JP3544351B2 - 高周波増幅回路およびそれを用いた移動体通信端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話端末等の移動体通信端末の送信部の高周波回路部に設けられて高周波信号を増幅する高周波増幅回路および、それを用いた移動体通信端末に関するものである。特に、制御電圧により、利得制御を行い、また利得制御に連動して動作電流を制御する高周波増幅回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、移動体通信分野では、通信方式としてCDMA(Code Division Multiple Access )方式が世界標準となりつつある。このような通信方式では、通話品質を確保するために、通話時の符号誤り率の増加を防ぐ必要があり、携帯電話端末と基地局の距離に対応した高精度な出力調整が必要不可欠である。
【0003】
ここで、CDMA方式に対応した携帯電話端末に使用される利得制御機能を内蔵した高周波増幅回路にも、リニアリティに優れた利得制御が強く要望されている。また、CDMA方式では携帯電話端末から基地局間でデータのやり取りを常時行う必要があるため、携帯電話端末の通話時間を延長するためには、高周波回路ブロックの電流の削減が重要視されている。
【0004】
以下、無線部の中の特に送信部において利得制御を行う、CDMA方式に対応した従来の代表的な携帯電話端末について説明する。
【0005】
図6は従来の代表的な携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図である。図6において、携帯電話端末の無線部は、送信部200、受信部300、シンセサイザ部400、共用器部500からなる。
【0006】
送信部200は、中間周波数(例えば600MHz)の変調信号入力(中間周波数変調信号)を送信周波数(W−CDMA方式の場合には、約1.9GHz)に変換するアップコンバータ201、アップコンバータ201の出力信号(1mW以下)を最大10mW程度まで増幅する可変利得の高周波増幅回路202、高周波増幅回路202の出力信号(10mW以下)を最大1W程度まで増幅する固定利得の高出力高周波増幅回路203、高出力高周波増幅回路203の出力を電波として送信するための共用器部500へ供給するアイソレータ204で構成されている。
【0007】
受信部300は、共用器部500で受信された受信信号を高周波増幅し、この受信信号とシンセサイザ部400から供給される局部発振信号とを混合するフロントエンドIC301、フロントエンドIC301の出力信号から中間周波数信号を抽出するバンドパスフィルタ302で構成されている。
【0008】
シンセサイザ部400は、温度制御水晶発振器(TCXO)401、フェーズロックドループ(PLL)回路402、電圧制御発振器(VCO)403で構成されている。
【0009】
共用器部500はアンテナ501、デュプレクサ502で構成されている。
【0010】
図7は、図6に示したCDMA方式の携帯電話端末の無線部における送信部200と共用器部500に該当する部分のブロック図を示す。アイソレータについては図示を省略している。
【0011】
図7において、信号入力端子101には音声等が変調された中間周波数変調信号が入力される。アップコンバータ103は、信号入力端子101からの中間周波数変調信号と、発振器102からの局部発振信号とが入力され、中間周波数を送信周波数に変換する。具体的には、アップコンバータ103では、中間周波数の信号(中間周波数変調信号)を利得制御増幅器111で増幅し、利得制御増幅器111の出力信号と発振器102からの局部発振信号とをミキサ112で混合することにより、中間周波数を送信周波数に変換する。
【0012】
ここで、ミキサ112に入力される、中間周波数変調信号の周波数をfif、発振器102の局部発振周波数をflo、送信信号の周波数をfc とすると、送信信号の周波数は、
fc =flo±fif
の関係になり、ミキサ112より周波数fc として出力される。なお、中間周波数および送信信号周波数は前述したものが例としてあげられる。
【0013】
高周波増幅回路104は、利得制御機能を内蔵し、送信周波数の信号を最大10mW程度まで増幅する。高出力高周波増幅回路105は、高周波増幅回路104の出力信号(送信周波数の信号)をさらに最大1W程度まで増幅する増幅回路である。
【0014】
デュプレクサ106は、高出力高周波増幅回路105から出力される送信信号をアンテナ107へ送り、アンテナ107で受信した受信信号を信号出力端子108へ送る機能を有する。具体的には、デュプレクサ106は、信号を端子106a→端子106bの方向は通過させ、端子106b→端子106aの方向は阻止し、端子106b→端子106cの方向は通過させ、端子106c→端子106bの方向は阻止し、端子106a→端子106cの方向は阻止し、端子106c→端子106aの方向は阻止する機能を持つ。
【0015】
ここで、CDMA方式の携帯電話端末の動作について説明する。信号入力端子101より入力された中間周波数変調信号は、アップコンバータ103に内蔵された利得制御増幅器111により増幅され、発振器102とアップコンバータ103に内蔵されたミキサ112により、所定の送信周波数の送信信号へ周波数変換される。その送信信号は高周波増幅回路104により10mW程度まで増幅され、高出力高周波増幅回路105によりさらに最大1W程度まで増幅される。
【0016】
そして、端子106aよりデュプレクサ106に入った送信信号は、端子106bより出て、アンテナ107へ送られ、アンテナ107より送信電波として出力される。また、アンテナ107で受信された受信信号は、端子106bよりデュプレクサ106に入り、端子106cから出て、信号出力端子108へ送られる。
【0017】
以上のような図7の構成にて、利得制御は、アップコンバータ103に内蔵された利得制御増幅器111と、高周波増幅回路104の利得制御機能を用いて実現してきた。具体的には、アップコンバータ103内の利得制御増幅器111でリニアリティの高い利得制御を行い、高周波増幅回路104で2ステップ程度の段階的な利得制御を行う。
【0018】
つぎに、図7に示された利得制御機能を有する高周波増幅回路104の具体的な構成を図8を参照しながら説明する。この高周波増幅回路104は、図8に示すように、信号入力端子121から入力された高周波信号がインピーダンス変換を行うインピーダンス整合回路122を介して増幅器123に加えられ、この増幅器123で増幅される。増幅器123の出力信号は、インピーダンス整合回路124を介してアッテネータ125に加えられ、アッテネータ125で制御端子125aに加えられる制御電圧に応じた減衰量で減衰する。アッテネータ125の出力信号は、インピーダンス整合回路126を介して増幅器127に加えられ、この増幅器127で増幅される。増幅器127の出力信号は、インピーダンス整合回路128を介して信号出力端子129へ送られる。
【0019】
上記したように、図8の利得制御機能を内蔵した高周波増幅回路104では、制御電圧によってアッテネータ125の減衰量を例えば2ステップに調整することにより、利得制御を行っている。
【0020】
図9(a)は、上述した図8の高周波増幅回路104における制御電圧と出力電力の関係を示し、図9(b)は同高周波増幅回路104における制御電圧と高周波増幅回路104に電圧Vddの電源から供給される動作電流の関係を示したグラフである。ただし、高周波増幅回路104に入力される電力は一定にしている。
【0021】
高周波増幅回路104の制御電圧の範囲を図中のようにa,b,cのように定義すると、図9(a)に示される高周波増幅回路104の制御電圧と高周波増幅回路104の出力電力との関係においては、制御電圧がa,cの範囲では、出力電力は制御電圧の変化に対して一定である。また、制御電圧がbの範囲では、入力される制御電圧の変化に対応して出力電力が変化している。
【0022】
ところが、図9(b)に示される高周波増幅回路104の制御電圧と高周波増幅回路104の動作電流の関係においては、制御電圧がa,b,cのいずれの範囲の場合も高周波増幅回路104の動作電流は変化していない。
【0023】
結局、この高周波増幅回路104では、制御電圧により出力電力を大小に制御しても、その動作電流はほとんど変化していない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に増幅回路では、大きな出力電力を得ようとすれば、増幅回路の動作電流は大きくなる。図9において、制御電圧がa,cの範囲で、出力電力と動作電流の関係を考えてみると、制御電圧がaの範囲では、制御電圧がcの範囲の出力電力より高周波増幅回路104の出力電力は小さい。そのため、制御電圧がaの範囲では、動作電圧がcの範囲より動作電流を削減できると考えられる。
【0025】
しかしながら、上述した従来の高周波増幅回路104では、制御電圧がaの範囲の動作電流を、動作電圧がcの範囲の動作電流より少なくはしていない。その理由は以下に述べる通りである。
【0026】
増幅器127は、例えば電界効果トランジスタ(以下、FETと略す)で構成する。この場合、FETのゲート電極に印加するゲート電圧(以下、バイアスと記す)を変化させて、ソース・ドレイン間の電流(以下、動作電流と記す)を制御する。
【0027】
高周波増幅回路104において、アッテネータ125の減衰量を大きくして出力電力を小さくしたときに、アッテネータ125の後段にある増幅器127のバイアスを変化させれば、出力電力を小さくしたときに増幅器127の動作電流を少なくでき、高周波増幅回路104の動作電流を少なくできる。
【0028】
ところが、増幅器127のバイアスを変化させて増幅器127の動作電流を少なくすると、増幅器127の歪が増大することになる。増幅器127の歪を増大させることなくバイアスを変化させるには、バイアス回路の構成が複雑となり、高周波増幅回路104の回路規模が大幅に増大し、集積回路化する場合に実装面積が大きくなるという問題が生じる。実装面積の増大は携帯電話端末の小型軽量化の流れに反し、好ましくない。そのため、低出力時にも動作電流を減少させない回路構成が採用されていた。
【0029】
