JP3541821B2 - 車両の駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前後輪の少なくとも一方が内燃機関(エンジン)によって駆動される車両の駆動力制御装置に係り、特に、前後輪の一方が内燃機関で他方が電動機で駆動される4輪駆動の車両に有用な駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
前後輪の一方をエンジンで駆動し他方を電動機で駆動する4輪駆動制御装置としては、例えば特開平7−231508号公報や特開平8−300965号公報に開示されているものがある。
特開平7−231508号公報に開示されている駆動装置は、エンジンによって発電機を駆動し、その発電機が発生する電気エネルギーによって上記電動機を駆動するものであって、車両の状態に応じて、発電機から電動機に供給される電気エネルギーを制御するものである。この結果、大容量のバッテリを必要としないために車両の軽量化などが図られるものである。
【0003】
また、特開平8−300965号公報に記載されている駆動装置は、前後輪のうち一方をエンジンで駆動し、他方を電動機で駆動し、当該電動機をバッテリの電気エネルギーで駆動する装置構成である。そして、路面μを推定し、当該推定した路面μが低μの場合には、上記電動機を路面μに応じた出力トルクに駆動制御するものである。すなわち、路面μに応じて電動機の出力トルクを調整して、当該電動機で駆動される車輪の加速スリップを防止しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平7−23150号に記載の装置では、アクセル開度に対応した標準回転数と前輪回転数、後輪回転数との偏差、および前輪回転数と後輪回転数の偏差から電動機を駆動させ四輪駆動とするため、エンジンにより駆動される車輪の加速スリップを直接抑えることができない。
【0005】
また、特開平8−300965号に記載の装置では、ブレーキが非作動、シフトポジションが非ニュートラル状態、アクセルが作動状態で、且つ所定速度以下で走行中で所定路面μ以下のときに、モータトルクを制御しながらモータを駆動するが、エンジンにより駆動される車輪の加速スリップを直接抑えることができない。
【0006】
すなわち、どちらの装置においても、アクセル開度が過剰の場合には、エンジンによって駆動される車輪が必要以上に加速スリップして、十分な加速性や走行安定性が得られない可能性があるという問題がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、車両の加速性を最適化しつつ燃費などのエネルギー効率を向上可能な車両の駆動力制御装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、前後輪の少なくとも一方の駆動輪を駆動する内燃機関と、その内燃機関の動力によって駆動される発電機とを備えた車両の駆動力制御装置であって、
上記駆動輪が加速スリップしているか否かを推定する駆動輪スリップ推定手段と、上記駆動輪スリップ推定手段で駆動輪が加速スリップしていると推定される場合に作動し、上記駆動輪の加速スリップ量に応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する発電機制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0008】
さらに、本請求項1に記載した発明は、上記駆動輪スリップ推定手段は、内燃機関の出力トルクと上記駆動輪の路面反力限界トルクとの差から加速スリップの有無を推定することを特徴とするものである。
【0009】
次に、請求項に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記発電機制御手段は、
上記発電機の発電負荷トルクを調整する発電負荷トルク調整手段と、内燃機関の出力トルクのうちの上記駆動輪の路面反力限界トルクを越えた余剰トルクを求める余剰トルク演算手段と、上記発電負荷トルク調整手段を介して上記余剰トルク演算手段が演算した余剰トルクに基づくトルク値に上記発電機の発電負荷トルクを制御する発電負荷トルク制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
次に、請求項に記載した発明は、請求項に記載した構成に対し、上記余剰トルク演算手段は、上記駆動輪の加速スリップ量及び現在の発電機の負荷トルク量に基づき余剰トルクを求めることを特徴とするものである。
次に、請求項に記載した発明は、請求項に記載した構成に対し、上記余剰トルク演算手段は、駆動輪の路面反力限界トルクを演算する駆動輪限界トルク演算手段を備え、当該駆動輪限界トルク演算手段が演算した路面反力限界トルクと内燃機関の出力トルクとの偏差に基づき余剰トルクを求めることを特徴とするものである。
【0011】
次に、請求項に記載した発明は、請求項に記載した構成に対し、上記駆動輪限界トルク演算手段は、
駆動輪の路面反力限界トルクを算出する限界トルク算出手段と、
該限界トルク算出手段が算出し現在の路面反力限界トルクと最大限界トルク値とを比較し大きい方を最大限界トルク値とする限界トルク最大値更新手段と、
従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定すると作動して、上記最大限界トルクを所定値に再設定する限界トルクリセット手段と、を備え、
上記最大限界トルク値を、駆動輪限界トルク演算手段が演算した路面反力限界トルクとすることを特徴とするものである。
【0012】
次に、請求項に記載した発明は、請求項に記載した構成に対し、上記限界トルクリセット手段は、前後輪速差が所定値以上の場合に、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とするものである。
次に、請求項に記載した発明は、請求項又は請求項に記載した構成に対し、駆動輪における車輪グリップ限界を推定する車輪グリップ限界推定手段を備え、
上記限界トルクリセット手段は、上記車輪グリップ限界推定手段の推定値に基づき車輪グリップ限界若しくはその近傍と判定したら、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とするものである。
【0013】
次に、請求項に記載した発明は、請求項〜請求項のいずれかに記載した構成に対し、悪路走行か否かを推定する悪路推定手段を備え、
上記限界トルクリセット手段は、上記悪路推定手段の推定値に基づき悪路走行中と判定したら、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とするものである。
【0014】
次に、請求項に記載した発明は、請求項〜請求項のいずれかに記載した構成に対し、登坂路走行中か否かを推定する登坂路推定手段を備え、
上記限界トルクリセット手段は、上記登坂路推定手段の推定値に基づき登坂路を走行中と判定したら、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とするものである。
【0015】
次に、請求項1に記載した発明は、請求項〜請求項のいずれかに記載した構成に対し、車両に対する走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段を備え、
上記限界トルクリセット手段は、上記走行抵抗検出手段の検出値に基づき走行抵抗が所定値以上の場合に、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とするものである。
【0016】
次に、請求項1に記載した発明は、請求項〜請求項1のいずれかに記載した構成に対し、上記限界トルクリセット手段は、上記現在の路面反力限界トルクが前回の路面反力限界トルクよりも小さい場合にのみ、上記最大限界トルク値を所定値に再設定することを特徴とするものである。
次に、請求項1に記載した発明は、請求項〜請求項1のいずれかに記載した構成に対し、上記限界トルクリセット手段は、車両が停止したと判定した場合に、上記現在の路面反力限界トルクが前回の路面反力限界トルクよりも小さくなくても、上記最大限界トルクを所定値に再設定することを特徴とするものである。
【0017】
次に、請求項1に記載した発明は、請求項〜請求項1のいずれかに記載した構成に対し、上記限界トルクリセット手段が再設定する所定値は、限界トルク算出手段が算出した現在の路面反力限界トルクであることを特徴とするものである。
次に、請求項1に記載した発明は、請求項1〜請求項13のいずれかに記載した構成に対し、前後輪の一方である主駆動輪を上記内燃機関で駆動し、前後輪の他方である従駆動輪を電動機で駆動し、当該電動機は上記発電機が発電した電力で駆動されることを特徴とするものである。
【0018】
次に、請求項1に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、駆動輪が加速スリップするおそれのある路面状況か否かを推定する加速スリップおそれ推定手段と、運転者の要求駆動トルクを検出する要求トルク検出手段とを備え、
上記発電機制御手段は、加速スリップおそれ推定手段が加速スリップするおそれのある路面状況と推定すると作動して、運転者の要求トルクに応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する第2発電機制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0019】
次に、請求項1に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、駆動輪が加速スリップするおそれのある路面状況か否かを推定する加速スリップおそれ推定手段を備え、
上記発電機制御手段は、加速スリップおそれ推定手段が加速スリップするおそれのある路面状況と推定すると作動して、内燃機関の出力トルクに対し所定割合の負荷トルクとなるように上記発電機のトルクを制御する第3発電機制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0020】
次に、請求項1に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、駆動輪が加速スリップするおそれのある路面状況か否かを推定する加速スリップおそれ推定手段を備え、
上記発電機制御手段は、加速スリップおそれ推定手段が加速スリップするおそれのある路面状況と推定すると作動して、予め求めた高μ路での路面反力限界トルクと現在の路面反力限界トルクとの差に応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する第4発電機制御手段を備えることを特徴とするものである。
【0021】
次に、請求項18に記載した発明は、請求項1〜請求項1のいずれかに記載した構成に対し、駆動輪の車輪グリップ限界を推定する車輪グリップ限界推定手段を備え、加速スリップおそれ推定手段は、該車輪グリップ限界推定手段の推定に基づき、車輪グリップ限界若しくはその手前近傍である場合に、加速スリップするおそれのある路面状況と推定することを特徴とするものである。
【0022】
次に、請求項19に記載した発明は、請求項1〜請求項18のいずれかに記載した構成に対し、悪路走行中か否かを推定する悪路推定手段を備え、
加速スリップおそれ推定手段は、悪路推定手段の判定に基づき、悪路走行中の場合に、加速スリップするおそれのある路面状況と推定することを特徴とするものである。
【0023】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1〜請求項19のいずれかに記載した構成に対し、登坂路走行中か否かを推定する登坂路推定手段を備え、
上記加速スリップおそれ推定手段は、登坂路推定手段の推定に基づき、登坂路走行中の場合に、加速スリップするおそれのある路面状況と推定することを特徴とするものである。
【0024】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1〜請求項2のいずれかに記載した構成に対して、車両の走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段を備え、
上記加速スリップおそれ推定手段は、上記走行抵抗検出手段の検出に基づき走行抵抗が所定値以上と判定した場合に、加速スリップするおそれのある路面状況と推定することを特徴とするものである。
【0025】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1〜請求項2のいずれかに記載した構成に対し、運転者の要求駆動トルクを検出する要求トルク検出手段と、車両の走行状態が所定以下の低速状態か否かを判定する低速状態判定手段と、該低速状態判定手段が低速状態と判定すると作動し、上記要求トルク検出手段が検出した要求駆動トルクに応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する第1低速制御手段と、を備え、
上記駆動輪スリップ推定手段で駆動輪が加速スリップしていると推定された場合に、上記低速状態判定手段の判定に基づき、所定以下の低速状態と判定したときには上記第1低速制御手段を作動し、当該低速状態でないと判定したときには上記発電機制御手段を作動させることを特徴とするものである。
【0026】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1〜請求項2のいずれかに記載した構成に対し、運転者の要求駆動トルクを検出する要求トルク検出手段と、車両の走行状態が所定以下の低速状態か否かを判定する低速状態判定手段と、を備え、
上記発電機制御手段は、駆動輪が加速スリップしていると推定される場合であって、上記低速状態判定手段の判定に基づき所定以下の低速状態と判定される場合には、駆動輪の加速スリップ量に応じた第1の発電負荷を求めると共に、上記要求トルク検出手段が検出した要求駆動トルクに応じた第2の発電負荷トルクを求め、両発電負荷トルクの大きい方の発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御することを特徴とするものである。
