり、書き込みアドレス制御回路142は、シャフリングROM回路144から入力されるシャフリングパターンに従って、パック回路140が出力する記録ブロック単位がECCブロックの何番目の記録ブロック単位となるかを示す書き込みアドレスを発生し、ECCブロックおよびシステム補助データ(図7)に対してシャフリング処理を行う。
【0042】
なお、VCR装置1においては、マクロブロックのサイズが16画素×16ラインと比較的大きいので、例えば、記録ヘッド部20がVTRテープ2を1回スキャンするたびに、相互に隣接するマクロブロック同士が同時にVTRテープ2に記録され、VTRテープ2上でも集まって記録されるようにシャフリングするシャフリングパターンがシャフリングROM回路144に記憶されている。
つまり、VCR装置1においては、記録時に、記録ヘッド部20の1スキャンで画面の広い面積に対応する圧縮映像データがVTRテープ2に記録され、再生ヘッド部40の1スキャンで画面の広い面積に対応する圧縮映像データがVTRテープ2から読み出される。
【0043】
ここで、シャフリングROM回路144に記憶されているシャフリングパターンについて説明する。
図10は、図1に示したVTRテープ2上の映像データ、音声データおよびシステム補助データの記録フォーマットを示す図である。
図11は、図10に示した映像データ、音声データおよびシステム補助データのVTRテープ2上の記録位置を示す図である。
図10に示すように、1GOP分の525/60構成の映像データはVTRテープ2の10本のヘリカルトラックに記録され、1GOP分の625/50構成の映像データはVTRテープ2の12本のヘリカルトラックに記録される。
【0044】
また、図11に示すように、1GOP分の音声・映像データは1/2ずつ、VTRテープ2のヘリカルトラックの上側領域(UPPER SIDE AREA) と下側領域(LOWER SIDE AREA) に分けられ、音声データはVTRテープ2の中央に、映像データは音声データの両側に記録される。
非圧縮映像データをVTRテープに記録するVCR装置においては、シャフリング処理は画素ごとに、あるいは、フィールド内圧縮符号化方式においては、8×4画素の比較的小さいマクロブロックごとにシャフリング処理が行われる。
【0045】
かかる画素ごとの、あるいは、比較的小さいマクロブロックごとにシャフリングする場合、誤り訂正能力向上のために、同一画像内で隣接する画素あるいはマクロブロックは、なるべくVTRテープ2上で離れた位置に記録されるようにシャフリングパターンが決められる。このようなシャフリングパターンでシャフリングしても、シャフリング処理の単位の画像上の面積が小さいため、高速再生して映像データの一部を再生しても、人の視覚特性上、画面が積分されたように見えるため、観者が画像の内容を充分に確認することができた。
【0046】
しかしながら、16×16画素といった大きいマクロブロックを、なるべくVTRテープ2上で離れた位置に記録されるようにしたシャフリングパターンでシャフリングすると、画像上で隣接するマクロブロックの再生の時間間隔が広くなり、マクロブロックの境界が観者にはっきりと認識され、画像が積分されたように見えない。従って、この場合には、画像がマクロブロックごとに分割されたチェッカーフラグ状となり、観者にとって非常に見にくいものとなる。
【0047】
このような問題を解決するために、VCR装置1においては、記録ヘッド部20がVTRテープ2を一回スキャンするごとに同一画像の広い面積の映像データを記録するように、同一画像において隣接するマクロブロックが、VTRテープ2上の隣接した位置に記録され、しかも、VTRテープ2上において隣接するマクロブロックを、これらのマクロブロックがそれぞれ異なる誤り訂正符号(内符号および外符号)により誤り訂正されるように、それぞれ異なるECCブロックに含まれるようにする。
【0048】
一方、図10および図11に示すように、1GOP分の音声・映像データは10本または12本のヘリカルトラックに記録され、また、映像データを記録するセクタは、音声データを記録するセクタにより2個の領域に分割されているという制約条件がある。この制約の下、倍速再生の倍率が低い場合には画面上、大きい矩形に含まれる映像データが再生され、倍率が高い場合には画面上、小さい矩形に含まれる映像データが再生されるようにする。
【0049】
図12〜図18を参照して、シャフリングROM回路144に記憶されているシャフリングパターンを、525/60構成の映像データについてさらに詳しく説明する。
図12は、マクロブロックの分割方法を示す図である。
図12の左側に示すように、映像データを16×16画素のマクロブロックに分割すると、走査線(水平)方向に45個、垂直方向に32個(全体で45×32個)のマクロブロックができる。この45個×32個のマクロブロックを、水平方向に5個、垂直方向に4個(全体で5×4個)に分割し、それぞれ水平方向に9個、垂直方向に8個のマクロブロック(全体で9×8個)を含むシャフリングブロックに分割する。
これら20個のシャフリングブロックの内、画像において上側になる10個をVTRテープ2のヘリカルトラック01h〜0Ahの下側領域(図11)に割り当て、下側になる10個(網掛け部分)をVTRテープ2のヘリカルトラック01h〜0Ahの上側領域に割り当てる。
【0050】
このように分割したシャフリングブロックそれぞれを、さらに、図12の右側に示すように、それぞれ水平方向に3個、垂直方向に2個(全体で3×2個)のシャフリングブロックを含む6個のシャフリング単位に分割し、さらに、それぞれ水平方向に3個、垂直方向に4個(全体で3×4個)の12の単位に分割し、シャフリング単位に含まれるマクロブロックに点線で示す順番を付す。この順番は、シャフリングブロックそれぞれに含まれるマクロブロックのVTRテープ2に対する記録・再生の順番を示す。
【0051】
図13は、再生部48が2倍速再生、4倍速再生、7倍速再生、19倍速再生および37倍速再生を行う場合に、再生ヘッド部40が50%以上のデータを再生可能なヘリカルトラックの部分(図4(B))の軌跡を示す図である。なお、図13において、軌跡a〜軌跡eは、それぞれ2倍速再生、4倍速再生、7倍速再生、19倍速再生および37倍速再生それぞれの場合の再生ヘッド400,402,404,406(図4(B))のいずれかの軌跡である。
図14〜図18は、図1に示した再生部48が、それぞれ2倍速再生、4倍速再生、7倍速再生、19倍速再生および37倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部40が1回、VTRテープ2をスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【0052】
再生部48のノントラッキング制御回路512の説明として後述するように、再生部48はノントラッキング方式によりVTRテープ2から音声・映像データを再生するので、ヘリカルトラックの再生ヘッド400,402,404,406のいずれかがスキャンした部分に記録されている音声・映像データを再生することができる。
図13の軌跡aに示すように、VCR装置1の再生部48は、2倍速再生時および4倍速再生時には、スキャンしたヘリカルトラックの上側領域からも下側領域からも音声・映像データを再生することができる。
【0053】
再生ヘッド部40が、スキャンしたヘリカルトラックから、図12に示したようにシャフリングした音声・映像データを読み出すと、例えば、読み出した映像データは図14(A)および図15(A)に網掛けした2個のシャフリングブロックの矩形部分に対応し、画像上、連続した広い面積の映像データを読み出すことができる。
一方、再生ヘッド部40が、従来と同様にランダムにシャフリングした音声・映像データをヘリカルトラックから再生した場合には、図14(B)および図15(B)に示すように画面上で不連続な、それぞれ面積が小さい矩形部分に対応する映像データが読み出され、上述のように観者に不自然な感じを与えることになる。
【0054】
VCR装置1の再生部48が、7倍速再生時に、図13の軌跡cの部分から図12に示すようにシャフリングした音声・映像データを読み出すと、例えば、読み出した映像データは図16(A)に網掛けした、それぞれ9×4個のマクロブロックを含む2個の矩形領域に対応する映像データを再生することができる。一方、再生ヘッド部40が、ランダムにシャフリングした音声・映像データをヘリカルトラックから再生した場合には、図16(B)に示すように画面上で不連続な、それぞれ面積が小さい矩形部分に対応する映像データが読み出されることになる。
【0055】
VCR装置1の再生部48が、19倍速再生時に、図13の軌跡dの部分から図12に示すようにシャフリングした音声・映像データを読み出すと、例えば、読み出した映像データは図17(A)に網掛けした、それぞれ3×4個のマクロブロックを含む6個の矩形領域に対応する映像データを再生することができる。一方、再生ヘッド部40が、ランダムにシャフリングした音声・映像データをヘリカルトラックから再生した場合には、図17(B)に示すように画面上で不連続な、それぞれ面積が小さい矩形部分に対応する映像データが読み出されることになる。
【0056】
VCR装置1の再生部48が、37倍速再生時に、図13の軌跡eの部分から図12に示すようにシャフリングした音声・映像データを読み出すと、例えば、読み出した映像データは図18(A)に網掛けした、それぞれ3×2個のマクロブロックを含む12個の矩形領域に対応する映像データを再生することができる。一方、再生ヘッド部40が、ランダムにシャフリングした音声・映像データをヘリカルトラックから再生した場合には、図18(B)に示すように画面上で不連続な、それぞれ面積が小さい矩形部分に対応する映像データが読み出されることになる。
【0057】
以上、図12〜図18を参照して説明したように、図12に示したシャフリングパターンを用いると、再生ヘッド部40が1回、VTRテープ2のヘリカルトラックをスキャンするたびに、画像の連続した広い矩形領域に対応する映像データを読み出すことができ、観者にとって高速再生時の画像の内容確認が容易になる。
書き込みアドレス制御回路142は、パック回路140から入力されたマクロブロック位置データに基づいて、シャフリングROM回路144からシャフリングパターンを読み出し、読み出したシャフリングパターンに従って、パック回路140がメモリ回路18に記憶しようとしている記録ブロック単位が、書き込まれるメモリ回路18のアドレスを発生し、シャフリングを行う。
【0058】
なお、以上、525/60構成の映像データについて説明したが、625/50構成の映像データをシャフリングする場合にも、図12に示したシャフリングパターンを応用することができる。
また、SYNC・ID付加回路152(図2)は、後述するように、シャフリングされ、外符号が付加された音声・映像データをインターリーブ処理し、トラック入れ換え処理する。つまり、書き込みアドレス制御回路142によるシャフリング処理およびSYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理およびトラック入れ換え処理により記録ブロック単位は実際のVTRテープ2のヘリカルトラックに割り当てられる。
【0059】
外符号エンコーダ146(図2)は、メモリ回路18に記録されている映像用のECCブロックおよび音声用のECCブロック(図7)から音声・映像データを読み出し、それぞれのデータ領域(DATA)に含まれる圧縮映像データまたは音声データから外符号を生成する。さらに、外符号エンコーダ146は、生成した外符号を読み出した音声・映像データとともに、メモリ回路18のデータ領域(DATA)および外符号領域に対応するアドレスに記憶する。
SYNC・ID付加回路152は、制御部60から入力される記録開始信号(REC START) により起動され、同期データSYNCを生成する。また、SYNC・ID付加回路152は、識別データIDを生成し、SYNC・ID付加回路150に対して出力する。また、SYNC・ID付加回路152は、図30〜図34を参照して後述するインターリーブ処理およびトラック入れ換え処理を行う。
【0060】
ここで、SYNC・ID付加回路152が生成する識別データIDを説明する。
図19は、図9に示した同期データIDの内容を示す図である。
図10に示したように、メモリ回路18に記録されている1GOP分のECCブロックおよびシステム補助データ(SYSTEM AUX)は、525/60構成の映像データの場合、VTRテープ2の10本のヘリカルトラックに記録され、625/50構成の映像データの場合、VTRテープ2の12本のヘリカルトラックに記録される。
【0061】
識別データIDには、同期ブロック(Sync Block)IDとトラック(Track) IDとが含まれる(以下、これらを併せて単に識別データIDとも記す)。
ECCブロックおよびシステム補助データの記録ブロック単位それぞれには、図10中の矢印Aに示すように、図19(A)に示す8ビットの同期ブロックIDが付され、図10中の矢印Bに示すように、625/50形式の音声・映像データに対しては01h〜0Chの範囲で、525/60形式の音声・映像データに対しては01h〜0Ahの範囲でトラックIDが付される。
【0062】
図19(B)に示すように、音声データ用のECCブロック(図7(C))の識別データIDの第6ビットはシステム補助データと音声(AUDIO) データの識別に用いられ、第5,第4ビットは音声データのチャネル(CH1〜CH4)の識別に用いられ、第3ビットはヘリカルトラックの上側領域および下側領域の識別に用いられる。
また、図19(C)に示すように、映像データ用のECCブロックの識別データIDの第7ビットはセクタの上下の識別に用いられる。
【0063】
インターリーブROM回路148(図2)は、識別データIDがどのECCブロック(図7)の何番目の記録ブロック単位に対応するかを示すインターリーブパターンを記憶し、読み出しアドレス制御回路150の制御に従って記憶しているインターリーブパターンを読み出しアドレス制御回路150に対して出力する。
【0064】
読み出しアドレス制御回路150は、インターリーブROM回路148を制御してインターリーブパターンを読み出し、インターリーブパターンに基づいて、入力された識別データIDに対応するECCブロックの記録ブロック単位が記録されているメモリ回路18の読み出しアドレスを発生する。
メモリ回路18は、読み出しアドレス制御回路150が発生した読み出しアドレスに記憶されている記録ブロック単位(ECCブロック)をSYNC・ID付加回路152に対して出力する。
SYNC・ID付加回路152は、入力された記録ブロック単位(ECCブロック)をVTRテープ2のヘリカルトラック対応に分割して識別データIDを付加し、インターリーブ処理し、さらにトラック入れ換え処理し、内符号エンコーダ回路154に対して出力する。
【0065】
ここで、図20〜図29を参照して、SYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理について詳細に説明する。
なお、上述のように、書き込みアドレス制御回路142によるシャフリング処理、および、SYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理およびトラック入れ換え処理を経て、始めて記録ブロック単位(同期ブロック;SYNC Block:図6)はVTRテープ2のヘリカルトラックに割り当てられる。
【0066】
SYNC・ID付加回路152におけるインターリーブ処理は、1GOP当たり30個(525/60構成の場合)または36個(625/50構成の場合)ある映像データ用のECCブロックに含まれる記録ブロック単位(同期ブロック)、および、1GOP当たり10個(525/60構成の場合)または12個(625/50構成の場合)ある音声データ用のECCブロックに含まれる記録ブロック単位を、10個(525/60構成の場合)または12個(625/50構成の場合)のVTRテープ2のヘリカルトラックに均等に割り当てる処理である。
【0067】
SYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理の第1の目的は、再生時にバースト的なデータ誤りが発生した場合にも、複数のECCブロックにデータ誤りを分散し、各ECCブロックにおける誤り訂正能力を超えない範囲に止めて、再生した画像の品質を向上させることである。
また、SYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理の第2の目的は、書き込みアドレス制御回路142によるシャフリング処理により、画像において隣接するマクロブロックがVTRテープ2においても隣接した位置に記録されるために、VTRテープ2上において隣接するマクロブロックをそれぞれ異なるECCブロックに含めるようにして、VTRテープ2上において隣接する複数のマクロブロックにデータ誤りが生じても、それぞれ異なる誤り訂正符号により誤り訂正しうるようにして、画像の狭い範囲に画像の欠落が集中し、補間が不可能になったり、画面の欠落が目立ったりする不具合を回避することである。
【0068】
図11に示したように、各ECCブロックの外符号(outer parity) は、音声・映像データの各記録ブロック単位(同期ブロック)の両側に配置される。このように配置することにより、VTRテープ2にテープスキューが生じた場合に、VTRテープ2と再生ヘッド400,402,404,406(図4)との当たりが充分でない場合にも音声・映像データを可能な限り読み出すことができる。また、このように外符号を配置することにより、例えば、第1のチャネル(CH1)の音声データを編集する場合に、他のセクタのデータに対して誤ってオーバーライト(over write)した場合にも、外符号のみが失われる確率が大きく、データ本体は助かる可能性が高い利点がある。
