JP3543630B2 - ディジタル情報再生装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ディジタル化された画像情報や音声情報等が記録された磁気テープから、記録された情報を再生するディジタル情報再生装置に関し、特に時間圧縮処理を施して記録された情報を再生時に元に戻す処理を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタル化された情報を時間圧縮処理(圧縮率を1/nとする)を施して磁気テープに記録し、該記録した情報を再生するときは、磁気テープの送り速度を記録時の1/nとして、時間伸張処理を行うことにより元のデータを出力するようにしたディジタル情報記録再生装置は、特開平8−63902号公報に示されている。しかしながら、この公報では、再生時の処理に関して単に「時間軸圧縮モードで記録されている場合には、テープの送り速度を記録時の圧縮率分の1とする」点のみが示されており、その詳細は示されていない。
【0003】
図8は、このような再生時の処理を行うディジタル情報再生装置であって、従来技術から容易に導き出せるディジタル情報再生装置の構成を示すブロック図である。この装置は、回転ドラム3上に配置された磁気ヘッド1,2と、回転ドラム3を駆動するドラムモータ4と、ドラムモータ4の駆動制御を行うドラムサーボ部104と、磁気テープ70の走行方向に、ほぼ一定の間隔で記録されたパルス状のコントロール信号(図9参照)を再生するコントロールヘッド5と、コントロールヘッド5の出力信号を増幅するコントロールアンプ9と、磁気テープ70を駆動するキャプスタン6と、キャプスタン6を回転駆動するキャプスタンモータ7と、キャプスタン6に圧着されるピンチローラ8と、キャプスタンモータ7の駆動制御系を構成する分周器105,106、F/V変換器107,108、位相比較部109、速度比較部110、及び統合キャプスタンサーボ部111と、基準クロック信号を発生する基準クロック発生部103と、磁気テープ70から磁気ヘッド1,2を介して再生された情報のデコード処理(記録時のエンコード処理の逆の処理)を行うデータデコード部101と、時間軸変換処理を行う時間軸変換部102とを備えている。
【0004】
データデコード部101は、記録時の時間圧縮率TCRを示すTCR情報を再生データから抽出し、時間軸変換部102及び分周器105,106に供給する。時間軸変換部102は、再生データをメモリに格納し、記録時の時間圧縮率に応じた周波数の読み出しクロックを使用してメモリに格納したデータを読み出すことにより、再生データを元の時間軸に戻す処理(時間伸張処理)を行う。読み出しクロックは、具体的には、基準クロック発生部103から入力される基準クロック信号をTCR情報によって示される記録時の時間圧縮率に応じた分周比で分周することにより生成される。
【0005】
分周器105,106は、それぞれ基準クロック発生部103から入力される基準クロック信号を、TCR情報によって示される記録時の時間圧縮率に応じた分周比で分周し、分周器105は分周して得られる信号を位相基準信号PREFとして位相比較部109に供給する。また分周器106は、分周して得られる信号をF/V変換部107に供給し、F/V変換部107は、入力信号の周波数に比例する電圧を有する速度基準信号VREFを速度比較部110に供給する。一方、F/V変換部108には、キャプスタンモータ7の回転角速度にほぼ比例する周波数を有するキャプスタンFG信号が入力され、このキャプスタンFG信号の周波数に比例する電圧を有する速度検出信号VFGがF/V変換部108から速度比較部110に供給される。
【0006】
位相比較部109は、位相基準信号PREFと、再生されるパルス状のコントロール信号(コントロールパルス)PCTLとの位相差に応じた信号DPを出力し、速度比較部110は、速度基準信号VREFと、速度検出信号VRGとの偏差に応じた信号DVを出力する。統合キャプスタンサーボ部111は、これらの信号DP,DVに基づいてキャプスタンモータ7を駆動し、磁気テープ70が所定の走行速度及び走行位相で走行するように制御を行う。
【0007】
またドラムサーボ部104は、ドラムモータ4の回転角速度を示すドラム回転信号RDに応じてドラムモータ4の駆動制御を行う。
磁気テープ70上には、図9に示すような傾斜トラックにディジタル情報が記録されており、再生時は磁気ヘッド1,2が磁気テープ70上の傾斜トラックを走査して、記録されているディジタル情報を再生する。
【0008】
