JP3541851B2 - 織機の送出し制御装置 - Google Patents

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  • Looms (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、運転中の織機が停止し、再起動するときに、経糸張力を適正に保ち、有害な織段の発生を防止することができる織機の送出し制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
経糸張力の変動を検出して送出しモータを回転制御する織機の電動送出し制御装置において、PID制御要素を有する制御器にメモリを付設する技術が知られている(特開昭59−157354号公報)。なお、調節器の出力は、送出しモータの回転速度を規制する速度指令信号として、制御増幅器に導かれている。
【0003】
一般に、経糸張力は、織機の1サイクル内においても、綜絖枠による開口運動や、筬打ち等がなされるために、激しく変動するのが普通である。そこで、かかる送出し制御装置においては、所定の平均期間に亘って経糸張力を平均化し、スムージング処理をした上で、その平均値を使用することが不可欠である。ところが、このようなスムージング処理を施して経糸張力を使用する場合、送出し制御装置は、織機が停止し、再起動した直後の一定期間については、経糸張力の平均値が得られなくなってしまい、送出しモータを正規に回転制御することができなくなってしまうという問題がある。
【0004】
前述の従来技術は、かかる問題を解決するために提案されたものであって、メモリは、織機の停止時における調節器の出力を記憶して保持しているから、制御増幅器は、織機の再起動直後においては、このメモリに記憶されている速度指令信号を使用することにより、再起動後の送出しモータの速度を停止前のそれに連続させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来技術によるときは、織機が停止してから再起動されるまでの停止期間中において経糸張力が変動しない場合はよいとしても、この間において経糸張力が変動すると、再起動後の送出しモータの速度が不適切となり、経糸張力の変動幅が過大になったり、それに起因して有害な織段が発生したりすることがあるという問題があった。
【0006】
すなわち、図10において、織機は、時刻t=t1 において停止し、時刻t=t2 において再起動されるものとすると、メモリは、時刻t=t1 において、速度指令信号の指令値V=Vo を記憶し、それを保持する。なお、このときの指令値V=Vo は、時刻t≦t1 における経糸張力T=To に対応している。一方、メモリは、時刻t=t2 において織機が再起動されると、指令値V=Vo を再現するが、このとき、経糸張力TがT=T1 <To に低下していると、このときの指令値V=Vo は明らかに過大であり、経糸張力Tは、時刻t≧t2 において、さらに低下してしまう。織機が再起動されて平均期間Tp が経過すると(時刻t=t2 +Tp =t3 )、経糸張力Tの平均値が更新され、調節器は、それに対応する指令値Vを出力することができるから、以後、経糸張力Tが上昇し、最終的にT=To に収束させることができるが、この間の経糸張力Tは、その変動幅が大きく、定常値To と極端に異なるために、織布上に有害な織段を発生させるおそれがある。
【0007】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、調節器からの速度指令信号を修正する修正手段を設けることによって、織機を再起動するとき、経糸張力の変動幅が過大になったり、それに起因して織段が発生したりすることを有効に防止することができる織機の送出し制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、所定の平均期間における経糸張力の平均値と設定張力との偏差に基づいて速度指令信号を生成する調節器と、調節器からの速度指令信号に基づいて送出しモータを回転制御する制御増幅器と、制御増幅器に前置する修正手段とを備えてなり、織機再起動後の所定期間にいて、修正手段は、織機停止の際の速度指令信号を修正して制御増幅器に入力させ、制御増幅器は、修正された速度指令信号に基づいて送出しモータを回転制御することをその要旨とする。
【0009】
なお、修正手段は、掛算器または積分器を介して織機停止の際の速度指令信号を制御増幅器に入力させることができる。
【0010】