【0069】
具体的なインターリーブパターンを 図20〜図29に例示する。
図20〜図23は、映像データのインターリーブパターンを525/60構成の映像データについて例示する図である。なお、図20〜図23には、インターリーブパターンの一部が示してあり、数値は、SYNC・ID付加回路152の説明において後述する、記録ブロック単位に付加される同期ブロックID(SYNC BLOCK ID) およびトラックID(TRACK ID)に対応するECCブロックの番号(ECC Block ID) および同期ブロック番号を示す形式になっている。
【0070】
図24〜図27は、映像データのインターリーブパターンを、625/50構成の映像データについて例示する図である。なお、図24〜図27には、インターリーブパターンの一部が示してあり、数値は、SYNC・ID付加回路152の説明において後述する、記録ブロック単位に付加される同期ブロックID(SYNC BLOCK ID) およびトラックID(TRACK ID)に対応するECCブロックの番号(ECC Block ID) および同期ブロック番号を示す形式になっている。
図28および図29は、音声データのインターリーブパターンを示す図であって、それぞれ525/60構成の映像データおよび625/50構成の映像データについて示してある。
図22〜図29に示したインターリーブパターンがインターリーブROM回路148に記録されている。
【0071】
ここで、図30〜図34を参照してSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を詳細に説明する。
図30および図31は、図2に示したSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を行わないときに、図4(A)に示した記録ヘッド部20の4個の記録ヘッド200,202,204,206の内の2番目の記録ヘッド202に障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープ2のヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを示す図である。
なお、図30は525/60構成の音声・映像データについて、図31は625/50構成の音声・映像データについて示し、トラックと画面上の部分との対比は、図示の都合上簡略化してある。
【0072】
図30(A)に示すように、記録ヘッド200にはトラック番号(Track No.) 01h,05h,09h,…のヘリカルトラックが対応し、記録ヘッド202にはトラック番号02h,06h,0Ah,…のヘリカルトラックが対応し、記録ヘッド204にはトラック番号03h,07h,01h,…のヘリカルトラックが対応し、記録ヘッド206にはトラック番号04h,08h,02h,…のヘリカルトラックが対応する。
【0073】
ここで、記録ヘッド部20の4個の記録ヘッド200,202,204,206の内、記録ヘッド202にヘッドクロッグ等の障害が生じ、記録ヘッド202がVTRテープ2に音声・映像データを書き込めなくなると、記録ヘッド202が走査するヘリカルトラックの音声・映像データ(トラックID=02h,06h,0Ah…)を記録することができなくなる。ここで、上述のように、VCR装置1の書き込みアドレス制御回路142、シャフリングROM回路144は、画面上において隣接するマクロブロックが集まるようなシャフリングパターンでシャフリング処理を圧縮映像データに対して行っており、音声・映像データ(トラックID=02h,06h,0Ah…)は、例えば、図30(B)に示す画面上の部分02h,06h,0Ah…に対応する。従って、図30(B)に示すように、画面上の部分02h,06h,0Ahに対応する音声・映像データは、記録ヘッド202に障害が生じている場合、VTRテープ2に記録されることがない。しかし、次のGOPにおいては、画面上の部分04h,08hに対応する映像データを記録できないものの、画面上の部分02h,06h,0Ahに対応する記録データは記録ヘッド206により正常に記録される。
図31に示すように、記録ヘッド202の障害の影響は、625/50構成の音声・映像データに関しては、12本のヘリカルトラックに1GOP分の映像データを記録するので、記録ヘッド202に障害が生じている限り、画面上の部分02h,06h,0Ahに対応する映像データはVTRテープ2に記録されることがない。
【0074】
図32は、欠落した映像データを補間する方法を示す図である。
図30(A)および図31(A)に示したように、特定のヘリカルトラックに音声・映像データが記録されない場合であっても、例えば、シャフリング後の映像データの画素がランダムになるようにするシャフリングパターンがシャフリングROM回路144(図2)に記憶されている場合には、図32(A)に示すように、再生時に欠落した画素のデータを周囲の画素のデータを用いて補間することができる。
【0075】
しかしながら上述のように、第1の実施形態におけるシャフリングROM回路144には、隣接するマクロブロックが集まるようにシャフリングするシャフリングパターンが記憶されており、特定のヘリカルトラックの映像データが記録されないと、再生時に画面上の広い面積に対応する映像データがまとめて欠落する。このように欠落した映像データは、図32(B)に示すように、再生時に周囲の画素のデータを用いて補間することはできない。
【0076】
しかも、図31(A)に示した音声・映像データの欠落は、GOP間に渡って連続するので、図32(C)に示すように、再生時に前の画面をそのまま欠落した部分にはめ込む処理(フリーズ(freeze)処理)によっては補間できない。
【0077】
そこで、SYNC・ID付加回路152は、図33および図34に示すトラック入れ換え処理を行って、画面上の同一部分の映像データが連続して欠落することを防止し、記録ヘッド202にヘッドクロッグが生じた場合にも、再生時に可能な限り近い時間に再生された映像データを用いたフリーズ処理(図32(C))を可能とする。
【0078】
図33および図34は、図2に示したSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、図4に示した記録ヘッド部20の4個の記録ヘッド200,202,204,206の内の2番目の記録ヘッド202に障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープ2のヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを示す図である。
なお、図33は525/60構成の音声・映像データについて、図34は625/50構成の音声・映像データについて示し、図33および図34においては、トラックと画面上の部分との対比は、本発明の基本的概念を変更することなく簡略化してある。
【0079】
図33(A)および図34(B)に示すように、SYNC・ID付加回路152は、1GOPごとにVTRテープ2のヘリカルトラックそれぞれに記録する音声・映像データを交互に隣接するヘリカルトラックと入れ換える。つまり、SYNC・ID付加回路152は、図33(A)および図34(A)に示すトラック入れ換え処理を行わない通常のGOP(Normal GOP)の場合には、VTRテープ2のトラック番号(Track No)01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)(かっこ外は525/60構成の場合、かっこ内は625/50構成の場合、以下SYNC・ID付加回路152の動作説明において同じ)のヘリカルトラックに記録する音声・映像データそれぞれに、トラックIDを01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)の順番に付して内符号エンコーダ回路154に対して出力する。
【0080】
一方、SYNC・ID付加回路152は、図33(A)および図34(A)に示すトラック入れ換え処理を行う入れ換えGOP(Alternated GOP)の場合には、例えば、VTRテープ2のトラック番号(Track No)01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)のヘリカルトラックに記録する音声・映像データそれぞれに、例えば、02h,01h,04h,03h,06h,05h,08h,07h,0Ah,09h(02h,01h,04h,03h,06h,05h,08h,07h,0Ah,09h,0Ch,0Bh)のトラックIDの音声・映像データを、この順番で内符号エンコーダ回路154に対して出力する。つまり、SYNC・ID付加回路152の処理により、VTRテープ2に記録された音声・映像データのトラックIDとトラック番号は、1GOP(10ヘリカルトラック(12ヘリカルトラック))おきに一致しなくなる。
【0081】
従って、図34に示すように、記録ヘッド202がVTRテープ2のトラック番号02h,06h,0Ahのヘリカルトラックにデータを記録できない場合であっても、トラックIDが02h,06h,0Ahの音声・映像データは、1GOPおきにVTRテープ2のトラック番号01h,05h,09hのヘリカルトラックに記録され、図34(B)に示すように、再生時には、画面の部分01h,05h,09hおよび部分02h,06h,0Ahの画像が1GOPおきに交互に再生される。従って、再生時に画面の部分01h,05h,09hと部分02h,06h,0Ahとに対して交互にフリーズ処理(図32(C))を行うことにより、画像を補間することができる。
なお、図33に示す場合であっても同様に、GOPごとに記録不能となるデータは変化するので、フリーズ処理を行うことにより画像を補間することができる。
【0082】
図30および図31に示したトラック入れ換え処理を行わない場合に比べて、画面の特定の部分の画像が全く記録できない場合に比べて、図33および図34に示したトラック入れ換え処理を行う場合には、少なくとも1GOPおきに画面上の全てのGOPに対応する映像データがVTRテープ2に記録可能である。従って、トラック入れ換え処理を行うと、記録ヘッド202に障害が生じた場合であっても、フリーズ処理による補間が可能であり、再生画面の品質が全体として向上する。
【0083】
以上説明したトラック入れ換え処理による障害発生時の再生画面の品質向上の効果は、記録ヘッド202以外の記録ヘッド200,204,206に障害が生じた場合にも同様である。
【0084】
内符号エンコーダ回路154は、SYNC・ID付加回路152から入力された音声・映像データおよびシステム補助データから12ビットの内符号(図7)を生成し、図8に示したように、生成した内符号を音声・映像データに付加して記録ヘッド部20に対して出力する。
【0085】
図35は、図2に示した記録ヘッド部20によりVTRテープ2に記録される映像データを示す図である。
記録ヘッド部20は、内符号エンコーダ回路154から入力された音声・映像データをVTRテープ2のヘリカルトラックに記録する。
記録部10の各構成部分によりメモリ回路18に記憶された映像データ用のECCに含まれるマクロブロックA,B,C(図8)のVTRテープ2上の記録位置は、例えば図35中の位置A,B,Cとなる。
【0086】
図5に示す画面上において、マクロブロックA,B同士は隣接するが、マクロブロックCはマクロブロックA,Bから離れた位置にある。従って、図35に示すように、マクロブロックA,BはVTRテープ2上の隣接した位置に記録され、マクロブロックCは、VTRテープ2上でマクロブロックA,Bとは離れた位置に記録される。
但し、マクロブロックA,Bは、異なるECCブロックに配分され、バースト的に発生するデータ誤りに対しての信頼性が高められる。
【0087】
以下、VCR装置1がVTRテープ2から音声・映像データを再生する際の動作に係る各構成部分を説明する。
再生ヘッド部40の再生ヘッド400,402,404,406(図4(B))それぞれは、VTRテープ2のヘリカルトラック(図35)を走査し、音声・映像データおよびシステム補助データ((PB DATA) 図3;以下、単に音声・映像データとも記す)を再生し、内符号デコーダ回路500に対して出力する。
【0088】
再生部48の再生系50(図1,図3)において、内符号デコーダ回路500は、再生ヘッド400,402,404,406それぞれから入力された音声・映像データのECCブロック(図7)それぞれに含まれる内符号を用いてデータ誤りを検出し、データ誤りを訂正する。再生ヘッド400,402,404,406それぞれからの音声・映像データに訂正不可能なデータ誤りが生じている場合には、データ誤りが生じている音声・映像データごとにエラーフラグを活性化してノントラッキング制御回路512に対して出力する。
【0089】
ID検出回路510は、内符号デコーダ回路500から入力された音声・映像データのECCブロックから識別データID(図9,図10)を分離して書き込みアドレス制御回路514に対して出力し、音声・映像データをノントラッキング制御回路512に対して出力する。
ノントラッキング制御回路512は、システム補助データを用いてノントラッキング制御処理を行う。つまり、ノントラッキング制御回路512は、内符号デコーダ回路500において検出されたデータ誤り率が最も低い音声・映像データを選択してメモリ回路560に対して出力する。
【0090】
ここで、ノントラッキング制御について説明する。
VTRテープ2には、隣接するヘリカルトラックのアジマス角を交互に反転して音声・映像データが記録される。このようにヘリカルトラックごとにアジマス角を交互に反転させると、再生ヘッド部40の再生ヘッド400,402,404,406の内、アジマス角が異なるヘリカルトラックをトレースしても、記録されている音声・映像データを再生することはできない。
また、再生ヘッド400,402,404,406の内のいずれか1つ以上がが同じアジマス角のヘリカルトラックをトレースした場合であっても、ヘリカルトラックを正確にトレースしていない場合には、再生した音声・映像データに多くの誤りが発生する。
【0091】
ノントラッキング制御は、このような音声・映像データの再生時の再生ヘッドおよびヘリカルトラックのアジマス角に係る性質を積極的に利用している。つまり、図4(B)に示したように、再生ヘッド400,402,404,406はヘリカルトラック1本分の間隔をおいて2個の正アジマスヘッドと2個の負アジマスヘッド)を有しており、再生ヘッド400,402,404,406それぞれの4個の再生ヘッドの内、ヘリカルトラックとアジマス角が一致し、正確にヘリカルトラックをトレースした再生ヘッドが読み出した音声・映像データ、つまり、誤り率が最低となる音声・映像データを選択して出力する。ノントラッキング方式の採用により、VCR装置1のヘリカルトラックに対する再生ヘッドのトラッキング制御の条件が大幅に緩和される。
【0092】
デインターリーブROM回路516は、記録部10のインターリーブROM回路148に対応し、SYNC・ID付加回路152による(図2)によりインターリーブされた音声・映像データをインターリーブ前の配列に戻すためのデインターリーブパターンを記憶し、書き込みアドレス制御回路514の制御に従って、記憶しているインターリーブデータを書き込みアドレス制御回路514に対して出力する。
【0093】
書き込みアドレス制御回路514は、ID検出回路510が分離した識別データIDに従って、デインターリーブROM回路516を制御してデインターリーブパターン読み出し、読み出したデインターリーブパターンに基づいてノントラッキング制御回路512が出力する音声・映像データの書き込みアドレスを発生し、ノントラッキング制御回路512から出力される音声・映像データをメモリ回路560に記録させる。このような方法により、書き込みアドレス制御回路514は、SYNC・ID付加回路152が出力した音声・映像データをデインターリーブ処理し、インターリーブ前の配列に戻す。
【0094】
ノントラッキング制御回路512から出力される音声・映像データは、内符号エンコーダ回路154が発生したメモリ回路560のアドレスに記憶され、元の音声・映像データのECCブロック(図7)と同じ配列に戻される。
このように、トラック入れ換え処理された音声・映像データも、記録時に挿入された識別データIDに基づいて再配列することにより、トラック入れ換え処理がなされない音声・映像データと全く同じ処理で、元の配列に戻すことができる。
【0095】
さらに、ノントラッキング制御回路512は、元の配列に戻されたECCブロックを、外符号デコーダ回路518における外符号を用いた誤り訂正に適した配列に再配列し、外符号デコーダ回路518に対して出力する。
外符号デコーダ回路518は、ノントラッキング制御回路512から入力された音声・映像データのECCブロックに含まれる外符号を用いて音声・映像データの誤り訂正を行い、ジョグメモリ回路562に対して出力する。
【0096】
デシャフリングROM回路520は、記録部10のシャフリングROM回路144に対応し、記録部10において書き込みアドレス制御回路142によるシャフリング処理され、配列が変えられた音声・映像データを元の配列に戻すためのデシャフリングデータを記憶し、読み出しアドレス制御回路522の制御に従って、デシャフリングデータを読み出しアドレス制御回路522に対して出力する。
【0097】
読み出しアドレス制御回路522は、デパック回路524が読み出しを要求する音声・映像データの識別データIDに基づいて、デシャフリングROM回路520を制御してデシャフリングデータを発生させ、デシャフリングROM回路520が発生したデシャフリングデータに基づいて、ジョグメモリ回路562に記憶されている音声・映像データを記録時の配列に戻す読み出しアドレスを発生し、ジョグメモリ回路562に対して出力する。
