JP3542187B2 - カメラ用フォーカルプレンシャッタのバウンド防止機構 - Google Patents

カメラ用フォーカルプレンシャッタのバウンド防止機構 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、カメラ用フォーカルプレンシャッタにおけるチャージ部材のバウンド防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のカメラ用フォーカルプレンシャッタには先羽根用の駆動部材と後羽根用の駆動部材とが設けられ、撮影時にはそれらの駆動部材を所定のタイミングで順次作動させ、先・後羽根をアパーチャ内で走行させることによってフィルムに被写体光を露光させる。そして、撮影終了後、次の撮影に先立ってシャッタのチャージ操作が行われる。このチャージ操作はフィルムの巻き上げに連動して行われ、チャージ部材をバネによる付勢力に抗して作動させ、先羽根用の駆動部材と後羽根用の駆動部材とを介して先・後羽根をチャージ位置にセットする。
【0003】
このチャージ操作は、通常の場合、一つのチャージ部材によって行われるが、チャージ部材と各駆動部材との間に他の部材を介在させることもある。また先羽根用の駆動部材と後羽根用の駆動部材とを別々のチャージ部材によってセットするようにしたものもある。このようなチャージ操作はカメラ本体側の部材によって行われるが、この部材は、カメラの仕様によって、チャージ操作後もその位置に止まり、次の撮影時にカメラのレリーズによって復帰するようにしたものと、チャージ操作後に直ちに復帰するようにしたものとがある。従って、チャージ部材も該部材の復帰作動に追従して、該バネの付勢力によって原位置に復帰し、ストッパに当接した状態を該バネの付勢力によって維持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、上記のようにしてチャージ部材が原位置へ復帰する際、チャージ部材は原位置で直ちに停止せず、ストッパに当接してバウンドし、所定の時間後に完全に停止する。従って、チャージ部材がバウンドしている間に、先羽根用の駆動部材が作動すると、作動してきた先羽根用の駆動部材がチャージ部材又はそれに連動する部材に衝突することがあり、それによって先羽根の走行に支障を来すという問題があった。このような問題点は多かれ少なかれ先羽根のみならず後羽根についても言えることである。
【0005】
また、このような問題を生じないようにするためには、バウンドが完全に収まってから先羽根用の駆動部材の作動が開始するように、予め所定の時間間隔を設けるようにすればよいが、その場合にはカメラのレリーズボタンを押してから先羽根用の駆動部材の作動が開始するまでの時間が長くなり、シャッタチャンスを逸する可能性が生じると共に、最近特にニーズが高くなっている連続撮影には極めて不適当なものとなってしまう。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、チャージ操作完了位置からバネの付勢力によって原位置へ復帰作動するチャージ部材に、少なくとも該原位置近傍で接触するバウンド防止部材を設け、該原位置におけるチャージ部材のバウンドを防止するようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタのバウンド防止機構を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、先羽根を開閉作動させる先羽根駆動部材と、後羽根を開閉作動させる後羽根駆動部材と、アパーチャを有し前記先羽根駆動部材と前記後羽根駆動部材とを枢着しているシャッタ地板と、バネによる付勢力に抗して原位置から往動され少なくとも前記先羽根駆動部材をチャージ位置にセットすると共に前記先羽根駆動部材の露光作動開始前に該バネによって原位置に復動するチャージ部材と、復動時に原位置で前記チャージ部材が当接するストッパと、所定の間隔を空けて前記シャッタ地板に取り付けられた上地板と、前記上地板に取り付けられ復動時に前記チャージ部材が原位置からバウンドするのを抑止するバウンド防止部材とを備えている。
【0008】
また、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、好ましくは、前記バウンド防止部材が板バネで構成され、且つ前記チャージ部材の原位置への復帰信号を発する電気接点として構成されている。
