JP3546849B2 - ダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法、プログラム及び記録媒体 - Google Patents

ダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法、プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイバーズ用情報処理装置、当該装置の制御方法、当該装置を制御するためのプログラム、及びこのプログラムを記録した記録媒体に係り、特に陸上での気圧の減少によって及ぼされるダイバーへの影響を考慮するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイブコンピュータと称せられるダイバーズ用情報処理装置は、ダイバーが安全に潜水を行うことができるように各種の安全機能を備えている。
例えば、ダイバーズ用情報処理装置は、ダイバーの体内に蓄積される不活性ガス量(特に窒素ガス)を各種潜水理論に基づいて算出し、算出された不活性ガス量に基づいてダイバーが安全に潜水することが可能な潜水可能時間を計算するようになっている。ダイバーは、ダイバーズ用情報処理装置が提示する潜水可能時間を超えない範囲で、ダイビングを行う必要がある。
【0003】
また、上記のような潜水中の制約に加えて、潜水終了後に気圧の減少を伴う移動(例えば飛行機による移動や山岳地帯の移動など)を行う場合には、ダイバーはその移動開始時点で体内不活性ガス量がほぼ平衡値に至ったのを確認してから移動を行うのが好ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特に外国でダイビングを行うような場合、ダイバーには、予定されている飛行機搭乗に影響が及ぶようになる時間帯ぎりぎりまで、ダイビングを楽しみたいというようなニーズがある。
しかしながら、上述したような安全機能は、潜水終了後の移動を考慮して潜水可能時間を計算するようにはなっていない。せいぜい、潜水終了後の水面休止時間が12時間を経過するまでは飛行機による移動を禁止させる旨の表示であるフライト不可フラグを表示したり、飛行機による移動が可能となるまでの時間を潜水終了後に表示したり、或いは、予め設定したフライト時刻の12時間前になると潜水不可フラグを表示したりする事により、潜水終了後の安全性の確保をダイバーに促しているにすぎない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、例えば飛行機による移動のような気圧の減少を伴う移動を安全に行うためにどのようなダイビングを行えばよいかということを、潜水前ないし潜水中においてダイバーに知らせることが可能なダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法、プログラム及び記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の構成は、ダイバーが潜水を行う際の水圧を設定する水圧設定手段と、前記ダイバーが潜水を行う潜水時間を設定する潜水時間設定手段と、前記水圧設定手段によって設定された水圧と前記潜水時間設定手段によって設定された潜水時間とに基づいて、ダイバーが行う潜水によって前記ダイバーの体内に蓄積される不活性ガスの量を算出するガス量算出手段と、前記ダイバーが予定している、気圧の減少を伴う移動に関する移動情報を入力するための入力手段と、前記入力された移動情報を記憶する記憶手段と、前記ガス量算出手段によって算出された不活性ガスの量と、前記記憶手段によって記憶されている移動情報とに基づいて、前記ダイバーが前記移動を安全に行うことができるような潜水可能時間を算出する演算手段と前記演算手段によって算出された潜水可能時間を出力する出力手段とを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、水圧設定手段によって設定された水圧と潜水時間設定手段によって設定された潜水時間とに基づいて、ダイバーが行う潜水によってダイバーの体内に蓄積される不活性ガスの量を算出し、この不活性ガスの量と、気圧の減少を伴う移動に関する移動情報とに基づいて、ダイバーによる移動の安全性に関する情報を生成し、出力するので、ダイバーはこの情報を参照することによって安全な潜水を行うことができる。
【0008】
本発明の第の構成は、第の構成において、前記演算手段は、前記潜水において無減圧潜水が可能な無減圧潜水可能時間を算出する算出手段と、前記算出された無減圧潜水可能時間が前記算出された潜水可能時間より小さい場合には、当該算出された無減圧潜水可能時間を前記潜水可能時間として選択する選択手段とを備え、前記出力手段は、前記選択された潜水可能時間を出力することを特徴とする。
【0009】
本発明の第の構成は、第又は第の構成において、前記演算手段は、前記ガス量算出手段によって算出された不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線と、前記記憶手段によって記憶されている移動情報に基づいて前記移動までの不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線との交点を求めることによって、前記潜水可能時間を算出することを特徴とする。
【0010】
本発明の第の構成は、第又は第の構成において、前記演算手段は、前記ガス量算出手段によって算出された不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線と、前記記憶手段によって記憶されている移動情報に基づいて前記移動までの不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線との交点の前後点を求めることによって、前記潜水可能時間を算出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の第の構成は、ダイバーが潜水を行う際の水圧を設定する水圧設定ステップと、前記ダイバーが潜水を行う潜水時間を設定する潜水時間設定ステップと、前記水圧設定ステップによって設定された水圧と前記潜水時間設定ステップによって設定された潜水時間とに基づいて、ダイバーが行う潜水によって前記ダイバーの体内に蓄積される不活性ガスの量を算出するガス量算出ステップと、前記ダイバーが予定している、気圧の減少を伴う移動に関する移動情報の入力を受け付ける受付ステップと、前記入力された移動情報を記憶する記憶ステップと、前記ガス量算出ステップによって算出された不活性ガスの量と、前記記憶ステップによって記憶されている移動情報とに基づいて、前記ダイバーが前記移動を安全に行うことができるような潜水可能時間を算出する演算ステップと、前記演算ステップによって算出された潜水可能時間を出力する出力ステップとを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、水圧設定ステップによって設定された水圧と潜水時間設定ステップによって設定された潜水時間とに基づいて、ダイバーが行う潜水によってダイバーの体内に蓄積される不活性ガスの量を算出し、この不活性ガスの量と、気圧の減少を伴う移動に関する移動情報とに基づいて、ダイバーによる移動の安全性に関する情報を生成し、出力するので、ダイバーはこの情報を参照することによって安全な潜水を行うことができる。
【0013】
本発明の第の構成は、第の構成において、前記演算ステップは、前記潜水において無減圧潜水が可能な無減圧潜水可能時間を算出する算出ステップと、前記算出された無減圧潜水可能時間が前記算出された潜水可能時間より小さい場合には、当該算出された無減圧潜水可能時間を前記潜水可能時間として選択する選択ステップとを備え、前記出力ステップは、前記選択された潜水可能時間を出力することを特徴とする。
【0014】
本発明の第の構成は、第又は第の構成において、前記演算ステップは、前記ガス量算出ステップによって算出された不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線と、前記記憶ステップによって記憶されている移動情報に基づいて前記移動までの不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線との交点を求めることによって、前記潜水可能時間を算出することを特徴とする。
