JP3545369B2 - 線状体の腐食箇所検出方法および装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
この発明は,磁性線状体,とくに強磁性線状体,たとえば吊橋,斜張橋などに用いられる鋼製メインロープ(メインケーブル)またはハンガーロープ(ハンガーケーブル)の腐食箇所を検出する方法および装置に関する。この明細書において線状体とは,ケーブル,ロープ,ストランド,コード,ワイヤ等の線状体およびロッド,ポール,シャフト,その他の線状体を含み,撚ってあるもののみならず,単に束ねただけのものや単体のものも含む。また,径の大きさ,断面形状は問わない。
【0002】
【発明の背景】
吊橋,斜張橋などに用いられる金属製(特に鋼製)メインロープ(メインケーブル)およびハンガーロープ(ハンガーケーブル)は,屋外にあるので風雨にさらされる。また海岸付近では塩水の影響を受け,工業地帯では亜硫酸の影響を受ける。このため,メインロープ(メインケーブル)およびハンガーロープ(ハンガーケーブル)の腐食は免れない。
【0003】
【発明の開示】
この発明は,線状体の腐食の有無および腐食箇所を検出する方法および装置を提供することを目的とする。
【0004】
この発明はまた,周囲の磁性体の存在にかかわらず,線状体の腐食箇所を正確に検出することを目的とする。
【0005】
さらにこの発明は計測装置において生じるドリフトの影響を受けることなく,線状体の腐食箇所を正確に検出することを目的とする。
【0006】
この発明による線状体の腐食箇所検出方法は,腐食箇所を検出すべき対象線状体の一部を取り囲むように磁化コイルを含む磁化器を設け,磁化器を対象線状体に沿って一定速度で移動させるとともに,磁化コイルに磁化電流を流すことにより,対象線状体を磁化し,対象線状体を磁化する磁界の強さを連続的に計測し,磁化された対象線状体内を通る磁束量を連続的に計測し,磁化器の移動量を計測し,基準線状体における磁界の強さと磁束量との関係を計測しておき,対象線状体について計測された磁界の強さと計測された磁束量と上記の関係に基づいて,対象線状体についての所定の磁界の強さにおける補正された磁束量を算出し,計測された移動量に対する補正された磁束量の変化に基づいて,対象線状体の腐食箇所を検出するものである。
【0007】
この発明による線状体の腐食箇所検出装置は,腐食箇所を検出すべき対象線状体を通る中心孔が形成された円筒状の形状を有し,磁界センサおよび検出コイル装置が上記中心孔の内部に設けられた磁化器用リールに磁化コイルが巻回された磁化器と,上記磁化器を上記対象線状体に沿って一定速度で移動させるとともに移動量センサを備えた移動装置と,上記磁界センサに接続され,上記磁化コイルが対象線状体を磁化する磁界の強さを連続的に計測する磁界測定装置と,上記検出コイル装置に接続され,上記磁化コイルにより磁化された対象線状体内を通る磁束量を連続的に計測する磁束測定装置と,対象線状体について計測された磁界の強さ,計測された磁束量および基準線状体における磁界の強さと磁束量とのあらかじめ計測された関係に基づいて,対象線状体についての所定の磁界の強さにおける補正された磁束量を算出する第1の補正手段と,上記移動量センサの出力信号により表わされる移動量および上記第1の補正手段により補正された磁束量の変化に基づいて対象線状体の腐食箇所を表わす信号(磁界の強さおよび磁束量の変化を示す信号を含む)を出力する手段とを備ている。
【0008】
この発明によると,磁化器を対象線状体に沿って一定速度で移動させるとともに対象線状体を磁化し,磁界の強さおよび磁束量を計測することにより,計測した磁界の強さを参照して求められた(補正された)磁束量の変化に基づいて対象線状体における腐食の有無および腐食箇所を短時間で正確に検出することができる。好ましくは,磁界の強さは磁束量が飽和するように設定される。磁界の強さを計測し,これを参照して求められた磁束量の変化に基づいて腐食の有無および腐食箇所を判定しているので,対象線状体の周囲の強磁性体の影響を排除した判定が可能となる。
【0009】
一実施態様では,上記磁化器用リールおよび上記検出コイル装置は中心を通る面により複数の部分に分割自在であり,少なくとも上記磁化器用リールの複数の部分を結合する結合具が設けられている。対象線状体の一端から磁化器用リールを挿入できないような場合であっても,磁化器用リールおよび検出コイル装置,したがって磁化器を対象線状体に取付けることが可能となる。
【0010】
他の実施態様では,上記磁化器用リールの両端のフランジには,それぞれ少なくとも2つ以上のガイドローラが上記対象線状体に接して囲む位置に着脱自在に固定されている。これにより,磁化器用リールを,その中心を対象線状体の中心とほぼ一致させた状態で,すなわち,殆ど傾くことなく移動させることができる。また,磁化器を対象線状体に沿って移動させたとき,磁化器と対象線状体とが接触することを防止できる。
