JP3546305B2 - 亜鉛メッキラインスナウトの寿命向上方法 - Google Patents

亜鉛メッキラインスナウトの寿命向上方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、亜鉛メッキラインのスナウトの寿命向上方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛メッキラインにおいては、鋼帯への亜鉛の密着性を良好にするために、鋼帯を無酸化状態で溶融亜鉛浴ポット内に浸漬させ、密着性の良好な亜鉛メッキ鋼帯を製造している。この無酸化状態を作るため、溶融亜鉛浴ポットの入口にスナウトを設け、外気と遮断している。
【0003】
亜鉛メッキラインでは、製品のメッキ性状を変えるため、溶融亜鉛浴成分の入れ替えを行っている。この溶融亜鉛浴の入れ替えに伴うスナウト浸漬部の温度は、70℃(ポットが空の状態)から450℃以上(ポットに溶融亜鉛を入れた状態)に変化する。スナウトの材料は、このような温度変化の下で耐腐食性や耐摩耗性を得るため、ステンレス系の耐腐食性鋳鋼材料を使用している。スナウトは、断面が箱形に形成されており、重量や製造コストを考慮してその板厚は30mm程度とするのが一般的である。
【0004】
従来、このスナウトについては、耐割れ性や耐亀裂性よりも、溶融亜鉛に対する耐腐食、耐摩耗性が重視されていた。スナウトの耐腐食、耐摩耗性の向上を目的とした技術として、特開平9−78261号や特開平11−80917号が開示されている。
【0005】
特開平9−78261号は、浸漬部材本体の表面に、Li, Na, Mg, 等および希土類元素の弗化物のうち1種または2種以上を5〜95%含み、残部がSi, Al, Ca 等および希土類元素のうち1種または2種以上の酸化物および不可避的不純物からなり、弗化物と酸化物の含有比により基体部材本体と熱膨張係数を整合させた被膜を5〜1000μmの厚さに形成させるものである。
【0006】
また、特開平11−80917号は、浸漬部材本体の表面に、タングステン炭化物、チタン炭化物等の1種または2種以上と、タングステン・コバルト硼化物、モリブデン・コバルト硼化物等の1種または2種以上の複合硼化物および不可避物からなる、5〜500μmの表層被膜を溶射により形成したものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、浸漬部材本体の表層に前記の被膜を形成させて、スナウトの耐腐食、耐摩耗性を向上させても、次のような問題があり、スナウトの寿命を延長させることができない。すなわち、浸漬部材本体の先端に亀裂が発生、成長し、スナウト内部に空気が侵入し製品品質を低下させるという問題がある。
【0008】
図4は、スナウト1の先端1dに亀裂Cが発生した状態を示している。この亀裂Cは、使用後一ヶ月以内に発生し、亀裂の小さいうちに溶接補修を行うが、亀裂の進行を止めることはできず、スナウトの寿命が1年未満となっていた。そこで、亀裂の成長を観察しながら、亀裂が溶融亜鉛浴面上に進行する前に予備品と交換している。
【0009】
本発明は、上述の問題点を解消するためになされたもので、亜鉛メッキラインのスナウト先端の亀裂発生を抑制し、寿命を向上させる方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を、亜鉛メッキラインの溶融亜鉛浴ポットに浸漬して使用するスナウトにおいて、スナウトの下部部材の材質をステンレス系鋳鋼又はステンレス鋼板とし、板厚を6mm以上、15mm以下にする方法によって達成する。
【0011】
スナウトの下部部材の板厚を6mm以上、15mm以下とすることにより、下部部材が熱応力を受ける時間が短くなり、下部部材先端における亀裂入りが抑制される。下部部材の板厚を6mm以上としたのは、板厚を3mm未満にすると穴空きが早くなり寿命が1年未満となるからである。また、板厚を15mm以下としたのは、15mmを超える板厚にすると、スナウト先端に亀裂が早く発生し、寿命が1年未満となるからである。
【0012】
【発明の実施の形態】
先ず、亜鉛メッキラインのスナウトについて説明する。図2は、亜鉛メッキラインにおけるスナウトの周辺機器を示す側面図、図3は、スナウトの断面図である。図2において、2は無酸化炉、4は溶融亜鉛浴ポットである。無酸化炉2の出口側に鋼帯7を溶融亜鉛浴ポット4内部に案内するロール3が設けられている。また、溶融亜鉛浴ポット4内部に、浸漬ロール5が設けられており、この浸漬ロール5は無酸化炉2からの鋼帯7を案内する。無酸化炉2の出口フード2aにスナウト1が、その先端部を溶融亜鉛浴6に浸漬して接続され、無酸化炉出口フード2aと溶融亜鉛浴面6aとの間を大気から遮断している。
【0013】