また、修正手段は、積分器、微分器のいずれか一方を介して織機停止の際の速度指令信号を制御増幅器に入力させることができる。
【0011】
【作用】
かかる発明の構成によるときは、調節器は、たとえばPID制御要素を有し、経糸張力の平均値に基づいて速度指令信号を生成する一方、制御増幅器は、調節器からの速度指令信号に基づき、送出しモータを回転制御するから、両者は、全体として、経糸張力の変動に基づいて送出しモータを回転制御し、経糸張力を所定の設定張力に制御することができる。一方、修正手段は、織機停止の際の速度指令信号を修正して制御増幅器に入力させるから、織機の停止中に経糸張力が変動する場合であっても、再起動後の経糸張力に過大な変動を生じることを防止することができる。
【0012】
なお、かかる修正手段は、掛算器を使用するときは、速度指令信号の指令値を定数倍して制御増幅器に入力させることができ、積分器を使用するときは、速度指令信号を積分し、時間に対して滑らかに変化するように修正することができる。
【0013】
さらに、修正手段は、積分器と微分器とを使い分ければ、織機の停止中に経糸張力が減少したときには積分器を選択し、増加したときには微分器を選択することにより、いずれの場合にも、速度指令信号が時間的に滑らかに変化するように修正を加えることができる。
【0014】
【実施例】
以下、図面を以って実施例を説明する。
【0015】
織機の送出し制御装置は、調節器11、制御増幅器12、掛算器13を主要部材としてなり(図1)、張力検出器TSが検出する経糸張力Tの変動に基づき、送出しモータMを回転制御することができる。
【0016】
送出しモータMは、適当な駆動機構を介し、図示しない織機の送出しビームに連結されている。また、張力検出器TSは、たとえば、織機のテンションローラに負荷される力を検出することにより、経糸張力Tを検出することができる。ただし、テンションローラは、送出しビームからの経糸をガイドし、経糸張力Tの大小により、前後方向または上下方向に移動するものとする。
【0017】
張力検出器TSの出力は、平均演算器14を介し、調節器11に前置する加合せ点11aの減算端子に接続されている。また、加合せ点11aの加算端子には、設定器11bの出力が接続されている。
【0018】
調節器11の出力は、速度指令信号S1 として、切替スイッチ回路15の常開接点15aを介し、制御増幅器12に前置する加合せ点12aの加算端子に入力されている。なお、常開接点15aには、掛算器13、切替スイッチ回路15の常閉接点15bの直列回路が並列接続されている。
【0019】
制御増幅器12の出力は、送出しモータMに接続されており、送出しモータMに連結する速度発電機TGの出力は、加合せ点12aの減算端子に接続されている。
【0020】
平均演算器14には、カウンタ14aからの演算指令信号S2 が併せ入力されている。カウンタ14aには、設定器14bが付設されている他、図示しないタイミングセンサからのタイミング信号St が入力されている。ただし、タイミング信号St は、織機の主軸が1回転するごとに発生し、織機の主軸が特定の基準となるクランク角にあることを示すものとする。
【0021】
設定器14bの出力は、ダウンカウンタ15cに分岐接続されている。なお、ダウンカウンタ15cには、タイミング信号St が分岐入力されている他、図示しない織機制御回路から、織機起動信号Sd が併せ入力されている。また、ダウンカウンタ15cの出力は、切替指令信号S3 として、切替スイッチ回路15に導かれている。
【0022】
織機が運転されると、張力検出器TSは、経糸張力Tを検出し、平均演算器14に送出する。一方、このとき、カウンタ14aは、タイミング信号St を計数し、その計数値N1 が設定器14bに設定される設定値No に到達するごとに、演算指令信号S2 を平均演算器14に出力する。そこで、平均演算器14は、カウンタ14aからの演算指令信号S2 に従って経糸張力Tを時間的に平均化し、経糸張力Tの平均値Ta を演算して、加合せ点11aに送出することができる。すなわち、平均演算器14は、平均期間Tp =No (60/n)(秒)ごとに、平均期間Tp 内における経糸張力Tの平均値Ta を演算することができる。ただし、nは、織機の運転回転数(rpm)である。
【0023】