【0015】
本発明の第の構成は、第又は第の構成において、前記演算ステップは、前記ガス量算出ステップによって算出された不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線と、前記記憶ステップによって記憶されている移動情報に基づいて前記移動までの不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線との交点の前後点を求めることによって、前記潜水可能時間を算出することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の第の構成は、ダイバーが潜水を行う際の水圧を設定する水圧設定機能と、前記ダイバーが潜水を行う潜水時間を設定する潜水時間設定機能と、前記水圧設定機能によって設定された水圧と前記潜水時間設定機能によって設定された潜水時間とに基づいて、ダイバーが行う潜水によって前記ダイバーの体内に蓄積される不活性ガスの量を算出するガス量算出機能と、前記ダイバーが予定している、気圧の減少を伴う移動に関する移動情報の入力を受け付ける受付機能と、前記入力された移動情報を記憶する記憶機能と、前記ガス量算出機能によって算出された不活性ガスの量と、前記記憶機能によって記憶されている移動情報とに基づいて、前記ダイバーが前記移動を安全に行うことができるような潜水可能時間を算出する演算機能と、前記演算機能によって算出された潜水可能時間を出力する出力機能とをコンピュータに実現させるためのプログラムである。
この構成によれば、水圧設定機能によって設定された水圧と潜水時間設定機能によって設定された潜水時間とに基づいて、ダイバーが行う潜水によってダイバーの体内に蓄積される不活性ガスの量を算出し、この不活性ガスの量と、気圧の減少を伴う移動に関する移動情報とに基づいて、ダイバーによる移動の安全性に関する情報を生成し、出力するので、ダイバーはこの情報を参照することによって安全な潜水を行うことができる。
【0021】
本発明の第10の構成は、第9の構成のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
A:構成
(1)ダイブコンピュータの外観構成
図1は、本実施形態に係るダイブコンピュータ1を正面から見た場合の外観構成を示す模式図である。このダイブコンピュータ1は、潜水中のダイバーの深度や潜水時間を計算して表示するとともに、潜水中に体内に蓄積される不活性ガス量(ここでは窒素ガス量)を分圧として計測し、この計測値と、予定されている飛行機搭乗時刻とに基づいて、どのようなダイビングであれば安全であるかという情報を表示するように構成されている。
【0023】
図1に示すように、ダイブコンピュータ1は、円盤状の装置本体2に対して、図面上下方向に腕バンド3,4がそれぞれ連結され、この腕バンド3,4によって腕時計と同様にダイバーの腕に装着されて使用されるようになっている。
装置本体2は、上ケースと下ケースとが完全水密状態でビス止めなどの方法で固定され、図示しない各種電子部品が内蔵されている。
【0024】
装置本体2の図面正面側には、液晶表示パネル11を有する表示部10が設けられ、図面下側にはダイブコンピュータ1における各種動作モードの選択/切替を行うための操作部5が形成されている。この操作部5は、プッシュボタン形式の二つのスイッチA、Bを有している。
【0025】
装置本体2の図面左側には潜水を開始したか否かを判別するために用いられる導通センサを用いた潜水動作監視スイッチ30が設けられている。この潜水動作監視スイッチ30は、装置本体2の図面正面側に設けられた電極31,32を有し、電極31,32間が海水などにより導通状態となることにより、電極31,32間の抵抗値が小さくなった場合に入水したと判断するものである。
ただし、この潜水動作監視スイッチ30は、あくまで入水したことを検出してダイブコンピュータ1の動作モードをダイビングモードに移行させるために用いるだけであり、実際に潜水(ダイビング)を開始した旨を検出するために用いられる訳ではない。すなわち、ダイブコンピュータ1を装着したダイバーの腕が海水に浸かっただけの場合もあり、このような状態で潜水を開始したの判断するのは好ましくないからである。
このため、このダイブコンピュータ1においては、装置本体2に内蔵した圧力センサによって水圧(水深)が一定値以上、より具体的には、水圧が水深にして1.5[m]相当以上となった場合にダイビングを開始したものとみなし、かつ、水圧が水深にして1.5[m]未満となった場合にダイビングが終了したものとみなしている。
【0026】
次に、前述した表示部10の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、液晶表示パネル11の表示領域は、中央に位置する表示領域11Aと、その外周側に位置する環状表示領域11Bとに大別される。表示領域11Aは、第1の表示領域111〜第7の表示領域117によって構成されている。
なお、本実施形態では、表示領域11A及び環状表示領域11Bが円形の例を示したが、円形に限定されるものではなく、楕円形状、トラック形状、多角形状など他の形状であってもかまわない。
【0027】
表示領域11Aのうち、図面上部左側に位置する第1の表示領域111は、各表示領域111〜117のうちで最も大きく構成されている。この表示領域111には、後述するダイビングモード、サーフェスモード、プランニングモード、ログモード、飛行機搭乗設定モードにおいて、それぞれ、現在水深、現在月日、水深ランク、潜水月日(或いはログ番号)、搭乗予定月日が表示されるようになっている。
【0028】
次に、第2の表示領域112は、第1の表示領域111の図面右側に位置している。この第2の表示領域112には、ダイビングモード、サーフェスモード、プランニングモード、ログモード、飛行機搭乗設定モードにおいて、それぞれ潜水時間、現在時刻、無減圧潜水可能時間、潜水開始時刻(或いは潜水時間)、搭乗予定時刻が表示されるようになっている。
【0029】
次に、第3の表示領域113は、第1の表示領域111の図面下側に位置している。この第3の表示領域113には、ダイビングモード、サーフェスモード、プランニングモード、ログモード、飛行機搭乗設定モードにおいて、それぞれ、最大水深、体内窒素排出時間、セーフティレベル、最大水深(或いは平均水深)、飛行機搭乗予定を考慮するか否かを示すON/OFFが表示されるようになっている。
【0030】
次に、第4の表示領域114は、第3の表示領域113の図面右側に位置している。この第4の表示領域114には、ダイビングモード、サーフェスモード、プランニングモード、ログモード、飛行機搭乗設定モードにおいて、それぞれ無減圧潜水可能時間、水面休止時間、温度、潜水終了時刻(或いは最大水深時水温)、搭乗予定年が表示されるようになっている。
【0031】
次に、第5の表示領域115は、第3の表示領域113の図面下側に位置している。この第5の表示領域115は、電源容量切れを表示する電源容量切れ警告表示領域104と、ダイバーが位置する地点の高度をランク別に表示するための高度ランク表示領域103によって構成されている。
【0032】
第6の表示領域116は、表示領域11Aのうち図面下部左側に位置している。この第6の表示領域116には、ダイバーの体内に残存する窒素量(以下、体内窒素量と呼ぶ)がグラフ表示される。
【0033】
第7の表示領域117は、第6の表示領域116の図面右側に位置している。この第7の表示領域117は、ダイビングモードで減圧潜水状態になった場合に、窒素が吸収傾向にあるのか、排出傾向にあるかを示す(図中、上下方向矢印が図示されている)領域と、浮上速度が高すぎる場合に浮上速度違反警告のひとつとして減速を指示するための「SLOW」を表示する領域と、潜水中に減圧潜水を行わなければならない旨を警告するための「DECO」を表示する領域とを備えて構成されている。
【0034】
(2)ダイブコンピュータ1の電気的構成
次に、図2のブロック図を参照しながら、ダイブコンピュータ1の電気的構成について説明する。
図2に示すように、ダイブコンピュータ1は、大別すると、各種操作を行うための操作部5、各種情報を表示する表示部10、潜水動作監視スイッチ30、ブザーなどのアラーム音によりダイバーに報知を行う報音装置37、振動によりダイバーに報知を行う振動発生装置38、ダイブコンピュータ1全体の制御を行う制御部50、気圧あるいは水圧を計測するための圧力計測部61、および各種計時処理を行う計時部68を備えて構成されている。
