JP3541196B2 - 手摺り - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、階段や傾斜路の手摺りに関するもので、特に高齢者や身障者などが掴み易く、安全に登り下りできるようにした手摺りに関する。
【0002】
【従来の技術】
階段には、歩行者が登り下り時に転落したり、足を踏み外したりして転倒するのを防止するために、手摺りが取り付けられる。そして、その手摺りは、通常、階段の勾配と同じ勾配で配設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の手摺りは階段の勾配と同じ勾配で配設されているため、手摺りを掴み難く、力も入れ難く、特に握力の弱い高齢者や身障者の場合、階段登り下り時に手摺りから手を滑らせて転倒したり、転がり落ちる危険性がある。また、屋外の階段にあっては、雨などにより手摺りが濡れている場合には、更に滑り易く、階段からの落下事故発生の原因となっている。
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑み、掴み易く、力を入れ易く、そして滑り難い手摺りを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の手摺りは、階段や傾斜路の少なくとも片側に沿って傾斜方向に横手摺り1,2を配置し、この横手摺り1,2に登り用縦手摺り3を略縦方向に設け、この登り用縦手摺り3とは別に下り用縦手摺り4を略縦方向に設け、登り用縦手摺り3の位置を下り用縦手摺り4の位置より低く設定すると共に、登り用縦手摺り3は階段踏み面Sに垂直に配置され、下り用縦手摺り4は横手摺り1,2に対し垂直に配置されてなることを特徴とする。
【0008】
請求項2は、請求項1に記載の手摺りにおいて、横手摺り1,2とこれに取り付けられる登り用縦手摺り3とは、階段Kや傾斜路の傾斜角度に合わせて傾斜角度調整可能に取り付けられるようになっていることを特徴とする。
【0009】
請求項3は、請求項1又は2に記載の手摺りにおいて、横手摺りは、登り用縦手摺り3を取り付ける登り用横手摺り1と、下り用縦手摺り4を取り付ける下り用横手摺り2とからなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態による手摺りを階段の上方から見た斜視図、図2の(A)は同階段の上側部分を示す側面図、(B)はその下側部分を示す側面図である。これらの図において、1及び2は、階段Kの脇壁Wに階段Kの傾斜方向に沿って上下2段に平行に設置された横手摺りで、下段側の横手摺り1は登り用の横手摺りとされ、上段側の横手摺り2は下り用の横手摺りとされる。そして、登り用横手摺り1には、略縦方向(上下方向)に配置された登り用縦手摺り3が横手摺り長手方向一定間隔おきに配設され、また下り用横手摺り2には、同じく略縦方向(上下方向)に配置された下り用縦手摺り4が横手摺り長手方向一定間隔おきに配設されている。これらの図から分かるように、登り用縦手摺り3の位置は下り用縦手摺り4の位置よりも低く設定されている。
【0012】
各横手摺り1,2は、例えば木材あるいは木材と樹脂との合成材などにより形成されるもので、各横手摺り1,2の上手側端部は、図1及び図3示すように、直角ベンド(パイプピース)5により直角に接続された支持軸6を介して、階段上手側の脇壁部W′に支持固定されている。尚、支持軸6は、横手摺り1,2と同じ材料で同じ径に形成されている。
【0013】
各横手摺り1,2の上手側端部を脇壁部W′に支持固定するにあたっては、図3に示すように、支持軸6の端部が嵌合する有底円筒状のキャップ7を前記脇壁部W′の所定位置にあらかじめビス8で取り付けておいて、各横手摺り1,2の端部に直角ベンド5の一端部を嵌合させてビス8止めし、その他端部に支持軸6の一端部を嵌合させてビス8止めし、この支持軸6の他端部を、先に脇壁部W′に取り付けておいたキャップ7に嵌合してビス8止めすればよい。
【0014】
各横手摺り1,2の下手側端部の支持構造については、図示は省略するが、上記した上手側端部と同様な直角ベンド5と支持軸6とキャップ7を使用して、階段Kの下手側で脇壁Wに支持固定する。この下手側端部では横手摺り1,2と脇壁Wとの間隔が、上手側端部の場合の横手摺り1,2と脇壁部W′との間隔より狭いので、支持軸6は長さの短いものを使用すればよい。また、各横手摺り1,2の中間部を適当な支持部材によって脇壁Wに支持固定するとよい。