しかしながら、CDMA方式の携帯電話端末の場合、現在のデジタル携帯電話で主として用いられるTDMA(Time Division Multiple Access)方式の携帯電話端末とは異なり、通話中連続的に基地局との間で通信を行う必要があるため、消費電力が大きくなる傾向にある。そのため、限られた容量のバッテリで、より長時間の使用を可能とするためには、実使用時の大部分を占める低出力時に動作電流を減少させることが好ましい。しかも、それを小型軽量化の流れに反することなく実現することが要求される。
【0030】
したがって、本発明の目的は、低出力時の歪を増大を回避するための回路規模の増大を生じることなく、低出力時の動作電流を減少させることができる高周波増幅回路およびそれを用いた移動体通信端末を提供することである。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の高周波増幅回路は、信号入力端子および信号出力端子と、信号入力端子に接続された入力端子から信号入力して出力端子から増幅信号を出力する第1の増幅器と、第1の増幅器の出力端子に共通端子が接続された第1の切替スイッチと、第1の切替スイッチの一方の切替端子に入力端子が接続され該入力端子から信号入力し出力端子から動作電流を増幅信号として出力する第2の増幅器と、信号出力端子に共通端子が接続され第2の増幅器の出力端子に一方の切替端子が接続され第1の切替スイッチの他方の切替端子にのみ他方の切替端子が接続された第2の切替スイッチとを備えている。
【0032】
そして、第1のモードでは、第1の切替スイッチおよび第2の切替スイッチの各々は一方の切替端子側への切替動作を行い、第2の増幅器に所定の電源電圧を印加することにより第2の増幅器から増幅信号を出力し、第2のモードでは、第1の切替スイッチおよび第2の切替スイッチの各々は他方の切替端子側への切替動作を行い、第2の増幅器には電源電圧の供給を停止あるいは遮断することにより動作電流を流さないようにしている。
【0033】
この構成によれば、第1および第2の切替スイッチを一方の切替端子側へ切り替えたときには、信号入力端子に入力された高周波信号は第1の増幅器で増幅された後さらに第2の増幅器で増幅され、その後信号出力端子より高出力の高周波信号として出力される。
【0034】
一方、第1および第2の切替スイッチを他方の切替端子側へ切り替えたときには、信号入力端子に入力された高周波信号は第1の増幅器で増幅された後第2の増幅器は通らずにバイパスされ、信号出力端子より低出力の高周波信号として出力される。このとき、第2の増幅器への電源電圧は供給が停止あるいは遮断されているので、第2の増幅器には動作電流は流れない。その結果、低出力時の動作電流を減少させることができる。また、第2の増幅器をバイパスすることで低出力動作をさせるので、第2の増幅器の歪の問題を考慮してバイアス回路を複雑化する場合のような回路規模の大幅な増大は生じない。
【0035】
また、電源供給が停止あるいは遮断されて出力インピーダンスが動作時とは異なる値に変化した第2の増幅器は、第1および第2の切替スイッチによって信号入力端子から信号出力端子へ到る信号経路からは完全に切り離されるので、信号出力端子の部分で第2の増幅器が原因となるインピーダンス不整合が生じることはなく、したがってインピーダンス不整合による異常発振等の不安定な動作は起こらず、安定な増幅動作を実現することができる。
【0036】
上記構成において、制御電圧に応答して、一方の切替端子側あるいは他方の切替端子側へ切り替わるように第1および第2の切替スイッチを構成し、制御電圧を第2の増幅器へ電源電圧として供給するようにしてもよい。
【0037】
この構成によれば、制御電圧の入力端子と第2の増幅器の電源電圧の入力端子とを共用できるので、端子数を削減することが可能となる。
【0038】
また、第1および第2の切替スイッチは各々、例えば共通端子にドレイン端子あるいはソース端子の一方が接続され、一方の切替端子にドレイン端子あるいはソース端子の他方が接続された第1の電界効果トランジスタと、共通端子にドレイン端子あるいはソース端子の一方が接続され、他方の切替端子にドレイン端子あるいはソース端子の他方が接続された第2の電界効果トランジスタとを有し、第1の電界効果トランジスタはゲート端子に制御電圧が加えられるとともに、ソース端子に基準電圧が加えられ、第2の電界効果トランジスタはゲート端子に基準電圧が加えられるとともに、ソース端子に制御電圧が加えられるようになっている。
【0039】
この構成によれば、第1および第2の電界効果トランジスタのオンオフを切り替えるための制御電圧と基準電圧とを、第1および第2の電界効果トランジスタで共通にすることができ、端子数を削減することができる。
【0040】
また、基準電圧は第1の増幅器の電源電圧を入力とする内部基準電圧作成回路で作成するようにしてもよい。
【0041】
この構成によれば、基準電圧の入力端子を別に設ける必要がないので、端子数を削減することが可能となる。
【0042】
また、第1の電界効果トランジスタのソース端子に加える基準電圧を、第1および第2の電界効果トランジスタのしきい値電圧に相当する値だけ第2の電界効果トランジスタのゲート端子に加える基準電圧より高く設定することも可能である。
【0043】
この構成によれば、第1および第2の電界効果トランジスタがオンオフの中間の状態となる電圧範囲を重ならせることができるので、第1および第2の電界効果トランジスタをオンオフさせるための制御電圧の設定範囲を広くすることができる。
【0044】
本発明による第2の高周波増幅回路は、信号入力端子および信号出力端子と、信号入力端子に接続された入力端子から信号入力して出力端子から増幅信号を出力する第1の増幅器と、第1の増幅器の出力端子に一方の端子が接続された第1のスイッチと、第1のスイッチの他方の端子に入力端子が接続され該入力端子から信号入力し出力端子から動作電流を増幅信号としてを出力する第2の増幅器と、第2の増幅器の出力端子に一方の端子が接続され信号出力端子に他方の端子が接続された第2のスイッチと、第1の増幅器の出力端子に一方の端子が接続され信号出力端子に他方の端子が接続された第3のスイッチとを備えている。
【0045】
そして、第1のモードでは、第1のスイッチおよび第2のスイッチの各々は導通させるとともに第3のスイッチは開放させ、第2の増幅器に所定の電源電圧を印加することにより第2の増幅器から増幅信号を出力し、第2のモードでは、第1のスイッチおよび第2のスイッチの各々は開放させるとともに第3のスイッチを導通させ、第2の増幅器には電源電圧の供給を停止あるいは遮断することにより動作電流を流さないようにしている。
【0046】
この構成によれば、第1および第2のスイッチを導通させ、第3のスイッチを開放したときには、信号入力端子に入力された高周波信号は第1の増幅器で増幅された後さらに第2の増幅器で増幅され、その後信号出力端子より高出力の高周波信号として出力される。
【0047】
一方、第1および第2のスイッチを開放し、第3のスイッチを導通させたときには、信号入力端子に入力された高周波信号は第1の増幅器で増幅された後第2の増幅器は通らずにバイパスされ、信号出力端子より低出力の高周波信号として出力される。このとき、第2の増幅器への電源電圧は供給が停止あるいは遮断されているので、第2の増幅器には動作電流は流れない。その結果、低出力時の動作電流を減少させることができる。また、第2の増幅器をバイパスすることで低出力動作をさせるので、第2の増幅器の歪の問題を考慮してバイアス回路を複雑化する場合のような回路規模の大幅な増大は生じない。
【0048】
また、電源供給が停止あるいは遮断されて出力インピーダンスが動作時とは異なる値に変化した第2の増幅器は、第1および第2のスイッチによって信号入力端子から信号出力端子へ到る信号経路からは完全に切り離されるので、信号出力端子の部分で第2の増幅器が原因となるインピーダンス不整合が生じることはなく、したがってインピーダンス不整合による異常発振等の不安定な動作は起こらず、安定な増幅動作を実現することができる。
【0049】
上記構成において、制御電圧に応答して、第1および第2のスイッチが導通したときには第3のスイッチが開放し、第1および第2のスイッチが開放したときには第3のスイッチが導通し、制御電圧を第2の増幅器へ電源電圧として供給するようにしてもよい。
【0050】
この構成によれば、制御電圧の入力端子と第2の増幅器の電源電圧の入力端子とを共用できるので、端子数を削減することが可能となる。
【0051】
また、第1および第2のスイッチは各々、例えば一端にドレイン端子あるいはソース端子の一方が接続され、他端にドレイン端子あるいはソース端子の他方が接続された第1の電界効果トランジスタを有し、第3のスイッチは、一端にドレイン端子あるいはソース端子の一方が接続され、他端にドレイン端子あるいはソース端子の他方が接続された第2の電界効果トランジスタを有し、第1の電界効果トランジスタはゲート端子に制御電圧が加えられるとともに、ソース端子に基準電圧が加えられ、第2の電界効果トランジスタはゲート端子に基準電圧が加えられるとともに、ソース端子に制御電圧が加えられるようになっている。
【0052】
この構成によれば、第1および第2の電界効果トランジスタのオンオフを切り替えるための制御電圧と基準電圧とを、第1および第2の電界効果トランジスタで共通にすることができ、端子数を削減することができる。
【0053】
また、基準電圧は第1の増幅器の電源電圧を入力とする内部基準電圧作成回路で作成するようにしてもよい。
【0054】
この構成によれば、基準電圧の入力端子を別に設ける必要がないので、端子数を削減することが可能となる。
【0055】
また、第1の電界効果トランジスタのソース端子に加える基準電圧を、第2の電界効果トランジスタのゲート端子に加える基準電圧より、第1および第2の電界効果トランジスタのしきい値電圧に相当する値だけ高く設定することも可能である。
【0056】
この構成によれば、第1および第2の電界効果トランジスタがオンオフの中間の状態となる電圧範囲を重ならせることができるので、第1および第2の電界効果トランジスタをオンオフさせるための制御電圧の設定範囲を広くすることができる。
【0057】
上記第3のスイッチは、第1の増幅器の出力端子と信号出力端子との間に複数個が直列接続された状態で設けられていてもよい。
【0058】
この構成によれば、第3のスイッチの両端子間のアイソレーションを、第3のスイッチが1個の場合に比べて向上させることができる。その結果、第1の増幅器の出力端子と信号出力端子との間、すなわち第1のスイッチの一方の端子と信号出力端子との間のアイソレーションを向上させることができ、第2の増幅器の異常発振等の不安定動作を回避することができる。