【0035】
表示部10は、各種の情報を表示するための液晶表示パネル11および液晶表示パネル11を駆動するための液晶ドライバ12を備えて構成されている。
【0036】
制御部50は、操作部5、潜水動作監視スイッチ30、報音装置37および振動発生装置38が接続されてい。この制御部50は、装置全体の制御を行うCPU51と、CPU51の制御下で各動作モードに対応した表示を液晶表示パネル11に行わせるため液晶ドライバ12を制御するとともに時刻用カウンタ33における各動作モードにおける処理を行う制御回路52と、制御用プログラムおよび制御用データを格納したROM53と、各種データを一時的に格納するRAM54とを備えている。CPU51は、ROM53から制御プログラム及び制御データを読み出してRAM54上にロードし、これにより後述する各種動作モードにおける処理を実行する。
【0037】
ダイブコンピュータ1においては、水深そのものを計測・表示してダイバーに報知する必要があるとともに、水深(水圧)および潜水時間からダイバーの体内に蓄積される窒素量を計測することが必要である。このため、圧力計測部61は気圧および水圧を計測している。この圧力計測部61は、半導体圧力センサにより構成される圧力センサ34と、この圧力センサ34の出力信号を増幅するための増幅回路35と、増幅回路35の出力信号のアナログ/ディジタル変換を行い、制御部50に出力するA/D変換回路36とを備えている。
【0038】
計時部68は、ダイブコンピュータ1においては通常時刻の計測や潜水時間の監視をおこなうために、所定の周波数を有するクロック信号を出力する発振回路31と、この発振回路31からのクロック信号の分周を行う分周回路32と、分周回路32の出力信号に基づいて1秒単位での計時処理を行う時刻用カウンタ33とを備えている。
【0039】
(3)ダイブコンピュータ1の機能構成
次に、図3のブロック図を参照しながら、ダイブコンピュータ1において、ダイバーに蓄積される窒素量を計算するための機能構成について説明する。
図3に示すように、ダイブコンピュータ1は、前述した圧力計測部61、計時部68、表示部10及び操作部5のほか、体内窒素量算出部60、体内窒素排出時間算出部91、潜水可能時間算出部92、条件設定部94を備えている。
これら体内窒素量算出部60、体内窒素排出時間算出部91、潜水可能時間算出部92、および条件設定部94は、図2に示したCPU51、ROM53、RAM54によって実行されるソフトウェアによって実現可能である。ただし、これに限らず、ハードウェアである論理回路のみ、あるいは、論理回路とCPUを含む処理回路とソフトウェアとを組み合わせることで実現することも可能である。
【0040】
体内窒素量算出部60は、ダイバーがダイビングを行うことによってそのダイバーの体内に蓄積される窒素の分圧(以下、体内窒素分圧と呼ぶ)を算出するように構成されている。この体内窒素量算出部60は、呼吸気窒素分圧計算部62、呼吸気窒素分圧記憶部63、体内窒素分圧計算部64、体内窒素分圧計算部65、比較部66及び半飽和時間選択部67からなる。
潜水可能時間算出部92は、体内窒素算出部70によって求められた体内窒素分圧に基づいて、上記ダイバーによって無減圧潜水が可能な時間(以下、無減圧潜水可能時間と呼ぶ)を算出する。さらに、潜水可能時間算出部92は、ダイバーが飛行機に搭乗する予定を考慮する場合は、上記の体内窒素算出部70によって求められた体内窒素分圧と、ダイバーによって入力された飛行機搭乗時刻とに基づいて、上記ダイバーが潜水可能な時間を算出する。
また、体内窒素排出時間算出部91は、体内窒素算出部70によって求められた体内窒素分圧に基づいて、上記ダイバーの体内に残留した窒素が水面浮上後に排出されるまでの時間(以下、体内窒素排出時間と呼ぶ)を算出する。
以上が、本実施形態に係るダイブコンピュータ1の構成である。
【0041】
(4)体内窒素分圧の計算方法
ここで、図3を参照しながら、体内窒素分圧の計算方法について説明する。
本実施形態のダイブコンピュータ1において行われる体内窒素分圧の計算方法については、例えばKEN LOYST et al.著の「DIVE COMPUTERS A CONSUMER’S GUIDE TO HISTORY, THEORY & PERFORMANCE」Watersport Publishing Inc.(1991)や、A.A.Buhlmann著の「Decompression−Decompression Sickness」(特に第14頁)、Springer,Berlin(1984)に記載されている。なお、ここで示す体内窒素分圧の計算方法はあくまで一例であり、この他にも各種の方法を用いることができる。
【0042】
この構成例において、まず、圧力計測部61は、時刻tに対応する水圧P(t)を出力する。ここで、P(t)は、大気圧も含めた絶対圧を意味する。
呼吸気窒素分圧計算部62は、圧力計測部61から出力された水圧P(t)に基づいて、ダイバーが呼吸している空気中の窒素分圧(以下、呼吸気窒素分圧PIN2(t)と呼ぶ)を計算し、出力する。
ここで、呼吸気窒素分圧PIN2(t)は、水圧P(t)を用いた次式により算出される。
PIN2(t)=0.79×P(t)[bar]・・・▲1▼
なお、▲1▼式における「0.79」は、空気中に占める窒素の割合を示す数値である。
呼吸気窒素分圧記憶部63は、呼吸気窒素分圧計算部62によって▲1▼式のように計算された呼吸気窒素分圧PIN2(t)の値を記憶する。
【0043】
体内窒素分圧計算部64は、窒素の吸収/排出の速度が異なる体内組織毎にそれぞれ体内窒素分圧を計算することとなる。
例えばある一つの組織を例に取ると、潜水時間t=t0〜tEまでに吸収/排出する体内窒素分圧PGT(tE)は、計算開始時(=t0時)の体内窒素分圧PGT(t0)として、次式によって計算される。
PGT(tE)=PGT(t0)
+{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT)}・・・▲2▼ここで、Kは実験的に求められる定数であり、HTは各組織に窒素が溶け込んで飽和状態の半分に達するまでの時間(以下、半飽和時間と呼ぶ)であり、各組織によって異なる数値である。この半飽和時間HTは、後述するように、PGT(t0)とPIN2(t0)の大小に応じて可変となる。なお、時刻t0や時刻tEなどの時間の計測は、図2に示した計時部68によって管理されている。
【0044】
体内窒素量算出部60は、上記のような体内窒素分圧PGT(t)の計算を所定のサンプリング周期tEで繰り返し実行する。この際、▲1▼式によってサンプリング周期毎に計算された体内窒素分圧PGT(tE)は、体内窒素排出時間算出部91と潜水可能時間算出部92に供給されるほか、比較部66と体内窒素分圧計算部64にPGT(t0)として供給される。これは、即ち、▲2▼式におけるPGT(t0)として前回サンプリング時のPGT(tE)が用いられることを意味している。
【0045】
さて、上記計算に先立ち、比較部75は、呼吸気窒素分圧記憶部63に記憶されている呼吸気窒素分圧PIN2(t0)と、体内窒素分圧記憶部74から供給さえるPGT(t0)とを比較し、その比較結果を半飽和時間選択部74に出力する。
半飽和時間選択部74は、体内窒素分圧計算部64が分圧計算に用いるべき半飽和時間HTを2種類(後述する半飽和時間HT1及びHT2)記憶しており、比較部75による比較結果に応じて半飽和時間HT1或いはHT2を選択し、体内窒素分圧計算部64に出力する。
【0046】
体内窒素分圧計算部64は、半飽和時間選択部74により選択された半飽和時間HT1又はHT2を用いて、時刻t=tEのときの体内窒素分圧PGT(tE)を下式により計算する。
(1) PGT(t0)>PIN2(t0)の場合
PGT(tE)=PGT(t0)
+{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT1)}
・・・▲3▼
(2) PGT(t0)<PIN2(t0)の場合
PGT(tE)=PGT(t0)
+{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT2)}
・・・▲3▼’
なお、上記式▲3▼及び式▲3▼’では、
HT2<HT1
となっている。
なお、
PGT(t0)=PIN2(t0)
の場合には、半飽和時間HTを次式のように定めるのが好ましい。
