JP3543468B2 - ノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛およびノンコートエアバッグ用高強度マルチフィラメント糸の製造方法 - Google Patents

ノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛およびノンコートエアバッグ用高強度マルチフィラメント糸の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛およびノンコートエアバッグ用高強度マルチフィラメント糸の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、軽量性及び柔軟性に富みかつ非通気性にも優れたノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛およびノンコートエアバッグ用高強度マルチフィラメント糸の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の乗員保護安全装置としてエアバッグの装着が急速に進みつつある。このエアバッグは、常時はステアリングホイールやインストルメントパネルなどの狭い場所に収納されるので、収納容積を小さくすることが要求性能の一つである。
【0003】
そこで、エアバッグ用基布には、機械的特性を満足する範囲内で可能な限り折り畳み性を良くし、収納容積を最小にする努力が、従来からなされてきている。例えば、ゴムコート基布においては、コートゴムがポリクロロプレン系ゴムから、ゴムコートの塗布量を少なくできかつ柔軟なゴムコート基布ができあがるシリコーン系ゴムへと移行が進みつつある。
【0004】
一方、自動車の乗員の安全を確保するためにはエアバッグの装着率を高めることが望まれているが、そのドライビングフォースの一つとしてエアバッグシステム全体を低価格化することも、エアバックに対し要求されている。そこで、エアバッグ用基布を更に低コスト化するため、ノンコート基布の開発が進められつつある。
【0005】
また、上記ノンコート基布は、エアバッグ用基布の柔軟化、及び収納性や軽量性の向上の点からも有利であり、次世代エアバッグ用基布として早期技術確立が求められている。しかし、従来から使用されているエアバッグ用原糸をそのままノンコート基布とした場合には基布の通気性を十分な水準に抑えることが難しいという大きな問題がある。
【0006】
そこで、ノンコートエアバッグ用基布の通気性を低減させるために種々の提案がなされており、例えば、特開平3−137245号公報、特開昭64−70247号公報および特開平3−134245号公報などに記載されたいる。
【0007】
即ち、特開平3−137245号公報では、ノンコートエアバッグ用基布として重要な特性であるガスの通気性を制御するために、高密度織物とし、更に収縮加工、熱固定カレンダー加工などを適用してノンコートエアバッグ用基布を製造することを開示する。
【0008】
特開昭64−70247号公報では、目付250g/m2 以下の基布にカレンダー加工を施こすことにより、通気性が5cc/cm2 /sec以下のノンコートエアバッグ用基布を製造することを開示する。
【0009】
特開平3−134245号公報では、カレンダー加工を施した対称組織の織物からなり、300〜400dtexの繊度で、高収縮糸からなるノンコートエアバッグ用基布を開示する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、いずれもノンコートエアバッグ用基布としての性能、特に非通気性を向上させるため、製織した基布に各種の後加工を施すことが必要であり、工程の繁雑性等の点から低価格化を図ることは難しいという問題点がある。そこで、低価格化のため、原糸の改良によって基布の非通気性を向上させることが切望されている。
【0011】
また、非円形断面フィラメントからなる交絡糸を用いてエアバッグ用基布を製造することが特開平4−193647号公報で提案されているが、この方法でも非通気性を十分に高めることは困難であった。
【0012】
