JP3546577B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
植付杆が苗を移植する部分を予め整地するフロ−トを備える苗植装置を進行させて苗を移植するとき、圃場の地表にわらくずが散在していると、滑走中のフロ−トにこのわらくずが溜るおそれがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するため、苗載台17と、該苗載台17の後に設けた苗受板20と、該苗受板20に設けた苗取口21L,21Rと、該苗取口21L,21Rを通過して下降して苗を泥面に移植する植付杆51L,51Rと、前部の張出し部で植付杆51L,51Rが苗を移植する部分を予め整地するセンサフロ−ト57aとを備えた苗植装置2を走行車体1の後に設けた田植機において、前記センサフロ−ト57aの上下の移動で油圧シリンダ14に油を供給したりその油をタンクに戻したりして苗植装置2を自動的に上下に移動する構成とし、前記苗取口21L,21Rの前で苗を移植する部分を予め帯状に耕起する耕耘爪60と、該耕耘爪60の上を被うカバ−61とを設け、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを検出するセンサスイッチ63と前記カバ−61内にわらくずが詰まったことを検出するスイッチ70とを設け、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを前記センサスイッチ63が検出するか又はカバ−61内にわらくずが詰まったことを前記スイッチ70が検出すると警報する構成とした田植機とした。
【0004】
【作用】
上記のように構成した田植機が進行すると、センサフロ−ト57aが地面を滑走して整地し、その整地した部分に植付杆51L,51Rが苗を移植していく。そして、耕耘爪60により苗を移植する部分を予め帯状に耕起するが、該耕耘爪60の上を被うカバ−61内にわらくずが詰まったことをスイッチ70で検出すると警報する。また、地表に散在したわらくずが地面を滑走するセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことをセンサスイッチ63で検出すると警報する。
【0005】
【効果】
以上のように、この発明によると、センサフロ−ト57aの前部の張出し部で苗を移植 する部分を予め整地する田植機において、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを検出するセンサスイッチ63と前記カバ−61内にわらくずが詰まったことを検出するスイッチ70とを設け、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを前記センサスイッチ63が検出するか又はカバ−61内にわらくずが詰まったことを前記スイッチ70が検出すると警報する構成としたので、耕起されていない圃場の地表に散在したわらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことをセンサスイッチ63で検出すると警報するばかりでなく、耕耘爪60により耕起する苗を移植する部分で前記カバ−61内にわらくずが詰まったことをスイッチ70で検出すると警報するので、センサフロ−ト57aにわらくずが溜った状態で苗の移植作業をすることを防止できる。
【0006】
【実施例】
つぎに、この発明の実施例を説明する。
図1,図2のように、走行車体1の後に苗植装置2が装着されて田植機となっている。
走行車体1は、つぎのように構成される。フレーム3の前後に主歯車箱4と後輪歯車箱5が装着され、それぞれの両横に1対の前輪6,6と後輪7,7が配置されている。エンジン8がフレーム3に取付けられ、その動力で前輪6,6と後輪7,7が回転して田植機が進行するように出来ている。座席9がエンジン8の上に設けられ、オペレータがその前のステアリングハンドル10を操作すると、前輪6,6が操舵されて田植機の進行方向が変わるようになっている。支柱11がフレーム3の後部から上に伸び、平行な上下1対のリンク12,12の前端がこれに回動自在に取付けられている。リンク12,12の後端が縦枠13に回動自在に取付けられて平行リンクが構成されている。油圧シリンダ14の前端がフレーム3に取付けられ、これから斜後上に突出したピストンロッドの突端が上のリンク12と一体のアーム15に接続し、ピストンロッドが伸び出すと、縦枠13が上昇し、これが油圧シリンダ14内に引き戻されると、縦枠13が下降するように出来ている。
【0007】