HT=(HT1+HT2)/2
【0047】
ここで、
PGT(t0)>PIN2(t0)
の場合と、
PGT(t0)<PIN2(t0)
の場合とで、半飽和時間HTが異なる理由について説明する。
まず、
PGT(t0)>PIN2(t0)
の場合は、体内から窒素が排出される場合であり、逆に
PGT(t0)<PIN2(t0)
の場合は、体内へ窒素が吸収される場合である。
すなわち、窒素の排出は窒素の吸収に比較して時間がかかるので、窒素が排出される場合の半飽和時間HT1が窒素を吸収する場合の半飽和時間HT2より長く設定するのである。このように排出時と吸収時とで異なる半飽和時間HTを用いることにより、体内窒素量のシミュレーションをより厳密に行うことができる。従って、この仮想体内窒素算出部80によって求められた窒素分圧に基づいて、後述するような無減圧潜水可能時間や体内窒素排出時間を求める際にも、より正確な値を算出することが可能となる。
体内窒素量算出部60は、上記のような体内窒素分圧PGT(t)の計算を行うことにより、ダイビングを行っているダイバーについて最新の体内窒素分圧を把握することが可能となる。
【0048】
(5)無減圧潜水可能時間及び体内窒素排出時間の算出方法
上記のようにして求められた体内窒素分圧PGT(tE)と、呼吸気窒素分圧計算部62によって算出されるt=tE時の呼吸気窒素分圧PIN2(tE)とに基づいて、無減圧潜水可能時間と体内窒素排出時間とが、以下のようにして算出される。
無減圧潜水可能時間は、▲2▼式において計算されるPGT(tE)が、各組織の許容過飽和窒素量を示すPtolとなる場合の(tE−t0)を求めることによって算出される。このとき、現時点がt0と考えるので、▲2▼式おけるPGT(t0)として、体内窒素量算出部60によって求められた体内窒素分圧PGT(tE)が用いられ、PIN2(t0)として、呼吸気窒素分圧計算部62によって算出される呼吸気窒素分圧PIN2(tE)が用いられる。
即ち、
tE−t0=−HT×(ln(1−f))/K・・・▲4▼
ただし、
f=(Ptol−PGT(tE))/(PIN2(tE)−PGT(tE))である。
この▲4▼式によって、各組織における無減圧潜水可能時間が全て算出され、その中でもっとも小さい値が、求めるべき無減圧潜水可能時間となる。
このようにして算出された無減圧潜水可能時間は、後述するようなダイビングモードにおいて表示されるようになっている。
【0049】
次に、水面浮上後において体内窒素が排出されるまでの体内窒素排出時間の算出方法について説明する。
この体内窒素排出時間を算出するには、前述した
PGT(tE)=PGT(t0)
+{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K(tE−t0)/HT)}・・・▲2▼において、水面浮上時をt0として、PGT(tE)=0となるtEを求めればよい。しかしながら、上記▲2▼式のような指数関数では、tEが無限大にならなければ、PGT(tE)=0とならないため、便宜的に下式を用いて各組織ごとの体内窒素排出時間tZを算出している。
tZ=−HT×ln(1−f)/K・・・▲5▼
ここで、f=(Pde−PIN2)/(0.79−PIN2)である。
ここで、HTは前述した半飽和時間であり、Pdeは各組織ごとの残留窒素排出とみなす窒素分圧(以下、許容窒素分圧と呼ぶ)であり、これらは全て既知の値である。また、PIN2は、水面浮上時の各組織内の窒素分圧であり、体内窒素量計算部60によって算出される値である。
上記▲5▼式によって各組織ごとにtZが算出され、その中でもっとも大きい値が体内窒素排出時間となる。このようにして算出された体内窒素排出時間は、後述するようなサーフェスモードにおいて表示されるようになっている。
【0050】
(6)飛行機搭乗を考慮した場合の潜水可能時間の算出方法
次に、飛行機搭乗を考慮した場合の潜水可能時間の算出方法について説明する。
図4は、潜水開始から飛行機搭乗までのダイバーの体内に蓄積されている窒素量(ここでは、分圧として表現する)の推移を示す模式図である。
図4において、窒素分圧曲線fdは、潜水開始から潜水終了までの時間TD(以下潜水時間と呼ぶ)に間にダイバーの体内に蓄積されている窒素分圧を示している。図4の例では、時間の経過とともに、大気圧における窒素分圧Psurfから最大の窒素分圧Pまで増加していることを意味している。なお、実際のダイビングにおいては、ダイバーは様々に水深の変化させながら潜水するため、必ずしも図示のような滑らかな曲線にはならないが、ここでは、簡単に説明するため、典型的な曲線を例示している。
【0051】
また、窒素分圧曲線fsは、潜水終了から飛行機搭乗までの間にダイバーに蓄積されている窒素分圧を示している。図4の例では、時間の経過とともに、最大の窒素分圧Pからほぼ許容窒素分圧Pdeまで減少していることを意味している。
これら窒素分圧曲線fd及び窒素分圧曲線fsは、ともに上述した▲2▼式によって表現されるものであるが、ダイバーの体内に窒素が吸収されているか排出されているかによって、▲2▼式における{PIN2(t0)−PGT(t0)}の正負が異なるため、窒素分圧曲線fdは上に凸の指数関数となり、窒素分圧曲線fsは下に凸の指数関数となっている。また、前述した体内窒素排出時間tE−t0は、図4においては、時間Tsに相当する。
図4に示すように、飛行機搭乗までの間にダイバーに蓄積されている窒素分圧が許容窒素分圧Pde以下になれば、ダイバーが飛行機に搭乗しても減圧症等が発症するおそれはない。これは、図4を参照すればわかるように、潜水時間TDと体内窒素排出時間Tsの和が、潜水開始から飛行機搭乗までの時間T以下になっておく必要があることを意味している。
【0052】
図5は、潜水開始の時刻が異なる場合のダイバーの体内に蓄積されている窒素分圧の推移を示す模式図である。
図5において、曲線fda及びfsaは、時刻Aから潜水を開始した場合の窒素分圧曲線であり、曲線fdb及びfsbは、時刻Bから潜水を開始した場合の窒素分圧曲線であり、曲線fdc及びfscは、時刻Cから潜水を開始した場合の窒素分圧曲線である。ここで、窒素分圧曲線fsa、fsb及びfscは、全て、飛行機搭乗時に許容窒素分圧Pdeの値をとるようになっている。即ち、時刻A、B、Cから開始された潜水は、それぞれ飛行機搭乗時に体内窒素分圧が許容窒素分圧Pdeの値をとるような、潜水時間が可能な限り長い潜水であることを示している。
【0053】
この場合、図5に示すように、それぞれの潜水終了時の最大の窒素分圧Pmaxは、ある曲線fpmaxの軌跡上に存在することになる。この曲線fpmaxを示す式は、▲2▼式において、PGT(tE)=Pde、PGT(t)=Pmax、PIN2(t0)=Psurf、tE−t0=Tsを代入して、Pmaxについて整理することにより得られ、次式のようになる。
Pmax=Psurf+(Pe−Psurf)/exp(−K・Ts/HT)
・・・▲6▼
なお、▲6▼式が示す曲線fpmaxは、上記窒素分圧曲線fsa、fsb、fscと互いに重なり合う曲線であるが、図5においては説明の便宜上区別できるように別々に図示している。
【0054】
この曲線fpmaxは、ダイバーがどのような時刻から潜水を開始しようが、そのダイバーが飛行機搭乗時に自身の体内窒素分圧を許容窒素分圧Pdeにまで減少できるような、潜水終了時の最大の体内窒素分圧の集合を意味している。従って、ダイバーが安全に飛行機に搭乗するためには、ダイバーの潜水終了時の体内窒素分圧が、曲線fpmaxによって示されるPmax以下の値である必要がある。
そこで、ダイバーの潜水終了時の体内窒素分圧がPmax以下の値となるような最大の潜水時間(以下、潜水可能時間Tdと呼ぶ)を求めてみる。これは、窒素分圧曲線曲線fdと曲線fpmaxとの交点における潜水時間を求めることにほかならない。従って、▲2▼式において、PGT(tE)=Pmax、tE−t0=Tdに置き換え、Tdについて変形した次式によって得られることになる。
Td=(−HT/K)
×ln{(Pmax−PIN2(t0))/(PIN2(t0)−PGT(t0))}
・・・▲7▼
さらに、図5より、
Ts=T−Td・・・▲8▼
という関係が得られる。
そこで、▲6▼式及び▲8▼式を▲7▼式に代入して、
【数1】
Figure 0003546849
という関係式が得られる。従って、この▲9▼式を満たすようなTdを計算すればよい。
