JP3546637B2 - コネクティングロッドの軸受部分割装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関におけるピストンとクランク軸とを連接するコネクティングロッドにおけるビグエンドの軸受部のビグエントキャップを分割する分割装置に係り、さらに詳細には、分割のための内圧によるワークの変形を抑制するための外圧を付与し、この外圧を瞬間的に解放してビグエンドキャップの分割を瞬間的に行う装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に係る先行例として、例えば特開昭64−64729号公報および特開平6−42527号公報等がある。
【0003】
上記各先行例より明らかなように、コネクティングロッドにおけるビグエンドの軸受部のビグエンドキャップを分割するには、先ず、上記軸受部の軸受孔内に外周面が半円弧状の一対のダイスを内装する。次に、上記一対のダイス間に楔部材を挿入して上記一対のダイスを互に離反せしめることによってビグエンドキャップの分割が行われている。
【0004】
前述のごとく、コネクティングロッドにおけるビグエンドのビグエンドキャップを分割する際、軸受部の軸受孔内に内装した一対のダイス間に楔部材を挿入すると、一対のダイスは互に離反する方向への押圧力を受け、ビグエンドの軸受部には内圧が作用し、この内圧が次第に大きくなる。そして、上記内圧が所定の高圧に達するとビグエンドキャップが軸受部の軸受孔の中心を通る線(以下分割線と称す)に略沿って分割されることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、コネクティングロッドにおけるビグエンドの軸受部の内圧が次第に上昇され、所定の高圧に達してビグエンドキャップが分割されるとき、軸受部に内圧が作用してから所定の高圧に達するまでの時間が長いと、軸受部に変形を生じ易く精度維持に問題があるので、前記所定の高圧を瞬間的に与えるようにしている。
【0006】
したがって、従来は、所定の高圧を瞬間的に与えるために高速、大容量のプレスを必要とするという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、ワーク載置台上にセットされたコネクティングロッドの軸受部の分割線に対して直交する方向から外圧を付与する第1の外圧付与装置を設けると共にコネクティングロッドのビグエンド側から外圧を付与する第2の外圧付与装置を設け、前記軸受部の軸受孔内に前記分割線に対して交差する方向の内圧を付与する内圧付与装置を設け、前記内圧付与装置によって付与される内圧が前記軸受部を分割し得る内圧にあるときに前記第1,第2の少なくとも一方の外圧付与装置の外圧を瞬間的に解放する構成としてなり、前記第2の外圧付与装置の中央部に、前記ビグエンドから分割されるビグエンドキャップの外周面に面接触した押圧接触片を押圧する押圧突出部を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、内圧付与装置による内圧の付与および第1,第2の外圧付与装置による外圧の付与が行われていることを検出するための検出装置を設けてなることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、第1,第2の外圧付与装置による外圧の付与及び内圧付与装置による内圧の付与が共に行なわれて所定時間経過後に第1,第2の少なくとも一方の外圧付与装置の外圧を瞬間的に解放する構成であることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、第1,第2の外圧付与装置および内圧付与装置は流体圧装置からなり、かつ共通の圧力源に接続してあることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記第1,第2の外圧付与装置に、ワーク載置台上にセットされたコネクティングロッドの軸受部の分割線に対して直交する方向から前記軸受部の外側を押圧固定可能のクランプジョーをそれぞれ設け、上記各クランプジョーを、前記軸受部に対して接近離反する方向へ移動可能に設けると共に、上記各クランプジョーを、前記分割線およびコネクティングロッドの長手方向に対し直交する方向の軸心回りに回動可能に設けてなることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、ワーク載置台上にセットされたコネクティングロッドの軸受部の分割線に対して直交する方向から外圧を付与する第1の外圧付与装置を設けると共にコネクティングロッドのビグエンド側から外圧を付与する第2の外圧付与装置を設け、前記軸受部の軸受孔内に前記分割線に対して交差する方向の内圧を付与する内圧付与装置を設け、前記内圧付与装置によって付与される内圧が前記軸受部を分割し得る内圧にあるときに前記第1,第2の少なくとも一方の外圧付与装置の外圧を瞬間的に解放する構成としてなり、前記第2の外圧付与装置の中央部に、前記ビグエンドから分割されるビグエンドキャップの外周面に面接触した押圧片を押圧する押圧突出部を備えてなるものであるから、内圧、外圧による軸受部の変形を抑制できる。また、外圧を急激に解放することにより、高圧の内圧によって軸受部を瞬間的に分割することができる。