【0015】
登り用横手摺り1に略縦方向に配置される各登り用縦手摺り3は、詳しくは、階段Kの踏み面Sに対し垂直に配置されており、その垂直線を図2にGで示す。各登り用縦手摺り3は、横手摺り1,2の同様な材料(木材あるいは木材と樹脂との合成材など)によって略U状に形成されたU字アーム3aからなるもので、このU字アーム3aの各上端部が、階段Kの傾斜角度に合わせて傾斜角度調整可能な連結金具9によって登り用横手摺り1に取り付けられている。
【0016】
この傾斜角度調整可能な連結金具9は、図4及び図5に示すように、登り用横手摺り1に取り付けられる金具本体10と、一端部が金具本体10に角度調整可能に取り付けられる連結軸体11と、登り用縦手摺り3のU字アーム3a端部に嵌合し、連結軸体11の他端部に固定されるキャップ12とによって構成され、金具本体10は、登り用横手摺り1の下面部に嵌合する嵌合片10aと、この嵌合片10aの中央部に一体形成された略半球状の殻体10bとからなるもので、半球状殻体10bにはビス8の軸部がスライド可能に挿通するスリット13が設けてあり、また連結軸体11は、その軸線に沿ってビスねじ込み用下孔11aを形成した中空状の軸体である。
【0017】
連結軸体11の上端面11bは、凹面状に形成されていて、金具本体10の半球状殻体10bに嵌合され、この殻体10bの内側からビス8がスリット13を挿通して連結軸体11の下孔11aにねじ込まれ、それによって金具本体10と連結軸体11とがスリット13に沿って互いに角度調整可能に連結されている。また、連結軸体11の下端面にキャップ12が当接されて、このキャップ12の内側からビス8が連結軸体11の下孔11aにねじ込まれ、それによりキャップ12が連結軸体11に固定されている。
【0018】
従って、この連結金具9によって登り用縦手摺り3を登り用横手摺り1に取り付ける時は、金具本体10の嵌合片10aを登り用横手摺り1の下面所要部に嵌合してビス8止めした後、連結軸体11を金具本体10に対し適宜に回動させて垂直姿勢にし、この垂直姿勢で連結軸体11の下端に固定されたキャップ12を登り用縦手摺り3のU字アーム3a端部に嵌合してビス8で固定すればよい。
【0019】
また各登り用縦手摺り3は、その下端部が階段Kの脇壁Wに取り付けられる金属製の取付ブラケット14で支持固定されている。この取付ブラケット14は、図6及び図7に示すように、鋼板をプレス加工して略W字状に形成されたもので、基端側の取付片14aを脇壁Wにビス8で固定すると共に、先端側の手摺り受片14bを登り用縦手摺り3のU字アーム3a下端部にその下面側から当接させてビス8で固定するようになっている。
【0020】
下り用横手摺り2に略縦方向に配置される各下り用縦手摺り4は、詳しくは、この下り用横手摺り2に対して垂直に配置され、その垂直線を図2にHで示す。各下り用縦手摺り4は、登り用縦手摺り3と同様な材料(木材あるいは木材と樹脂との合成材など)によって略下向きU状に形成されたU字アーム4aからなるもので、このU字アーム4aの両端部が夫々T型パイプ15によって下り用横手摺り2に取り付けられている。
【0021】
T型パイプ15は、図8に示すように、互いに直交する横穴15aと縦穴15bとを有するもので、取付けにあたって、下り用横手摺り2に多数のT型パイプ15を夫々横穴15aを介して外嵌させておいて、所定の下り用縦手摺り取付位置に各T型パイプ15をビス8によって固定し、この固定したT型パイプ15の縦穴15bに、下り用縦手摺り4のU字アーム4aの各下端部を嵌合してビス8で固定すればよい。尚、必要に応じて、下り用縦手摺り4を適当な支持金具で脇壁Wに支持固定するようにしてもよい。
【0022】
上記のように構成される手摺りの使用において、歩行者が階段Kを登る時は、歩行者は、階段Kの傾斜方向に一定間隔で配設されている登り用縦手摺り3を
順次掴みながら登ることによって、安全に階段Kを登ることができる。
【0023】