【0059】
本発明による第1の移動体通信端末は、送信部に該送信部から出力される出力電力を制御するための利得制御機能を備えた高周波増幅回路を有する移動体通信端末であり、高周波増幅回路が本発明の第1の高周波増幅回路と同じ構成になっている。
【0060】
この構成によれば、本発明の第1の高周波増幅回路と同様の作用を有する。
本発明による第2の移動体通信端末は、送信部に該送信部から出力される出力電力を制御するための利得制御機能を備えた高周波増幅回路を有する移動体通信端末であり、高周波増幅回路が本発明の第2の高周波増幅回路と同じ構成となっている。
【0061】
この構成によれば、本発明の第2の高周波増幅回路と同様の作用を有する。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の高周波増幅回路およびそれを用いた携帯電話端末について図面を参照しながら説明する。
【0063】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態における高周波増幅回路の構成を示すブロック図である。図1の高周波増幅回路は、図7に示した従来の携帯電話端末の送信部のブロック図において、該送信部から出力される出力電力を制御するための利得制御機能を内蔵した高周波増幅回路104に対応している。すなわち、本発明の実施の形態の携帯電話端末では、図7に示した従来の携携帯電話端末の送信部において、高周波増幅回路104に代えて図1の高周波増幅回路を用いている。
【0064】
以下、図1の高周波増幅回路について詳しく説明する。図1において、信号入力端子1には、インピーダンス変換を行うインピーダンス整合回路2の入力端子が接続されている。インピーダンス整合回路2の出力端子には、第1の増幅器3の入力端子が接続されている。第1の増幅器3の出力端子には、インピーダンス整合回路4の入力端子が接続されている。
【0065】
インピーダンス整合回路4の出力端子には、第1の切替スイッチ5の共通端子5aが接続されている。第1の切替スイッチ5の一方の切替端子5bにはインピーダンス整合回路6の入力端子が接続されている。インピーダンス整合回路6の出力端子には、第2の増幅器7の入力端子が接続されている。第2の増幅器7の出力端子には、インピーダンス整合回路8の入力端子が接続されている。
【0066】
インピーダンス整合回路8の出力端子には、第2の切替スイッチ9の一方の切替端子9bが接続されている。第2の切替スイッチ9の他方の切替端子9cには、第1の切替スイッチ5の他方の切替端子5cが接続されている。第2の切替スイッチ9の共通端子9aには、信号出力端子10が接続されている。
【0067】
電源電圧Vdd1 が印加される電源端子11には、第1の増幅器3の電源端子が接続されている。電源電圧Vdd2 が印加される電源端子12には、第2の増幅器7の電源端子が接続されている。制御電圧Vc が印加される制御端子13は、第1の切替スイッチ5の制御端子5dと、第2の切替スイッチ9の制御端子9dとにそれぞれ接続されている。基準電圧Vref が印加される基準電圧端子14は、第1の切替スイッチ5の基準電圧端子5eと、第2の切替スイッチ9の基準電圧端子9eとにそれぞれ接続されている。GND(グラウンド)端子15は、第1の増幅器3の接地端子に接続されている。GND端子16は、第2の増幅器7の接地端子に接続されている。
【0068】
ここで、第2の増幅器7としては、例えば、電界効果トランジスタ(以下、FETと記す)が用いられ、第2の増幅器7の入力端子、電源端子、および接地端子は、それぞれFETのゲート電極、ドレイン電極、ソース電極に対応する。第2の増幅器7であるFETの信号の増幅作用は、FETのゲート端子に電圧信号を入力し、ソースとドレイン間に流れる動作電流を出力信号として取り出すことにより実現している。FETの動作電流の制御は、ゲートとソース間の電位の変化や、ドレインとソース間の電位の変化により実現している。また、第2の増幅器7としては、例えばバイポーラトランジスタを用いてもよい。先の説明でのゲート、ドレイン、ソース電極をそれぞれベース、コレクタ、エミッタ電極に置き換えて考えることができる。
【0069】
以下の説明では、第2の増幅器7としてはFETを考える。そして、電源端子12に印加される電源電圧Vdd2 は、制御電圧Vc に連動して変化させる。制御電圧Vc を第1の電圧に制御して第1および第2の切替スイッチ5,9が一方の切替端子5b,9b側に切り替えられたときには、第2の増幅器7が信号増幅を行い第2の増幅器7に動作電流が流れるような電源電圧Vdd2 に設定される。制御電圧Vc を第2の電圧に制御して第1および第2の切替スイッチ5,9が他方の切替端子5c,9c側に切り替えられたときには、第2の増幅器7が信号増幅を行わず第2の増幅器7に動作電流が流れないような電源電圧Vdd2 に設定(例えば接地端子に印加される接地電位の0Vに設定して電源供給を停止)、あるいは電源電圧Vdd2から切り離し(遮断)を行う。
【0070】
つぎに、上記図1の回路の動作について簡単に説明する。制御電圧Vc と基準電圧Vref の関係を所定の状態に設定することによって、第1および第2の切替スイッチ5,9を一方の切替端子5b,9b側へ切り替えたときには、信号入力端子1に入力された高周波信号は、インピーダンス整合回路2を通り、第1の増幅器3で増幅された後、インピーダンス整合回路4,第1の切替スイッチ5およびインピーダンス整合回路6を通り、さらに第2の増幅器7で増幅され、その後、インピーダンス整合回路8および第2の切替スイッチ9を通り、信号出力端子10より高出力の高周波信号として出力される。
【0071】
一方、第1および第2の切替スイッチ5,9を他方の切替端子5c,9c側へ切り替えたときには、信号入力端子1に入力された高周波信号は、インピーダンス整合回路2を通り、第1の増幅器3で増幅された後、インピーダンス整合回路4および第1の切替スイッチ5を通り、第2の増幅器7は通らずにバイパスされ、第2の切替スイッチ9を通り、信号出力端子10より低出力の高周波信号として出力される。
【0072】
このとき、第2の増幅器7への電源電圧Vdd2 は接地電位の0Vに設定あるいは遮断されているので、第2の増幅器7には動作電流は流れない。その結果、低出力時の動作電流を減少させることができる。また、第2の増幅器7をバイパスすることで低出力動作をさせるので、第2の増幅器7の歪の問題を考慮してバイアス回路を複雑化する場合のような回路規模の大幅な増大は生じない。
【0073】
また、電源供給が停止あるいは遮断されて出力インピーダンスが動作時とは異なる値に変化した第2の増幅器7は、第1および第2の切替スイッチ5,9によって信号入力端子1から信号出力端子10へ到る信号経路からは完全に切り離されるので、信号出力端子10の部分で第2の高周波増幅器7が原因となるインピーダンス不整合が生じることはなく、したがってインピーダンス不整合による異常発振等の不安定な動作は起こらず、安定な増幅動作を実現することができる。
【0074】
図2に、図1の第1および第2の切替スイッチ5,9の具体的な回路構成を示す。この例では、第1および第2の切替スイッチ5,9は同じ回路構成となっている。図2において、一方の切替端子22(切替端子5b,9bに対応する)には、キャパシタ25の一端が接続されている。キャパシタ25の他端には、抵抗29の一端および電界効果トランジスタ26のソース端子が接続されている。電界効果トランジスタ26のソース端子およびドレイン端子間には、抵抗27が接続されている。電界効果トランジスタ26のゲート端子には、抵抗30の一端が接続されている。電界効果トランジスタ26のドレイン端子には、キャパシタ28の一端が接続されている。キャパシタ28の他端には、共通端子21(共通端子5a,9aに対応する)が接続されている。
【0075】
他方の切替端子23(切替端子5c,9cに対応する)には、キャパシタ34の一端が接続されている。キャパシタ34の他端には、抵抗35の一端および電界効果トランジスタ32のソース端子が接続されている。電界効果トランジスタ32のソース端子およびドレイン端子間には、抵抗33が接続されている。電界効果トランジスタ32のゲート端子には、抵抗36の一端が接続されている。電界効果トランジスタ32のドレイン端子には、キャパシタ31の一端が接続されている。キャパシタ31の他端には、共通端子21が接続されている。
【0076】
基準電圧端子39(基準電圧端子5e,9eに対応する)には、抵抗29の他端および抵抗36の他端がそれぞれ接続されている。制御端子40(制御端子5d,9dに対応する)には、抵抗30の他端および抵抗35の他端がそれぞれ接続されている。
【0077】
なお、電界効果トランジスタ26,32は、ソース端子およびドレイン端子の位置が逆になっていてもよい。
【0078】
以上のように構成されたこの実施の形態の高周波増幅回路について、以下にその動作を説明する。
【0079】
図1における第1および第2の切替スイッチ5,9について説明すると、図2の回路は、基準電圧端子39と制御端子40との電圧値により、スイッチ動作をする。上述したように、図1の第1の切替スイッチ5の共通端子5a、一方の切替端子5b、他方の切替端子5cはそれぞれ図2の共通端子21、一方の切替端子22、他方の切替端子23に対応している。また、図1の第2の切替スイッチ9の共通端子9a、一方の切替端子9b、他方の切替端子9cはそれぞれ図2の共通端子21、一方の切替端子22、他方の切替端子23に対応している。また、図1の第1および第2の切替スイッチ5,9の基準電圧端子5d,9dは、図2の基準電圧端子39に対応し、第1および第2の切替スイッチ5,9の制御端子5e,9eは、図2の制御端子40に対応している。
【0080】
図2の回路構成でスイッチ動作を行わせる場合、制御端子40および基準電圧端子39に印加する電圧と、共通端子21と一方の切替端子22および他方の切替端子23の間の導通/開放の関係はつぎのようになる。
【0081】
Vc <Vref −|Vp | :共通端子21−切替端子22間 開放
Vc >Vref :共通端子21−切替端子22間 導通
Vc <Vref :共通端子21−切替端子23間 導通
Vc >Vref +|Vp | :共通端子21−切替端子23間 開放