【0011】
好ましい実施態様では,基準線状体における磁界の強さと磁束量との関係を計測しておき,対象線状体について計測された磁界の強さと上記の関係に基づいて,対象線状体についての補正された磁束量を算出する。
【0012】
基準線状体としては,測定対象線状体そのもの,測定対象線状体と同じ材質,構造の線状体等を用いることができる。新品の線状体(たとえばケーブル,ロープ)を張設するときに,その線状体に印加する磁界の強さを変化させて対象線状体内を通る磁束量を計測して,磁界の強さと磁束量の関係を導出しておく。線状体の張設後,ある期間が経過したとき(たとえば1年後,5年後,10年後など)張設されている対象線状体を磁化し,磁界の強さおよび磁束量を計測し,導出しておいた磁界の強さと磁束量の関係に基づいて計測した磁界の強さより磁束量を補正する。これにより,撚り線である線状体における磁束量の変動,周囲の強磁性体の存在による影響等を排除することができる。
【0013】
さらに好ましい実施態様においては,上記連続的計測の始点位置の計測磁束量と終点位置の計測磁束量との差および計測位置に基づいて,計測位置における磁束量のドリフト補正を行う。
【0014】
各種計測装置に含まれる積分回路等の作用により計測磁束量にドリフトが生じ零点が変化する場合がある。このドリフトは直線的に変化するものと考えられるので,始点位置の計測磁束量と終点位置の計測磁束量とにより,ドリフトに依存する磁束量の変化率が得られ,この変化率を用いて,対象線状体の計測位置ごとに計測磁束量を補正することができる。このようにして,ドリフトに起因する磁束量の変動を除き,正確な腐食検出が可能となる。
【0015】
一実施態様として,磁化器用リールの中央部にはコイル巻回部があり,その一端部にはプーリが,他端部にはコイル端末巻付け部がコイル巻回部と一体的に形成される。コイル巻回部,プーリおよびコイル端末巻付け部の両端には,それぞれフランジが設けられる。プーリとコイル巻回部のフランジ,コイル巻回部とコイル端末巻付け部のフランジをそれぞれ兼用することで磁化器用リールの軽量化を図ることができる。
【0016】
プーリを一体的に形成することにより,プーリに回転動力を与え,磁化器用リールに磁化コイルを容易に巻回することができる。
【0017】
【実施例】
この実施例は吊橋におけるハンガーケーブルの腐食の有無,および腐食箇所を検出するものである。
【0018】
図1は,吊橋のハンガーケーブルの腐食の有無および腐食箇所の検出を行う様子を示す全体図である。図2は,図1の一部,特にゴンドラと磁化器を拡大して示す斜視図である。
【0019】
吊橋は橋脚3間にメインケーブル1を張設し,メインケーブル1から垂下された多数本のハンガーケーブル2によって橋桁4を吊るものである。
【0020】
図1において,多数のハンガーケーブル2は一本ずつその腐食の有無および腐食箇所が検査される。腐食を調べるべきハンガーケーブル2の近くにおいて,ゴンドラ20を吊上げる吊りロープ21の上端がメインケーブル1に固定具または固定装置(図示略)によって固定される。ゴンドラ20内には,後述するように磁化電源40,磁界測定装置50,磁束測定装置45,パルスカウンタ55,およびデータ記録装置60が搭載される(図2参照)。ゴンドラ20はウィンチ26によって上下駆動(昇降)される(図2参照)。ゴンドラ20は,クレーンまたはワインダーによって昇降してもよい。
【0021】
ゴンドラ20の移動速度は,ウィンチ26の巻取り速度に依存する。ゴンドラ20の移動速度は5m/min〜60m/min程度が好ましい。
【0022】
また,腐食を調べるべきハンガーケーブル2に,磁化器10および検出コイル装置200 が上下動自在に取付けられる(図2〜図4参照)。
【0023】
橋桁4上には,主電源66およびコンピュータ65が置かれる。主電源66から延びる電源線67はゴンドラ20に導かれ,ウィンチ26の駆動モータ,磁化電源40および他の装置45,50,60に接続されている。データ記録装置60,その他の装置45,50,55からの信号は信号線68を通してコンピュータ65に送られる。必要に応じてコンピュータ65からの制御信号が信号線68を通して装置45,50,55,60に与えられる。
【0024】
図2を参照して,腐食を検出すべきハンガーケーブル2が磁化器10に形成された中心孔13に挿通され,磁化器10は,ハンガーケーブル2に沿って移動自在に設置されている(図3,図4も参照,以下の説明において同じ)。磁化器10は,全体的にみて円筒状の磁化器用リール30に磁化コイルCが巻回されたものである。
【0025】
磁化器用リール30の中心孔13の内部中央には,内周面に沿って検出コイル装置200 が固定されている。検出コイル装置200 には,検出コイル212 と複数のホール素子210 とが設けられている(図5および図6参照)。磁化コイルCに磁化電源40から磁化電流を流し,ハンガーケーブル2を磁化する。ホール素子210 からの信号に基づいて磁界測定装置50によりハンガーケーブル2を磁化する磁界の強さを検出し,検出コイル212 からの信号に基づいて磁束測定装置45によりハンガーケーブル2内を通る磁束量を検出する。