なお、読み出しアドレス制御回路522は、例えば、ジョグシャトル再生等の特殊再生を行う場合には、特殊再生を実現するための読み出しアドレスを生成し、ジョグメモリ回路562に対して出力する。
【0098】
ジョグメモリ回路562は、入力される読み出しアドレスに記録されている音声・映像データを、記録時の配列でデパック回路524に対して出力する。
デパック回路524は、記録部10のパック回路140に対応し、ジョグメモリ回路562から入力された音声・映像データの記録ブロック単位から音声データ(OUTPUT AUDIO)を分離して外部の映像処理機器に対して出力し、映像データを分離して伸長復号系58に対して出力し、さらに、システム補助データを分離して制御部60に対して出力する。
【0099】
伸長復号系58は、デパック回路524から入力された映像データに対して、圧縮符号化系12(図2)における圧縮符号化処理方式に対応する伸長復号処理を行い、元の映像データ(INPUT VIDEO ;図2)に対応する映像データ(OUTPUT VIDEO)を外部の映像処理機器に対して出力する。
なお、伸長復号系58は、入力された映像データに訂正不能な誤りが生じている場合には、誤りが生じている範囲に応じて図32(A)に示した周囲の画素を用いた補間、あるいは、図32(C)に示したフリーズ処理による補間を行い、ヘッドクロッグ等に起因する画像の欠落を補正する。
【0100】
以下、記録時のVCR装置1の動作を説明する。
圧縮符号化系12(図2)は、外部から入力された非圧縮映像データを16画素×16ラインのマクロブロック(図5)に分割して圧縮符号化し、1GOPが2フレーム(Iフレーム,Bフレーム)から構成される圧縮映像データ(図6)を生成する。
【0101】
記録系14(図1)において、パック回路140(図2)は、圧縮符号化系12から入力された圧縮映像データと、外部から入力された非圧縮音声データとを記録ブロック単位(図6(C))に収容し、ECCブロック(図7)の形式でメモリ回路18に記憶する。この際、音声・映像データを書き込みアドレス制御回路142が発生するメモリ回路18の書き込みアドレスに記憶することにより、音声・映像データに対してシャフリング処理がなされる。
【0102】
外符号エンコーダ146は、メモリ回路18からECCブロック(図7)に含まれる音声・映像データを読み出して外符号を生成し、生成した外符号を音声・映像データに付加してメモリ回路18に記憶する。
SYNC・ID付加回路152は、外符号が付加された音声・映像データをVTRテープ2のヘリカルトラック対応に分割して同期データSYNCおよびトラックID(図9,図10)を付加するとともに、インターリーブ処理およびトラック入れ換え処理を行う(図33,図34)。
【0103】
内符号エンコーダ回路154は、インターリーブ処理およびトラック入れ換え処理がなされた音声・映像データに対する内符号(図7)を生成し、生成した内符号を音声・映像データに付加して記録ヘッド部20に対して出力する。
記録ヘッド部20は、内符号が付された音声・映像データをVTRテープ2のヘリカルトラック(図35)に記録する。
【0104】
以下、再生時のVCR装置1の動作を説明する。
再生ヘッド部40の再生ヘッド400,402,404,406(図4(B))それぞれは、VTRテープ2から音声・映像データを再生する。
内符号デコーダ回路500は、再生ヘッド400,402,404,406それぞれが再生した音声・映像データに含まれる内符号を用いてデータ誤りを検出し、データ誤りを訂正する。また、内符号デコーダ回路500は、音声・映像データに訂正不可能なデータ誤りが生じている場合にはエラーフラグを活性化する。
【0105】
ID検出回路510は、音声・映像データのECCブロックから識別データID(図9,図10)を分離して書き込みアドレス制御回路514に対して出力し、音声・映像データをノントラッキング制御回路512に対して出力する。
ノントラッキング制御回路512は、システム補助データを用いてノントラッキング制御処理、つまり、ノントラッキング制御回路512は、内符号デコーダ回路500において検出されたデータ誤り率が最も低い音声・映像データを選択して出力する。
【0106】
デインターリーブROM回路516および書き込みアドレス制御回路514は、ID検出回路510が検出した識別データIDに基づいて、インターリーブ処理に対応する処理、つまり、音声・映像データを元の配列に戻す(デインターリーブ)処理を行う。
【0107】
外符号デコーダ回路518は、順番が元に戻された音声・映像データに対して外符号を用いて音声・映像データの誤り訂正を行い、ジョグメモリ回路562に記憶させる。
デシャフリングROM回路520および読み出しアドレス制御回路522は、デパック回路524が読み出しを要求する音声・映像データの識別データIDに基づいて、ジョグメモリ回路562に記憶されている音声・映像データを記録時の配列に戻す読み出しアドレスを発生し、ジョグメモリ回路562に対して出力する。さらに、読み出しアドレス制御回路522は、制御部60の要求に応じてジョグシャトル再生等の特殊再生のための読み出しアドレスを生成する。
【0108】
デパック回路524は、ジョグメモリ回路562が出力する音声・映像データから音声データ(OUTPUT AUDIO)を分離して外部の映像処理機器に対して出力し、映像データを分離して伸長復号系58に対して出力する。さらに、デパック回路524は、システム補助データを分離して制御部60に対して出力する。
伸長復号系58は、圧縮映像データを圧縮符号化系12(図2)に対応する縮符号化処理方式で伸長復号処理し、映像データ(OUTPUT VIDEO)を外部の映像処理機器に対して出力する。また、伸長復号系58は、必要に応じて映像データの補間処理(図32(A),(C))を行い、画像の欠落を補正する。
【0109】
以上説明したように、本発明に係るVCR装置1によれば、比較的大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、VTRテープ2に記録した映像データを高速再生しても、再生画像が不自然にならず、内容の確認がしやすく、しかも、音声・映像データに対する誤り訂正処理の能力が低下しない。
【0110】
また、記録ヘッドあるいは再生ヘッドにヘッドクロッグが生じた場合であっても、再生画像の品質を大きく劣化させなることはなく、しかも、かかる効果を得ることができるにも関わらず、従来のVCR装置に比べて付加すべきハードウェアがほとんどない。
また、第1の実施例においては、記録ヘッド部20に障害が生じた場合について説明したが、再生ヘッド部40に障害が生じた場合にも、本発明にかかるVCR装置1によれば、同様な効果を得ることができる。
【0111】
なお、記録ヘッド部20および再生ヘッド部40のヘッド数は例示であって、記録ヘッド部20および再生ヘッド部40は、それぞれ2個以上のヘッドを有すれば足りる。
また、図33および図34に示したトラック入れ換え処理は例示であり、他のパターンでトラック入れ換え処理を行ってもよい。
また、シャフリングROM回路144およびインターリーブROM回路148に記録されるシャフリングパターンおよびインターリーブパターンは例示であり、同等の効果を有する他のパターンに変更可能である。
また、VCR装置1の構成は例示であり、各構成部分は必要な機能および性能を確保できる限り、ハードウェア的に構成されるかソフトウェア的に構成されるかを問わない。
【0112】
第2実施形態
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態においては、VCR装置1の記録ヘッド部20および再生ヘッド部40がそれぞれ2個のヘッドを有する場合のトラック入れ換え処理について説明する。
第2の実施形態においては、記録ヘッド部20は2個の記録ヘッド200,204(図4(A))のみを有し、再生ヘッド部40は2個の再生ヘッド400,404を有する。
【0113】
図36および図37は、図2に示したSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を行わないときに、図4(A)に示した記録ヘッド部20の2個の記録ヘッド200,204の内の2番目の記録ヘッド204に障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープ2のヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを示す図である。
なお、図36は525/60構成の音声・映像データについて、図37は625/50構成の音声・映像データについて示し、トラックと画面上の部分との対比は、図示の都合上簡略化してある。
【0114】
図36(A)に示すように、記録ヘッド200にはトラック番号(Track No.)
01h,03h,05h,…のヘリカルトラックが対応し、記録ヘッド204にはトラック番号02h,04h,06h,…のヘリカルトラックが対応する。
ここで、記録ヘッド部20の2個の記録ヘッド200,204の内、記録ヘッド204にヘッドクロッグ等の障害が生じ、記録ヘッド204がVTRテープ2に音声・映像データを書き込めなくなると、記録ヘッド204が走査するヘリカルトラックの音声・映像データ(トラックID=02h,04h,06h…)を記録することができなくなる。ここで、第1の実施形態において述べたように、VCR装置1の書き込みアドレス制御回路142、シャフリングROM回路144は、画面上において隣接するマクロブロックが集まるようなシャフリングパターンでシャフリング処理を圧縮映像データに対して行っており、音声・映像データ(トラックID=02h,04h,06h…)は、例えば、図36(B)に示す画面上の部分02h,06h,0Ah…に対応する。従って、図36(B)に示すように、画面上の部分02h,04h,06h,08h,0Ahに対応する音声・映像データは、記録ヘッド204に障害が生じている限りVTRテープ2に記録されることがない。
図37に示すように、記録ヘッド204の障害の影響は、625/50構成の音声・映像データに関しても同様の影響を与える。
【0115】
図38および図39は、図2に示したSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、図4に示した記録ヘッド部20の2個の記録ヘッド200,204の内の2番目の記録ヘッド204に障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープ2のヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを示す図である。
なお、図38は525/60構成の音声・映像データについて、図39は625/50構成の音声・映像データについて示し、図38および図39においては、トラックと画面上の部分との対比は、本発明の基本的概念を変更することなく簡略化してある。
【0116】
図38(A)および図39(B)に示すように、SYNC・ID付加回路152は、1GOPごとにVTRテープ2のヘリカルトラックそれぞれに記録する音声・映像データを交互に隣接するヘリカルトラックと入れ換える。つまり、SYNC・ID付加回路152は、図38(A)および図39(A)に示すトラック入れ換え処理を行わない通常のGOP(Normal GOP)の場合には、VTRテープ2のトラック番号(Track No)01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)(かっこ外は525/60構成の場合、かっこ内は625/50構成の場合、以下SYNC・ID付加回路152の動作説明において同じ)のヘリカルトラックに記録する音声・映像データそれぞれに、トラックIDを01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)の順番に付して内符号エンコーダ回路154に対して出力する。
【0117】
一方、SYNC・ID付加回路152は、図38(A)および図39(A)に示すトラック入れ換え処理を行う入れ換えGOP(Alternated GOP)の場合には、例えば、VTRテープ2のトラック番号(Track No)01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)のヘリカルトラックに記録する音声・映像データそれぞれに、例えば、02h,01h,04h,03h,06h,05h,08h,07h,0Ah,09h(02h,01h,04h,03h,06h,05h,08h,07h,0Ah,09h,0Ch,0Bh)のトラックIDの音声・映像データを、この順番で内符号エンコーダ回路154に対して出力する。つまり、SYNC・ID付加回路152の処理により、VTRテープ2に記録された音声・映像データのトラックIDとトラック番号は、1GOP(10ヘリカルトラック(12ヘリカルトラック))おきに一致しなくなる。
【0118】
従って、記録ヘッド204がVTRテープ2のトラック番号02h,04h,06h,…のヘリカルトラックにデータを記録できない場合であっても、全ての音声・映像データは、1GOPおきにVTRテープ2のトラック番号01h,05h,09hのヘリカルトラックに記録され、図38(B)および図39(B)に示すように、再生時には、画面の部分01h,03h,05h,…,0Bhおよび部分02h,04h,06h,…,0Chの画像が1GOPおきに交互に再生される。従って、再生時に画面の部分01h,03h,05h,…,0Bと部分02h,04h,06h,…,0Chとに対して交互にフリーズ処理(図32(C))を行うことにより、画像を補間することができる。
【0119】
図36および図37に示したトラック入れ換え処理を行わず、画面の特定の部分の画像が全く記録できない場合に比べて、図38および図39に示したトラック入れ換え処理を行う場合には、少なくとも1GOPおきに画面上の全てのGOPに対応する映像データがVTRテープ2に記録可能である。従って、トラック入れ換え処理を行うと、記録ヘッド204に障害が生じた場合であっても、フリーズ処理による補間が可能であり、再生画面の品質が全体として向上する。
【0120】
なお、記録ヘッド200に障害が生じた場合にも、第2の実施形態に示したトラック入れ換え処理により同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態に示したトラック入れ換え処理を適用したVCR装置1に対しても、第1の実施形態に示した変形が可能である。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる映像データ処理方法、映像データ処理装置および映像データ記録・再生装置によれば、映像データを16×16画素といった大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、ビデオテープに記録し、さらに、高速再生して表示する場合であっても、自然で見やすい再生画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビデオカセットレコーダ装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した記録部の構成を示す図である。
【図3】図1に示した再生部の構成を示す図である。
【図4】図1に示した記録ヘッド部および再生ヘッド部の構成を、ヘッド数4の場合について例示する図である。
【図5】図1および図2に示した圧縮符号化系が非圧縮映像データを圧縮符号化する際の映像データの分割方法を示す図である。
【図6】図1に示した圧縮符号化系から記録系に対して出力される圧縮映像データを示す図である。
【図7】図2に示したパック回路が圧縮映像データと非圧縮音声データとを多重化する図6に示した記録ブロック単位の構成を示す図である。
【図8】図1に示したメモリ回路に記憶されたECCブロックを示す図である。
【図9】図1に示したメモリ回路の記録領域を示す図である。
【図10】図1に示したVTRテープ上の映像データ、音声データおよびシステム補助データの記録フォーマットを示す図である。
【図11】図10に示した映像データ、音声データおよびシステム補助データのVTRテープ上の記録位置を示す図である。
【図12】マクロブロックの分割方法を示す図である。
【図13】図3に示した再生部が2倍速再生、4倍速再生、7倍速再生、19倍速再生および37倍速再生を行う場合に、再生ヘッド部40が50%以上のデータを再生可能なヘリカルトラックの部分の軌跡を示す図である。
【図14】図1に示した再生部が、2倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図15】図1に示した再生部が、4倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図16】図1に示した再生部が、7倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図17】図1に示した再生部が、19倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図18】図1に示した再生部が、37倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図19】図9に示した同期データIDの内容を示す図である。
【図20】映像データのインターリーブパターンの一部を525/60構成の映像データについて例示する図である。
【図21】映像データのインターリーブパターンの一部を525/60構成の映像データについて例示する図である。
【図22】映像データのインターリーブパターンの一部を525/60構成の映像データについて例示する図である。
【図23】映像データのインターリーブパターンの一部を525/60構成の映像データについて例示する図である。