ただし、Vp は電界効果トランジスタ26,32のしきい値電圧である。
【0082】
なお、制御電圧Vc が基準電圧Vref に対して
Vref −|Vp |≦Vc ≦Vref
の関係にあるときは、共通端子21−切替端子22間が導通と開放の中間の状態になっている。また、
Vref ≦Vc ≦Vref +|Vp |
の関係にあるときは、共通端子21−切替端子23間が導通と開放の中間の状態になっている。
【0083】
図2の回路構成のように、基準電圧端子39と制御端子40を電界効果トランジスタ26,32のゲート端子とソース端子にそれぞれ対称的に接続することにより、複数の制御端子を設けることなく、各々の切替スイッチ5,9における複数(2つ)の経路の選択を一つの制御端子により容易に実現でき、制御端子の数を減少させることができる。
【0084】
また、図2において、電界効果トランジスタ26および電界効果トランジスタ32のソース端子およびドレイン端子間がそれぞれ、抵抗27、抵抗33で接続され、ほぼ同電位になっているため、電界効果トランジスタ26および電界効果トランジスタ32のソース端子にそれぞれ接続されている抵抗29および抵抗35は、電界効果トランジスタ26および電界効果トランジスタ32のドレイン端子側に接続してもよい。これにより、回路のレイアウトの自由度が向上する。
【0085】
つぎに、図1の回路での高周波増幅回路の利得制御について説明する。一例として、電源端子11および電源端子12に加える電源電圧Vdd1 ,Vdd2 を3Vに設定し、制御端子13に加える制御電圧Vc を3V、基準電圧端子14に加える基準電圧Vref を1.5Vに設定したとする。また、電界効果トランジスタ26,32のしきい値電圧Vp を−0.6Vとする。
【0086】
このとき、第1の切替スイッチ5の制御端子5dおよび第2の切替スイッチ9の制御端子9dには、制御端子13より3Vの制御電圧Vc が供給され、第1の切替スイッチ5の基準電圧端子5eおよび第2の切替スイッチ9の基準電圧端子9eには、基準電圧端子14より1.5Vの基準電圧Vref が供給される。このとき、Vc >Vref の関係が成り立ち、第1の切替スイッチの共通端子5aと切替端子5bとの間、第2の切替スイッチ9の共通端子9aと切替端子9bとの間が導通する。また、Vc >Vref +|Vp |の関係が成り立ち、第1の切替スイッチの共通端子5aと切替端子5cとの間、第2の切替スイッチの共通端子9aと切替端子9cとの間が開放する。
【0087】
この状態のとき、高周波増幅回路に入力された信号は、信号入力端子1よりインピーダンス整合回路2に入力され第1の増幅器3、インピーダンス整合回路4、第1の切替スイッチ5の共通端子5a−切替端子5b間を順次通過し、さらにインピーダンス整合回路6、第2の増幅器7、インピーダンス整合回路8、第2の切替スイッチ9の切替端子9b−共通端子9a間を順次通過して、信号出力端子10より出力される。
【0088】
ここで、インピーダンス整合回路2の入力端子より、インピーダンス整合回路2、第1の増幅器3、インピーダンス整合回路4の出力までの回路の利得をG1、インピーダンス整合回路6、第2の増幅器7、インピーダンス整合回路8の出力端子までの回路の利得をG2 、第1の切替スイッチ5の共通端子5a−切替端子5b間、共通端子5a−切替端子5c間、第2の切替スイッチ9の共通端子9a−切替端子9b間、共通端子9a−切替端子9c間の信号ロスをそれぞれLとする。
【0089】
この場合、図1の高周波増幅回路の利得PG1 は、つぎの式のようになる。
【0090】
PG1 =G1 +G2 −2L・・・(1)
つぎに、電源端子11に加える電源電圧Vdd1 を3V,電源端子12に加える電源電圧Vdd2 を0Vに設定し、制御端子13に加える制御電圧を0V、基準電圧端子14に加える基準電圧を1.5Vに設定したとする。
【0091】
このとき、第1の切替スイッチ5の制御端子5dおよび第2の切替スイッチ9の制御端子9dには、制御端子13より0Vの制御電圧Vc が供給され、第1の切替スイッチ5の基準電圧端子5eおよび第2の切替スイッチ9の基準電圧端子9eには、基準電圧端子14より1.5Vの基準電圧Vref が供給される。このとき、Vc <Vref の関係が成り立ち、第1の切替スイッチの共通端子5aと切替端子5cとの間、第2の切替スイッチ9の共通端子9aと切替端子9cとの間が導通する。また、Vc <Vref −|Vp |の関係が成り立ち、第1の切替スイッチの共通端子5aと切替端子5bとの間、第2の切替スイッチの共通端子9aと切替端子9bとの間が開放する。
【0092】
この状態のとき、高周波増幅回路に入力された信号は、信号入力端子1よりインピーダンス整合回路2に入力され第1の増幅器3、インピーダンス整合回路4、第1の切替スイッチ5の共通端子5a−切替端子5c間を順次通過し、さらに第2の切替スイッチ9の切替端子端子9c−共通端子9a間を通過して、信号出力端子10より出力される。
【0093】
この場合、図1の高周波増幅回路の利得PG2 は、つぎの式のようになる。
【0094】
PG2 =G1 −2L ・・・(2)
図1の高周波増幅回路は、制御端子13に印加する制御電圧Vc を切り替えることで、式(1)および式(2)より明らかなように、利得をG2 だけ変化させることができる。
【0095】
さらに、制御端子13に加える制御電圧Vc を0Vに設定することと連動して、第2の増幅器7の電源端子12に加える電源電圧Vdd2 を0Vに設定あるいは遮断することにより、第2の増幅器7の動作電流を零にすることができる。
【0096】
つまり、制御端子13に加える制御電圧Vc の切替と、第2の増幅器7の電源端子12への電源電圧Vdd2 の印加とを連動させることにより、利得を減衰させたときの動作電流を低減することができる。なお、上記で説明したように、制御電圧Vc が0Vのとき、第2の増幅器7をバイパスする側に第1および第2の切替スイッチ5,9を切り替える場合には、上記制御端子13と電源端子12とを共通接続すればよく、この場合に端子数を削減することができる。
【0097】
このとき、第2の増幅器7は、第1および第2の切替スイッチ5,9により、信号経路から切断されており、第2の増幅器7がオフ状態となり第2の増幅器7の出力インピーダンスが50Ωからずれてしまっても、第1の増幅器3や信号出力端子10に接続される素子には影響を及ぼさず、安定な増幅動作を実現することができる。
【0098】
また、第1の増幅器3に給電するための電源端子11に加えられる電源電圧Vdd1 を基に基準電圧Vref を作成する基準電圧作成回路を設ければ、基準電圧端子14を省くことができ、端子数を削減することができる。
【0099】
さらに、この高周波増幅回路で増幅回路内部の増幅器の利得と出力電力を上昇させることにより、図7の従来の携帯電話端末の送信部のブロック図の利得制御機能を内蔵した高周波増幅回路104と高出力高周波増幅回路105の役割を1つの高周波増幅回路で実現できる。
【0100】
また、第1の電界効果トランジスタ26のソース端子に加える基準電圧を、第1および第2の電界効果トランジスタ26,32のしきい値電圧に相当する値だけ第2の電界効果トランジスタ32のゲート端子に加える基準電圧より高く設定することも可能である。
【0101】
例えば、上記のしきい値電圧が−0.6Vであるときには、第1の電界効果トランジスタ26のソース端子に加える基準電圧Vref1を1.8Vとし、第2の電界効果トランジスタ32のゲート端子に加える基準電圧Vref2を1.2Vとすると、第1および第2の電界効果トランジスタ26,32がオンオフの中間の状態となる電圧範囲を重ならせることができる。つまり、第1の電界効果トランジスタ26のオンが確定する電圧と第2の電界効果トランジスタ32のオフが確定する電圧とを同じ電圧にすることができ、第1の電界効果トランジスタ26のオフが確定する電圧と第2の電界効果トランジスタ32のオンが確定する電圧とを同じ電圧にすることができる。
【0102】
制御電圧は、第1および第2の電界効果トランジスタ26,32がオンオフの中間の状態となる電圧範囲を避けて設定することが必要であるが、上記のようにすると、第1および第2の電界効果トランジスタ26,32へ加える基準電圧が同じ値である場合に比べて、第1および第2の電界効果トランジスタ26,32をオンオフさせるための制御電圧の設定範囲を広くすることができる。
【0103】
先に説明したように同一の基準電圧を用いると、基準電圧が1.5Vの場合、制御電圧Vc の上側の値は2.1Vを超える値に設定する必要があり、制御電圧Vc の下側の値は0.9V未満の値に設定する必要があったが、上記のように基準電圧を一方は1.8V、他方は1.2Vとすると、制御電圧Vc の上側の値は1.8Vを超える値でよく、制御電圧Vc の下側の値は1.2V未満の値に設定すればよくなる。
【0104】
なお、実験の結果では、高周波増幅回路の入力電力を−20dBmとしたとき、制御電圧により、出力電力が10dBm,0dBmというように、高周波増幅回路の利得を10dB程度可変できた。このとき高周波増幅回路の動作電流は出力電力10dBmの時40mA、出力電力0dBmの時15mAとなり、出力電力に応じて制御できた。また、高周波増幅回路の出力端子のインピーダンスも出力電力10dBm、出力電力0dBm、いずれの場合も電圧定在波比で2以下であり、信号出力端子のインピーダンスも50Ωからずれていなかった。
【0105】
〔第2の実施の形態〕
図3は、本発明の第2の実施の形態における高周波増幅回路の構成を示すブロック図である。図3の高周波増幅回路は、図7に示した従来の携帯電話端末の送信部のブロック図において、該送信部から出力される出力電力を制御するための利得制御機能を内蔵した高周波増幅回路104に対応している。すなわち、本発明の実施の形態の携帯電話端末では、図7に示した従来の携携帯電話端末の送信部において、高周波増幅回路104に代えて図3の高周波増幅回路を用いている。
【0106】
以下、図3の高周波増幅回路について詳しく説明する。図3において、信号入力端子41には、インピーダンス変換を行うインピーダンス整合回路42の入力端子が接続されている。インピーダンス整合回路42の出力端子には、第1の増幅器43の入力端子が接続されている。第1の増幅器43の出力端子には、インピーダンス整合回路44の入力端子が接続されている。
【0107】
