JP3545390B2 - 空芯コイル、コイル装置及びそれらの製造方法 - Google Patents

空芯コイル、コイル装置及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種交流機器における整流回路、雑音防止回路、共振回路等に装備される空芯コイル、コイル装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
コアの周囲にコイルを巻装してなるコイル装置を製造する方法として、出願人は、図13(a)(b)に示す如き製造方法を提案している(特開2000−277337号公報参照)。該コイル装置の製造方法においては、図13(a)に示す如くC字状のコア(7)のギャップ部(71)からコア(7)の中央孔(70)へ、空芯コイル(8)の一方の側部を通過させて、コア(1)の周囲に空芯コイル(8)を装着し、これによって、図13(b)に示す如きコイル装置を得る。
該製造方法によれば、コア(7)とは別体に、空芯コイル(8)を作製した後、該空芯コイル(8)をコア(7)に装着してコイル装置を形成するので、コア(7)に対する巻線作業が不要であり、空芯コイル(8)の作製を自動化することによって製造工程が簡易となる。
【0003】
又、図25に示す如くボビン(10)の周囲に空芯コイル(81)を巻装してなるトロイダル型のコイル装置が知られている。該空芯コイル(81)は、例えば巻線治具(図示省略)の外周面に、図中に1〜29の番号で示す順序で導線を巻き付けることによって作製される。先ず、巻線治具の外周面に図中の番号1〜10の順序で導線を巻き付けて、第1層(82)を形成した後、該第1層(82)の外周面に図中の番号11〜19の順序で導線を巻き付けて、第2層部(83)を形成し、最後に、該第2層部(83)の外周面に図中の番号20〜29の順序で導線を巻き付けて、第3層部(84)を形成することにより、3層構造の空芯コイル(81)を作製する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図14(a)(b)に示す従来のコイル装置の製造においては、コア(7)の中央孔(70)を複数回に亘って通過する導線(9)が中央孔(70)に占める断面積の割合、即ち導線(9)の占積率を高くするために、空芯コイルの導線として、平角導線或いは台形導線を用いる方法が採用可能である。平角導線及び台形導線は、丸線と同じ断面積で丸線の直径よりも短い短辺を有しているので、コア(7)の中央孔(70)に多くの導線を収容することが出来、これによって、導線の占積率は高くなる。しかし、平角導線や台形導線は、丸線よりも高価である問題がある。
【0005】
占積率を高くするための他のコイル装置の製造方法としては、図14(a)に1〜13の番号で表わす順序で、導線(9)をコア(7)の周囲に巻き付けた後、図14(b)に14〜23の番号で表わす順序で、導線(9)をコア(7)の周囲に巻きつけて、コアの外周側では1層、コアの内周側では2層のコイル層を形成する方法が知られている。これによって、コア(7)の中央孔(70)に多くの導線を収容することが出来るので、導線の占積率は高くなる。
しかし、コア(7)の周囲に導線(9)を巻き付ける工程は、自動化が困難であり、手作業で行なわざるを得ないため、生産効率が低い問題がある。
【0006】
又、図25に示す空芯コイル(81)においては、第1層部(82)、第2層部(83)及び第3層部(84)が直列に接続された状態で積層されているので、図26に示す如く、巻き軸方向に隣接する巻線間に浮遊容量が存在すると共に、巻き軸と直交する方向に重なる巻線間にも浮遊容量が存在する。ここで、第1層部(82)の番号1の巻線と第2層部(83)の番号19の巻線が互いに重なると共に、第2層部(83)の番号11の巻線と第3層部(84)の番号29の巻線とが互いに重なっているので、図26の如く、互いに重なる巻線間の電位差(層間電圧)V1は高いものとなる。この結果、空芯コイル(81)の耐圧性が問題となる。又、浮遊容量が大きいために空芯コイル(81)の周波数特性が劣化する問題があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、従来よりも層間電圧が低くなると共に周波数特性が改善される空芯コイル、平角導線や台形導線を用いることなく高い占積率を実現することが出来るコイル装置、並びに工程の自動化が可能なコイル装置の製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る空芯コイルは、少なくとも1本の導線を渦巻き状に巻回して形成される単位コイル部が、巻き軸方向に繰り返し並んでおり、各単位コイル部は、互いに内周長の異なる複数の単位巻部から形成され、内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部の少なくとも一部が押し込まれている。
【0009】