そこで、本発明は、上述した従来技術における問題点を解決するため、ノンコートエアバッグ用のマルチフィラメント糸として従来技術と同等以上の軽量性、柔軟性、収納性、機械的特性を満足することができるとともに、原糸の改良によって十分な非通気性を有する布帛が得られるノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛およびノンコートエアバッグ用高強度マルチフィラメント糸の製造方法の提供を主たる目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、次の手段によって達成できる。
【0014】
異なる単糸断面形状を有する2種類以上のフィラメント糸から構成される混繊マルチフィラメント糸であって、強度が6.5g/d以上、糸条繊度が200デニール以上、単糸繊度が10デニール以下であり、単糸断面形状の異なるフィラメント糸のうちの1種の単糸数割合が30〜80%であり、かつ、単糸断面形状の異なるフィラメント糸の沸騰水収縮率差及び/又は150℃乾熱収縮率差が3.0%以上である高強度マルチフィラメント糸を製編織し、熱収縮させてなる、非通気度が0.5cc/cm 2 /sec未満であることを特徴とするノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛。
【0015】
そして、そのマルチフィラメント糸はノンコートエアバッグ用原糸であり、異なる単糸断面形状を有する2種類以上のフィラメント糸が、丸断面形状フィラメント糸及び単糸横断面形状に凹部を有する異形断面フィラメント糸を含むことが好ましく、そのマルチフィラメント糸中における丸断面形状フィラメント糸の糸本数割合は35〜80%であることが好ましい。その異形断面フィラメント糸の繊維横断面形状は左右非対称であることが好ましい。さらにまた、極限粘度が0.8以上のポリエステル系フィラメント及び/又は硫酸相対粘度が2.6以上のポリアミド系フィラメントからなることが好ましい。
【0016】
そのマルチフィラメント糸は、孔形状が異なる2種類以上の紡糸孔を有する溶融紡糸口金から高粘度ポリマを溶融紡糸し、冷却、引取る紡糸時混繊の方法により製造することができ、製編織し、熱収縮させて非通気性高強度布帛とすることができる。
【0017】
従来のノンコートエアバッグ用基布では十分な非通気性を達成するためには各種の後加工が必要である。それら後加工を行っていない未加工のノンコートエアバッグ基布では、原糸を収縮させて織物密度を高めることによって空隙を閉塞させることが重要である。そこで、織構造と通気性の関係に着目して検討を加えたところ、未加工のノンコートエアバッグ用基布の通気性を従来技術では十分に高められない原因として、経糸と緯糸とが直角に交差する経緯交点部分の近辺においてフィラメント充填率が未だ不十分であることを見出した。
【0018】
即ち、従来のエアバッグ用原糸は1種のフィラメントからなる集束性の良いフィラメント糸であるので、製織工程において、繊維軸方向にかかっている張力により経糸内のフィラメントは最密充填化された状態となっており、さらに、筬打ち動作等によって、経糸と緯糸とが直角に交差する経緯交点部分において緯糸内のフィラメントが最密充填化され、その結果、その経緯交点部分の近辺においては糸−糸関の隙間がフィラメントで塞がれ難く、この隙間よりガスが漏洩して非通気度を十分に高められないことが判明した。
【0019】
そこで、本発明は、嵩高性のある異形断面フィラメントを含み、かつ、単糸断面形状が異なるとともに収縮率が3%以上異なる2種以上のフィラメント糸でもって構成される混繊マルチフィラメント糸とすることによって、経緯交点部分の近辺における糸−糸関の隙間の問題は解消できるという新規な知見に基きなされたものである。
【0020】
本発明の高強度マルチフィラメント糸は、異なる単糸断面形状を有する2種類以上のフィラメント糸から構成される混繊マルチフィラメント糸であって、強度が6.5g/d以上、糸条繊度が200デニール以上、単糸繊度が10デニール以下であり、単糸断面形状の異なるフィラメント糸のうちの1種の単糸数割合が30〜80%であり、かつ、単糸断面形状の異なるフィラメント糸の沸騰水収縮率差及び/又は150℃乾熱収縮率差が3.0%以上であることを要する。
【0021】
この要件を満たすマルチフィラメント糸を用いてノンコートエアバッグ用基布を製織すると、後加工を行わなくても非通気性を大幅に向上させることができる。その理由は次のように考えられる。
【0022】