インピーダンス整合回路44の出力端子には、第1のスイッチ45の一方の端子45aと第3のスイッチ50の一方の端子50aが接続されている。第1のスイッチ45の他方の端子45bには、インピーダンス整合回路46の入力端子が接続されている。第3のスイッチ50の他方の端子50bには、信号出力端子51が接続されている。
【0108】
インピーダンス整合回路46の出力端子には、第2の増幅器47の入力端子が接続されている。第2の増幅器47の出力端子には、インピーダンス整合回路48の入力端子が接続されている。
【0109】
インピーダンス整合回路48の出力端子には、第2のスイッチ49の一方の端子49aが接続されている。第2のスイッチ49の他方の端子49bには、信号出力端子51が接続されている。
【0110】
電源電圧Vdd1 が印加される電源端子52には、第1の増幅器43の電源端子が接続されている。電源電圧Vdd2 が印加される電源端子53には、第2の増幅器47の電源端子が接続されている。制御電圧Vc が印加される制御端子54は、第1のスイッチ45の制御端子45c、第2のスイッチ49の制御端子49c,第3のスイッチ50の制御端子50cにそれぞれ接続されている。基準電圧Vref が印加される基準電圧端子55は、第1のスイッチ45の基準電圧端子45d、第2のスイッチ49の基準電圧端子49d、第3のスイッチ50の基準電圧端子50dにそれぞれ接続されている。GND端子56は、第1の増幅器43の接地端子に接続されている。GND端子57は、第2の増幅器47の接地端子に接続されている。
【0111】
ここで、第2の増幅器47としては、例えば、電界効果トランジスタ(以下、FETと記す)が用いられ、第2の増幅器47の入力端子、電源端子、および接地端子は、それぞれFETのゲート電極、ドレイン電極、ソース電極に対応する。第2の増幅器47であるFETの信号の増幅作用は、FETのゲート端子に電圧信号を入力し、ソースとドレイン間に流れる動作電流を出力信号として取り出すことにより実現している。FETの動作電流の制御は、ゲートとソース間の電位の変化や、ドレインとソース間の電位の変化により実現している。また、第2の増幅器47としては、例えばバイポーラトランジスタを用いてもよい。先の説明でのゲート、ドレイン、ソース電極をそれぞれベース、コレクタ、エミッタ電極に置き換えて考えることができる。
【0112】
以下の説明では、第2の増幅器47としてはFETを考える。そして、電源端子53に印加される電源電圧Vdd2 は、制御電圧Vc に連動して変化させる。制御電圧Vcを第1の電圧に制御して第1および第2のスイッチ45,49が導通したときには、第2の増幅器47が信号増幅を行い第2の増幅器47に動作電流が流れるような電源電圧Vdd2 に設定される。制御電圧Vc を第2の電圧に制御して第1および第2のスイッチ45,49が遮断したときには、第2の増幅器47が信号増幅を行わず第2の増幅器47に動作電流が流れないような電源電圧Vdd2 に設定(例えば接地端子に印加される接地電位の0Vに設定して電源供給を停止)、あるいは電源電圧Vdd2 から切り離し(遮断)を行う。
【0113】
つぎに、上記図3の回路の動作について簡単に説明する。制御電圧Vc と基準電圧Vref の関係を所定の状態に設定することによって、第1および第2のスイッチ45,49を導通させ、第3のスイッチ50を開放させたときには、信号入力端子41に入力された高周波信号は、インピーダンス整合回路42を通り、第1の増幅器43で増幅された後、インピーダンス整合回路44、第1のスイッチ45、インピーダンス整合回路46を通り、さらに第2の増幅器47で増幅され、その後インピーダンス整合回路48、第2のスイッチ49を通り、信号出力端子51より高出力の高周波信号として出力される。
【0114】
一方、第1および第2のスイッチ45,49を開放させ、第3のスイッチ50を導通させたときには、信号入力端子41に入力された高周波信号は、インピーダンス整合回路42を通り、第1の増幅器43で増幅された後、インピーダンス整合回路44、第3のスイッチ50を通り、インピーダンス整合回路46、第2の増幅器47、インピーダンス整合回路48は通らずにバイパスされ、信号出力端子51より低出力の高周波信号として出力される。このとき、第2の増幅器47への電源電圧Vdd2 は0Vに設定あるいは遮断されているので、第2の増幅器47には動作電流は流れない。その結果、低出力時の動作電流を減少させることができる。また、第2の増幅器47をバイパスすることで低出力動作をさせるので、第2の増幅器47の歪の問題を考慮してバイアス回路を複雑化する場合のような回路規模の大幅な増大は生じない。
【0115】
また、電源供給が停止あるいは遮断されて出力インピーダンスが動作時とは異なる値に変化した第2の増幅器47は、第1および第2のスイッチ45,49によって信号入力端子41から信号出力端子51へ到る信号経路からは完全に切り離されるので、信号出力端子51の部分で第2の高周波増幅器47が原因となるインピーダンス不整合が生じることはなく、したがってインピーダンス不整合による異常発振等の不安定な動作は起こらず、安定な増幅動作を実現することができる。
【0116】
図4に、図3の第1および第2のスイッチ45,49の具体的な回路構成を示す。この例では、第1および第2のスイッチ45,49は同じ回路構成となっている。図4において、一方の端子61(一方の端子45a,49aに対応する)には、キャパシタ62の一端が接続されている。キャパシタ62の他端には、抵抗67の一端および電界効果トランジスタ63のソース端子が接続されている。電界効果トランジスタ63のソース端子およびドレイン端子間には、抵抗66が接続されている。電界効果トランジスタ63のゲート端子には、抵抗68の一端が接続されている。電界効果トランジスタ63のドレイン端子には、キャパシタ64の一端が接続され、キャパシタ64の他端には、他方の端子65(他方の端子45b,49bに対応する)が接続されている。
【0117】
基準電圧端子69(基準電圧端子45c,49cに対応する)には、抵抗67の他端が接続されている。制御端子70(制御端子45d,49dに対応する)には、抵抗68の他端が接続されている。
【0118】
図5に、図3の第3のスイッチ50の具体的な回路構成を示す。図5において、一方の端子71(一方の端子50aに対応する)には、キャパシタ72の一端が接続されている。キャパシタ72の他端には、抵抗77の一端および電界効果トランジスタ73のソース端子が接続されている。電界効果トランジスタ73のソース端子およびドレイン端子間には、抵抗76が接続されている。電界効果トランジスタ73のゲート端子には、抵抗78の一端が接続されている。電界効果トランジスタ73のドレイン端子には、キャパシタ74の一端が接続され、キャパシタ74の他端には、他方の端子75(他方の端子50bに対応する)が接続されている。
【0119】
基準電圧端子79(基準電圧端子50cに対応する)には、抵抗77の他端が接続されている。制御端子80(制御端子50dに対応する)には、抵抗78の他端が接続されている。
【0120】
なお、上記の電界効果トランジスタ63,73はソース端子、ドレイン端子の位置が逆であってもよい。
以上のように構成されたこの実施の形態の高周波増幅回路について、以下にその動作を説明する。
【0121】
まず、図3における第1および第2のスイッチ45,49について説明すると、図4の回路は、基準電圧端子69と制御端子70の電圧値により、スイッチ動作する。上述したように、図3の第1のスイッチ45の各端子45a,45bはそれぞれ図4の端子61,65に対応し、同様にスイッチ49の各端子49a,49bはそれぞれ図4の端子61,65に対応している。
【0122】
図4の回路構成でスイッチ動作を行わせる場合、制御端子70および基準電圧端子69に印加する電圧と、端子61と端子65の間の導通/開放の関係はつぎのようになる。
【0123】
Vc <Vref −|Vp | :端子61−端子65間 開放
Vc >Vref :端子61−端子65間 導通
ただし、Vp は電界効果トランジスタ63のしきい値とする。
【0124】
なお、制御電圧Vc が基準電圧Vref に対して
Vref −|Vp |≦Vc ≦Vref
の関係にあるときは、端子61−端子65間が導通と開放の中間の状態になっている。
【0125】
つぎに、図3における第3のスイッチ50について説明すると、図5の回路は、基準電圧端子80と制御端子79の電圧値により、スイッチ動作する。上述したように、図3の第3のスイッチ50の各端子50a,50bはそれぞれ図5の端子71,75に対応している。
【0126】
図5の回路構成でスイッチ動作を行わせる場合、制御端子79、基準電圧端子80に印加する電圧と、端子71と端子75の間の導通/開放の関係はつぎのようになる。
【0127】
Vc >Vref +|Vp | :端子71−端子75間 開放
Vc <Vref :端子71−端子75間 導通
ただし、Vp は電界効果トランジスタ73のしきい値とする。
【0128】
なお、制御電圧Vc が基準電圧Vref に対して
Vref ≦Vc ≦Vref +|Vp |
の関係にあるときは、端子71−端子75間が導通と開放の中間の状態になっている。
【0129】
図4の回路構成のように、基準電圧端子69と制御端子70を電界効果トランジスタ63のソース端子とゲート端子に接続する一方、図5の回路構成のように、基準電圧端子80と制御端子79を電界効果トランジスタ63のゲート端子とソース端子に接続するというように、それぞれ対称的に接続することにより、複数の制御端子を設けることなく、各スイッチ45,49,50における導通開放の切替を一つの制御端子により容易に実現でき、制御端子の数を減少させることができる。
【0130】
また、図4において、電界効果トランジスタ63のソース端子およびドレイン端子間が抵抗66により接続され、ほぼ同電位になっているため、抵抗67は電界効果トランジスタ63のドレイン端子に接続してもよい。これにより、回路のレイアウトの自由度が向上する。これは、図5の回路についても同様である。
【0131】
図4と図5の回路構成は、制御電圧と基準電圧端子を入れ替えた構成となっている。この構成により、スイッチ45,49の論理を反転したものがスイッチ50の論理となるので、スイッチ45,49,50の制御回路の簡素化が図れる。
【0132】