加合せ点11aは、このようにして演算される経糸張力Tの平均値Ta と、設定器11bに設定される設定張力Ts とを比較し、偏差ΔT=Ts −Ta を算出して調節器11に送出するから、調節器11は、偏差ΔTに対して所定のPID演算を加え、速度指令信号S1 として指令値Vを出力することができる。そこで、織機の定常運転中においては、切替スイッチ回路15の常開接点15aが閉じており、常閉接点15bが開いているものとすれば、制御増幅器12は、送出しモータMの速度Vf がVf =Vとなるように、送出しモータMを回転制御することができる。送出しモータMの速度Vf は、加合せ点12aにフィードバックされており、制御増幅器12は、偏差ΔV=V−Vf =0となるように、送出しモータMを速度制御することができるからである。すなわち、調節器11は、制御増幅器12を介して送出しモータMを回転制御することにより、経糸張力Tの平均値Ta がTa =Ts となるように、経糸張力Tを制御することができる。
【0024】
いま、このようにして織機が運転されているとき、何らかの原因により、織機が停止した場合を考える(図2の時刻t=t1 、以下、単に(t=t1 )のように記す)。なお、このとき、経糸張力Tの平均値Ta =To であり、指令値V=Vo であるものとする。
【0025】
織機の停止原因が修復され、織機が再起動されると(t=t2 )、このときの経糸張力Tは、T=T1 <To に低下している可能性があるが、このときは、ダウンカウンタ15c、切替スイッチ回路15を介し、掛算器13が作動する。
【0026】
すなわち、ダウンカウンタ15cは、織機が再起動されると、織機起動信号Sd に対応してタイミング信号St の計数を開始し、その計数値N2 がN2 ≦No の間は、切替指令信号S3 をローレベルに保ち、N2 >No となると、それをハイレベルにする。したがって、切替スイッチ回路15は、切替指令信号S3 がローレベルであるときに、その常閉接点15bを閉じ、常開接点15aを開くものとすれば、切替スイッチ回路15は、織機が再起動した後、ダウンカウンタ15cがカウントアップするまでの間、掛算器13を調節器11と加合せ点12aとの間に投入することができる。
【0027】
そこで、掛算器13は、速度指令信号S1 の指令値V=Vo を修正し、加合せ点12aを介し、指令値V1 =kVo <Vo を制御増幅器12に入力させることができる。ただし、定数k<1は、掛算器13にあらかじめ設定しておくものとする。すなわち、制御増幅器12は、指令値V=Vo に代えて、指令値V1 =kVo <Vo を使用して送出しモータMを回転制御し、織機の再起動時の経糸張力T、その平均値Ta が、織機の停止時のそれよりも低下していたとしても、その影響を小さく抑えることができる(図2)。
【0028】
織機が再起動した後、ダウンカウンタ15cがカウントアップすると、切替指令信号S3 がハイレベルとなって消滅するから、切替スイッチ回路15の常閉接点15bが開くとともに常開接点15aが閉じ、全体は、定常運転に復帰することができる。なお、このようにして全体が定常運転に復帰するのは、時刻t=t3 =t2 +Tp である。ダウンカウンタ15cは、設定器14bからの設定値No を共用しており、したがって、織機が再起動された後、平均期間Tp の経過によってカウントアップするからである。
【0029】
一般に、経糸張力Tは、織機の停止中において、種々の要因によって変動する。織機停止中においては、単に経糸が伸びるのみならず、織機の停止原因を修復するために織機を逆転させたり、起動時のクランク角を所定位置にするために織機を正転させたり、起動時の織前位置を調節するために、いわゆるキックバック動作を含む送出しモータMの微調整操作等がなされるからである。しかしながら、これらの各要因による経糸張力Tの変動量δT=To −T1 は、織機の停止原因により、ほぼ一定とみなし得る場合が少なくない。織機の停止原因により、織機の停止中になされる修復動作の内容や、それに要する停止時間は、ほぼ一定であるからである。そこで、掛算器13は、織機の停止原因に従って、最適の定数kを自動または手動によって設定することにより、停止中における経糸張力Tの変動量δTを適確に補正し、再起動後の経糸張力Tが過大に変動することを防止することができる。
【0030】
以上の説明において、切替スイッチ回路15は、図1に拘らず、任意の半導体スイッチング素子によるアナログスイッチ回路を使用することが好ましい。
【0031】
また、ダウンカウンタ15cは、設定器14bに設定される設定値No を共用するに代えて、独立の設定器を付設し、独立の設定値Noa≠No を使用することができる。すなわち、ダウンカウンタ15cは、掛算器13、切替スイッチ回路15とともに、織機再起動後の所定期間Tb =Tp について、調節器11からの速度指令信号S1 を修正して制御増幅器12に入力させる修正手段を形成するが、このものの所定期間Tb は、Tb ≠Tp とし、任意の時間長に定めることができる。
【0032】