【0026】
磁化器用リール30の上下両端に設けられたフランジ34,37には,それぞれハンガーケーブル2の周面を,周面に接触した状態で挟込む位置にガイドローラ14が着脱自在に取付けられている。これにより,磁化器10はハンガーケーブル2に沿って円滑に移動し,移動中に磁化器用リール30の内周面がハンガーケーブル2に接触するのを防ぐことができる。
【0027】
ゴンドラ20は,非磁性の絶縁体であるアルミニウムでつくられている。ゴンドラ20は作業員が搭乗できる大きさである。
【0028】
ゴンドラ20の天板(上面板)には支持腕22が取付けられている。この支持腕22の先端はゴンドラ20の外方にのび,ここに連結ロープ23の上端が固定されている。連結ロープ23の下端は磁化器用リール30の上部のフランジ34の上面に着脱自在に固定されたアイボルト15に連結されている。ゴンドラ20が上下動することにより,磁化器用リール30は検出コイル装置200 とともに,ゴンドラ20と一緒に上下移動する。
【0029】
ゴンドラ20の下部にはまた保持腕24が固定され,この保持腕24は測定対象ハンガーケーブル2の方向に延びている。保持腕24の先端には補助ローラ25が設けられている。ゴンドラ22が上下動するときに補助ローラ25は,磁化器用リール30の下方においてハンガーケーブル2に沿って回転する。補助ローラ25は上下動するゴンドラ20の姿勢を安定化するものである。補助ローラ25の軸にはロータリーエンコーダ56(図7参照)が取付けられる。ロータリーエンコーダ56の出力信号はパルスカウンタ55に送られ,ゴンドラ20(したがって磁化器10)の移動方向と移動量が測定される。
【0030】
図3は,磁化器用リール30の斜視図であり,図4は磁化器用リール30の縦断面図である。全体的にみて円筒状の磁化器用リール30にはハンガーケーブル2が通る中心孔13が形成されている。磁化器用リール30は非磁性体の絶縁体,たとえばMCナイロンにより形成されている。この磁化器用リール30の中央部にはコイル巻回部31があり,その一端部(上端部)にはプーリ32が,他端部(下端部)にはコイル端末巻付け部33がコイル巻回部31と一体的にかつ軸心(軸方向の中心線)を共通にして形成されている。すなわち,磁化器用リール30はプーリ32,コイル端末巻付け部33およびこれらに挟まれたコイル巻回部31から構成されている。
【0031】
コイル巻回部31,プーリ32およびコイル端末巻付け部33の両端には,それぞれフランジが設けられている。すなわちコイル巻回部31の両端にはフランジ35と36が,プーリ32の両端部にはフランジ34と35が,コイル端末巻付け部33の両端にはフランジ36,37がそれぞれ一体的に設けられている。フランジ35はプーリ32とコイル巻回部31に兼用され,フランジ36はコイル巻回部31とコイル端末巻付け部33に兼用されている。コイル巻回部31に巻回する磁化コイルCの巻始め端部をコイル端末巻付け部33へ通すための方形の複数(4つ)の開口38がフランジ36の内周側に形成されている。さらに開口38よりも外周側において,フランジ36には,コイル巻回部31に巻回し終えた磁化コイルCの巻終り端部を引き出すための方形の複数(4つ)の開口39が形成されている。磁化器用リール30の両端部のフランジ34,37の外側面には,上述したように,それぞれガイドローラ14が,ハンガーケーブル2を挟むように向き合って,かつハンガーケーブル2にローラ部が当接する位置に着脱自在に固定されている。またフランジ34には,アイボルト15が着脱自在に固定されている。
【0032】
磁化器用リール30の中心孔13の内部中央には,円環状の検出コイル装置200 が磁化器用リール30の内周面に沿って固定されている。検出コイル装置200 の構成の詳細は後述する。円環状の検出コイル装置200 の内径は,ハンガーケーブル2の外径よりも大きく形成されている。
【0033】
磁化器用リール30は,プーリ32,コイル巻回部31,コイル端末巻付け部33(それらのフランジ34,35,36,37を含む)および検出コイル装置200 を含めて全体をその中心を通る面で丁度半分に割った2つのリール半体30a,30bから構成されている。リール半体30a,30bを構成する要素にそれぞれ添え字a,bを付す。すなわちコイル巻回部31a,31b,プーリ32a,32b,コイル端末巻付け部33a,33b,フランジ34a,34b,フランジ35a,35b,フランジ36a,36b,フランジ37a,37b,検出コイル装置200a,200b等である。
【0034】