苗植装置2は、つぎのように構成される。歯車箱16がローリング軸で左右に揺動自在に縦枠13の下部に取付けられている。前上りに傾斜した苗載台17がその上に配置され、隔壁17a,17a……で区分されて約30cm巾の6枚のマット苗を横並びに載せ、15cm弱の間で左右に移動するように支持されている。3本の植付伝動ケース18,18,18が歯車箱16およびこれから外に突出したスリーブ19,19(図3)の端から苗載台17の後端の下を通って後に伸びている。横断面がL型の横長の苗受板20が苗載台17の後の出口を塞ぐようにして植付伝動ケース18,18,18に固定されている。それぞれのマット苗の後部で約15cmの間隔で苗受板20に1対の苗取口21L,21Rが設けられ、1枚のマット苗の左半分と右半分の端がそれぞれの苗取口21L,21Rの上で左右に移動するように出来ている。
【0008】
図3,図4のように、主軸22が歯車箱16とスリーブ19,19を通して設けられ、その傘歯車23に入力軸24の傘歯車25が咬んでエンジン8の動力で回転するようになっている。
駆動軸22に固定された歯車26が中間軸27の歯車28を介して駆動軸29に固定された歯車30に咬み、駆動軸29が回転している。歯形が半分以下の間欠歯車31が駆動軸29に固定され、これがリードカム軸32に固定された歯車33に咬んで、リードカム34が間欠的に回転するように出来ている。横移動棒35に固定されたメタル36の爪(図示していない)がリードカム34の溝に係合し、リードカム34の回転で左右に往復駆動されるようになっている。1対の連杆37(図1)が横移動棒35の両端と苗載台17の底面を連結し、両者が一体となって左右に移動するように出来ている。
【0009】
3本の横軸38,38,38がそれぞれの植付伝動ケース18,18,18の後部に設けられ、主軸22に取付た歯輪39,39,39とこれらに固定された歯輪40,40,40にチェン41,41,41が巻き掛けられて横軸38,38,38が図1,図5において反時計方向に回転するように出来ている。6個の回転ケース42,42……がそれぞれの横軸38,38,38の両端に固定されている。
【0010】
以下の構成は、同一又は対称のため、1つについて説明する。図6のように、太陽歯車43が回転ケース42内で横軸38に回転自在に取付けられて、筒軸44で植付伝動ケース18に固定されている。1対の筒部42L,42Rが回転ケース42の同じ円周上の対称な位置から左右に突出し、それぞれが支持している中間軸45,45に中間歯車46,46が固定され、これらが太陽歯43に咬み合っている。以下1対の中間軸45,45が水平に位置した状態で説明すると、1対の植付杆軸47,47がそれぞれの筒部42L,42Rの外端部に、中間軸45,45に対して折り返すような形の斜に配置され、中間軸45,45に固定された中間傘歯車48,48が遊星傘歯車49,49に咬み合っている。植付ケース50,50がそれぞれの植付杆軸47,47の先端に固定され、植付杆51L,51Rがそれぞれの端から下に伸びている。従って、太陽歯車43、中間歯車46,46、中間傘歯車48,48および遊星傘歯車49,49の咬み合いにより、回転ケース42が横軸38の回りに回転するとき、遊星傘歯車49,49および植付ケース50,50が同じ姿勢を保って旋回する。そして、太陽歯車43、中間歯車46,46、中間傘歯車48,48および遊星傘歯車49,49が偏心歯車又は不等速歯車(非円形歯車)に構成されて1回転中に高速伝達と低定速伝達を繰り返し、上記の旋回中に遊星傘歯車49,49が植付杆軸47,47の回りに揺動するとともに、それぞれの歯車43,48,48の高速伝達位置の配置により、植付ケース50,50が旋回の上部位置で植付杆51L,51Rの下端がやや上を向き(図5)、下部位置で垂直姿勢となる。すなわち、植付杆51L,51Rの先端は、横から見て、非円形の軌道で旋回するとともに、旋回中における植付杆軸47,47回りの揺動により、後から見ると、1対が上が開いた斜めの軌道となってV字状となる。さらに、植付杆51L,51Rは、それぞれの先端が旋回中の下降の初期にそれぞれの苗取口21L,21Rを通過し、下端においてその中間で地面に到達するように配置され、全体で6条植となっている。1対のカム52,52がそれぞれの植付ケース50,50内で植付杆軸47,47に回転自在に設けられ、それぞれの筒軸53,53で筒部42L,42Rに固定され、回転ケース42が1回転すると、植付ケース50,50に対して1回転するように出来ている。押出杆54,54が植付杆51L,51Rに平行に設けられ、その先の押出片54a,54aがそれぞれの植付杆51L,51Rの下端の腹部で上下に移動するように出来ている。ピン55,55の回りに揺動する梃子56,56の両端がカム52,52と押出杆54,54に係合し、植付杆51L,51Rの先端が苗取口21L,21Rを通過する直前で押出片54a,54aが上昇し、これらが下端に到達すると、押出片54a,54aが下降するようになっている。従って、植付杆51L,51Rの先端と押出片54a,54aの先端は、苗取口21L,21Rを通過するときにマット苗の端から1株分の苗を欠ぎ取り、これをかかえて下端に到達し、苗取口21L,21Rの中間部においてその苗を押出片54aで押し出すようにして泥面に移植する。