さらに、掛算器13に設定する定数kは、k<1にするに代えて、k≧1にすることもできる。たとえば、織機再起動時に発生する薄段を防止するために、送出しモータMを介して織前を送出し側にキックバックする場合は、織機再起動時における経糸張力TがT=T1 >To となっていることがあり得るからである。
【0033】
【他の実施例】
図1の掛算器13は、積分器16に代えることができる(図3)。
【0034】
積分器16は、織機の再起動後の所定期間Tb =t3 −t2 に亘り、調節器11からの速度指令信号S1 を積分し、指令値V1 =∫Vdt=∫Vo dtを出力することができる(図4)。すなわち、このときの修正手段は、積分器16を介し、滑らかに増加する速度指令信号S1 を制御増幅器12に入力させるから、送出しモータMによる制御性を一層向上させることができる。
【0035】
また、修正手段は、積分器16、微分器17のいずれか一方を介して速度指令信号S1 を制御増幅器12に入力させることができる(図5)。
【0036】
調節器11の出力は、切替スイッチ回路15の常開接点15aを介して加合せ点12bの加算端子に接続されている他、積分器16、微分器17にも分岐接続されている。また、積分器16、微分器17の各出力は、それぞれ、切替スイッチ回路15の別の常開接点15aを介し、加合せ点12bの加算端子に接続されている。ただし、調節器11の出力、積分器16の出力は、加合せ点12bの同一の加算端子に接続されており、加合せ点12bの出力は、加合せ点12aを介し、制御増幅器12に接続されている。
【0037】
切替スイッチ回路15の各常開接点15aは、ロジック回路18のゲート18a、18b、18cを介して開閉制御することができ、ゲート18a、18b、18cには、ダウンカウンタ15cからの切替指令信号S3 の他、判別回路20からの判別信号S4 が入力されている。
【0038】
判別回路20は、張力検出器TSからの経糸張力Tを入力する記憶器21と、平均演算器22と、比較器23とを縦続してなる(図6)。ただし、記憶器21には、図示しないタイミングセンサからのタイミング信号St1が併せ入力されており、タイミング信号St1は、織機の主軸が、織機を起動する際の所定のクランク角度(以下、起動角度という)にあることを示すものとする。また、比較器23には、織機起動信号Sd の他、張力検出器TSからの経糸張力Tが併せ入力されている。
【0039】
記憶器21は、織機が定常運転されているとき、タイミング信号St1が発生する都度、経糸張力Tをサンプリングして記憶し、平均演算器22は、このようにしてサンプリングされた複数の経糸張力Tを平均化する。すなわち、平均演算器22は、織機の定常運転中において、織機の主軸が起動角度にあるときの経糸張力Tの平均値Ta1を算出し、出力することができる。
【0040】
織機が停止し、その後、再起動するに先き立ち、織機の主軸を起動角度に合わせると、このときの張力検出器TSは、平均演算器22からの平均値Ta1に対応する経糸張力Tを比較器23に出力することができる。そこで、比較器23は、織機が再起動されることにより、織機起動信号Sd が発生すると、これに呼応して平均値Ta1と経糸張力Tとを比較し、判別信号S4 を出力することができる。すなわち、判別信号S4 は、織機停止中に経糸張力Tが低下し、T<Ta1であるときにハイレベルとなり、逆に、T≧Ta1であるときにローレベルとなるものとする。
【0041】
一方、このようにして判別信号S4 が出力されると、ロジック回路18は、切替指令信号S3 、判別信号S4 の組合せに従い、ゲート18a、18b、18cを開閉し、対応する常開接点15a、15a…を閉じることができる(図7)。すなわち、織機再起動後、所定期間Tb =t3 −t2 内においては、切替指令信号S3 がローレベルであるから、このときは、判別信号S4 がローレベルであるか、ハイレベルであるかにより、前者の場合は、ゲート18a、18cを介し、微分器17の出力側と、調節器11の出力側の常開接点15a、15aが閉じる一方、後者の場合は、ゲート18bを介し、積分器16の出力側の常開接点15aが閉じる。すなわち、前者の場合は、加合せ点12bは、指令値V3 =V+dV/dtを加合せ点12aに送出することができ、後者の場合は、指令値V3 =∫Vdtを送出することができる。
【0042】
指令値V3 =∫Vdt=∫Vo dtは、図3の実施例におけると全く同一であるが、指令値V3 =V+dV/dtは、調節器11からの指令値Vの他に、指令値Vの微分値V2 =dV/dtを含む(図8)。すなわち、このときの微分器17は、織機再起動時における経糸張力Tが停止前のそれより増加していることに対応して、織機の再起動直後に、一時的に大きな指令値V3 を発生し、送出しモータMを高速回転させることにより、過大な経糸張力Tを速やかに定常値に収束させることができる。