具体的構成において、各単位コイル部を形成する複数の単位巻部は、内周側から外周側に向かって、或いは外周側から内周側に向かって順次巻回され、最外周又は最内周の単位巻部が、隣接する単位コイル部の最外周又は最内周の単位巻部に繋がっている。
【0010】
上記本発明の空芯コイルにおいては、各単位コイル部を構成する複数の単位巻部は、巻き軸と交差する方向に重なっているが、これらの単位巻部は連続した1本の導線を巻回して順次形成されており、巻線番号は連続しているので、巻線間の浮遊容量は小さい。又、互いに隣接する単位コイル部どうしにおいても、複数の単位巻部が巻き軸方向に重なっているが、互いに隣接する単位コイル部は、連続した1本の導線から順次形成されているので、巻線間の浮遊容量は比較的小さいものとなる。
【0011】
又、本発明に係る空芯コイルの製造方法は、少なくとも1本の導線を渦巻き状に巻回することにより、互いに異なる内周長を有する複数の単位巻部を巻き軸方向に連続して形成すると共に、該複数の単位巻部からなる単位コイル部を巻き軸方向に繰り返し形成して、空芯コイルの中間製品を作製した後、該中間製品を巻き軸方向に圧縮して、各単位コイルを構成する複数の単位巻部の内、内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部の少なくとも一部を押し込んで、各単位コイル部を少なくとも一部で多層化する。
該製造方法において、前記空芯コイルの中間製品は、内周長の異なる複数の単位巻部を巻き軸方向に配列したものであって、単位巻部を形成する導線が巻き軸とは直交する方向(巻径方向)に重なっていないので、1本の導線を内周長を変化させながら渦巻き状に巻回することにより、容易に作製することが出来る。そして、この様にして得られた空芯コイルの中間製品を巻き軸方向に単に圧縮するだけで、上記本発明の空芯コイルを得ることが出来る。
【0012】
具体的構成において、前記中間製品は、巻線治具の外周面に導線を巻き付けることによって作製され、巻線治具は、軸方向に並ぶ複数の巻芯部からなり、隣接する巻芯部どうしは互いに異なる外周長を有しており、巻線治具の外周長の小さな巻芯部に導線を巻き付けることによって前記内周長の小さな単位巻部を形成し、巻線治具の外周長の大きな巻芯部に導線を巻き付けることによって、前記内周長の大きな単位巻部を形成する。
該具体的構成によれば、巻線治具の周囲に導線を巻き付けることによって、内周長の変化する複数の巻線部からなる中間製品を、容易に作製することが出来、工程の自動化が可能となる。
【0013】
又、本発明に係るコイル装置の製造方法は、コアの周囲にコイルを巻装してなるコイル装置の製造方法であって、
巻き軸方向に並ぶ複数の単位巻部から構成され、各単位巻部は1或いは複数の巻数を有し、巻き軸方向に隣接する単位巻部どうしは互いに異なる内周長を有している、空芯コイルを製造する工程と、
空芯コイルを巻き軸方向に圧縮して、内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部の少なくとも一部を押し込みつつ、コアの周囲に空芯コイルを装着する工程
とを有している。
【0014】
上記本発明のコイル装置の製造方法においては、空芯コイル作製工程によって得られた単層の空芯コイルを、空芯コイル装着工程にて巻き軸方向に圧縮することにより、内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部の少なくとも一部が押し込まれて重なりを生じ、単層の空芯コイルが、複数層のコイルとしてコアに巻装される。この結果、従来のコイル装置よりも、一定の領域内に多くの導線を収容することが出来、これによって占積率が高くなる。
又、コアの周囲に空芯コイルを巻装する工程を採用しているので、コアの周囲に導線を巻き付ける工程は不要であり、空芯コイル作製工程及び空芯コイル装着工程の自動化が可能である。
【0015】
【発明の効果】
本発明に係る空芯コイルによれば、巻線間の浮遊容量が従来よりも小さくなるので、これに伴って層間電圧が低くなり、優れた耐圧性が得られると共に、周波数特性が改善される。又、本発明に係るコイル装置によれば、導線の種類に拘わらず高い占積率を実現することが出来る。更に本発明に係るコイル装置の製造方法によれば、工程の自動化が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に沿って具体的に説明する。
コイル装置の実施例
図1は、本発明に係るコイル装置の製造方法によって作製したチョークコイル装置を示している。該チョークコイル装置は、ギャップ部(14)を有するC字状のコア(1)にコイル(2)を巻装して構成されている。コイル(2)を形成する導線は、コア(1)の外周側では1層に巻回され、コア(1)の内周側において2層に巻回されている。コイル(2)の両端部は同一方向に伸びて、一対のリード部(17)(18)を形成している。
【0017】