リール半体30a,30bの上端部のフランジ34a,34bの接合部付近の外周面には,ねじ穴332 が形成されている。フランジ37a,37bにも同じように,その接合部付近の外周面にねじ穴332 が形成されている。また接合用の当板330 が用意される。この当板330 はフランジの外周面に沿うように湾曲しているとともに,ねじ331 が通る2つの孔が形成されている。リール半体30aとリール半体30bとが,磁化器用リール30すなわちプーリ32,コイル巻回部31,コイル端末巻付け部33および検出コイル装置200 が形成されるように,ハンガーケーブル2をその中心孔13内に入れた状態で接合される。接合されたリール半体30aのフランジ34aとリール半体30bのフランジ34bの接合部の外周面,およびフランジ37aとフランジ37bの接合部の外周面に当板330 を当て,この当板330 の孔を通してねじ331 をねじ穴332 にねじ止めすることによりリール半体30aとリール半体30bとが結合され,磁化器用リール30および検出コイル装置200 が形成される。
【0035】
図5(A)〜(C)は,検出コイル装置200 を拡大して示すもので,(A) は正面図,(B) は側面図,(C) は(A) のVC−VC線の断面図である。図6(A)〜(C)は検出コイル装置200 を構成するボビン半体をさらに拡大して示すものであり,(A) は正面図,(B) は側面図,(C) は底面図をそれぞれ示している。
【0036】
検出コイル装置200 は全体的に円環状の形状を有し,合成樹脂のような非磁性の絶縁体から形成されている。検出コイル装置200 の内径はハンガーケーブル2の外径よりも大きく形成されている。検出コイル装置200 にはボビン202 が含まれている。ボビン202 の両側にはフランジ203 が形成され,このフランジ203 間においてボビン202 の外周面に数本のコイル部分 212a等が相互に絶縁した状態で取付けられている。ボビン202 よりも一回り大きな半円形の外カバー206 が設けられ,ボビン202 と外カバー206 とがその側面において横板211 によって相互に結合している。外カバー206 は,磁化器用リール30の中心孔13の内周面に沿って固着され,または固定されている。検出コイル装置200 の内部にはほぼ90度の間隔で4つのホール素子210 が設けられている。
【0037】
検出コイル装置200 の一方の側面の横板211 に複数のコネクタ209 が設けられている。これらのコネクタ209 にホール素子210 が接続されている。コネクタ209 にシールド線216 が接続されている。検出コイル装置200 の側面にはまたコネクタ208 が設けられている。このコネクタ208 にコイル部分212 が接続されている。コネクタ208 にシールド線215 が接続されている。
【0038】
検出コイル装置200 は,上述したように磁化器用リール30の内部に固定され,2つの半体200aと200bとから構成されている。いうまでもなく,検出コイル装置200 の半体200a,200bと磁化器用リール30の半体30a,30bは,同一箇所で分割されている。これらの半体200a,200bのボビン半体 202aの両端にはコネクタ213 が設けられ,コイル部分 212aの両端がそれぞれ接続されている。半体200bも半体200aとほぼ同じ構成であり,ボビン半体 202bの外周面にも複数のコイル部分が設けられ,両端がコネクタに接続されている。
【0039】
磁化器用リール30は2つのリール半体30a,30bから構成されているため,ハンガーケーブル2の一部を取り囲むように取付けることができる。このとき,検出コイル装置200 は,半体 200aに設けられたコネクタ213 と半体 200bに設けられたコネクタ(図示略)とが電気的に接続されることにより,半体 200aに設けられたコイル部分 212aと半体 200bに設けられたコイル部分とが,ハンガーケーブル2のまわりを巻回するように(数ターン程度)電気的につながり,これにより検出コイル212 が形成される。
【0040】
腐食を測定すべき対象であるハンガーケーブル2の下部において,上述したように,2つに分割されたリール半体30a,30b(検出コイル装置の半体 200a,200bを含む)を接合して磁化器用リール30をつくる。このとき,好ましくはガイドローラ14は磁化器用リール30に取付けておかない(取外しておく)。また,磁化器用リール30を連結ロープ23から外しておく。
【0041】
このようにして形成した磁化器用リール30に磁化コイルCを次のようにして巻回する。ハンガーケーブル2の下部において,磁化器用リール30の上下の位置にリール30を回転自在に受けるリール支持部材(図示略)をハンガーケーブル2に取付ける。これにより,磁化器用リール30は上下動することなく回転自在に受けられる。ゴンドラ20は上方の位置に引上げ,固定しておく。
【0042】