【0017】
したがって、内圧付与装置による内圧を、軸受部を分割し得る内圧に上昇せしめることのできる加圧装置であれば良く、瞬間的に内圧を上昇せしめる必要がないので、加圧装置を小型にすることができる。
【0018】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、内圧付与装置による内圧の付与および第1,第2の外圧付与装置による外圧の付与が行われていることを検出するための検出装置を設けてなるものであるから、内圧の付与及び外圧の付与の有無を検出することができ、内圧又は外圧のみが付与される不都合を防止し得るものである。
【0019】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の発明において、第1,第2の外圧付与装置による外圧の付与及び内圧付与装置による内圧の付与が共に行なわれて所定時間経過後に第1,第2の少なくとも一方の外圧付与装置の外圧を瞬間的に解放する構成であるから、内圧付与装置による内圧が軸受部を分割可能な圧力に上昇した後に外圧が瞬間的に解放されることになり、内圧の圧力不足を生じることがなく、確実に分割することができるものである。
【0020】
請求項4に係る発明は、請求項1,2又は3に記載の発明において、第1,第2の外圧付与装置および内圧付与装置は流体圧装置からなり、かつ共通の圧力源に接続してあるから、内圧と外圧との均衡を図ることが容易である。
【0021】
請求項5に係る発明は、第1,第2の外圧付与装置に、ワーク載置台上にセットされたコネクティングロッドの軸受部の分割線に対して直交する方向から前記軸受部の外側を押圧固定可能の第1,第2のクランプジョーをそれぞれ設け、上記各クランプジョーを、前記軸受部に対して接近離反する方向へ移動可能に設けると共に、上記各クランプジョーを、前記分割線およびコネクティングロッドの長手方向に対し直交する方向の軸心回りに回動可能に設けてなるものであるから、例えばコネクティングロッドのセットあるいはクランプジョーとの当接部に多少の誤差等がある場合であっても、各部を均衡を保持して押圧固定することができるものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1,図2を参照するに、コネクティングロッド1におけるビグエンド3の軸受部5のビグエンドキャップ7を分割するための分割装置9は、プレスにおけるボルスタ上に取付け可能のベースプレート11を備えている。
【0023】
上記ベースプレート11上には、複数のボルト、固定ピン等の適宜の固定具を介してワーク載置台としての固定プレート13が一体に固定してあり、この固定プレート13には、コネクティングロッド1におけるスモールエンドのピストンピン穴15に係合してコネクティングロッド1の位置決めを行うための位置決めピン17が立設してある。上記固定プレート13の一端部は、前記位置決めピン17にコネクティングロッド1のピストンピン穴15を嵌合して位置決めしたとき、上記コネクティングロッド1のビグエンドキャップ7を分割する分割線CLに近接した位置に設けてある。
【0024】
また、前記ベースプレート11上には、前記固定プレート13における前記一端部の両コーナ部に連結した一対のガイド部材19が固定してあり、このガイド部材19にはスライドプレート21が移動可能に支持されている。このスライドプレート21は、コネクティングロッド1のビグエンド3から分割されるビグエンドキャップ7を支持するもので、前記分割線CLに対して直交する方向で前記固定プレート13に対して接近離反する方向へ移動可能に前記ガイド部材19に支持されている。
【0025】
前記コネクティングロッド1の軸受部5のビグエンドキャップ7を前記分割線CLに沿って分割するために、上記軸受部5の軸受孔5Hに外方向への内圧を付与するための内圧付与装置23が設けてあると共に、上記内圧付与装置23に抗して前記軸受部5に内方向の外圧を付与するための第1,第2の外圧付与装置25,27が対向して設けてある。
【0026】