コア(1)は、前記ギャップ部(14)となる隙間を有するC字状のコア片(11)と、ギャップ部(14)を挟む一対のコア端面を除くコア片(11)の表面を覆う絶縁層(12)とから構成されている。図1において、コア(1)の半径方向の幅をW、高さをLで表わす。
コア(1)のギャップ部(14)は、コア(1)の中心軸と直交する断面における貫通方向がコア(1)の半径方向に対して傾斜して、コア(1)の中心軸からずれている。コア(1)には、ギャップ部(14)を挟む一対のコア端面の内、コア中心からの距離が短い一方のコア端面の近傍位置に、コア(1)の内側へ向けて突出する凸部(15)が形成されている。又、一対のコア端面の間隔、即ちギャップ部(14)の幅は、コイル(2)を構成する導線の直径よりも僅かに大きくなっている。
【0018】
本発明に係るコイル装置の製造工程においては、先ず、図2に示す如き巻線治具(3)を用いて空芯コイルを作製する。
該巻線治具(3)は、支持板(33)の表面に巻芯(30)を突設して構成され、巻芯(30)は、断面が四角形の角柱部(34)の一方の側部に、複数の凸条部(36)を突設して形成されており、凸状部(36)とは反対側の側面(37)は平面に形成されている。
巻線治具(3)の角柱部(34)は、その長手方向に垂直な断面における幅X及び高さYが前記コア(1)の幅W及び高さLよりも僅かに大きくなる様、断面形状が規定されている。巻線治具(3)の凸条部(36)は、角柱部(34)の外周面に沿ってその略半周を覆うコ字状に形成され、角柱部(34)の表面からの高さHが導線の直径よりも僅かに大きく、角柱部(34)の長手方向に沿う幅Bが1本の導線を巻き付けることが可能な大きさに形成されている。
【0019】
巻線治具(3)の複数の凸条部(36)は、連続する3つの凸条部(36)(36)(36)が1本の導線を巻き付けることが可能な間隔で配置されると共に、連続する3つの凸条部(36)(36)(36)を一つのグループ(35)として、複数のグループ(35)が2本の導線を巻き付けることが可能な間隔で配置されており、これによって、巻線治具(3)の表面には、1本の導線を巻き付けることが可能な複数の領域に介在して、2本の導線を巻き付けることが可能な領域が、一定の周期で形成されることになる。
尚、巻線治具(3)の巻芯(30)は、複数の部材から構成されて、分解及び組立が可能となっているが、図2においては便宜上、単一部材から構成されている状態に描いている。
斯くして、巻線治具(3)には、凸条部(36)が形成されている領域によって第1巻芯部(31)が形成されると共に、隣接する2つの凸条部(36)(36)間の領域によって第2巻芯部(32)が形成されることになる。
【0020】
空芯コイル作製工程においては、図3に示す如く、巻線治具(3)の支持板(33)側から順に、導線(39)を各巻芯部(31)(32)の表面に沿わせつつ、巻芯(30)の周囲に巻き付けていく。この過程で、各巻芯部(31)(32)に対する導線(39)の巻き付け回数は、巻芯部の幅に応じて1回又は2回とする。この様にして、導線(39)を巻線治具(3)の終端の巻芯部まで巻き付けた後、巻芯(30)を分解して除去する。この結果、図4及び図5に示す空芯コイル(4)が得られる。
【0021】
該空芯コイル(4)においては、前記巻線治具(3)の第1巻芯部(31)に巻き付けられて形成された内周長の大なる第1単位巻部(41)と、前記巻線治具(3)の第2巻芯部(32)に巻き付けられて形成された内周長の小なる第2単位巻部(42)とが、交互に配置されている。
【0022】
図5に示す如く、空芯コイル(4)の内、巻線治具(3)の平面を呈している側面(37)に沿って形成された一方の側部(44)においては、第1単位巻部(41)と第2単位巻部(42)の外周面が揃っているのに対し、巻線治具(3)の凸状部(36)に沿って形成された他方の側部(45)においては、第1単位巻部(41)の外周面が第2単位巻部(42)の外周面よりも外方へ突出して、凹凸形状を形成している。以下、前記一方の側部(44)を平面状側部(44)と称し、前記他方の側部(45)を凹凸状側部(45)と称する。
【0023】
図6は、空芯コイル(4)の第1単位巻部(41)と第2単位巻部(42)の具体的な形状を表わしている。第1単位巻部(41)は、台形状のループを描く第1〜第4の導線部(41a)(41b)(41c)(41d)から構成され、第2単位巻部(42)は、長方形状のループを描く第1〜第4の導線部(42a)(42b)(42c)(42d)から構成されている。そして、第1単位巻部(41)の内、台形の短辺に相当する第4導線部(41d)は、第2単位巻部(42)の第4導線部(42d)と重なり、両第4導線部(41d)(42d)によって前記平面状側部(44)を形成している。又、第1単位巻部(41)の内、台形の長辺に相当する第1導線部(41a)は、第2単位巻部(42)の第1導線部(42a)よりも外側を伸びて、両第1導線部(41a)(42a)によって前記凹凸状側部(45)を形成している。又、第1単位巻部(41)の内、台形の2本の側辺に相当する第2導線部(41b)及び第3導線部(41c)は、第4導線部(41d)の両端位置から第1導線部(41a)の両端位置に向かって伸び、互いの間隔が拡がっている。