この装置では、例えば記録時に1/2の時間圧縮処理がなされている場合には、分周器105,106の分周比RDV2(=出力周波数/入力周波数)は、時間圧縮処理がなされていない場合の分周比RDV0の1/2倍とし、再生時の磁気テープ70の走行速度が記録時の1/2となるように制御される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示す装置では、記録時の圧縮率が高い場合には、再生されるコントロール信号の周波数が極端に低くなり、位相比較部109における位相比較の実行間隔が長くなるため、安定した位相フィードバック制御を行うことができず、テープ送り制御が不安定となり易い。また、その結果テープテンションが不安定となって、磁気ヘッド1,2と磁気テープ70とが接触しなくなったり、逆に磁気ヘッド1,2によって磁気テープ70に損傷が与えられるおそれがあった。
【0010】
本発明はこの問題を解決するためになされたものであり、記録時の時間圧縮率が高い場合でも安定した磁気テープ走行を可能としたディジタル情報再生装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、時間圧縮されたディジタル情報がその時間圧縮率情報とともに記録された磁気テープからディジタル情報を再生するディジタル情報再生装置において、前記磁気テープを駆動するキャプスタンモータの回転角速度に比例する周波数を有する回転角速度信号を分周して位相検出信号を出力する分周手段と、該分周手段の分周比を前記磁気テープから再生された時間圧縮率情報に基づいて制御する分周比制御手段と、前記位相検出信号と基準クロック信号とが位相ロックするように前記キャプスタンモータの駆動制御を行うモータ制御手段と、前記磁気テープには、該磁気テープの走行方向に一定の間隔でコントロール信号が記録されており、該コントロール信号を再生し、該再生したコントロール信号を用いて前記分周手段をリセットするリセット手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のディジタル情報再生装置において、前記分周手段は、前記リセット手段によるリセットタイミングの近傍以外の期間内のタイミングで前記位相検出信号を出力することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のディジタル情報再生装置において、前記分周手段は、前記リセット手段によりリセットされる第1の分周器と、該第1の分周器の出力信号でリセットされる第2の分周器とからなることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載のディジタル情報再生装置において、前記回転角速度信号の周波数は、前記再生されるコントロール信号の周波数を、想定される時間圧縮率の逆数の公倍数倍した値に設定することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のディジタル情報再生装置において、前記想定される時間圧縮率を、1/2,1/3,1/5または1/7とし、前記回転角速度信号の周波数を、前記再生されるコントロール信号の周波数を2,3,5及び7の公倍数倍した値に設定することを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態にかかるディジタル情報記録再生装置としてのディジタルVTR(ビデオテープレコーダ)の記録系要部の構成を説明するための図であり、図2は該VTRの再生系要部の構成を説明するための図である。これらの図において、図8と同様の構成要素には同一の参照番号を付して示している。このVTRは、D−VHS(登録商標)規格に準拠したものである。
【0019】
図1,2に示すVTRは、従来のVTRと同様に、回転ドラム3上に配置された磁気ヘッド1,2、ドラムモータ4、コントロールヘッド5、コントロールアンプ9、キャプスタン6、ピンチローラ8、及びキャプスタンモータ7を備えている。またこのVTRの記録系は、図1に示すように、入力信号を記録に適したデータに変換するデータエンコード部11と、データエンコード部11の出力信号を増幅して磁気ヘッド1,2を駆動する記録アンプ12と、入力信号に基づいて基準クロック信号SRECを発生する基準クロック発生部13と、基準クロック発生部13から出力される基準クロック信号SRECと、ドラムモータ4の回転角速度を示すドラム回転信号RDとを用いてドラムモータ4の駆動制御を行うドラムサーボ部15と、基準クロック信号SRECと、キャプスタンモータ7の回転角速度に比例する周波数を有するキャプスタンFG信号CFGとを用いてキャプスタンモータ7の駆動制御を行うキャプスタンサーボ部16とを備えている。基準クロック信号SRECは、コントロールヘッド5に供給され、コントロール信号CTLとして磁気テープ70の走行方向にほぼ等間隔で記録される。
【0020】
磁気テープ70の記録パターンは、従来と同様に図9で示すようになり、磁気ヘッド1,2により傾斜トラックに画像情報、音声情報を中心としたディジタル情報が記録される。
【0021】