より詳細には、前記内圧付与装置23は、前記固定プレート13上にセットされた前記コネクティングロッド1における軸受部5の軸受孔5Hの内周面と接合するように上記軸受孔5H内に配置される一対のダイス29A,29Bを備えている。
【0027】
上記一対のダイス29A,29Bは、前記分割線CLに沿って分割した態様の半円盤状をなしており、その互の対向面には、上記各ダイス29A,29Bを互に離反せしめるための楔部材31が挿入される係合凹部33A,33Bがそれぞれ形成してあり、ビグエンドキャップ7に対応する一方のダイス29Bの係合凹部33Bには前記楔部材31の傾斜面31Sと接合する傾斜面33Sが形成してある。また、ダイス29A,29Bの円弧状の外周面は前記軸受孔5Hの内周面に面接触するように形成してある。
【0028】
前記楔部材31は、例えば油圧プレス(図示省略)等における流体圧シリンダ35に上下動可能に備えたピストンロッド35Pに適宜に連結してある。
【0029】
上記構成により、流体圧シリンダ35を作動して楔部材31を一対のダイス29A,29Bの係合凹部33A,33Bに挿入すると、上記楔部材31の傾斜面31Sと一方のダイス29Bにおける傾斜面33Sとが接合し、各ダイス29A,29Bを離反せしめようとする分力が作用し、軸受部5の軸受孔5Hには分割線CLに対し直交する外方向の内圧が作用することになる。
【0030】
そして、上記内圧が所定の高圧になると、コネクティングロッド1におけるビグエンド3からビグエンドキャップ7が分割線CLに沿って分割されるものである。
【0031】
前記第1の外圧付与装置25は、前記分割線CLに対し直交しかつコネクティングロッド1の長手方向でスモールエンド側からビグエンド3側方向へビグエンド3を押圧すべく、軸受部5の軸受孔5Hに対し内方向へ向う外圧を付与する作用をなすものである。
【0032】
上記第1の外圧付与装置25は、例えばベースプレート11等の固定部に固定した固定ブラケット39に取付けた流体圧シリンダ41を備えており、この流体圧シリンダ41に往復動可能に備えたピストンロッド41Pには支持プレート43が適宜に連結してある。この支持プレート43の下部には、前記分割線CLと平行な方向およびコネクティングロッド1の長手方向の両方に対して直交する方向の枢軸45を介してクランプジョー47が揺動可能に支持されている。
【0033】
上記クランプジョー47は、前記コネクティングロッド1におけるビグエンド3の両側部を押圧する作用をなすもので、図2に示すように、コネクティングロッド1の長手方向に対し直交する方向の両側に、先端部を円弧面状に形成した押圧突出部47A,47Bを備えたほぼコの字形状に形成してある。
【0034】
上記構成により、流体圧シリンダ41を作動して前記クランプジョー47の押圧突出部47A,47Bをビグエンド3の両側に当接せしめるとき、例えばビグエンド3の両側の当接部位にバラツキがあるような場合であっても、枢軸45を中心としてクランプジョー47が揺動することにより、前記ビグエンド3の両側部に均等に外圧を付与することができるものである。
【0035】
前記第2の外圧付与装置27は、前記コネクティングロッド1におけるビグエンド3から分割されるビグエンドキャップ7に外圧を付与する作用をなすものであって、前記第1の外圧付与装置25と対向して設けてある。
【0036】
上記第2の外圧付与装置27は前述した第1の外圧付与装置25と同様の構成であって、例えばベースプレート11等の固定部に固定した固定ブラケット49に取付けた流体圧シリンダ51を備えている。この流体圧シリンダ51に往復動可能に備えたピストンロッド51Pに適宜に連結した支持プレート53の下部には、前記枢軸45同様の枢軸55を介してクランプジョー57が揺動可能に支持されている。
【0037】
上記クランプジョー57は、前記ビグエンド3から分割されるビグエンドキャップ7の両側部を押圧する押圧突出部57A,57Bを両側に備えたほぼコの字形状をなしており、上記両押圧突出部57A,57Bの間には、前記ビグエンドキャップ7の外周面に面接触した押圧接触片59を押圧する押圧突出部57Cを備えている。
【0038】
上記構成により、クランプジョー57は、前記クランプジョー47と同様に機能してビグエンドキャップ7の両側部に均等に外圧を付与することができると共にビグエンドキャップ7の外周面のほぼ中央部に外圧を付与することができるものである。
【0039】
