JP3542109B2 - 作業車の操作構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、揺動操作自在な操作レバーを備え、位置決め部材と、この位置決め部材の操作レバーの移動方向に並んでいる位置決め凹部に係脱自在な係止体とを有し、係止体の前記位置決め凹部への入り込みによって操作レバーを操作位置に保持する係止式位置保持手段を備えてある作業車の操作構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
係止式位置保持手段としては、係止体を操作レバーに設けるとともに、位置決め部材を機体フレームに取付固定することによって、構成していた(例えば、特開平5−58183号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構成においては、位置決め部材が固定されているので、係止体の位置決め凹部に対する係合がうまく行われず、コジレが生じて操作性が低下することがあった。つまり、操作レバーが取付けられている部位に対して位置決め部材が取付けられている部位が剛性の低い部分等であるとすると、位置決め凹部が所定位置から僅かにズレることがあり、そのことが係止体を凹部側に強く押し付けることになり、操作抵抗が大きくなる等の欠点があった。又、このような事態は、組み立て時の誤差やガタツキが生じることに起因する場合もあり、位置決め凹部に係止体を導入する傾斜面等を設けてはいても、傾斜角度を変更するだけでは、対応することができなかった。
【0004】
本発明の目的は、上記したような不具合が生じても、円滑な操作を行うことができる作業車の操作構造を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(構成) 請求項1に係る発明は、揺動操作自在な操作レバーを備え、位置決め部材と、この位置決め部材の操作レバーの移動方向に並んでいる位置決め凹部に係脱自在な係止体とを有し、係止体の前記位置決め凹部への入り込みによって操作レバーを操作位置に保持する係止式位置保持手段を備えてある作業車の操作構造であって、
前記位置決め凹部は操作レバーの揺動軸心に対して遠近する状態に形成された凹凸部のうちの凹部であって、前記揺動軸心に沿う方向視で円弧状に並ぶように配設して前記係止体を前記位置決め凹部側に付勢した状態で、操作レバーに対して前記位置決め凹部に係脱する方向に摺動自在に取付け、前記位置決め部材を操作レバーの揺動軸心に平行な軸心まわりで揺動自在に支持させるとともに、操作レバーに支持される支軸を前記位置決め部材に操作レバーの揺動軸心に沿う方向視で円弧状に形成した長孔に沿って移動自在に挿通し、前記操作レバーの操作に伴う前記支軸の前記長孔に対する摺動移動によって位置決め部材が操作レバーの前記揺動軸心と平行な前記軸心まわりで揺動できるように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0006】
(作用効果) 操作レバーを操作して係止体が一体で移動する移動域において、位置決め凹部が係止体の移動軌跡上に位置しない場合には、操作レバーの移動力を受けて位置決め部材が揺動して位置決め凹部の位置を修正するので、操作抵抗が大きく変動せず、円滑な操作を期待できる。
そして、位置決め凹部が円弧状に並んでいるので、操作レバーとともに揺動移動する係止体の移動経路に沿った状態に前記位置決め凹部を配置することができ、係止体と位置決め凹部の位置ズレに起因する操作抵抗を抑えて、操作レバーの操作域全域に亘って違和感の少ない円滑な操作を行うことができる。
【0007】
(構成) 請求項2に係る発明は、請求項1記載の発明において、前記操作レバーが走行用の無段変速装置を変速操作するものである点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0008】
(作用・効果) 変速装置として無段のものを使用しているので、変速位置を無段に設定できるものであるが、操作レバーを操作する際に、前記した位置保持する係止式位置保持手段を設けてあるので、係止体が位置決め凹部に入り込むたびに操作する手に感触があり、作業に適した変速位置を設定しやすく、設定した変速位置が変動しにくい。
【0009】