図5は、磁気テープ上の1トラックのデータ構成を示す図であり、1トラックは、マージンE1,E9と、サブコード領域E3と、そのプリアンブルE2及びポストアンブルE4と、メインコード領域E7と、そのプリアンブルE6及びポストアンブルE8と、IBG(インターブロックギャップ)E5とから構成される。サブコード領域E3には、サーチ(高速再生)のための情報及びタイムコード、テキストコード等のパックデータが記録され、メインコード領域E7には、画像、音声等の主データが記録され、その容量は13.8Mbps(メガビット/秒)である。サブコード領域E3及びメインコード領域E7以外は、一定のビットパターンで構成されている。
【0022】
メインコード領域E7は、336個のシンクブロックで構成され、この領域E7の1つのシンクブロックは図6に示すように、2バイトのシンクパターンF1と、3バイトのID情報F2と、3バイトのメインヘッダF3と、1バイトのデータAUXF4と、96バイトのデータF5と、8バイトのインナパリティF6とからなる。データAUXF4は、パックデータを記録する領域であり、ID情報F3は、シンクブロックのアドレスを示す情報であり、データF5がディジタル化された画像情報または音声情報である。メインヘッダF3は、図7に示すようにフォーマット情報(第1バイトのビットB7〜B4)とシンクブロック情報(第1バイトのビットB3〜第2バイトのビットB0)とからなり、シンクブロック番号(SB番号)に対応して定義が異なっている。すなわち、図7のおいて「n」は、0から27の整数であって、12通りの定義が存在し、そのうちのシンクブロック番号が2・(6n+4)+1(=9,21,33,…333)であるシンクブロックのフォーマット情報に時間圧縮率TCRを示すTCR情報が格納される。このTCR情報は、4ビットのバイナリコードであり、実時間記録(圧縮率1)のとき0000B(「B」は2進数であることを示す)、TCR=1/2のとき0010B、TCR=1/3のとき0011B、TCR=1/5のとき0101B、TCR=1/7のとき0111Bが記録される。なお、図7のDTは、データタイプ(ダミーデータであるか否かなどを示す情報)であり、SBCはシンクブロックカウント(MPEG2トランスポートバケットなどの元のディジタルデータと、シンクブロックブロック内のデータとの関係を示す情報)である。
【0023】
図1に戻り、データエンコード部11は、入力信号に所定の処理を施して、上記シンクブロックを合成し、出力する処理を行うものであり、入力信号のタイミングを調整して出力する入力信号タイミング調整部21と、ダミーデータを発生するダミーデータ発生部22と、入力信号のデータレートに応じて記録データレートを決定し、スイッチ24の切換制御を行うとともに、記録データレートに応じて時間圧縮率TCRを設定し、その圧縮率TCRを示すTCR情報をフォーマッタ25に出力する記録データレート決定部23と、スイッチ24と、シンクブロックを合成するフォーマッタ25とを備えている。
【0024】
本実施形態のVTRは、通常記録では、13.8Mbpsの記録容量があるので、例えば入力信号のデータレートが4Mbpsであるときは、9.8Mbpsのダミーデータを挿入して記録を行う。すなわち、入力タイミング調整部21により入力信号のタイミングを調整しつつ、ダミーデータ発生部22から出力されるダミーデータを所定のタイミングで挿入するようにスイッチ24が制御される。
【0025】
また、例えば4Mbpsの入力信号を1/3の時間に圧縮して記録する場合には、記録データレートは12Mbpsとなり、TCR=0011Bとし、1.8Mbps(=13.8−12)のダミーデータを付加して記録する。これにより、記録時間は1/3となり、テープ使用量も1/3となる。このような時間圧縮記録を行う場合でも、単にTCR情報を0011Bとして記録するだけで特に追加する回路等はないので、記録系のコストアップはほとんど無視できる程度である。また例えばビデオCD(コンパクトディスク)から再生される1.5Mbps相当のデータを記録するときは、1/7の時間に圧縮して10.5Mbpsの信号とし、TCR=0111Bとし、3.3Mbpsのダミーデータを付加して記録を行う。
【0026】
このようにして記録系のコストアップなしに記録時間の短縮化とダミーデータ量の低減が可能となるので、記録媒体、すなわち磁気テープを効率的に使用することができる。さらに、時間圧縮率TCRを記録することにより、種々の時間圧縮率に対応することが可能である。
【0027】
次に再生時の処理の概要を説明する。再生時は、時間圧縮率TCRを読み取り、この時間圧縮率TCRに対応するテープ走行速度を決定し、そのテープ走行速度となるようにテープ走行制御を行う。より具体的には、TCR=0000Bであるときは、標準のテープ走行速度VSPとし、TCR=1/3=0011Bであるときは、標準のテープ走行速度VSPの1/3とする。このようにテープ走行速度を低速としても、テープ走行が安定していれば、読み出しデータは間欠的になるものの、必要なデータはすべて読み出せるため、記録時に意図したデータレート信号を発生させて時間伸張処理を行うことができる。時間圧縮率TCRが1/5や1/7の場合も同様である。