【0011】
3個のフロート57,57,57がそれぞれの植付伝動ケース18,18,18の下に配置されて走行車1の前進で泥面を滑走し、それぞれの前部の外への張出し部が、植付杆51L,51R……が苗を移植する部分を予め整地するようになっている。
なお、苗載台17は、間欠歯車31と歯車33の咬み合いで、移動と停止を繰り返しながら左右に往復駆動され、その停止中に1対の植付杆51L,51Rの先端がそれぞれの苗取口21L,21Rを通過したのち、横に移動する。従って、それぞれの植付杆51L,51Rの先端部は、マット苗の端の折り返し部においても1株分の苗を過不足なく在来装置と同様に欠ぎ取ることができる。
【0012】
図7以下に不耕起式の田植機を示している。図のものは、1枚のマット苗に対する苗取口21が単一で構成され、植付ケース50,50に固定された1対の植付杆51,51がその苗取口21を交互に通過し、その下の泥面に苗を植えるように出来ているが、他は、前記のものと同様のため、説明を省略する。なお、これを前記のものと同様に設けても良いことは多言を要しない。縦型の伝動ケース58が苗植装置2の中心よりも右において縦枠13に取付けられ、エンジン8の動力で回転する爪軸59がこれの下部から左右に突出している。耕耘爪60,60……が苗取口21の前で爪軸59に固定され、その上がカバー61,61……で被われて、苗を移植する地面が予め帯状に耕起されるように出来ている。
【0013】
中央のフロート57がセンサフロート57aとなり、田植機が前進中に耕盤の深浅でその先端が上下に移動し、この上下の移動で弁(図示していない)が油圧シリンダ14に油を供給したり、その油をタンクに戻して苗植装置2を自動的に上下に移動し、耕盤の深浅(車輪6,7の地表からの沈み量の大小)に関係なく、移植された苗の深さが均一に保たれるようになっている(この構成は周知)。耕起されていない圃場は、地表にわらくずが散在し、滑走中のセンサフロート57aの先にこのわらくずが溜り、センサフロート57aが誤信を発するおそれがある。このおそれを解消するため、図9,図10のように構成することができる。すなわち、支柱62がセンサフロート57aの前部から上に伸び、これにセンサスイッチ63が取付けられている。検知板64がセンサフロート57aの前部の下方に配置され、その支杆64aがセンサスイッチ63に連っている。そして、センサフロート57aが地面を滑走し、地表に散在したわらくずがその前部に溜ると、検知板64がこれで押されて反時計方向に回動し、センサスイッチ63が作動して警報が出るように構成されている。
【0014】
また、カバー61内にわらくずが詰ると、警報が出るように構成することができる。すなわち、図11のように、横杆66が伝動ケース58の前部から左右に伸び、カバー61が支板67でこれに回動自在に取付けられている。横杆66に固定されたステイ68がカバー61の上に達し、カバー61から上に伸びた押棒69の先端の上に、スイッチ70が配置されている。そして、耕耘爪60の回転で地表に散在したわらくずが巻き上げられてカバー61内に詰ると、カバー61がばね71に抗して反時計方向に回動し、押棒69がスイッチ70を押して警報が出るようになっている。
【0015】
この不耕起式の田植機は、施肥装置付に構成することができる。すなわち、作溝器72,72……がそれぞれのフロート57a,57,57の前部の張出し部に設けられ、耕耘爪60,60……が耕起した帯状の部分にその滑走で溝を作るように出来ている(図10)。走行車体1の後部に繰出部73が設けられ、その上のタンク74内の肥料を連続的に繰り出してそれぞれのホース75,75……で作溝器72,72……内に送るようになっている。(図7)。図12,図13のように、ホース75に弁76が設けられ、レバー77の揺動で上部の軸78の回りに回動し、ホース75内の通路を開閉するように出来ている。