【図24】映像データのインターリーブパターンの一部を、625/50構成の映像データについて例示する図である。
【図25】映像データのインターリーブパターンの一部を、625/50構成の映像データについて例示する図である。
【図26】映像データのインターリーブパターンの一部を、625/50構成の映像データについて例示する図である。
【図27】映像データのインターリーブパターンの一部を、625/50構成の映像データについて例示する図である。
【図28】525/60構成の映像データに含まれる音声データのインターリーブパターンを示す図である。
【図29】625/50構成の映像データに含まれる音声データのインターリーブパターンを示す図である。
【図30】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行わないときに、図4に示した記録ヘッド部の4個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、525/60構成の映像データの場合について示す図である。
【図31】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行わないときに、図4に示した記録ヘッド部の4個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、625/50構成の映像データの場合について示す図である。
【図32】欠落した映像データを補間する方法を示す図である。
【図33】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、図4に示した記録ヘッド部の4個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、525/60構成の映像データについて示す図である。
【図34】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、図4に示した記録ヘッド部の4個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、625/50構成の映像データについて示す図である。
【図35】図2に示した記録ヘッド部によりVTRテープに記録される映像データを示す図である。
【図36】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行わないときに、記録ヘッド部20の2個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、525/60構成の映像データについて示す図である。
【図37】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行わないときに、記録ヘッド部20の2個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、625/50構成の映像データについて示す図である。
【図38】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、記録ヘッド部の2個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、525/60構成の映像データについて示す図である。
【図39】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、記録ヘッド部の2個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、625/50構成の映像データについて示す図である。
【符号の説明】
1…VCR装置、2…VTRテープ、10…記録部、12…圧縮符号化系、14…記録系、140…パック回路、142…書き込みアドレス制御回路、144…シャフリングROM回路、146…外符号エンコーダ、148…インターリーブROM回路、150…読み出しアドレス制御回路、152…SYNC・ID付加回路、154…内符号エンコーダ回路、18…メモリ回路、20…記録ヘッド部、200,202,204,206…記録ヘッド、30…回転ドラム、40…再生ヘッド部、400,402,404,406…再生ヘッド、48…再生部、50…再生系、500…内符号デコーダ回路、510…ID検出回路、512…ノントラッキング制御回路、514…書き込みアドレス制御回路、516…デインターリーブROM回路、518…外符号デコーダ回路、520…デシャフリングROM回路、522…読み出しアドレス制御回路、524…デパック回路、56…メモリ部、560…メモリ回路、562…ジョグメモリ回路、58…伸長復号系、60…制御部、62…テープ走行系、64…ドラム回転系
【発明の属する技術分野】
本発明は、16×16画素といった比較的大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、ビデオテープに記録した映像データを高速再生しても、観者が再生した映像を把握しやすい映像データ処理方法、映像データ処理装置および映像データ記録・再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来、動画のディジタル映像データの圧縮符号化は、フレームそれぞれに含まれる映像データを8×4画素程度の比較的小さいブロックに分割し、これらのブロック単位で予測符号化等の処理をすることにより行われていた。
しかしながら、現在は、映像データの圧縮符号化に、16×16画素といった大きいマクロブロックが用いられるようになってきている。
【0003】
一方、再生時にバースト状のデータ誤りが生じ、同一の誤り訂正符号(ECC)による誤り訂正データブロック(ECCブロック)に多くのエラーが生じて誤り訂正処理が不可能になることを防止するため、同一ECCブロックに含まれるマクロブロックの分布がビデオテープ(VTRテープ)のヘリカルトラック上でランダムになるように、映像データにはシャフリング処理がなされ、VTRテープに記録される。
【0004】
以上述べたように、大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、ヘリカルトラック上の分布がランダムになるようにシャフリング処理してVTRテープに記録した映像データを通常の再生スピードで再生する際には、何らの問題も生じない。
しかしながら、かかる映像データを、VTRテープから2倍速あるいは3倍速等の高速再生したい場合がある。高速再生時には、ビデオカセットテープレコーダ装置(VCR装置(VCR;Video Cassette Recorder) )の再生ヘッドは、VTRテープのヘリカルトラックに沿って走査(トレース)せず、ヘリカルトラックの長手方向に対して、高速再生の倍速に応じた角度でヘリカルトラックをトレースする。従って、高速再生時にはヘリカルトラックそれぞれに記録された映像データの全ては再生されず、一部だけが再生される。
【0005】
一方、上述したように、従来のシャフリング処理においては、映像データはVTRテープのヘリカルトラック上で同一のフレームに含まれるマクロブロックの分布が一定になるようにシャフリングされるので、ヘリカルトラックそれぞれに記録された映像データの一部だけが再生された場合、同一のヘリカルトラックからは画像上で相互に離れているマクロブロックが再生される。
【0006】
マクロブロックが比較的小さい場合には、人の視覚特性上、更新されるマクロブロックの1個1個が目立たず、画像全体が積分されたように見えるので、観者に与える影響は少ない。しかしながら、マクロブロックが大きくなればなるほど1個1個のマクロブロックが目立つようになり、観者にとって、再生画像が見づらくなってしまう。つまり、このような場合、互いに離れた複数の矩形領域(マクロブロック)がランダムに更新され、観者には画像がチェッカーフラグ状に領域分けされたように不自然に見えることになる。このような現象は、映像の動きが激しい場合に顕著になる。
【0007】
本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、映像データを16×16画素といった大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、ビデオテープに記録し、さらに、高速再生して表示する場合であっても、再生画像が自然で見やすい映像データ処理方法、映像データ処理装置および映像データ記録・再生装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る映像データ処理方法は、それぞれ1画像における矩形画像領域単位である複数の第1領域を、隣接する領域順に、前記磁気テープ記録媒体の複数の連続したトラックに対応付け、それぞれ前記第1領域における矩形画像領域単位である複数の第2領域は、複数のマクロブロックを含み、前記第2領域が隣接した順となって、かつ、第2領域において隣接したマクロブロックの順となるように、前記各第1領域内のマクロブロックの配列を変更処理する。
525/60構成の映像データの場合には、1画像(1画面)は45×32(個)のマクロブロックが含まれるが、第1領域をたとえば9×8(個)のマクロブロックを有する単位とし、この第1領域が10個のトラック1〜トラックAに対応付けられる。第2領域は、たとえば、その第1領域の中でさらに3×4(個)のマクロブロックを有する単位とする。
【0009】
また、本発明に係る映像データ処理装置は、マクロブロック単位に圧縮され、磁気テープ記録媒体に記録される映像データの前記マクロブロックの配列を変更処理する映像データ処理装置であって、画像上で隣接する前記マクロブロックの前記磁気テープ記録媒体における記録位置が隣接するように、前記マクロブロックの配列を変更する映像データ配列変更処理手段と、前記画像上で隣接する前記マクロブロック同士が同一のデータブロックに含まれないようにインターリーブ処理するインターリーブ処理手段と、インターリーブした前記データブロックに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加処理手段とを有し、前記映像データ配列変更処理手段は、それぞれ1画像における矩形画像領域単位である複数の第1領域を、隣接する領域順に、前記磁気テープ記録媒体の複数の連続したトラックに対応付けるとともに、前記各第1の画像領域内のマクロブロックの配列を、それぞれ前記第1領域における矩形画像領域単位である複数の第2領域が隣接した順となって、かつ、前記第2領域において隣接したマクロブロックの順となるように、変更処理する。
【0010】
また、本発明に係る映像データ記録・再生装置は、マクロブロック単位に圧縮された映像データを磁気テープ記録媒体に対して記録・再生する映像データ記録・再生装置であって、前記映像データの前記マクロブロックの配列を変更処理する映像データ処理手段と、配列を変更した前記映像データを前記磁気テープ記録媒体に記録する記録手段とを有し、前記映像データ処理手段は、画像上で隣接する前記マクロブロックの前記磁気テープ記録媒体における記録位置が隣接するように、前記マクロブロックの配列を変更する映像データ配列変更処理手段と、前記画像上で隣接する前記マクロブロック同士が同一のデータブロックに含まれないようにインターリーブ処理するインターリーブ処理手段と、インターリーブした前記データブロックに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加処理手段とを有し、前記映像データ配列変更処理手段は、それぞれ1画像における矩形画像領域単位である複数の第1領域を、隣接する領域順に、前記磁気テープ記録媒体の複数の連続したトラックに対応付けるとともに、前記各第1の画像領域内のマクロブロックの配列を、それぞれ前記第1領域における矩形画像領域単位である複数の第2領域が隣接した順となって、かつ、前記第2領域において隣接したマクロブロックの順となるように、変更処理する。
【0011】
好適には、前記磁気テープ記録媒体に記録された前記映像データを再生する映像データ再生手段と、再生した前記映像データの前記マクロブロックの配列を元に戻す配列復元手段と、前記マクロブロックの配列を元に戻した前記映像データに付加された前記誤り訂正符号を用いて、誤り訂正処理を行う誤り訂正処理手段と、誤り訂正された前記映像データを伸長処理する映像データ伸長手段とを有する。
【0012】
本発明に係る映像データ処理装置は、1つのフレームを例えば、16×16画素といった、比較的大きいマクロブロックに分割し、予測符号化等により複数のフレームから構成される映像データブロック(GOP;Group Of Picture)単位に圧縮符号化され、VTRテープのヘリカルトラックに記録される映像データブロックをシャフリング処理およびインターリーブ処理する。
【0013】
映像データ配列変更手段は、例えば映像データのマクロブロックを所定の記録ブロックに分け、画像上(フレーム内)で隣接するマクロブロックが、磁気テープ記録媒体においても隣接する位置に記録されるように、記録ブロックの配列を変更する。
インターリーブ処理手段は、画像上で隣接するマクロブロック同士が同一のデータブロックに含まれないようにインターリーブ処理し、再生時にバースト的なデータ誤りが発生した場合にも、画像上で隣接するマクロブロックがそれぞれ異なる誤り訂正符号により誤り訂正されるようにして、映像データの欠落が画面上で集中しないようにする。
誤り訂正符号付加手段は、インターリーブされたマクロブロックに所定の誤り訂正符号を付加する。
【0014】
【発明の実施の形態】
第1実施形態
以下、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るビデオカセットレコーダ(VCR;Video Cassette Recorder)装置1の構成を示す図である。
図1に示すように、本発明に係るVCR装置1は、記録部10、記録ヘッド部20、再生ヘッド部40、再生部48、制御部60、テープ走行系62およびドラム回転系64から構成される。
記録部10は、圧縮符号化系12、記録系14およびメモリ回路18から構成される。
再生部48は、再生系50、メモリ部56および伸長復号系58から構成される。
【0015】
VCR装置1は、これらの構成部分により、外部の映像処理機器(図示せず)、例えば音声・映像データ中継装置および音声・映像データ編集装置から入力された音声・映像データをMPEG等の圧縮符号化方式により映像データを所定数のフレーム(GOP;Group Of Picure)単位で圧縮符号化する。
【0016】
さらに、VCR装置1は、従来のVCR装置と同様に映像データをシャフリングし、複数の記録ヘッドおよび再生ヘッド(録再ヘッド)の内の一部にヘッドクロッグ(head clog) 等の障害が発生した場合にも、再生した画像に連続して同一位置に欠落が生じないようにシャフリングし、非圧縮の音声データとともに、カセットハーフに収容されたVTRテープ2に対して記録する。
また、VCR装置1の再生系50は、上述のようにVTRテープ2に記録された音声・映像データを読み出して記録時の音声・映像データを再生し、外部の映像処理機器に対して出力する。
【0017】
図2は、図1に示した記録部10の構成を示す図である。
図2に示すように、記録部10の記録系14は、パック(pack)回路140、書き込みアドレス制御回路142、シャフリング(shuffling) ROM回路144、外符号(outer ECC) エンコーダ146、インターリーブ(interleave)ROM回路148、読み出しアドレス制御回路150、SYNC・ID付加回路150および内符号(inner ECC) エンコーダ回路154から構成される。
【0018】
図3は、図1に示した再生部48の構成を示す図である。
図3に示すように、再生部48の再生系50は、内符号デコーダ回路500、ID検出回路510、ノントラッキング(non-tracking)制御回路512、外符号デコーダ回路518、デシャフリング(deshuffling) ROM回路520、読み出しアドレス制御回路522およびデパック(depack)回路524から構成される。再生部48のメモリ部56は、メモリ回路560およびジョグメモリ(jog memory)回路562から構成される。
【0019】
図4は、図1に示した記録ヘッド部20および再生ヘッド部40の構成を、ヘッド数4の場合について例示する図である。
図4(A)に示すように、記録ヘッド部20は4個の記録ヘッド200,202,204,206を有する。
【0020】
図4(B)に示すように、再生ヘッド部40は再生ヘッド400,402,404,406から構成される。再生ヘッド400,402,404,406それぞれは、VTRテープ2のヘリカリトラック1本分の間隔をおいて回転ドラム30のテープ走行面に配設される正アジマス角の再生ヘッド(正アジマス再生ヘッド)a11,a12(A1 )a21,a22(A2 ),a31,a32(A3 ),a41,a42(A4 )、および、回転ドラム30のテープ走行面の正アジマス再生ヘッドと回転ドラム30の回転軸に対して対称な位置に、正アジマス再生ヘッドと同様にVTRテープ2のヘリカリトラック1本分の間隔をおいて配設される負アジマス角の再生ヘッド(負アジマス再生ヘッド)b11,b12(B1 ),b21,b22(B2 ),b31,b32(B3 ),b41,b42(B4 )から構成される。
【0021】
以下、VCR装置1の各構成部分を説明する。
制御部60は、VCR装置1のユーザー等によりVCR装置1に配設された操作ボタンあるいは端末装置を介して入力された操作データに従って、VCR装置1の各構成部分を制御する。
テープ走行系62は、制御部60の制御に従って、VTRテープ2を走行させる。
ドラム回転系64は、制御部60の制御に従って、回転ドラム30を回転させ、回転ドラム30に配設された記録ヘッド部20および再生ヘッド部40にVTRテープ2のヘリカルトラックを走査(スキャン)させる。