異なる断面形状のフィラメントどうしが接触し合うため最密充填化が妨げられ、繊維束全体が過度に充填されずに適度の体積空間を有する。しかも、断面形状の異なる2種類以上のフィラメントは熱による収縮特性が異なっているので、製織後の精練及び/又は熱セット時に収縮の程度に差が生じ、マルチフィラメント全体の嵩高性が大きくなって糸条の見掛け体積が増加する。これらの嵩高効果が相俟って、ノンコートエアバッグ用基布の経緯糸交差部分の近辺での隙間が塞がれ、非通気性が大幅に向上できるのである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の混繊マルチフィラメント糸は、単糸断面形状が異なる2種類以上のフィラメン糸から構成される。
これに対し、単糸断面形状が1種類であるマルチフィラメント糸の場合は、前述したように、繊維軸方向の張力等によりフィラメントが最密充填化して繊維束としての体積が減少し、ノンコートエアバッグ用基布における糸−糸間の隙間、特に経糸と緯糸の交差する部分における隙間を塞ぐことが難しいので、非通気性を十分に高めることができない。
【0024】
本発明のマルチフィラメント糸では、断面形状の異なるフィラメント糸の沸騰水収縮率差および/または150℃の乾熱収縮率差は3.0%以上あることを要する。断面形状の異なるフィラメント糸の沸騰水収縮率差および/または150℃の乾熱収縮率差が3.0%未満と小さい場合では、精練や熱セット時に生じる収縮差が小さ過ぎるため、マルチフィラメント糸全体の嵩高性を十分に高めることができず、糸条の体積空間が増加できず、ノンコートエアバッグ用基布における経糸と緯糸の交差部分の隙間を十分に塞ぐことができず、非通気性を十分に高めることができない。
【0025】
このフィラメント糸間に収縮特性差をもたせるためには、次のような方法をとればよい。例えば、断面形状の異なるフィラメントを同一の紡糸口金から溶融紡糸させて同時に冷却させて引取るという紡糸時混繊の方法により収縮特性差を生じさせればよい。この場合、紡糸から引取りまでの間における糸条冷却において、断面形状の相違、即ち、繊維表面積の相違による冷却速度に差が生じ、この結果、引取られたフィラメント間に配向度差が生じ、収縮特性差が生じるのである。
【0026】
また、別の手法として、断面形状の異なるフィラメントを別々に紡糸し、延伸時の延伸倍率、延伸温度等の条件を違えることによって収縮特性差のあるフィラメント糸とし、これらを混繊させてもよい。
【0027】
本発明のマルチフィラメント糸は、糸条繊度が200デニール以上であること、及び、強度が6.5g/d以上であることを要する。糸条繊度200デニール未満や強度が6.5g/d未満では、製織して得られる布帛の引き裂き強力が低くなり産業用分野では用いることができない。
【0028】
本発明のマルチフィラメント糸の単糸デニールは10デニール以下であることを要し、特に1.0〜10デニールが好ましい。単糸デニールが10デニールを越えると製織して得られる布帛の柔軟性が劣り、エアーバッグ用では折り畳み収納性が悪くなって実用化困難となる。一方、単糸デニールが1.0デニール未満では原糸のハンドリングおよび加工工程での擦れなどによって毛羽が発生し易い等の製造上の難易度が高まる。
【0029】
本発明の混繊マルチフィラメント糸を構成する単糸断面形状の異なるフイラメント糸のうちの1種の単糸数割合(混繊マルチフィラメント糸全体の単糸数に対する割合)は、30〜80%であることが必要である。特に、丸断面形状フィラメント糸と単糸横断面形状に凹部を有する異形断面フィラメントとを含む場合には、丸断面形状フィラメントの単糸数割合が35〜80%であることが好ましい。この範囲を外れると、製織した基布の引き裂き強力が低下したり、十分な嵩高性が得られ難く布帛の非通気性を十分に高めることが難しい。
【0030】
本発明のマルチフィラメント糸を構成する単糸断面形状は、単糸断面形状の異なる2種以上の混繊とできればよいが、特に、丸断面形状フィラメント糸と単糸横断面形状に凹部を有する異形断面フィラメントとを含むことが好ましい。この異形断面フィラメント糸の断面形状は、T字形断面、Y字形断面、U字形断面、V字形断面のように単糸横断面形状に凹部を有する左右対象形であってもよいが、フィラメントの最密充填化を制御するためには、ト字形断面やサ字形断面のように左右非対称形であることが好ましい。
【0031】
