JP3544045B2 - バルーン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型でも浮遊能力の改善されたバルーンに関するものであり、とくに回転楕円体・球体・円柱状・円錘状・正四面体・立方体・飛行機・星・魚、鳥、昆虫、獣、天使などに形作られ、玩具・販売促進用品・ショーウィンドー内のデコレーション・屋外での看板などのデコレーション用に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
大型の飛行船などの膜材料としては、ナイロンやポリエステルの布にゴム引きしたものや、ポリ塩化ビニルのシートが用いられている。しかし浮遊時間の長寿命化のためにガスバリアー性を改善しようとすると、シートの厚みを厚くする必要があり、膜の重量が大きくなり、小形化した時には浮遊しなくなる。
【0003】
特開昭58−22163号公報には、エチレン−ビニルエステル共重合体けん化物(以下EVOHと略称する)とポリウレタンとの積層物を、大型軽量輸送機器に用いることが述べられている。このものはガスバリアー性と耐候性が非常に改良されてはいるが、本発明の小型のバルーンには適用できないし、ポリウレタンの延伸に関する記述がない。
【0004】
玩具用バルーンにおいては、天然ゴムや、アルミニウムを蒸着したポリエチレンやポリプロピレンフィルムが広く用いられている。これらは小さくても浮遊はするが、ガスバリアー性が十分でなく、形態保持能力に劣る。一方、アルミニウムを蒸着したナイロンフィルムやEVOHフィルムとポリエチレンとのラミネートフィルムも使用されており、かかる構成のバルーンはガスバリアー性が改善されている。
【0005】
特開昭62−111734号公報には、プラスチックフィルム(EVOHの二軸延伸フィルムなど)に金属蒸着層を有し、プラスチックフィルムの反対面にリニアー低密度ポリエチレン層を有するバルーン形成用複合フィルムについての記載がある。しかし、該公報にはリニアー低密度ポリエチレン層を延伸することに関する記載がない。
【0006】
実開昭63−145629号公報には、厚さ20μm以下の透明なEVOHフィルムの上に、厚さ30μm以下の透明なポリオレフィン樹脂のフィルムを積層してなるバルーン用フィルムについての記載がある。しかし、該公報にもポリオレフィン樹脂のフィルムを延伸することに関する記載がない。
【0007】
特開平2−43036号公報には、二軸延伸ガスバリアー性樹脂層とヒートシール層の複合フィルムからなるバルーンが記載されている。しかし、かかる構成のバルーンにおいてはガスバリアー性樹脂層は基材フィルムとなるため薄層にすることができず、さらにシール強度確保のためポリエチレンの厚みも薄くできず、結果として小型のバルーンでは浮遊能力が不足していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかして本発明は上記のような従来技術の欠点を解消するために創案されたものであり、小型バルーンに適用可能で、しかも浮遊保持能力が十分満足できるバルーンを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、上記問題点の認識のもとに鋭意研究を重ねた結果、エチレン−ビニルエステル共重合体けん化物層(A層)およびポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層(B層)を各々少なくとも1層含む積層体を、縦および/または横方向に面積倍率で1.5倍以上に共延伸または共圧延した、A層の厚みが1〜10μm、B層の厚みが5〜30μmで、(A層の厚み)/(B層の厚み)≦0.8である積層フィルムよりなるバルーンを提供することによって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳しく説明する。本発明において、A層に用いられるEVOHは公知のものが使用可能である。EVOHのエチレン含量はガスバリアー性と成形加工性の点から、20〜60モル%含むものが好ましく、25〜50モル%含むものがより好ましく、25〜45モル%含むものがさらに好ましい。EVOHのけん化度はガスバリアー性と熱安定性の点から、けん化度の高いものが好ましく、けん化度は90モル%以上のものが好ましく、95モル%以上のものがより好ましく、98モル%以上のものがさらに好ましい。EVOHのメルトフローレート(210℃、2.16kg条件下ASTM D1238の方法で測定)は成形加工性の点から、0.1〜50g/10分のものが好ましく、0.5〜30g/10分のものがより好ましく、1〜20g/10分のものがさらに好ましい。