【0022】
以下、VCR装置1がVTRテープ2に音声・映像データを記録する際の動作に係る各構成部分を説明する。
記録部10は、外部の映像処理機器から入力される非圧縮映像データ(INPUT DATA VIDEO)を、例えばMPEG方式等の圧縮符号化方式により圧縮符号化し、非圧縮音声信号(INPUT DATA AUDIO)とともにVTRテープ2に記録する。
【0023】
図5は、図1および図2に示した圧縮符号化系12が非圧縮映像データを圧縮符号化する際の映像データの分割方法を示す図である。
図5に示すように、1画面は走査線方向に720画素を含み、525/60構成の映像データの場合には垂直方向に512ラインを含み、625/50構成の映像データの場合には垂直方向に608ラインを含み、また、1マクロブロックは16画素×16ラインであるため、1画面は、525/60構成の映像データの場合には45×32のマクロブロックに分割され、625/50構成の映像データの場合には45×38のマクロブロックに分割される。
【0024】
記録部10(図1)において、圧縮符号化系12は、入力された非圧縮映像データを、図5に示すように16画素×16ラインのマクロブロックに分割し、これらのマクロブロックに対してDCT(離散コサイン変換)等の直交変換処理、予測符号化処理、量子化処理および可変長符号化処理を行ってGOP単位で圧縮符号化する。
【0025】
図6は、図1に示した圧縮符号化系12から記録系14に対して出力される圧縮映像データを示す図である。
図6(A)に示すように、圧縮映像データのGOPは、例えば2フレームの圧縮映像データ、つまり、フレーム内に閉じて圧縮符号化され、他のフレームのデータを用いずに伸長復号可能なIフレーム(Intra Picture) と、前後のフレームと相関を有するように圧縮符号化され、伸長復号後の前後のフレームのデータを用いて伸長復号されるBフレーム(Bi-directional Picture)とを含む。
【0026】
図6(B)に示すように、圧縮符号化系12は生成した圧縮映像データを、Iフレームを先とし、その後の各構成部分における処理時間が比較的長いBフレームを後ろにしたビット列として記録系14のパック回路140(図2)に対して出力する。
【0027】
記録系14(図1,図2)は、メモリ回路18を用いて圧縮映像データをシャフリングし、所定の記録フォーマットに組み立て、誤り訂正符号(外符号(OUTER ECC) および内符号(INNER ECC) これらを併せて積符号とも称す)を付加し、記録ヘッド部20を介してVTRテープ2のヘリカルトラックに記録する。
【0028】
記録系14において、パック回路140は、圧縮符号化系12から入力されるGOPデータに基づいて処理を行い、圧縮符号化系12から入力された可変長の圧縮映像データ、非圧縮音声データおよび制御部60から入力されたシステム補助データを、図6(C)および図7に示す固定長の記録ブロック単位に収容し、書き込みアドレス制御回路142が発生する書き込みアドレスに従ってメモリ回路18に記憶する。また、パック回路140は、圧縮映像データに含まれ、マクロブロックそれぞれの画面上の位置(図5)を示すマクロブロック位置データ(Macroblock Number) を分離し、書き込みアドレス制御回路142に対して出力する。
【0029】
図7は、図2に示したVCR装置16が圧縮映像データと非圧縮音声データとを多重化する図6(C)に示した記録ブロック単位の構成を示す図である。
図7(A)に示すように、記録ブロック単位は126バイト構成であって、先頭から、2バイトの同期データ領域SYNC、4バイトの識別データ領域ID、108バイトのデータ領域(DATA)および内符号(INNER PARITY)領域の各領域になっている。
【0030】
図7(B)に示すように、圧縮映像データ(IフレームおよびBフレーム)用の64個の記録ブロックは、映像データを含む1個のECC(Error Collection Code) ブロックを構成する。ECCブロックは、データ領域(DATA)に圧縮映像データが多重化された50個の記録ブロック単位と、外符号(OUTER PARITY)を含む14個の記録ブロック単位とを含む。なお、圧縮映像データが625/50構成の場合には、1GOP分の映像データが36個のECCブロックに収容され、圧縮映像データが525/60構成の場合には、1GOP分の映像データが30個のECCブロックに収容される。
【0031】
また、図7(C)に示すように、非圧縮音声データ用の14個の記録ブロックは、1GOP分の映像データに対応する非圧縮音声データを含む1個のECCブロックを構成する。ECCブロックは、データ領域(DATA)に非圧縮音声データが多重化された6個の記録ブロック単位と、外符号(OUTER PARITY)を含む8個の記録ブロック単位とを含む。
【0032】
なお、圧縮映像データが625/50構成の場合には、1GOP分の音声データが12個のECCブロックに収容され、圧縮映像データが525/60構成の場合には、1GOP分の音声データが10個のECCブロックに収容され、1GOPには最大4チャネル(CH1〜CH4)の音声データが含まれる。なお、非圧縮音声データは固定長であり、パック回路140は、非圧縮音声データを固定長に等分して各記録ブロック単位に収容する。
【0033】
また、図7(D)に示すように、1GOP分の音声・映像データごとに、制御部60等が生成したシステム補助データが付加される。システム補助データはデータ領域(DATA)に先頭から、再生系50のノントラッキング制御回路512においてノントラッキング処理(図3を参照して後述)の際に用いられる30バイトのノントラッキング制御データ(NT Control)、および、ユーザーがVTRテープ2を管理するため等に用いる39バイトの管理データ(Frame 0 Data,Frame 1 Data) が1フレーム分ずつ2個、収容される。
【0034】
なお、システム補助データは、映像データ用の記録ブロック単位および音声データ用の記録ブロック単位とは異なり外符号は付加されず、ECCブロックの構成を採らないが、その代わり、システム補助データの信頼性を確保するため、VTRテープ2の音声・映像データ1GOP分の記録領域ごとに、圧縮映像データが625/50構成の場合には32個、圧縮映像データが525/60構成の場合には24個のシステム補助データが繰り返し書き込まれる。
【0035】
ここで、また、圧縮映像データはマクロブロックごとに可変長であるのに対し、記録ブロック単位は固定長であり、このため、1個の記録ブロック単位それぞれにちょうど1個のマクロブロック分の圧縮映像データが収容されるとは限らず、記録ブロック単位には余りが生じたり、1個の記録ブロック単位に1個のマクロブロックの圧縮映像データが収容しきれないことがある。
一方、記録ブロック単位の途中にデータ誤りが生じると、その記録ブロック内のデータ誤りが生じた部分以降のデータは再生できなくなる。
【0036】
また、再生後の画像の品質に対しては、各マクロブロックの直流成分および低周波成分が大きく影響する。このため、パック回路140は、図7(B)に示したECCブロックのデータ領域(DATA) の先頭から、各マクロブロックの圧縮映像データの成分を周波数が低い順に収容する。
このようにデータ領域(DATA)に周波数が低い順に圧縮映像データの成分を収容し、VTRテープ2に記録すると、記録ブロック単位のデータ領域の先頭にデータ誤りが生じない限り、最低、再生画像の品質に最も影響が大きい圧縮映像データの直流成分を再生することができる。
【0037】
従って、この方法により圧縮映像データを記録ブロック単位に収容することにより、データ誤りが生じたマクロブロックの画像を全く再生できないという事態を防ぐことができ、再生画像の品質劣化を最低限に抑えることができる。また、この方法を採ると、VCR装置1がVTRテープ2から音声・映像データを高速再生したために、各記録ブロック単位のデータの全てが読み出されなかった場合にも同様の効果がある。
【0038】
図8は、図1に示したメモリ回路18に記憶されたECCブロックを示す図である。
図9は、図1に示したメモリ回路18の記録領域を示す図である。
記録系14が上述のように記録ブロック単位(図7)に収容した圧縮映像データは、図8および図9に示すようにメモリ回路18に記憶される。
メモリ回路18において、映像用のECCブロック(図7(B))は、例えば、図9に示すように、メモリ回路18の000h(h;hexa-decimal) 番地から240h番地(1番地当たり2バイト(16ビット))までに記憶される。
【0039】
また、音声用のECCブロック(図7(C))は、例えば、メモリ回路18の240h番地から300h番地までに記憶される。
また、システム補助データ(図7(D))は、例えば、メモリ回路18の300h番地から340h番地までに記憶される。
また、メモリ回路18の340h番地から3FFh番地までは、音声遅延用の予備領域として用いられる。
【0040】
シャフリングROM回路144は、パック回路140がメモリ回路18に記録しようとする記録ブロック単位それぞれに対応するメモリ回路18のアドレス(シャフリングパターン)を記憶し、書き込みアドレス制御回路142の制御に従って、書き込みアドレス制御回路142に対して出力する。
【0041】
つまり、書き込みアドレス制御回路142は、シャフリングROM回路144から入力されるシャフリングパターンに従って、パック回路140が出力する記録ブロック単位がECCブロックの何番目の記録ブロック単位となるかを示す書き込みアドレスを発生し、ECCブロックおよびシステム補助データ(図7)に対してシャフリング処理を行う。
【0042】
なお、VCR装置1においては、マクロブロックのサイズが16画素×16ラインと比較的大きいので、例えば、記録ヘッド部20がVTRテープ2を1回スキャンするたびに、相互に隣接するマクロブロック同士が同時にVTRテープ2に記録され、VTRテープ2上でも集まって記録されるようにシャフリングするシャフリングパターンがシャフリングROM回路144に記憶されている。
つまり、VCR装置1においては、記録時に、記録ヘッド部20の1スキャンで画面の広い面積に対応する圧縮映像データがVTRテープ2に記録され、再生ヘッド部40の1スキャンで画面の広い面積に対応する圧縮映像データがVTRテープ2から読み出される。
【0043】
ここで、シャフリングROM回路144に記憶されているシャフリングパターンについて説明する。
図10は、図1に示したVTRテープ2上の映像データ、音声データおよびシステム補助データの記録フォーマットを示す図である。
図11は、図10に示した映像データ、音声データおよびシステム補助データのVTRテープ2上の記録位置を示す図である。
図10に示すように、1GOP分の525/60構成の映像データはVTRテープ2の10本のヘリカルトラックに記録され、1GOP分の625/50構成の映像データはVTRテープ2の12本のヘリカルトラックに記録される。
【0044】
また、図11に示すように、1GOP分の音声・映像データは1/2ずつ、VTRテープ2のヘリカルトラックの上側領域(UPPER SIDE AREA) と下側領域(LOWER SIDE AREA) に分けられ、音声データはVTRテープ2の中央に、映像データは音声データの両側に記録される。
非圧縮映像データをVTRテープに記録するVCR装置においては、シャフリング処理は画素ごとに、あるいは、フィールド内圧縮符号化方式においては、8×4画素の比較的小さいマクロブロックごとにシャフリング処理が行われる。
【0045】
かかる画素ごとの、あるいは、比較的小さいマクロブロックごとにシャフリングする場合、誤り訂正能力向上のために、同一画像内で隣接する画素あるいはマクロブロックは、なるべくVTRテープ2上で離れた位置に記録されるようにシャフリングパターンが決められる。このようなシャフリングパターンでシャフリングしても、シャフリング処理の単位の画像上の面積が小さいため、高速再生して映像データの一部を再生しても、人の視覚特性上、画面が積分されたように見えるため、観者が画像の内容を充分に確認することができた。
【0046】
しかしながら、16×16画素といった大きいマクロブロックを、なるべくVTRテープ2上で離れた位置に記録されるようにしたシャフリングパターンでシャフリングすると、画像上で隣接するマクロブロックの再生の時間間隔が広くなり、マクロブロックの境界が観者にはっきりと認識され、画像が積分されたように見えない。従って、この場合には、画像がマクロブロックごとに分割されたチェッカーフラグ状となり、観者にとって非常に見にくいものとなる。
【0047】
このような問題を解決するために、VCR装置1においては、記録ヘッド部20がVTRテープ2を一回スキャンするごとに同一画像の広い面積の映像データを記録するように、同一画像において隣接するマクロブロックが、VTRテープ2上の隣接した位置に記録され、しかも、VTRテープ2上において隣接するマクロブロックを、これらのマクロブロックがそれぞれ異なる誤り訂正符号(内符号および外符号)により誤り訂正されるように、それぞれ異なるECCブロックに含まれるようにする。
【0048】
一方、図10および図11に示すように、1GOP分の音声・映像データは10本または12本のヘリカルトラックに記録され、また、映像データを記録するセクタは、音声データを記録するセクタにより2個の領域に分割されているという制約条件がある。この制約の下、倍速再生の倍率が低い場合には画面上、大きい矩形に含まれる映像データが再生され、倍率が高い場合には画面上、小さい矩形に含まれる映像データが再生されるようにする。
【0049】
図12〜図18を参照して、シャフリングROM回路144に記憶されているシャフリングパターンを、525/60構成の映像データについてさらに詳しく説明する。
図12は、マクロブロックの分割方法を示す図である。
図12の左側に示すように、映像データを16×16画素のマクロブロックに分割すると、走査線(水平)方向に45個、垂直方向に32個(全体で45×32個)のマクロブロックができる。この45個×32個のマクロブロックを、水平方向に5個、垂直方向に4個(全体で5×4個)に分割し、それぞれ水平方向に9個、垂直方向に8個のマクロブロック(全体で9×8個)を含むシャフリングブロックに分割する。
これら20個のシャフリングブロックの内、画像において上側になる10個をVTRテープ2のヘリカルトラック01h〜0Ahの下側領域(図11)に割り当て、下側になる10個(網掛け部分)をVTRテープ2のヘリカルトラック01h〜0Ahの上側領域に割り当てる。
【0050】
このように分割したシャフリングブロックそれぞれを、さらに、図12の右側に示すように、それぞれ水平方向に3個、垂直方向に2個(全体で3×2個)のシャフリングブロックを含む6個のシャフリング単位に分割し、さらに、それぞれ水平方向に3個、垂直方向に4個(全体で3×4個)の12の単位に分割し、シャフリング単位に含まれるマクロブロックに点線で示す順番を付す。この順番は、シャフリングブロックそれぞれに含まれるマクロブロックのVTRテープ2に対する記録・再生の順番を示す。
【0051】
図13は、再生部48が2倍速再生、4倍速再生、7倍速再生、19倍速再生および37倍速再生を行う場合に、再生ヘッド部40が50%以上のデータを再生可能なヘリカルトラックの部分(図4(B))の軌跡を示す図である。なお、図13において、軌跡a〜軌跡eは、それぞれ2倍速再生、4倍速再生、7倍速再生、19倍速再生および37倍速再生それぞれの場合の再生ヘッド400,402,404,406(図4(B))のいずれかの軌跡である。
図14〜図18は、図1に示した再生部48が、それぞれ2倍速再生、4倍速再生、7倍速再生、19倍速再生および37倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部40が1回、VTRテープ2をスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【0052】
再生部48のノントラッキング制御回路512の説明として後述するように、再生部48はノントラッキング方式によりVTRテープ2から音声・映像データを再生するので、ヘリカルトラックの再生ヘッド400,402,404,406のいずれかがスキャンした部分に記録されている音声・映像データを再生することができる。
図13の軌跡aに示すように、VCR装置1の再生部48は、2倍速再生時および4倍速再生時には、スキャンしたヘリカルトラックの上側領域からも下側領域からも音声・映像データを再生することができる。
【0053】
再生ヘッド部40が、スキャンしたヘリカルトラックから、図12に示したようにシャフリングした音声・映像データを読み出すと、例えば、読み出した映像データは図14(A)および図15(A)に網掛けした2個のシャフリングブロックの矩形部分に対応し、画像上、連続した広い面積の映像データを読み出すことができる。
一方、再生ヘッド部40が、従来と同様にランダムにシャフリングした音声・映像データをヘリカルトラックから再生した場合には、図14(B)および図15(B)に示すように画面上で不連続な、それぞれ面積が小さい矩形部分に対応する映像データが読み出され、上述のように観者に不自然な感じを与えることになる。
【0054】
VCR装置1の再生部48が、7倍速再生時に、図13の軌跡cの部分から図12に示すようにシャフリングした音声・映像データを読み出すと、例えば、読み出した映像データは図16(A)に網掛けした、それぞれ9×4個のマクロブロックを含む2個の矩形領域に対応する映像データを再生することができる。一方、再生ヘッド部40が、ランダムにシャフリングした音声・映像データをヘリカルトラックから再生した場合には、図16(B)に示すように画面上で不連続な、それぞれ面積が小さい矩形部分に対応する映像データが読み出されることになる。
【0055】
