JPH0746434Y2 - クランプ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、工作機械等でワークをクランプするクランプ
装置に関する。

（従来の技術） 従来、ロール研削盤等の工作機械においては、例えば特
開昭61-252901号公報に開示されるように油圧回路によ
って作動されるクランプ装置を用いてクランプ本体をワ
ークに係合させ、クランプ本体にてワークをクランプ
し、その上でワークに加工を施すことが行われている。

このようなクランプ装置のクランプ本体について第４図
によって説明する。

符号１はワークを載置する基準部材である。基準部材１
に対してクランプシリンダ（図示せず）により基準部材
１と接離する方向Ａへ往復移動するクランプ本体２が設
けてある。クランプ本体２の基準部材１と対向する面に
は底部が連通孔５により互に連通するシリンダ3,3,3が
並設してある。各シリンダ3,3,3にはピストン4,4,4が出
没可能に嵌挿してあり、シリンダ3,3,3及び連通孔５内
は作動油６によって満たされ、盲プラグ７により密閉し
てある。

このように構成されたクランプ本体２を基準部材１に載
置したワークｗ上にクランプシリンダによって接近さ
せ、ピストン4,4,4の頂部4a,4a,4aを圧接すると、各ピ
ストン4,4,4はワークｗの形状に倣い、出没し、各ピス
トンの基端4b,4b,4bに作動油６が等圧力で作用し、ワー
クｗをピストン4,4,4の頂部4a,4a,4aにて押圧すること
により基準部材１上にクランプするようになっている。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来例によると、互に連通シリンダ及びシリンダに
嵌挿するピストンをクランプ本体に設け、クランプ本体
を基準部材に対して接離する方向へ移動することによ
り、大きさ、形状を異にするワークであっても基準部材
上に容易にクランプすることができる。反面、シリンダ
及び連通孔内に充満する作動油が、クランプ時にワーク
からの反力によって高圧となり、かつ、作動油が少量で
あるためシリンダとピストンの隙間から作動油が極く僅
か漏出してもクランプ能力を失い、適切なクランプがで
きなくなる不具合がある。

従って本考案の目的は、クランプ時に漏出した作動油を
常に補充することにより、適切なクランプが行えるクラ
ンプ装置を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成する本考案のクランプ装置はクランプ本
体をワークを載置する基準部材に対して接離方向へ往復
移動するクランプシリンダと、クランプ本体に並設した
複数のシリンダと、各々のシリンダ底部を互に連通する
連通孔と、クランプ時にワークと当接する頂部を有し、
かつ出没可能にシリンダに嵌挿するピストンと、シリン
ダ及び連通孔内に充満してピストンの基端に作用する作
動油とを具備し、クランプシリンダによりクランプ本体
を基準部材へ接近する方向へ移動してピストン頂部と基
準部材間にワークをクランプするクランプ装置におい
て、作動油供給源からクランプシリンダへ作動油を供給
するクランプシリンダ用油圧回路と、クランプシリンダ
用油圧回路から分岐してクランプ本体に設けられた連通
孔に接続するピストン作動用油圧回路と、ピストン作動
用油圧回路内に設けられ、クランプ時に閉鎖しかつアン
クランプ時に開放するチェック弁とを具備するものであ
り、更にピストン作動用油圧回路が、クラプ本体とチェ
ック弁との間にピストン作動用油圧回路から分岐してク
ランプ時に作動油の一部が流入するアキュムレータを具
備することにより更に効率的に達成できる。

（作用） クランプ用油圧回路から分岐したピストン作動用油圧回
路に設けたチェック弁をクランプ時に閉鎖し、アンクラ
ンプ時に開放することにより、アンクランプ時にクラン
プ本体に設けたシリンダ内に作動油を圧送し、シリンダ
及びピストンとの隙間から漏出する作動油を補給し、更
に、クランプ時に作動油の一部をアキュムレータ内に流
入させることにより円滑なピストンの移動を確保する。

（実施例） 以下本考案のクランプ装置の一実施例を第１図乃至第３
図によって説明する。なお第１図において第４図と同一
部分には説明の便宜上同一符号を付す。

第１図はクランプ装置の要部断面図であり、符号１はワ
ークｗを載置する基準部材である。基準部材１に対向し
て設けられ、基準部材１と接離する方向Ａへ往復移動す
るクランプ本体２が設けてある。クランプ本体２は後述
するクランプシリンダ７によって往復駆動される。

クランプ本体２の基準部材１と対向する面には底部が連
通孔５により互に連通するシリンダ3,3,3が並設してあ
って、各シリンダ3,3,3には出没可能にピストン4,4,4が
嵌挿してある。連通孔５の開放端5aは後述するピストン
作動用油圧回路14に接続してある。

次に油圧回路について第２図によって説明する。符号８
はポンプ等の作動油供給源であって、作動油供給源８よ
り圧送された作動油は、クランプシリンダ用油圧回路15
によりソレノイドによって作動する作動切換弁９へ導か
れる。作動切換弁９により圧送された作動油は回路15a
に供給し、回路15bより排出してクランプシリンダ７を
伸長させてクランプ本体２を基準部材１から離間させる
アンクランプ回路、及び回路15bへ供給して回路15aより
排出してクランプシリンダ７を縮退させてクランプ本体
２を基準部材１へ接近させるクランプ回路に適宜切換え
られる。