【0024】
ここで、第2単位巻部(42)の第1〜第4の導線部(42a)(42b)(42c)(42d)の内側に形成された空孔(48)は、コア(1)の半径方向に沿う断面形状よりも僅かに大きな長方形となり、第1単位巻部(41)の第1〜第4の導線部(41a)(41b)(41c)(41d)の内側に形成された空孔(47)は、第2単位巻部(42)の空孔(48)を包含すると共に、第2単位巻部(42)の第1導線部(42a)の全体、並びに第2及び第3導線部(42b)(42d)の一部を包含する大きさとなっている。
即ち、第1単位巻部(41)の第1巻線部(41a)と第2単位巻部(42)の第2巻線部(42a)の間には、その全域に亘って、巻軸方向に貫通する僅かな隙間が形成されると共に、第1単位巻部(41)の第2及び第3巻線部(41b)(41c)と第2単位巻部(42)の第2及び第3巻線部(42b)(42c)との間には、第1巻線部(41a)側の一部の領域に、巻軸方向に貫通する僅かな隙間が形成されている。
尚、前記隙間は必ずしも必要なものではなく、第1巻線部(41a)(42a)どうしが僅かに重なる構成であってもよい。
【0025】
その後、空芯コイル装着工程においては、図7及び図8に示す如く、別途作製したコア(1)に空芯コイル(4)を装着する。
先ず、図7に示す如く、コア(1)のギャップ部(14)を挟む一対のコア端面(1a)(1b)の内、コア中心から遠い一方のコア端面(1b)を有するコア端部(1c)が空芯コイル(4)の中央孔へ侵入する様に、空芯コイル(4)の凹凸状側部(45)をコア(1)のギャップ部(14)へ押し込む。この際、空芯コイル(4)の凹凸状側部(45)を挿入補助具(5)を用いて挟圧し、その凹凸形状を平面形状に矯正しながら、コア(1)のギャップ部(14)に押し込んでいく。
これによって、空芯コイル(4)の側部(45)は、導線(39)の直径よりも僅かに大きな幅のギャップ部(14)を通過する。
【0026】
更に空芯コイル(4)をコア(1)の奥部へ押し進めると、図8に示す如く、空芯コイル(4)の側部(45)は、その前端の単位巻部(41)から順に、コア(1)のギャップ部(14)から中央孔(13)へ移動し、この移動に伴って、側部(45)が挟圧力から開放されて弾性復帰し、コア(1)の中央孔(13)において、第1単位巻部(41)の外周面が第2単位巻部(42)の外周面よりもコア中心に向かって突出して、元の凹凸形状に戻ることになる。
この様にして、空芯コイル(4)を押し進めて、側部(45)をその全長に亘って中央孔(13)内へ押し込む。
【0027】
この過程で、空芯コイル(4)の前端が図9に示す如くコア(1)の凸部(15)に当接し、更に空芯コイル(4)を押圧することにより、空芯コイル(4)が巻き軸方向の圧縮力を受けて、コア(1)の内周側にて、空芯コイル(4)の第2単位巻部(42)が第1単位巻部(41)の内側に押し込まれる。この際、図6に示す如く空芯コイル(4)の凹凸状側部(45)において、第1単位巻部(41)の第1導線部(41a)と第2単位巻部(42)の第1導線部(42a)との間には、僅かな隙間が形成されているので、両第1導線部(41a)(42a)が互いに干渉することなく、第2単位巻部(42)は第1単位巻部(41)の内側にスムーズに押し込まれることになる。
尚、空芯コイル(4)を圧縮する前の状態で、第1導線部(41a)(42a)間の隙間が零の場合や第1導線部(41a)(42a)間に僅かな重なりがある場合であっても、空芯コイル(4)の圧縮によって第2及び第3導線部(42b)(42c)が屈曲するので、第2単位巻部(42)を第1単位巻部(41)の内側に押し込むことが可能となる。
【0028】
この結果、空芯コイル(4)は、図10に示す断面図の如く、コア(1)の中央孔(13)内にて2層に形成されることになる。
図11は、前述の空芯コイル作製工程において巻線治具(3)に導線(39)を巻き付けて複数の単位巻部(41)(42)を形成するときの巻線順序を1〜38の番号で表わすと共に、これによって作製された空芯コイル(4)をコア(1)に装着したときの各単位巻部の位置を、前記巻線順序を示す番号で表わしたものである。
【0029】
図示の如く、巻線治具(3)に巻き付けられた状態において巻線順序が例えば3と4、或いは23と24の如く連続する第1単位巻部(41)と第2単位巻部(42)は、コア(1)に装着されることによって、コア中央孔(13)にて互いに積み重ねられて、第2単位巻部(42)からなる第1層と第1単位巻部(41)からなる第2層の2層構造となる。
【0030】
ところで、本実施例では、図11に示す如く巻線治具(3)の凸状部(36)の間隔を一定周期で導線1本分の大きさから導線2本分の大きさに変化させているが、仮に凸状部(36)の配列ピッチを一定として、空芯コイル(4)の単位巻部を全て同じ巻数で形成した場合、次の様な不具合が生じる。