(構成) 請求項3に係る発明は、前記位置決め部材と、この位置決め部材に圧接される摩擦部材とによって操作レバーに摩擦抵抗を与えて、操作レバーを操作位置に保持する摩擦式位置保持手段を備えてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0010】
(作用・効果) 係止体と位置決め凹部との係合作用、及び、摩擦式位置保持手段での保持力とによって、設定位置の変動を抑えることができるとともに、位置決め凹部を必要以上に深くする必要がなく、操作する手に操作感覚を与えるだけのものにすることができ、位置決め凹部に係止体が入り込む際に変動する操作抵抗の変化を抑えることができる。
また、係止体と位置決め凹部との係合時及び係合状態を解除して操作移動させる際においても、操作レバーのガタツキ等を抑えることができ、操作が良好に行える。
【0011】
(構成) 請求項4に係る発明は、操作レバーに支持される前記支軸に前記摩擦部材を取付けてある点にあり、その作用効果は次の通りである。
【0012】
(作用・効果) 支軸に取付けられた摩擦部材が長孔の周縁部に接触して操作レバーと位置決め部材とに摩擦力を作用させるので、操作レバーの操作位置が保持される。摩擦部材を支軸に取付けており、長孔部分に設ける必要がないので、摩擦部材としてコンパクトなものにできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1、左右一対の駆動自在な後車輪2,2、エンジン3やエンジン冷却用のラジエータ4などが備えられている原動部、この原動部の後方に位置するステアリングハンドル5や運転座席6などが備えられている運転部を有する車体の後部を形成しているミッションケース7の後部に、ロータリ耕耘装置などの各種作業装置を昇降操作自在に連結するリフトアーム8、及び、連結した作業装置にエンジン3からの回動力を伝達する動力取り出し軸9を設けて、作業車の一例としての農用トラクターを構成してある。
【0014】
図1に示すように、前記ミッションケース7の前部に走行用の無段変速装置10を取り付けてある。この無段変速装置10は、エンジン3の回転出力をクラッチ11および回転伝動軸12を介して入力するプランジャ形の可変吐出ポンプと、このポンプからの圧油によって駆動される油圧モータとで成る静油圧式の無段変速装置に構成してある。前記油圧モータは、これの回転出力をミッションケース7の内部に設けてあるギヤ式の走行用ミッションの入力部に伝達する。これにより、無段変速装置10は、エンジン3からの回転動力を前進側や後進側の回動力として、かつ、前進側においても後進側においても無段階に変速して走行用ミッションを介して前後輪1,2に伝達したり、この動力伝達を停止したりする。
【0015】
つまり、無段変速装置10を運転座席6の横側に位置する操作レバーとしての変速レバー13が備えられている走行変速操作装置によって変速操作することにより、トラクターの前後進切り換えと走行停止操作、前進側及び後進側での走行変速を行うようにしある。
【0016】
図2に示すように、走行変速操作装置は、無段変速装置10の操作部10aに連動機構20によって連結している前記変速レバー13、後輪フェンダー14に変速レバー13の操作ガイドを行うように設けたガイド溝15、変速レバー13にこれの位置保持を行うように作用する係止式位置保持手段30と摩擦式位置保持手段50を備えており、詳しくは次の如く構成してある。
【0017】
すなわち、図2、図7などに示すように、変速レバー13は、前記ミッションケース7の横側壁部によって支持される支軸16に基端部13aが回動自在に連結している帯板部材で成る基端レバー部13bと、この基端レバー部13bの先端部に基端部が固着されている丸棒材で成る中間レバー部13cと、この中間レバー部13cの先端部に基端部13dが連結ピン17によって回動自在に連結している丸棒材で成る先端レバー部13eとの各レバー部によって構成してあるとともに、先端レバー部13eの先端側に樹脂製のグリップ部材を取り付けて形成してある握り部13fと、前記先端レバー部13eを前記連結ピン17の軸芯まわりで中間レバー部13cに対して車体横外側に揺動する側に揺動付勢しているスプリング18とを備えており、前記握り部13fにより、図7、図8の如き前記ガイド溝15に沿わせて前記支軸16の車体横向きの軸芯16aまわりで車体前後方向に揺動操作するようにしてある。
【0018】