VCR装置1の再生部48が、19倍速再生時に、図13の軌跡dの部分から図12に示すようにシャフリングした音声・映像データを読み出すと、例えば、読み出した映像データは図17(A)に網掛けした、それぞれ3×4個のマクロブロックを含む6個の矩形領域に対応する映像データを再生することができる。一方、再生ヘッド部40が、ランダムにシャフリングした音声・映像データをヘリカルトラックから再生した場合には、図17(B)に示すように画面上で不連続な、それぞれ面積が小さい矩形部分に対応する映像データが読み出されることになる。
【0056】
VCR装置1の再生部48が、37倍速再生時に、図13の軌跡eの部分から図12に示すようにシャフリングした音声・映像データを読み出すと、例えば、読み出した映像データは図18(A)に網掛けした、それぞれ3×2個のマクロブロックを含む12個の矩形領域に対応する映像データを再生することができる。一方、再生ヘッド部40が、ランダムにシャフリングした音声・映像データをヘリカルトラックから再生した場合には、図18(B)に示すように画面上で不連続な、それぞれ面積が小さい矩形部分に対応する映像データが読み出されることになる。
【0057】
以上、図12〜図18を参照して説明したように、図12に示したシャフリングパターンを用いると、再生ヘッド部40が1回、VTRテープ2のヘリカルトラックをスキャンするたびに、画像の連続した広い矩形領域に対応する映像データを読み出すことができ、観者にとって高速再生時の画像の内容確認が容易になる。
書き込みアドレス制御回路142は、パック回路140から入力されたマクロブロック位置データに基づいて、シャフリングROM回路144からシャフリングパターンを読み出し、読み出したシャフリングパターンに従って、パック回路140がメモリ回路18に記憶しようとしている記録ブロック単位が、書き込まれるメモリ回路18のアドレスを発生し、シャフリングを行う。
【0058】
なお、以上、525/60構成の映像データについて説明したが、625/50構成の映像データをシャフリングする場合にも、図12に示したシャフリングパターンを応用することができる。
また、SYNC・ID付加回路152(図2)は、後述するように、シャフリングされ、外符号が付加された音声・映像データをインターリーブ処理し、トラック入れ換え処理する。つまり、書き込みアドレス制御回路142によるシャフリング処理およびSYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理およびトラック入れ換え処理により記録ブロック単位は実際のVTRテープ2のヘリカルトラックに割り当てられる。
【0059】
外符号エンコーダ146(図2)は、メモリ回路18に記録されている映像用のECCブロックおよび音声用のECCブロック(図7)から音声・映像データを読み出し、それぞれのデータ領域(DATA)に含まれる圧縮映像データまたは音声データから外符号を生成する。さらに、外符号エンコーダ146は、生成した外符号を読み出した音声・映像データとともに、メモリ回路18のデータ領域(DATA)および外符号領域に対応するアドレスに記憶する。
SYNC・ID付加回路152は、制御部60から入力される記録開始信号(REC START) により起動され、同期データSYNCを生成する。また、SYNC・ID付加回路152は、識別データIDを生成し、SYNC・ID付加回路150に対して出力する。また、SYNC・ID付加回路152は、図30〜図34を参照して後述するインターリーブ処理およびトラック入れ換え処理を行う。
【0060】
ここで、SYNC・ID付加回路152が生成する識別データIDを説明する。
図19は、図9に示した同期データIDの内容を示す図である。
図10に示したように、メモリ回路18に記録されている1GOP分のECCブロックおよびシステム補助データ(SYSTEM AUX)は、525/60構成の映像データの場合、VTRテープ2の10本のヘリカルトラックに記録され、625/50構成の映像データの場合、VTRテープ2の12本のヘリカルトラックに記録される。
【0061】
識別データIDには、同期ブロック(Sync Block)IDとトラック(Track) IDとが含まれる(以下、これらを併せて単に識別データIDとも記す)。
ECCブロックおよびシステム補助データの記録ブロック単位それぞれには、図10中の矢印Aに示すように、図19(A)に示す8ビットの同期ブロックIDが付され、図10中の矢印Bに示すように、625/50形式の音声・映像データに対しては01h〜0Chの範囲で、525/60形式の音声・映像データに対しては01h〜0Ahの範囲でトラックIDが付される。
【0062】
図19(B)に示すように、音声データ用のECCブロック(図7(C))の識別データIDの第6ビットはシステム補助データと音声(AUDIO) データの識別に用いられ、第5,第4ビットは音声データのチャネル(CH1〜CH4)の識別に用いられ、第3ビットはヘリカルトラックの上側領域および下側領域の識別に用いられる。
また、図19(C)に示すように、映像データ用のECCブロックの識別データIDの第7ビットはセクタの上下の識別に用いられる。
【0063】
インターリーブROM回路148(図2)は、識別データIDがどのECCブロック(図7)の何番目の記録ブロック単位に対応するかを示すインターリーブパターンを記憶し、読み出しアドレス制御回路150の制御に従って記憶しているインターリーブパターンを読み出しアドレス制御回路150に対して出力する。
【0064】
読み出しアドレス制御回路150は、インターリーブROM回路148を制御してインターリーブパターンを読み出し、インターリーブパターンに基づいて、入力された識別データIDに対応するECCブロックの記録ブロック単位が記録されているメモリ回路18の読み出しアドレスを発生する。
メモリ回路18は、読み出しアドレス制御回路150が発生した読み出しアドレスに記憶されている記録ブロック単位(ECCブロック)をSYNC・ID付加回路152に対して出力する。
SYNC・ID付加回路152は、入力された記録ブロック単位(ECCブロック)をVTRテープ2のヘリカルトラック対応に分割して識別データIDを付加し、インターリーブ処理し、さらにトラック入れ換え処理し、内符号エンコーダ回路154に対して出力する。
【0065】
ここで、図20〜図29を参照して、SYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理について詳細に説明する。
なお、上述のように、書き込みアドレス制御回路142によるシャフリング処理、および、SYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理およびトラック入れ換え処理を経て、始めて記録ブロック単位(同期ブロック;SYNC Block:図6)はVTRテープ2のヘリカルトラックに割り当てられる。
【0066】
SYNC・ID付加回路152におけるインターリーブ処理は、1GOP当たり30個(525/60構成の場合)または36個(625/50構成の場合)ある映像データ用のECCブロックに含まれる記録ブロック単位(同期ブロック)、および、1GOP当たり10個(525/60構成の場合)または12個(625/50構成の場合)ある音声データ用のECCブロックに含まれる記録ブロック単位を、10個(525/60構成の場合)または12個(625/50構成の場合)のVTRテープ2のヘリカルトラックに均等に割り当てる処理である。
【0067】
SYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理の第1の目的は、再生時にバースト的なデータ誤りが発生した場合にも、複数のECCブロックにデータ誤りを分散し、各ECCブロックにおける誤り訂正能力を超えない範囲に止めて、再生した画像の品質を向上させることである。
また、SYNC・ID付加回路152によるインターリーブ処理の第2の目的は、書き込みアドレス制御回路142によるシャフリング処理により、画像において隣接するマクロブロックがVTRテープ2においても隣接した位置に記録されるために、VTRテープ2上において隣接するマクロブロックをそれぞれ異なるECCブロックに含めるようにして、VTRテープ2上において隣接する複数のマクロブロックにデータ誤りが生じても、それぞれ異なる誤り訂正符号により誤り訂正しうるようにして、画像の狭い範囲に画像の欠落が集中し、補間が不可能になったり、画面の欠落が目立ったりする不具合を回避することである。
【0068】
図11に示したように、各ECCブロックの外符号(outer parity) は、音声・映像データの各記録ブロック単位(同期ブロック)の両側に配置される。このように配置することにより、VTRテープ2にテープスキューが生じた場合に、VTRテープ2と再生ヘッド400,402,404,406(図4)との当たりが充分でない場合にも音声・映像データを可能な限り読み出すことができる。また、このように外符号を配置することにより、例えば、第1のチャネル(CH1)の音声データを編集する場合に、他のセクタのデータに対して誤ってオーバーライト(over write)した場合にも、外符号のみが失われる確率が大きく、データ本体は助かる可能性が高い利点がある。
【0069】
具体的なインターリーブパターンを 図20〜図29に例示する。
図20〜図23は、映像データのインターリーブパターンを525/60構成の映像データについて例示する図である。なお、図20〜図23には、インターリーブパターンの一部が示してあり、数値は、SYNC・ID付加回路152の説明において後述する、記録ブロック単位に付加される同期ブロックID(SYNC BLOCK ID) およびトラックID(TRACK ID)に対応するECCブロックの番号(ECC Block ID) および同期ブロック番号を示す形式になっている。
【0070】
図24〜図27は、映像データのインターリーブパターンを、625/50構成の映像データについて例示する図である。なお、図24〜図27には、インターリーブパターンの一部が示してあり、数値は、SYNC・ID付加回路152の説明において後述する、記録ブロック単位に付加される同期ブロックID(SYNC BLOCK ID) およびトラックID(TRACK ID)に対応するECCブロックの番号(ECC Block ID) および同期ブロック番号を示す形式になっている。
図28および図29は、音声データのインターリーブパターンを示す図であって、それぞれ525/60構成の映像データおよび625/50構成の映像データについて示してある。
図22〜図29に示したインターリーブパターンがインターリーブROM回路148に記録されている。
【0071】
ここで、図30〜図34を参照してSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を詳細に説明する。
図30および図31は、図2に示したSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を行わないときに、図4(A)に示した記録ヘッド部20の4個の記録ヘッド200,202,204,206の内の2番目の記録ヘッド202に障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープ2のヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを示す図である。
なお、図30は525/60構成の音声・映像データについて、図31は625/50構成の音声・映像データについて示し、トラックと画面上の部分との対比は、図示の都合上簡略化してある。
【0072】
図30(A)に示すように、記録ヘッド200にはトラック番号(Track No.) 01h,05h,09h,…のヘリカルトラックが対応し、記録ヘッド202にはトラック番号02h,06h,0Ah,…のヘリカルトラックが対応し、記録ヘッド204にはトラック番号03h,07h,01h,…のヘリカルトラックが対応し、記録ヘッド206にはトラック番号04h,08h,02h,…のヘリカルトラックが対応する。
【0073】
ここで、記録ヘッド部20の4個の記録ヘッド200,202,204,206の内、記録ヘッド202にヘッドクロッグ等の障害が生じ、記録ヘッド202がVTRテープ2に音声・映像データを書き込めなくなると、記録ヘッド202が走査するヘリカルトラックの音声・映像データ(トラックID=02h,06h,0Ah…)を記録することができなくなる。ここで、上述のように、VCR装置1の書き込みアドレス制御回路142、シャフリングROM回路144は、画面上において隣接するマクロブロックが集まるようなシャフリングパターンでシャフリング処理を圧縮映像データに対して行っており、音声・映像データ(トラックID=02h,06h,0Ah…)は、例えば、図30(B)に示す画面上の部分02h,06h,0Ah…に対応する。従って、図30(B)に示すように、画面上の部分02h,06h,0Ahに対応する音声・映像データは、記録ヘッド202に障害が生じている場合、VTRテープ2に記録されることがない。しかし、次のGOPにおいては、画面上の部分04h,08hに対応する映像データを記録できないものの、画面上の部分02h,06h,0Ahに対応する記録データは記録ヘッド206により正常に記録される。
図31に示すように、記録ヘッド202の障害の影響は、625/50構成の音声・映像データに関しては、12本のヘリカルトラックに1GOP分の映像データを記録するので、記録ヘッド202に障害が生じている限り、画面上の部分02h,06h,0Ahに対応する映像データはVTRテープ2に記録されることがない。
【0074】
図32は、欠落した映像データを補間する方法を示す図である。
図30(A)および図31(A)に示したように、特定のヘリカルトラックに音声・映像データが記録されない場合であっても、例えば、シャフリング後の映像データの画素がランダムになるようにするシャフリングパターンがシャフリングROM回路144(図2)に記憶されている場合には、図32(A)に示すように、再生時に欠落した画素のデータを周囲の画素のデータを用いて補間することができる。
【0075】
しかしながら上述のように、第1の実施形態におけるシャフリングROM回路144には、隣接するマクロブロックが集まるようにシャフリングするシャフリングパターンが記憶されており、特定のヘリカルトラックの映像データが記録されないと、再生時に画面上の広い面積に対応する映像データがまとめて欠落する。このように欠落した映像データは、図32(B)に示すように、再生時に周囲の画素のデータを用いて補間することはできない。
【0076】
しかも、図31(A)に示した音声・映像データの欠落は、GOP間に渡って連続するので、図32(C)に示すように、再生時に前の画面をそのまま欠落した部分にはめ込む処理(フリーズ(freeze)処理)によっては補間できない。
【0077】
そこで、SYNC・ID付加回路152は、図33および図34に示すトラック入れ換え処理を行って、画面上の同一部分の映像データが連続して欠落することを防止し、記録ヘッド202にヘッドクロッグが生じた場合にも、再生時に可能な限り近い時間に再生された映像データを用いたフリーズ処理(図32(C))を可能とする。
【0078】
図33および図34は、図2に示したSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、図4に示した記録ヘッド部20の4個の記録ヘッド200,202,204,206の内の2番目の記録ヘッド202に障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープ2のヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを示す図である。
なお、図33は525/60構成の音声・映像データについて、図34は625/50構成の音声・映像データについて示し、図33および図34においては、トラックと画面上の部分との対比は、本発明の基本的概念を変更することなく簡略化してある。
【0079】
図33(A)および図34(B)に示すように、SYNC・ID付加回路152は、1GOPごとにVTRテープ2のヘリカルトラックそれぞれに記録する音声・映像データを交互に隣接するヘリカルトラックと入れ換える。つまり、SYNC・ID付加回路152は、図33(A)および図34(A)に示すトラック入れ換え処理を行わない通常のGOP(Normal GOP)の場合には、VTRテープ2のトラック番号(Track No)01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)(かっこ外は525/60構成の場合、かっこ内は625/50構成の場合、以下SYNC・ID付加回路152の動作説明において同じ)のヘリカルトラックに記録する音声・映像データそれぞれに、トラックIDを01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)の順番に付して内符号エンコーダ回路154に対して出力する。
【0080】
一方、SYNC・ID付加回路152は、図33(A)および図34(A)に示すトラック入れ換え処理を行う入れ換えGOP(Alternated GOP)の場合には、例えば、VTRテープ2のトラック番号(Track No)01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)のヘリカルトラックに記録する音声・映像データそれぞれに、例えば、02h,01h,04h,03h,06h,05h,08h,07h,0Ah,09h(02h,01h,04h,03h,06h,05h,08h,07h,0Ah,09h,0Ch,0Bh)のトラックIDの音声・映像データを、この順番で内符号エンコーダ回路154に対して出力する。つまり、SYNC・ID付加回路152の処理により、VTRテープ2に記録された音声・映像データのトラックIDとトラック番号は、1GOP(10ヘリカルトラック(12ヘリカルトラック))おきに一致しなくなる。