【0028】
このような処理を行う再生系は、図2に示すように、磁気ヘッド1,2の出力信号を増幅して再生信号の検出を行う再生信号検出部31と、記録時にエンコードしたデータを元に戻す処理を行うデータデコード部32と、記録時に時間圧縮を行った場合に元に戻す伸張処理を行う時間軸変換部33と、ドラムモータ4の駆動制御を行うドラムサーボ部15と、基準クロック信号SPBを発生する基準クロック発生部50と、キャプスタンモータ制御系を構成する分周器51〜54、F/V変換部55,56、位相比較部57、速度比較部58及び統合キャプスタンサーボ部59とを備えている。
【0029】
データデコード部32は、シンクブロックからデータを抽出するデフォーマッタ41と、誤りの検出、訂正及び訂正できない誤りの判別を行う良否データ判別部42と、出力すべきデータの選択を行う出力ゲート部43とを備え、時間軸変換部33は、出力信号のデータレートを調整して元に戻す処理を行う出力データレート調整部44と、基準クロック信号SPBを分周する分周器45とを備えている。デフォーマッタ41は、再生信号から読み出したTCR情報を各分周器45,51〜54に供給する。各分周器45,51〜54は、TCR情報に応じた分周比(=出力周波数/入力周波数)で、より具体的には、時間圧縮処理なしの記録(時間圧縮率TCR=1)に対応する分周比RDV0に時間圧縮率TCRを乗算した分周比で分周動作を行う。例えば時間圧縮率TCR=1/3で記録した情報を再生するときの分周比RDV3は、RDV0×(1/3)に設定する。
【0030】
出力データレート調整部44は、データデコード部32から供給されるデータをメモリに格納し、分周器45から出力される信号をそのメモリの読み出しクロックとして使用する。分周器45は、基準クロック信号SPBをTCR情報に応じた分周比で分周するので、これをメモリの読み出しクロックとして使用することにより、記録時の時間圧縮率TCRに対応した時間伸張処理を行うことができる。
【0031】
分周器54と、F/V変換部55,56と、速度比較部58は、それぞれ図8の分周器106と、F/V変換部107,108と、速度比較部110とに対応し、従来と同様の速度制御系を構成している。すなわち、キャプスタンモータ7の回転角速度に比例する電圧を有する速度検出信号VFGと、対応する速度基準信号VREFとの偏差信号DVに応じた速度制御が行われる。分周器54の分周比は、TCR情報に応じた値に設定される。
【0032】
分周器51,52は、キャプスタンモータ7の回転角速度信号としてのキャプスタンFG信号CFGを分周する分周器であり、分周器51は、再生されたコントロール信号PCTLによってリセットされ、分周器52は、分周器51の出力信号によりリセットされ、分周器52の出力信号が位相検出信号PCTLXとして位相比較部57に入力される。また、分周器53は、基準クロック信号SPBを時間圧縮率TCRに応じた分周比で分周し、位相基準信号PREFXを生成して、位相比較部57に入力する。位相比較部57は、位相検出信号PCTLXと、位相基準信号PREFXとの偏差DPXを出力し、統合キャプスタンサーボ部59に供給する。統合キャプスタンサーボ部59は、入力される偏差信号DP,DVに基づいてキャプスタンモータ7を駆動し、磁気テープ70が所定の走行速度及び走行位相で走行するように制御を行う。
【0033】
以上のように本実施形態のキャプスタンモータ7の位相制御系は、時間圧縮率TCRが大きいときは、再生時のテープ走行速度が低くなり、再生コントロール信号PCTLの周波数が低下する(例えばTCR=1/5であるときは、テープ走行速度が1/5となるので、再生コントロール信号の周波数は標準速度のときの1/5となる)ことによるテープ走行制御の不安定化を防止するため、キャプスタンFG信号CFGを分周して標準速度のときとほぼ同一の周期で位相比較を実行するようにしている。この点を図3,4に示すタイムチャートを参照して詳細に説明する。なお、図3,4は、時間的に連続する動作を時刻tCを境として分割して示したものであり、図3の時刻tCと図4の時刻tCは、同一の時刻を示している。また図3の(a)〜(j)は、それぞれ図4の(a)〜(j)に続くように示されている。
【0034】
本実施形態では、テープ走行時にキャプスタンモータ7から出力されるキャプスタンFG信号CFGの周波数fFGは、再生コントロール信号PCTLの周波数fCTLの210倍となるように設定されている。本実施形態のVTRでは、記録時の時間圧縮率TCRは、1/2,1/3,1/5,1/7の4通りに設定可能とされており、「210」は、時間圧縮率TCRの逆数(2,3,5,7)の公倍数である。
【0035】