即ち、空芯コイルは、C字状コアへの装着に伴ってC字状に湾曲するので、コアの中央孔において第2単位巻部(42)によって形成される第1層と第1単位巻部(41)によって形成される第2層のコア中心からの半径距離に差が生じ、異なる半径の円周線に沿って、同じ巻数の第1単位巻部(41)と第2単位巻部(42)を配列することになるので、連続する巻線順序の第1単位巻部(41)と第2単位巻部(42)とが徐々にずれて離間し、両単位巻部(41)(42)を互いに接触させた整然とした巻線状態を得ることが出来ない。
【0031】
これに対し、本実施例では、上述の如く巻線治具(3)の凸状部(36)の間隔を一定周期で導線1本分の大きさから導線2本分の大きさに変化させて、巻数が1の第2単位巻部(42)の配列の中に、巻数が2の第2単位巻部(42)を一定の周期で介在させているので、この巻数が2の第2単位巻部(42)によって、異なる半径の円周線に沿って配列すべき第1単位巻部(41)と第2単位巻部(42)の本数に差が設けられることになる。この結果、連続する巻線順序の第1単位巻部(41)と第2単位巻部(42)の間のずれが吸収されて、図11に示す如く、第1単位巻部(41)と第2単位巻部(42)を互いに接触させて積層することが出来、整然とした巻線状態を得ることが出来るのである。
【0032】
上述の如く、本発明に係るコイル装置の製造方法によれば、コア(1)の中央孔(13)に収容される導線が複数層に積層され、これによって、従来のコイル装置よりもコア(1)の中央孔(13)に収容することの出来る導線の本数を増加させることが出来るので、占積率の高いコイル装置が得られる。
又、コアを小径化した場合であっても、小さくなった中央孔に同じ本数の導線を収容することが可能であるので、特性の低下を引き起こすことなくコイル装置の小型化を図ることが出来る。
又、巻線治具(3)を用いて空芯コイル(4)を作製する工程の自動化が可能であると共に、空芯コイル(4)をコア(1)に装着する工程の自動化が可能であるので、全工程の自動化によって、生産能率の大幅な向上が実現される。
【0033】
更に又、コイル装置の周波数特性の改善が可能である。即ち、手作業によってコイルの巻線が行なわれていた図14のコイル装置においては、巻線順序が先頭の導線端部(96)と巻線順序が最終の導線端部(98)とが互いに重なることとなり、これら2つの導線端部(96)(98)の間にコイル全体の電圧が加わるので、導線間の耐圧が不充分となる問題があった。又、コア(7)の中央孔(70)に配備された第1コイル層の導線部と第2コイル層の導線部が、巻線順序が大きく異なる導線部どうしで重なるので、大きな浮遊容量が発生し、コイル装置の周波数特性が低下する問題があった。
【0034】
これに対し、本発明に係るコイル装置においては、図11に示す如く、コア(1)に空芯コイル(4)が装着された状態で、巻線順序が先頭の導線端部(61)と巻線順序が最終の導線端部(62)とが十分に離れており、然も、巻線順序が連続する単位巻部(41)(42)どうしが互いに接触して配列されているので、導線間の電圧差は小さく、これによって導線間の絶縁性能が向上すると共に、線間浮遊容量の減少によって高い周波数特性が得られる。
【0035】
空芯コイルの実施例
図15及び図16は、本発明に係る空芯コイル(21)の構造を表わしている。該空芯コイル(21)は、ボビン(10)の外周面に導線(91)を巻回して構成されており、図示する例では、第1層(21a)、第2層(21b)及び第3層(21c)からなる積層構造を有している。
【0036】
該空芯コイル(21)は、図16中に番号1〜29で示す巻線順序で1本の導線を巻回して形成されており、連続する複数の番号(1〜3)、(4〜6)、・・・、(25〜27)、(28〜29)の巻線によってそれぞれ単位コイル部が形成され、これらの単位コイル部が巻き軸方向へ10列に並んでいる。
各単位コイル部は、それぞれ巻数1の最大内周長の単位巻部、中間内周長の単位巻部、及び最小内周長の単位巻部から形成され、最大内周長の単位コイル部の内側に中間内周長の単位コイル部が押し込まれ、更に中間内周長の単位コイル部の内側に最小内周長の単位巻部が押し込まれている。例えば、巻線番号1〜3の巻線によって形成される単位コイル部においては、巻線番号3の単位巻部の内側に巻線番号2の単位巻部が押し込まれ、巻線番号2の単位巻部の内側に巻線番号1の単位巻部が押し込まれている。
【0037】
従って、図16に示す空芯コイル(21)の場合、各単位コイル部は、内周側から外周側に向かって順次巻回された3つの単位巻部から形成される単位コイル部と、外周側から内周側に向かって順次巻回された3つの単位巻部から形成される単位コイル部とが、巻き軸方向へ交互に並んでおり、各単位コイル部の最外周又は最内周の単位巻部が、隣接する単位コイル部の最外周又は最内周の単位巻部に繋がっている。
【0038】