【0009】
【作用】
先羽根駆動部材の露光作動に先立ってチャージ部材はバネによる付勢力によって原位置へ復帰作動を行う。チャージ部材は、少なくとも原位置の近傍まで来るとバウンド防止部材に接触して制動され、原位置でストッパに当接してもバウンドすることなく停止する。従って、その後、先羽根駆動部材が作動しても、先羽根駆動部材がバウンド中のチャージ部材又はそれに連動する部材に衝突するようなことはない。
【0010】
また、バウンド防止部材を板ばねで構成し、それに凸部を形成した場合には、バウンド防止効果を一層高めることができる。更に、バウンド防止部材を板ばねで構成し、それを電気接点とした場合には、チャージ部材が接触した時をチャージ部材の停止信号として利用することができ、その信号によってシャッタをレリーズするようにすることができるので、更に効果的となる。
【0011】
【実施例】
本発明の実施例を図1乃至図9を用いて説明する。図1は本実施例のバウンド防止機構を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタの部分正面図である。図2は図1から上地板を取り外した状態を示す正面図であり、各部材は撮影終了状態にある。図3はシャッタ羽根の露光走行に先立ってチャージ部材が原位置に復帰した状態を示す正面図である。図4は図3の状態からチャージ部材を取り外した状態を示す正面図であり、図5は更に図4の状態から数種の部材を取り外した状態を示す正面図である。図6は本実施例のチャージ機構を示す説明図である。図7はバウンド防止機構の平面図であり、図8はバウンド防止機構の分解斜視図であり、図9はバウンド防止機構の機能説明図である。
【0012】
先ず構成の説明をする。図1においてシャッタ地板1の背面には図示していないカバー板との間に周知のようにシャッタ羽根群が配置されている。図1は撮影終了後であって且つチャージ前の状態を示しているため、5枚構成の後羽根群2が展開状態にあってアパーチャ1aを覆っており、先羽根群はアパーチャ1aの下側に畳まれている。先羽根群と後羽根群2との間には、周知の中間板が配置され、また先羽根群を中間板とで挟むようにして周知のカバー板が配置されている。シャッタ地板1の上部には、シャッタ地板1と上記したカバー板との間から漏光するのを防止するために、遮光部材Aが配置されている。
【0013】
この遮光部材Aは断面が略コ字状をしており、シャッタ地板1の背部で上記カバー板に取り付けられていると共に、シャッタ地板1の前面で、シャッタ地板1に形成されている肉薄部1bを、自己のバネ性によって挟み込むようにしている。アパーチャ1aの左側にはシャッタ開閉機構が取り付けられている。シャッタ開閉機構は、大別してシャッタ駆動機構とシャッタ制御機構とに分けることができるが、図1においては、主に上地板3とシャッタ地板1との間にシャッタ駆動機構が、また上地板3の上面(図の表面側)にシャッタ制御機構が配置されている。
【0014】
シャッタ制御機構は、先羽根群と後羽根群との作動開始を所定のタイミングで行わせるものであり、通常、先羽根群用と後羽根群用との二つの電磁石が用いられている。図1の場合、明示していないが、そのような電磁石とプリント配線板4が2本のビス5によって上地板3に取り付けられている。また、電磁石の制御によってシャッタ駆動機構をレリーズする鉄片レバーの押え板6が2本のビス7によって上地板3に取り付けられている。更に、プリント配線板4と押え板6の上から電磁石を包むようにして、薄い防塵板8が押え板6の係合部6aに自己の弾性を利用して取り付けられている。シャッタ制御機構は本発明とは直接関係がないので、これ以上の説明は省略するが、このような制御機構をその上面に取り付けている上地板3を取り外した状態が図2及び図3に示されている。
【0015】
次に、主に図2乃至図6を用いてシャッタ駆動機構の構成を説明する。上記した上地板3はシャッタ地板1に植設された軸9,10,11にビス止めされるようになっている。そのうち、軸9に止めるビス12だけが図1に示されている。チャージ部材13は、シャッタ地板1に植設された軸14に枢着されており、バネ15によって左旋習性が与えられているが、その左旋は軸10に取り付けられた緩衝部材10aに当接して停止される。このチャージ部材13には二つのローラー13a,13bが取り付けられており、また、かしめによって背面側に植設された軸13cには連結板16が枢着されている。また、チャージ部材13には図示していないホールド部材の操作用のピン13dが設けられている。