本発明のマルチフィラメント糸は、ポリエステル系フィラメント及び/又はポリアミド系フィラメントであることが好ましく、特に、高強度を得る点から、極限粘度が0.8以上のポリエステル系フィラメント及び/又は硫酸相対粘度が2.6以上のポリアミド系フィラメントからなることが好ましい。そのポリエステル系フィラメントとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等からなるフィラメントが挙げられ、ポリアミド系フィラメントとしてはポリヘキサメチレンアジパミド、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリカプラミド等からなるフィラメントが挙げられる。
【0032】
前記したポリエステル系フィラメント、ポリアミド系フィラメントはそれらの本来の性質を損ねない範囲内であれば、他の共重合成分や、耐熱剤、防炎剤、酸化防止剤、顔料等の添加剤を必要に応じ、10重量%以下のような少量含んでいてもよい。
【0033】
上述した本発明の混繊マルチフィラメント糸は、次の方法によって製造することができる。
【0034】
例えば、2種類以上の異なる断面形状のフィラメント糸を別々に紡糸および延伸した後混繊することによっても得られるし、2種類以上の異なる断面形状のフィラメント糸を同一口金から紡糸し延伸することによっても得ることもでき、また、2種類以上の異なる断面形状のフィラメント糸を別々に紡糸し延伸時に混繊することも可能であり、設備の実態に合わせて適宜選択すればよい。
【0035】
本発明のマルチフィラメント糸の製造例として、2種類以上の異なる断面形状のフィラメント糸を同一口金から溶融紡糸し、冷却し、引取り、延伸する方法について、以下に説明する。
【0036】
常法によって重合して得られたポリエステル系重合体またはポリアミド系重合体を、必要に応じて高重合度化して紡糸チップとする。共重合成分や、耐熱剤、防炎剤、酸化防止剤、顔料等を用いる場合は、重合時添加やチップブレンド等による通常の方法で添加すればよい。
【0037】
前記した紡糸チップはエクストルーダーで溶融した後、ギアポンプで計量し紡糸バックに導き、異物除去フィルターを通した後に紡糸口金から吐出させる。
【0038】
紡糸口金の紡糸孔は、口金全孔に対して35〜80%の割合を占める丸形状孔と、残りの孔を占める左右非対称の紡糸孔とからなる。左右非対称の紡糸孔は、片仮名のトの字形、片仮名のサの字形、全く規則性を持たない左右非対称孔形等を適宜選択すればよい。
【0039】
紡糸口金の紡糸孔の配列は、環状配列、全面配列、千鳥配列等から適宜選択し、断面形状の異なる紡糸孔配置としてはランダム配列、列別配列、ブロック配列から適宜選択すればよい。
【0040】
吐出された糸条は、紡糸口金直下に設置した加熱雰囲気域を通して遅延冷却される。その後に、冷却域に導入し冷却風を吹き付け、紡糸筒を通過させて糸条を形成する。
【0041】
前記加熱雰囲気域の温度は120〜350℃、その長さは5〜50cmであればよく、この加熱雰囲気域の条件は、紡出される糸条の粘度、フィラメントの太さ、ドラフト率、フィラメント数等の設定条件によって選択すればよい。
【0042】
前記冷却域では、常温空気のような120℃未満の気体を、15〜50m/分の速度で吹き付ければよい。この冷却域の条件も、紡出される糸条の粘度、フィラメントの太さ、ドラフト率、フィラメント数等の設定条件によって選択すればよい。
【0043】
前記加熱雰囲気域および冷却域を通過させ、冷風によって冷却固化された紡出糸は、紡糸油剤を付与され、2000m/分以下、好ましくは1500m/分以下で回転するロールで引取られたのち、引き続き又は一旦巻き取った後に、延伸される。紡糸速度が2000m/分を越えると、製糸時の毛羽や、延伸時の糸切れの発生が増加するので好ましくない。
【0044】
この製法においてフィラメント糸間の収縮特性差を3.0%以上とするには、引取りまでの過程における冷却速度差等の、収縮特性差をもたらす条件を制御すればよく、具体的には、ポリマ粘度、紡糸孔の形状、フィラメントの太さ、フィラメント数、加熱雰囲気域の条件、冷却域の条件および紡糸速度等を前記の範囲内で適宜に制御すればよい。
【0045】
延伸は多段延伸が好ましく、1段目の延伸配分は全延伸配分の50〜80%の範囲が好ましく、この範囲を外れると毛羽、糸切れの発生頻度が高くなることもある。
【0046】
1段目の延伸に供する糸条温度を150℃以下とするのが好ましく、1段目の延伸に供する糸条温度が150℃を越えると、結晶化が進行し2段目以降の延伸が難しくなる。2段目以降の延伸、熱セット温度は150℃以上、更に好ましくは170℃以上であればよい。糸条の延伸に必要な熱を与える方法としては、ロール加熱、スチーム、熱液等の公知の手法が用いられる。
