JP3546345B2 - 冷凍冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍冷蔵庫、特に冷凍冷蔵庫のサッシレス式の扉に設けられるドアスイッチ用マグネットの固定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来の冷凍冷蔵庫の冷蔵室扉の開放状態を示す斜視図、図8は同冷凍冷蔵庫の冷蔵室扉の要部分解状態を示す組立図、図9は図8のC−C線断面図、図10は同冷凍冷蔵庫の上部冷凍室扉の要部断面図である。
図において、1は冷凍冷蔵庫本体で、上から順に冷蔵室2、上部冷凍室3、下部冷凍室4及び野菜室5を備えて形成されている。6は冷蔵室2の扉、7は上部冷凍室3の扉、8は下部冷凍室4の扉、9は野菜室5の扉である。
【0003】
冷蔵室2の扉6の下縁のサッシ式の扉用キャップ10の内側には、冷蔵室2に設けられたドアスイッチであるリードスイッチ11を動作させるリードスイッチ用マグネット12を包装したマグネット押さえ組成体13が形成されており、上部冷凍室3の扉7の上縁のサッシ式の扉用キャップ10の内側にも、上部冷凍室3に設けられたリードスイッチ11を動作させるリードスイッチ用マグネット12を包装したマグネット押さえ組成体13が形成されている。
このマグネット押さえ組成体13は扉用キャップ10の内側に形成されたマグネット収納凹部10aとリードスイッチ用マグネット12を仮止めするシーリングテープ15と扉用キャップ10の内側に取り付けられた扉ガスケット固定用のサッシ17とによって構成される。また、リードスイッチ11は冷蔵室2又は上部冷凍室3の室内のランプや冷気循環用ファンをオン・オフさせるためのものである。
【0004】
リードスイッチ用マグネット12の冷蔵室2の扉用キャップ10への取り付けは、まず図8に示すように扉用キャップ10に形成されたマグネット収納凹部10aにリードスイッチ用マグネット12を収納し、その後シーリングテープ15の接着面をそのリードスイッチ用マグネット12及び扉用キャップ10の表面に接着し、シーリングテープ15によりリードスイッチ用マグネット12を扉用キャップ10に仮固定し、しかる後に図9に示すようにドアパネル16を扉用キャップ10の内側以外の部分に装着し、ドアパネル16が装着された扉用キャップ10の内側に取り付けられた扉ガスケット固定用のサッシ17によって保持固定することによって行われていた。
【0005】
このように扉用キャップ10に取り付けられたサッシ17にその所定位置にサッシ式扉内板18を嵌合させて取り付けることによって扉組立体19が構成される。このようにして構成された扉組立体19内に発泡断熱材20を注入して発泡させ、その後サッシ式ガスケット21をサッシ17に嵌着させて冷蔵室2の扉6が完成する。
なお、図10に示す上部冷凍室3の扉7も、冷蔵室2の扉6と同様に前述した手順で完成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように構成された従来の冷凍冷蔵庫の扉はサッシ式の構造であるため、冷凍冷蔵庫本体1が冷蔵室2、上部冷凍室3、下部冷凍室4及び野菜室5を備え、冷蔵室2の扉6、上部冷凍室3の扉7、下部冷凍室4の扉8及び野菜室5の扉9というように4つの扉を有している場合、1つの扉に4つのサッシ17が必要であるため、4×4で16のサッシ17が必要であると共に、リードスイッチ用マグネット12の仮止め用のシーリングテープ15も4枚必要であり、多くの部品点数と工数が必要なために原価高となっていた。
【0007】
また、シーリングテープ15によるリードスイッチ用マグネット12の仮止めした後に、扉用キャップ10とリードスイッチ用マグネット12を保持固定するサッシ17とサッシ式扉内板18とで構成される扉組立体19内に発泡断熱材20を注入して発泡させる場合に、シーリングテープ15は仮止めとして用いられるものであり、簡単に貼り付けることができるが剥がれ易く、サッシ9にソリがあるために、シーリングテープ15が剥がれたときに生じるサッシ9とリードスイッチ用マグネット12との隙間から発泡断熱材20が洩れるおそれがあり、そのため品質上不安定であるという問題点があった。