【0011】
また、A層に用いられるEVOHは単一の組成のもののみならず、エチレン含有量、重合度あるいはけん化度等、その樹脂組成が互いに異なる2種類以上のEVOHの混合物であってもよい。さらにガスバリアー性を悪化させない範囲内において、他のコモノマーを共重合させても良い。加工性、接着性、印刷性、スリップ性などを改善するために各種添加物を添加しても良いし、特開平6−298847号公報に記載されているような過酸化水素水処理を行っていても良い。
【0012】
本発明において、A層の厚みは、1〜10μm、好適には2〜8μm、より好適には2〜6μmである。A層の厚みが1μm未満ではEVOHにピンホールが発生しやすく、またガスバリアー性が十分でない。10μmを越えるとガスバリアー性は十分あるが、得られた複合フィルムが重くなり、小型のバルーンには適用できなくなる。
【0013】
本発明において、B層に用いられる樹脂はポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂は比重が小さいので、本発明のように、B層の厚みがA層に比較して厚い構成であるときには特にバルーンの軽量化に有効である。また、同時にポリオレフィン系樹脂はヒートシール性が良好であり、コストも低いからである。
【0014】
B層に用いられるポリオレフィン系樹脂としては種々の物が使用可能であり、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレンを主成分とする重合体、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレン共重合体などのプロピレンを主成分とする重合体などが例示される。これらポリオレフィンは無水マレイン酸によるグラフト変性に代表されるように、重合後に各種変性が施されていても良い。
【0015】
なかでもかかるポリオレフィン系樹脂としてカルボキシル基あるいはエポキシ基を含有するポリオレフィンを用いることが好ましい。かかる樹脂が、EVOH層あるいはポリオレフィン層との接着性に優れ、バルーンの強度が向上するからである。特に共延伸または共圧延に供する積層体を共押出成形によって形成する際には、かかるカルボキシル基あるいはエポキシ基を含有するポリオレフィンと、EVOH層あるいはポリオレフィン層との界面接着性が重要だからである。ポリオレフィンあるいはEVOHのフィルムを先に形成してから積層体を作成する方法では、一旦形成したフィルムに接着性付与のための処理を施してから別の層を形成して界面接着性の良好な積層体を作成することが可能であるのに対し、双方溶融状態で接着させる共押出成形を採用する際には、かかる接着性の付与が容易ではないからである。
【0016】
ここで、カルボキシル基を含有するポリオレフィン系樹脂としては、無水マレイン酸やイタコン酸でグラフト変性されたポリオレフィン、あるいはアクリル酸やメタクリル酸を共重合したポリオレフィンなどが挙げられる。また、アイオノマーに代表されるようにポリオレフィン中に含有されるカルボキシル基の全部あるいは一部が金属塩の形で存在していてもよい。また、エポキシ基を含有するポリオレフィン系樹脂としては、グリシジルメタクリレート共重合ポリエチレン等が挙げられる。これらカルボキシル基あるいはエポキシ基を含有するポリオレフィン系樹脂のうちでも、無水マレイン酸等の酸無水物で変性されたポリオレフィン、特にポリエチレンが接着性に優れる点から好ましい。
【0017】
B層の厚みは5〜30μm、好適には7〜25μm、より好適には8〜25μmである。B層の厚みが5μm未満では、得られた複合フィルムのシール強度が低くなり、バルーンが破袋しやすくなるとともに、印刷時のピッチ合せが困難となりやすい。30μmを越えると得られた複合フィルムが重くなり、小型のバルーンには適用できなくなる。
【0018】
本発明において、B層をヒートシール層に用いることが重要である。ここでいうヒートシールとは、通常のヒートシールのみならず、熱切断時に同時に接着する、いわゆる溶断シールをも含むものである。一定以上の厚みを有するB層がヒートシール層であることにより、シール強度を確保でき、小型のバルーンを作成可能となる。A層をヒートシール層にした場合には、B層よりも厚みが小さいためにシール強度の面から不利である。
【0019】