具体的には、潜水可能時間算出部92は、条件設定部94によって設定された飛行機搭乗時刻と計時部68から供給される現在時刻とに基づいて現在から飛行機搭乗までの時間Tを算出し、この算出値Tを▲9▼式に代入して、潜水可能時間Tdを算出する。
【0055】
なお、上述の図4ないし図5の説明では、単独に行われるダイビングを前提に説明していた。一方、連続してダイビングを行う場合も、図6に示すように、第2回目の潜水開始時点での体内窒素分圧P0を示す点が体内窒素分圧曲線fd2の起点となるだけで、計算方法は上記と同様である。
【0056】
さて、このようにして潜水可能時間Tdが算出されることとなるが、この潜水可能時間Tdは、1回1回のダイビングにおいて定められる無減圧潜水可能時間を超えるもであってはならない。即ち、図7に示すように、飛行機搭乗までの時間が例えば「数日」というように十分にある場合、上記の計算を行うと、潜水可能時間として例えば何十時間というような大きい数値を算出してしまう。これは、1回のダイビングにおける無減圧潜水可能時間を考慮していないからである。このような場合を避けるべく、潜水可能時間算出部92は、同図に示すPtolを超えない範囲で潜水可能時間を算出する。具体的には、潜水可能時間算出部92は、飛行機搭乗を考慮した潜水可能時間を算出する一方、▲4▼式において説明したように無減圧潜水可能時間を算出し、算出された潜水可能時間と無減圧潜水可能時間とを比較して、小さいほうをダイバーが現実に潜水可能な潜水可能時間Tdとして表示するのである。
ダイバーはこのようにして算出された潜水可能時間Tdを参照することにより、どのようなダイビングであれば、安全に飛行機に搭乗できるかということを把握することができる。
【0057】
B:動作
次に、上記構成からなるダイブコンピュータ1の動作について説明する。
図8は、ダイブコンピュータ1の各種動作モードを模式的に表す図である。図8に示すように、ダイブコンピュータ1の動作モードには、時刻モードST1、サーフェスモードST2、プランニングモードST3、設定モードST4、ダイビングモードST5、ログモードST6及び飛行機搭乗設定モードST7がある。
また、図9〜図14は、各モードにおいて表示される項目をより詳細に説明する図である。なお、これら図8〜図14においては、液晶表示パネル11の表示領域のうち、表示領域11Aに表示される項目のみを表している。
以下、これらの図8〜図14を参照しながら、各種動作モードについて説明する。なお、これらの各種動作モードにおける処理は、前述したように制御部54によって実行される。
【0058】
(1)時刻モード
時刻モードST1は、スイッチ操作を行わず、かつ、体内窒素分圧が平衡状態にあり、陸上で携帯するときの動作モードである。この時刻モードにおいて、液晶表示パネル11には、図9に示すように、現在月日100、現在時刻101及び高度ランク102が表示される。なお、高度ランク=0の場合には高度ランク表示はおこなわれない。
例えば、図9においては、現在月日100が12月5日であり、現在時刻101が10時06分であることを意味しており、特に現在時刻101は、コロン(:)が点滅することによって、現在の時刻を表示していることをユーザに知らせている。
【0059】
この時刻モードST1においてスイッチAを押すと、図9に示すようにプランニングモードST3に移行する。また、スイッチBを押すとログモードST6に移行する。さらにスイッチAを押したままスイッチBを所定時間(例えば、5秒)押し続けると設定モードST4に移行することとなる。
【0060】
(2)サーフェスモード
サーフェスモードST2は、前回のダイビングから48時間経過するまで陸上で携帯するときのモードであり、ダイブコンピュータ1は、前回のダイビングの終了後、ダイビング中に導通状態にあった潜水動作監視スイッチ30が絶縁状態になると自動的にサーフェスモードST2に移行するようになっている。
このサーフェスモードST2においては、時刻モードST1で表示される現在月日100、現在時刻101および高度ランク102の他に、体内窒素排出時間201がカウントダウン表示される。ただし、体内窒素排出時間201として表示すべき時間が0時間00分に至ると、それ以降は無表示状態となる。
また、サーフェスモードST2においては、ダイビング終了後の経過時間が水面休止時間202として表示される。この水面休止時間202は、後述するダイビングモードにおいて、水深が1.5メートルよりも浅くなった次点をダイビングの終了として計時が開始され、ダイビング終了から48時間が経過した時点で無表示状態となる。従って、ダイブコンピュータ1において、ダイビング終了後48時間が経過するまでは陸上において、このサーフェスモードST2となり、それ以降は、時刻モードST1に移行することとなる。
【0061】
例えば図10に示すサーフェスモードST2においては、水面休止時間202が1時間13分、即ち、ダイビング終了後1時間13分経過していることが表示されている。また、これまでに行ったダイビングにより体内に吸収された窒素量が体内窒素グラフ203のマーク4個分に相当することが表示され、この状態から体内の過剰な窒素が排出されて平衡状態なるまでの時間、即ち体内窒素排出時間201が10時間55分であることを表示している。
【0062】
このサーフェスモードST2においてスイッチAを押すと、図8に示すように、プランニングモードST3に移行する。また、スイッチBを押すとログモードST6に移行する。さらにスイッチAを押したままスイッチBを所定時間(例えば、5秒)押し続けると設定モードST4に移行することとなる。
【0063】
(3)プランニングモード
プランニングモードST3は、次に行うダイビングの最大水深と潜水時間の目安を、そのダイビング前に入力することが可能な動作モードである。
このプランニングモードST3においては、図11(b)に示すように、水深ランク301、無減圧潜水可能時間302、水面休止時間202、体内窒素グラフ203が表示される。
水深ランク301のランクは、所定時間毎に順次、表示が変わっていくようになっている。各水深ランク301は、例えば、9m、12m、15m、18m、21m、24m、27m、30m、33m、36m、39m、42m、45m、48mの各ランクがあり、その表示は5秒毎に切り替わるようにされている。
この場合において、時刻モードST1からプランニングモードST3に移行したのであれば、過去の潜水によって体内に過剰な窒素蓄積がない場合、すなわち、初回潜水のプランニングであるため、体内窒素グラフ203の表示マークは0個であり、例えば図11(a)に示すように水深が15mの場合に無減圧潜水可能時間=66分と表示される。これは、水深12m以上15m以下の水深で66分未満までは無減圧潜水が可能であることを表している。
【0064】
これに対して、サーフェスモードST2からプランニングモードST3に移行したのであれば、図11(b)に示すように、過去の潜水によって体内に過剰の窒素蓄積がある反復潜水のプランニングであるため、体内窒素グラフ203においてマークが4個表示され、例えば水深が15mの場合に無減圧潜水可能時間=45分と表示される。これは、水深12m以上15m以下の水深で45分未満までは無減圧潜水が可能であることを表している。
なお、後述するように飛行機搭乗設定モードST7において、飛行機搭乗を考慮した潜水可能時間を表示する設定がなされている場合は、上記の無減圧潜水時間の表示に代えて、安全に飛行機に搭乗するための潜水可能時間が表示されることになる。
【0065】
このプランニングモードST3において、水深ランク301が9mから48mへと順次表示されていく間に、スイッチAを2秒以上押し続けると、図8に示すように、サーフェスモードST2に移行する。
また、水深ランク301が48mと表示された後には、時刻モードST1またはサーフェスモードST2に自動的に移行する。このように所定の期間スイッチ操作がない場合には、サーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に移行するので、その都度スイッチ操作を行う必要がなく、ダイバーにとって便利である。
また、スイッチBを押すとログモードST6に移行する。
【0066】
(4)設定モード
設定モードST4は、現在月日や現在時刻の設定の他に、警告アラームのオン/オフ設定、セーフティレベルの設定を行うための動作モードである。