【0027】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1、請求項2、又は請求項2のいずれかに記載した構成に対し、要求トルク検出手段は、上記運転者の要求駆動トルクをアクセル開度指示装置の操作量に基づき判定することを特徴とするものである。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1〜請求項2のいずれかに記載した構成に対し、車両の前後荷重配分を判定する荷重配分判定手段と、車両の走行状態が所定以下の低速状態か否かを判定する低速状態判定手段と、該低速状態判定手段が低速状態と判定すると作動し、上記荷重配分判定手段の判定した前後荷重配分に応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する第2低速制御手段と、を備え、
上記駆動輪スリップ推定手段で駆動輪が加速スリップしていると推定された場合に、上記低速状態判定手段の判定に基づき、所定以下の低速状態と判定したときには、上記第2低速制御手段を作動し、当該低速状態でないと判定したときには上記発電機制御手段を作動させることを特徴とするものである。
【0028】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1〜請求項2のいずれかに記載した構成に対し、車両の前後荷重配分を判定する荷重配分判定手段と、車両の走行状態が所定以下の低速状態か否かを判定する低速状態判定手段と、を備え、
上記発電機制御手段は、駆動輪が加速スリップしていると推定される場合であって、上記低速状態判定手段の判定に基づき所定以下の低速状態と判定される場合には、駆動輪の加速スリップ量に応じた第1の発電負荷を求めると共に、上記荷重配分判定手段の判定した前後荷重配分に応じた第2の発電負荷トルクを求め、両発電負荷トルクの大きい方の発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御することを特徴とするものである。
【0029】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1〜請求項2のいずれかに記載した構成に対し、上記従駆動輪の加速スリップの有無を推定する従駆動輪スリップ推定手段と、従駆動輪スリップ推定手段の推定により従駆動輪が加速スリップしていると判定すると作動し、電動機から従駆動輪に伝達されるトルクが従駆動輪の路面反力限界トルク以下となるように、上記電動機の界磁電流を調整することで上記電動機のトルクを制限する電動機トルク制限手段とを備えることを特徴とするものである。
【0030】
次に、請求項28に記載した発明は、請求項1〜請求項2のいずれかに記載した構成に対し、バッテリと、従駆動輪の加速スリップの有無を推定する従駆動輪スリップ推定手段と、従駆動輪スリップ推定手段で従駆動輪が加速スリップしたと判定した場合に、発電機から電動機に供給される電力の一部をバッテリに分配する電力分配手段とを備えることを特徴とするものである。
【0031】
次に、請求項29に記載した発明は、請求項1〜請求項28のいずれかに記載した構成に対し、従駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出手段と、運転者のアクセル操作とは無関係に、スリップ状態検出手段が検出したスリップ状態検出値の大きさに応じて内燃機関の出力トルクを低減制御する内燃機関出力制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0032】
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1〜請求項29のいずれかに記載した構成に対し、従駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出手段と、電動機のトルクを上記車輪に伝達する伝達トルクを調整するクラッチ手段と、スリップ状態検出手段が検出したスリップ状態検出値の大きさに応じ上記クラッチ手段を通じて上記従駆動輪側に伝達する伝達トルクを調節する伝達トルク制限手段とを備えることを特徴とするものである。
【0033】
次に、請求項3に記載した発明は、請求項〜請求項3のいずれかに記載した構成に対し、上記余剰トルク演算手段が演算した余剰トルクが発電機の負荷容量を超える場合に作動し、運転者のアクセル操作とは無関係に、上記余剰トルクから発電機の負荷容量に応じたトルクを減じた値の大きさに応じて上記内燃機関の出力トルクを低減制御する内燃機関出力制限手段を、備えることを特徴とするものである。
【0034】
次に、請求項3に記載した発明は、請求項〜請求項2のいずれかに記載した構成に対し、上記余剰トルク演算手段が演算した余剰トルクが発電機の負荷容量を超える場合に作動し、運転者のアクセル操作とは無関係に、上記余剰トルクから発電機の負荷容量に応じたトルクを減じた値の大きさに応じて上記内燃機関の出力トルクを低減制御する内燃機関出力制限手段と、
上記電動機に電力を供給可能なバッテリと、上記バッテリから電動機に供給される電力量を調節する供給電力調節手段と、運転者の加速要求を検出する加速要求検出手段と、車両の加速状態を検出する加速状態検出手段と、
上記内燃機関出力制限手段が作動していると判定すると作動し、上記加速要求検出手段及び加速状態検出手段の検出値に基づき加速要求に比して従駆動輪の回転速度が抑制されていると判定すると、上記供給電力調整手段を通じて、上記内燃機関出力制限手段による上記出力トルクの低減量に応じた量だけバッテリから電動機に供給する電力量を増加するバッテリ電力増大制御手段と
を備えることを特徴とするものである。
【0035】
次に、請求項3に記載した発明は、請求項3に記載した構成に対し、上記加速要求検出手段は、運転者による加速要求指示量及び当該加速要求指示の継続時間に基づき加速要求に比して従駆動輪の回転速度が抑制されていることを判定することを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項3又は請求項3に記載した構成に対して、上記加速状態検出手段は、従駆動輪の車輪速度、従駆動輪の車輪加速度、及び車両の前後加速度の少なくとも一つの値に基づき車両の加速状態を検出することを特徴とするものである。
【0036】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、内燃機関の出力トルクのうち、駆動輪の加速スリップ量に応じた、つまり駆動輪で有効利用出来ないトルクに応じた余剰のトルク分が発電機で電気エネルギーに変換されるので、上記内燃機関の動力によって駆動される駆動輪の加速スリップが抑制されて車両発進時などにおける所要の加速性能が確保できる。
【0037】
なお、本発明における加速スリップとは、車両加速時の車輪の加速スリップを指す。
このとき駆動輪が加速スリップしていると推定した場合だけ、発電機で電気エネルギーに変換されるので、必要以上に内燃機関の出力トルクを発電機で消費されることが防止されて、エネルギ効率を向上させることができる。
【0038】
さらに、請求項に係る発明によれば、前後輪速差がゼロつまり駆動輪で加速スリップしていなくても、エンジンから駆動輪に伝達された駆動トルクが当該駆動輪の路面反力限界トルクを超えている間は、発電機を作動させることができる。
また、請求項に係る発明によれば、内燃機関の出力トルクのうち、当該内燃機関の動力によって駆動される駆動輪の路面反力限界トルクを越えた余剰トルクが、加速スリップ量に応じたトルクとして発電機で電気エネルギーに変換されるので、上記内燃機関の動力によって駆動される車輪の加速スリップが抑制されて車両発進時などにおける所要の加速性能が確保できる。
【0039】
また、余剰トルクが発電機で電気エネルギーに変換される際に、当該発電機が余剰トルクに応じた分だけ発電するので、その発電した電力を有効利用することで、エネルギ効率を向上させることができる。
また、請求項に係る発明によれば、実際の加速スリップ量に応じた余剰トルクが発電機で電気エネルギーに変換される。
【0040】
また、請求項に係る発明を採用すると、駆動輪が加速スリップしていなくても、エンジンから駆動輪に伝達された駆動トルクが駆動輪のグリップ限界を超えている間は、発電機を作動させることができる。
すなわち、請求項のように前後輪速差で余剰トルクを制御すると前後輪速差が所定値付近でハンチングを起して振動発生・乗り心地悪化となるおそれがある。また、前後輪速差が所定値以下に収束しないことにより、エンジンで駆動される駆動輪が少し加速スリップしたままとなり車両が不安定となるおそれがある。これに対し、請求項に係る発明では、これらを防止することができる。
【0041】
また、請求項に係る発明では、駆動輪の加速スリップ推定に使用される路面反力限界トルクを最大値更新する。
すなわち、車両が発進し走行しだすと変速やトルクコンバータのトルク増幅率の低下によって車両に要求される出力トルクはだんだん小さくなるので、路面状況が大きく変わらなければ、従駆動輪の出力トルクもそれほど必要なくなる。したがって、上述のように最大値更新することで、余計に従駆動輪の出力トルクを出すことが無くなり、エネルギーロスを抑制できる。また、頻繁に電動機の作動・停止を行う必要がなくなり、電動機の寿命向上の点からも好ましい。
【0042】
一方、上記推定に使用される路面反力限界トルクの最大値更新を無条件に続けた場合、たとえば、路面μが低い路面に移行して路面反力が低下するなど、路面の状態が変わって従駆動輪の駆動トルクの増加すべき路面状態となっても、従駆動輪の駆動トルクの増大が難しくなるが、本請求項の発明では、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定すると、最大値更新していた最大限界トルクをリセットすることで、最大値更新処理を行っても、適切に従駆動輪の駆動トルクを発生させることで所要の車両走行性を確保可能となる。
【0043】
なお、従駆動輪が駆動トルクを発生している状態(発電負荷中の状態)から、最大値更新をリセットした場合も、基準となる最大限界トルクが下がる結果、従駆動輪の駆動トルクが増大する。
このとき、請求項に係る発明によれば、実際に所定以上の加速スリップが生じているときにリセットするので、例えば路面摩擦状態が低μに移行するなど、路面の摩擦状態に応じて適切にリセットが行われて、確実にリセットすべき時を判定することができる。
【0044】
また、請求項に係る発明によれば、実際に加速スリップが生じていない場合であっても、加速スリップが生じやすい車輪グリップ限界付近(スリップとグリップとを繰り返す状態)であると推定したときにリセットすることで、主駆動輪が加速スリップしなくても、加速スリップが生じやすい状態において、加速スリップが生じる未然に従駆動輪が駆動トルクを出力し車両の安定性を確実に得ることができる。
【0045】
また、請求項に係る発明によれば、実際に加速スリップが生じていない場合であっても、悪路(凹凸のある路面)を走行する場合には平坦な路面に比べて路面反力の限界が低くなる瞬間が生じることから、加速スリップが生じやすい状態(従駆動輪の駆動トルクを増大すべき状態)であるため、リセットすることで、現在の路面状況に応じた最大限界トルク値となって、加速スリップが生じる未然に従駆動輪が駆動トルクを出力し、悪路走破性が向上する。
【0046】
また、登坂路では、荷重移動によって前後荷重の配分が後輪側が増加する傾向となるため、主駆動輪が前輪側である場合に、当該主駆動輪が加速スリップしやすくなる、すなわち従駆動輪の駆動力を増加すべき路面状況である。したがって、請求項に係る発明によれば、登坂路と推定されるとリセットさせることで、主駆動輪が前輪側である場合に、当該主駆動輪の加速スリップを適切に抑制できる。
【0047】
また、請求項1に係る発明によれば、砂地や積雪路などの走行抵抗が大きい場合に、リセットすることで、主駆動輪の加速スリップが抑制されると共に、4輪駆動状態とすることで走行性を高めることができる。
また、請求項1に係る発明によれば、路面反力限界トルクが走行するにつれて小さくなる場合にのみにリセットを行うことで、路面状況が変更した際におけるリセットを不必要に行うことを低減することができる。
【0048】
また、請求項1に係る発明によれば、車両の発進時に加速スリップが生じ易いことに鑑みて、停車時にリセットすることで、車両発進時における主駆動輪の加速スリップを適切に抑制することが可能となる。
また、請求項1に係る発明によれば、リセットする際の路面に応じた実際の路面反力に再設定されることで、現在の路面状態に応じて適切に加速スリップを抑制することが可能となる。
【0049】
また、請求項1に係る発明を採用すると、余剰トルクで発電させた電力によって、電動機で駆動される従駆動輪が駆動されて、車両を4輪駆動状態とすることができる。この結果、エネルギ効率が向上し、また、燃費の向上を図ることができると共に、車両発進時などにおける所要の加速性能が確保できる。
また、請求項1に係る発明によれば、駆動輪が加速スリップしていると推定されなくても、加速スリップするおそれがあると推定すると、予め、従駆動輪の駆動トルクを運転者の要求駆動トルクに応じた大きさだけ出力させて予め四輪駆動状態としておくことで、車両安定性を確実に得ることが出来たり、加速スリップに対する従駆動輪の駆動トルク増加時の応答性が向上する。
【0050】
また、請求項1に係る発明によれば、駆動輪が加速スリップしていると推定されなくても、加速スリップするおそれがあると推定すると、予め、従駆動輪の駆動トルクを内燃機関の出力トルクに応じた大きさだけ出力させて予め四輪駆動状態としておくことで、車両安定性を確実に得ることが出来たり、加速スリップに対する従駆動輪の駆動トルク増加時の応答性が向上する。
【0051】
また、請求項1に係る発明によれば、駆動輪が加速スリップしていると推定されなくても、加速スリップするおそれがあると推定すると、予め、従駆動輪の駆動トルクを現在の路面反力限界トルクに応じた大きさだけ出力させて予め路面μに応じた従動輪のトルク状態で四輪駆動状態としておくことで、確実なアシストを確保しつつ車両安定性を確実に得ることが出来たり、加速スリップに対する従駆動輪の駆動トルク増加時の応答性が向上する。