本発明において、(A層の厚み)/(B層の厚み)≦0.8、好適には0.6、より好適には0.5であることが重要である。比重の小さいB層のほうがA層よりも厚いことで同等の厚さでありながらより軽量のフィルムとすることができ、浮遊性の面から好ましいからである。さらに、(A層の厚み)/(B層の厚み)が0.8を越えると、B層の厚みが薄くなりすぎヒートシール強度が低下する。
【0020】
また、A層とB層の間にカルボキシル基あるいはエポキシ基を含有するポリオレフィン系樹脂からなるC層を設けることも好ましい。この場合、A層とB層との接着性が改善できるとともに、厚みの厚いB層にカルボキシル基を含有しない、安価なポリオレフィン系樹脂を用いることもできるからである。C層の厚みは10μm以下、より好ましくは5μm以下であり、厚くなり過ぎると得られた複合フィルムが厚くなり、小型バルーンでは浮遊しなくなる。
【0021】
さらにA層、B層、C層以外の熱可塑性樹脂層(D層)を存在させてもよい。かかる熱可塑性樹脂は特に限定されるものではなく、各種のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルなどが使用可能である。なかでもEVOH/ポリアミド、EVOH/カルボキシル基あるいはエポキシ基を含有するポリオレフィン、カルボキシル基あるいはエポキシ基を含有するポリオレフィン/ポリオレフィン、ポリアミド/カルボキシル基あるいはエポキシ基を含有するポリオレフィンといったような隣接する層の組合せに代表されるような、隣接する層間での接着性の良好な構成とすることがバルーンの強度の確保という面からは好ましい。かかるD層の合計厚みは10μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以下であり、厚くなり過ぎると得られた複合フィルムが厚くなり、小型バルーンでは浮遊しなくなる。
【0022】
A層とB層を各々少なくとも1層含む積層体の製造方法は、公知の方法が採用可能であり、ドライラミネーション、押出コーティング、共押出成形などの方法を用いることができる。なかでも、各々の樹脂を押出機で溶融させ、丸ダイまたはTダイより多層で吐出・冷却する共押出成形による方法が工程を簡略化でき、製造コストを抑えられる面から好ましい。また該複合フィルムないしシートを、縦および/または横方向に面積倍率で1.5倍以上に共延伸または共圧延する方法も、公知の方法が採用可能であり、ダブルバブル法、テンター法、ロール法などで一軸または二軸延伸する方法や、ロールで圧延する方法などが例示できる。
【0023】
本発明において、A層とB層を各々少なくとも1層含む積層体を、縦および/または横方向に面積倍率で1.5倍以上、好適には3倍以上、より好適には5倍以上、特に好適には縦、横共に2倍以上に共延伸または共圧延されていることが重要である。こうすることで、得られたフィルムの強度を増すことができる。また、ドライラミネーションの場合と比較して、層厚みの小さい層を容易に形成できるので、フィルムを軽量化できバルーンの浮遊性を改善できる。面積倍率が1.5倍未満では、得られた複合フィルムのシール強度が低くなり、バルーンが破袋しやすくなるとともに、印刷時のピッチ合せが困難で意匠性に劣ることが多い。
【0024】
さらに、共延伸または共圧延の後、B層の樹脂の融点よりも高く、A層の樹脂の融点よりも低い温度で熱処理されることが好ましい。より好ましくはB層の樹脂の融点+10℃よりも高く、A層の樹脂の融点−10℃よりも低い温度で、さらに好ましくはB層の樹脂の融点+20℃よりも高く、A層の樹脂の融点−20℃よりも低い温度で、熱処理することが好ましい。かかる温度範囲で熱処理することによってA層の配向結晶化が進行しガスバリア性が向上するとともに、A層あるいはB層に残留する応力を緩和し、積層フィルムの寸法安定性およびヒートシール時の形態安定性が改善される。
【0025】
熱処理時間に特に制限は無いが0.2秒から10秒、好適には0.2秒から5秒、より好適には0.5秒から3秒である。また、熱処理方法については特に限定されるものではないが、テンターにて加熱する方法などが例示される。
【0026】
本発明において、金属および/または金属酸化物の薄層を積層フィルム上に形成することがガスバリア性の改善の点から好ましい。
特に本発明においてはEVOH層の厚みが小さいのでガスバリア性の改善効果が得られやすい。かかる金属および/または金属酸化物の薄層を形成する方法としては、蒸着による方法が代表例としてあげられる。蒸着方法としては、抵抗加熱、誘電加熱、電子ビーム加熱などによる物理蒸着、スパッタリング、プラズマ化学蒸着など公知の方法が採用可能である。化学蒸着の場合にはEVOHフィルム表面をプラズマ処理し、ついで該表面に化学蒸着を行う方が好ましい。また物理蒸着の場合にはEVOHフィルム表面をアンカーコート処理し、ついで該表面に物理蒸着を行う方が好ましい。