図3,4では、再生時のテープ走行速度が標準速度の1/5である場合、すなわちTCR=1/5である場合の動作を示しており、同図(a)及び(b)は、それぞれ標準速再生時の再生コントロール信号PCTL0及び1/5倍速再生時の再生コントロール信号PCTL5を示している。したがって、再生コントロール信号PCTL5の周期は、PCTL0の周期の5倍となっている。また同図(c)及び(e)は、それぞれ分周器51のカウント値C51及び分周器52のカウント値C52を示している。本実施形態では、1/5倍速再生(TCR=1/5)であるときは、分周器51,52は、キャプスタンFG信号CFGの210パルスで5巡させるために、0から41までを繰り返してカウントし、所定のカウント値「21」でリセット信号PRST(同図(d))及び位相検出信号PCTLX(同図(f))を出力するように構成されている。
【0036】
分周器51は、再生コントロール信号PCTL5の立ち上り時点t0,t10でリセットされ、カウント値C51=21のときリセット信号PRSTを出力するので、時刻t1,t3,t5,t7,t9,t11,…の近傍でリセット信号PRSTが出力される。分周器52は、このリセット信号PRSTでリセットされるので、同図(e)に下向きの矢印で示すタイミングでリセットされ、カウント値C52=21のとき位相検出信号PCTLXを出力する。したがって、同図(f)に示すように、時刻t0,t2,t4,t6,t8,t10,…の近傍で位相検出信号PCTLXが出力され、標準速再生時の再生コントロール信号PCRL0とほぼ同一の周期かつほぼ同一のタイミングの位相検出信号を得ることができる。その結果、テープ走行速度を低速とする場合でも、安定したテープ走行制御を行うことが可能となる。
【0037】
なお、分周器51においてリセット信号PRSTを出力するカウント値は「21」でなくても0から41のいずれの値でもよいが、0あるいは41の近傍の値に設定すると、リセットタイミング(再生コントロール信号の立ち上りタイミング)に近いため、このリセットタイミングの少しのずれで、リセット信号PRSTの間隔が大きく変化してしまうおそれがあるので、リセットタイミングの近傍以外の期間内のタイミングに対応する値、例えば0から41の中間的な値(10から30程度の値)に設定することが望ましい。
【0038】
また分周器52を使用して分周器51の出力信号でリセットする構成としたのは、位相比較部57に入力される位相検出信号PCTLXのタイミングを、標準速再生時の再生コントロール信号の発生タイミング(立ち上りタイミング)とほぼ一致させるためである。したがって、そのような必要性がないときは、分周器51の出力信号を位相検出信号PCTLXとして、位相比較部57に供給するようにしてもよい。
【0039】
キャプスタン6と磁気テープ70との間のスリップや、記録した装置と異なる装置で再生する場合の僅かな差異などにより、再生コントロール信号PCTLによるリセットタイミングが、分周器51のカウント値が「0」に戻るタイミングとずれる場合もあるが、多少のずれであれば、分周器51の出力パルスPRSTの周期がリセットタイミングの近傍で若干不揃いとなるだけで、大きな問題とはならない。同図(g)〜(j)は、このことを説明するために示したものであり、(g),(f)は、実際のテープ走行速度に比べてキャプスタンモータ7の回転速度が若干遅い場合を示し、(i),(j)は逆に若干速い場合を示している。パルス間隔が不揃いとなることが示されているのは、図4の時刻t10の近傍であり、パルス信号RBとRAとの間隔が、他のパルスの間隔と異なっているが、一時的なものであるため大きな問題とはならない。
【0040】
なお、時間圧縮率TCRが1/2の場合は、分周器51,52を0から104まで繰り返しカウントするように(210カウントで2巡するように)制御し、時間圧縮率TCRが1/3の場合は、分周器51,52を0から69まで繰り返しカウントするように(210カウントで3巡するように)制御し、時間圧縮率TCRが1/7の場合は、分周器51,52を0から29まで繰り返しカウントするように(210カウントで7巡するように)制御すればよい。時間圧縮率TCRとして、1/2,1/3,1/5,1/7を想定する場合には、キャプスタンFG信号の周波数fFGは、標準速再生時の再生コントロール信号の周波数fCTL0の周波数の、2,3,5,7の公倍数(210,420,630,…)倍、すなわち時間圧縮率TCRの逆数/TCRの公倍数倍の周波数に設定するようにすれば、上記したような分周器の分周比の設定を容易に行うことができる。
【0041】