この設定モードST4では、図12(a)に示すように、現在月日100,現在年106、現在時刻101の他にも、セーフティレベル(図示せず)、アラームのオン/オフ(図示せず)、高度ランク(図示せず)が表示される。これらの表示項目のうち、セーフティレベルは、通常の減圧計算を行うレベルと、ダイビング後に1ランク高い高度ランクの場所へ移動することを前提として減圧計算を行うレベルの二つのレベルを選択することが可能である。
なお、過去の潜水によって体内に過剰の窒素蓄積がある場合には、図12(b)に示すように、体内窒素グラフ203も表示される。
アラームのオン/オフは、報音装置37から各種警告のアラームを鳴らすか否かを設定するための機能であり、アラームをオフに設定しておけば、アラームが鳴ることはない。これは、ダイバーズ用情報処理装置1のように電池切れを極力さける必要がある装置では、アラームのために電力が消費されて不用意に電池切れに至ることをさけることができ、好都合だからである。なお、アラームをオンにする場合としては、浮上速度違反時や減圧潜水時等がある。
【0067】
この設定モードST4では、スイッチAを押す度に設定項目が時、秒、分、年、月、日、セーフティレベル、アラームオン/オフの順に切り替わり、設定対象部分の表示が点滅することとなる。
このとき、スイッチBを押すと設定項目の数値または文字が変わり、押し続けると設定項目の数値や文字が素早く変わる。
また、アラームのオン/オフが点滅している状態でスイッチAを押すとサーフェスモードST2または時刻モードST1に戻ることとなる。
また、アラームのオン/オフが点滅している状態でスイッチAとBとを同時に押すと飛行機搭乗設定モードST7に移行する。
さらにスイッチA、Bのいずれについても予め定めた期間(例えば、1〜2分)操作されなければ、サーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に復帰することとなる。
【0068】
(5)ダイビングモード
ダイビングモードST5とは、潜水時の動作モードであり、無減圧潜水モードST51、現在時刻表示モードST52、減圧潜水表示モードST53、飛行機搭乗潜水モードST54からなる。
図13に示すように、無減圧潜水モードST51では、現在水深501、潜水時間502、最大水深503、無減圧潜水可能時間302、体内窒素グラフ203、高度ランクなどダイビングに必要な情報が表示される。例えば、図13に示す無減圧潜水モードST51においては、ダイビングを開始してから12分が経過し、現在、ダイバーは水深16.8mの深さの場所に位置し、この水深では、あと42分間だけ無減圧潜水を続けることができる旨が表示されている。また、現在までの最大水深503は、20.0mである旨が表示され、さらに現在の体内窒素量は体内窒素グラフ203におけるマーク4個が点灯しているレベルである旨が表示されている。
【0069】
一方、後述する飛行機搭乗設定モードによって、ダイバーが飛行機に搭乗する場合を考慮するような設定がなされている場合には、上記の無減圧潜水モードST51に代えて、このダイバーが飛行機に安全に搭乗できるような潜水可能時間を示す飛行機搭乗潜水モードST54が表示されることになる。例えば図13に示す飛行機搭乗潜水モードST54においては、潜水可能時間501(12分)、現在水深502(16.8m)、最大水深503(20.0m)、体内窒素グラフ203(マーク4個)は、上述した無減圧潜水モードST51と同じ数値が表示されているが、飛行機に安全に搭乗できるような潜水可能時間501は、無減圧潜水可能時間302(42分)より小さい数値(35分)が表示されている。
これは、無減圧潜水は42分まで可能であるが、その後に飛行機に安全に搭乗するためには、35分間の潜水しか許されないことを意味する。
【0070】
このダイビングモードST5においては、急激な浮上が減圧症の原因となることから、浮上速度監視手段が働く。
すなわち、所定時間毎(例えば、6秒毎)に現在の浮上速度を算出するとともに、算出した浮上速度と現在水深に対応する浮上速度上限値とを比較し、算出した浮上速度が浮上速度上限値よりも速い場合には、報音装置37から4[kHz]の周波数でアラーム音(浮上速度違反警告アラーム)を3秒間発するとともに、浮上速度を落とすように液晶表示パネル11において、「SLOW」の表示と、現在水深の表示とを所定周期(例えば、1秒周期)で交互に表示して浮上速度違反警告を行う。さらに振動発生装置38から浮上速度違反である旨を振動でダイバーに警告する。そして浮上速度が正常なレベルにまで低下したときには、浮上速度違反警告を停止することとなる。
【0071】
また、ダイビングモードST5では、スイッチAを押すと、スイッチAが押し続けられている間だけ、現在時刻表示モードST52に移行し、現在時刻101と、現在水温504が表示される。例えば図13に示す現在時刻表示モードST52においては、現在時刻が10時18分であり、現在水温504が23[℃]であることが表示されている。
このように、ダイビングモードST5においてその旨のスイッチ操作があったときには所定の期間だけ現在時刻101や現在水温504の表示を行うため、小さな表示画面内で通常はダイビングに必要なデータだけを表示するように構成したとしても、現在時刻101などを必要に応じて表示できるので便利である。
しかも、このようにダイビングモードST5においても、表示の切り替えにスイッチ操作を用いたので、ダイバーが知りたい情報を適正なタイミングで表示することが可能となっている。
【0072】
また、ダイビングモードST5の状態で、水深が1.5mより浅いところにまで浮上したときには、ダイビングが終了したものとみなされ、潜水により導通状態となって潜水動作監視スイッチ30が絶縁状態になった時点でサーフェスモードST2に自動的に移行する。
なお、水深が1.5m以上となったときから再び水深が1.5m未満となった時までを1回の潜水動作として、この期間中の潜水結果(ダイビングの日付、潜水時間、最大水深などの様々なデータ)がRAM54に記憶される。併せて、今回のダイビング中に上述した浮上速度違反警告が連続して2回以上あった場合には、その旨も潜水結果に含めて記録される。
【0073】
本実施形態のダイブコンピュータ1は、無減圧潜水を前提に構成されているものであるが、減圧潜水を行う必要が生じた場合には、その旨のアラームオンでダイバーに告知し、動作モードを減圧潜水表示モードST53に移行する。
この減圧潜水表示モードST53においては、現在水深501、潜水時間502、体内窒素グラフ203、高度ランク、減圧停止深度505、減圧停止時間506、総浮上時間507を表示する。
例えば図13に示す減圧潜水表示モードST53においては、潜水開始から24分経過し、水深が29.5mのところにいる旨が表示されている。また、体内窒素量が最大許容値を超え危険であるため、安全な浮上速度を守りながら水深3mのところまで浮上し、そこで1分間の減圧停止をするようにとの指示が表示されている。ダイバーは、上記のような表示内容に基づいて減圧停止した後、浮上することとなるが、この減圧を行っている間、体内窒素量が減少傾向にある旨が下向きの矢印509により表示される。
【0074】
(6)ログモード
ログモードST6は、ダイビングモードST5に入った状態で水深1.5mよりも深くに3分以上潜水したときの各種データを記憶、表示する機能である。
このようなダイビングのデータは、ログデータとして潜水毎に順次記憶され、所定数(例えば、10回)の潜水のログデータを記憶保持する。ここで、最大記憶数以上の潜水を行った場合には、古いデータから順に削除され常に最新のログデータが記憶されていることとなる。なお、最大記憶数以上の潜水を行った場合でも、予め設定しておくことにより、ログデータの一部を削除せずに保持するように構成することも可能である。
【0075】
このログモードST6へは、時刻モードST1あるいはサーフェスモードST2において、スイッチBを押すことにより移行することが可能となっている。
ログモードST6においては、ログデータは所定時間(例えば、4秒)毎に切り替わる二つのモード画面を有している。
図14に示すように、第1のログモードST61では、潜水月日601、平均水深609、潜水開始時刻603、潜水終了時刻604、高度ランク、潜水を終了した時点における体内窒素グラフ203が表示される。
第2のログモードST62では、潜水を行った日における何回目の潜水であるかを示すログナンバー605、最大水深608、潜水時間606、最大水深時の水温607、高度ランク、潜水を終了したときの体内窒素グラフ203が表示される。例えば、図14に示す状態では、高度ランク=0の状態において、12月5日の2回目のダイビングでは、潜水が10時07分に開始され、10時45分で終了し、38分間の潜水であった旨が表示されている。