図3は、前記内圧付与装置23における流体圧シリンダ35および第1,第2の外圧付与装置25,27における流体圧シリンダ41,51の作動を制御するための流体圧回路を概念的、概略的に示したものである。上記各流体圧シリンダ35,41,51と圧力源Pおよびリターン回路Rとの間にはそれぞれ4ポート2位置の回路切換弁としてのソレノイドバルブ61,63,65が配置してあり、かつ各流体圧シリンダ35,41,51に流体圧を供給して、前記内圧付与装置23によって前記軸受孔5Hに内圧を付与した状態にあるか否か、また第1,第2の外圧付与装置25,27によって前記ビグエンド3の軸受部5に外圧を付与したか否かを検出する検出装置が設けられている。
【0040】
上記検出装置としては、各流体圧シリンダ35,41,51の内圧を検出する構成とすることも可能であるが、本例においては、各流体圧シリンダ35,41,51における各ピストンロッド35P,41P,51Pの伸張状態を検出するリミットスイッチLS35A,LS41A,LS51Aおよび各ピストンロッド35P,41P,51Pの収縮状態を検出するリミットスイッチLS35B,LS41B,LS51Bにて例示してある。
【0041】
なお、図3は各流体圧シリンダ35,41,51の作動の理解を容易にするために、あくまでも概略的、概念的に例示したにすぎないものであり、実際的には、前述の楔部材31の形状や各流体圧シリンダ35,41,51の受圧面積等に対応して圧力制御弁を設けて各流体圧シリンダ35,41,51の内圧を最適な圧力に制御し得るものである。
【0042】
以上のごとき構成において、初期状態においては、ソレノイドバルブ61,63,65におけるソレノイド61A,63A,65Aが励磁され、各流体圧シリンダ35,41,51における各流体圧室35A,41A,51Aに作動流体が供給され、各リミットスイッチLS35B,LS41B,LS51Bが各ピストンロッド35P,41P,51Pに連動するように設けた各ドグ35D,41D,51Dによって作動された状態にある。
【0043】
上述のごとき初期状態にあるときに、コネクティングロッド1におけるスモールエンドのピストンピン穴15を位置決めピン17と嵌合し、固定プレート13上にコネクティングロッド1をセットする。次に、図2に示すように、上記コネクティングロッド1におけるビグエンド3の軸受部5における軸受孔5H内に一対のダイス29A,29Bを内装する。
【0044】
上述のごとく軸受孔5H内に一対のダイス29A,29Bを内装した状態にあるときに、第1の外圧付与装置25のソレノイドバルブ63のソレノイド63Bを励磁して回路を切換えて、流体圧シリンダ41における流体圧室41Bへ作動流体を供給すると、クランプジョー47の押圧突出部47A,47Bが、図2に示すように、コネクティングロッド1におけるビグエンド3の両側に当接し押圧することになり、リミットスイッチLS41Aがドグ41Dによって作動される。
【0045】
また、ソレノイドバルブ61におけるソレノイド61Bを励磁すると、内圧付与装置23における流体圧シリンダ35の流体圧室35Bに作動流体が供給され、楔部材31が一対のダイス29A,29Bにおける係合凹部33A,33Bに挿入され、リミットスイッチLS35Aがドグ35Dによって作動される。
【0046】
さらに、第2の外圧付与装置27におけるソレノイドバルブ65のソレノイド65Bを励磁すると、流体圧シリンダ51における流体圧室51Bに作動流体が供給され、クランプジョー57における押圧突出部57A,57B,57Cによってコネクティングロッド1におけるビグエンド3のビグエンドキャップ7側の両側および中央部に当接し押圧することになり、ドグ51DによってリミットスイッチLS51Aが作動される。
【0047】
上述のごとく、各流体圧シリンダ35,41,51における各流体圧室35B,41B,51Bに作動流体が供給され、各ドグ35D,41D,51Dによって各リミットスイッチLS35A,LS41A,LS51Aが作動された状態になると、各流体圧シリンダ35,41,51が共通の圧力源Pに接続されていることにより、各流体圧室35B,41B,51B内の圧力が共に次第に上昇する。
【0048】
前述のごとく、流体圧シリンダ35の作動によって楔部材31が一対のダイス29A,29Bにおける係合凹部33A,33B内に挿入されると、軸受部5の軸受孔5Hに内圧が付与され、ビグエンド3からビグエンドキャップ7を分割線CLに沿って分割する傾向にある。
【0049】
しかし、流体圧シリンダ41,51の作動によって各クランプジョー47,57がビグエンド3を挾み込むように押圧するので、各クランプジョー47,57によって前記ビグエンドキャップ7の分割を抑制すべく内方向へのほぼ均衡する外圧が付与され、前記軸受部5の変形が抑制されると共にビグエンドキャップ7の分割が抑制された状態にある。
【0050】