磁化器用リール30に磁化コイルCを巻回する作業を行う。すなわち,駆動用ロープを巻回した回転自在なドラムと,駆動用ロープを巻取るためのウィンチと,磁化コイルCが巻回された回転自在なドラム(いずれも図示略)とを用意し,これらをハンガーケーブル2の下部の周囲の適切な場所(橋桁4上)に移動しないように固定しておく。ドラムに巻回された駆動用ロープを引き出し,磁化器用リール30の上端部に設けられたプーリ32に掛け,ウィンチに取付ける。ドラムに巻回された磁化コイルCの一端部を引出し,コイル巻回部31に沿わせ,フランジ36に形成された複数の開口38のうちのいずれか一つに通してリール30の下端部に一体的に設けられたコイル端末巻付け部33に巻付け,固定しておく(磁化コイルCの一端を後に外に取出せるようにしておく)。ウィンチを駆動し,駆動用ロープを巻取ると,磁化器用リール30がハンガーケーブル2を中心として回転する。これにより,ドラムからコイル巻回部31に磁化コイルCが巻付けられる。ハンガーケーブル2を均一に磁化するために,磁化コイルCを整列巻にする。整列巻にするためには,作業員が手で磁化コイルCをトラバースする。磁化コイルCを巻回し終えたら,磁化コイルCの他端部をフランジ36に形成された複数の開口39のうちのいずれか一つに通して固定するか,コイル端末巻付け部33に固定し,外方へ出しておく。磁化コイルCを磁化器用リール30に巻回することにより磁化器10がつくられる。
【0043】
足場が狭く,他の構造物があるために駆動用ロープおよび磁化コイルCがそれぞれ一直線状に張れない場合には,シーブを使用し方向変換をすることにより駆動用ロープおよび磁化コイルCを円滑に巻取るようにしてもよい。
【0044】
この後,リール支持部材を取外すことにより,磁化器10は上下動自在となる。磁化器10の上下端部にガイドローラ14を取付ける。また,ゴンドラ20の支持腕22からのびた連結ロープ23の下端を磁化器10に取付ける(たとえば,連結ロープ23の下端に取付けられたアイボルト15を磁化器10の上部フランジ34に固定する)。
【0045】
磁化器10に巻回された磁化コイルCの両端を磁化電源40に接続する。検出コイル装置200 から磁化器10の中央孔13を通して引出され,検出コイル212 に接続されたシールド線215 およびホール素子210 に接続されたシールド線216 をそれぞれ磁束測定装置45および磁界測定装置50にそれぞれ接続する。
【0046】
なお,磁化器用リール30および検出コイル装置200 は2分割されているが,3分割以上に分割してもよい。
【0047】
以上の準備作業を終えたのち,ハンガーケーブル2の腐食の測定は,ゴンドラ20とともに磁化器30および検出コイル装置200 を一定速度で測定対象のハンガーケーブル2に沿って下部から上方へ移動させながら(逆に上部から下方に移動させながら)行なわれる。
【0048】
このとき,磁化器10の磁化コイルCには,ゴンドラ20に組込まれた磁化電源40から磁化電流が流される。磁化コイルCに磁化電流が流れることにより磁界が発生し,ハンガーケーブル2の磁化器10によって囲まれた部分が磁化される。磁化電源40から磁化コイルCに流れる電流の大きさは,磁束量が飽和するように磁界の強さを定め,この磁界の強さを一定に保持するように磁界測定装置50からの検出磁界に基づいてゴンドラ20の外部のコンピュータ65によって制御される。たとえば,50kA/m程度の磁界の強さとする。
【0049】
図7は,腐食箇所検出装置の電的的構成を示すブロック図である。
【0050】
検出コイル装置200 内の検出コイル212 はシールド線215 によりゴンドラ20内に置かれた磁束測定装置(フラックスメータ)45に接続されている。磁化コイルCにより磁化されたハンガーケーブル2内を通る磁束量が磁束測定装置45によって計測され,この計測信号がデータ記録装置60に与えられる。
【0051】
検出コイル装置200 内のホール素子210 は,磁界測定装置(ガウスメータ)50に接続されている。磁界測定装置50によりハンガーケーブル2の近傍の磁界の強さ,すなわち磁化器10によって発生する磁界の強さが計測され,データ記録装置60に与えられる。
【0052】
ゴンドラ20の補助ローラ25に備えられたロータリーエンコーダ56は,パルスカウンター55に接続されている。補助ローラ25が回転するとロータリーエンコーダ56からパルス信号が発生する。このパルス信号は,パルスカウンター55により計測され,ゴンドラ20すなわち磁化器10の移動量データとして,データ記録装置60に与えられる。1パルス当りの移動量とパルス数とから移動量が算出される。
【0053】
データ記録装置60で記録された磁界の強さ,磁束量および移動距離データはゴンドラ20の外部にあるコンピュータ65に送られる。
【0054】
コンピュータ65では,計測されたデータを処理する,例えば,計測されたデータの出力,後述する磁束量の補正,ドリフト補正,補正後のデータの出力を行う。コンピュータ65にはまた,測定装置45,50,60,パルスカウンタ55等の操作,磁化電源40の制御,ウィンチ26のモータの制御等を行わせることもできる。