【0047】
延伸が完了した糸条は、必要に応じて弛緩処理を施すか、またはそのまま巻き取られる。
【0048】
上記したように、布帛の非通気性を高めるために好適な混繊マルチフィラメント糸を工業的に容易に製造するためには、2種類以上の異なる断面形状を有するフィラメントを含む混繊糸条を、紡糸時混繊させ、比較的低速(2000m/分以下)で紡糸し、延伸することが好適である。
【0049】
かくして得られた本発明のノンコートエアバッグ用原糸として好適な混繊マルチフィラメント糸は、ノンコートエアバッグ用基布の原糸として用いると、経糸と緯糸との交差する部分の隙間を大幅に塞ぐことができ、十分に高い非通気性を達成することができる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、実施例中の物性は次の様に測定した値である。
【0051】
A.強度(T): 試料を20℃、65%RHの温調室に24時間以上放置した後、(株)オリエンテック社製“テンシロン”引張試験機を用い、試長25cm、引取速度30cm/分でS−S曲線を求め、強度を算出する。
【0052】
B.ポリアミドの硫酸相対粘度(ηr): 試料1gを98%硫酸100mlに溶解し、オストワルド粘度計で25℃で測定する。
【0053】
C.ポリエステルの極限粘度(IV): 試料8gをオルソクロロフェノール100mlに溶解し、溶液粘度(η)をオストワルド粘度計を用いて25℃で測定し、次の近似式により極限粘度(IV)を算出する。
IV=0.0242η+0.2634
【0054】
D.沸騰水収縮率差(Δw): 混繊マルチフィラメント糸中から断面形状の同じ単糸を各々10本づつサンプリングして綛状試料とし、20℃、65%RHの温調室に24時間以上放置した後、試料に0.1g/dに相当する荷重をかけて長さL0 の測定する。次に、この試料を無緊張状態で沸騰水中で30分間処理した後、上記温調室で4時間放置し、再び上記荷重をかけて長さL1 を測定する。それら長さL0 、L1 から沸騰水収縮率wを次式により算出する。
w=[(L0 −L1 )/L0 ]×100 (%)
横断面形状の同じ試料10本の平均値をその試料の沸騰水収縮率w1 とし、他の横断面形状の試料についても同様に沸騰水収縮率w2 を求め、その差を沸騰水収縮率差(Δw)とする。
【0055】
E.150℃乾熱収縮率差(Δs): 前記と同様にサンプリングして綛状試料とし、20℃、65%RHの温調室に24時間以上放置した後、試料に0.1g/dに相当する荷重をかけて長さL0 を測定する。次に、この試料を無緊張状態で150℃のオーブン中に30分放置した後、オーブンから取出し、前記温調室で4時間放置し、再び上記荷重をかけて長さL1 を測定する。それら長さL0 、L1 から150℃乾熱収縮率sを次式により算出する。
s=(L0 −L1 )/L0 ×100 (%)
横断面形状の同じ試料10本の平均値をその試料の150℃乾熱収縮率s1 とし、他の横断面形状の試料についても同様に150℃乾熱収縮率s2 を求め、その差を150℃乾熱収縮率差(Δs)とする。
【0056】
F.布帛の柔軟性: JIS−L−1096(45°カンチレバー法)で測定した剛軟度で示す。
【0057】
G.布帛の非通気性: JIS・L1096・6.27A法により非通気度を測定し、以下の基準でもって表示する。
【0058】
非通気度が0.5cc/cm2 /sec未満の場合を、良好(○)、 0.5〜0.7cc/cm2 /secの場合を、やや不良(△)、 0.7cc/cm2 /sec以上を越える場合を、不良(×)とする。
【0059】
H.布帛の引張り強度: JIS・K6328(スリップ法)に準拠し、幅3cmの布帛試料で測定する。布帛の経方向について求めた値と布帛の緯方向について求めた値との平均値を引張り強度とする。
【0060】
I.布帛のカバーファクター(K): 織物構成密度と繊維糸条の繊度の平方根の積から下記式によって求められる値である。
K=Nw ×Dw 1/2 +NF ×DF 1/2
ここで、Nw :経糸密度(本/インチ)、 Dw :経糸繊度(デニール)、 NF :緯糸密度(本/インチ)、 DF :緯糸繊度(デニール)である。
【0061】
[実施例1〜4、比較例1〜4]