歯車79が横軸38に固定され、歯車79に対して歯数が2分の1の歯車80がこれに咬み合い、その軸81の突端に固定されたクランク82と前記のレバー77がロッド83で連結されている。そして、植付杆51,51の旋回中にロッド83がレバー77を押し引きして弁76がホース75内の通路を開閉し、繰出部73から作溝器72に流れる肥料を溜めたり流したりしてこれが作った溝内に点播し、そのあとで覆土板84が溝を埋め戻すようになっている。さらに、植付杆51,51が点播された肥料の間に苗を移植するように設けられている。すなわち、帯状の耕起地に苗を移植する苗植機は、肥料を条に散布すると、苗に肥料やけの障害が発生するおそれがあったが、上記のように断続的に肥料を散布し、その中間に苗を移植するように構成すると、上記のおそれが解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を施した田植機の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】その1部の伝動機構図。
【図4】その1部の拡大した切断側面図。
【図5】その1部の拡大した側面図。
【図6】その1部の拡大した切断平面図。
【図7】他の田植機の側面図。
【図8】その平面図。
【図9】その1部の拡大した側面図。
【図10】その平面図。
【図11】他の1部の拡大した側面図。
【図12】他の1部の拡大した側面図。
【図13】その1部の断面図。
【符号の説明】
1 走行車体
2 苗植装置
14 油圧シリンダ
17 苗載台
20 苗受板
21L 苗取口
21R 苗取口
51L 植付杆
51R 植付杆
57a センサフロ−ト
60 耕耘爪
61 カバ−
63 センサスイッチ
70 スイッチ
【発明の属する技術分野】
この発明は、田植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
植付杆が苗を移植する部分を予め整地するフロ−トを備える苗植装置を進行させて苗を移植するとき、圃場の地表にわらくずが散在していると、滑走中のフロ−トにこのわらくずが溜るおそれがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するため、苗載台17と、該苗載台17の後に設けた苗受板20と、該苗受板20に設けた苗取口21L,21Rと、該苗取口21L,21Rを通過して下降して苗を泥面に移植する植付杆51L,51Rと、前部の張出し部で植付杆51L,51Rが苗を移植する部分を予め整地するセンサフロ−ト57aとを備えた苗植装置2を走行車体1の後に設けた田植機において、前記センサフロ−ト57aの上下の移動で油圧シリンダ14に油を供給したりその油をタンクに戻したりして苗植装置2を自動的に上下に移動する構成とし、前記苗取口21L,21Rの前で苗を移植する部分を予め帯状に耕起する耕耘爪60と、該耕耘爪60の上を被うカバ−61とを設け、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを検出するセンサスイッチ63と前記カバ−61内にわらくずが詰まったことを検出するスイッチ70とを設け、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを前記センサスイッチ63が検出するか又はカバ−61内にわらくずが詰まったことを前記スイッチ70が検出すると警報する構成とした田植機とした。
【0004】
【作用】
上記のように構成した田植機が進行すると、センサフロ−ト57aが地面を滑走して整地し、その整地した部分に植付杆51L,51Rが苗を移植していく。そして、耕耘爪60により苗を移植する部分を予め帯状に耕起するが、該耕耘爪60の上を被うカバ−61内にわらくずが詰まったことをスイッチ70で検出すると警報する。また、地表に散在したわらくずが地面を滑走するセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことをセンサスイッチ63で検出すると警報する。
【0005】
【効果】
以上のように、この発明によると、センサフロ−ト57aの前部の張出し部で苗を移植 する部分を予め整地する田植機において、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを検出するセンサスイッチ63と前記カバ−61内にわらくずが詰まったことを検出するスイッチ70とを設け、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを前記センサスイッチ63が検出するか又はカバ−61内にわらくずが詰まったことを前記スイッチ70が検出すると警報する構成としたので、耕起されていない圃場の地表に散在したわらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことをセンサスイッチ63で検出すると警報するばかりでなく、耕耘爪60により耕起する苗を移植する部分で前記カバ−61内にわらくずが詰まったことをスイッチ70で検出すると警報するので、センサフロ−ト57aにわらくずが溜った状態で苗の移植作業をすることを防止できる。