【0055】
腐食箇所の検出方法について説明する。
【0056】
先ず,腐食箇所の検出を行うハンガーケーブル2の計測始点(たとえばハンガーケーブル2の下部の位置または上部の位置)において,磁化コイルCに磁化電流を流し,磁界の強さおよび磁束量を計測する。
【0057】
次に,ゴンドラ20に設けられたウィンチ26を駆動させることにより吊りロープ21を巻取り(または巻戻し),ゴンドラ20をハンガーケーブル2に沿って移動(上昇または下降)させる。ゴンドラ20に連結された磁化器10もゴンドラ20と一緒に移動する。磁化器10をハンガーケーブル2に沿って一定速度で移動させながら,磁化器10の磁化コイルCに磁化電流を流してハンガーケーブル2を磁化し,連続的に磁界の強さ,磁束量および移動量を計測する。計測終点においても磁界の強さおよび磁束量を計測する。
【0058】
ハンガーケーブル2を磁化したときの磁界の強さをHとする。磁化されたハンガーケーブル内を通る磁束量をφ,その磁束密度をBとする。ハンガーケーブルの透磁率をμ,その断面積をAとすると次式が成り立つ。
【0059】
B=μH=φ/A ‥‥式(1)
【0060】
この式(1) を変形すると次式が得られる。
【0061】
A=φ/μH ‥‥式(2)
【0062】
透磁率μおよび磁界の強さHを一定とすると,ハンガーケーブル2の断面積Aは,磁束量φに比例する。
【0063】
ハンガーケーブル2の断面積はその腐食の度合いに応じて小さくなる。ハンガーケーブル2を磁化器10によって磁化するとき,磁束量が飽和するように磁界の強さを一定に設定することで腐食のある箇所では磁束量は減少し,磁界の強さは増大する。したがって,磁界の強さHを一定と考えれば(透磁率も一定),測定した磁束量の変化に基づいてハンガーケーブルの腐食箇所を知ることができる。
【0064】
しかしながら,ハンガーケーブル2の周囲に,橋とハンガーケーブル2の結合に用いられるリブや,ハンガーケーブル2とメインケーブル1をつなぐソケット,橋を構成する鋼材等の強磁性体が存在することにより,計測される磁界の強さおよび磁束量に変化が現われてしまう場合がある。加えて,磁化器10を移動させたときに磁化器10がハンガーケーブル2の中心に対して若干傾くことがある。また,ハンガーケーブル2は撚り線であるために位置により磁界分布が変化する。
【0065】
周囲の強磁性体による影響,磁化器10の姿勢の影響,撚り線の影響等があったとしても,式(2) が成り立つ。磁界の強さHおよび磁束量φを同時に計測し,磁界の強さHを参照して磁束量を得ることにより周囲の強磁性体の影響を受けることなく腐食箇所を検出することが可能である。これを磁界の強さに基づく磁束量の補正という。
【0066】
また,長時間の計測や長尺のものの計測を行うと,磁束量を計測する磁束測定装置(フラックスメータ)45が積分回路を含むためにノイズ等の電圧を積分し,ドリフトが発生する。ドリフトの影響を排除する補正をドリフト補正という。
【0067】
磁化器10を実際にハンガーケーブル2に沿って移動させ,磁界の強さ,磁束量および移動量を計測した結果および上述した磁界の強さに基づく磁束量の補正とドリフトの補正を同時に行った結果を図8に示す。この図において,横軸は移動量である。破線Mで示すグラフは測定された磁束量を示している。実線Lのグラフは測定された磁界の強さである。この磁界の強さに基づいて補正され,さらにドリフト補正された磁束量が実線のNで示されている。この測定において,試料としてのハンガーケーブルの一部に磁性体を貼り付けた。したがって,腐食の発生とは反対にハンガーケーブルの断面積が増大している。腐食が生じている箇所では磁界の強さLは増大し,磁束量Mは減少するが,図8のグラフでは逆に,磁性体を設けた箇所では磁界の強さLが減少し,磁束量Mが増大していることに注意していただきたい。
【0068】
磁束器10は,ケーブルに沿って,60m/min の一定速度で移動させ,磁束量を飽和させるのに必要な磁界の強さが50kA/mとなるように磁化コイルCに磁化電流を流した。磁化コイルCは,電気抵抗が0.67Ωのものを使用した。
【0069】
ケーブルは,6×WS(36)(JIS規格)を使用した。計測は便宜上1000mmの長さで行った。計測を行う始点を0mm,終点を1000mmとし, 500mmの位置を中心に径 3.2mmで長さ35.5mmのワイヤ(磁性体)を沿わせ,固定しておいた。すなわち,ケーブルの断面積は 500mmを中心にその両側に約18mmまでの位置で6%増加している。
【0070】
グラフLおよびMにおいて,移動量X= 500mm,すなわちケーブルの断面積が増加した箇所では,グラフLは減少し,グラフMは増加している。これは上述した腐食の場合とは反対の強磁性体である部分の断面積が多くなるためである。
【0071】