図2、図3、図4 などに示すように、無段変速装置10の前記操作部10aは、無段変速装置10の前記油圧ポンプの斜板角を変更する回転操作軸10bの角軸部に角部が一体回動自在に連結している板状部材によって作成してある。これにより、操作部10aは、回転操作軸10bの軸芯まわりで揺動操作されることにより、回転操作軸10bを回転操作して油圧ポンプの斜板角を変更する。
【0019】
連動機構20は、前記操作部10aに一端側が連結し、他端側が車体の中間部を形成しているセンターフレーム19の貫通孔19aから車体外側に突出している連結軸21と、前記センターフレーム19の横側壁部の外面側に支持されている支軸22に基端側が回動自在に連結し、中間部が緩衝ゴム23を介して前記連結軸21に連結している揺動リンク24と、この揺動リンク24の遊端部に一端側が回動自在に連結し、他端側が変速レバー13の前記基端レバー部13bの中間部に回動自在に連結していることによって、揺動リンク24と変速レバー13とを連動して揺動するように連結している連動ロッド25とによって構成してある。すなわち、変速レバー13を揺動操作すると、この操作力を連動ロッド25、揺動リンク24、緩衝ゴム23、連結軸21を介して操作部10aに伝達し、この操作部10aを回転操作軸10bの軸芯まわりで揺動させる。このとき、緩衝ゴム23は、操作部10aの振動を吸収して変速レバー13に伝わりにくくする。
【0020】
これにより、図5に示すように、変速レバー13を前記ガイド溝15によって形成される操作域Aで車体前後方向に揺動操作すると、この操作力のために操作部10aが回転操作軸10bの軸芯まわりで揺動する。そして、変速レバー13を操作域Aの前後方向での中間部に位置する中立位置Nに操作すると、操作部10aが中立位置になってモータの斜板角を中立用の角度にする。変速レバー13を操作域Aのうちの前記中立位置Nよりも車体前方側に位置する前進操作域Fに操作すると、操作部10aが前進位置になってモータの斜板角を前進用の角度にする。このとき、変速レバー13を前進操作域Fの前方側に移動させていくに伴い、操作部10aの前進側への揺動ストロークが増大し、斜板の前進側への作動角が増大していく。変速レバー13を操作域Aのうちの前記中立位置Nよりも車体後方側に位置する後進操作域Rに操作すると、操作部10aが後進位置になってモータの斜板角を後進用の角度にする。このとき、変速レバー13を後進操作域Rの後方側に移動させていくに伴い、操作部10aの後進側への揺動ストロークが増大し、斜板の後進側への作動角が増大していく。
【0021】
図2、図5などに示すように、係止式位置保持手段30は、ミッションケース7によって支持されるブラケット31に一端部が連結ピン32によって回動自在に連結している板体で成ることによって、前記連結ピン32の車体横向きの軸芯であって、変速レバー13の揺動軸芯16aに平行な軸芯32aのまわりで揺動自在に車体に支持されている位置決め部材33と、変速レバー13の前記基端レバー部13bに取り付けたローラで成る係止体34と、この係止体34を位置決め部材33が備えている位置決め凹部35,36に入り込むように摺動付勢している係止ばね37とによって構成してある。
【0022】
位置決め部材33は、係止体34が移動自在に入り込んでいる係止体用長孔38と、この係止体用長孔38の前端側部分の上側に係止体用長孔38に連通して位置しているとともに変速レバー13の移動方向に並んでいる前記複数個の位置決め凹部35と、係止体用長孔38の後端側部分の上側に係止体用長孔38に連通して位置しているとともに変速レバー13の移動方向に並んでいる前記複数個の位置決め凹部36とを備えている。
【0023】
図5、図6などに示すように、係止体34を支持する支持ピン39の一端側が基端レバー部13bのガイド長孔40に摺動自在に入り込み、前記支持ピン39の他端側を下端側で支持している支持体41の上端側に連結している取付けピン42が基端レバー部13bのガイド切欠き43に摺動自在に入り込んでいる。前記係止ばね37は、基端レバー部13bのばね受け部13gと、前記支持体41の上端部との間に介装されていて、支持体41を前記ガイド長孔40とガイド切欠き43とに沿って位置決め部材33から離れる側に摺動付勢している。これにより、係止体34は、位置決め凹部35,36に係脱する方向に摺動自在な状態で変速レバー13に支持されているとともに位置決め凹部35,36に入り込むように係止ばね37によって摺動付勢されている。
【0024】
