JP3542499B2 - 自動改札機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動改札機に係り、特に、一人の利用者に対して複数枚の乗車券類を処理することのできる自動改札機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、一人の利用者(旅客)が所持する特急券と普通券、あるいは、降車券と前途券のように、複数枚の乗車券類を処理できる自動改札機が普及してきている。
【0003】
また、近年、利用者の利便の向上を図るために、SFカード(ストアードフェアカード)を、直接、自動改札機の本体(以下、「本体」という)に投入して入出場できる自動改札機が提案されている。したがって、上述の複数枚対応型の本体に乗越しの乗車券類とSFカードとを投入すれば、SFカードから乗越料金を精算処理できるという特長がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記複数枚対応型の本体にSFカードを投入して、単に精算処理を行ったときは、その本体の設置駅が、一旦、出場して乗継ぎをしなければならない乗継駅の場合、利用者が乗継割引の適用が受けられず、サービス低下を招くおそれがあった。
【0005】
図4の路線図を基にさらに説明すると、この路線においては、甲社線と乙社線とが2ラッチのC駅で乗継可能となっており、しかも、両社線間で共通して使用できるSFカード(共通SFカード)が採用されている。また、乗継駅のC駅を中心とした所定区間(図4では、甲社線のB駅と乙社線のD駅の区間)は、それぞれの社線を単独で乗車券を購入したときの乗車料金(甲社線のB駅からC駅までは100円、乙社線のC駅からD駅までは150円(計250円)))よりも、B駅からD駅までの乗継乗車券を購入したときの方が割安(200円)となる乗継割引が適用されるように運用されている。
【0006】
上述の路線において、利用者が甲社線のA駅の本体G1 にA駅からB駅まで有効な定期券▲1▼を投入して入場し、甲社線のC駅の複数枚対応型の本体aに乗越した定期券▲1▼と共通SFカード▲2▼を投入すると、共通SFカード▲2▼からは、B駅からC駅の精算料金(図4の例では100円)が減額処理される。そして、利用者が乙社線のC駅の本体G2 に共通SFカード▲1▼を投入すると、その共通SFカード▲2▼には乗継割引を適用する旨のデータが記録されていないので、乙社線の初乗運賃が減額処理されて返却される。
【0007】
C駅で乗継いだ上述の利用者が乙社線のD駅の本体G3 に共通SFカード▲2▼を投入すると、共通SFカード▲2▼からは、初乗運賃を減額したC駅からD駅までの乗車料金(図4の例では150円から初乗運賃を減額した料金)を満たす精算料金が減額処理されて返却される。すなわち、共通SFカード▲2▼からは、甲社線のB駅からC駅までの乗車料金(100円)と乙社線のC駅からD駅までの乗車料金(150円)が減額処理され、乗継割引の恩恵を受けられないという不都合が生じる。このような不都合は、自社線の一方の路線から他方の路線へ2ラッチの乗継駅を介して乗継ぐ場合も生じる。
【0008】
そこで、本発明は、上記欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、乗越乗車券の精算にSFカードが使用されたときに、そのSFカードに精算起点駅から本体の設置駅までの乗車券情報を記憶できるようにした自動改札機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る自動改札機は、上記目的を達成するために、自社線と他社線との乗継駅のその乗継駅のその自社線の出場用の自動改札機であって、本体に投入された乗越乗車券及びその乗越乗車券の不足分を支払うことのできるSFカードに記録されているデータを読取る読取手段と、読取られたデータ中から前記乗越乗車券の精算起点駅を抽出する抽出手段と、抽出された精算起点駅から前記本体の設置駅までの精算料金を前記SFカードから減額処理するとともに、そのSFカードにその精算起点駅を前記自社線から他社線へ乗継するときの乗継割引の基礎となる入場駅として記録し、さらに、その設置駅を出場駅として記録する制御手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本体aのカードハンドラA部分の概略構成図であって、この本体aは、複数枚(図1では定期券▲1▼と共通SFカード▲2▼の2枚)のSFカードを積層して一括投入できるように構成されている。なお、この本体aは、普通乗車券や定期券等の乗車券類、又はSFカードのみでも処理できるが、ここでは、定期券▲1▼と共通SFカード▲2▼の2枚が用いられたときについて説明する。
【0011】