上記本発明の空芯コイル(21)は、導線(91)を巻き軸とは直交する方向へ積層しながら巻回して単位コイル部を形成しつつ、該単位コイル部を巻き軸方向へ繰り返し形成した構造を有しているので、隣接する巻線どうしは巻線番号の近いものとなる。例えば、巻線番号4の単位巻部と巻線番号9の単位巻部とが互いに隣接しているが、両単位巻部の巻線番号の差は5に過ぎない。従って、図17に示す如く、巻き軸とは直交する方向に隣接する巻線間には殆ど浮遊容量が存在せず、巻き軸方向に隣接する巻線間の浮遊容量も、極く小さなものとなる。この結果、互いに隣接する巻線間の電位差(層間電圧)V2は十分に低いものとなり、空芯コイル(21)の耐圧性が向上する。
又、浮遊容量が小さいために空芯コイル(21)の周波数特性が改善される。
【0039】
例えば、コイルの端子間電圧を200Vとし、巻数を29ターンとすると、1ターン当たりの電圧は約6.9Vとなる。図25に示す従来の空芯コイル(81)においては、巻線番号1の単位巻部と巻線番号19の単位巻部の層間電圧V1が、6.9V×18=124.2Vとなるのに対し、図16に示す本発明の空芯コイル(21)においては、巻線番号1の単位巻部と巻線番号6の単位巻部の層間電圧V2が、6.9V×5=34.5Vとなり、従来の約3分の1となる。コイルの耐圧性は、特に異常電圧が加わった場合に問題となるので、本発明の空芯コイル(21)は信頼性の高いものとなる。
【0040】
図18は、上記本発明の空芯コイル(81)の製造に用いる巻線治具(51)を示している。該巻線治具(51)は、平板部材(52)の両面の両端部にそれぞれ有段部材(53)を着脱可能に固定して構成されている。有段部材(53)は、図19及び図20(a)(b)に示す如く、低位段部(55)、中位段部(56)、高位段部(57)、中位段部(56)及び低位段部(55)の配列を1周期として、これらの段部を繰り返し形成したものである。尚、図20(a)は有段部材(53)の平面図、図20(b)は有段部材(53)の側面図を表わしており、該有段部材(53)の各段部には、導線を巻き付ける際の順序を表わす番号1〜29を付している。
【0041】
図21(a)(b)及び図22(a)(b)は、前記巻線治具(51)の周囲に導線(91)を巻回してなるコイル中間製品(20)を表わしており、図21と図22はコイル中間製品(20)を180度異なる向きから見た図である。
導線(91)は、図18に示す巻線治具(51)の端部に位置する低位段部(55)から巻き初め、順次、隣接する中位段部(56)、高位段部(57)、中位段部(56)、低位段部(55)へと巻線を進める。尚、低位段部(55)及び中位段部(56)はそれぞれ導線(91)を1回だけ巻回するための幅を有しているのに対し、高位段部(57)は導線(91)を2回だけ巻回するための幅を有している。
【0042】
導線(91)を低位段部(55)の周囲に巻き付けることによって最小内周長の第1単位巻部(25)が形成され、導線(91)を中位段部(56)の周囲に巻き付けることによって中間内周長の第2単位巻部(26)が形成され、導線(91)を高位段部(57)の周囲に巻き付けることによって最大内周長の第3単位巻部(27)が形成される。この過程で、図21(a)(b)に示す如く巻線治具(51)の1つの段部から隣の端部へ巻線を進める際、導線(91)は巻線治具(51)の一方の側面にて斜め方向へ延ばしながら段部間を移行せしめる。尚、巻線治具(51)の他方の側面では、図22(a)(b)に示す如く導線(91)は同じ高さの段部間を真っ直ぐ伸びることになる。
【0043】
巻線治具(51)の周囲に必要巻数だけ導線(91)を巻き付けた後、巻線治具(51)を分解することによって、図21(a)及び図22(a)に示すコイル中間製品(20)を得る。その後、図23(a)及び図24(a)に示す如くコイル中間製品(20)を巻き軸方向に圧縮することによって、図23(b)及び図24(b)に示す如く第3単位巻部(27)の内側に第2単位巻部(26)を押し込み、該第2単位巻部(26)の内側に第1単位巻部(25)を押し込む。これによって、3層の空芯コイル(21)が得られることになる。
【0044】
尚、図23(b)及び図24(b)に示す3層の空芯コイル(21)においては、巻き軸方向に伸張せんとする弾性反発力が発生するが、図15に示す如く空芯コイル(21)をボビン(10)に装着した状態では、ボビン(10)によって空芯コイル(21)の弾性反発力が受け止められて、3層コイル構造が維持されることになる。或いは、図23(b)及び図24(b)に示す3層の空芯コイル(21)にテーピングを施すことによって、3層コイル構造を維持することも可能である。
【0045】
上記空芯コイル(21)の製造方法によれば、図18〜図20に示す巻線治具(51)を用いて図23(a)及び図24(a)に示すコイル中間製品(20)を作製した後、該コイル中間製品(20)を図23(b)及び図24(b)に示す如く巻き軸方向に圧縮するだけで、本発明の空芯コイル(21)を作製することが出来るので、工程の自動化が容易であり、然も、巻線崩れのない整然とした巻線配列の空芯コイル(21)を得ることが出来る。
【0046】