つぎに、図3の回路での高周波増幅回路の利得制御について説明する。一例として、電源端子52および電源端子53に加える電源電圧Vdd1 ,Vdd2 を3Vに設定し、制御端子54に加える制御電圧Vc を3V、基準電圧端子55に加える基準電圧Vref を1.5Vに設定したとする。また、電界効果トランジスタ63,73のしきい値を−0.6Vとする。
【0133】
このとき、第1のスイッチ45の制御端子45c、第2のスイッチ49の制御端子49c、および第3のスイッチ50の制御端子50cには、制御端子54より3Vの制御電圧Vc が供給され、第1のスイッチ45の基準電圧端子45d、第2のスイッチ49の基準電圧端子49d、および第3のスイッチ50の基準電圧端子50dには、基準電圧端子55より1.5Vの基準電圧Vref が供給される。このとき、Vc >Vref の関係が成り立ち、第1のスイッチ45の端子45aと端子45bとの間、第2のスイッチ49の端子49aと端子49bとの間が導通する。また、Vc >Vref +|Vp |の関係より、第3のスイッチ50の端子50aと端子50bとの間が開放する。
この状態のとき、高周波増幅回路に入力された信号は、信号入力端子41よりインピーダンス整合回路42に入力され第1の増幅器43、インピーダンス整合回路44、第1のスイッチ45の端子45a−端子45b間を順次通過し、さらにインピーダンス整合回路46、第2の増幅器47、インピーダンス整合回路48、第2のスイッチ49の端子49a−端子49b間を順次通過して、信号出力端子51より出力される。
【0134】
ここで、インピーダンス整合回路42の入力端子より、インピーダンス整合回路42、第1の増幅器43、インピーダンス整合回路44の出力端子までの回路の利得をG3 、インピーダンス整合回路46、第2の増幅器47、インピーダンス整合回路48の出力端子までの回路の利得をG4 、第1のスイッチ45の端子45a−端子45b間、第2のスイッチ49の端子49a−端子49b間、第3のスイッチ50の端子50a−端子50b間のロスをそれぞれL2 とする。
【0135】
この場合、図3の高周波増幅回路の利得PG3 は、つぎの式のようになる。
【0136】
PG3 =G3 +G4 −2L2 ・・・ (3)
つぎに、電源端子52に加える電源電圧Vdd1 を3V、電源端子53に加える電源電圧Vdd2 を0Vに設定し、制御端子54に加える制御電圧Vc を0V、基準電圧端子55に加える基準電圧Vref を1.5Vに設定したとする。電界効果トランジスタ63,73のしきい値を−0.6Vとする。
【0137】
このとき、第1のスイッチ45の制御端子45c、第2のスイッチ49の制御端子49c、第3のスイッチ50の制御端子50cには、制御端子54より0Vの制御電圧Vc が供給され、第1のスイッチ45の基準電圧端子45d、第2のスイッチ49の基準電圧端子49d、第3のスイッチ50の基準電圧端子50dには、基準電圧端子55より1.5Vの基準電圧Vref が供給され、Vc <Vref の関係が成り立ち、第3のスイッチ50の端子50aと端子50bとの間が導通し、Vc <Vref −|Vp |の関係より第1のスイッチ45の端子45aと端子45bとの間、第2のスイッチ49の端子49aと端子49bとの間が開放する。
この状態のとき、高周波増幅回路に入力された信号は、信号入力端子41よりインピーダンス整合回路42に入力され第1の増幅器43、インピーダンス整合回路44、第3のスイッチ50の端子50a−端子50bを順次通過し、信号出力端子42より出力される。
【0138】
この場合、図3の高周波増幅回路の利得PG4 は、つぎの式のようになる。
【0139】
PG4 =G3 −L2 ・・・(4)
図3の高周波増幅回路は、制御端子54に印加する制御電圧Vc を切り替えることにより、式(3)および式(4)より明らかなように、利得をG4 −L2 変化させることができる。
【0140】
さらに、制御端子54に加える制御電圧Vc を0Vに設定することと連動して第2の増幅器47の電源端子53に加える電源電圧Vdd2 を0Vに設定あるいは遮断することにより、第2の増幅器47の動作電流を零にすることができる。
【0141】
つまり、制御端子54に加える制御電圧Vc の切替と、第2の増幅器47の電源端子53への電源電圧Vdd2 の印加とを連動させることにより、利得を減衰させたときの動作電流を低減することができる。なお、上記で説明したように、制御電圧Vc が0Vのとき、第2の増幅器47をバイパスする側に第1、第2および第3のスイッチ45,49,50を切り替える場合には、上記制御端子54と電源端子53とを共通接続すればよく、この場合に端子数を削減することができる。
【0142】
このとき、第2の増幅器47は、第1および第2のスイッチ45,49により、信号経路から切断されており、第2の増幅器47がオフ状態となり第2の増幅器47の出力インピーダンスが50Ωからずれてしまっても、第1の増幅器43や信号出力端子51に接続される素子には影響を及ぼさず、安定な増幅動作を実現することができる。
【0143】
また、この図3、図4および図5に示した構成では、スイッチ45,49,50を構成する電界効果トランジスタの個数が3個でよくなり、図1および図2に示した回路に比べて、スイッチ構成を簡略化できる。
【0144】
また、第1の増幅器43に給電するための電源端子52に加えられる電源電圧Vdd1 を基に基準電圧Vref を作成する基準電圧作成回路を設ければ、基準電圧端子55を省くことができ、端子数を削減することができる。
【0145】
さらに、この高周波増幅回路で増幅回路内部の増幅器の利得と出力電力を上昇させることにより、図7の従来の携帯電話端末の送信部のブロック図の利得制御機能を内蔵した高周波増幅回路104、高出力高周波増幅回路105を役割を1つの高周波増幅回路で実現できる。
【0146】
また、第1の電界効果トランジスタ63のソース端子に加える基準電圧を、第1および第2の電界効果トランジスタ63,73のしきい値電圧に相当する値だけ第2の電界効果トランジスタ73のゲート端子に加える基準電圧より高く設定することも可能である。
【0147】
例えば、上記のしきい値電圧が−0.6Vであるときには、第1の電界効果トランジスタ63のソース端子に加える基準電圧Vref1を1.8Vとし、第2の電界効果トランジスタ73のゲート端子に加える基準電圧Vref2を1.2Vとすると、第1および第2の電界効果トランジスタ63,73がオンオフの中間の状態となる電圧範囲を重ならせることができる。つまり、第1の電界効果トランジスタ63のオンが確定する電圧と第2の電界効果トランジスタ73のオフが確定する電圧とを同じ電圧にすることができ、第1の電界効果トランジスタ63のオフが確定する電圧と第2の電界効果トランジスタ73のオンが確定する電圧とを同じ電圧にすることができる。
【0148】
制御電圧は、第1および第2の電界効果トランジスタ63,73がオンオフの中間の状態となる電圧範囲を避けて設定することが必要であるが、上記のようにすると、第1および第2の電界効果トランジスタ63,73へ加える基準電圧が同じ値である場合に比べて、第1および第2の電界効果トランジスタ63,73をオンオフさせるための制御電圧の設定範囲を広くすることができる。
【0149】
先に説明したように同一の基準電圧を用いると、基準電圧が1.5Vの場合、制御電圧Vc の上側の値は2.1Vを超える値に設定する必要があり、制御電圧Vc の下側の値は0.9V未満の値に設定する必要があったが、上記のように基準電圧を一方は1.8V、他方は1.2Vとすると、制御電圧Vc の上側の値は1.8Vを超える値でよく、制御電圧Vc の下側の値は1.2V未満の値に設定すればよくなる。
【0150】
なお、実験の結果では、高周波増幅回路の入力電力を−20dBmとしたとき、制御電圧により、出力電力が10dBm,0dBmというように、高周波増幅回路の利得を10dB程度可変できた。このとき高周波増幅回路の動作電流は出力電力10dBmの時40mA、出力電力0dBmの時15mAとなり、出力電力に応じて制御できた。また、高周波増幅回路の出力端子のインピーダンスも出力電力10dBm、出力電力0dBm、いずれの場合も電圧定在波比で2以下であり、信号出力端子のインピーダンスも50Ωからずれていなかった。
【0151】
〔第3の実施の形態〕
つぎに、図3の回路において、制御電圧Vc と基準電圧Vref の関係を所定の状態に設定することによって、第1および第2のスイッチ45,49を導通させ、第3のスイッチ50を開放させる。これによって、信号入力端子41に入力された高周波信号が、インピーダンス整合回路42を通り、第1の増幅器43で増幅された後、インピーダンス整合回路44、第1のスイッチ45、インピーダンス整合回路46を通り、さらに第2の増幅器47で増幅され、その後インピーダンス整合回路48、第2のスイッチ49を通り、信号出力端子51より高出力の高周波信号として出力される。このとき、スイッチ50の端子間のアイソレーション(遮断特性)が十分確保されていない場合、出力信号の一部がスイッチ50を通過し、スイッチ45の端子45aに入力されることになる。
【0152】
つまり、信号出力端子51より高出力の高周波信号として出力された信号が、スイッチ50を通過し、スイッチ45の端子45aに入力され、整合回路46を通過し、第2の増幅器47に入力される信号ループが形成されるため、増幅器の異常発振等の不安定動作が起こりやすくなる。
【0153】
例えば、スイッチ50の端子間のアイソレーションが、15dB程度で、信号出力端子51から10dBm程度の信号が出力された場合、スイッチ50を通過し、スイッチ45の端子45aに−5dBm程度の信号が入力されることになる。
【0154】
ところで、第2の増幅器47の利得を10dBとして、出力端子51から10dBm程度の信号が出力された場合、第2の増幅器47の入力端子には、0dBm程度の信号が入力される。この時、各スイッチの導通時の通過損失および整合回路の通過損失は無視できる。つまり、スイッチ50を通過してスイッチ45の端子45aに入力される信号が、信号入力端子41から加えられて第2の増幅器47に入力される信号と同程度になることになる。
【0155】
上記のような不安定動作を回避するためには、スイッチ45の端子45aと信号出力端子51との間のアイソレーションを向上させる必要がある。
【0156】
図10は、図4の回路構成において、スイッチ47と信号出力端子51との間のアイソレーションを向上させた本発明の第3の実施の形態の高周波増幅回路の回路構成を示す。