本体aの定期券▲1▼及び共通SFカード▲2▼を投入する投入口1及び利用者へそれらを返却する排出口2間には、モータMにより駆動される乗車券の搬送路Lが設けられている。この搬送路Lには、投入口1から排出口2にかけて、投入口1に積層して一括挿入された定期券▲1▼及び共通SFカード▲2▼をモータmによって駆動される上下一対の送りローラの周速を変化させて1枚ずつに分離する分離部3と、分離された定期券▲1▼又は共通SFカード▲2▼の姿勢を搬送しながら整える整列部4と、それらに記録されているデータを読取るための読取ヘッドH1 ,H1 ′(このH1 ′は裏面投入用)と、定期券▲1▼及び共通SFカード▲2▼をプール部Pに導く図示しないソレノイドで駆動されるウィングW1 と、演算処理によって得られた新たなデータを書込むための書込ヘッドH2 と、その書込まれたデータをチェックするためのベリファイヘッドH3 と、共通SFカード▲2▼に必要に応じて使用状態のパンチ孔をあけるパンチングユニット、及びその共通SFカード▲2▼に必要に応じて入場駅名、使用日、残額などの所定の内容を印字する印字ユニットからなるパンチ・印字部5と、排出口2から定期券▲1▼及び共通SFカード▲2▼を積層して返却するための図示しないソレノイドで駆動されるストッパS1 を含んで構成される積層部6とが設けられている。
【0012】
プール部Pは、読取ヘッドH1 ′と書込ヘッドH2 との間に設けられていて、ウィングW1 によって導入された定期券▲1▼又は共通SFカード▲2▼が裏面を上にして投入口1に投入されたときにスイッチバック方式で反転させる反転機構7と、定期券▲1▼及び共通SFカード▲2▼を個別に一時保留できるようにストッパS2 ,S3 をそれぞれ有して構成される多段の保持機構P1 ,P2 とにより構成されている。なお、プール部PのW2 は、反転の必要な定期券▲1▼又は共通SFカード▲2▼を反転機構7に導くウィングであり、W3 は定期券▲1▼又は共通SFカード▲2▼を上段の保持機構P1 に導くウィングである。そして、これらウィングW2 ,W3 及び各保持機構P1 ,P2 の各ストッパS2 ,S3 は、図示しないソレノイドにより駆動制御されるように構成されている。
【0013】
図中Cは、本体aを統括的に制御するマイクロコンピュータを中心に構成される制御器であり、周知の自動改札機と同様に、磁気ヘッドH1 (又はH1 ′)で読取られたデータを基に入出場用の演算処理を行い、その演算結果により入出場の判定を行うように構成されている。
【0014】
すなわち、この制御器Cは、図2に示されるように、ROM10に格納されているシステムプログラム及びRAM11に格納されているワーキングデータを用いて入出場の演算処理を行う中央処理部(CPU)12を有している。
【0015】
このCPU12は、I/Oユニット13を介して各磁気ヘッドH1 ,H1 ′,H2 ,H3 を駆動制御するリードライトドライバ14と、パンチ・印字部5と、各ウィングW1 ,W2 ,W3 及び各ストッパS1 ,S2 ,S3 を駆動制御するソレノイドドライバ15と、図示しないドアを開閉駆動するドア駆動ユニット16と、図示しない表示画面及びスピーカを介して利用者へ所定の案内を行う案内ユニット17とを接続している。なお、I/Oユニット13には、モータM,mのドライバや人間検知器のアンプ等も接続されているが、ここでは省略されている。
【0016】
次に、図3のフローチャートを用いて本体aが図4の甲社線(本願発明の自社線に相当する。)のC駅に設置されているときの制御動作について説明する。またここでは、利用者は、図4に示されるように、甲社線のA駅からB駅までの定期券▲1▼と、甲社線及び乙社線(本願発明の他社線に相当する。)で使用できる共通SFカード▲2▼を所持しているものとする。
【0017】
今、利用者が甲社線のA駅の本体G1 にA駅からB駅まで有効な定期券▲1▼を投入して入場し、C駅で下車して、そのC駅に設置されている複数枚対応型の本体aに乗越した定期券▲1▼と共通SFカード▲2▼を投入すると(ステップ100肯定。以下、ステップを「S」とする。)、リードライトユニット14を介して定期券▲1▼及び共通SFカード▲2▼に記録されているデータが読取られる(S102)。
【0018】
すなわち、本体a内では、先に定期券▲1▼が読取られたとき、この定期券▲1▼は乗越乗車券であるので、プール部Pに保持されてSFカード▲2▼の読取待ちとなり、また、先に共通SFカード▲2▼が読取られたとき、そのSFカード▲2▼には、入場データが記録されていないので、プール部Pに保持されて定期券▲1▼の読取待ちとなる。
【0019】
読取られたデータを基にしたCPU12の演算処理により、定期券▲1▼の乗車区間(A駅−B駅)が抽出され、B駅が乗越精算処理の精算起点駅とされる(S102、S104)。したがって、その精算起点駅(B駅)から出場駅(甲社線のC駅)までの精算料金が算出可能となり、その料金(100円)が算出される(S106)。
【0020】
算出された精算料金(100円)が共通SFカード▲2▼から減額されるとともに、その共通SFカード▲2▼には、精算起点駅(B駅)を入場駅として、本体aの設置駅(甲社線のC駅)を出場駅とした乗車券情報が記録される。そして、その共通SFカード▲2▼は、定期券▲1▼とともに排出口2に排出されて返却される(S108、S110)。
【0021】
なお、図3では省略されているが、返却される定期券▲1▼には、出場駅(甲社線のC駅)で出場した旨のデータが記録されて返却される。したがって、定期券▲1▼の次回の使用に不都合が生じることがない。