【0052】
また、請求項18に係る発明によれば、主駆動輪がスリップしていなくても加速スリップしやすい路面状態である車輪グリップ限界付近で、予め従駆動輪を駆動させることで、加速スリップの迅速な抑制若しくは未然防止が図られて走行安定性が向上する。
また、請求項19に係る発明によれば、主駆動輪がスリップしていなくても加速スリップしやすい路面状態である悪路と推定される場合に予め従駆動輪を駆動させることで、加速スリップの迅速な抑制若しくは未然防止が図られて走行安定性が向上する。
【0053】
また、請求項2に係る発明によれば、主駆動輪が前輪側である場合に、主駆動輪がスリップしていなくても加速スリップしやすい路面状態である登坂路と推定される場合に予め従駆動輪を駆動させることで、加速スリップの迅速な抑制若しくは未然防止が図られて走行安定性が向上する。
また、請求項2に係る発明によれば、主駆動輪がスリップしていなくても加速スリップしやすい路面状態である走行抵抗が高い路面と推定される場合に予め従駆動輪を駆動させることで、加速スリップの迅速な抑制若しくは未然防止が図られて走行安定性が向上する。
【0054】
なお、走行抵抗が高いと車両は走行しにくくなり、運転者はアクセルを踏み増す。このとき、車両はなかなか進まないが主駆動輪がスリップを発生することがある。
また、発進時などの所定以下の低速走行状態(停止から走行に移行する発進を含む)にあっては、加速スリップを、前後輪の速度差で推定しても路面反力限界トルクで推定しても、加速スリップしているとの推定が適切に行われないおそれがあり(低速であるほど、ロータリセンサなどによる車輪速検出精度が悪くなることや、車両の加速が小さく路面反力が小さすぎることから加速スリップ検出の精度が悪くなるため)、実際に加速スリップしていても四輪駆動状態とならない可能性がある。一方、砂地や積雪路面で主駆動輪に加速スリップが発生すると主駆動輪の接地路面が変化し走行条件(路面μの低下や走行抵抗増加)が悪化するが、車両の速度が低いほど自車が変化させた路面による影響が大きいので、発進時などの極低速状態ではスリップすることで路面状況が悪化し、その後に四輪駆動となっても発進困難となる場合がある。
【0055】
これに対し、請求項2に係る発明によれば、発進時などの所定以下の低速状態であれば、加速スリップする前であっても予め、運転者の要求駆動トルク(加速要求など)に応じた駆動トルクで従駆動輪も駆動することで、砂地などの加速スリップしやすい路面状況で発進する場合であっても安定した発進が行われるなど、低速走行時における安定した走行が可能となる。
【0056】
ここで、請求項2〜請求項2の発明における所定以下の低速状態とは、停止時を含み、例えば車速が0以上5km/h以下程度の速度の場合を指す。
同様に、請求項2に係る発明によれば、発進時などの低速状態であれば、加速スリップする前であっても予め、運転者の要求駆動トルク(加速要求など)に応じた駆動トルクで従駆動輪も駆動することで、砂地などの加速スリップしやすい路面状況で発進する場合であっても安定した発進が行われるなど、低速走行時における安定した走行が可能となる。さらに、所定以下の低速走行であっても、例えば、加速スリップが検出され且つ過剰の加速スリップと推定された場合には、当該加速スリップ量に応じた従駆動輪の駆動トルクとなることで、より車両の安定性が良くなる。
【0057】
また、請求項2に係る発明によれば、アクセルペダルのアクセル開度(ペダル踏み込み量)などのアクセル指示に応じて検出することで、確実に運転者の要求トルクを検出できる。
また、請求項2に係る発明によれば、発進時などの低速状態であれば、加速スリップする前であっても予め、前後荷重配分に応じた駆動トルクで従駆動輪も駆動することで、砂地などの加速スリップしやすい路面状況で発進する場合であっても安定した発進が行われるなど、低速走行時における安定した走行が可能となる。
【0058】
また、請求項2に係る発明によれば、発進時などの低速状態であれば、加速スリップする前であっても予め、前後荷重配分に応じた駆動トルクで従駆動輪も駆動することで、砂地などの加速スリップしやすい路面状況で発進する場合であっても安定した発進が行われるなど、低速走行時における安定した走行が可能となる。さらに、所定以下の低速走行であっても、例えば、加速スリップが検出され且つ過剰の加速スリップと推定された場合には、当該加速スリップ量に応じた従駆動輪の駆動トルクとなることで、より車両の安定性が良くなる。
【0059】
また、請求項2に係る発明を採用すると、上記余剰トルクが大きいために電動機の出力トルクが大きくなって、電動機で駆動される車輪が加速スリップした若しくは加速スリップすると推定されると、モータ界磁電流を小さくしてモータ効率を低下させることでモータトルクが低減して、従駆動輪の加速スリップを抑制するように電動機トルクが調整される。
【0060】
この結果、電動機で駆動される車輪側でも加速スリップを防止して、より安定した走行ができる。
また、請求項28に係る発明を採用すると、上記余剰トルクが大きくて発電機で発電する電力が大きいために電動機で駆動される従駆動輪が加速スリップすると、発電機から電動機に供給される電力の一部がバッテリに蓄電されることで、発電機に供給される電力が低下し、これによって電動機で駆動される従駆動輪の加速スリップが抑制若しくは低下する。この結果、電動機で駆動される従駆動輪への伝達トルクが低減して当該従駆動輪でも加速スリップが防止されることで、走行安定性が向上する。なお、分配手段で、電動機に供給する電圧が、従駆動輪のトルクが従駆動輪の路面反力限界トルク以下となる電力値に調整することが好ましい。
【0061】
さらに、発電機が発電した余剰の電力はバッテリで蓄電されることで、蓄電した電力を別の用途に利用することが可能となる。
また、請求項29に係る発明は、運転者のアクセルペダル操作とは関係なく、電動機で駆動される従駆動輪のスリップ状態に応じて内燃機関の出力トルクを低減することで、余剰トルクが必要以上に大きくなることが抑えられて、エネルギ効率が最適に近づき燃費が向上する。
【0062】
しかも、電動機で駆動される従駆動輪でも加速スリップが防止されて、走行安定性が向上する。
また、請求項3に係る発明を採用すると、上記余剰トルクが大きいために電動機の出力トルクが大きくなって、電動機で駆動される主駆動輪が加速スリップした若しくは加速スリップすると推定されると、電動機から上記車輪に伝達されるトルクの伝達効率がその分小さくなることで、電動機で駆動される車輪側でも加速スリップを防止して、より安定した走行ができる。
【0063】
また、請求項3に係る発明を採用すると、上記余剰トルクが大きくなって発電機の負荷容量を超える若しくは越えるおそれがあると、越えたトルクに応じて内燃機関の出力トルクを低減調整される。この結果、必ずしも大きな負荷容量をもつ大きな発電機が必要なくなり、コストや発電機の専有スペースなどの搭載性が有利となる。
【0064】
また、請求項3に係る発明によれば、上記請求項3と同様に、上記余剰トルクが大きくなって発電機の負荷容量を超える若しくは越えるおそれがあると、越えたトルクに応じて内燃機関の出力トルクを低減調整される。この結果、必ずしも大きな負荷容量をもつ大きな発電機が必要なくなり、コストや発電機の専有スペースなどの搭載性が有利となる。
【0065】
また、このように、内燃機関出力制限手段で発電機の負荷容量に鑑みて内燃機関の出力トルクを制限する場合に、本請求項3に係る発明では、主駆動輪が空転する所謂スタック状態の時に、加速要求に比して内燃機関出力制限により従駆動輪の駆動力が低下してしまう状態(以下、加速要求に比して従駆動輪の駆動力が低下してしまう場合をスタックと呼称する場合もある。)と判定すると、上記内燃機関の出力トルクの低減分だけバッテリから電動機に供給する電力量を増加する結果、車両がスタックした場合に、主駆動輪の加速スリップを抑制するために内燃機関の出力トルクを低減しても、その分、従駆動輪の駆動トルクが増加して車両のトータル駆動力を同等に維持できるため、スタック状態からの脱出性能が向上する。
【0066】
また、請求項3に係る発明によれば、確実に加速要求を検出出来ると共に、加速指示量と加速指示の継続時間とをみることで、確実にスタック状態か否かの判定を行うことができる。
また、請求項3に係る発明によれば、確実に加速状態を検出可能となる。
【0067】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態は、図1に示すように、左右前輪1L、1Rが内燃機関であるエンジン2によって駆動され、左右後輪3L、3Rが電動機であるモータ4によって駆動可能となっている4輪駆動可能な車両の場合の例である。
【0068】
まず、構成について説明すると、図1に示すように、エンジン2の出力トルクTeが、トランスミッション及びディファレンスギア5を通じて左右前輪1L、1Rに伝達されるようになっている。また、エンジン2の回転トルクTeの一部は、無端ベルト6を介して発電機7に伝達される。
上記発電機7は、エンジン2の回転数Neにプーリ比を乗じた回転数Nhで回転し、4WDコントローラ8によって調整される界磁電流Ifhに応じて、エンジン2に対し負荷となり、その負荷トルクに応じた電圧を発電する。その発電機7が発電した電力は、電線9を介してモータ4に供給可能となっている。その電線9の途中にはジャンクションボックス10が設けられている。上記モータ4の駆動軸は、減速機11及びクラッチ12を介して後輪3L、3Rに接続可能となっている。符号13はデフを表す。
【0069】
上記エンジン2の吸気管路14(例えばインテークマニホールド)には、メインスロットルバルブ15とサブスロットルバルブ16が介装されている。メインスロットルバルブ15は、アクセル開度指示装置であるアクセルペダル17の踏み込み量等に応じてスロットル開度が調整制御される。このメインスロットルバルブ15は、アクセルペダル17の踏み込み量に機械的に連動するか、あるいは当該アクセルペダル17の踏み込み量を検出するアクセルセンサの踏み込み量検出値に応じて、エンジンコントローラ18が電気的に調整制御することで、そのスロットル開度が調整される。上記アクセルセンサの踏み込み量検出値は、4WDコントローラ8にも出力される。
【0070】
また、サブスロットルバルブ16は、ステップモータ19をアクチュエータとし、そのステップ数に応じた回転角により開度が調整制御される。上記ステップモータ19の回転角は、モータコントローラ20からの駆動信号によって調整制御される。なお、サブスロットルバルブ16にはスロットルセンサが設けられており、このスロットルセンサで検出されるスロットル開度検出値に基づいて、上記ステップモータ19のステップ数はフィードバック制御される。ここで、上記サブスロットルバルブ16のスロットル開度をメインスロットルバルブ15の開度以下等に調整することによって、運転者のアクセルペダルの操作とは独立して、エンジン2の出力トルクを減少させることができる。
【0071】
また、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数検出センサ21を備え、エンジン回転数検出センサ21は、検出した信号を4WDコントローラ8に出力する。
また、上記発電機7は、図2に示すように、出力電圧Vを調整するための電圧調整器22(レギュレータ)を備え、4WDコントローラ8によって界磁電流Ifhが調整されることで、エンジン2に対する発電負荷トルクTh及び発電する電圧Vが制御される。電圧調整器22は、4WDコントローラ8から発電機制御指令(界磁電流値)を入力し、その発電機制御指令に応じた値に発電機7の界磁電流Ifhを調整すると共に、発電機7の出力電圧Vを検出して4WDコントローラ8に出力可能となっている。なお、発電機7の回転数Nhは、エンジン2の回転数Neからプーリ比に基づき演算することができる。
【0072】
また、上記ジャンクションボックス10内には電流センサ23が設けられ、該電流センサ23は、発電機7からモータ4に供給される電力の電流値Iaを検出し、当該検出した電機子電流信号を4WDコントローラ8に出力する。また、電線9を流れる電圧値(モータ4の電圧)が4WDコントローラ8で検出される。符号24は、リレーであり、4WDコントローラ8から指令によってモータ4に供給される電圧(電流)の遮断及び接続が制御される。
【0073】
また、モータ4は、4WDコントローラ8からの指令によって界磁電流Ifmが制御され、その界磁電流Ifmの調整によって駆動トルクTmが調整される。なお、符号25はモータ4の温度を測定するサーミスタである。
上記モータ4の駆動軸の回転数Nmを検出するモータ用回転数センサ26を備え、該モータ用回転数センサ26は、検出したモータ4の回転数信号を4WDコントローラ8に出力する。
【0074】
また、上記クラッチ12は、油圧クラッチや電磁クラッチであって、4WDコントローラ8からのクラッチ制御指令に応じたトルク伝達率でトルクの伝達を行う。
また、各車輪1L、1R、3L、3Rには、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRが設けられている。各車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRは、対応する車輪1L、1R、3L、3Rの回転速度に応じたパルス信号を車輪速検出値として4WDコントローラ8に出力する。
【0075】
4WDコントローラ8は、図3に示すように、発電機制御部8A、リレー制御部8B、モータ制御部8C、クラッチ制御部8D、余剰トルク演算部8E、目標トルク制限部8F、余剰トルク変換部8Gを備える。ここで、図3中には、後述の実施形態で使用される制御ブロックも併記してある。
上記発電機制御部8Aは、電圧調整器22を通じて、発電機7の発電電圧Vをモニターしながら、当該発電機7の界磁電流Ifhを調整することで、発電機7の発電電圧Vを所要の電圧に調整する。
【0076】
リレー制御部8Bは、発電機7からモータ4への電力供給の遮断・接続を制御する。
モータ制御部8Cは、モータ4の界磁電流Ifmを調整することで、当該モータ4のトルクを所要の値に調整する。
また、所定のサンプリング時間毎に、入力した各信号に基づき、図4に示すように、余剰トルク演算部8E→目標トルク制限部8F→余剰トルク変換部8Gの順に循環して処理が行われる。