【0157】
以下、図10の高周波増幅回路について、詳しく説明する。図10において、信号入力端子41には、インピーダンス変換を行うインピーダンス整合回路42の入力端子が接続されている。インピーダンス整合回路42の出力端子には、第1の増幅器43の入力端子が接続されている。第1の増幅器43の出力端子には、インピーダンス整合回路44の入力端子が接続されている。
【0158】
インピーダンス整合回路44の出力端子には、第1のスイッチ45の一方の端子45aと第3のスイッチ50の一方の端子50aが接続されている。第1のスイッチ45の他方の端子45bには、インピーダンス整合回路46の入力端子が接続されている。第3のスイッチ50の他方の端子50bには、第4のスイッチ58の一方の端子58aが接続されている。第4のスイッチ58の他方の端子58bには、信号出力端子51が接続されている。
【0159】
インピーダンス整合回路46の出力端子には、第2の増幅器47の入力端子が接続されている。第2の増幅器47の出力端子には、インピーダンス整合回路48の入力端子が接続されている。
【0160】
インピーダンス整合回路48の出力端子には、第2のスイッチ49の一方の端子49aが接続されている。第2のスイッチ49の他方の端子49bには、信号出力端子51が接続されている。
【0161】
電源電圧Vdd1 が印加される電源端子52には、第1の増幅器43の電源端子が接続されている。電源電圧Vdd2 が印加される電源端子53には、第2の増幅器47の電源端子が接続されている。制御電圧Vc が印加される制御端子54は、第1のスイッチ45の制御端子45c、第2のスイッチ49の制御端子49c,第3のスイッチ50の制御端子50c、第4のスイッチ58の制御端子58cにそれぞれ接続されている。基準電圧Vref が印加される基準電圧端子55は、第1のスイッチ45の基準電圧端子45d、第2のスイッチ49の基準電圧端子49d、第3のスイッチ50の基準電圧端子50d、第4のスイッチ58の基準電圧端子58dにそれぞれ接続されている。GND端子56は、第1の増幅器43の接地端子に接続されている。GND端子57は、第2の増幅器47の接地端子に接続されている。
【0162】
上記したように、図10の回路構成では、スイッチ47の端子47aと信号出力端子51との間にスイッチ50とスイッチ58とを直列に挿入した構成をとっている。
【0163】
例えば、スイッチ50およびスイッチ58のアイソレーションが、それぞれ15dB程度であるとすると、スイッチ45の端子45aと信号出力端子51との間のアイソレーションは、30dB程度になる。したがって、信号出力端子51から10dBm程度の信号が出力された場合、スイッチ45の端子45aに入力される信号は、−20dBmとなる。
【0164】
ところで、第2の増幅器47の利得を10dBとして、出力端子51から10dB程度の信号が出力された場合、第2の増幅器47の入力端子には、0dBm程度の信号が入力される。この時、各スイッチの導通時の通過損失および整合回路の通過損失は無視できる。
【0165】
この場合、信号出力端子51からスイッチ58およびスイッチ50を通過し、スイッチ45の端子45aに入力される信号は、第1の増幅器43で増幅され、整合回路44、スイッチ45、整合回路46を通過した信号に比べて十分小さいため、第2の増幅器47の異常発振等の不安定動作を引き起こさない。
【0166】
なお、上記図10の構成では、2個(複数)のスイッチング素子50,58を直列に挿入接続した構成を示しているが、3個以上(複数)のスイッチを直列に挿入接続してもよい。この場合、直列数が増えると、アイソレーションがさらに良好となる。
【0167】
【発明の効果】
本発明の第1の高周波増幅回路によれば、第2の増幅器の入力側と出力側とに第1および第2の切替スイッチをそれぞれ設け、高出力時には第1の増幅器の出力信号を第2の増幅器に通して信号出力端子へ送り、低出力時には第1の増幅器の出力信号を第2の増幅器をバイパスして信号出力端子へ送るようにし、かつ第2の増幅器への電源電圧を供給停止あるいは遮断するようにしたので、低出力時の歪を増大を回避するための回路規模の増大を生じることなく、低出力時の動作電流を減少させることができる。しかも、第2の増幅器は、第1および第2の切替スイッチによって信号入力端子から信号出力端子へ到る信号経路からは完全に切り離されるので、信号出力端子の部分で第2の増幅器が原因となるインピーダンス不整合が生じることはなく、したがってインピーダンス不整合による異常発振等の不安定な動作は起こらず、安定な増幅動作を実現することができる。
【0168】
また、制御電圧に応答して、一方の切替端子側あるいは他方の切替端子側へ切り替わるように第1および第2の切替スイッチを構成し、制御電圧を第2の増幅器へ電源電圧として供給すれば、制御電圧の入力端子と第2の増幅器の電源電圧の入力端子とを共用できるので、端子数を削減することができる。
【0169】
また、第1および第2の切替スイッチを、各々2個の電界効果トランジスタで構成すれば、第1および第2の電界効果トランジスタのオンオフを切り替えるための制御電圧と基準電圧とを、第1および第2の電界効果トランジスタで共通にすることができ、端子数を削減することができる。
【0170】
また、基準電圧は第1の増幅器の電源電圧を入力とする内部基準電圧作成回路で作成すれば、基準電圧の入力端子を別に設ける必要がないので、端子数を削減することが可能となる。
【0171】
また、第1の電界効果トランジスタのソース端子に加える基準電圧を、第1および第2の電界効果トランジスタのしきい値電圧に相当する値だけ第2の電界効果トランジスタのゲート端子に加える基準電圧より高く設定すれば、第1および第2の電界効果トランジスタがオンオフの中間の状態となる電圧範囲を重ならせることができるので、第1および第2の電界効果トランジスタをオンオフさせるための制御電圧の設定範囲を広くすることができる。
【0172】
本発明の第2の高周波増幅回路によれば、第2の増幅器の入力側と出力側とをそれらの前段回路と後段回路からそれぞれ切り離すための第1および第2のスイッチをそれぞれ設けるとともに、第2の増幅器の入力側と出力側とを短絡するための第3のスイッチを設け、高出力時には第1の増幅器の出力信号を第2の増幅器に通して信号出力端子へ送り、低出力時には第1の増幅器の出力信号を第2の増幅器をバイパスして信号出力端子へ送るようにし、かつ第2の増幅器への電源電圧を供給停止あるいは遮断するようにしたので、低出力時の歪を増大を回避するための回路規模の増大を生じることなく、低出力時の動作電流を減少させることができる。しかも、第2の増幅器は、第1および第2のスイッチによって信号入力端子から信号出力端子へ到る信号経路からは完全に切り離されるので、信号出力端子の部分で第2の増幅器が原因となるインピーダンス不整合が生じることはなく、したがってインピーダンス不整合による異常発振等の不安定な動作は起こらず、安定な増幅動作を実現することができる。
【0173】
また、制御電圧に応答して、第1および第2のスイッチが導通したときには第3のスイッチが開放し、第1および第2のスイッチが開放したときには第3のスイッチが導通し、制御電圧を第2の増幅器へ電源電圧として供給すれば、制御電圧の入力端子と第2の増幅器の電源電圧の入力端子とを共用できるので、端子数を削減することができる。
【0174】
また、第1、第2および第3のスイッチを、各々電界効果トランジスタで構成すれば、電界効果トランジスタのオンオフを切り替えるための制御電圧と基準電圧とを、各電界効果トランジスタで共通にすることができ、端子数を削減することができる。
【0175】
また、基準電圧は第1の増幅器の電源電圧を入力とする内部基準電圧作成回路で作成すれば、基準電圧の入力端子を別に設ける必要がないので、端子数を削減することが可能となる。
【0176】
また、第1の電界効果トランジスタのソース端子に加える基準電圧を、第1および第2の電界効果トランジスタのしきい値電圧に相当する値だけ第2の電界効果トランジスタのゲート端子に加える基準電圧より高く設定すれば、第1および第2の電界効果トランジスタがオンオフの中間の状態となる電圧範囲を重ならせることができるので、第1および第2の電界効果トランジスタをオンオフさせるための制御電圧の設定範囲を広くすることができる。
【0177】
また、上記第3のスイッチを、第1の増幅器の出力端子と信号出力端子との間に複数個が直列接続された状態で設ければ、第3のスイッチの両端子間のアイソレーションを、第3のスイッチが1個の場合に比べて向上させることができる。その結果、第1の増幅器の出力端子と信号出力端子との間、すなわち第1のスイッチの一方の端子と信号出力端子との間のアイソレーションを向上させることができ、第2の増幅器の異常発振等の不安定動作を回避することができる。
【0178】
本発明の第1の移動体通信端末によれば、上記した本発明の第1の高周波増幅回路を有するため、それと同様の効果を有する。
【0179】
本発明の第2の移動体通信端末によれば、上記した本発明の第2の高周波増幅回路を有するため、それと同様の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の高周波増幅回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の高周波増幅回路における第1および第2の切替スイッチの構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の高周波増幅回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の高周波増幅回路における第1および第2のスイッチの構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の高周波増幅回路における第3のスイッチの構成を示す回路図である。
【図6】従来の携帯電話端末の無線部の構成を示すブロック図である。
【図7】従来の携帯電話端末の無線部中の送信部および共用器部の構成を示すブロック図である。
【図8】従来の利得制御機能を内蔵した高周波増幅回路の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の利得制御機能を内蔵した高周波増幅回路における制御電圧と出力電力および動作電流の関係を示すグラフである。