無酸化炉2で熱処理された鋼帯7は、ロール3で下向きに方向を変え、出口フード2aおよびスナウト1の内部を通って溶融亜鉛浴ポット4内の溶融亜鉛浴6中を通過し、浸漬ロール5で上方に方向転換して溶融亜鉛浴面6aを出て、次工程設備に進行する。このスナウト1により鋼帯7は、大気と遮断されて溶融亜鉛浴6中に進行することができる。
【0014】
スナウト1は、図3に示すように上部部材1a、溶融亜鉛浴に浸漬する下部部材1bおよび上部部材1aの一端に設けられたフランジ1cから構成されている。そして、上部部材1aの他端と下部部材1bの一端が溶接により接続されている。スナウトの下部部材1bは、浸漬部が流動する溶融亜鉛浴に曝され、また溶融亜鉛浴の入れ替えに伴う大きな温度変化(450℃〜70℃)を受けるため、使用中に浸漬部が摩耗、腐食し、また亀裂入りする。このうち、摩耗および腐食に対しては下部部材1bの内外面に、耐摩耗、耐腐食性の特殊な皮膜を形成させ対処しているが、先端1dの亀裂入りについては原因が分からず、亀裂の成長を観察しながら、スナウト内部に大気が侵入する亀裂長さになる前に予備品と交換していた。この亀裂入りの原因は次のように考えられる。
【0015】
▲1▼スナウトが溶融亜鉛浴に浸漬されたとき、下部部材の外表面温度が約450℃、中心部温度が約70℃でその温度差が約380℃になり、下部部材の浸漬部にこの温度差に比例した熱応力が発生する。その後、時間の経過とともに溶融亜鉛浴の熱が外表面から中心部に伝わり、中心部温度が上昇するとともに熱応力が減少し、ついには外表面温度の450℃となり、前記熱応力が0になる。▲2▼外表面と中心部の温度差が0になるまでの時間は、下部部材の板厚に関係し、板厚が厚いほど前記時間が長く、熱応力を受ける時間が長くなり、板厚が薄いほど前記時間が短く、熱応力を受ける時間が短くなる。▲3▼熱応力が大きく、熱応力を受ける時間が長くなるほど、下部部材に蓄積する永久ひずみ量が多く、熱応力が小さく、熱応力を受ける時間が短いほど、下部部材に蓄積する永久ひずみ量が少なくなる。蓄積された永久ひずみ量が材料の破断するひずみ量に達すると亀裂が発生する。
【0016】
以上の考えから、スナウト下部部材の板厚を従来の板厚(30mm)より薄くしたもの(板厚;15mm、12mm、6mm、3mmの4種類)を実機に使用し、その平均寿命を調査した。なお、スナウト下部部材の材質は、板厚15mmおよび12mmのもはステンレス系鋳鋼とし、板厚6mmおよび3mmのものはステンレス鋼板とし、表層に耐腐食、耐摩耗性の皮膜を形成させなかった。この調査結果を図1に示す。ここで、平均寿命は、下部部材の浸漬部上端(溶融亜鉛浴面と接する位置)に腐食、摩耗により穴空きするか、浸漬部上端位置まで亀裂が成長したときを寿命とした。いずれの板厚も、穴空きにより寿命となった。取り外したスナウトの下部部材について、亀裂入りの有無を調査したところ、板厚3mm、6mmのものは亀裂入りが認められず、板厚12mm、15mmのものは亀裂入りが認められ、特に15mmのものは亀裂が浸漬部上端位置近くまで成長していた。
【0017】
以上の結果より、スナウトの寿命を1年以上とするためには、スナウトの下部部材の板厚を3mm以上、15mm以下とする必要がある。板厚を3mm未満にすると、穴空きにより寿命が1年未満となり、板厚が15mmを超えると亀裂により寿命が1年未満となる。板厚3mmおよび6mmは亀裂の発生が無いので、耐腐食、耐摩耗性の被覆を表層に形成させれば、さらに寿命を向上させることができる。
【0018】
【発明の効果】
本発明方法によれば、スナウトの熱応力を受ける時間が短くなり、スナウト先端の亀裂入りを抑制することができるから、スナウト寿命を向上させることができる。これにより補修費の低減および亜鉛メッキラインの稼働率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スナウト下部部材の板厚とその平均寿命の関係を示すグラフである。
【図2】亜鉛メッキラインにおけるスナウトの周辺機器を示す側面図である。
【図3】スナウトの断面図である。
【図4】スナウトの先端に亀裂が発生した状態を示す図である。
【符号の説明】
1 スナウト
1a 上部部材
1b 下部部材
1c フランジ
1d 先端
2 無酸化炉
2a 出口フード
3 ロール
4 溶融亜鉛浴ポット
5 浸漬ロール
6 溶融亜鉛浴
6a 溶融亜鉛浴面
7 鋼帯

Claims (1)

  1. 亜鉛メッキラインの溶融亜鉛浴ポットに浸漬して使用するスナウトにおいて、スナウトの下部部材の材質をステンレス系鋳鋼又はステンレス鋼板とし、板厚を6mm以上、15mm以下にすることを特徴とする亜鉛メッキラインスナウトの寿命向上方法。
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