【0022】
利用者がC駅において乙社線に乗継ぐときには、そのC駅の乙社線用の本体G2 に共通SFカード▲2▼が投入される。本体G2 では、投入された共通SFカード▲2▼に記録されている乗車券情報(甲社線のB駅の入場駅及び甲社線のC駅の出場駅の情報)に基づいて乗継割引適用が判定され、その判定に基づいて所定の割引運賃(例えば1割引運賃)を減額して返却する。
【0023】
利用者が乙社線のD駅から出場するときは、共通SFカード▲2▼がそのD駅に設置されている本体G3 に投入される。この本体G3 では、投入された共通SFカード▲2▼に記録されている乗車券情報(甲社線のB駅の入場駅,甲社線のC駅の出場駅,乙社線のC駅の入場駅、及び乙社線のC駅入場時の減額の各情報)に基づいて出場処理が行われる。もし、D駅からの出場がC駅入場時に減額された料金に不足が生じたり、あるいは、そのD駅が乗継乗車区間外に当たるときは、不足する料金が減額処理されて返却される。また、D駅に自動改札機が設置されていないときは、係員窓口により、共通SFカード▲2▼に記録されている乗車券情報を基に精算処理が行われる。
【0024】
なお、共通SFカード▲2▼による乗継乗車が行われたときの甲社線及び乙社線側の乗車料金の分配は、後に社々間精算により処理される。さらに、上述の例では、乗継乗車に不足する乗車券類として定期券▲1▼を示したが、普通乗車券や回数券等の他の乗車券類であってもよいことはもちろんである。また、上述の例では、C駅において他社線(乙社線)に乗継ぐ場合を示したが、自社線の他の路線に乗継ぐ場合であってもよい。
【0025】
上述のように、本発明において、D駅においては、B駅を基準に乗車料金を算出することができるので、出場の際、乗継割引の対象となるときは、その乗継割引を受けることが可能となり、利用者サービスを向上させることができる。また、本発明では、甲社線のC駅において、定期券▲1▼を精算原券とした精算収入を、甲社線のB駅からC駅まで乗車券を購入して乗車したと同様に取扱って改札収入として計上でき、その後の集計処理を簡素化することができる。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る自動改札機は、自社線と他社線との乗継駅のその乗継駅のその自社線の出場用の自動改札機であって、本体に投入された乗越乗車券及びその乗越乗車券の不足分を支払うことのできるSFカードに記録されているデータを読取る読取手段と、読取られたデータ中から前記乗越乗車券の精算起点駅を抽出する抽出手段と、抽出された精算起点駅から前記本体の設置駅までの精算料金を前記SFカードから減額処理するとともに、そのSFカードにその精算起点駅を前記自社線から他社線へ乗継するときの乗継割引の基礎となる入場駅として記録し、さらに、その設置駅を出場駅として記録する制御手段とからなるので、後にそのSFカードが乗継割引の対象となる区間で使用されたときは、その乗継割引を受けることが可能となり、利用者サービスを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る自動改札機のカードハンドラ部分の概略構成図である。
【図2】制御器のブロック図である。
【図3】制御動作を示すフローチャートである。
【図4】路線図である。
【符号の説明】
1 投入口
2 排出口
3 分離部
4 整列部
5 パンチ・印字部
6 積層部
7 反転機構
P プール部
S1 〜S3 ストッパ
H1 ,H1 ′ 読取ヘッド
H2 書込ヘッド
H3 ベリファイヘッド
L 搬送路
C 制御器
M モータ
a 自動改札機の本体(本体)
A カードハンドラ
▲1▼ 定期券(乗越乗車券)
▲2▼ SFカード(共通SFカード)
Claims (1)
- 自社線と他社線との乗継駅のその乗継駅のその自社線の出場用の自動改札機であって、
自動改札機の本体に投入された乗越乗車券及びその乗越乗車券の不足分を支払うことのできるSFカードに記録されているデータを読取る読取手段と、
読取られたデータ中から前記乗越乗車券の精算起点駅を抽出する抽出手段と、 抽出された精算起点駅から前記自動改札機の本体の設置駅までの精算料金を前記SFカードから減額処理するとともに、そのSFカードにその精算起点駅を前記自社線から他社線へ乗継するときの乗継割引の基礎となる入場駅として記録し、さらに、その設置駅を出場駅として記録する制御手段と、
を有することを特徴とする自動改札機。
Priority Applications (1)
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Family Applications (1)
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1998
- 1998-06-15 JP JP16651298A patent/JP3542499B2/ja not_active Expired - Fee Related
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