本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。例えば、図1に示す空芯コイル(21)を構成する単位巻部は、内周長の小さな単位巻部と内周長の大きな単位巻部の2種類に限定されるものではなく、内周長が異なる3種類以上の単位巻部から空芯コイル(21)を構成することも可能である。又、図15に示す空芯コイル(21)は、3層構造に限らず、2層構造や、4層以上の多層構造とすることも可能である。
又、図2や図18に示す巻線治具(3)(51)の形状は、上述の構成に限定されるものではなく、隣接する単位巻部どうしで内周長が異なる空芯コイルを作製することが出来るものであれば、種々の形状を採用することが出来る。
又、図1に示すコイル装置を構成するコアの形状は、上記のC字状コアに限定されるものではなく、例えば棒状のコアや、空芯コイルをC字状のコア片に装着した後に該コア片のギャップ部を磁性材或いは非磁性材で埋めたリング状のコアであってもよい。
【0047】
更に、図4に示す空芯コイル(4)や図15に示す空芯コイル(21)を形成する導線(39)(91)は、上記実施例の如き単線に限らず、複線であってもよい。例えば図12に示す如く、2以上の複数本の導線(39a)(39b)を導線束(39c)として、該導線束(39)を単線の場合と同様に巻線治具(3)の周囲に巻回し、1或いは複数の導線束(39c)によって内周長の大きな単位巻部を形成すると共に、1或いは複数の導線束(39c)によって内周長の小さな単位巻部を形成することも可能である。この場合においても同様に、空芯コイル装着工程により、内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部の少なくとも一部が押し込まれて、コアの中央孔にて2層のコイル層が形成されることになる。
更に又、空芯コイル(4)(21)を形成する導線(39)(91)は、断面円形の丸線に限らず、断面矩形の角線であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコイル装置の製造方法によって得られるチョークコイル装置の斜視図である。
【図2】該製造方法に用いる巻線治具の一部破断斜視図である。
【図3】該巻線治具に導線を巻き付けている様子を表わす図である。
【図4】本発明の空芯コイル作製工程によって得られる空芯コイルの正面図である。
【図5】該空芯コイルの裏面図である。
【図6】該空芯コイルの一部破断側面図である。
【図7】本発明の空芯コイル装着工程において、空芯コイルをコアのギャップ部に挿入する様子を表わす図である。
【図8】該工程において、空芯コイルの先端がコアのギャップ部を通過したときの弾性復帰の様子を表わす図である。
【図9】該工程によって得られるチョークコイル装置の一部を拡大して示す平面図である。
【図10】該チョークコイル装置の断面図である。
【図11】本発明に係るコイル装置の製造工程において、治具に導線を巻き付ける順序と、空芯コイルの各単位巻部の位置との関係を表わす説明図である。
【図12】2本の導線からなる導線束を用いたコイル装置の製造工程における同上の説明図である。
【図13】従来のチョークコイル装置の製造方法を表わす工程図である。
【図14】従来のチョークコイル装置の他の製造方法を表わす工程図である。
【図15】本発明に係る空芯コイルの斜視図である。
【図16】該空芯コイルの断面図である。
【図17】該空芯コイルの等価回路図である。
【図18】巻線治具の斜視図である。
【図19】有段部材の斜視図である。
【図20】有段部材の平面図及び側面図である。
【図21】コイル中間製品の斜視図及び断面図である。
【図22】図21とは180度異なる方向から見たコイル中間製品の斜視図及び断面図である。
【図23】コイル中間製品の圧縮工程を説明する断面図である。
【図24】図23とは180度異なる方向から見たコイル中間製品の圧縮工程を説明する断面図である。
【図25】従来の空芯コイルの断面図である。
【図26】該空芯コイルの等価回路図である。
【符号の説明】
(1) コア
(13) 中央孔
(14) ギャップ部
(3) 巻線治具
(30) 巻芯
(31) 第1巻芯部
(32) 第2巻芯部
(39) 導線
(4) 空芯コイル
(41) 第1単位巻部
(42) 第2単位巻部
(44) 平面状側部
(45) 凹凸状側部
(5) 挿入補助具
(7) コア
(70) 中央孔
(71) ギャップ部
(8) 空芯コイル
(39c) 導線束

Claims (13)

  1. 少なくとも1本の導線を渦巻き状に巻回して形成される単位コイル部が、巻き軸方向に繰り返し並んでおり、各単位コイル部は、互いに内周長の異なる複数の単位巻部から形成され、内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部の少なくとも一部が押し込まれている空芯コイル。