【0016】
羽根セット部材17は、シャッタ地板1に植設された軸11に枢着されており、その一部が連結板16の軸16aに回転可能に取り付けられ、またローラー17aを取り付けている。先羽根駆動部材18は、シャッタ地板1に植設された軸19に枢着されており、この軸19に巻回されている図示していないコイルバネによって右旋習性が与えられている。先羽根駆動部材18には二つのローラー18a,18bが取り付けられており、また係合部18cを有すると共に背面側に駆動ピン18dを植設している。この駆動ピン18dは、シャッタ地板1に形成された円弧状の孔1cを貫通してシャッタ地板1の背面に配置された図示していない先羽根群に連結され、アパーチャ1aの開閉作動を行わせるが、その構成は周知であるので、詳しい図示説明は省略する。
【0017】
後羽根群に開閉作動を行わせるための後羽根駆動部材は、先羽根駆動部材18と同じように一部品とすることが一般的には多いが、本実施例においてはこれを二部品で構成している。第1後羽根駆動部材20と第2後羽根駆動部材21とはシャッタ地板1に植設された軸22に枢着されている。第1後羽根駆動部材20は軸22に巻回されている図示していないコイルバネによって右旋習性が与えられており、ローラー20aを取り付けていると共に、係合部20b,当接部20cを形成している。
【0018】
第2後羽根駆動部材21にはピン21aが植設され、背面側には駆動ピン21bを植設している。この駆動ピン21bは、シャッタ地板1に形成された円弧状の孔1dを貫通してシャッタ地板1の背面に配置された後羽根群2に連結され、アパーチャ1aの開閉作動を行わせるが、その構成は周知であるので、詳しい図示説明は省略する。第1後羽根駆動部材20と第2後羽根駆動部材21との間には、当接部20cとピン21aとが当接するように図示していないバネが掛けられている。
【0019】
先羽根係止部材23は、シャッタ地板1に植設された軸24に枢着されており、図示していないバネにより左旋習性が与えられている。この先羽根係止部材23には係止部23aが形成されており、チャージ位置において先羽根駆動部材18の係合部18cと係合するようになされている。後羽根係止部材25は、シャッタ地板1に植設された軸26に枢着されており、図示していないバネにより右旋習性が与えられている。この後羽根係止部材25には係止部25aが形成されており、チャージ位置において第1後羽根駆動部材20の係合部20bと係合するようになされている。
【0020】
先羽根ブレーキ部材27は、シャッタ地板1に植設された軸28に枢着されており、図示していないバネにより右旋習性が与えられているが、その右旋はシャッタ地板1に設けられたストッパ29によって停止される。また、この先羽根ブレーキ部材27には、腕部27a,当接部27bが形成されている。更に、先羽根ブレーキ部材27は軸28の周辺部において、板バネ30によって該軸28の軸方向へ押されている。
【0021】
後羽根ブレーキ部材31は、シャッタ地板1に植設された軸32に枢着されており、図示していないバネにより右旋習性が与えられているが、その右旋はシャッタ地板1に植設された軸33に取り付けられた緩衝部材33aによって停止される。また、この後羽根ブレーキ部材31には、腕部31a,当接部31bが形成されている。更に、後羽根ブレーキ部材31は軸32の周辺部において、板バネ34によって該軸32の軸方向へ押されている。この軸32には、更に後羽根スイッチ部材35が枢着されており、図示していないバネにより左旋習性が与えられている。また、この後羽根スイッチ部材35には、緩衝部材33aとの当接部35a,35b、第2後羽根駆動部材21のピン21aとの当接部35c、図示していないスイッチ操作用の折曲部35dが形成されている。
【0022】
最後に、チャージ部材13のバウンド防止機構の構成について説明する。図1に示すように、上地板3の張出部3aに導電性の板バネ36が取り付けられている。その取り付け構成は図7乃至図9に明示されているように、張出部3aと板バネ36の夫々の孔に合成樹脂製の絶縁部材37の一部を挿入し、溶着している。板バネ36の自由端近傍には折り曲げによって凸部36aが形成され、また、絶縁部材37への取り付け部の近傍にはリード線38が半田付けされている。