グラフMは,移動量 500mmを中心として緩やかな放物線を描き,かつ移動量が大きくなるにつれてドリフト(零点の移動)が発生していることがわかる。
【0072】
測定した磁界の強さに基づく磁束量の補正について説明する。
【0073】
ハンガーケーブルと同じ規格の新品のケーブル(6×WS(36))(基準ケーブルという)に磁化器10を取付け,流す磁化電流を変化させて,磁界の強さと磁束量との関係を計測した結果を図9に示す。
【0074】
図9のグラフから磁界の強さHと磁束量φとの関係を求め,これを式で表現すると次のようになる。
【0075】
φ(H)=9.8637×loge(H)+66.128 ‥‥式(3)
【0076】
実際の測定は磁界の強さHを50kA/mになるように磁化電流を制御しながら行うので,より正確な補正を行うためにこの磁界の強さ50kA/mおよびそのときの磁束量φ(50)を基準にして式(3) を変形すると次式が得られる。
【0077】
φ(H)−φ(50)=9.8637×(logeH−loge50) ‥‥式(4)
【0078】
計測された磁界の強さHおよびそのときの磁束量φ (H)を式(4)に代入すれば,磁界の強さ 50KA /mのときに得られるであろう磁束量φ(50)が算出される。この算出された磁束量φ(50) が補正後の値である。
【0079】
次にドリフト補正について説明する。図8のグラフMにおいて,測定始点(X=0mm)における磁束量φ0 と,磁化器10を移動させながら終点(X=1000mm)まで計測を行ったときの終点における磁束量φ1000との差がドリフト補正量であり,グラフから0.75kMx増加していることがわかる。任意の位置の磁束量φd は次式で与えられる。
【0080】
φd =φ(X)−0.00075・X ‥‥式(5)
【0081】
位置Xと,そのXの位置における計測されたφ(X) とからドリフト補正後の磁束量φd が得られる。
【0082】
上述した磁界の強さに基づく磁束量の補正とドリフト補正を行った後の磁束量の変化を表わす図8のグラフNにおいて,グラフMと比較すると,ケーブルの断面積が増加した箇所において,グラフNは立上りおよび立下りが急峻になり,その箇所が明確になる。また,グラフNでは,ドリフトも補正されている。これらの補正により,腐食箇所の検出と腐食箇所の範囲が明確になる。
【0083】
磁界の強さを示すグラフLでは,小さな正弦波状の変動が現われている。これは,ケーブルの表面による影響であり,ホール素子を複数個設け,それらの平均値を採用することにより正弦波状変動の振幅は小さくなる。この振幅が小さくなれば上述した磁束量の補正によりグラフNの正弦波状の振幅も小さくすることができる。
【0084】
図10,図11は,ケーブルに沿って磁化器10の移動速度がそれぞれ異なる場合の磁界の強さおよび磁束量の変化を示すものである。いうまでもなく速度以外は同じ条件下で計測を行っている。図10は,磁化器10を30m/min ,図11は5m/min の一定速度で移動させ,磁界の強さおよび磁束量の計測を行ったものである。両者を比較して,磁化器10の移動速度により腐食箇所の検出に影響がないことが確認できる。
【0085】
上述したように磁束量およびドリフトを補正することにより,ハンガーロープ2の実際の腐食箇所を明確に把握することができる。
【0086】
磁界の強さH,磁束量φを計測するだけでなく,あらかじめ同じ素材,構造,寸法をもつ新品のケーブル(基準ケーブル)の断面積Aaおよび透磁率μaを計測しておく。基準ケーブルについて計測した磁界の強さHa,磁束量φaおよび透磁率μaを用いて式(2) から断面積Aaをコンピュータ65で算出する。コンピュータ65に基準断面積Aaが設定され,次式にしたがってケーブルの腐食度を算出することができる。
【0087】
腐食度=A/Aa(%) ‥‥式(6)
【0088】
さらに好ましくは,図7のブロック図において磁化器10と磁化電源40の間に通電方向切替装置を設置する。磁化コイルCに流れる電流を磁束量が飽和するまで上げ,磁界の強さH,磁束量φの計測を行った後に通電方向切替装置によって電流の流れる方向を切替え,磁束量が飽和するまで電流を上げ再び磁界の強さH,磁束量φの計測を行う。これを繰返し,上述のように断面積を算出する。以上のように得られた断面積の平均断面積AAVを算出し,式(6) を用いて腐食度を求めることもできる。
【0089】
コンピュータ65の出力は図8に示すようなグラフであってもよいし,式(6) で示すような位置の関数としての腐食度であってもよいし,腐食箇所を位置で表わすデータでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】線状体の腐食箇所の検出を行う様子を示す全体図である。
【図2】図1の一部,とくにゴンドラおよび磁化器の拡大斜視図である。