【0008】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、部品点数を減少させると共に工数も減少させて大幅にコストダウンを図り、しかも発泡断熱材の漏れの低減を図ることができる冷凍冷蔵庫を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る冷凍冷蔵庫は、冷凍冷蔵庫本体の冷蔵室又は冷凍室の扉の縁部を形成するサッシレス式の扉用キャップの内側に内板取付用縦壁を一体的に形成し、前記縁部の扉用キャップの内側に、冷蔵室又は冷凍室の前面開口縁部に設けられたドアスイッチを動作させるスイッチ用マグネットを収納するマグネット収納凹部を形成し、前記内板取付用縦壁にはそのマグネット収納凹部を覆っている位置にマグネット案内溝を設け、該マグネット案内溝にマグネット収納凹部に収納されたリードスイッチ用マグネットを固定すると共にマグネット案内溝を閉鎖するマグネット押えを係合させ、前記扉用キャップの内側以外の部分にドアパネルを取り付け、前記扉用キャップの内側にサッシレス式の扉内板を前記内板取付用縦壁に乗せて取り付け、発砲断熱材が注入できる扉組立体を構成するようにしたものである。
【0010】
また、本発明に係るもう1つの冷凍冷蔵庫は、冷凍冷蔵庫本体の冷蔵室又は冷凍室の扉の縁部を形成するサッシレス式の扉用キャップと、該扉用キャップの内側に形成される内板取付用縦壁と、前記縁部の扉用キャップの内側に形成され、冷蔵室又は冷凍室の前面開口縁部に設けられたドアスイッチを動作させるスイッチ用マグネットを収納するマグネット収納凹部と、該マグネット収納凹部に収納されるスイッチ用マグネットとを一体成形し、前記扉用キャップの内側以外の部分にドアパネルを取り付け、前記扉用キャップの内側にサッシレス式の扉内板を前記内板取付用縦壁に乗せて取り付け、発砲断熱材が注入できる扉組立体を構成するようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による冷凍冷蔵庫の冷蔵室の扉の要部を示す断面図、図2は同冷凍冷蔵庫の冷蔵室の扉の要部分解状態を示す組立図、図3は同冷凍冷蔵庫の冷蔵室扉の開放状態を示す斜視図、図4は同冷凍冷蔵庫の上部冷凍室扉の要部断面図である。
図において、従来例と同一の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略する。25はこの実施の形態1の冷蔵室2の扉6又は上部冷凍室3の扉7のサッシレス式の扉用キャップ、25aは扉用キャップ25に形成されたマグネット収納凹部、26は扉用キャップ25の表面に一体的に立設された内板取付用縦壁である。
【0012】
27は内板取付用縦壁26にそのマグネット収納凹部25a上方位置を切り欠いて形成されたマグネット案内溝、27aはマグネット案内溝27に相対向して設けられた一対のマグネット押え係合片、28は断面L字状のマグネット押えで、水平なマグネット押え片28aと垂直な壁取付片28bとからなり、壁取付片28bの両端部にマグネット押え係合片27aと係合する係合溝28cが設けられている。29は扉用キャップ25の下縁又は上縁に形成されるマグネット押え組成体で、マグネット収納凹部25aとマグネット案内溝26とマグネット押え28とで構成されている。
30は雇用キャップ25に取り付けられるサッシレス式の扉内板、31はサッシレス式の扉内板30に形成された従来のサッシ9と同じ働きを有する溝、32は溝31に嵌め込まれるサッシレス式のガスケットである。
【0013】
次に、リードスイッチ用マグネット12の冷蔵室2又は上部冷凍室3の扉用キャップ10への取り付けについて説明する。
まず、扉用キャップ25のマグネット収納凹部25aにリードスイッチ用マグネット7を埋め込み、しかる後にマグネット押え28を用いてリードスイッチ用マグネット7の固定を行う。
即ち、マグネット押え28の壁取付片28bの両端部に各々設けられた係合溝28cを内板取付用縦壁26のマグネット案内溝27に相対向して設けられた一対のマグネット押え係合片にそれぞれ係合させる。そうすると、マグネット押え28の水平なマグネット押さえ片28aがマグネット収納凹部25a内のリードスイッチ用マグネット7を押え固定し、マグネット押え28の壁取付片28bの外側面が扉用キャップ25の内板取付用縦壁26と面一になるように内板取付用縦壁26のマグネット案内溝27が閉鎖される。