【0077】
まず、余剰トルク演算部8Eでは、図5に示すような処理を行う。
すなわち、先ず、ステップS10において、車輪速センサ27FL、27FR、27RL、27RRからの信号に基づき演算した、前輪1L、1R(主駆動輪)の車輪速から後輪3L、3R(従駆動輪)の車輪速を減算することで、前輪1L、1Rの加速スリップ量であるスリップ速度ΔVFを求め、ステップS20に移行する。
【0078】
ここで、スリップ速度ΔVFの演算は、例えば、次のように行われる。
前輪1L、1Rにおける左右輪速の平均値である平均前輪速VWf、及び後輪3L、3Rにおける左右輪速の平均値である平均後輪速VWrを、それぞれ下記式により算出する。
VWf=(VWfl+VWfr)/2
VWr=(VWrl+VWrr)/2
次に、上記平均前輪速VWfと平均後輪速VWrとの偏差から、主駆動輪である前輪1L、1Rのスリップ速度(加速スリップ量)ΔVFを、下記式により算出する。
【0079】
ΔVF = VWf −VWr
ステップS20では、上記求めたスリップ速度ΔVFが所定値、例えばゼロより大きいか否かを判定する。スリップ速度ΔVFが0以下と判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていないと推定されるので、ステップS60に移行する。
【0080】
一方、ステップS20において、スリップ速度ΔVFが0より大きいと判定した場合には、前輪1L、1Rが加速スリップしていると推定されるので、ステップS30に移行する。
ステップS30では、前輪1L、1Rの加速スリップを抑えるために必要な吸収トルクTΔVFを、下記式によって演算してステップS40に移行する。この吸収トルクTΔVFは加速スリップ量に比例した量となる。
【0081】
TΔVF = K1 × ΔVF
ここで、K1は、実験などによって求めたゲインである。
ステップS40では、現在の発電機7の負荷トルクTGを、下記式に基づき演算したのち、ステップS50に移行する。
Figure 0003541821
ここで、
V :発電機7の電圧
Ia:発電機7の電機子電流
Nh:発電機7の回転数
K3:効率
K2:係数
である。
ステップS50では、下記式に基づき、余剰トルクつまり発電機7で負荷すべき目標の発電負荷トルクThを求め、ステップS100に移行する。
【0082】
Th = TG + TΔVF
一方、ステップS20にて主駆動輪1L、1Rが加速スリップしていないと判定されるとステップ60に移行し、路面推定部60を作動させて加速スリップを生じるおそれのある路面か否かの路面推定を実施した後、ステップS70に移行する。
【0083】
ステップS70では、路面推定部60の推定に基づき、AS−FLG=ONつまり加速スリップするおそれのある路面と判定した場合には、ステップS80に移行する。一方、AS−FLG=OFFつまりスリップするおそれのない路面と判定した場合には、ステップS90に移行して、目標発電負荷トルクThにゼロを代入した後にステップS80に移行する。
【0084】
ステップS80では、第2目標負荷トルク演算部61を起動して、目的の従駆動輪3L、3Rの駆動トルクが所要の値とするための目標発電負荷トルクThを求めてステップS100に移行する。
ステップS100では、所定車速以下、例えば時速3km以下かどうかを判定し、所定車速以下と判定した場合には、ステップS110に移行し、所定車速より早いと判定した場合には、処理を終了して復帰する。
【0085】
ステップS110では、第3目標負荷トルク演算部62を起動して、第2目標発電負荷トルクTh2を求めて、ステップS120に移行する。
ステップS120では、加速スリップに応じた目標発電負荷トルクThと、第2目標発電負荷トルクTh2とを比較し、第2目標発電負荷トルクTh2の方が大きいと判定した場合には、ステップS130にてThにTh2の値を代入した後に復帰し、そうでないと判定した場合には、所定を終了して復帰する。
【0086】
ここで、上記実施形態では、加速スリップに応じた目標発電負荷トルクThと所定以下の低速状態に基づく第2目標発電負荷トルクTh2とのセレクトハイをとるように処理を行っているが、所定以下の低速状態では、無条件に、第2目標発電負荷トルクTh2を目標発電負荷トルクThに代入しても良い。
次に、路面推定部60の処理について図6を参照しつつ説明する。ここで、この路面推定部60が加速スリップおそれ推定手段を構成する。
【0087】
路面推定部60では、ステップS150にて走行中の路面状況が悪路か否かを推定し、悪路と推定した場合には、ステップS175に移行する。悪路と推定しなかった場合には、ステップS155にて車輪グリップ限界付近の路面状況か否かを推定し、車輪グリップ限界付近と推定した場合にはステップS175に移行する。そうでなければ、ステップS160にて所定勾配以上の登坂路か否かを推定し、所定勾配以上の登坂路と推定した場合にはステップS175に移行する。そうでなければステップS165にて砂地や積雪路などによって走行抵抗が所定以上と判定した場合には、ステップS175に移行する。そうでなければステップS170に移行する。
【0088】
ステップS175では、車輪グリップ限界付近の路面か、登坂路か、所定以上の走行抵抗のある路面のいずれかに該当するため、加速スリップするおそれのある路面であることを示すAS−FLGをONにして復帰する。
ステップS170では、その他の路面状況であるので、上記AS−FLGをOFFにして復帰する。
【0089】
なお、上記説明では、4種類の路面状況のいずれかに合致するか否かを判定しているが、これ以外の加速スリップするおそれのある路面状況も推定しても良いし、上記4種類の一部についての路面状況だけについて推定しても良い。
ここで、悪路及び車輪グリップ限界付近の路面か否かは、次のように推定すればよい。
【0090】
すなわち、グリップ限界付近の路面走行時の車輪速波形は図7に示すようになり、悪路走行時の車輪速波形は、図8に示すようになっている。これらの波形では、グリップ限界付近の路面走行時では周波数が8Hz程度、悪路走行時では周波数が11Hz程度の振動が車輪速に現れている。これらの周波数は±2Hz程度のばらつきはあるものの、車両固有のものであるので、対象とする車両について、実験的に、グリップ限界時及び悪路走行時の各々の周波数を測定し、それらの周波数帯に着目することでグリップ限界時と悪路走行時を検出することができる。ここで、特定周波数帯に注目して車両の走行状態を検出する技術として、例えば特開2000−233739号公報などに開示されている。また、判定に用いる振動レベルの閾値は、どちらの路面状況であってもバックグラウンドのノイズレベルを十分に避けられる値にすればよいため、グリップ限界判定及び悪路判定共に同程度の周波数帯を用いればよい。なお、対象とする車両のグリップ限界時の振動周波数及び悪路走行時の振動周波数は、実験的に求める以外に、グリップ限界時の振動周波数として、ドライブシャフトのバネ下共振周波数の±2Hz程度、また、悪路走行時はサスペンションのバネ下共振周波数の±2Hz程度を周波数帯として使用しても良い。
【0091】
すなわち、上記のようなことに基づき、悪路若しくはグリップ限界路面か否かの判定は、車輪速についてバンドパスフィルタを通過させた後に微分器で微分し、その絶対値が所定閾値(例えば2G)以上か否かを判定することで推定する。上記バンドパスフィルタの帯域として、例えば、図7及び図8の場合、グリップ限界路面の検出には6〜10Hzの周波数帯を使用し、悪路の検出には9〜13Hzの周波数帯を使用し、両方を検出する場合には6〜13Hzの周波数帯を使用すればよい。
【0092】
また、登坂路か否かの判定は、例えば登坂抵抗に基づき判定する。すなわち、車両に掛かる、路面に対して垂直方向の加速力を測定するGセンサを配置し、路面に対し垂直な方向のGセンサの出力Gvから路面勾配を推定して、所定勾配以上の登坂路か否かを判定する。
ここで、Gv=g×sinθ(g:重力加速度、θ:路面勾配)であり、
登坂抵抗R=g・cosθから求まる。
【0093】
または、登坂路は、実際の車体の傾きから推定しても良い。
また、走行抵抗が所定値以上か否かは、特開2000−168405号公報などに公開されているような公知の技術で推定すればよい。例えば、まず、従駆動輪3L、3Rの加速度Arを演算した後に、当該加速度Arと車両重量Wとの積をとって、車両加速分駆動力Fa(=Ar×W)を演算する。また、並行して、四輪駆動力Fw(:主駆動輪1L、1Rの駆動力+従駆動輪3L、3Rの駆動力)を演算する。そして、上記車両加速分駆動力Faと四輪駆動力Fwとの差からなる走行抵抗力Fsが所定閾値(例えば980N)以上か否かを判定することで所定走行抵抗以上か推定できる。
【0094】
次に、第2目標負荷トルク演算部61の処理について説明する。
まず、アクセルペダルの操作量などに基づいて、運転者の要求トルク(アクセル開度)を推定し、その推定した要求トルクに比例した発電負荷への分配割合α1を図9に示すようなマップ等に基づき決定する。なお、上限を例えば30%などと決定しておく。また、エンジン回転数センサ21及びスロットルセンサなどに基づいてエンジントルクTeを求め、該エンジントルクTeに上記分配割合α1を乗算して目標発電負荷トルクThを演算する。なお、上記分配割合α1は、全体を1とした場合の値であり、0.1などの値を取る。
【0095】
ここで、上記分配割合α1が運転者の要求トルクに応じて変化するように設定しているが、一定の割合としても良いし、段階的に変更しても良い。
また、予め、実験などによって高μ路(μが例えば0.7〜1の路面)での路面限界反力を求めておき、当該路面限界反力と、現在の主駆動輪1L、1Rでの路面限界反力との差に応じて上記分配割合α1を変化させるようにしても良い。
【0096】
次に、第3目標負荷トルク演算部の処理について説明する。
まず、アクセルペダルの操作量などに基づいて、運転者の要求トルク(アクセル開度)を推定し、その推定した要求トルクに比例した発電負荷への分配割合α2を決定する。なお、上限を例えば20%などと決定しておく。また、エンジントルクTeを求め、該エンジントルクTeに上記分配割合α2を乗算して第2目標発電負荷トルクTh2を演算する。なお、上記分配割合α2は、全体を1とした場合の値であり、0.2などの値を取る。
【0097】
ここで、上記分配割合α2が運転者の要求トルクに応じて変化するように設定しているが、一定の割合としても良い。
また、上記分配割合α2は運転者の要求トルクに応じて決定される場合に限定されない。例えば、車両の前後荷重配分に基づき従駆動輪3L、3R側の荷重配分をα2として上記第2目標発電負荷トルクTh2を演算しても良い。
【0098】
次に、目標トルク制限部8Fの処理について、図10に基づいて説明する。
すなわち、まず、ステップS200で、上記目標発電負荷トルクThが、発電機7の最大負荷容量HQより大きいか否かを判定する。目標発電負荷トルクThが当該発電機7の最大負荷容量HQ以下と判定した場合には、復帰する。一方、目標発電負荷トルクThが発電機7の最大負荷容量HQよりも大きいと判定した場合には、ステップS210に移行する。
【0099】
ステップS210では、目標の発電負荷トルクThにおける最大負荷容量HQを越える超過トルクΔTbを下記式によって求め、ステップS220に移行する。
ΔTb= Th − HQ
ステップS220では、エンジン回転数検出センサ21及びスロットルセンサからの信号等に基づいて、現在のエンジントルクTeを演算してステップS230に移行する。
【0100】
ステップS230では、下記式のように、上記エンジントルクTeから上記超過トルクΔTbを減算したエンジントルク上限値TeMを演算し、求めたエンジントルク上限値TeMをエンジンコントローラ18に出力した後に、ステップS240に移行する。
TeM =Te −ΔTb
ここで、エンジンコントローラ18では、運転者のアクセルペダル17の操作に関係なく、入力したエンジントルク上限値TeMをエンジントルクTeの上限値となるように当該エンジントルクTeを制限する。上述のステップS210からここまでの処理が内燃機関出力制限手段を構成する。
【0101】
ステップS240では、目標発電負荷トルクThに最大負荷容量HQを代入した後に、復帰する。
次に、余剰トルク変換部8Gの処理について、図11に基づいて説明する。
まず、ステップS600で、Thが0より大きいか否かを判定する。Th>0と判定されれば、前輪1L、1Rが加速スリップしている、加速スリップするおそれのある状況、若しくは所定以下の低速状態であるので、ステップS610に移行する。また、Th≦0と判定されれば、前輪1L、1Rは加速スリップしていない等の状態であるので、以降の処理をすることなく復帰する。
【0102】
ステップS610では、モータ用回転数センサ21が検出したモータ4の回転数Nmを入力し、そのモータ4の回転数Nmに応じた目標モータ界磁電流Ifmを算出し、当該目標モータ界磁電流Ifmをモータ制御部8Cに出力した後、ステップS620に移行する。
ここで、上記モータ4の回転数Nmに対する目標モータ界磁電流Ifmは、回転数Nmが所定回転数以下の場合には一定の所定電流値とし、モータ4が所定の回転数以上になった場合には、公知の弱め界磁制御方式でモータ4の界磁電流Ifmを小さくする(図12参照)。すなわち、モータ4が高速回転になるとモータ誘起電圧Eの上昇によりモータトルクが低下することから、上述のように、モータ4の回転数Nmが所定値以上になったらモータ4の界磁電流Ifmを小さくして誘起電圧Eを低下させることでモータ4に流れる電流を増加させて所要モータトルクTmを得るようにする。この結果、モータ4が高速回転になってもモータ誘起電圧Eの上昇を抑えてモータトルクの低下を抑制するため、所要のモータトルクTmを得ることができる。また、モータ界磁電流Ifmを所定の回転数未満と所定の回転数以上との2段階で制御することで、連続的な界磁電流制御に比べ制御の電子回路を安価にできる。
【0103】