  2. 各単位コイル部を形成する複数の単位巻部は、内周側から外周側に向かって、或いは外周側から内周側に向かって順次巻回され、最外周又は最内周の単位巻部が、隣接する単位コイル部の最外周又は最内周の単位巻部に繋がっている請求項1に記載の空芯コイル。
  3. 少なくとも1本の導線を渦巻き状に巻回することにより、互いに異なる内周長を有する複数の単位巻部を巻き軸方向に連続して形成すると共に、該複数の単位巻部からなる単位コイル部を巻き軸方向に繰り返し形成して、空芯コイルの中間製品を作製した後、該中間製品を巻き軸方向に圧縮して、各単位コイルを構成する複数の単位巻部の内、内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部の少なくとも一部を押し込んで、各単位コイル部を少なくとも一部で多層化したことを特徴とする空芯コイル。
  4. 少なくとも1本の導線を渦巻き状に巻回することにより、互いに異なる内周長を有する複数の単位巻部を巻き軸方向に連続して形成すると共に、該複数の単位巻部からなる単位コイル部を巻き軸方向に繰り返し形成して、空芯コイルの中間製品を作製した後、該中間製品を巻き軸方向に圧縮して、各単位コイルを構成する複数の単位巻部の内、内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部の少なくとも一部を押し込んで、各単位コイル部を少なくとも一部で多層化することを特徴とする空芯コイルの製造方法。
  5. 前記中間製品は、巻線治具の外周面に導線を巻き付けることによって作製され、該巻線治具は、軸方向に並ぶ複数の巻芯部からなり、隣接する巻芯部どうしは互いに異なる外周長を有しており、該巻線治具の外周長の小さな巻芯部に導線を巻き付けることによって前記内周長の小さな単位巻部を形成し、該巻線治具の外周長の大きな巻芯部に導線を巻き付けることによって前記内周長の大きな単位巻部を形成する請求項4に記載の空芯コイルの製造方法。
  6. コアの周囲にコイルを巻装してなるコイル装置の製造方法であって、
    巻き軸方向に並ぶ複数の単位巻部から構成され、各単位巻部は1或いは複数の巻数を有し、巻き軸方向に隣接する単位巻部どうしは互いに異なる内周長を有している、空芯コイルを製造する工程と、
    空芯コイルを巻き軸方向に圧縮して、内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部の少なくとも一部を押し込みつつ、コアの周囲に空芯コイルを装着する工程
    とを有していることを特徴とするコイル装置の製造方法。
  7. 空芯コイル作製工程は、巻線治具の外周面に導線を巻き付けることによって実施され、巻線治具は、軸方向に並ぶ複数の巻芯部からなり、隣接する巻芯部どうしは互いに異なる外周長を有しており、巻線治具の外周長の小さな巻芯部に導線を巻き付けることによって前記内周長の小さな単位巻部を形成し、巻線治具の外周長の大きな巻芯部に導線を巻き付けることによって前記内周長の大きな単位巻部を形成する請求項6に記載のコイル装置の製造方法。
  8. 空芯コイル装着工程では、コアの一部を切除してなるギャップ部からコアの中央孔へ空芯コイルの側部を通過させて、コアの周囲に空芯コイルを装着する請求項6又は請求項7に記載のコイル装置の製造方法。
  9. コアはC字状に形成されて、前記ギャップ部は、コアの中心軸と直交する断面における貫通方向が、コアの半径方向に対して傾斜しており、空芯コイル装着工程では、ギャップ部を挟む一対のコア端面の内、コアの中心軸から遠い一方のコア端面を有するコア端部を、空芯コイルの中央孔へ侵入せしめる請求項8に記載のコイル装置の製造方法。
  10. 空芯コイル作製工程では、コアの外周側に配置されるべき空芯コイルの一方の側部において、空芯コイルの内周長の大きな単位巻部の外周面と内周長の小さな単位巻部の外周面が揃うと共に、コアの内周側に配置されるべき空芯コイルの他方の側部において、空芯コイルの内周長の大きな単位巻部の外周面が内周長の小さな単位巻部の外周面よりもコア中心へ向かって突出する様、複数の単位巻部が形成される請求項8又は請求項9に記載のコイル装置の製造方法。
  11. 空芯コイル装着工程では、コアのギャップ部を通過させるべき空芯コイルの前記他方の側部における複数の単位巻部の外周面を揃えた状態で、該空芯コイルの側部をギャップ部内へ送り込む請求項10に記載のコイル装置の製造方法。
  12. 空芯コイル装着工程では、コアの内周側にて、空芯コイルの内周長の大きな単位巻部の内側に内周長の小さな単位巻部を押し込む請求項8乃至請求項11の何れかに記載のコイル装置の製造方法。
  13. 空芯コイル作製工程では、内周長の大きな単位巻部と内周長の小さな単位巻部とを交互に形成し、内周長の小さな単位巻部の形成においては、内周長の大きな単位巻部よりも巻数の多い単位巻部を1或いは複数箇所に形成する請求項8乃至請求項12の何れかに記載のコイル装置の製造方法。
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