【0027】
金属および/または金属酸化物の薄層は、バルーン外表面の全面に存在した方が形態保持性の点では有効であるが、意匠性の観点から外表面の一部のみに存在しても良い。そのような方法としては、抜き蒸着加工(パーライト加工・パスター加工などの名で行われているもの)あるいはストライプ蒸着などを例示できる。
【0028】
本発明において、薄層を形成する金属および/または金属酸化物とは、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、リン、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ヒ素、セレン、ジルコニウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、アンチモン、テルル、白金、金、鉛、ビスマスなどの金属およびそれらの酸化物があげられ、これらの1種あるいは2種以上の混合物を用いても良い。薄層にこれらの金属および/または金属酸化物が存在すれば原料に制限はなく、ケイ素の場合を例示すれば、化学蒸着により薄層を形成する場合には、シラン、ヘキサメチルシロキサンなどの金属化合物が用いられ、物理蒸着により薄層を形成する場合には、ケイ素、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素などが用いられる。薄層には、金属および/または金属酸化物だけでなく、さらに窒化物を含んでいても良い。
【0029】
これらの内アルミニウム、アルミナ、ケイ素酸化物(以下SiOxと略称する)、SiOxとアルミナとの混合物、SiOxとホウ素酸化物混合物との混合物、SiOxと窒化ケイ素との混合物などが好ましい。SiOxのxの値は1〜2、好ましくは1.3〜2、より好ましくは1.5〜2である。薄着の厚みは30〜10000オングストローム、好ましくは50〜5000オングストローム、より好ましくは70〜2000オングストロームである。
【0030】
本発明のバルーンは、特に玩具用、デコレーション用に、好適に使用されるが、バルーンの大きさとしては、バルーンにヘリウムなどのガスを、1〜20リットル充填できる程度のものが好適であり、1〜10リットル充填できる程度のものが特に好適である。
【0031】
以下実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれによってなんら限定を受けるものではない。なお部、%とあるのは、特に断りのない限りいずれも重量基準である。
【0032】
【実施例】
実施例1
エチレン含有量27モル%、ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%のEVOH(A)(融点 192℃、MI 8g/10分)と無水マレイン酸でグラフト変性された高密度ポリエチレン(B)(融点 136℃)を、各々220℃で溶融しTダイより吐出させ、35℃の冷却ロール上にキャスティングすることにより、(A)/(B)構成で各層厚みが36μm/135μmの複合シートを得た。
【0033】
該複合シートを90℃の温水に浸し、EVOHの吸水率を15%にし、90℃でテンター方式により縦横各々3×3倍(面積倍率9倍)に延伸し、170℃で3秒間熱固定することにより、(A)/(B)構成で各層厚みが4μm/15μmの複合フィルムを得た。
【0034】
圧力1×10−5Torrで、アルミニウムを電子ビームで加熱しアルミニウム蒸気を、該複合フィルムのEVOH(A層)面に蒸着した。該アルミニウム蒸着層の厚みは500オングストロームであった。
【0035】
該蒸着フィルムの非蒸着面が内層となるようにして円形に溶断シールを行い、ヘリウムガス導入口を備えた長径25cmの回転楕円体のバルーンを得た。該バルーンは、5日間形態を保持しながら浮遊した。
【0036】
実施例2
B層にエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を用いたことを除いては実施例1と同様にして複合フィルムを得、バルーンを作成した。該バルーンは、5日間形態を保持しながら浮遊した。
【0037】
実施例3