したがって、変速レバー13を操作して係止体34が複数個の位置決め凹部35,36のいずれかに対応すると、係止体34はその位置決め凹部35,36に自ずと入り込み、この入り込みのために位置決め部材33に係止して支持され、変速レバー13を中立位置Nに復元しないようにその操作位置に保持する。すなわち、無段変速装置10は中立状態に自ずと復帰する自己復元力を備えている。また、図3に示すように、無段変速装置10のケースに揺動自在に支持されている位置決めリンク61と、この位置決めリンク61を揺動付勢する位置決めばね62と、前記操作部10aが備えるカム面63とで成り、位置決めリンク61が備えているローラ64を位置決めばね62によって前記操作部10aのカム面63に押し付け付勢することによって操作部10aを中立位置に位置決めする位置決め機構60を、操作部10aに作用させてある。この位置決め機構60と、無段変速装置10の自己復元力とのために変速レバー13が中立位置Nに自己復帰する復元力を備えるが、係止体34の位置決め凹部35,36への入り込みによる係止体34と位置決め部材33との係止が、変速レバー13をこれの復元力に抗して操作位置に保持する。係止体34が位置決め凹部35,36に入り込んでいる状態では、係止体34と位置決め部材33の係止力と、摩擦式位置保持手段50による摩擦力とによって決まる設定力以上の操作力を変速レバー13に加えることにより、この操作力と、位置決め凹部35,36の前後傾斜内面によるカム作用とによって係止体34が位置決め凹部35,36から離脱し、変速レバー13の操作が可能になる。
【0025】
前進側の位置決め凹部35どうしの間、後進側の位置決め凹部36どうしの間では、その部分における位置決め部材33の山形やスペースのために係止体34を位置させにくいことと、係止体34が位置決め部材33に係止しないこととにより、変速レバー13は、係止体34が位置決め凹部35,36どうしの間に位置する操作位置には保持しにくくなっている。
【0026】
これにより、係止式位置保持手段30は、前進操作域Fの中立位置Nに近い低速域部分FLと、後進操作域Rの中立位置Nに近い低速域部分RLとに操作した変速レバー13には位置決め作用せず、前進操作域Fの前記低速域部分FL以外の高速域部分FHと、後進操作域Rの前記低速域部分RL以外の高速域部分RHとに操作した変速レバー13に位置決め作用する。そして、この位置決め作用を行うに当たり、係止式位置保持手段30は、変速レバー13が位置決め凹部35,36に対応する操作位置に位置すると変速レバー13をその操作位置に中立位置Nに戻らないように保持するが、位置決め凹部35,36どうしの間の操作位置では変速レバー13の位置保持を行わない。したがって、係止式位置保持手段30は、前進操作域Fの高速域部分FHと、後進操作域Rの高速域部分RHとを、変速レバー13を有段階の操作位置に位置保持して無段変速装置10を有段階の速度状態に保持する無段変速域に形成している。
【0027】
図5、図6などに示すように、摩擦式位置保持手段50は、前記位置決め部材33と、この位置決め部材33の両横側に位置する摩擦部材51と、位置決め部材33の一側面側に位置する摩擦ばね52とによって構成してある。
【0028】
前記両摩擦部材51と摩擦ばね52は、位置決め部材33が備えている変速レバー13の移動方向に長い長孔としての支軸孔53を移動自在に挿通する状態で変速レバー13の基端レバー部13bに取り付けた支軸54に支持させてある。摩擦ばね52は、一対の摩擦部材51が位置決め部材33を挟むように両摩擦部材51を位置決め部材33に押し付け付勢している。これにより、両摩擦部材51は、位置決め部材33に圧接されながら支軸孔53に沿って変速レバー13と共に位置決め部材33に対して相対移動し、変速レバー13が操作域Aのいかなる操作位置に操作された場合にも、位置決め部材33との摩擦によって変速レバー13に摩擦抵抗を与える。
【0029】
これにより、摩擦式位置保持手段50は、前進操作域Fの前記低速域部分FLと、後進操作域Rの前記低速域部分RLとに操作して前記係止式位置保持手段30による位置保持が行われない変速レバー13を、摩擦部材51と位置決め部材33とによる摩擦によって中立位置Nに戻らないように位置保持し、両低速域部分FL,RLを、変速レバー13を無段階の操作位置に位置保持して無段変速装置10を無段階の速度状態に保持する無段変速域に形成している。
【0030】