【0023】
次に、本実施例の作動を説明する。先ず、チャージ作動から説明する。チャージ部材13は、フィルムの巻き上げに連動して、図2において図示していない部材によってローラー13aを押され、バネ15に抗して右旋させられる。この右旋により、チャージ部材13は板バネ36を撓ませ、その凸部36aを乗り越えると共に、ピン13dが図示していないホールド部材を押し、鉄片レバーを電磁石に接近させて行く。他方、チャージ部材13が右旋されると、連結板16を介して連結されている羽根セット部材17も右旋し、ローラー17aによってローラー18aを押し、先羽根駆動部材18を図示していないバネに抗して左旋させて行く。また、これと略同時期に、チャージ部材13のローラー13bによってローラー20aが押され、第1後羽根駆動部材20を図示していないバネに抗して左旋させて行く。
【0024】
先羽根駆動部材18はその左旋過程で、駆動ピン18dによって、それまでアパーチャ1aの下部外側に畳まれていた先羽根群をアパーチャ1a内に展開させていくと同時に、ローラー18bによって先羽根ブレーキ部材27の腕部27aを押し、板バネ30の摩擦抵抗に打ち勝って先羽根ブレーキ部材27を右旋させていく。他方、第1後羽根駆動部材20の左旋により、第2後羽根駆動部材21も追従しようとするが、ピン21bが後羽根ブレーキ部材31の腕部31aの側面に接しており且つ後羽根ブレーキ部材31には板バネ34による接触抵抗が掛かっているため、直ちには追従できず、先羽根群が展開作動を行っているにもかかわらず後羽根群2は展開状態のままでいる。
【0025】
先羽根駆動部材18が更に左旋し先羽根群がアパーチャ1aを完全に覆う位置まで達すると、第1後羽根駆動部材20と第2後羽根駆動部材21との間に掛けられている図示していないバネの力が所定の大きさとなり、第2後羽根駆動部材21は急速に左旋し、駆動ピン21bによって後羽根群2は上方へ作動され、アパーチャ1aの上部外側に畳まれる。その段階で、後羽根ブレーキ部材31は緩衝部材33aに当接するまで右旋し、後羽根スイッチ部材35はその当接部35aが緩衝部材33aに当接するまで左旋する。先羽根駆動部材18と第1後羽根駆動部材20とは更に左旋され、夫々の係合部18c,20bが先羽根係止部材23,後羽根係止部材25の係止部23a,25aに係止される。
【0026】
その後、上記した図示していないカメラ本対側の部材が復帰作動を行うので、その作動に追従して、チャージ部材13はバネ15によって急速に左旋し、図9(a)の状態から図9(b)の状態を経て原位置である図9(c)の位置まで復帰作動を行う。その過程で、カメラ本体にアースされているチャージ部材13が板バネ36の凸部36aに接触すると、その信号が露光制御回路に与えられると共に、板バネ36の弾性によってチャージ部材13の復帰作動に制動が加えられる。その後、チャージ部材13は図9(c)の状態に達するが、この時には既に十分に制動されているので、緩衝部材10aに当接してもバウンドするだけの力がなく、仮にバウンドしようとしても板バネ36の凸部36aによって十分に原位置に抑止される。従って、場合によっては緩衝部材10aを設けず、直接、軸10に当接させるようにすることも可能である。このようにして、チャージ作動が終了し、チャージ部材13が原位置に復帰した状態が図3に示されている。
【0027】
次に、本実施例のレリーズ作動を、連続撮影を行う場合で説明する。カメラのレリーズボタンが押されると、先ず電源スイッチが閉じ、図示していない電磁石に通電して鉄片レバーを吸着させてからホールド部材を鉄片レバーから退避させる。その後、露光制御回路によって、先ず、先羽根制御用の電磁石が消磁される。従って、該鉄片レバーが自己の習性によって作動し、先羽根係止部材23を図示していないバネに抗して右旋させる。そのため、先羽根駆動部材18の係止が外れ、先羽根駆動部材18は急速に右旋し、駆動ピン18dによって先羽根群を、アパーチャ1aを覆っている展開位置から下方へ走行させ、フィルムを露光させる。
【0028】