前述のごとく、各ドグ35D,41D,51Dによって各リミットスイッチLS35A,LS41A,LS51Aが作動されると、タイマ(図示省略)がセットされる。このタイマは、内圧付与装置23における流体圧シリンダ35の流体圧室35B内の圧力が上昇し始めて、上記内圧が前記軸受部5のビグエンドキャップ7を分割線CLに沿って分割し得る内圧になるまで待つ時間を設定するものであって、このタイマの設定時間になると、第1,第2の外圧付与装置25,27におけるソレノイドバルブ63,65のソレノイド63A,65Aの励磁に切換えられる。
【0051】
上述のごとく、第1,第2の外圧付与装置25,27におけるソレノイドバルブ63,65のソレノイド63A,65Aの励磁に切換えられると、各クランプジョー47,57による押圧が急激に解消されるので、ビグエンド3の軸受部5に対する外圧が解放されることとなり、内圧付与装置23における流体圧シリンダ35によって軸受孔5Hに付与されていた外方向への内圧と前記クランプジョー47,57による内方向への外圧との均衡が崩れ、前記内圧によってビグエンド3のビグエンドキャップ7が分割線CLに沿って瞬間的に分割されることになる。上述のごとくビグエンドキャップ7を分割した後、ソレノイドバルブ61におけるソレノイド61Aを励磁することにより、前述した初期状態に復帰することになる。
【0052】
したがって、本例によれば、内圧付与装置23における流体圧シリンダ35は、ビグエンドキャップ7を分割可能な圧力に上昇し得る程度の能力があれば良く、例えば油圧プレスとしては比較的小型のプレスで良いことになる。
【0053】
また、前記ビグエンドキャップ7を分割する際には内圧に抗して外圧を付与した状態において外圧を急激に解放し、瞬間的にビグエンドキャップ7の分割を行うものであるから、前記軸受部5の変形を効果的に阻止することができ精度維持が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコネクティングロッドの軸受部分割装置を示すもので、図2におけるI−I線に沿った断面説明図である。
【図2】図1におけるII−II線に沿った矢視説明図である。
【図3】流体圧シリンダの動作を説明するために概略的に示した流体圧回路の説明図でる。
【符号の説明】
1 コネクティングロッド
3 ビグエンド
5 軸受部
5H 軸受孔
7 ビグエンドキャップ
23 内圧付与装置
25,27 外圧付与装置
29A,29B ダイス
31 楔部材
35 流体圧シリンダ
41 流体圧シリンダ
47 クランプジョー
51 流体圧シリンダ
57 クランプジョー
Claims (5)
- ワーク載置台上にセットされたコネクティングロッドの軸受部の分割線に対して直交する方向から外圧を付与する第1の外圧付与装置を設けると共にコネクティングロッドのビグエンド側から外圧を付与する第2の外圧付与装置を設け、前記軸受部の軸受孔内に前記分割線に対して交差する方向の内圧を付与する内圧付与装置を設け、前記内圧付与装置によって付与される内圧が前記軸受部を分割し得る内圧にあるときに前記第1,第2の少なくとも一方の外圧付与装置の外圧を瞬間的に解放する構成としてなり、前記第2の外圧付与装置の中央部に、前記ビグエンドから分割されるビグエンドキャップの外周面に面接触した押圧接触片を押圧する押圧突出部を備えていることを特徴とするコネクティングロッドの軸受部分割装置。
- 請求項1に記載の発明において、内圧付与装置による内圧の付与および第1,第2の外圧付与装置による外圧の付与が行われていることを検出するための検出装置を設けてなることを特徴とするコネクティングロッドの軸受部分割装置。
- 請求項1又は2に記載の発明において、第1,第2の外圧付与装置による外圧の付与及び内圧付与装置による内圧の付与が共に行なわれて所定時間経過後に第1,第2の少なくとも一方の外圧付与装置の外圧を瞬間的に解放する構成であることを特徴とするコネクティングロッドの軸受部分割装置。
- 請求項1,2又は3に記載の発明において、第1,第2の外圧付与装置および内圧付与装置は流体圧装置からなり、かつ共通の圧力源に接続してあることを特徴とするコネクティングロッドの軸受部分割装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記第1,第2の外圧付与装置に、ワーク載置台上にセットされたコネクティングロッドの軸受部の分割線に対して直交する方向から前記軸受部の外側を押圧固定可能のクランプジョーをそれぞれ設け、上記各クランプジョーを、前記軸受部に対して接近離反する方向へ移動可能に設けると共に、上記各クランプジョーを、前記分割線およびコネクティングロッドの長手方向に対し直交する方向の軸心回りに回動可能に設けてなることを特徴とするコネクティングロッドの軸受部分割装置。
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