【0006】
【実施例】
つぎに、この発明の実施例を説明する。
図1,図2のように、走行車体1の後に苗植装置2が装着されて田植機となっている。
走行車体1は、つぎのように構成される。フレーム3の前後に主歯車箱4と後輪歯車箱5が装着され、それぞれの両横に1対の前輪6,6と後輪7,7が配置されている。エンジン8がフレーム3に取付けられ、その動力で前輪6,6と後輪7,7が回転して田植機が進行するように出来ている。座席9がエンジン8の上に設けられ、オペレータがその前のステアリングハンドル10を操作すると、前輪6,6が操舵されて田植機の進行方向が変わるようになっている。支柱11がフレーム3の後部から上に伸び、平行な上下1対のリンク12,12の前端がこれに回動自在に取付けられている。リンク12,12の後端が縦枠13に回動自在に取付けられて平行リンクが構成されている。油圧シリンダ14の前端がフレーム3に取付けられ、これから斜後上に突出したピストンロッドの突端が上のリンク12と一体のアーム15に接続し、ピストンロッドが伸び出すと、縦枠13が上昇し、これが油圧シリンダ14内に引き戻されると、縦枠13が下降するように出来ている。
【0007】
苗植装置2は、つぎのように構成される。歯車箱16がローリング軸で左右に揺動自在に縦枠13の下部に取付けられている。前上りに傾斜した苗載台17がその上に配置され、隔壁17a,17a……で区分されて約30cm巾の6枚のマット苗を横並びに載せ、15cm弱の間で左右に移動するように支持されている。3本の植付伝動ケース18,18,18が歯車箱16およびこれから外に突出したスリーブ19,19(図3)の端から苗載台17の後端の下を通って後に伸びている。横断面がL型の横長の苗受板20が苗載台17の後の出口を塞ぐようにして植付伝動ケース18,18,18に固定されている。それぞれのマット苗の後部で約15cmの間隔で苗受板20に1対の苗取口21L,21Rが設けられ、1枚のマット苗の左半分と右半分の端がそれぞれの苗取口21L,21Rの上で左右に移動するように出来ている。
【0008】
図3,図4のように、主軸22が歯車箱16とスリーブ19,19を通して設けられ、その傘歯車23に入力軸24の傘歯車25が咬んでエンジン8の動力で回転するようになっている。
駆動軸22に固定された歯車26が中間軸27の歯車28を介して駆動軸29に固定された歯車30に咬み、駆動軸29が回転している。歯形が半分以下の間欠歯車31が駆動軸29に固定され、これがリードカム軸32に固定された歯車33に咬んで、リードカム34が間欠的に回転するように出来ている。横移動棒35に固定されたメタル36の爪(図示していない)がリードカム34の溝に係合し、リードカム34の回転で左右に往復駆動されるようになっている。1対の連杆37(図1)が横移動棒35の両端と苗載台17の底面を連結し、両者が一体となって左右に移動するように出来ている。
【0009】
3本の横軸38,38,38がそれぞれの植付伝動ケース18,18,18の後部に設けられ、主軸22に取付た歯輪39,39,39とこれらに固定された歯輪40,40,40にチェン41,41,41が巻き掛けられて横軸38,38,38が図1,図5において反時計方向に回転するように出来ている。6個の回転ケース42,42……がそれぞれの横軸38,38,38の両端に固定されている。
【0010】
以下の構成は、同一又は対称のため、1つについて説明する。図6のように、太陽歯車43が回転ケース42内で横軸38に回転自在に取付けられて、筒軸44で植付伝動ケース18に固定されている。1対の筒部42L,42Rが回転ケース42の同じ円周上の対称な位置から左右に突出し、それぞれが支持している中間軸45,45に中間歯車46,46が固定され、これらが太陽歯43に咬み合っている。以下1対の中間軸45,45が水平に位置した状態で説明すると、1対の植付杆軸47,47がそれぞれの筒部42L,42Rの外端部に、中間軸45,45に対して折り返すような形の斜に配置され、中間軸45,45に固定された中間傘歯車48,48が遊星傘歯車49,49に咬み合っている。