エチレン含有量27モル%、ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%のEVOH(A)(融点 192℃、MI 8g/10分)と無水マレイン酸でグラフト変性された低密度ポリエチレン(C)(融点 121℃)と直鎖状低密度ポリエチレン(B)(融点122℃)とを、各々220℃で溶融しTダイより吐出させ、35℃の冷却ロール上にキャスティングすることにより、(A)/(C)/(B)構成で各層厚みが45μm/27μm/108μmの複合シートを得た。
【0038】
該複合シートを90℃の温水に浸し、EVOHの吸水率を15%にし、90℃でテンター方式により縦横各々3×3倍(面積倍率9倍)に延伸し、170℃で3秒間熱固定することにより、(A)/(C)/(B)構成で各層厚みが5μm/3μm/12μmの複合フィルムを得た。
【0039】
実施例1と同様に、該複合フィルムのEVOH(A層)面にアルミニウム蒸着し、非蒸着面が内層となるようにして溶断シールを行いバルーンを得た。該バルーンは、7日間形態を保持しながら浮遊した。
【0040】
実施例4
無水マレイン酸でグラフト変性された高密度ポリエチレン(B層およびD層に使用)(融点 136℃)とエチレン含有量27モル%、ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%のEVOH(A)(融点 192℃、MI 8g/10分)を、各々220℃で溶融しTダイより吐出させ、35℃の冷却ロール上にキャスティングすることにより、(D)/(A)/(B)構成で各層厚みが45μm/36μm/108μmの複合シートを得た。
【0041】
該複合シートを90℃の温水に浸し、EVOHの吸水率を15%にし、90℃でテンター方式により縦横各々3×3倍(面積倍率9倍)に延伸し、170℃で3秒間熱固定することにより、(D)/(A)/(B)構成で各層厚みが5μm/4μm/12μmの複合フィルムを得た。
【0042】
実施例1と同様に、該複合フィルムの無水マレイン酸グラフト変性高密度ポリエチレン(D層)面にアルミニウム蒸着し、非蒸着面が内層となるようにして溶断シールを行いバルーンを得た。該バルーンは、5日間形態を保持しながら浮遊した。
【0043】
実施例5
無水マレイン酸でグラフト変性された低密度ポリエチレン(B)(融点 121℃)とエチレン含有量27モル%、ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%のEVOH(A)(融点 192℃、MI 8g/10分)を、各々220℃で溶融し、ポリε−カプロラクタム(D)を250℃で溶融し、Tダイより吐出させ、35℃の冷却ロール上にキャスティングすることにより、(D)/(A)/(D)/(B)構成で各層厚みが27μm/36μm/27μm/108μmの複合シートを得た。
【0044】
該複合シートを90℃の温水に浸し、EVOHの吸水率を15%にし、90℃でテンター方式により縦横各々3×3倍(面積倍率9倍)に延伸し、200℃で3秒間熱固定し、つづいて170℃で2秒間熱固定することにより、(D)/(A)/(D)/(B)構成で各層厚みが3μm/4μm/3μm/12μmの複合フィルムを得た。
【0045】
実施例1と同様に、該複合フィルムのポリε−カプロラクタム(D層)面にアルミニウム蒸着し、非蒸着面が内層となるようにして溶断シールを行いバルーンを得た。該バルーンは、5日間形態を保持しながら浮遊した。
【0046】
実施例6
片面コロナ処理された厚さ135μmの直鎖状低密度ポリエチレン(B)(融点122℃)の未延伸フィルムのコロナ処理面に、アンカーコート剤{東洋モートン(株)製AD−503A/CAT10}を固形分として0.2g/m塗布し、溶剤を蒸発させ、厚さ36μmのエチレン含有量27モル%、ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%のEVOH(A)(融点 192℃、MI 8g/10分)の未延伸フィルムを熱ラミネーションすることにより、(A)/(B)構成で各層厚みが36μm/135μmの複合シートを得た。
【0047】
該複合シートを90℃の温水に浸し、EVOHの吸水率を15%にし、90℃でテンター方式により縦横各々3×3倍(面積倍率9倍)に延伸し、170℃で3秒間熱固定することにより、(A)/(B)構成で各層厚みが4μm/15μmの複合フィルムを得た。
【0048】
実施例1と同様に、該複合フィルムのEVOH(A層)面にアルミニウム蒸着し、非蒸着面が内層となるようにして溶断シールを行いバルーンを得た。このバルーン10個にヘリウムを充填する際に、1個のバルーンはパンクした。パンクせずに得られたバルーンについては、5日間形態を保持しながら浮遊した。
【0049】
実施例7