このときのダイビングでは、平均水深が14.6m、最大水深が26.0m、最大水深時の水温607=23[℃]であり、ダイビング終了後、体内窒素グラフ203のマークが4個点灯に相当する窒素ガスが体内に吸収されていた旨を表している。
【0076】
このように本実施形態のログモードST6においては、2つのモード画面を自動的に切り替えながら各種情報を表示するので、表示画面が小さくても実質的に表示可能な情報量を多くする事ができ、視認性が低下することがない。
【0077】
さらにログモードST6においては、スイッチBを押す度に新しいデータから古いデータに順次表示が切り替わり、最も古いログデータが表示された後は、時刻モードST1またはサーフェスモードST2に移行する。
全ログデータのうち一部のログデータを表示し終わった状態においても、スイッチBを2秒以上押し続けることにより時刻モードST1またはサーフェスモードST2に移行することができる。
さらにスイッチA、Bのいずれもが所定時間(1〜2分)操作されない場合であっても、動作モードがサーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に復帰する。従ってダイバーがスイッチ操作を行う必要がなく使い勝手が向上している。
また、スイッチAを押すとプランニングモードST3に移行する。
【0078】
(7)飛行機搭乗設定モード
飛行機搭乗設定モードST7は、ダイバーが潜水終了後に飛行機に搭乗することが予定されている場合に、その飛行機搭乗に関する情報を入力・設定するための動作モードである。
以下では、ダイバーが、現在(1996年12月5日)から4日後(1996年の12月9日)の18:00に飛行機に搭乗する場合を例に挙げて、動作説明を行う。
【0079】
前述したように、ダイバーは、まず、設定モードST4からスイッチA及びBの同時押しによって飛行機搭乗設定モードST7に移行させる。
【0080】
飛行機搭乗設定モードST7に移行した直後は、図15に示す飛行機搭乗設定モードST7において搭乗予定時刻702の内の「時」のみが点滅状態となっており、これにより搭乗予定時刻702の「時」が入力可能状態となっていることをダイバーに示している。
【0081】
ここで、ダイバーがスイッチBを押すと、その押下操作の度に、図15に示す「時」が1時間づつ加算されるので、ダイバーは複数回スイッチAを押して所望の「時」に調節する。なお、ダイバーが所定時間以上スイッチAを押すと、「時」の表示は早送りされるようになっている。これは「時」の入力時に限らず、以下に述べる分、年、月、日の入力時であっても同様である。
【0082】
ダイバーが所望の「時」に調節した後、スイッチAを押すと、これに応じて、次は、搭乗予定時刻702の内の「分」のみが点滅状態となる。これは、上記と同様に、搭乗予定時刻702の「分」が入力可能状態となっていることをダイバーに示している。この状態において、ダイバーがスイッチBを押すと、その押下操作の度に、図15に示す「分」が1分づつ加算されるので、ダイバーは複数回スイッチAを押して所望の「分」に調節する。
このように、搭乗予定時刻を入力した後、ダイバーがスイッチAを押すと、これに応じて、搭乗予定年703のが点滅状態となる。これは、上記と同様に、搭乗予定年703が入力可能状態となっていることをダイバーに示している。
以上のように、入力項目を変えたい場合はスイッチAを押し、その入力項目に数値を入力したい場合はスイッチBを押すことにより、ダイバーが予定している飛行機搭乗に関する情報が、時、分、年、月(飛行機搭乗月日701)、日(飛行機搭乗月日701)の順に入力される。
【0083】
ダイバーは、搭乗予定月日701を入力した後、スイッチAを押すと、これに応じて、飛行機搭乗を考慮した潜水可能時間を表示するか否かを選択するためのON/OFF設定表示704が点滅状態となる。この状態において、ダイバーがスイッチBを押す度に、図15に示すような「ON」と図示せぬ「OFF」とが入れ替わり表示される。このON/OFFを確認したダイバーがスイッチBを押すと、入力された情報が確定される。ここでは、ONの表示状態で確定され、この結果、ダイバーがダイビング中は、飛行機搭乗時刻を考慮した潜水可能時間を表示するような飛行機搭乗潜水モードST54が表示されるようになる。
なお、ON/OFF設定表示704の点滅時において、スイッチAが押されるとサーフェスモードST2に移行する。
【0084】
また、スイッチA、Bのいずれもが所定時間(1〜2分)操作されない場合は、動作モードがサーフェスモードST2または時刻モードST1に自動的に復帰する。従ってダイバーがスイッチ操作を行う必要がなく使い勝手が向上している。
【0085】
上述した実施形態によれば、ダイバーがダイビングを行った後に、飛行機に搭乗するような気圧の変化を伴う移動を行う場合に、その移動が安全に行われるためにはどのようなダイビングを行えばよいかをダイバーに提示することができる。これにより、ダイバーに対する危険を回避することができ、より一層の安全の確保することができる。
【0086】
C:変形例
(1)潜水可能時間Tdの計算方法
実施形態では、▲9▼式を満たす潜水可能時間Tdを求めればよいと説明した。ただし、▲9▼式を満たす潜水可能時間Tdを算出する処理に相当な時間がかかるような場合は、以下のようにしておおよその潜水可能時間Tdを求めてもよい。
潜水可能時間Tdを求めるためには、前述したように、▲2▼式をTdで示した
PGT(Td)=PGT(t0)
+{PIN2(t0)−PGT(t0)}
×{1−exp(−K・Td/HT)}・・・▲2▼’
によって算出される潜水終了時のPGT(Td)が、▲6▼式をTdで示した
Pmax=Psurf+(Pe−Psurf)/exp(−K・(T−Td)/HT)
・・・▲6▼’
によって算出されるPmax以下であるようなTdの値を求めればよい。
従って、図16に示すように、両式▲2▼’及び▲6▼’のTdに対し、例えば0分、1分、2分、3分というように1分単位で時間を代入し、これによって得られるPGT(Td)(図16中の○印)とPmax(図16中の△印)とを比較し、PmaxよりPGT(Ts)が大きくなった場合のTd(図16中に示す46分)の1回前に代入したTd(図16中に示す45分)を、求めるTd値とすればよい。このようにすれば、正確な潜水過剰時間Tdを求めるには相当な時間が必要な場合であっても、より迅速に潜水可能時間Tdを求めることができる。
【0087】
(2)不活性ガスの種類
本実施形態では、不活性ガスとして窒素を想定しているが、これに限らず、例えばヘリウム等のガスであってもよい。
【0088】
(3)ROM53に記憶されたプログラム
実施形態では、上述した各種動作を行うためのプログラムが予めROM53に記憶されていることを前提としていた。ただし、これに限らず、図示せぬパーソナルコンピュータとダイブコンピュータ1を通信接続し、このパーソナルコンピュータからダイブコンピュータ1に上記プログラムをダウンロードするような形態であってもよい。この場合、ダイブコンピュータ1内の書き換え可能な不揮発性メモリ(図示略)にプログラムが記憶されることになる。そして、CPU51は、この不揮発性メモリからプログラムを読み出して、これを実行すればよい。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、ダイバーが気圧の減少を伴う移動を予定している場合、その移動の安全性に関する情報をダイバーに提示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイブコンピュータを正面から見た場合の外観構成を示す模式図である。
【図2】同実施形態に係るダイブコンピュータの電気的構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態に係るダイブコンピュータの機能構成を示すブロック図である。
【図4】潜水開始から飛行機搭乗までのダイバーの体内に蓄積されている窒素分圧の推移を示す模式図である。
【図5】潜水開始時点が異なる場合におけるダイバーの体内に蓄積されている窒素分圧の推移を示す模式図である。
【図6】連続した潜水を行う場合におけるダイバーの体内に蓄積されている窒素分圧の推移を示す模式図である。