変速レバー13を前進操作域Fの前記高速域部分FHと、後進操作域Rの前記高速域部分RHに操作して前記係止式位置保持手段30によって位置保持される際、係止体34と位置決め部材33との間にガタ付きが発生しても、これによる変速レバー13の揺れ動きや振動が発生しにくいように、摩擦式位置保持手段30は、摩擦部材51と位置決め部材33とによる摩擦によって変速レバー13に保持作用する。
【0031】
つまり、変速レバー13をガイド溝15に沿わせて車体前後方向に揺動操作し、レバー操作域Aの前後方向での中間部の中立位置Nに操作すると、無段変速装置10が中立状態になって前後輪1,2に対する動力伝達を停止する。このとき、変速レバー13の先端レバー部13eがスプリング18による揺動操作のために、後輪フェンダー14の内面側に取り付けてある検出スイッチ70の操作片70aに当接する。すると、検出スイッチ70は、無段変速装置10が中立状態に操作されたと検出し、エンジン始動牽制手段に始動牽制を解除させるべき信号を出力し、エンジン3の始動が可能になる。
【0032】
変速レバー13を前進操作域Fに操作すると、無段変速装置10が前進側の駆動状態に切り換わって前後輪1,2に前進駆動力を伝達する。このとき、変速レバー13を前方側に操作していくほど、無段変速装置10が増速側に変速していく。
変速レバー13を後進操作域Rに操作すると、無段変速装置10が後進側の駆動状態に切り換わって前後輪1,2に後進駆動力を伝達する。このとき、変速レバー13を後方側に操作していくほど、無段変速装置10が増速側に変速していく。
この前進走行の際も、後進走行の際も、変速レバー13を低速部分FL,RLで操作して無段変速装置10を低速域で変速操作する場合、変速レバー13が摩擦式位置保持手段50によって位置保持され、無段変速装置10が無段階の速度状態で保持されて前後輪1,2の駆動速度を無段階に変更する。そして、変速レバー13を高速部分FH,RHで操作して無段変速装置10を高速域で変速操作する際、変速レバー13が係止式位置保持手段30によって位置保持され、無段変速装置10が係止式位置保持手段30の位置決め凹部35,36の配置によって決まるピッチの有段階の速度状態で保持されて前後輪1,2の駆動速度を有段階に変更する。このとき、変速レバー13を位置決め凹部35,36と係止体34との間にガタ付きが出にくいように摩擦式位置保持手段50によって保持される。
【0033】
図2及び図5に示すように、前記複数個の位置決め凹部35,36を変速レバー13の揺動軸芯16aに沿う方向視で変速レバー13の揺動軸芯16aを中心とする円弧状に並ぶように配置し、位置決め部材33の前記支軸孔53を変速レバー13の揺動軸芯16aに沿う方向視で変速レバー13の揺動軸芯16aを中心とする円弧形状に形成してある。これにより、係止体34及び支軸54が位置決め部材33に対して相対移動する際、位置決め部材33との間にこじれが発生しにくい状態で相対移動する。
【0034】
図5に示すように、位置決め部材33の係止体用長孔38の長手方向での中央部に位置する部分に、位置合わせ凹部71を設けてある。すなわち、組み立て作業を行う際、無段変速装置10の操作部10aを中立位置に位置させ、変速レバー13の係止体34が位置合わせ凹部71に入り込むように、連動ロッド25の長さを調節ねじ25aによって調節する。すると、変速レバー13の操作位置と、この操作位置に対応する無段変速装置10の速度状態とが合致する組付け状態を得られる。
【0035】
図8に示すように、操作レバー13に対するガイド溝15は、中立位置Nの部分で折れ曲がりを生じており、前進操作域Fから後進操作域Rへの不測の移動を阻止する形態を採っている。又、中立位置Nにおいては、凹部15Aを設けてあり、この凹部15Aに操作レバー13の先端レバー部13eを引っ掛けて、乗り降り時等に不測にレバー13を係止して、変速位置を変動させることを阻止する構成としてある。
【0036】
〔別実施形態〕
(1−1)操作レバー13として変速レバーに使用する形態を説明したが、速度を設定する以外の操作、例えば、農用トラクタの後部に取付ける耕耘装置等の対地高さを設定する操作レバーとして使用可能である。
(2−2)位置決め凹部35,36の溝形状としては、原則的には、左右の傾斜を同一にするが、左右の傾斜を異なる状態に設定してもよい。つまり、図9に示すように、前後進何れの速度域F,Rにおいても、中立位置Nに向けて戻る場合に、戻り抵抗を大きくするように、傾斜θ1を傾斜θ2より急傾斜となるように傾斜角を設定してある。このような構成によって、高速状態に成る程中立位置への戻り力が大きくなる無段変速装置10の特性を考慮して、速度設定位置の位置保持力を強化するように構成してある。