【0081】
従って、図34に示すように、記録ヘッド202がVTRテープ2のトラック番号02h,06h,0Ahのヘリカルトラックにデータを記録できない場合であっても、トラックIDが02h,06h,0Ahの音声・映像データは、1GOPおきにVTRテープ2のトラック番号01h,05h,09hのヘリカルトラックに記録され、図34(B)に示すように、再生時には、画面の部分01h,05h,09hおよび部分02h,06h,0Ahの画像が1GOPおきに交互に再生される。従って、再生時に画面の部分01h,05h,09hと部分02h,06h,0Ahとに対して交互にフリーズ処理(図32(C))を行うことにより、画像を補間することができる。
なお、図33に示す場合であっても同様に、GOPごとに記録不能となるデータは変化するので、フリーズ処理を行うことにより画像を補間することができる。
【0082】
図30および図31に示したトラック入れ換え処理を行わない場合に比べて、画面の特定の部分の画像が全く記録できない場合に比べて、図33および図34に示したトラック入れ換え処理を行う場合には、少なくとも1GOPおきに画面上の全てのGOPに対応する映像データがVTRテープ2に記録可能である。従って、トラック入れ換え処理を行うと、記録ヘッド202に障害が生じた場合であっても、フリーズ処理による補間が可能であり、再生画面の品質が全体として向上する。
【0083】
以上説明したトラック入れ換え処理による障害発生時の再生画面の品質向上の効果は、記録ヘッド202以外の記録ヘッド200,204,206に障害が生じた場合にも同様である。
【0084】
内符号エンコーダ回路154は、SYNC・ID付加回路152から入力された音声・映像データおよびシステム補助データから12ビットの内符号(図7)を生成し、図8に示したように、生成した内符号を音声・映像データに付加して記録ヘッド部20に対して出力する。
【0085】
図35は、図2に示した記録ヘッド部20によりVTRテープ2に記録される映像データを示す図である。
記録ヘッド部20は、内符号エンコーダ回路154から入力された音声・映像データをVTRテープ2のヘリカルトラックに記録する。
記録部10の各構成部分によりメモリ回路18に記憶された映像データ用のECCに含まれるマクロブロックA,B,C(図8)のVTRテープ2上の記録位置は、例えば図35中の位置A,B,Cとなる。
【0086】
図5に示す画面上において、マクロブロックA,B同士は隣接するが、マクロブロックCはマクロブロックA,Bから離れた位置にある。従って、図35に示すように、マクロブロックA,BはVTRテープ2上の隣接した位置に記録され、マクロブロックCは、VTRテープ2上でマクロブロックA,Bとは離れた位置に記録される。
但し、マクロブロックA,Bは、異なるECCブロックに配分され、バースト的に発生するデータ誤りに対しての信頼性が高められる。
【0087】
以下、VCR装置1がVTRテープ2から音声・映像データを再生する際の動作に係る各構成部分を説明する。
再生ヘッド部40の再生ヘッド400,402,404,406(図4(B))それぞれは、VTRテープ2のヘリカルトラック(図35)を走査し、音声・映像データおよびシステム補助データ((PB DATA) 図3;以下、単に音声・映像データとも記す)を再生し、内符号デコーダ回路500に対して出力する。
【0088】
再生部48の再生系50(図1,図3)において、内符号デコーダ回路500は、再生ヘッド400,402,404,406それぞれから入力された音声・映像データのECCブロック(図7)それぞれに含まれる内符号を用いてデータ誤りを検出し、データ誤りを訂正する。再生ヘッド400,402,404,406それぞれからの音声・映像データに訂正不可能なデータ誤りが生じている場合には、データ誤りが生じている音声・映像データごとにエラーフラグを活性化してノントラッキング制御回路512に対して出力する。
【0089】
ID検出回路510は、内符号デコーダ回路500から入力された音声・映像データのECCブロックから識別データID(図9,図10)を分離して書き込みアドレス制御回路514に対して出力し、音声・映像データをノントラッキング制御回路512に対して出力する。
ノントラッキング制御回路512は、システム補助データを用いてノントラッキング制御処理を行う。つまり、ノントラッキング制御回路512は、内符号デコーダ回路500において検出されたデータ誤り率が最も低い音声・映像データを選択してメモリ回路560に対して出力する。
【0090】
ここで、ノントラッキング制御について説明する。
VTRテープ2には、隣接するヘリカルトラックのアジマス角を交互に反転して音声・映像データが記録される。このようにヘリカルトラックごとにアジマス角を交互に反転させると、再生ヘッド部40の再生ヘッド400,402,404,406の内、アジマス角が異なるヘリカルトラックをトレースしても、記録されている音声・映像データを再生することはできない。
また、再生ヘッド400,402,404,406の内のいずれか1つ以上がが同じアジマス角のヘリカルトラックをトレースした場合であっても、ヘリカルトラックを正確にトレースしていない場合には、再生した音声・映像データに多くの誤りが発生する。
【0091】
ノントラッキング制御は、このような音声・映像データの再生時の再生ヘッドおよびヘリカルトラックのアジマス角に係る性質を積極的に利用している。つまり、図4(B)に示したように、再生ヘッド400,402,404,406はヘリカルトラック1本分の間隔をおいて2個の正アジマスヘッドと2個の負アジマスヘッド)を有しており、再生ヘッド400,402,404,406それぞれの4個の再生ヘッドの内、ヘリカルトラックとアジマス角が一致し、正確にヘリカルトラックをトレースした再生ヘッドが読み出した音声・映像データ、つまり、誤り率が最低となる音声・映像データを選択して出力する。ノントラッキング方式の採用により、VCR装置1のヘリカルトラックに対する再生ヘッドのトラッキング制御の条件が大幅に緩和される。
【0092】
デインターリーブROM回路516は、記録部10のインターリーブROM回路148に対応し、SYNC・ID付加回路152による(図2)によりインターリーブされた音声・映像データをインターリーブ前の配列に戻すためのデインターリーブパターンを記憶し、書き込みアドレス制御回路514の制御に従って、記憶しているインターリーブデータを書き込みアドレス制御回路514に対して出力する。
【0093】
書き込みアドレス制御回路514は、ID検出回路510が分離した識別データIDに従って、デインターリーブROM回路516を制御してデインターリーブパターン読み出し、読み出したデインターリーブパターンに基づいてノントラッキング制御回路512が出力する音声・映像データの書き込みアドレスを発生し、ノントラッキング制御回路512から出力される音声・映像データをメモリ回路560に記録させる。このような方法により、書き込みアドレス制御回路514は、SYNC・ID付加回路152が出力した音声・映像データをデインターリーブ処理し、インターリーブ前の配列に戻す。
【0094】
ノントラッキング制御回路512から出力される音声・映像データは、内符号エンコーダ回路154が発生したメモリ回路560のアドレスに記憶され、元の音声・映像データのECCブロック(図7)と同じ配列に戻される。
このように、トラック入れ換え処理された音声・映像データも、記録時に挿入された識別データIDに基づいて再配列することにより、トラック入れ換え処理がなされない音声・映像データと全く同じ処理で、元の配列に戻すことができる。
【0095】
さらに、ノントラッキング制御回路512は、元の配列に戻されたECCブロックを、外符号デコーダ回路518における外符号を用いた誤り訂正に適した配列に再配列し、外符号デコーダ回路518に対して出力する。
外符号デコーダ回路518は、ノントラッキング制御回路512から入力された音声・映像データのECCブロックに含まれる外符号を用いて音声・映像データの誤り訂正を行い、ジョグメモリ回路562に対して出力する。
【0096】
デシャフリングROM回路520は、記録部10のシャフリングROM回路144に対応し、記録部10において書き込みアドレス制御回路142によるシャフリング処理され、配列が変えられた音声・映像データを元の配列に戻すためのデシャフリングデータを記憶し、読み出しアドレス制御回路522の制御に従って、デシャフリングデータを読み出しアドレス制御回路522に対して出力する。
【0097】
読み出しアドレス制御回路522は、デパック回路524が読み出しを要求する音声・映像データの識別データIDに基づいて、デシャフリングROM回路520を制御してデシャフリングデータを発生させ、デシャフリングROM回路520が発生したデシャフリングデータに基づいて、ジョグメモリ回路562に記憶されている音声・映像データを記録時の配列に戻す読み出しアドレスを発生し、ジョグメモリ回路562に対して出力する。
なお、読み出しアドレス制御回路522は、例えば、ジョグシャトル再生等の特殊再生を行う場合には、特殊再生を実現するための読み出しアドレスを生成し、ジョグメモリ回路562に対して出力する。
【0098】
ジョグメモリ回路562は、入力される読み出しアドレスに記録されている音声・映像データを、記録時の配列でデパック回路524に対して出力する。
デパック回路524は、記録部10のパック回路140に対応し、ジョグメモリ回路562から入力された音声・映像データの記録ブロック単位から音声データ(OUTPUT AUDIO)を分離して外部の映像処理機器に対して出力し、映像データを分離して伸長復号系58に対して出力し、さらに、システム補助データを分離して制御部60に対して出力する。
【0099】
伸長復号系58は、デパック回路524から入力された映像データに対して、圧縮符号化系12(図2)における圧縮符号化処理方式に対応する伸長復号処理を行い、元の映像データ(INPUT VIDEO ;図2)に対応する映像データ(OUTPUT VIDEO)を外部の映像処理機器に対して出力する。
なお、伸長復号系58は、入力された映像データに訂正不能な誤りが生じている場合には、誤りが生じている範囲に応じて図32(A)に示した周囲の画素を用いた補間、あるいは、図32(C)に示したフリーズ処理による補間を行い、ヘッドクロッグ等に起因する画像の欠落を補正する。
【0100】
以下、記録時のVCR装置1の動作を説明する。
圧縮符号化系12(図2)は、外部から入力された非圧縮映像データを16画素×16ラインのマクロブロック(図5)に分割して圧縮符号化し、1GOPが2フレーム(Iフレーム,Bフレーム)から構成される圧縮映像データ(図6)を生成する。
【0101】
記録系14(図1)において、パック回路140(図2)は、圧縮符号化系12から入力された圧縮映像データと、外部から入力された非圧縮音声データとを記録ブロック単位(図6(C))に収容し、ECCブロック(図7)の形式でメモリ回路18に記憶する。この際、音声・映像データを書き込みアドレス制御回路142が発生するメモリ回路18の書き込みアドレスに記憶することにより、音声・映像データに対してシャフリング処理がなされる。
【0102】
外符号エンコーダ146は、メモリ回路18からECCブロック(図7)に含まれる音声・映像データを読み出して外符号を生成し、生成した外符号を音声・映像データに付加してメモリ回路18に記憶する。
SYNC・ID付加回路152は、外符号が付加された音声・映像データをVTRテープ2のヘリカルトラック対応に分割して同期データSYNCおよびトラックID(図9,図10)を付加するとともに、インターリーブ処理およびトラック入れ換え処理を行う(図33,図34)。
【0103】
内符号エンコーダ回路154は、インターリーブ処理およびトラック入れ換え処理がなされた音声・映像データに対する内符号(図7)を生成し、生成した内符号を音声・映像データに付加して記録ヘッド部20に対して出力する。
記録ヘッド部20は、内符号が付された音声・映像データをVTRテープ2のヘリカルトラック(図35)に記録する。
【0104】
以下、再生時のVCR装置1の動作を説明する。
再生ヘッド部40の再生ヘッド400,402,404,406(図4(B))それぞれは、VTRテープ2から音声・映像データを再生する。
内符号デコーダ回路500は、再生ヘッド400,402,404,406それぞれが再生した音声・映像データに含まれる内符号を用いてデータ誤りを検出し、データ誤りを訂正する。また、内符号デコーダ回路500は、音声・映像データに訂正不可能なデータ誤りが生じている場合にはエラーフラグを活性化する。
【0105】
ID検出回路510は、音声・映像データのECCブロックから識別データID(図9,図10)を分離して書き込みアドレス制御回路514に対して出力し、音声・映像データをノントラッキング制御回路512に対して出力する。
ノントラッキング制御回路512は、システム補助データを用いてノントラッキング制御処理、つまり、ノントラッキング制御回路512は、内符号デコーダ回路500において検出されたデータ誤り率が最も低い音声・映像データを選択して出力する。
【0106】
デインターリーブROM回路516および書き込みアドレス制御回路514は、ID検出回路510が検出した識別データIDに基づいて、インターリーブ処理に対応する処理、つまり、音声・映像データを元の配列に戻す(デインターリーブ)処理を行う。
【0107】
外符号デコーダ回路518は、順番が元に戻された音声・映像データに対して外符号を用いて音声・映像データの誤り訂正を行い、ジョグメモリ回路562に記憶させる。
デシャフリングROM回路520および読み出しアドレス制御回路522は、デパック回路524が読み出しを要求する音声・映像データの識別データIDに基づいて、ジョグメモリ回路562に記憶されている音声・映像データを記録時の配列に戻す読み出しアドレスを発生し、ジョグメモリ回路562に対して出力する。さらに、読み出しアドレス制御回路522は、制御部60の要求に応じてジョグシャトル再生等の特殊再生のための読み出しアドレスを生成する。
【0108】
デパック回路524は、ジョグメモリ回路562が出力する音声・映像データから音声データ(OUTPUT AUDIO)を分離して外部の映像処理機器に対して出力し、映像データを分離して伸長復号系58に対して出力する。さらに、デパック回路524は、システム補助データを分離して制御部60に対して出力する。
伸長復号系58は、圧縮映像データを圧縮符号化系12(図2)に対応する縮符号化処理方式で伸長復号処理し、映像データ(OUTPUT VIDEO)を外部の映像処理機器に対して出力する。また、伸長復号系58は、必要に応じて映像データの補間処理(図32(A),(C))を行い、画像の欠落を補正する。
【0109】
以上説明したように、本発明に係るVCR装置1によれば、比較的大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、VTRテープ2に記録した映像データを高速再生しても、再生画像が不自然にならず、内容の確認がしやすく、しかも、音声・映像データに対する誤り訂正処理の能力が低下しない。
【0110】
また、記録ヘッドあるいは再生ヘッドにヘッドクロッグが生じた場合であっても、再生画像の品質を大きく劣化させなることはなく、しかも、かかる効果を得ることができるにも関わらず、従来のVCR装置に比べて付加すべきハードウェアがほとんどない。
また、第1の実施例においては、記録ヘッド部20に障害が生じた場合について説明したが、再生ヘッド部40に障害が生じた場合にも、本発明にかかるVCR装置1によれば、同様な効果を得ることができる。
【0111】
なお、記録ヘッド部20および再生ヘッド部40のヘッド数は例示であって、記録ヘッド部20および再生ヘッド部40は、それぞれ2個以上のヘッドを有すれば足りる。
また、図33および図34に示したトラック入れ換え処理は例示であり、他のパターンでトラック入れ換え処理を行ってもよい。
また、シャフリングROM回路144およびインターリーブROM回路148に記録されるシャフリングパターンおよびインターリーブパターンは例示であり、同等の効果を有する他のパターンに変更可能である。
また、VCR装置1の構成は例示であり、各構成部分は必要な機能および性能を確保できる限り、ハードウェア的に構成されるかソフトウェア的に構成されるかを問わない。
【0112】
第2実施形態
以下、本発明の第2の実施形態を説明する。
第2の実施形態においては、VCR装置1の記録ヘッド部20および再生ヘッド部40がそれぞれ2個のヘッドを有する場合のトラック入れ換え処理について説明する。
第2の実施形態においては、記録ヘッド部20は2個の記録ヘッド200,204(図4(A))のみを有し、再生ヘッド部40は2個の再生ヘッド400,404を有する。
【0113】
図36および図37は、図2に示したSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を行わないときに、図4(A)に示した記録ヘッド部20の2個の記録ヘッド200,204の内の2番目の記録ヘッド204に障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープ2のヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを示す図である。
なお、図36は525/60構成の音声・映像データについて、図37は625/50構成の音声・映像データについて示し、トラックと画面上の部分との対比は、図示の都合上簡略化してある。
【0114】
図36(A)に示すように、記録ヘッド200にはトラック番号(Track No.)