植付ケース50,50がそれぞれの植付杆軸47,47の先端に固定され、植付杆51L,51Rがそれぞれの端から下に伸びている。従って、太陽歯車43、中間歯車46,46、中間傘歯車48,48および遊星傘歯車49,49の咬み合いにより、回転ケース42が横軸38の回りに回転するとき、遊星傘歯車49,49および植付ケース50,50が同じ姿勢を保って旋回する。そして、太陽歯車43、中間歯車46,46、中間傘歯車48,48および遊星傘歯車49,49が偏心歯車又は不等速歯車(非円形歯車)に構成されて1回転中に高速伝達と低定速伝達を繰り返し、上記の旋回中に遊星傘歯車49,49が植付杆軸47,47の回りに揺動するとともに、それぞれの歯車43,48,48の高速伝達位置の配置により、植付ケース50,50が旋回の上部位置で植付杆51L,51Rの下端がやや上を向き(図5)、下部位置で垂直姿勢となる。すなわち、植付杆51L,51Rの先端は、横から見て、非円形の軌道で旋回するとともに、旋回中における植付杆軸47,47回りの揺動により、後から見ると、1対が上が開いた斜めの軌道となってV字状となる。さらに、植付杆51L,51Rは、それぞれの先端が旋回中の下降の初期にそれぞれの苗取口21L,21Rを通過し、下端においてその中間で地面に到達するように配置され、全体で6条植となっている。1対のカム52,52がそれぞれの植付ケース50,50内で植付杆軸47,47に回転自在に設けられ、それぞれの筒軸53,53で筒部42L,42Rに固定され、回転ケース42が1回転すると、植付ケース50,50に対して1回転するように出来ている。押出杆54,54が植付杆51L,51Rに平行に設けられ、その先の押出片54a,54aがそれぞれの植付杆51L,51Rの下端の腹部で上下に移動するように出来ている。ピン55,55の回りに揺動する梃子56,56の両端がカム52,52と押出杆54,54に係合し、植付杆51L,51Rの先端が苗取口21L,21Rを通過する直前で押出片54a,54aが上昇し、これらが下端に到達すると、押出片54a,54aが下降するようになっている。従って、植付杆51L,51Rの先端と押出片54a,54aの先端は、苗取口21L,21Rを通過するときにマット苗の端から1株分の苗を欠ぎ取り、これをかかえて下端に到達し、苗取口21L,21Rの中間部においてその苗を押出片54aで押し出すようにして泥面に移植する。
【0011】
3個のフロート57,57,57がそれぞれの植付伝動ケース18,18,18の下に配置されて走行車1の前進で泥面を滑走し、それぞれの前部の外への張出し部が、植付杆51L,51R……が苗を移植する部分を予め整地するようになっている。
なお、苗載台17は、間欠歯車31と歯車33の咬み合いで、移動と停止を繰り返しながら左右に往復駆動され、その停止中に1対の植付杆51L,51Rの先端がそれぞれの苗取口21L,21Rを通過したのち、横に移動する。従って、それぞれの植付杆51L,51Rの先端部は、マット苗の端の折り返し部においても1株分の苗を過不足なく在来装置と同様に欠ぎ取ることができる。
【0012】
図7以下に不耕起式の田植機を示している。図のものは、1枚のマット苗に対する苗取口21が単一で構成され、植付ケース50,50に固定された1対の植付杆51,51がその苗取口21を交互に通過し、その下の泥面に苗を植えるように出来ているが、他は、前記のものと同様のため、説明を省略する。なお、これを前記のものと同様に設けても良いことは多言を要しない。縦型の伝動ケース58が苗植装置2の中心よりも右において縦枠13に取付けられ、エンジン8の動力で回転する爪軸59がこれの下部から左右に突出している。耕耘爪60,60……が苗取口21の前で爪軸59に固定され、その上がカバー61,61……で被われて、苗を移植する地面が予め帯状に耕起されるように出来ている。
【0013】
中央のフロート57がセンサフロート57aとなり、田植機が前進中に耕盤の深浅でその先端が上下に移動し、この上下の移動で弁(図示していない)が油圧シリンダ14に油を供給したり、その油をタンクに戻して苗植装置2を自動的に上下に移動し、耕盤の深浅(車輪6,7の地表からの沈み量の大小)に関係なく、移植された苗の深さが均一に保たれるようになっている(この構成は周知)。耕起されていない圃場は、地表にわらくずが散在し、滑走中のセンサフロート57aの先にこのわらくずが溜り、センサフロート57aが誤信を発するおそれがある。このおそれを解消するため、図9,図10のように構成することができる。すなわち、支柱62がセンサフロート57aの前部から上に伸び、これにセンサスイッチ63が取付けられている。検知板64がセンサフロート57aの前部の下方に配置され、その支杆64aがセンサスイッチ63に連っている。そして、センサフロート57aが地面を滑走し、地表に散在したわらくずがその前部に溜ると、検知板64がこれで押されて反時計方向に回動し、センサスイッチ63が作動して警報が出るように構成されている。