【0014】
そこで、ドアパネル16を扉用キャップ25の内側以外の部分に装着し、ドアパネル16が装着された扉用キャップ25の内側にサッシレス式の扉内板30を、マグネット案内溝27がマグネット押え28で閉鎖された内板取付用縦壁26に乗せて取り付けることにより、ドアパネル16と扉用キャップ25とマグネット案内溝27がマグネット押え28で閉鎖される内板取付用縦壁26とサッシレス式の扉案内板30とで構成される扉組立体33内に発泡断熱材20を注入して発泡させ、その後ガスケット32を扉内板30の溝31に嵌着させて冷蔵室2の扉6が完成する。
なお、図4に示す上部冷凍室3の扉7も、冷蔵室2の扉6と同様に前述した手順で完成される。
【0015】
このように、サッシレス式の扉用キャップ25にサッシに代わる内板取付用縦壁26を一体的に形成し、その内板取付用縦壁26のマグネット収納凹部25aを覆っている部分にマグネット案内溝27を設け、そのマグネット案内溝27に係合するマグネット押え28でマグネット収納凹部25a内のスイッチ用マグネット12を押さえると共に内板取付用縦壁26と面一になるようにそのマグネット案内溝27を閉鎖するので、サッシレス式の扉用キャップ25の内側に一体的に形成された内板取付用縦壁26が従来のサッシに代わり、従来のサッシが廃止されるため、部品点数が大幅に削減でき、工数も大きく低減でき大幅にコストダウンを図ることができ、また発泡断熱材12を注入してもマグネット押え組成体13の内板取付用縦壁26から発泡断熱材12の洩れは発生しないため、従来のシーリングのときに生じていた発泡断熱材の洩れが確実に防止できる。
【0016】
なお、図4に示す上部冷凍室3の扉7のように、サッシレス式ガスケット32の取付位置が異なるタイプの扉の場合は、内板取付用縦壁26とマグネット押えで28の垂直な壁取付片28bの高さを変えることで対処することができる。
【0017】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2による冷凍冷蔵庫の上部冷凍室扉の要部を示す組立図、図6は図5のB−B断面図である。
この実施の形態2は、実施の形態1におけるサッシレス式扉用キャップ25に対してマグネット収納凹部25aや内板取付用縦壁26ばかりでなく、スイッチ用マグネット12も一体的に成形し、マグネット案内溝27とそれに係合するマグネット押え28をなくしたものである。
従って、発泡断熱材の洩れの防止が確実に行われると共に、リードスイッチ用マグネット12の取付の後のマグネット案内溝27の加工やマグネット案内溝27へのマグネット押え28の取り付けを廃止することで、部品点数や工数が大幅に削減されて大幅なコストダウンを図ることができる。また、この一体成形は、扉にリード線、制御基板等が設けられている場合ついても応用することができることはいうまでもない。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本願の請求項1の発明によれば、冷凍冷蔵庫本体の冷蔵室又は冷凍室の扉の縁部を形成するサッシレス式の扉用キャップの内側に内板取付用縦壁を一体的に形成し、前記縁部の扉用キャップの内側に、冷蔵室又は冷凍室の前面開口縁部に設けられたドアスイッチを動作させるスイッチ用マグネットを収納するマグネット収納凹部を形成し、前記内板取付用縦壁にはそのマグネット収納凹部を覆っている位置にマグネット案内溝を設け、該マグネット案内溝にマグネット収納凹部に収納されたリードスイッチ用マグネットを固定すると共にマグネット案内溝を閉鎖するマグネット押えを係合させ、サッシ式の扉用キャップの内側以外の部分にドアパネルを取り付け、サッシレス式の扉用キャップの内側にサッシレス式の扉内板を前記内板取付用縦壁に乗せて取り付け、発泡断熱材が注入できる扉組立体を構成するようにしたので、サッシレス式の雇用キャップの内側に一体的に形成された内板取付用縦壁が従来のサッシに代わり、従来のサッシが廃止されたため、部品点数が大幅に削減でき、工数も大きく低減でき大幅にコストダウンを図ることができ、また内板取付用縦壁のマグネット収納凹部を覆っている部分に設けられたマグネット案内溝に係合するマグネット押えがマグネット収納凹部内のスイッチ用マグネットを押え固定すると共に内板取付用縦壁のマグネット案内溝を閉鎖するので、発砲断熱材を注入してもマグネット押え組立体から発泡断熱材の漏れは発生しないため、従来のシーリングテープのときに生じていた発泡断熱材のもれも確実に防止できるという効果がある。