01h,03h,05h,…のヘリカルトラックが対応し、記録ヘッド204にはトラック番号02h,04h,06h,…のヘリカルトラックが対応する。
ここで、記録ヘッド部20の2個の記録ヘッド200,204の内、記録ヘッド204にヘッドクロッグ等の障害が生じ、記録ヘッド204がVTRテープ2に音声・映像データを書き込めなくなると、記録ヘッド204が走査するヘリカルトラックの音声・映像データ(トラックID=02h,04h,06h…)を記録することができなくなる。ここで、第1の実施形態において述べたように、VCR装置1の書き込みアドレス制御回路142、シャフリングROM回路144は、画面上において隣接するマクロブロックが集まるようなシャフリングパターンでシャフリング処理を圧縮映像データに対して行っており、音声・映像データ(トラックID=02h,04h,06h…)は、例えば、図36(B)に示す画面上の部分02h,06h,0Ah…に対応する。従って、図36(B)に示すように、画面上の部分02h,04h,06h,08h,0Ahに対応する音声・映像データは、記録ヘッド204に障害が生じている限りVTRテープ2に記録されることがない。
図37に示すように、記録ヘッド204の障害の影響は、625/50構成の音声・映像データに関しても同様の影響を与える。
【0115】
図38および図39は、図2に示したSYNC・ID付加回路152によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、図4に示した記録ヘッド部20の2個の記録ヘッド200,204の内の2番目の記録ヘッド204に障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープ2のヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを示す図である。
なお、図38は525/60構成の音声・映像データについて、図39は625/50構成の音声・映像データについて示し、図38および図39においては、トラックと画面上の部分との対比は、本発明の基本的概念を変更することなく簡略化してある。
【0116】
図38(A)および図39(B)に示すように、SYNC・ID付加回路152は、1GOPごとにVTRテープ2のヘリカルトラックそれぞれに記録する音声・映像データを交互に隣接するヘリカルトラックと入れ換える。つまり、SYNC・ID付加回路152は、図38(A)および図39(A)に示すトラック入れ換え処理を行わない通常のGOP(Normal GOP)の場合には、VTRテープ2のトラック番号(Track No)01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)(かっこ外は525/60構成の場合、かっこ内は625/50構成の場合、以下SYNC・ID付加回路152の動作説明において同じ)のヘリカルトラックに記録する音声・映像データそれぞれに、トラックIDを01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)の順番に付して内符号エンコーダ回路154に対して出力する。
【0117】
一方、SYNC・ID付加回路152は、図38(A)および図39(A)に示すトラック入れ換え処理を行う入れ換えGOP(Alternated GOP)の場合には、例えば、VTRテープ2のトラック番号(Track No)01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah(01h,02h,03h,04h,05h,06h,07h,08h,09h,0Ah,0Bh,0Ch)のヘリカルトラックに記録する音声・映像データそれぞれに、例えば、02h,01h,04h,03h,06h,05h,08h,07h,0Ah,09h(02h,01h,04h,03h,06h,05h,08h,07h,0Ah,09h,0Ch,0Bh)のトラックIDの音声・映像データを、この順番で内符号エンコーダ回路154に対して出力する。つまり、SYNC・ID付加回路152の処理により、VTRテープ2に記録された音声・映像データのトラックIDとトラック番号は、1GOP(10ヘリカルトラック(12ヘリカルトラック))おきに一致しなくなる。
【0118】
従って、記録ヘッド204がVTRテープ2のトラック番号02h,04h,06h,…のヘリカルトラックにデータを記録できない場合であっても、全ての音声・映像データは、1GOPおきにVTRテープ2のトラック番号01h,05h,09hのヘリカルトラックに記録され、図38(B)および図39(B)に示すように、再生時には、画面の部分01h,03h,05h,…,0Bhおよび部分02h,04h,06h,…,0Chの画像が1GOPおきに交互に再生される。従って、再生時に画面の部分01h,03h,05h,…,0Bと部分02h,04h,06h,…,0Chとに対して交互にフリーズ処理(図32(C))を行うことにより、画像を補間することができる。
【0119】
図36および図37に示したトラック入れ換え処理を行わず、画面の特定の部分の画像が全く記録できない場合に比べて、図38および図39に示したトラック入れ換え処理を行う場合には、少なくとも1GOPおきに画面上の全てのGOPに対応する映像データがVTRテープ2に記録可能である。従って、トラック入れ換え処理を行うと、記録ヘッド204に障害が生じた場合であっても、フリーズ処理による補間が可能であり、再生画面の品質が全体として向上する。
【0120】
なお、記録ヘッド200に障害が生じた場合にも、第2の実施形態に示したトラック入れ換え処理により同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態に示したトラック入れ換え処理を適用したVCR装置1に対しても、第1の実施形態に示した変形が可能である。
【0121】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる映像データ処理方法、映像データ処理装置および映像データ記録・再生装置によれば、映像データを16×16画素といった大きいマクロブロックを用いて圧縮符号化し、ビデオテープに記録し、さらに、高速再生して表示する場合であっても、自然で見やすい再生画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビデオカセットレコーダ装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した記録部の構成を示す図である。
【図3】図1に示した再生部の構成を示す図である。
【図4】図1に示した記録ヘッド部および再生ヘッド部の構成を、ヘッド数4の場合について例示する図である。
【図5】図1および図2に示した圧縮符号化系が非圧縮映像データを圧縮符号化する際の映像データの分割方法を示す図である。
【図6】図1に示した圧縮符号化系から記録系に対して出力される圧縮映像データを示す図である。
【図7】図2に示したパック回路が圧縮映像データと非圧縮音声データとを多重化する図6に示した記録ブロック単位の構成を示す図である。
【図8】図1に示したメモリ回路に記憶されたECCブロックを示す図である。
【図9】図1に示したメモリ回路の記録領域を示す図である。
【図10】図1に示したVTRテープ上の映像データ、音声データおよびシステム補助データの記録フォーマットを示す図である。
【図11】図10に示した映像データ、音声データおよびシステム補助データのVTRテープ上の記録位置を示す図である。
【図12】マクロブロックの分割方法を示す図である。
【図13】図3に示した再生部が2倍速再生、4倍速再生、7倍速再生、19倍速再生および37倍速再生を行う場合に、再生ヘッド部40が50%以上のデータを再生可能なヘリカルトラックの部分の軌跡を示す図である。
【図14】図1に示した再生部が、2倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図15】図1に示した再生部が、4倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図16】図1に示した再生部が、7倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図17】図1に示した再生部が、19倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図18】図1に示した再生部が、37倍速再生を行った場合に、再生ヘッド部が1回、VTRテープをスキャンする度に更新される画像の領域を示す図である。
【図19】図9に示した同期データIDの内容を示す図である。
【図20】映像データのインターリーブパターンの一部を525/60構成の映像データについて例示する図である。
【図21】映像データのインターリーブパターンの一部を525/60構成の映像データについて例示する図である。
【図22】映像データのインターリーブパターンの一部を525/60構成の映像データについて例示する図である。
【図23】映像データのインターリーブパターンの一部を525/60構成の映像データについて例示する図である。
【図24】映像データのインターリーブパターンの一部を、625/50構成の映像データについて例示する図である。
【図25】映像データのインターリーブパターンの一部を、625/50構成の映像データについて例示する図である。
【図26】映像データのインターリーブパターンの一部を、625/50構成の映像データについて例示する図である。
【図27】映像データのインターリーブパターンの一部を、625/50構成の映像データについて例示する図である。
【図28】525/60構成の映像データに含まれる音声データのインターリーブパターンを示す図である。
【図29】625/50構成の映像データに含まれる音声データのインターリーブパターンを示す図である。
【図30】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行わないときに、図4に示した記録ヘッド部の4個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、525/60構成の映像データの場合について示す図である。
【図31】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行わないときに、図4に示した記録ヘッド部の4個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、625/50構成の映像データの場合について示す図である。
【図32】欠落した映像データを補間する方法を示す図である。
【図33】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、図4に示した記録ヘッド部の4個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、525/60構成の映像データについて示す図である。
【図34】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、図4に示した記録ヘッド部の4個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、625/50構成の映像データについて示す図である。
【図35】図2に示した記録ヘッド部によりVTRテープに記録される映像データを示す図である。
【図36】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行わないときに、記録ヘッド部20の2個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、525/60構成の映像データについて示す図である。
【図37】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行わないときに、記録ヘッド部20の2個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、625/50構成の映像データについて示す図である。
【図38】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、記録ヘッド部の2個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、525/60構成の映像データについて示す図である。
【図39】図2に示したSYNC・ID付加回路によるトラック入れ換え処理を行なっているときに、記録ヘッド部の2個の記録ヘッドの内の2番目の記録ヘッドに障害が発生した場合を例に、読み出せなくなるVTRテープのヘリカルトラックと、読み出せないデータに対応する画面上の部分とを、625/50構成の映像データについて示す図である。
【符号の説明】
1…VCR装置、2…VTRテープ、10…記録部、12…圧縮符号化系、14…記録系、140…パック回路、142…書き込みアドレス制御回路、144…シャフリングROM回路、146…外符号エンコーダ、148…インターリーブROM回路、150…読み出しアドレス制御回路、152…SYNC・ID付加回路、154…内符号エンコーダ回路、18…メモリ回路、20…記録ヘッド部、200,202,204,206…記録ヘッド、30…回転ドラム、40…再生ヘッド部、400,402,404,406…再生ヘッド、48…再生部、50…再生系、500…内符号デコーダ回路、510…ID検出回路、512…ノントラッキング制御回路、514…書き込みアドレス制御回路、516…デインターリーブROM回路、518…外符号デコーダ回路、520…デシャフリングROM回路、522…読み出しアドレス制御回路、524…デパック回路、56…メモリ部、560…メモリ回路、562…ジョグメモリ回路、58…伸長復号系、60…制御部、62…テープ走行系、64…ドラム回転系
Claims (4)
- マクロブロック単位に圧縮され、磁気テープ記録媒体に記録される映像データの前記マクロブロックの配列を変更処理する映像データ処理方法であって、
それぞれ1画像における矩形画像領域単位である複数の第1領域を、隣接する領域順に、前記磁気テープ記録媒体の複数の連続したトラックに対応付け、
それぞれ前記第1領域における矩形画像領域単位である複数の第2領域は、複数のマクロブロックを含み、
前記第2領域が隣接した順となって、かつ、第2領域において隣接したマクロブロックの順となるように、前記各第1領域内のマクロブロックの配列を変更処理する
映像データ処理方法。 - マクロブロック単位に圧縮され、磁気テープ記録媒体に記録される映像データの前記マクロブロックの配列を変更処理する映像データ処理装置であって、
画像上で隣接する前記マクロブロックの前記磁気テープ記録媒体における記録位置が隣接するように、前記マクロブロックの配列を変更する映像データ配列変更処理手段と、
前記画像上で隣接する前記マクロブロック同士が同一のデータブロックに含まれないようにインターリーブ処理するインターリーブ処理手段と、
インターリーブした前記データブロックに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加処理手段と
を有し、
前記映像データ配列変更処理手段は、
それぞれ1画像における矩形画像領域単位である複数の第1領域を、隣接する領域順に、前記磁気テープ記録媒体の複数の連続したトラックに対応付けるとともに、
前記各第1の画像領域内のマクロブロックの配列を、それぞれ前記第1領域における矩形画像領域単位である複数の第2領域が隣接した順となって、かつ、前記第2領域において隣接したマクロブロックの順となるように、変更処理する
映像データ処理装置。 - マクロブロック単位に圧縮された映像データを磁気テープ記録媒体に対して記録・再生する映像データ記録・再生装置であって、
前記映像データの前記マクロブロックの配列を変更処理する映像データ処理手段と、
配列を変更した前記映像データを前記磁気テープ記録媒体に記録する記録手段と
を有し、
前記映像データ処理手段は、
画像上で隣接する前記マクロブロックの前記磁気テープ記録媒体における記録位置が隣接するように、前記マクロブロックの配列を変更する映像データ配列変更処理手段と、
前記画像上で隣接する前記マクロブロック同士が同一のデータブロックに含まれないようにインターリーブ処理するインターリーブ処理手段と、
インターリーブした前記データブロックに対して誤り訂正符号を付加する誤り訂正符号付加処理手段とを有し、
前記映像データ配列変更処理手段は、
それぞれ1画像における矩形画像領域単位である複数の第1領域を、隣接する領域順に、前記磁気テープ記録媒体の複数の連続したトラックに対応付けるとともに、
前記各第1の画像領域内のマクロブロックの配列を、それぞれ前記第1領域における矩形画像領域単位である複数の第2領域が隣接した順となって、かつ、前記第2領域において隣接したマクロブロックの順となるように、変更処理する
映像データ記録・再生装置。 - 前記磁気テープ記録媒体に記録された前記映像データを再生する映像データ再生手段と、
再生した前記映像データの前記マクロブロックの配列を元に戻す配列復元手段と、
前記マクロブロックの配列を元に戻した前記映像データに付加された前記誤り訂正符号を用いて、誤り訂正処理を行う誤り訂正処理手段と、
誤り訂正された前記映像データを伸長処理する映像データ伸長手段と
を有する請求項3に記載の映像データ記録・再生装置。
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