なお、所要のモータトルクTmに対しモータ4の回転数Nmに応じて界磁電流Ifmを調整することでモータトルクTmを連続的に補正するモータトルク補正手段を備えても良い。すなわち、2段階切替えに対し、モータ回転数Nmに応じてモータ4の界磁電流Ifmを調整すると良い。この結果、モータ4が高速回転になってもモータ4の誘起電圧Eの上昇を抑えモータトルクの低下を抑制するため、所要のモータトルクTmを得ることができる。また、なめらかなモータトルク特性にできるため、2段階制御に比べ車両は安定して走行できるし、常にモータ駆動効率が良い状態にすることができる。
【0104】
ステップS620では、上記目標モータ界磁電流Ifm及びモータ4の回転数Nmからモータ4の誘起電圧Eを算出して、ステップS630に移行する。
ステップS630では、上記余剰トルク演算部8Eが演算した発電負荷トルクThに基づき対応する目標モータトルクTMを算出して、ステップS640に移行する。
【0105】
ステップS640では、上記目標モータトルクTM及び目標モータ界磁電流Ifmを変数として対応する目標電機子電流Iaを算出して、ステップS650に移行する。
ステップS650では、下記式に基づき、上記目標電機子電流Ia、抵抗R、及び誘起電圧Eから発電機7の目標電圧Vを算出し、当該発電機7の目標電圧Vを発電機制御部8Aに出力したのち、復帰する。
【0106】
V=Ia×R+E
なお、抵抗Rは、電線9の抵抗及びモータ4のコイルの抵抗である
ここで、上記余剰トルク変換部8Gでは、モータ側の制御を考慮して目標の発電負荷トルクThに応じた発電機7での目標電圧Vを算出しているが、上記目標発電負荷トルクThから直接に、当該目標発電負荷トルクThとなる電圧値Vを算出しても構わない。
【0107】
また、図12に上記処理のタイムチャートの例を示す。
ここで、ステップS10及びステップS20が主駆動輪スリップ推定手段を、界磁電流Ifhを制御する発電機制御部8Aが発電負荷トルク調整手段を、ステップS30〜ステップS50が余剰トルク演算手段を、余剰トルク変換部8Gが発電機負荷トルク制御手段を、それぞれ構成する。
【0108】
次に、上記構成の装置における作用などについて説明する。
路面μが小さいためや運転者によるアクセルペダル17の踏み込み量が大きいなどによって、エンジン2から前輪1L、1Rに伝達されたトルクが路面反力限界トルクよりも大きくなると、つまり、主駆動輪1L、1Rである前輪1L、1Rが加速スリップすると、その加速スリップ量に応じた発電負荷トルクThで発電機7が発電することで、前輪1L、1Rに伝達される駆動トルクが、当該前輪1L、1Rの路面反力限界トルクに近づくように調整される。この結果、主駆動輪である前輪1L、1Rでの加速スリップが抑えられる。
【0109】
しかも、発電機7で発電した余剰の電力によってモータ4が駆動されて従駆動輪である後輪3L、3Rも駆動されることで、車両の加速性が向上する。
このとき、主駆動輪1L、1Rの路面反力限界トルクを越えた余剰のトルクでモータ4を駆動するため、エネルギー効率が向上し、燃費の向上に繋がる。
ここで、常時、後輪3L、3Rを駆動状態とした場合には、力学的エネルギー→電気的エネルギー→力学的エネルギーと何回かエネルギー変換を行うために、変換効率分のエネルギー損失が発生することで、前輪1L、1Rだけで駆動した場合に比べて車両の加速性が低下する。このため、後輪3L、3Rの駆動は原則として抑えることが望まれる。これに対し、本実施形態では、滑り易い路面等では前輪1L、1Rに全てのエンジン2の出力トルクTeを伝達しても全てが駆動力として使用されないことに鑑みて、前輪1L、1Rで有効利用できない駆動力を後輪3L、3Rに出力して加速性を向上させるものである。
【0110】
また、上記実施形態では、主駆動輪である前輪1L、1Rが加速スリップしていなくても、路面状況が加速スリップするおそれのある路面状況と推定すると、予め発電負荷トルクを発生させて車両が安定している状態のうちに四輪駆動状態とすることで、走行安定性を確実に得ることができ、加速スリップに対する車両安定性や応答性が向上する。
【0111】
また、発進時などの所定以下の低速走行状態にあっては、加速スリップを、前後輪の速度差ΔVで推定しても路面反力限界トルクで推定しても、加速スリップしているとの推定が適切に行われないおそれがあり(低速であるほど、ロータリセンサなどによる車輪速検出精度が悪くなることや、車両の加速が小さく路面反力が小さすぎることから加速スリップ検出の精度が悪くなるため)、実際に加速スリップしていても四輪駆動状態とならない可能性がある。一方、砂地や積雪路面で主駆動輪1L、1Rに加速スリップが発生すると主駆動輪1L、1Rの接地路面が変化し走行条件(路面μの低下や走行抵抗増加)が悪化するが、車両の速度が低いほど自車が変化させた路面による影響が大きいので、発進時などの極低速状態ではスリップすることで路面状況が悪化し、その後に四輪駆動となっても発進困難となる場合がある。
【0112】
これに対し、本実施形態では、発進時などの所定以下の低速状態であれば、加速スリップする前であっても予め、運転者の要求駆動トルク(加速要求など)に応じた駆動トルクで従駆動輪3L、3Rも駆動することで、砂地などの加速スリップしやすい路面状況で発進する場合であっても安定した発進が行われるなど、低速走行時における安定した走行が可能となる。
【0113】
ここで、余剰トルク変換部8GにおけるステップS630にて、目標発電負荷トルクThから目標モータトルクTMを算出する際に、少なくとも所定以下の低速状態で且つTh2をThとして選択された場合に、アクセル開度に応じて目標モータトルクTMを算出するようにしても良い。
図13に、所定以下の低速状態にも発電機7の負荷トルクを出力制御する場合におけるタイムチャートを示す。後輪速が5km/h以下を所定以下の低速状態とした場合の例である。
【0114】
上記実施形態では、加速スリップしていない場合であっても、特定条件下、発電機7を負荷状態とする場合を例示しているが、加速スリップしている場合にのみ発電機7を負荷状態としても良い。
また、上記実施形態では、発電機7の発電した電圧でモータ4を駆動して4輪駆動を構成する場合で説明しているが、これに限定されない。発電機7が発電した電力を他の負荷装置に供給して、当該負荷装置で消費するようにしても良い。
【0115】
また、上記実施形態では、スロットル制御による内燃機関出力制限手段について説明しているが、これに限定されない。内燃機関の点火時期リタード、点火カット、燃料の減少若しくは停止、スロットル制御の少なくともいずれかによる方法で、出力制限するようにしても良い。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
【0116】
本実施形態の基本構成は、上記第1実施形態と同様であるが、余剰トルク演算部8Eの構成だけが異なる。
その余剰トルク演算部8Eの処理は、図14に示すようになっている。すなわち、先ず、ステップS700で、エンジン回転数検出センサ21及びスロットルセンサからの信号に基づいて、例えば図15に示すようなマップによってエンジン2の出力トルクTeを演算した後に、ステップS710に移行する。
【0117】
ステップS710では、上述のステップS40と同様な演算で、発電機7の電圧V、電機子電流Ia、発電機7の回転数Nhに基づき、現在の発電機7のトルクTGを演算して、ステップS720に移行する。
ステップS720では、駆動系加速トルクTifを、下記式に基づき演算して、ステップS730に移行する。
【0118】
Tif=(駆動系イナーシャ(ギア比を含む)) × 角加速度
ここで、角加速度は、前輪1L、1Rの車輪速から求める。
ステップS730では、下記式に基づき、前輪1L、1Rの路面反力Ffを算出してステップS740に移行する。
Ff=(Te−TG)×TR×G − Tif
ここで、
TR:トルクコンバータの増幅比
G:変速機のギア比
である。
【0119】
上記式で、エンジン2の出力トルクTeにTR×Gを乗算しているのは、前輪1L、1Rに伝達された駆動トルクに換算するためである。また、発電機7が作動していない場合には、当然にTGはゼロである。
ステップS740では、最大値更新処理部63を起動して、路面反力の最大値更新をした後に、ステップS750に移行する。
【0120】
ステップS750では、エンジントルクTeに余剰があるかどうか下記式によって判定する。エンジンの出力トルクTeに余剰がない、つまり出力トルクTeの方が小さければ、ステップS780に移行する。一方、エンジントルクTeに余剰がある、つまり出力トルクTeの方が大きければ、ステップ770に移行する。
【0121】
Te > Ffm ÷TR÷G
ステップS770では、下記式に基づき、エンジン出力トルクTeのうちの前輪1L、1Rの最大路面反力限界トルクFfmを越えた余剰トルクつまり目標発電負荷トルクThを算出した後に、復帰する。
Th = Te − (Ffm÷TR÷G)
ここで、ステップS700〜S750が主駆動輪推定手段を、S770が余剰トルク演算手段を、ステップS730が主駆動輪制限トルク演算手段をそれぞれ構成する。
【0122】
一方、ステップS750にて主駆動輪1L、1Rが加速スリップしていないと判定されるとステップ780に移行し、路面推定部60を作動させて加速スリップを生じるおそれのある路面か否かの路面推定を実施した後、ステップS790に移行する。
ステップS790では、路面推定部60の推定に基づき、加速スリップするおそれのある路面と判定した場合には、ステップS800に移行する。一方、スリップするおそれのある路面でないと判定した場合には、ステップS810に移行して、目標発電負荷トルクThにゼロを代入した後にステップS820に移行する。
【0123】
ステップS800では、第2目標負荷トルク演算部61を起動して、目的の従駆動輪3L、3Rの駆動トルクが所要の値とするための目標発電負荷トルクThを求めてステップS820に移行する。
ステップS820では、所定車速以下、例えば時速5km以下かどうかを判定し、所定車速以下と判定した場合には、ステップS830に移行し、所定車速より早いと判定した場合には、処理を終了して復帰する。
【0124】
ステップS830では、第3目標負荷トルク演算部62を起動して、第2目標発電負荷トルクTh2を求めて、ステップS840に移行する。
ステップS840では、加速スリップに応じた目標発電負荷トルクThと、第2目標発電負荷トルクTh2とを比較し、第2目標発電負荷トルクTh2の方が大きいと判定した場合には、ステップS850にてThにTh2の値を代入した後に復帰し、そうでないと判定した場合には、所定を終了して復帰する。
【0125】
ここで、上記実施形態では、加速スリップに応じた目標発電負荷トルクThと所定以下の低速状態に基づく第2目標発電負荷トルクTh2とのセレクトハイをとるように処理を行っているが、所定以下の低速状態では、無条件に第2目標発電負荷トルクTh2を目標発電負荷トルクThに代入しても良い。
次に、上記最大値処理部63の処理について図16を参照しつつ説明する。
【0126】
まず、ステップS900にて、従駆動輪速が所定閾値以下か、つまり車両が実質的に停止状態か否かを判定し停止状態と判定した場合には、ステップS960に移行し、最大限界トルクFfmにゼロを代入つまり最大限界トルクFfmをリセットして復帰する。一方、停止状態でないと判定した場合には、ステップS910に移行する。
【0127】
ステップS910では、前後輪差ΔVFを求め、該前後輪差ΔVFが所定閾値以上と判定すれば、実際に加速スリップが発生しているので、ステップS940に移行する。一方、所定閾値未満、すなわち加速スリップが発生していないと推定した場合には、最大値更新処理を行うべくステップS920に移行する。上記所定閾値は、旋回時などによる誤差が生じないだけの余裕のある値とする。
【0128】
ステップS920では、今回(現在)の路面反力トルクFfと最大限界トルクFfmとを比較し、今回の路面反力トルクFfの方が大きければステップS930に移行し、そうでなければ処理を終了して復帰する。
ステップS930では、今回(現在)の路面反力トルクFfを最大限界トルクFfmに更新して復帰する。
【0129】
ステップS940では、一つ前(前回の演算時)の路面反力Ffsと今回の路面反力トルクFfとを比較して、今回の方Ffが小さければステップS950に移行し、そうでなければ、リセット処理をせずにステップS920に移行する。
ステップS950では、最大限界トルクFfmを現在の路面反力トルクFfにリセットした後に復帰する。
【0130】
次に、上記構成の装置における作用などについて説明する。
本実施形態では、前輪1L、1Rの実際の加速スリップ(前後輪差ΔV)を直接検出するのではなく、エンジン2の出力トルクTeが前輪1L、1Rの路面反力限界トルクFfを越えたら、越えた分のエンジン2の出力トルクTeを発電機7で吸収することで前輪1L、1Rの加速スリップを抑えて、上記第1実施形態と同様な作用・効果を発揮する。
【0131】
また、本第2実施形態では、第1実施形態と異なり、実際の前後輪差ΔVがゼロになっても、エンジン2の出力トルクTeが当該主駆動輪1L、1Rの路面反力限界トルクFfを越えている間は、発電機7で発電し当該発電負荷は発生させている。
すなわち、第1実施形態のように、前後輪差ΔVで発電機7の負荷について制御すると、前後輪差ΔVがゼロとなる付近でハンチングを起こして振動発生や乗り心地が悪化するおそれがあったり、前後輪差がゼロに収束しないことから、前輪1L、1Rが少し加速スリップしたままとなり、車両挙動が不安定となるおそれがある。
【0132】
これに対し、本第2実施形態では、上述のように、実際の前後輪差がゼロになっても、エンジン2の出力トルクTeが当該主駆動輪1L、1Rの路面反力限界トルクFfを越えている間は発電機7で発電することから、上述のようなハンチングが抑えられて、予想しない振動発生が防止でき、また、前後輪差を安定してゼロに収束させることが可能となる。
【0133】
タイムチャートで示すと、第1実施形態の場合には、図17のようになる。すなわち、前輪1L、1Rのスリップ速度ΔVFの変化に比例した大きさに発電機7で吸収するトルクが演算されることから、ハンチングしやすくなる。特にゲインK1が大きい程、応答性が向上するもののハンチングしやすくなる。なお、スリップ速度ΔVFの時間的変化等に基づきPI制御若しくはPID制御を行うようにしても良い。
【0134】