【0019】
本願の請求項2の発明によれば、冷凍冷蔵庫本体の冷蔵室又は冷凍室の扉の縁部を形成するサッシレス式の扉用キャップと、該扉用キャップの内側に形成される内板取付用縦壁と、前記縁部の扉用キャップの内側に形成され、冷蔵室又は冷凍室の前面開口縁部に設けられたドアスイッチを動作させるスイッチ用マグネットを収納するマグネット収納凹部と、該マグネット収納凹部に収納されるスイッチ用マグネットとを一体成形し、サッシ式の扉用キャップの内側以外の部分にドアパネルを取り付け、サッシ式の扉用キャップの内側にサッシレス式の扉内板を前記内板取付用縦壁に乗せて取り付け、発砲断熱材が注入できる扉組立体を構成するようにしたので、発泡断熱材の漏れの防止が確実に行われると共に、マグネット押えが不要となり、部品点数や工数が大幅に削減されて大幅なコストダウンを図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1による冷凍冷蔵庫の冷蔵室の扉の要部を示す断面図である。
【図2】同冷凍冷蔵庫の冷蔵室の扉の要部分解状態を示す組立図である。
【図3】同冷凍冷蔵庫の冷蔵室扉の開放状態を示す斜視図である。
【図4】同冷凍冷蔵庫の上部冷凍室扉の要部断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2による冷凍冷蔵庫の上部冷凍室扉の要部を示す組立図である。
【図6】図5のB−B断面図である。
【図7】従来の冷凍冷蔵庫の冷蔵室扉の開放状態を示す斜視図である。
【図8】同冷凍冷蔵庫の冷蔵室扉の要部組立図である。
【図9】図8のC−C断面図である。
【図10】同冷凍冷蔵庫の上部冷凍室扉の要部断面図である。
【符号の説明】
6 冷蔵室の扉、12 リードスイッチ用マグネット、 16 ドアパネル、20 発泡断熱材、25 サッシ式扉用キャップ、25a マグネット収納凹部、26 内板取付用壁、27 マグネット案内溝、28 マグネット押え、30
サッシレス式の扉内板、33 扉組立体。
Claims (2)
- 冷凍冷蔵庫本体の冷蔵室又は冷凍室の扉の縁部を形成するサッシレス式の扉用キャップの内側に内板取付用縦壁を一体的に形成し、前記縁部の扉用キャップの内側に、冷蔵室又は冷凍室の前面開口縁部に設けられたドアスイッチを動作させるスイッチ用マグネットを収納するマグネット収納凹部を形成し、前記内板取付用縦壁にはそのマグネット収納凹部を覆っている位置にマグネット案内溝を設け、該マグネット案内溝にマグネット収納凹部に収納されたリードスイッチ用マグネットを固定すると共にマグネット案内溝を閉鎖するマグネット押えを係合させ、前記扉用キャップの内側以外の部分にドアパネルを取り付け、前記扉用キャップの内側にサッシレス式の扉内板を前記内板取付用縦壁に乗せて取り付け、発砲断熱材が注入できる扉組立体を構成するようにしたことを特徴とする冷凍冷蔵庫。
- 冷凍冷蔵庫本体の冷蔵室又は冷凍室の扉の縁部を形成するサッシレス式の扉用キャップと、該扉用キャップの内側に形成される内板取付用縦壁と、前記縁部の扉用キャップの内側に形成され、冷蔵室又は冷凍室の前面開口縁部に設けられたドアスイッチを動作させるスイッチ用マグネットを収納するマグネット収納凹部と、該マグネット収納凹部に収納されるスイッチ用マグネットとを一体成形し、前記扉用キャップの内側以外の部分にドアパネルを取り付け、前記扉用キャップの内側にサッシレス式の扉内板を前記内板取付用縦壁に乗せて取り付け、発砲断熱材が注入できる扉組立体を構成するようにしたことを特徴とする冷凍冷蔵庫。
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