この場合、各登り用縦手摺り3が登り用横手摺り1に対し縦方向、詳しくは階段Kの踏み面Sに対し垂直に配置されているから、手摺り3を掴み易く、力を入れ易く、そして滑り難く、登り易くなる。従って、歩行者が、握力の弱い高齢者や身障者や子供であっても、掴み易く、滑り難いから、その手摺り3を確実にしかも力強く、しっかりと握ることができ、手を滑らせて転倒したり、転がり落ちる危険性が少なくなる。
【0024】
尚、登り用縦手摺り3は、この実施形態のように階段Kの踏み面Sに対し垂直に配置されるのが最も好ましいわけであるが、この垂直位置に対し若干傾いた状態、つまり略縦方向に配置されても十分効果を有するものである。
【0025】
また、この実施形態の登り用縦手摺り3は、階段Kの2ステップ毎に1個設けられているが、この手摺り3はU字アーム3aからなるため、実質的には1個で2つの縦方向手摺りが存在して、1ステップ毎に設けられたことになるから、1スナップ、即ち一段登るごとに1つの手摺りを掴むことができ、従って小さな子供や身障者などでも極めて安全に階段Kを登ることができる。
【0026】
一方、階段Kを下りる時は、歩行者は、階段Kの傾斜方向に一定間隔で配設されている下り用縦手摺り4を順次掴みながら下りることによって、安全に階段Kを下りることができる。特に階段Kを下りる時、歩行者は、若干前かがみ、即ち前傾姿勢になりがちであるが、各下り用縦手摺り4が下り用横手摺り2に対し垂直に配置されているから、そのような前傾姿勢でも手摺り4を掴み易く、滑り難くなり、従って子供や高齢者や身障者であっても、手摺り4を確実に力強く、しっかりと握ることができて、手を滑らせて転倒したり、転がり落ちる危険性が少ない。
【0027】
また、この実施形態に示すように、登り用縦手摺り3が低い位置にあり、下り用縦手摺り4が高い位置にあるのは、歩行者は、登り時には脚を比較的深く折り曲げるため、必然的に手摺り3を掴む手の位置が低くなり、また下りる時には脚を伸ばしながら下りてゆくため、手摺り3を掴む手の位置が必然的に高くなるからである。要するに、登り用縦手摺り3の位置を低く、下り用縦手摺り4の位置を高く設定することによって、手摺り3,4を掴みながらの階段の登り下りが、自然な状態で行なえ、従って一層登り易く、下り易くなる。
【0028】
上述した手摺りにおいては、横手摺り1,2とこれに取り付けられる登り用縦手摺り3とは、階段Kの傾斜角度に合わせて傾斜角度調整可能な連結金具9によって取り付けられ、即ち図4の矢印aで示すように階段K側の傾斜角度が変更されても、登り用縦手摺り3を常に垂直姿勢に配設できるから、手摺りの施工が簡単容易となり、施工費用の低廉化を図ることができる。
【0029】
また、上述した実施形態の手摺りでは、横手摺りを、登り用縦手摺り3を取り付ける登り用横手摺り1と、下り用縦手摺り4を取り付ける下り用横手摺り2との2本の横手摺り1,2によって構成しているが、1本の横手摺りに登り用縦手摺り3と下り用縦手摺り4とを取り付けるようにしてもよい。しかしながら、実施形態のように登り用横手摺り1と下り用横手摺り2との2本の横手摺り1,2を使用すれば、登り用縦手摺り3及び下り用縦手摺り4の夫々の間隔を十分短く設定できて、階段Kの登り下りをより一層安全に行なわせることができる。
【0030】
以上の実施形態では、階段Kに手摺りを設置する場合について説明したが、比較的勾配のきつい傾斜路(スロープ)の場合にも本発明の手摺りを設置することができる。また実施形態では、階段Kや傾斜路の片側に本発明の手摺りを設置したが、もちろん階段Kや傾斜路の両側に設置してもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の手摺りによれば、階段などの少なくとも片側に沿って傾斜方向に横手摺りを配置し、この横手摺りに登り用縦手摺りを略縦方向に設け、この登り用縦手摺りとは別に下り用縦手摺りを略縦方向に設けているから、歩行者は、階段などを登る時には登り用縦手摺りを順次掴みながら登り、また下りる時には下り用縦手摺りを順次掴みながら下りることによって、階段などを安全に登り下りすることができる。
また、本発明によれば、登り用縦手摺りが低い位置にあり、下り用縦手摺りが高い位置にあるため、歩行者は、登り時には脚を比較的深く折り曲げるため、必然的に手摺りを掴む手の位置が低くなり、また下りる時には脚を伸ばしながら下りてゆくため、手摺りを掴む手の位置が必然的に高くなる。要するに、登り用縦手摺りの位置を低く、下り用縦手摺りの位置を高く設定することによって、手摺りを掴みながらの階段の登り下りが、自然な状態で行え、従って一層登り易く、下り易くなる。