【0043】
さらに、修正手段は、調節器11の制御定数を切替え設定することができる(図9)。
【0044】
いま、調節器11がPID制御要素を有するものとすると、その伝達関数は、V=K(ΔT+(1/Ti )∫ΔTdt+Td d(ΔT)/dt)と表わすことができる。ただし、Ti 、Td は、それぞれ積分時定数、微分時定数である。そこで、切替指令信号S3 の有無により、設定器11c、11dに設定する制御定数K1 、K2 によって調節器11の制御定数Kを入れ替えれば、調節器11は、実質的に、前述の各実施例とほぼ同一の制御特性を実現することができる。なお、ここでは、切替スイッチ回路15は、設定器11c、11dの一方を調節器11に接続する切替接点15dからなっている。
【0045】
以上の説明において、図5、図6の判別回路20は、図1、図9の各実施例にも適用可能である。図1の掛算器13に設定する定数k、図9の設定器11c、11dに設定する制御定数K1 、K2 は、判別回路20からの判別信号S4 に従い、それぞれの最適値を自動選択するようにすることができる。
【0046】
なお、織機は、それが停止した後、再起動するまでの間に、停止原因の修復のために各種の操作が行なわれることは、よく知られているとおりである。しかしながら、この発明の効果を一層良好にするために、織機停止中の各操作に対し、さらに次のような工夫を加えてもよい。すなわち、逆転インチング操作の際、筬打ちによる厚段発生を防止するために、同時に送出しモータMを正転させて経糸張力Tを積極的に減少させる。なお、このときの巻取りモータは、停止させておくことが好ましい。また、厚段を防止するために、キックバック操作によって織前位置を巻取側に移動するときは、まず、送出しモータMを大きく正転させて織前を巻取側に過大に移動させ、その後、送出しモータMを逆転させて織前を目標位置に移動させてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、送出しモータを回転制御する調節器、制御増幅器に対し、調節器からの速度指令信号を修正して制御増幅器に入力させる修正手段を設けることによって、修正手段は、織機を再起動させるに際し、織機停止の際の速度指令信号を適切に修正することができるから、織機の停止中に経糸張力が変動する場合であっても、織機の再起動後、経糸張力の変動幅が過大になったり、それに起因して織段が発生したりすることを有効に防止することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体構成ブロック系統図
【図2】動作説明線図
【図3】他の実施例を示す要部ブロック系統図
【図4】動作説明線図
【図5】他の実施例を示す図3相当図(1)
【図6】他の実施例を示す図3相当図(2)
【図7】動作説明図
【図8】動作説明線図
【図9】他の実施例を示す図3相当図(3)
【図10】従来例を示す図2相当図
【符号の説明】
M…送出しモータ
T…経糸張力
Ta …平均値
Ts …設定張力
ΔT…偏差
S1 …速度指令信号
Tp …平均期間
Tb …所定期間
K1 、K2 …制御定数
11…調節器
12…制御増幅器
13…掛算器
16…積分器
17…微分器

Claims (4)

  1. 所定の平均期間における経糸張力の平均値と設定張力との偏差に基づいて速度指令信号を生成する調節器と、該調節器からの速度指令信号に基づいて送出しモータを回転制御する制御増幅器と、該制御増幅器に前置する修正手段とを備えてなり、織機再起動後の所定期間にいて、前記修正手段は、織機停止の際の速度指令信号を修正して前記制御増幅器に入力させ、該制御増幅器は、修正された速度指令信号に基づいて送出しモータを回転制御することを特徴とする織機の送出し制御装置。
  2. 前記修正手段は、掛算器を介して織機停止の際の速度指令信号を前記制御増幅器に入力させることを特徴とする請求項1記載の織機の送出し制御装置。
  3. 前記修正手段は、積分器を介して織機停止の際の速度指令信号を前記制御増幅器に入力させることを特徴とする請求項1記載の織機の送出し制御装置。
  4. 前記修正手段は、積分器、微分器のいずれか一方を介して織機停止の際の速度指令信号を前記制御増幅器に入力させることを特徴とする請求項1記載の織機の送出し制御装置。
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