【図3】磁化器用リールの斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】(A) は検出コイル装置の拡大正面図,(B) はこの側面図,(C) は(A) のVC−VC線に沿う断面図である。
【図6】(A)〜(C)は検出コイル装置のボビン半体を拡大して示すものであり,(A) は正面図,(B) はこの側面図,(C) は(A) の底面図である。
【図7】腐食箇所検出装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】実際に磁化器と線状体に沿って移動させ測定を行った結果および補正を行った結果を示すグラフである。
【図9】基準線状体の磁界の強さと磁束量との関係を示すものである。
【図10】磁化器を高速で移動させたときの測定結果を示すグラフである。
【図11】磁化器を低速で移動させたときの測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
2 ハンガーケーブル
10 磁化器
14 ガイドローラ
20 ゴンドラ
21 吊りロープ
25 補助ローラ
26 ウィンチ
40 磁化電源
45 磁束測定装置
50 磁界測定装置
55 パルスカウンター
56 ロータリーエンコーダ
60 データ記録装置
65 コンピュータ
200 検出コイル装置
C 磁化コイル
Claims (10)
- 腐食箇所を検出すべき対象線状体の一部を取り囲むように磁化コイルを含む磁化器を設け,磁化器を対象線状体に沿って一定速度で移動させるとともに,磁化コイルに磁化電流を流すことにより,対象線状体を磁化し,対象線状体を磁化する磁界の強さを連続的に計測し,磁化された対象線状体内を通る磁束量を連続的に計測し,磁化器の移動量を計測し,
基準線状体における磁界の強さと磁束量との関係を計測しておき,対象線状体について計測された磁界の強さと計測された磁束量と上記の関係に基づいて,対象線状体についての所定の磁界の強さにおける補正された磁束量を算出し,
計測された移動量に対する補正された磁束量の変化に基づいて,対象線状体の腐食箇所を検出する,腐食箇所検出方法。 - 上記対象線状体は鉛直にのび,固定的に設けられたものである,請求項1に記載の腐食箇所検出方法。
- 上記連続的計測の始点位置の計測磁束量と終点位置の計測磁束量との差および計測位置に基づいて,計測位置における磁束量のドリフト補正を行う,請求項1または2に記載の腐食箇所検出方法。
- 腐食箇所を検出すべき対象線状体を通る中心孔が形成された円筒状の形状を有し,磁界センサおよび検出コイル装置が上記中心孔の内部に設けられた磁化器用リールに磁化コイルが巻回された磁化器と,
上記磁化器を上記対象線状体に沿って一定速度で移動させるとともに移動量センサを備えた移動装置と,
上記磁界センサに接続され,上記磁化コイルが対象線状体を磁化する磁界の強さを連続的に計測する磁界測定装置と,
上記検出コイル装置に接続され,上記磁化コイルにより磁化された対象線状体内を通る磁束量を連続的に計測する磁束測定装置と,
対象線状体について計測された磁界の強さ,計測された磁束量および基準線状体における磁界の強さと磁束量とのあらかじめ計測された関係に基づいて,対象線状体についての所定の磁界の強さにおける補正された磁束量を算出する第1の補正手段と,
上記移動量センサの出力信号により表わされる移動量および上記第1の補正手段により補正された磁束量の変化に基づいて対象線状体の腐食箇所を表わす信号を出力する手段と,
を備えた腐食箇所検出装置。 - 上記移動量センサがロータリーエンコーダである,請求項4に記載の腐食箇所検出装置。
- 上記移動装置は,上記磁界測定装置および上記磁束測定装置を搭載している,請求項4または5に記載の腐食箇所検出装置。
- 磁化器用リールは,対象線状体が通る中心孔が形成された円筒状のコイル巻回部とこのコイル巻回部の一端に設けられたプーリとを含み,
上記プーリは上記コイル巻回部とその軸心を共通にして一体的に形成され,
上記プーリおよび上記コイル巻回部の両端にはそれぞれフランジが設けられている,
請求項4から6のいずれか一項に記載の腐食箇所検出装置。 - 上記磁化器用リールおよび上記検出コイル装置は中心を通る面により複数の部分に分割自在であり,少なくとも上記磁化器用リールの複数の部分を結合する結合具が設けられている,請求項4から7のいずれか一項に記載の腐食箇所検出装置。
- 上記磁化器用リールの両端のフランジには,それぞれ少なくとも2つ以上のガイドローラが上記対象線状体を囲む位置に着脱自在に固定されている請求項4から8のいずれか一項に記載の腐食箇所検出装置。
- 上記連続的計測の始点位置の計測磁束量と終点位置の計測磁束量との差および計測位置に基づいて,計測位置における磁束量のドリフト補正を行う第2の補正手段を備えた,請求項4から9のいずれか一項に記載の腐食箇所検出装置。
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