先羽根駆動部材18は、その右旋の最終段階で駆動ピン18dが先羽根ブレーキ部材27の当接部27bに当接し、該ブレーキ部材27を左旋させる。この時、先羽根駆動部材18は、先羽根ブレーキ部材27に張られたバネに抗し且つ板バネ30による摩擦抵抗に抗して先羽根ブレーキ部材27を動かすことになるので、その作動に大きな制動を受けることになり、実質的に有害なバウンドを行うことなく、最終位置に停止する。上記したようにチャージ部材13の原位置への復帰により、羽根セット部材17も原位置で既に静止しているので、先羽根駆動部材18は、その最終位置に達するまでに、ローラー18aがローラー17aに衝突するようなことは全くなく、先羽根群の走行には一切影響を及ぼさない。
【0029】
他方、先羽根駆動部材18が右旋を開始してから所定時間後に後羽根制御用の電磁石が消磁される。そのため、続いて後羽根用の鉄片レバーが自己の習性によって作動し、後羽根係止部材25を図示していないバネに抗して左旋させる。従って、第1後羽根駆動部材20は第2後羽根駆動部材21を伴って急速に右旋し、第2後羽根駆動部材21の駆動ピン21bによって後羽根群2を走行させ、アパーチャ1aを覆っていく。
【0030】
第2後羽根駆動部材21は、その右旋の最終段階で駆動ピン21bが後羽根ブレーキ部材31の当接部31bに当接し、該ブレーキ部材31を左旋させる。この時、第2後羽根駆動部材21は、後羽根ブレーキ部材31に張られたバネに抗し且つ板バネ34による摩擦抵抗に抗して後羽根ブレーキ部材31を動かすことになるので、その作動に大きな制動を受けることになり、実質的に有害なバウンドを行うことなく、最終位置に停止する。
【0031】
また、この時、ピン21aが当接部35cを押して後羽根スイッチ部材35を右旋させ、折曲部35dによって後羽根群2の走行が終了した電気信号を発する。上記したように、チャージ部材13は既に原位置へ復帰し静止しているので、第1後羽根駆動部材20は、その最終位置に達するまでに、ローラー20aがローラー13bに衝突するようなことは全くない。そのため、たとえ第1後羽根駆動部材20と第2後羽根駆動部材21とを一部品で構成したとしても、後羽根群の走行には一切影響を及ぼさない。
【0032】
上記したように、後羽根スイッチ部材35の右旋によって後羽根群2の走行終了信号が発せられると、カメラ本体に内蔵されたモータが始動し、フィルムの巻き上げと、それに連動して上記したようにシャッタのチャージ作動が行われる。連続撮影の場合には通常カメラのレリーズボタンが押しっぱなしの状態にあるため、フィルムの巻き上げとシャッタのチャージ作動が終わり次第、シャッタは直ちにレリーズ作動の態勢に入る。
【0033】
しかしながら、その時には未だチャージ部材13が原位置への復帰過程の初期段階にあるため、実際のレリーズ作動は行われない。上記したように、チャージ部材13が、その復帰過程で図9(b)の位置に達する直前に板バネ36の凸部36aに接触すると、その信号によって実際のレリーズ作動がスタートする。それによって、上記したように先羽根駆動部材18が急速に右旋を行うが、チャージ部材13はバウンドすることなく既に原位置で静止しているので、先羽根駆動部材18の作動に影響を及ぼすようなことはない。以下、このような作動を繰り返し、所定枚数の連続撮影が行われた後、シャッタのチャージされた図3の状態で一連の作動を停止する。
【0034】
上記の作動説明は連続撮影の場合で説明したが、一こまずつの撮影の場合には、一回の撮影が終了し、フィルムの巻き上げに連動してシャッタのチャージが行われ、チャージ部材13が原位置に復帰した段階で終了する。
【0035】
上記の実施例においては、本発明のバウンド防止部材として導電性の板バネ36を用いているが、上記の説明からも分かるように、本発明におけるバウンド防止部材は、チャージ部材13を原位置近傍で抑止し、先羽根駆動部材18の右旋に影響を及ぼさないようにすれば良いわけであり、チャージ作動の完了と先羽根駆動部材18のスタートとの間に所定のタイミングが得られるように予め設計してあれば、必ずしも、チャージ部材13と板バネ36との接触によって電気信号を発するようにする必要はないし、また板バネである必要もなく、バウンド防止部材はその構成,材質の如何を問うものではない。

【0036】
また、実施例においてはチャージ部材13と先羽根駆動部材18との間に連結板16と羽根セット部材17を介在させているが、これは主にチャージ部材13の配置上の理由から設けられているものであり、シャッタの基本機能上からは必ずしも必要なものではない。
【0037】