これに対して、第2実施形態の場合には、図18に示すようなタイムチャートとなり、実際の車輪速差がゼロとなっても、路面反力限界トルクを越えるエンジン2の出力トルク推定値があることから、発電機7で吸収すべきトルクがあると判定される。この結果、上記車輪速差はハンチングを起こすことなく収束しやすい。
【0135】
このとき、車両が発進し走行しだすと変速やトルクコンバータのトルク増幅率の低下によって車両に要求される出力トルクはだんだん小さくなるので、路面状況が大きく変わらなければ、従駆動輪3L、3Rの出力トルクもそれほど必要なくなる。したがって、本実施形態のように最大値更新することで、余計に従駆動輪3L、3Rの出力トルクを出すことが無くなり、エネルギーロスを抑制できる。また、頻繁にモータ4の作動・停止を行う必要がなくなり、モータ4の寿命の点からも好ましい。
【0136】
一方、上記推定に使用される路面反力限界トルクの最大値更新を無条件に続けた場合、図19に示すように、路面μが低い路面に移行して路面反力が低下するなど、路面の状態が変わって従駆動輪3L、3Rの駆動トルクの増加すべき路面状態となっても、加速スリップが検出できない。これに対し、本実施形態では、従駆動輪3L、3Rの駆動力を増加すべき状態と判定すると、最大値更新していた最大限界トルクFfmをリセットすることで、図20に示すように、最大値更新処理を行っても、適切に従駆動輪3L、3Rの駆動トルクを発生させることで所要の車両走行性を確保可能となる。図20は、実際の車輪速差ΔVFが所定閾値を越えたか否かでリセット判定を行う場合である。
【0137】
なお、従駆動輪3L、3Rが駆動トルクを発生している状態(発電負荷中の状態)から、最大値更新をリセットした場合も、基準となる最大限界トルクが下がる結果、従駆動輪3L、3Rの駆動トルクが増大する。
ここで、主駆動輪1L、1Rと従駆動輪3L、3Rとの実際の速度差ΔVでリセットの判定を行う場合には、旋回時の車輪速差等による誤判定を防止するために、閾値をある程度余裕を持たせる必要がある。このため、限界の低い路面であっても閾値を越えるようなスリップが生じなければ最大限界トルクFfmのリセットが行われない。
【0138】
これに対し、悪路や車輪グリップ限界の推定に基づいてリセットを行う場合には、速度差ΔVから直接スリップを検出するのではなく、速度差ΔVの周波数特性に注目して路面変化を検出すると、図21に示すように、速度差ΔVが閾値を越えない場合であっても従駆動輪3L、3Rの駆動力が必要な路面か否かが判定できるため、加速スリップが生じやすい状態において、加速スリップする未然に従駆動輪3L、3Rが駆動トルクを出力しやすくなる。
【0139】
また、悪路の場合にリセットすることで、悪路走行時に、加速スリップする未残に車両が安定しているときに従駆動輪3L、3Rが駆動トルクを出力しやすくなって、悪路走破性が向上する。
また、登坂路では、荷重移動によって前後荷重の配分が後輪側が増加する傾向になるため、当該主駆動輪1L、1Rが加速スリップしやすくなる、すなわち従駆動輪3L、3Rの駆動力を増加すべき路面状況である。したがって、登坂路と推定されるとリセットさせることで、主駆動輪1L、1Rが前輪側であるので、当該主駆動輪1L、1Rの加速スリップを適切に抑制できる。
【0140】
また、砂地や積雪路などの走行抵抗が大きい場合に、リセットすることで、主駆動輪1L、1Rの加速スリップが抑制されると共に、4輪駆動状態とすることで走行性を高めることができる。
また、本実施形態では、図22におけるAのような、路面反力限界トルクが走行するにつれて小さくなる場合にのみにリセットを行うことで、路面状況が変更した際におけるリセットを不必要に行うことを低減することができる。
【0141】
また、車両の発進時に加速スリップが生じ易いことに鑑みて、停車時にリセットすることで、車両発進時における主駆動輪1L、1Rの加速スリップを適切に抑制することが可能となる。
ここで、上記実施形態では、リセットする際の路面に応じた現在(実際)の路面反力限界トルクFfに再設定しているので、現在の路面状態に応じて適切に加速スリップを抑制することが可能となる。ただし、再設定する最大限界トルクFfmは、現在の値に限定されない。例えば、複数の初期値を予め用意しておき、現在の路面に応じて初期値を選択するようにしても良い。
【0142】
また、余剰トルク演算部8EにおけるステップS750及びS770の処理を、従駆動輪3L、3Rの駆動トルク・モータトルク等の演算で置き換えて良い。また、図23に示すように、ステップS750及びS770の処理の代わりに、ステップS771〜ステップS775の処理を行っても良い。すなわち、ステップS771にて、最大路面限界トルクFfmのゲイン(0.9)を掛けてFlimを演算すると共に、ステップS772にて主駆動輪1L、1Rの駆動トルクFdを算出し、続けてステップS773にて余剰トルクを算出し、ステップS774にて、余剰トルクがなければ、上述のステップS780に移行し、余剰あればステップS775にて発電負荷トルクThを算出して上述のステップS820に移行する。この処理における最大限界トルクFfm演算例を図24に、発電負荷トルク演算例を図25に示す。この処理では、最大限界トルクFfmに余裕を持たせることが可能となる。図25中、ハッチングに相当する従駆動輪トルクとなる。
【0143】
次に、第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記各実施形態と同様であるが、4WDコントローラ8が、モータトルク制限演算部8H、及び界磁電流変換部8Jを備える点が異なる。
【0144】
上記モータトルク制限演算部8Hは、上記余剰トルク変換部8Gの処理が完了した後に呼ばれ、また、界磁電流変換部8Jはモータトルク制限演算部8Hの処理が完了した後に呼ばれる。
そのモータトルク制限演算部8Hの処理は、図26に示すようになっている。
すなわち、まず、ステップS1000で、推定車体速VSを推定して、ステップS1010に移行する。推定車体速VSは、例えば前後Gセンサの検出値などから推定できる。
【0145】
ステップS1010では、上記推定車体速VSに基づき、タイヤ径などから後輪3L、3Rで加速スリップが発生していないとした場合の後輪車輪速VR′を演算して、ステップS1020に移行する。
ステップS1020では、後輪3L、3Rの車速センサから後輪3L、3Rの車輪速VRを入力し、下記式から、後輪3L、3Rでの加速スリップ量ΔVRを算出して、ステップS1030に移行する。なお、車輪速VRは左右輪の平均値とする。
【0146】
ΔVR = VR − VR′
ステップS1030では、後輪3L、3Rが加速スリップしているか否かをΔVRにより判定する。ΔVRが所定値以下、例えばΔVRが0以下、つまり後輪3L、3Rが加速スリップしていないと判定した場合には、ステップS1040に移行してFRフラグに0を代入した後に復帰する。
【0147】
一方、ステップS1030でΔVRが0より大きい、つまり後輪3L、3Rが加速スリップしていると判定した場合には、ステップS1050に移行する。
ステップS1050では、上記後輪3L、3Rの加速スリップ量ΔVRの応じた制限すべき制限トルクTΔVRを、下記式によって演算して、ステップS1060に移行する。
【0148】
TΔVR = K4 × ΔVR
ステップS1060では、下記式に基づき現在のモータトルクTmを演算して、ステップS1070に移行する。
Tm =K5×Ia ×Ifm
ここで、K4,K5はゲインであり定数である。
【0149】
ステップS1070では、下記式に基づき、制限トルクTΔVRだけ制限した目標モータトルクTMを求め、ステップS1080に移行する。
TM =Tm − TΔVR
ステップS1080では、目標モータトルクTMを演算したことを示すFRフラグに1を代入して復帰する。
【0150】
また、界磁電流変換部8Jでは、図27に示すような処理が行われる。すなわち、先ずステップS1200で目標モータトルクTMを演算したか否かを判定する。FRが1、つまり目標モータトルクTMが変更されていると判定した場合には、ステップS1210に移行する。一方、FRが0つまり目標モータトルクTMが変更されていないと判定した場合には、そのまま復帰する。
【0151】
ステップS1210では、モータ4の回転数Nm、電機子電流Ia、モータ4の誘起電圧Eから、変更後の目標モータトルクTMとなるモータ界磁電流Ifmを算出し、算出したモータ界磁電流Ifmをモータ制御部8Cに出力した後に復帰する。
ここで、ステップS1000〜ステップS1030が従駆動輪スリップ推定手段を、ステップS1040〜ステップS1080,ステップS1200,ステップS1210が電動機トルク制限手段を構成する。
【0152】
この実施形態では、モータ4で駆動される後輪3L、3R(従駆動輪)が加速スリップすると、モータ界磁電流Ifmが小さくなってモータ効率が低下して後輪3L、3Rにおける加速スリップも抑制されて車両の走行安定性が更に向上する。
なお、目標モータトルクTMに応じてモータ界磁電流Ifmを制御する代わりに、ΔVRがゼロ以下になるように直接ΔVRに応じてモータ界磁電流Ifmを制御しても良い。
【0153】
次に、第4実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記各実施形態と同様であるが、図28に示すように、バッテリ30、及び発電機7の発電した電力の一部をバッテリ30に分配する分配器31を備える点で異なる。
【0154】
すなわち、上記電線9の途中に電力分配手段を構成する分配器31が介装されている。この分配器31は、可変抵抗器31aの抵抗値を調整することで、モータ4側及びバッテリ30側への分配比を変更可能となっていて、4WDコントローラ8からの指令によってその分配比を変更する。符号32は電圧変換器で、供給された電力の電圧をバッテリ30の蓄電可能な電圧に、例えば42ボルトを12ボルトに変換するものである。
【0155】
また、上記4WDコントローラ8は、電力分配手段を構成する分配器制御部8Kを備える。
この分配器制御部8Kは、上記モータトルク制限演算部8Hの処理の後、若しくは界磁電流変換部8Jの処理の後に呼ばれる。
分配器制御部8Kの処理は、図29に示されるように行われる。すなわち、まず、ステップS1300で、後輪3L、3Rが加速スリップしているか否かを判定する。後輪3L、3Rが加速スリップしていないと判定したら、ステップS1320に移行する。また、後輪3L、3Rが加速スリップしていると判定したら、ステップS1310に移行する。
【0156】
ここで、加速スリップしているか否かは、従駆動輪スリップ推定手段を構成する上述のステップS1000〜ステップS1020の処理の結果で判定すればよい。
ステップS1310では、予め決定されている分配比で発電機7が発電した電圧Vの一部をバッテリ30側に分配する指令を分配器31に出力して、復帰する。
【0157】
また、ステップS1320では、バッテリ30側への電力供給を停止し、モータ側にのみ電力を供給する指令を分配器31に出力した後に、復帰する。
なお、ステップS1310において、スリップ率に応じて後輪の加速スリップを抑制するように上記分配器31の分配比を可変としても良い。
ここで、推定車体速VSから求めた車輪速VR′と後輪速VRとの差からスリップ量ΔVRを求める場合には、下記式によって上記スリップ率Aを計算する。
【0158】
Figure 0003541821
また、路面限界グリップ量とモータトルクTmとから過剰トルクを演算して、加速スリップの有無を判定する場合には、下記によってスリップ率Aを計算する。
【0159】
Figure 0003541821
本実施形態では、後輪3L、3Rが加速スリップすると、その後輪3L、3Rを駆動するモータ4への電圧を小さくすることで後輪3L、3Rの駆動力が低減して後輪3L、3Rの加速スリップが抑制されて、上述の実施形態と同様な作用・効果を発揮する。
【0160】
またこのとき、モータ4に供給しない電圧を一部をバッテリ30に蓄電するので、モータ4に供給しない電圧を別途有効利用することができる。
次に、第5実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
本実施形態の基本構成は、上記各実施形態と同様であるが、クラッチ12のトルク伝達率を制限するクラッチ制御限定部8Lを備えることで、後輪3L、3Rの加速スリップを抑える点が異なる。クラッチ制御限定部8Lは、伝達トルク制御手段を構成する。
【0161】
このクラッチ制御限定部8Lは、上記分配器制御部8Kの代わりに、上記モータトルク制限演算部8Hの処理の後、若しくは界磁電流変換部8Jの処理の後に呼ばれる。
上記クラッチ制御限定部8Lの処理は、図30に示すように、まず、ステップS1400で、後輪3L、3Rが加速スリップしているか否かを判定する。後輪3L、3Rが加速スリップしていないと判定した場合には、ステップS1420に移行し、また、後輪3L、3Rが加速スリップしていると判定した場合には、ステップS1410に移行する。
【0162】
ここで、加速スリップしているか否かは、スリップ状態検出手段である上述のステップS1000〜ステップS1030の処理の結果で判定すればよい。
ステップS1410では、上述のように後輪3L、3Rの加速スリップ量に応じた低減すべきトルクを演算する。その低減すべき低減トルクΔVR、又はΔTMと現在のモータ出力トルクとからクラッチ12での最大トルク伝達率を演算し、その最大トルク伝達率KDをクラッチ制御部8Dに出力した後に復帰する。
【0163】
一方、ステップS1420では、最大トルク伝達率KDに100%を示す100を代入し、その最大トルク伝達率KDをクラッチ制御部8Dに出力した後に復帰する。
また、クラッチ制御部8Dでは、クラッチ12のトルク伝達率の上限が、上記クラッチ制御限定部8Lから入力した最大トルク伝達率KDとなるように制限する。
【0164】
本実施形態では、後輪3L、3Rが加速スリップすると、クラッチ12による後輪3L、3Rへの駆動力の伝達率の上限が抑えられることで、後輪3L、3Rに実際に伝達される駆動力が低減して、後輪3L、3Rでの加速スリップが抑制される。この結果、上記各実施形態と同様な作用効果を発揮する。
次に、第6実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
【0165】