(3−3)位置決め凹部35,36の溝形状としては、位置決め部材35が揺動する構成をとっているので、図5において、左側の前進高速側に向けて操作する場合には、位置決め部材35が揺動する方向等の理由により、操作力が軽くなる。反対に中立位置Nに向けて戻し操作する場合には、位置決め部材35の揺動方向に逆らって操作することになるので、操作力が重くなる。そこで、2−2で述べた場合とは、反対に溝傾斜θ1をθ2より緩やかにして、操作抵抗の均等化を図るようにしてもよい。このように、反対に溝傾斜を設定するのは、変速装置の戻り力が左程大きくない場合に有効である。
(4−4)無段変速装置10としては、ベルト式等の他の変速装置を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】農用トラクター全体の側面図
【図2】走行操作装置の側面図
【図3】無段変速装置の操作部の側面図
【図4】無段変速装置の操作部の断面図
【図5】保持手段の側面図
【図6】位置保持手段の断面図
【図7】変速レバーの先端側部分の断面図
【図8】操作位置の説明図
【図9】係止凹部の溝形状を示す断面図
【符号の説明】
10 無段変速装置
13 操作レバー
30 係止式位置保持手段
33 位置決め部材
34 係止体
35,36 位置決め凹部
50 摩擦式位置保持手段
51 摩擦部材
53 長孔
54 支軸
Claims (4)
- 揺動操作自在な操作レバー(13)を備え、位置決め部材(33)と、この位置決め部材(33)の操作レバー(13)の移動方向に並んでいる位置決め凹部(35)(36)に係脱自在な係止体(34)とを有し、係止体(34)の前記位置決め凹部(35)(36)への入り込みによって操作レバー(13)を操作位置に保持する係止式位置保持手段(30)を備えてある作業車の操作構造であって、
前記位置決め凹部(35)(36)は操作レバー(13)の揺動軸心(16a)に対して遠近する状態に形成された凹凸部のうちの凹部であって、前記揺動軸心(16a)に沿う方向視で円弧状に並ぶように配設して前記係止体(34)を前記位置決め凹部(35)(36)側に付勢した状態で、操作レバー(13)に対して前記位置決め凹部(35)(36)に係脱する方向に摺動自在に取付け、前記位置決め部材(33)を操作レバー(13)の揺動軸心(16a)に平行な軸心(32a)まわりで揺動自在に支持させるとともに、操作レバー(13)に支持される支軸(54)を前記位置決め部材(33)に操作レバー(13)の揺動軸心(16a)に沿う方向視で円弧状に形成した長孔(53)に沿って移動自在に挿通し、前記操作レバー(13)の操作に伴う前記支軸(54)の前記長孔(53)に対する摺動移動によって位置決め部材(33)が操作レバー(13)の前記揺動軸心(16a)と平行な前記軸心(32a)まわりで揺動できるように構成してある作業車の操作構造。 - 前記操作レバー(13)が走行用の無段変速装置(10)を変速操作するものである請求項1又は2記載の作業車の操作構造。
- 前記位置決め部材(33)と、この位置決め部材(33)に圧接される摩擦部材(51)とによって操作レバー(13)に摩擦抵抗を与えて、操作レバー(13)を操作位置に保持する摩擦式位置保持手段(50)を備えてある請求項1から3のうちのいずれか一つに記載の作業車の操作構造。
- 操作レバー(13)に支持される前記支軸(54)に前記摩擦部材(51)を取付けてある請求項4に記載の作業車の操作構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35912699A JP3542109B2 (ja) | 1999-12-17 | 1999-12-17 | 作業車の操作構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35912699A JP3542109B2 (ja) | 1999-12-17 | 1999-12-17 | 作業車の操作構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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