98%硫酸相対粘度が3.5で、酸化防止剤として燐を100ppm、銅を80ppm、および沃化カリウムを0.1重量%含有するナイロン66チップをエクストルーダー型紡糸機で溶融した。溶融ポリマを紡糸パック中で濾過した後、口金の紡糸孔より紡出した。口金は紡糸孔を72ホール有し、その紡糸孔は丸断面形状と片仮名のトの字形状をブロック配列していた。丸断面形状と片仮名のトの字形状の紡糸孔の数割合は表1の様に変更した。
【0062】
但し、比較例1は、紡糸口金の紡糸孔を丸断面形状と三角断面形状とにし、また、比較例4は、口金の紡糸孔の数を40ホールとした。
【0063】
紡出糸は口金直下に設置した、長さ30cm、温度300℃の徐冷ゾーンを通過させた後、ユニフロー型チムニーにより18℃の冷風を吹き付けて冷却固化し、油剤を付与した後、900m/分で回転する引取りロールで引取った。続いて、引取りロールと給糸ロールとの間で5%のストレッチをかけ、引取り糸の引き揃えを行った。
【0064】
次に、上記糸条を延伸工程に送り、連続して延伸熱処理した。その延伸熱処理は、2段熱延伸した後に熱セットする方法によって行い、その後に1段弛緩処理を行なって巻取った。引取りロールは非加熱、給糸ロールは40℃、第1延伸ロールは120℃の加熱、第2延伸ロールは220℃の加熱とし、熱セットロールは235℃の加熱とし、延伸後の弛緩ロールは150℃の加熱とした。
【0065】
延伸比率は1段目で全延伸倍率の75%の延伸を行い、残りを2段目で延伸し、弛緩率は8%とした。巻取り直前にインターレースを、交絡数で1m当り約40ケとなるようにかけて巻取った。
【0066】
得られた混繊マルチフィラメント糸(硫酸相対粘度3.5)は420デニール、72本で、それらの物性は表1に示すとおりであった。また、その中のト字形状の異形断面フィラメント糸の横断面は図1のとおりであった。
【0067】
この混繊マルチフィラメント糸を、経糸本数2100本の整経ビームとした後、津田駒(株)製WJLを用い、緯糸打込み速度1000m/分で製織した。 得られた生機を、60〜70℃で精練し、110℃で乾燥した後、180℃でヒートセットし、カバーファクター2000のノンコートエアバッグ用基布を得、柔軟性、非通気度、引張り強度の測定を行い、その結果も表1に示した。
【0068】
【表1】
Figure 0003543468
【0069】
表1に示すとおり、本発明の混繊マルチフィラメント糸では、柔軟性、非通気性及び引張り強度がともに優れたエアバッグ用基布が得られた。
これに対し、比較例1はフィラメント糸間の収縮差が小さ過ぎたので、また、比較例2は、混繊割合が本発明外であって混繊効果が不十分であったので、いずれも、非通気性を高めることができなかった。比較例3は、混繊割合が本発明外で強度が低すぎたので、引張り強度が劣っていた。また、比較例4は、単糸繊度が太過ぎたので、柔軟性が劣っていた。
【0070】
[実施例5〜8、比較例5〜6]
極限粘度1.2、チップ水分率0.002%以下のポリエチレンテレフタレートをエクストルーダー型紡糸機で溶融した。溶融ポリマを紡糸パック中で濾過した後、口金の紡糸孔より紡出した。口金は紡糸孔を144ホール有し、その紡糸孔は丸断面形状と片仮名のトの字形状をブロック配列したものであった。丸断面形状と片仮名のトの字形状の紡糸孔の割合は表2の様に変更した。
【0071】
紡出糸は口金直下に設置した、長さ30cm、温度300℃の徐冷ゾーンを通過させた後、ユニフロー型チムニーにより18℃の冷風を吹き付けて冷却固化し、油剤を付与した後、900m/分で回転する引取りロールで引取った。続いて、引取りロールと給糸ロールとの間で、5%のストレッチをかけて引取り糸の引き揃えを行った。
【0072】
次に、上記糸条を延伸工程に送り、連続して延伸熱処理した。その延伸熱処理は2段熱延伸した後に1段弛緩処理する方法により行なった。引取りロールは非加熱、給糸ロールは60℃、第1延伸ロールは110℃の加熱、第2延伸ロールは230℃の加熱とし、延伸後の弛緩ロールは室温とした。
【0073】
延伸倍率は1段目を3.56倍、2段目を1.25とし、弛緩率は4%とした。巻取り直前にインターレースを、交絡数で1m当り約50ケとなるようにかけて巻取った。
【0074】
上記の方法で得られた混繊マルチフィラメント糸(極限粘度1.0)は、420デニール、144filで、それらの物性は表2に示すとおりであった。
この混繊マルチフィラメント糸を、経糸本数2100本の整経ビームとし、津田駒(株)製WJLを用い、緯糸打込み速度1000m/分で製織した。
【0075】