【0014】
また、カバー61内にわらくずが詰ると、警報が出るように構成することができる。すなわち、図11のように、横杆66が伝動ケース58の前部から左右に伸び、カバー61が支板67でこれに回動自在に取付けられている。横杆66に固定されたステイ68がカバー61の上に達し、カバー61から上に伸びた押棒69の先端の上に、スイッチ70が配置されている。そして、耕耘爪60の回転で地表に散在したわらくずが巻き上げられてカバー61内に詰ると、カバー61がばね71に抗して反時計方向に回動し、押棒69がスイッチ70を押して警報が出るようになっている。
【0015】
この不耕起式の田植機は、施肥装置付に構成することができる。すなわち、作溝器72,72……がそれぞれのフロート57a,57,57の前部の張出し部に設けられ、耕耘爪60,60……が耕起した帯状の部分にその滑走で溝を作るように出来ている(図10)。走行車体1の後部に繰出部73が設けられ、その上のタンク74内の肥料を連続的に繰り出してそれぞれのホース75,75……で作溝器72,72……内に送るようになっている。(図7)。図12,図13のように、ホース75に弁76が設けられ、レバー77の揺動で上部の軸78の回りに回動し、ホース75内の通路を開閉するように出来ている。歯車79が横軸38に固定され、歯車79に対して歯数が2分の1の歯車80がこれに咬み合い、その軸81の突端に固定されたクランク82と前記のレバー77がロッド83で連結されている。そして、植付杆51,51の旋回中にロッド83がレバー77を押し引きして弁76がホース75内の通路を開閉し、繰出部73から作溝器72に流れる肥料を溜めたり流したりしてこれが作った溝内に点播し、そのあとで覆土板84が溝を埋め戻すようになっている。さらに、植付杆51,51が点播された肥料の間に苗を移植するように設けられている。すなわち、帯状の耕起地に苗を移植する苗植機は、肥料を条に散布すると、苗に肥料やけの障害が発生するおそれがあったが、上記のように断続的に肥料を散布し、その中間に苗を移植するように構成すると、上記のおそれが解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を施した田植機の側面図。
【図2】その平面図。
【図3】その1部の伝動機構図。
【図4】その1部の拡大した切断側面図。
【図5】その1部の拡大した側面図。
【図6】その1部の拡大した切断平面図。
【図7】他の田植機の側面図。
【図8】その平面図。
【図9】その1部の拡大した側面図。
【図10】その平面図。
【図11】他の1部の拡大した側面図。
【図12】他の1部の拡大した側面図。
【図13】その1部の断面図。
【符号の説明】
1 走行車体
2 苗植装置
14 油圧シリンダ
17 苗載台
20 苗受板
21L 苗取口
21R 苗取口
51L 植付杆
51R 植付杆
57a センサフロ−ト
60 耕耘爪
61 カバ−
63 センサスイッチ
70 スイッチ
Claims (1)
- 苗載台17と、該苗載台17の後に設けた苗受板20と、該苗受板20に設けた苗取口21L,21Rと、該苗取口21L,21Rを通過して下降して苗を泥面に移植する植付杆51L,51Rと、前部の張出し部で植付杆51L,51Rが苗を移植する部分を予め整地するセンサフロ−ト57aとを備えた苗植装置2を走行車体1の後に設けた田植機において、前記センサフロ−ト57aの上下の移動で油圧シリンダ14に油を供給したりその油をタンクに戻したりして苗植装置2を自動的に上下に移動する構成とし、前記苗取口21L,21Rの前で苗を移植する部分を予め帯状に耕起する耕耘爪60と、該耕耘爪60の上を被うカバ−61とを設け、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを検出するセンサスイッチ63と前記カバ−61内にわらくずが詰まったことを検出するスイッチ70とを設け、わらくずがセンサフロ−ト57aの前部に溜ったことを前記センサスイッチ63が検出するか又はカバ−61内にわらくずが詰まったことを前記スイッチ70が検出すると警報する構成とした田植機。
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