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態では、記録再生機能を有するVTRを示したが、本発明の特徴は再生時のテープ走行制御にあるので、再生機能のみのディジタル情報再生装置としてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1に記載の発明によれば、磁気テープを駆動するキャプスタンモータの回転角速度に比例する周波数を有する回転角速度信号を分周手段により分周することにより、位相検出信号が生成され、該分周手段の分周比が磁気テープから再生された時間圧縮率情報に基づいて制御され、前記位相検出信号と基準クロック信号とが位相ロックするようにキャプスタンモータが駆動制御されるので、記録時の時間圧縮率が高く磁気テープの走行速度が極端に低下する場合でも、安定したテープ走行制御を行うことができる。
また、磁気テープに記録されているコントロール信号を再生し、該再生したコントロール信号を用いて分周手段がリセットされるので、回転角速度信号と実際のテープ走行速度とに微差があってもリセットによって修正され、常に正確な制御を行うことができる。
【0044】
請求項2に記載の発明によれば、分周手段から出力される位相検出信号は、再生コントロール信号によるリセットタイミングの近傍以外の期間内のタイミングで出力されるので、リセットタイミングの小さなずれで、位相検出信号の抜けが発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるディジタル情報記録再生装置の記録系の構成を説明するための図である。
【図2】図1のディジタル情報記録再生装置の再生系の構成を説明するための図である。
【図3】図2の再生系の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図4】図2の再生系の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図5】磁気テープ上の1トラックのデータ構成を示す図である。
【図6】シンクブロックの構成を示す図である。
【図7】シンクブロックのメインヘッダの構成を説明するための図である。
【図8】従来のディジタル情報再生装置の構成を示す図である。
【図9】磁気テープ上の記録パターンを示す図である。
【符号の説明】
1,2 磁気ヘッド
5 コントロールヘッド(リセット手段)
6 キャプスタン
7 キャプスタンモータ
9 コントロールアンプ(リセット手段)
31 再生信号検出部
32 データデコード部
33 時間軸変換部
41 デフォーマッタ(分周比制御手段)
50 基準クロック発生部(モータ制御手段)
51,52 分周器(分周手段)
53,54 分周器
55,56 F/V変換部
57 位相比較部(モータ制御手段)
58 速度比較部
59 統合キャプスタンサーボ部(モータ制御手段)
Claims (5)
- 時間圧縮されたディジタル情報がその時間圧縮率情報とともに記録された磁気テープからディジタル情報を再生するディジタル情報再生装置において、
前記磁気テープを駆動するキャプスタンモータの回転角速度に比例する周波数を有する回転角速度信号を分周して位相検出信号を出力する分周手段と、
該分周手段の分周比を前記磁気テープから再生された時間圧縮率情報に基づいて制御する分周比制御手段と、
前記位相検出信号と基準クロック信号とが位相ロックするように前記キャプスタンモータの駆動制御を行うモータ制御手段と、
前記磁気テープには、該磁気テープの走行方向に一定の間隔でコントロール信号が記録されており、該コントロール信号を再生し、該再生したコントロール信号を用いて前記分周手段をリセットするリセット手段とを備えることを特徴とするディジタル情報再生装置。 - 前記分周手段は、前記リセット手段によるリセットタイミングの近傍以外の期間内のタイミングで前記位相検出信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のディジタル情報再生装置。
- 前記分周手段は、前記リセット手段によりリセットされる第1の分周器と、該第1の分周器の出力信号でリセットされる第2の分周器とからなることを特徴とする請求項1または2に記載のディジタル情報再生装置。
- 前記回転角速度信号の周波数は、前記再生されるコントロール信号の周波数を、想定される時間圧縮率の逆数の公倍数倍した値に設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のディジタル情報再生装置。
- 前記想定される時間圧縮率を、1/2,1/3,1/5または1/7とし、前記回転角速度信号の周波数を、前記再生されるコントロール信号の周波数を2,3,5及び7の公倍数倍した値に設定することを特徴とする請求項4に記載のディジタル情報再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23825498A JP3543630B2 (ja) | 1998-08-25 | 1998-08-25 | ディジタル情報再生装置 |
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