更に、上記の実施例は、フィルムの巻き上げに連動してシャッタのチャージが行われると、カメラ本体側の部材に追従してチャージ部材が直ちに原位置に復帰してしまうタイプのものとして説明したが、カメラの仕様によっては、チャージ部材はシャッタのチャージが終了してもカメラ本体側の部材によってその位置に保持され、カメラのレリーズが行われるとその初期段階で原位置に復帰するようにしたものがある。本発明は、そのようなタイプのものについては連続撮影を行う場合は勿論のこと、一こま撮影の場合にも有効となる。
【0038】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、チャージ操作完了位置からバネの付勢力によって原位置へ復帰作動するチャージ部材に、少なくとも該原位置近傍で接触するバウンド防止部材を設け、該原位置におけるチャージ部材のバウンドを防止するようにしたものであるから、チャージ部材の原位置への復帰作動の後に走行してくる先羽根駆動部材が、該チャージ部材又はそれに連動する部材に衝突するようなことがなく、羽根群の走行が安定し、また撮影間隔を短縮するようにすることも可能となり、極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を備えたカメラ用フォーカルプレンシャッタの部分正面図である。
【図2】図1から上地板を取り外した状態の正面図であり、各部材は撮影終了状態にある。
【図3】シャッタ羽根の露光走行に先立ってチャージ部材が原位置に復帰した状態を示す図2と同様な正面図である。
【図4】図3の状態からチャージ部材を取り外した状態を示す正面図である。
【図5】図4の状態から更に数種の部材を取り外した状態を示す正面図である。
【図6】本実施例のチャージ機構を示す説明図である。
【図7】本実施例のバウンド防止機構を示す平面図である。
【図8】本実施例のバウンド防止機構の分解斜視図である。
【図9】図(a)乃至(c)はバウンド防止機構の機能説明図である。
【符号の説明】
1 シャッタ地板
3 上地板
3a 張出部
13 チャージ部材
13a,13b,17a,18a,18b,20a ローラー
13c,16a 軸
13d,21a ピン
15 バネ
16 連結板
17 羽根セット部材
18 先羽根駆動部材
18d,21b 駆動ピン
20 第1後羽根駆動部材
20c 当接部
21 第2後羽根駆動部材
23 先羽根係止部材
25 後羽根係止部材
36 板バネ
36a 凸部
37 絶縁部材
38 リード線

Claims (4)

  1. 先羽根を開閉作動させる先羽根駆動部材と、後羽根を開閉作動させる後羽根駆動部材と、アパーチャを有し前記先羽根駆動部材と前記後羽根駆動部材とを枢着しているシャッタ地板と、バネによる付勢力に抗して原位置から往動され少なくとも前記先羽根駆動部材をチャージ位置にセットすると共に前記先羽根駆動部材の露光作動開始前に該バネによって原位置に復動するチャージ部材と、復動時に原位置で前記チャージ部材が当接するストッパと、所定の間隔を空けて前記シャッタ地板に取り付けられた上地板と、前記上地板に取り付けられ復動時に前記チャージ部材が原位置からバウンドするのを抑止するバウンド防止部材とを備えていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタのバウンド防止機構。
  2. 前記バウンド防止部材は板バネで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタのバウンド防止機構。
  3. 前記板バネには凸部が形成され、前記チャージ部材は復動時に該凸部によってバウンドを抑止されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタのバウンド防止機構。
  4. 前記板バネは前記チャージ部材の原位置への復帰信号を発する電気接点として構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタのバウンド防止機構。
JP03514695A 1995-02-23 1995-02-23 カメラ用フォーカルプレンシャッタのバウンド防止機構 Expired - Lifetime JP3542187B2 (ja)

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