【図7】無減圧潜水を考慮する必要を説明する模式図である。
【図8】同実施形態に係るダイブコンピュータの各種動作モードの遷移図である。
【図9】同実施形態における時刻モードの説明図である。
【図10】同実施形態におけるサーフェスモードの動作説明図である。
【図11】同実施形態におけるプランニングモードの動作説明図である。
【図12】同実施形態における設定モードの動作説明図である。
【図13】同実施形態におけるダイビングモードの動作説明図である。
【図14】同実施形態におけるログモードの動作説明図である。
【図15】同実施形態における飛行機搭乗設定モードの動作説明図である。
【図16】同実施形態の変形例における潜水可能時間の算出方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1・・・ダイブコンピュータ(ダイバーズ用情報処理装置)、
5・・・操作部(入力手段)、
10・・・表示部(出力手段)、
37・・・報音装置(出力手段)、
38・・・振動発生装置(出力手段)
50・・・制御部(水圧設定手段、潜水時間設定手段、ガス量算出手段、演算手段)、
61…圧力計測部(水圧設定手段)
68…計時部(潜水時間設定手段)
60・・・体内窒素量算出部(ガス量算出手段)、
91・・・体内窒素排出時間算出部、
92・・・潜水可能時間算出部(演算手段)、
94・・・条件設定部(記憶部)。

Claims (10)

  1. ダイバーが潜水を行う際の水圧を設定する水圧設定手段と、
    前記ダイバーが潜水を行う潜水時間を設定する潜水時間設定手段と、
    前記水圧設定手段によって設定された水圧と前記潜水時間設定手段によって設定された潜水時間とに基づいて、ダイバーが行う潜水によって前記ダイバーの体内に蓄積される不活性ガスの量を算出するガス量算出手段と、
    前記ダイバーが予定している、気圧の減少を伴う移動に関する移動情報を入力するための入力手段と、
    前記入力された移動情報を記憶する記憶手段と、
    前記ガス量算出手段によって算出された不活性ガスの量と、前記記憶手段によって記憶されている移動情報とに基づいて、前記ダイバーが前記移動を安全に行うことができるような潜水可能時間を算出する演算手段と、
    前記演算手段によって算出された潜水可能時間を出力する出力手段と
    を備えたことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  2. 請求項に記載のダイバーズ用情報処理装置において、
    前記演算手段は、
    前記潜水において無減圧潜水が可能な無減圧潜水可能時間を算出する算出手段と、
    前記算出された無減圧潜水可能時間が前記算出された潜水可能時間より小さい場合には、当該算出された無減圧潜水可能時間を前記潜水可能時間として選択する選択手段とを備え、
    前記出力手段は、前記選択された潜水可能時間を出力する
    ことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  3. 請求項又はに記載のダイバーズ用情報処理装置において、
    前記演算手段は、
    前記ガス量算出手段によって算出された不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線と、前記記憶手段によって記憶されている移動情報に基づいて前記移動までの不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線との交点を求めることによって、前記潜水可能時間を算出することを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  4. 請求項又はに記載のダイバーズ用情報処理装置において、
    前記演算手段は、
    前記ガス量算出手段によって算出された不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線と、前記記憶手段によって記憶されている移動情報に基づいて前記移動までの不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線との交点の前後点を求めることによって、前記潜水可能時間を算出することを特徴とするダイバーズ用情報処理装置。
  5. ダイバーが潜水を行う際の水圧を設定する水圧設定ステップと、
    前記ダイバーが潜水を行う潜水時間を設定する潜水時間設定ステップと、
    前記水圧設定ステップによって設定された水圧と前記潜水時間設定ステップによって設定された潜水時間とに基づいて、ダイバーが行う潜水によって前記ダイバーの体内に蓄積される不活性ガスの量を算出するガス量算出ステップと、
    前記ダイバーが予定している、気圧の減少を伴う移動に関する移動情報の入力を受け付ける受付ステップと、
    前記入力された移動情報を記憶する記憶ステップと、
    前記ガス量算出ステップによって算出された不活性ガスの量と、前記記憶ステップによって記憶されている移動情報とに基づいて、前記ダイバーが前記移動を安全に行うことができるような潜水可能時間を算出する演算ステップと、
    前記演算ステップによって算出された潜水可能時間を出力する出力ステップと
    を備えたことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置の制御方法。
  6. 請求項に記載のダイバーズ用情報処理装置の制御方法において、
    前記演算ステップは、
    前記潜水において無減圧潜水が可能な無減圧潜水可能時間を算出する算出ステップと、
    前記算出された無減圧潜水可能時間が前記算出された潜水可能時間より小さい場合には、当該算出された無減圧潜水可能時間を前記潜水可能時間として選択する選択ステップとを備え、
    前記出力ステップは、前記選択された潜水可能時間を出力する
    ことを特徴とするダイバーズ用情報処理装置の制御方法。
  7. 請求項又はに記載のダイバーズ用情報処理装置の制御方法において、
    前記演算ステップは、
    前記ガス量算出ステップによって算出された不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線と、前記記憶ステップによって記憶されている移動情報に基づいて前記移動までの不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線との交点を求めることによって、前記潜水可能時間を算出することを特徴とするダイバーズ用情報処理装置の制御方法。
  8. 請求項又はに記載のダイバーズ用情報処理装置の制御方法において、
    前記演算ステップは、
    前記ガス量算出ステップによって算出された不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線と、前記記憶ステップによって記憶されている移動情報に基づいて前記移動までの不活性ガスの量の時間的変位を示す曲線との交点の前後点を求めることによって、前記潜水可能時間を算出することを特徴とするダイバーズ用情報処理装置の制御方法。
  9. ダイバーが潜水を行う際の水圧を設定する水圧設定機能と、
    前記ダイバーが潜水を行う潜水時間を設定する潜水時間設定機能と、
    前記水圧設定機能によって設定された水圧と前記潜水時間設定機能によって設定された潜水時間とに基づいて、ダイバーが行う潜水によって前記ダイバーの体内に蓄積される不活性ガスの量を算出するガス量算出機能と、
    前記ダイバーが予定している、気圧の減少を伴う移動に関する移動情報の入力を受け付ける受付機能と、
    前記入力された移動情報を記憶する記憶機能と、
    前記ガス量算出機能によって算出された不活性ガスの量と、前記記憶機能によって記憶されている移動情報とに基づいて、前記ダイバーが前記移動を安全に行うことができるような潜水可能時間を算出する演算機能と、
    前記演算機能によって算出された潜水可能時間を出力する出力機能と
    をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  10. 請求項記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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