【図10】本発明の第3の実施の形態の高周波増幅回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 信号入力端子
2 インピーダンス整合回路
3 第1の増幅器
4 インピーダンス整合回路
5 第1のスイッチ
6 インピーダンス整合回路
7 第2の増幅器
8 インピーダンス整合回路
9 第2のスイッチ
10 信号出力端子
11 電源端子
12 電源端子
13 制御端子
14 基準電圧端子
15 GND端子
16 GND端子
21 共通端子
22 切替端子
23 切替端子
25 キャパシタ
26 電界効果トランジスタ
27 抵抗
28 キャパシタ
29 抵抗
30 抵抗
31 キャパシタ
32 電界効果トランジスタ
33 抵抗
34 キャパシタ
35 抵抗
36 抵抗
39 基準電圧端子
40 制御端子
41 信号入力端子
42 インピーダンス整合回路
43 第1の増幅器
44 インピーダンス整合回路
45 第1のスイッチ
46 インピーダンス整合回路
47 第2の増幅器
48 インピーダンス整合回路
49 第2のスイッチ
50 第3のスイッチ
51 信号出力端子
52 電源端子
53 電源端子
54 制御端子
55 基準電圧端子
56 GND端子
57 GND端子
58 第4のスイッチ
61 端子
62 キャパシタ
63 電界効果トランジスタ
64 キャパシタ
65 端子
66 抵抗
67 抵抗
68 抵抗
69 基準電圧端子
70 制御端子
71 端子
72 キャパシタ
73 電界効果トランジスタ
74 キャパシタ
75 端子
76 抵抗
77 抵抗
78 抵抗
79 制御端子
80 基準電圧端子
101 信号入力端子
102 発振器
103 アップコンバータ
104 高周波増幅回路
105 高出力高周波増幅回路
106 デュプレクサ
107 アンテナ
108 信号出力端子
111 利得制御増幅器
112 ミキサ
121 信号入力端子
122 インピーダンス整合回路
123 増幅器
124 インピーダンス整合回路
125 アッテネータ
126 インピーダンス整合回路
127 増幅器
128 インピーダンス整合回路
129 信号出力端子
Claims (13)
- 信号入力端子および信号出力端子と、
前記信号入力端子に接続された入力端子から信号入力して出力端子から増幅信号を出力する第1の増幅器と、
前記第1の増幅器の出力端子に共通端子が接続された第1の切替スイッチと、
前記第1の切替スイッチの一方の切替端子に入力端子が接続され該入力端子から信号入力し出力端子から動作電流を増幅信号として出力する第2の増幅器と、
前記信号出力端子に共通端子が接続され前記第2の増幅器の出力端子に一方の切替端子が接続され前記第1の切替スイッチの他方の切替端子にのみ他方の切替端子が接続された第2の切替スイッチとを備え、
第1のモードでは、前記第1の切替スイッチおよび前記第2の切替スイッチの各々は一方の切替端子側への切替動作を行い、前記第2の増幅器に所定の電源電圧を印加することにより前記第2の増幅器から増幅信号を出力し、
第2のモードでは、前記第1の切替スイッチおよび前記第2の切替スイッチの各々は他方の切替端子側への切替動作を行い、前記第2の増幅器には電源電圧の供給を停止あるいは遮断することにより動作電流を流さないようにしたことを特徴とする高周波増幅回路。 - 制御電圧に応答して、一方の切替端子側あるいは他方の切替端子側へ切り替わるように第1および第2の切替スイッチを構成し、前記制御電圧を第2の増幅器へ電源電圧として供給するようにしたことを特徴とする請求項1記載の高周波増幅回路。
- 第1および第2の切替スイッチは各々、共通端子にドレイン端子あるいはソース端子の一方が接続され、一方の切替端子にドレイン端子あるいはソース端子の他方が接続された第1の電界効果トランジスタと、前記共通端子にドレイン端子あるいはソース端子の一方が接続され、他方の切替端子にドレイン端子あるいはソース端子の他方が接続された第2の電界効果トランジスタとを有し、前記第1の電界効果トランジスタはゲート端子に制御電圧が加えられるとともに、ソース端子に基準電圧が加えられ、前記第2の電界効果トランジスタはゲート端子に前記基準電圧が加えられるとともに、ソース端子に前記制御電圧が加えられることを特徴とする請求項1または2記載の高周波増幅回路。
- 基準電圧は第1の増幅器の電源電圧を入力とする内部基準電圧作成回路で作成するようにしたことを特徴とする請求項3記載の高周波増幅回路。
- 第1の電界効果トランジスタのソース端子に加える基準電圧を、第2の電界効果トランジスタのゲート端子に加える基準電圧より前記第1および第2の電界効果トランジスタのしきい値電圧に相当する値だけ高く設定したことを特徴とする請求項3記載の高周波増幅回路。
- 信号入力端子および信号出力端子と、
前記信号入力端子に接続された入力端子から信号入力して出力端子から増幅信号を出力する第1の増幅器と、
前記第1の増幅器の出力端子に一方の端子が接続された第1のスイッチと、
前記第1のスイッチの他方の端子に入力端子が接続され該入力端子から信号入力し出力端子から動作電流を増幅信号として出力する第2の増幅器と、
前記第2の増幅器の出力端子に一方の端子が接続され前記信号出力端子に他方の端子が接続された第2のスイッチと、
前記第1の増幅器の出力端子に一方の端子が接続され前記信号出力端子に他方の端子が接続された第3のスイッチとを備え、
第1のモードでは、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの各々は導通させるとともに前記第3のスイッチは開放させ、前記第2の増幅器に所定の電源電圧を印加することにより前記第2の増幅器から増幅信号を出力し、
第2のモードでは、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの各々は開放させるとともに第3のスイッチを導通させ、前記第2の増幅器には電源電圧の供給を停止あるいは遮断することにより動作電流を流さないようにしたことを特徴とする高周波増幅回路。 - 制御電圧に応答して、第1および第2のスイッチが導通したときには第3のスイッチが開放し、前記第1および第2のスイッチが開放したときには前記第3のスイッチが導通し、前記制御電圧を第2の増幅器へ電源電圧として供給するようにしたことを特徴とする請求項6記載の高周波増幅回路。
- 第1および第2のスイッチは各々、一端にドレイン端子あるいはソース端子の一方が接続され、他端にドレイン端子あるいはソース端子の他方が接続された第1の電界効果トランジスタを有し、第3のスイッチは、一端にドレイン端子あるいはソース端子の一方が接続され、他端にドレイン端子あるいはソース端子の他方が接続された第2の電界効果トランジスタを有し、前記第1の電界効果トランジスタはゲート端子に制御電圧が加えられるとともに、ソース端子に基準電圧が加えられ、前記第2の電界効果トランジスタはゲート端子に前記基準電圧が加えられるとともに、ソース端子に前記制御電圧が加えられることを特徴とする請求項6または7記載の高周波増幅回路。
- 基準電圧は第1の増幅器の電源電圧を入力とする内部基準電圧作成回路で作成するようにしたことを特徴とする請求項8記載の高周波増幅回路。
- 第1の電界効果トランジスタのソース端子に加える基準電圧を、第2の電界効果トランジスタのゲート端子に加える基準電圧より、前記第1および第2の電界効果トランジスタのしきい値電圧に相当する値だけ高く設定したことを特徴とする請求項8記載の高周波増幅回路。
- 第3のスイッチは、第1の増幅器の出力端子と信号出力端子との間に複数個が直列接続された状態で設けられている請求項6または7記載の高周波増幅回路。
- 送信部に該送信部から出力される出力電力を制御するための利得制御機能を備えた高周波増幅回路を有する移動体通信端末であって、
前記高周波増幅回路が、信号入力端子および信号出力端子と、
前記信号入力端子に接続された入力端子から信号入力して出力端子から増幅信号を出力する第1の増幅器と、
前記第1の増幅器の出力端子に共通端子が接続された第1の切替スイッチと、
前記第1の切替スイッチの一方の切替端子に入力端子が接続され該入力端子から信号入力し出力端子から動作電流を増幅信号として出力する第2の増幅器と、
前記信号出力端子に共通端子が接続され前記第2の増幅器の出力端子に一方の切替端子が接続され前記第1の切替スイッチの他方の切替端子にのみ他方の切替端子が接続された第2の切替スイッチとを備え、
第1のモードでは、前記第1の切替スイッチおよび前記第2の切替スイッチの各々は一方の切替端子側への切替動作を行い、前記第2の増幅器に所定の電源電圧を印加することにより前記第2の増幅器から増幅信号を出力し、
第2のモードでは、前記第1の切替スイッチおよび前記第2の切替スイッチの各々は他方の切替端子側への切替動作を行い、前記第2の増幅器には電源電圧の供給を停止あるいは遮断することにより動作電流を流さないようにしたことを特徴とする移動体通信端末。 - 送信部に該送信部から出力される出力電力を制御するための利得制御機能を備えた高周波増幅回路を有する移動体通信端末であって、
前記高周波増幅回路が、信号入力端子および信号出力端子と、
前記信号入力端子に接続された入力端子から信号入力して出力端子から増幅信号を出力する第1の増幅器と、
前記第1の増幅器の出力端子に一方の端子が接続された第1のスイッチと、
前記第1のスイッチの他方の端子に入力端子が接続され該入力端子から信号入力し出力端子から動作電流を増幅信号として出力する第2の増幅器と、
前記第2の増幅器の出力端子に一方の端子が接続され前記信号出力端子に他方の端子が接続された第2のスイッチと、
前記第1の増幅器の出力端子に一方の端子が接続され前記信号出力端子に他方の端子が接続された第3のスイッチとを備え、
第1のモードでは、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの各々は導通させるとともに前記第3のスイッチは開放させ、前記第2の増幅器に所定の電源電圧を印加することにより前記第2の増幅器から増幅信号を出力し、
第2のモードでは、前記第1のスイッチおよび前記第2のスイッチの各々は開放させるとともに第3のスイッチを導通させ、前記第2の増幅器には電源電圧の供給を停止あるいは遮断することにより動作電流を流さないようにしたことを特徴とする移動体通信端末。
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