一方クランプシリンダ用油圧回路15から分岐したピスト
ン作動用油圧回路14は、パイロットチェック弁10を介し
てクランプ本体２の連通孔５の開放端5aに接続されてい
る。パイロットチェック弁10は前記回路15aからの信号1
3によりクランプ本体２が基準部材１と離間する時、即
ちアンクランプ時に開放となり、逆に接近するクランプ
時に閉鎖するように構成されている。

符号11はワーククランプ時において、シリンダ3,3,3内
の油圧保持を確実に行うために設けられたピストン作動
用回路14の圧力を監視する圧力スイッチであり、符号12
は第３図に示すように円筒状のシリンダ12a内にスプリ
ング12cまたはガス圧によって付勢されたピストン12bを
嵌挿してなるアキュムレータであって、クランプ本体２
を基準部材１に接近させ、ピストン4,4,4によりワーク
を押圧させる際、高圧となったシリンダ3,3,3内の作動
油の一部をスプリング12cまたはガス圧に抗してアキュ
ムレータ12内に流入させることによりシリンダ3,3,3内
の圧力を下げピストン4,4,4の移動を容易にする。

次に以上のように構成されたクランプ装置の作動につい
て説明する。

基準部材１上にワークｗを載置し、作動切換弁９により
作動油供給源８からクランプシリンダ用圧回路15により
圧送された作動油を回路15bへ供給してクランプシリン
ダ７を縮退させてクランプ本体２を基準部材１に接近す
る方向へ移動し、ピストン4,4,4の頂部4a,4a,4aをワー
クｗに押圧してクランプする。

この際、クランプシリンダ用油圧回路15より分岐したピ
ストン作動用油圧回路14に設けられたパイロットチェッ
ク弁10は、回路15aからの信号により閉鎖され、ピスト
ン4,4,4がワークｗからの反力を受け、ワークｗの形状
に倣い、突出、後退し、シリンダ3,3,3及び連通孔５内
の作動油は圧縮され、作動油の一部はアキュムレータ12
のピストン12bを後退させてアキュムレータ12内へ流入
してシリンダ3,3,3内の圧力が過度になりピストン4,4,4
の移動が阻止される所謂ロック現象の発生を回避する。

更にクランプ本体２を基準部材１に接近させ、ピストン
4,4,4によりワークｗを所定の圧力で押圧してワークｗ
のクランプを確実なものとして、ワークｗに加工等を施
す。

ワークｗをアンクランプするには、作動切換弁９をアン
クランプ位置に切換えることにより作動油供給源８から
クランプシリンダ用油圧回路15により供給された作動油
を回路15aへ導き、クランプシリンダ７を伸長させてク
ランプ本体２を基準部材１と離間する方向へ移動させ
る。

この際、回路15aからの信号によりピストン作動用油圧
回路14に設けられたパイロットチェック弁10を開放す
る。従って作動油は、ピストン作動用油圧回路14により
クランプ本体２に設けられた連通孔５を介してシリンダ
3,3,3へ圧送され、シリンダ3,3,3とピストン4,4,4との
間に生じる隙間から漏出した作動油を補給する。

（効果） 以上のように構成された本考案のクランプ装置によれ
ば、クランプシリンダ用油圧回路から分岐してクランプ
本体に設けた連通孔を介してシリンダ内に作動油を圧送
するピストン作動用油圧回路を設け、ピストン作動用油
圧回路にアンクランプ時に開放し、クランプ時に閉鎖す
るチェック弁を設けることにより、アンクランプ時にシ
リンダ内に作動油が圧送されるのでシリンダとピストン
との隙間から漏出する作業油を常時補給でき、作動油の
漏出に対する補修整備を要することがなく効率的にワー
クのクランプを施すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のクランプ装置の一実施例を示す要部断
面図、第２図は本考案のクランプ装置の油圧回路図、第
３図はアキュムレータの説明図、第４図は従来のクラン
プ装置の要部断面図である。 １……基準部材、２……クランプ本体、３……シリン
ダ、４……ピストン、4a……頂部、５……連通孔、７…
…クランプシリンダ、８……油圧供給源、10……パイロ
ットチェック弁、12……アキュムレータ、14……ピスト
ン作動用油圧回路、15……クランプシリンダ用油圧回
路。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】クランプ本体をワークを載置する基準部材
   に対して接離方向へ往復移動するクランプシリンダと、
   クランプ本体に並設した複数のシリンダと、各々のシリ
   ンダ底部を互に連通する連通孔と、クランプ時にワーク
   と当接する頂部を有し、かつ出没可能にシリンダに嵌挿
   するピストンと、シリンダ及び連通孔内に充満してピス
   トンの基端に作用する作動油とを具備し、クランプシリ
   ンダによりクランプ本体を基準部材へ接近する方向へ移
   動してピストン頂部と基準部材間にワークをクランプす
   るクランプ装置において、作動油供給源からクランプシ
   リンダへ作動油を供給するクランプシリンダ用油圧回路
   と、クランプシリンダ用油圧回路ら分岐してクランプ本
   体に設けられた連通孔に接続するピストン作動用油圧回
   路と、ピストン作動用油圧回路内に設けられ、クランプ
   時に閉鎖しかつアンクランプ時に開放するチェック弁と
   を具備することを特徴とするクランプ装置。
2. 【請求項２】ピストン作動用油圧回路が、クランプ本体
   とチェック弁との間にピストン作動用油圧回路から分岐
   してクランプ時に作動油の一部が流入するアキュムレー
   タを具備する請求項１のクランプ装置。