得られた生機を、60℃での精練工程を経た後に乾燥し、180℃でヒートセットし、ノンコートエアバッグ用基布を得、柔軟性、非通気度及び引張り強度の測定を行い、その結果も表2に示した。
【0076】
【表2】
Figure 0003543468
【0077】
表2に示すとおり、本発明の混繊マルチフィラメント糸では、柔軟性、非通気性及び引張り強度がともに優れたエアバッグ用基布が得られた。
これに対し、比較例5は混繊割合が本発明外であって混繊効果が不十分であったので、非通気性を高めることができなかった。また、比較例6は、混繊割合が本発明外で強度が低すぎたので、引張り強度が劣っていた。
【0078】
【発明の効果】
本発明で用いる混繊マルチフィラメント糸は、高強度、柔軟性及び適度の嵩高性を有し、該混繊マルチフィラメント糸からノンコートエアバッグ用基布を製織すると、製織工程等において、マルチフィラメント糸内でのフィラメントの最密充填化が妨げられ、繊維束全体として適度の体積空間を維持できるので、ノンコートエアバッグ用基布の経糸と緯糸との交差する部分の隙間を大幅に減少させることができ、非通気性を大幅に向上できる。しかも、これにより、非通気性を高めるための後加工を不要とすることができ、エアバッグ製造の低価格化を図ることができる。
【0079】
さらに、非通気性を高めても、エアバッグ用基布に要求される柔軟性や機械的特性を悪化させることがてないので、柔軟性、収納性、機械的特性及び非通気性がともに優れたエアバッグ用基布が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる、単糸横断面形状に凹部を有する異形断面フィラメントの一実施態様を示す繊維横断面図である。

Claims (6)

  1. 異なる単糸断面形状を有する2種類以上のフィラメント糸から構成される混繊マルチフィラメント糸であって、強度が6.5g/d以上、糸条繊度が200デニール以上、単糸繊度が10デニール以下であり、単糸断面形状の異なるフィラメント糸のうちの1種の単糸数割合が30〜80%であり、かつ、単糸断面形状の異なるフィラメント糸の沸騰水収縮率差及び/又は150℃乾熱収縮率差が3.0%以上である高強度マルチフィラメント糸を製編織してなる、非通気度が0.5cc/cm 2 /sec未満であることを特徴とするノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛
  2. 高強度マルチフィラメント糸が、異なる単糸断面形状を有する2種類以上のフィラメント糸が、丸断面形状フィラメント糸及び単糸横断面形状に凹部を有する異形断面フィラメント糸を含むことを特徴とする請求項1記載のノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛
  3. 高強度マルチフィラメント糸が、マルチフィラメント糸中における丸断面形状フィラメント糸の糸本数割合が35〜80%であることを特徴とする請求項記載のノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛
  4. 高強度マルチフィラメント糸が、異形断面フィラメント糸の繊維横断面形状が左右非対称であることを特徴とする請求項又は記載のノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛
  5. 高強度マルチフィラメント糸が、極限粘度が0.8以上のポリエステル系フィラメント及び/又は硫酸相対粘度が2.6以上のポリアミド系フィラメントからなることを特徴とする請求項1、2、3記載のノンコートエアバッグ用非通気性高強度布帛
  6. 孔形状が異なる2種類以上の紡糸孔を有する溶融紡糸口金から高粘度ポリマを溶融紡糸し、冷却、引取る紡糸時混繊の方法により、異なる単糸断面形状を有する2種類以上のフィラメント糸から構成される混繊マルチフィラメント糸であって、強度が6.5g/d以上、糸条繊度が200デニール以上、単糸繊度が10デニール以下であり、単糸断面形状の異なるフィラメント糸のうちの1種の単糸数割合が30〜80%であり、かつ、単糸断面形状の異なるフィラメント糸の沸騰水収縮率差及び/又は150℃乾熱収縮率差が3.0%以上であるノンコートエアバッグ用高強度マルチフィラメント糸を製造することを特徴とするノンコートエアバッグ用高強度マルチフィラメント糸の製造方法。
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