共延伸後の熱処理温度を100℃にしたことを除いては実施例1と同様にして複合フィルムを得た。この複合フィルムをヒートシールして10個のバルーンを形成した際に2個のバルーンのヒートシール部にピンホールが発生した。ピンホール発生のなかったバルーンについては、5日間形態を保持しながら浮遊した。
【0050】
実施例8
アルミニウム蒸着層を形成しなかったことを除いては実施例1と同様にしてバルーンを作成した。該バルーンは3日間形態を保持しながら浮遊した。
【0051】
比較例1
エチレン含有量27モル%、ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%のEVOH(A)(融点 192℃、MI 8g/10分)と無水マレイン酸でグラフト変性された高密度ポリエチレン(B)(融点 136℃)を、各々220℃で溶融しTダイより吐出させ、35℃の冷却ロール上にキャスティングすることにより、(A)/(B)構成で各層厚みが180μm/180μmの複合シートを得た。
【0052】
該複合シートを90℃の温水に浸し、EVOHの吸水率を15%にし、90℃でテンター方式により縦横各々3×3倍(面積倍率9倍)に延伸し、170℃で3秒間熱固定することにより、(A)/(B)構成で各層厚みが20μm/20μmの複合フィルムを得た。
【0053】
実施例1と同様に、該複合フィルムのEVOH(A層)面にアルミニウム蒸着し、非蒸着面が内層となるようにして溶断シールを行いバルーンを得た。該バルーンは、10日間形態を保持したが、浮遊することができなかった。
【0054】
比較例2
エチレン含有量27モル%、ビニルエステル成分のけん化度99.5モル%のEVOH(A)(融点 192℃、MI 8g/10分)と無水マレイン酸でグラフト変性された高密度ポリエチレン(B)(融点 136℃)を、各々220℃で溶融しTダイより吐出させ、35℃の冷却ロール上にキャスティングすることにより、(A)/(B)構成で各層厚みが36μm/360μmの複合シートを得た。
【0055】
該複合シートを90℃の温水に浸し、EVOHの吸水率を15%にし、90℃でテンター方式により縦横各々3×3倍(面積倍率9倍)に延伸し、170℃で3秒間熱固定することにより、(A)/(B層)構成で各層厚みが4μm/40μmの複合フィルムを得た。
【0056】
実施例1と同様に、該複合フィルムのEVOH(A層)面にアルミニウム蒸着し、非蒸着面が内層となるようにして溶断シールを行いバルーンを得た。該バルーンは、5日間形態を保持したが、浮遊することができなかった。
【0057】
比較例3
実施例1において、直接4μm/15μm厚み構成の複合フィルムを製膜し、共延伸・熱固定せずに複合フィルムを得た以外は、実施例1と同様の条件でバルーンを得た。該バルーンは強度不足でヘリウム充填中にパンクした。
【0058】
【表1】
Figure 0003544045
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のバルーンは、小型でも浮遊能力が改善されており、安価であり、とくに回転楕円体、球体、円柱状、円錘状、正四面体、立方体、飛行機、星、魚、鳥、昆虫、獣、天使などに形作られ、玩具・販売促進用品・ショーウィンドー内のデコレーション・屋外での看板などのデコレーション用に好適に適用できる。

Claims (4)

  1. エチレン−ビニルエステル共重合体けん化物層(A層)およびポリオレフィン系樹脂からなるヒートシール層(B層)を各々少なくとも1層含む積層体を、縦および/または横方向に面積倍率で1.5倍以上に共延伸または共圧延した、A層の厚みが1〜10μm、B層の厚みが5〜30μmで、(A層の厚み)/(B層の厚み)≦0.8である積層フィルムよりなるバルーンであって、該積層フィルムが、B層の樹脂の融点よりも高くA層の樹脂の融点よりも低い温度で熱処理されてなるバルーン。
  2. ポリアミド、ポリエステル及びB以外のポリオレフィンの群から選択される少なくとも1種の熱可塑性樹脂(D)の層を積層した請求項1に記載のバルーン。
  3. A層又はD層とB層が、カルボキシル基又はエポキシ基を含有するポリオレフィン(C)の層を介して積層されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルーン。
  4. 金属および/または金属酸化物の薄層を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルーン。
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