本実施形態の基本構成は、上記各実施形態と同様であるが、4WDコントローラ8が、内燃機関出力制御部8Mを備える点が異なる。内燃機関出力制御部8Mは、内燃機関出力制御手段を構成する。
この内燃機関出力制御部8Mは、上記クラッチ制御限定部8L及び上記分配器制御部8Kの代わりに、上記モータトルク制限演算部8Hの処理の後、若しくは界磁電流変換部8Jの処理の後に呼ばれる。
【0166】
上記内燃機関出力制御部8Mの処理は、図31に示すようになっている。まず、ステップS1500で、後輪3L、3Rが加速スリップしているか否かを判定する。後輪3L、3Rが加速スリップしていないと判定した場合には、ステップS1510に移行して、サブスロットバルブ16のスロットル開度をメインスロットルバルブ15の開度以上に開ける指令をモータコントローラ20に出力して復帰する。一方、後輪3L、3Rが加速スリップしていると判定した場合にはステップS1520に移行する。
【0167】
ステップS1520では、後輪3L、3Rのスリップ率を演算して、ステップS1530に移行する。
ここで、推定車体速VSから求めた車輪速VR′と後輪速VRとの差からスリップ量ΔVRを求める場合には、下記式によって上記スリップ率Aを計算する。
Figure 0003541821
また、路面限界グリップ量とモータトルクTmとから過剰トルクを演算して、加速スリップの有無を判定する場合には、下記によってスリップ率Aを計算する。
【0168】
Figure 0003541821
ステップS1530では、上記加速スリップ量に応じた閉方向へのスロットル開度を演算する。例えば、下記式によって演算し、演算した開度指令をモータコントローラ20に出力した後に復帰する。
【0169】
θ =K6×A
ここで、K6はゲインであり定数である。もっとも、ゲインK6を、前回のスリップ率と今回のスリップ率との偏差などによって変更するようにしても良い。
本実施形態では、後輪3L、3Rのスリップ状態検出値であるスリップ率Aに応じた量だけサブスロットルが閉方向に調整されることで、運転者のアクセル操作とは無関係にエンジン2出力が低減制御される。この結果、その分発電機7の発電負荷が小さくなり、つまりモータ4から後輪3L、3Rに伝達される駆動トルクが小さくなって後輪3L、3Rの加速スリップが低減したり抑制される。
【0170】
この結果、後輪3L、3Rでも加速スリップが抑えられて走行安定性が向上すると共に、エンジン2の出力トルクが抑えられる結果、エネルギー効率が向上して燃費向上に繋がる。
次に、第7実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な装置などについては同一の符号を付して説明する。
【0171】
本実施形態の基本構成は、第1及び第2実施形態と同様であるが、図32に示すように、モータ駆動用バッテリ49を備える。そして、発電機7からの電力及び上記モータ駆動用バッテリ49からの電力がインバータ50を介してモータ4に供給されるようになっている。なお、上記バッテリ49には、電力の供給を遮断するためのリレー(不図示)がある。
【0172】
インバータ50は、バッテリ49から供給された電力を交流に変換すると共に発電機7から供給される電力と足し合わせてモータ4に出力する。また、コントローラ8からの指令によってバッテリ49からモータ4に供給する電力量の調整を行う。
また、本実施形態の目標トルク制限部8Fを、図33に基づいて説明する。
【0173】
まず、ステップS300で、上記目標発電負荷トルクThが、発電機7の最大負荷容量HQより大きいか否かを判定する。目標発電負荷トルクThが当該発電機7の最大負荷容量HQ以下と判定した場合には、ステップS400に移行し、Bhにゼロを代入し、続けてステップS410にてバッテリ制御部65を起動した後に復帰する。
一方、ステップS300にて目標発電負荷トルクThが発電機7の最大負荷容量HQよりも大きいと判定した場合には、ステップS310に移行する。
【0174】
ステップS310では、目標の発電負荷トルクThにおける最大負荷容量HQを越える超過トルクΔTbを下記式によって求め、ステップS320に移行する。
ΔTb= Th − HQ
ステップS320では、エンジン回転数検出センサ21及びスロットルセンサからの信号等に基づいて、現在のエンジントルクTeを演算してステップS330に移行する。
【0175】
ステップS330では、下記式のように、上記エンジントルクTeから上記超過トルクΔTbを減算したエンジントルク上限値TeMを演算し、求めたエンジントルク上限値TeMをエンジンコントローラ18に出力した後に、ステップS340に移行する。
TeM =Te −ΔTb
ここで、エンジンコントローラ18では、運転者のアクセルペダル17の操作に関係なく、入力したエンジントルク上限値TeMをエンジントルクTeの上限値となるように当該エンジントルクTeを制限する。上述のステップS310からここまでの処理が内燃機関出力制限手段を構成する。
【0176】
ステップS340では、アクセルペダルの操作量に基づき加速要求があるかどうか判定し、所定以上の加速要求がない場合にはステップS420に移行する。一方、所定以上の加速要求がある場合にはステップS350に移行する。
上記所定以上の加速要求があるか否かは、図34に示すマップに基づきハッチング位置か否かを判定する。すなわち所定アクセル開度以上が所定時間継続した場合に加速要求があったと判定する。所定時間継続するか否かを使用しているのは、確実にスタック状態を検出出来るようにするためである。
【0177】
ステップS350では、従駆動輪3L、3Rの速度が所定値以下か否か、つまり、加速要求に比して従駆動輪3L、3Rの速度が抑制されたスタック状態か否かを判定する。スタック状態と判定した場合には、ステップS360に移行する。一方、スタック状態でないと判定した場合には、ステップS420に移行する。
【0178】
ステップS360で、超過トルクΔTbをBhに代入し、ステップS370で、バッテリ制御部65を起動してバッテリからの電力供給量を調整してステップS420に移行する。
また、ステップS420で、発電負荷トルクThを発電機7の最大負荷容量HQに制限した後に、復帰する。
【0179】
次に、バッテリ制御部65について図35に基づき説明する。
まず、ステップS500にてBhがゼロか否かを判定し、ゼロであれば、ステップS530に移行してバッテリ49からの電力供給を停止する処理を行う。BhがゼロでなければステップS510に移行する。
ステップS510では、下記式に基づき、バッテリ49からの供給量を演算し、ステップS520に移行する。
【0180】
BP=K7・Bh
ここで、K7はゲインであり定数である。
ステップS520では、BPに応じた信号をインバータ50に供給して復帰する。
またステップS530では、バッテリ49及びインバータ50に電力停止指令を供給して復帰する。
【0181】
次に、本実施形態の作用・効果などについて説明する。
余剰トルクが大きくなって発電機の負荷容量を超える若しくは越えるおそれがあると、越えたトルクに応じてエンジン2の出力トルクを低減調整される。この結果、必ずしも大きな負荷容量をもつ大きな発電機が必要なくなり、コストや発電機の専有スペースなどの搭載性が有利となる。
【0182】
また、このように、内燃機関出力制限手段で発電機の負荷容量に鑑みてエンジン2の出力トルクを制限する場合に、主駆動輪1L、1Rが空転する所謂スタック状態の時に、加速要求に比して従駆動輪3L、3Rの駆動力が低下してしまう状態と判定すると、上記エンジン2の出力トルクの低減分だけバッテリ49からモータ4に供給する電力量を増加する結果、車両がスタックした場合に、主駆動輪1L、1Rの加速スリップを抑制するためにエンジン2の出力トルクを低減しても、その分、従駆動輪3L、3Rの駆動トルクが増加して車両のトータル駆動力を同等に維持できるため、スタック状態からの脱出性能が向上する。
【0183】
なお、本実施形態では、4輪駆動可能な車両の場合の例について説明したが、2輪以上の車輪を備え、一部の車輪を内燃機関で駆動し、その他の一部または残り全ての車輪をモータ4で駆動する車両においても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく第1実施形態に係る概略装置構成図である。
【図2】本発明に基づく第1実施形態に係るシステム構成図である。
【図3】本発明に基づく第1実施形態に係る4WDコントローラを示すブロック図である。
【図4】本発明に基づく第1実施形態に係る装置で処理手順を示す図である。
【図5】本発明に基づく第1実施形態に係る余剰トルク演算部の処理を示す図である。
【図6】本発明に基づく実施形態に係る路面推定部の処理を示す図である。
【図7】グリップ限界時の車輪速波形を示す図である。
【図8】悪路走行時の車輪速波形を示す図である。
【図9】アクセル開度と分配割合との関係を示す図である。
【図10】本発明に基づく第1実施形態に係る目標トルク制限部の処理を示す図である。
【図11】本発明に基づく第1実施形態に係る余剰トルク変換部の処理を示す図である。
【図12】本発明に基づく第1実施形態に係る余剰トルク変換部のタイムチャート例を示す図である。
【図13】本発明に基づく第1実施形態に係る別の余剰トルク変換部のタイムチャート例を示す図である。
【図14】本発明に基づく第2実施形態に係る余剰トルク演算部の処理を示す図である。
【図15】エンジントルクの演算のためのマップを示す図である。
【図16】本発明に基づく第2実施形態に係る最大値更新処理部の処理を示す図である。
【図17】第1実施形態に基づくタイムチャートを示す図である。
【図18】第2実施形態に基づくタイムチャートを示す図である。
【図19】最大値更新しない場合のタイムチャートを示す図である。
【図20】最大値更新する場合のタイムチャートを示す図である。
【図21】最大値更新する場合の別のタイムチャートを示す図である。
【図22】最大値更新のリセットのついてのタイムチャートを示す図である。
【図23】本発明に基づく第2実施形態に係る余剰トルク演算部の別の処理を説明する図である。
【図24】最大限界トルク演算例を示すタイムチャートである。
【図25】発電負荷トルクの演算例を示すタイムチャートである。
【図26】本発明に基づく第3実施形態に係るモータ制限演算部の処理を示す図である。
【図27】本発明に基づく第3実施形態に係る界磁電流変換部の処理を示す図である。
【図28】本発明に基づく第4実施形態に係る概略装置構成図である。
【図29】本発明に基づく第4実施形態に係る分配制御部の処理を示す図である。
【図30】本発明に基づく第5実施形態に係るクラッチ制御限定部の処理を示す図である。
【図31】本発明に基づく第6実施形態に係る内燃機関出力制御部の処理を示す図である。
【図32】本発明に基づく第7実施形態に係る概略装置構成図である。
【図33】本発明に基づく第7実施形態に係る目標トルク制限部を示す図である。
【図34】本発明に基づく第7実施形態に係る加速要求判定のためのマップを示す図である。
【図35】本発明に基づく第7実施形態に係るバッテリ制御部の処理を示す図である。
【符号の説明】
1L、1R 前輪
2 エンジン
3L、3R 後輪
4 モータ
6 ベルト
7 発電機
8 4WDコントローラ
9 電線
10 ジャンクションボックス
11 減速機
12 クラッチ
14 吸気管路
15 メインスロットルバルブ
16 サブスロットルバルブ
18 エンジンコントローラ
19 ステップモータ
20 モータコントローラ
21 エンジン回転数センサ
22 電圧調整器
23 電流センサ
26 モータ用回転数センサ
27FL、27FR、27RL、27RR 車輪速センサ
30 バッテリ
31 分配器
49 バッテリ
50 インバータ
Ifh 発電機の界磁電流
V 発電機の電圧
Nh 発電機の回転数
Ia 電機子電流
Ifm モータの界磁電流
E モータの誘起電圧
Nm モータの回転数
TG 発電機負荷トルク
Th 目標発電機負荷トルク
Th2 第2目標発電機負荷トルク
Tm モータのトルク
TM モータの目標トルク
Te エンジンの出力トルク
Ff 路面限界反力トルク
Ffm 最大路面限界反力トルク

Claims (34)

  1. 前後輪の少なくとも一方の駆動輪を駆動する内燃機関と、その内燃機関の動力によって駆動される発電機とを備えた車両の駆動力制御装置であって、
    上記駆動輪が加速スリップしているか否かを推定する駆動輪スリップ推定手段と、上記駆動輪スリップ推定手段で駆動輪が加速スリップしていると推定される場合に作動し、上記駆動輪の加速スリップ量に応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する発電機制御手段とを備え、上記駆動輪スリップ推定手段は、内燃機関の出力トルクと上記駆動輪の路面反力限界トルクとの差から加速スリップの有無を推定することを特徴とする車両の駆動力制御装置。
  2. 上記発電機制御手段は、
    上記発電機の発電負荷トルクを調整する発電負荷トルク調整手段と、内燃機関の出力トルクのうちの上記駆動輪の路面反力限界トルクを越えた余剰トルクを求める余剰トルク演算手段と、上記発電負荷トルク調整手段を介して上記余剰トルク演算手段が演算した余剰トルクに基づくトルク値に上記発電機の発電負荷トルクを制御する発電負荷トルク制御手段とを備えたことを特徴とする請求項に記載した車両の駆動力制御装置。
  3. 上記余剰トルク演算手段は、上記駆動輪の加速スリップ量及び現在の発電機の負荷トルク量に基づき余剰トルクを求めることを特徴とする請求項に記載した車両の駆動力制御装置。
  4. 上記余剰トルク演算手段は、駆動輪の路面反力限界トルクを演算する駆動輪限界トルク演算手段を備え、当該駆動輪限界トルク演算手段が演算した路面反力限界トルクと内燃機関の出力トルクとの偏差に基づき余剰トルクを求めることを特徴とする請求項に記載した車両の駆動力制御装置。
  5. 上記駆動輪限界トルク演算手段は、
    駆動輪の路面反力限界トルクを算出する限界トルク算出手段と、
    該限界トルク算出手段が算出し現在の路面反力限界トルクと最大限界トルク値とを比較し大きい方を最大限界トルク値とする限界トルク最大値更新手段と、
    従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定すると作動して、上記最大限界トルクを所定値に再設定する限界トルクリセット手段と、を備え、
    上記最大限界トルク値を、駆動輪限界トルク演算手段が演算した路面反力限界トルクとすることを特徴とする請求項に記載した車両の駆動力制御手段。
  6. 上記限界トルクリセット手段は、前後輪速差が所定値以上の場合に、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とする請求項に記載した車両の駆動力制御装置。
  7. 駆動輪における車輪グリップ限界を推定する車輪グリップ限界推定手段を備え、
    上記限界トルクリセット手段は、上記車輪グリップ限界推定手段の推定値に基づき車輪グリップ限界若しくはその近傍と判定したら、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とする請求項又は請求項に記載した車両の駆動力制御装置。
  8. 悪路走行か否かを推定する悪路推定手段を備え、
    上記限界トルクリセット手段は、上記悪路推定手段の推定値に基づき悪路走行中と判定したら、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  9. 登坂路走行中か否かを推定する登坂路推定手段を備え、
    上記限界トルクリセット手段は、上記登坂路推定手段の推定値に基づき登坂路を走行中と判定したら、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  10. 車両に対する走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段を備え、
    上記限界トルクリセット手段は、上記走行抵抗検出手段の検出値に基づき走行抵抗が所定値以上の場合に、従駆動輪の駆動力を増加すべき状態と判定することを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  11. 上記限界トルクリセット手段は、上記現在の路面反力限界トルクが前回の路面反力限界トルクよりも小さい場合にのみ、上記最大限界トルク値を所定値に再設定することを特徴とする請求項〜請求項1のいずれかに記載した車両の駆動力制御手段。
  12. 上記限界トルクリセット手段は、車両が停止したと判定した場合に、上記現在の路面反力限界トルクが前回の路面反力限界トルクよりも小さくなくても、上記最大限界トルクを所定値に再設定することを特徴とする請求項〜請求項1のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  13. 上記限界トルクリセット手段が再設定する所定値は、限界トルク算出手段が算出した現在の路面反力限界トルクであることを特徴とする請求項〜請求項1のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  14. 前後輪の一方である主駆動輪を上記内燃機関で駆動し、前後輪の他方である従駆動輪を電動機で駆動し、当該電動機は上記発電機が発電した電力で駆動されることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  15. 駆動輪が加速スリップするおそれのある路面状況か否かを推定する加速スリップおそれ推定手段と、運転者の要求駆動トルクを検出する要求トルク検出手段とを備え、
    上記発電機制御手段は、加速スリップおそれ推定手段が加速スリップするおそれのある路面状況と推定すると作動して、運転者の要求トルクに応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する第2発電機制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。
  16. 駆動輪が加速スリップするおそれのある路面状況か否かを推定する加速スリップおそれ推定手段を備え、
    上記発電機制御手段は、加速スリップおそれ推定手段が加速スリップするおそれのある路面状況と推定すると作動して、内燃機関の出力トルクに対し所定割合の負荷トルクとなるように上記発電機のトルクを制御する第3発電機制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。
  17. 駆動輪が加速スリップするおそれのある路面状況か否かを推定する加速スリップおそれ推定手段を備え、
    上記発電機制御手段は、加速スリップおそれ推定手段が加速スリップするおそれのある路面状況と推定すると作動して、予め求めた高μ路での路面反力限界トルクと現在の路面反力限界トルクとの差に応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する第4発電機制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動力制御装置。
  18. 駆動輪の車輪グリップ限界を推定する車輪グリップ限界推定手段を備え、加速スリップおそれ推定手段は、該車輪グリップ限界推定手段の推定に基づき、車輪グリップ限界若しくはその手前近傍である場合に、加速スリップするおそれのある路面状況と推定することを特徴とする請求項1〜請求項1のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  19. 悪路走行中か否かを推定する悪路推定手段を備え、
    加速スリップおそれ推定手段は、悪路推定手段の判定に基づき、悪路走行中の場合に、加速スリップするおそれのある路面状況と推定することを特徴とする請求項1〜請求項18のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  20. 登坂路走行中か否かを推定する登坂路推定手段を備え、
    上記加速スリップおそれ推定手段は、登坂路推定手段の推定に基づき、登坂路走行中の場合に、加速スリップするおそれのある路面状況と推定することを特徴とする請求項1〜請求項19のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  21. 車両の走行抵抗を検出する走行抵抗検出手段を備え、
    上記加速スリップおそれ推定手段は、上記走行抵抗検出手段の検出に基づき走行抵抗が所定値以上と判定した場合に、加速スリップするおそれのある路面状況と推定することを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  22. 運転者の要求駆動トルクを検出する要求トルク検出手段と、車両の走行状態が所定以下の低速状態か否かを判定する低速状態判定手段と、該低速状態判定手段が低速状態と判定すると作動し、上記要求トルク検出手段が検出した要求駆動トルクに応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する第1低速制御手段と、を備え、
    上記駆動輪スリップ推定手段で駆動輪が加速スリップしていると推定された場合に、上記低速状態判定手段の判定に基づき、所定以下の低速状態と判定したときには上記第1低速制御手段を作動し、当該低速状態でないと判定したときには上記発電機制御手段を作動させることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  23. 運転者の要求駆動トルクを検出する要求トルク検出手段と、車両の走行状態が所定以下の低速状態か否かを判定する低速状態判定手段と、を備え、
    上記発電機制御手段は、駆動輪が加速スリップしていると推定される場合であって、上記低速状態判定手段の判定に基づき所定以下の低速状態と判定される場合には、駆動輪の加速スリップ量に応じた第1の発電負荷を求めると共に、上記要求トルク検出手段が検出した要求駆動トルクに応じた第2の発電負荷トルクを求め、両発電負荷トルクの大きい方の発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御することを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  24. 要求トルク検出手段は、上記運転者の要求駆動トルクをアクセル開度指示装置の操作量に基づき判定することを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御手段。
  25. 車両の前後荷重配分を判定する荷重配分判定手段と、車両の走行状態が所定以下の低速状態か否かを判定する低速状態判定手段と、該低速状態判定手段が低速状態と判定すると作動し、上記荷重配分判定手段の判定した前後荷重配分に応じた発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御する第2低速制御手段と、を備え、
    上記駆動輪スリップ推定手段で駆動輪が加速スリップしていると推定された場合に、上記低速状態判定手段の判定に基づき、所定以下の低速状態と判定したときには、上記第2低速制御手段を作動し、当該低速状態でないと判定したときには上記発電機制御手段を作動させることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  26. 車両の前後荷重配分を判定する荷重配分判定手段と、車両の走行状態が所定以下の低速状態か否かを判定する低速状態判定手段と、を備え、
    上記発電機制御手段は、駆動輪が加速スリップしていると推定される場合であって、上記低速状態判定手段の判定に基づき所定以下の低速状態と判定される場合には、駆動輪の加速スリップ量に応じた第1の発電負荷を求めると共に、上記荷重配分判定手段の判定した前後荷重配分に応じた第2の発電負荷トルクを求め、両発電負荷トルクの大きい方の発電負荷トルクに上記発電機のトルクを制御することを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  27. 上記従駆動輪の加速スリップの有無を推定する従駆動輪スリップ推定手段と、従駆動輪スリップ推定手段の推定により従駆動輪が加速スリップしていると判定すると作動し、電動機から従駆動輪に伝達されるトルクが従駆動輪の路面反力限界トルク以下となるように、上記電動機の界磁電流を調整することで上記電動機のトルクを制限する電動機トルク制限手段とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  28. バッテリと、従駆動輪の加速スリップの有無を推定する従駆動輪スリップ推定手段と、従駆動輪スリップ推定手段で従駆動輪が加速スリップしたと判定した場合に、発電機から電動機に供給される電力の一部をバッテリに分配する電力分配手段とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  29. 従駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出手段と、運転者のアクセル操作とは無関係に、スリップ状態検出手段が検出したスリップ状態検出値の大きさに応じて内燃機関の出力トルクを低減制御する内燃機関出力制御手段とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項28のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  30. 従駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ状態検出手段と、電動機のトルクを上記車輪に伝達する伝達トルクを調整するクラッチ手段と、スリップ状態検出手段が検出したスリップ状態検出値の大きさに応じ上記クラッチ手段を通じて上記従駆動輪側に伝達する伝達トルクを調節する伝達トルク制限手段とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項29のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  31. 上記余剰トルク演算手段が演算した余剰トルクが発電機の負荷容量を超える場合に作動し、運転者のアクセル操作とは無関係に、上記余剰トルクから発電機の負荷容量に応じたトルクを減じた値の大きさに応じて上記内燃機関の出力トルクを低減制御する内燃機関出力制限手段を、備えることを特徴とする請求項〜請求項3のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  32. 上記余剰トルク演算手段が演算した余剰トルクが発電機の負荷容量を超える場合に作動し、運転者のアクセル操作とは無関係に、上記余剰トルクから発電機の負荷容量に応じたトルクを減じた値の大きさに応じて上記内燃機関の出力トルクを低減制御する内燃機関出力制限手段と、
    上記電動機に電力を供給可能なバッテリと、上記バッテリから電動機に供給される電力量を調節する供給電力調節手段と、運転者の加速要求を検出する加速要求検出手段と、車両の加速状態を検出する加速状態検出手段と、
    上記内燃機関出力制限手段が作動していると判定すると作動し、上記加速要求検出手段及び加速状態検出手段の検出値に基づき加速要求に比して従駆動輪の回転速度が抑制されていると判定すると、上記供給電力調整手段を通じて、上記内燃機関出力制限手段による上記出力トルクの低減量に応じた量だけバッテリから電動機に供給する電力量を増加するバッテリ電力増大制御手段と
    を備えることを特徴とする請求項〜請求項2のいずれかに記載した車両の駆動力制御装置。
  33. 上記加速要求検出手段は、運転者による加速要求指示量及び当該加速要求指示の継続時間に基づき加速要求に比して従駆動輪の回転速度が抑制されていることを判定することを特徴とする請求項3に記載した車両の駆動力制御装置。
  34. 上記加速状態検出手段は、従駆動輪の車輪速度、従駆動輪の車輪加速度、及び車両の前後加速度の少なくとも一つの値に基づき車両の加速状態を検出することを特徴とする請求項3又は請求項3に記載した車両の駆動力制御装置。
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