【0032】
この場合、登り用縦手摺りは登り用横手摺りに対し略縦方向に、且つ階段踏み面に垂直に配置し、また下り用縦手摺りは下り用横手摺りに対して略縦方向に、且つ横手摺りに対し垂直に配置していることから、手摺りを掴み易く、力を入れ易く、しかも滑り難くなって、登り下りが容易となり、特に歩行者が握力の弱い高齢者や身障者や子供であっても、手摺りを力強く握ることができ、手を滑らせて転倒したり、転がり落ちる危険性が少ない。また、下り時の前かがみ姿勢でその手摺りが一層掴み易く、滑り難くなり、一層下り易く且つ安全となる。
【0035】
請求項2に記載のように、横手摺りとこれに取り付けられる登り用縦手摺りとが階段などの傾斜角度に合わせて傾斜角度調整可能に取り付けられるようになっているから、階段などへの手摺りの取付け施工が簡単容易となり、施工費の低廉化を図ることができる。
【0036】
請求項3に記載のように、横手摺りを、登り用縦手摺りを取り付ける登り用横手摺りと、下り用縦手摺りを取り付ける下り用横手摺りとの2本の横手摺りによって構成しているから、登り用縦手摺り及び下り用縦手摺りの夫々の取付間隔を十分短く設定できて、階段などの登り下りをより一層安全に行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による手摺りを階段の上方から見た斜視図である。
【図2】(A)は同階段の上側部分を示す側面図、(B)はその下側部分を示す側面図である。
【図3】横手摺りの端部の支持構造を示す拡大断面図である。
【図4】登り用横手摺りに対する登り用縦手摺りの取付構造を示す拡大断面図である。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】登り用縦手摺りの下端部を取付ブラケットで脇壁に支持固定する状態を示す正面図である。
【図7】図6のY−Y線断面図である。
【図8】下り用縦手摺りの下端部をT型パイプによって下り用横手摺りに取り付けた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 登り用横手摺り
2 下り用横手摺り
3 登り用縦手摺り
4 下り用縦手摺り
9 連結金具
K 階段
S 階段踏み面
【発明の属する技術分野】
本発明は、階段や傾斜路の手摺りに関するもので、特に高齢者や身障者などが掴み易く、安全に登り下りできるようにした手摺りに関する。
【0002】
【従来の技術】
階段には、歩行者が登り下り時に転落したり、足を踏み外したりして転倒するのを防止するために、手摺りが取り付けられる。そして、その手摺りは、通常、階段の勾配と同じ勾配で配設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の手摺りは階段の勾配と同じ勾配で配設されているため、手摺りを掴み難く、力も入れ難く、特に握力の弱い高齢者や身障者の場合、階段登り下り時に手摺りから手を滑らせて転倒したり、転がり落ちる危険性がある。また、屋外の階段にあっては、雨などにより手摺りが濡れている場合には、更に滑り易く、階段からの落下事故発生の原因となっている。
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑み、掴み易く、力を入れ易く、そして滑り難い手摺りを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の手摺りは、階段や傾斜路の少なくとも片側に沿って傾斜方向に横手摺り1,2を配置し、この横手摺り1,2に登り用縦手摺り3を略縦方向に設け、この登り用縦手摺り3とは別に下り用縦手摺り4を略縦方向に設け、登り用縦手摺り3の位置を下り用縦手摺り4の位置より低く設定すると共に、登り用縦手摺り3は階段踏み面Sに垂直に配置され、下り用縦手摺り4は横手摺り1,2に対し垂直に配置されてなることを特徴とする。
【0008】
請求項2は、請求項1に記載の手摺りにおいて、横手摺り1,2とこれに取り付けられる登り用縦手摺り3とは、階段Kや傾斜路の傾斜角度に合わせて傾斜角度調整可能に取り付けられるようになっていることを特徴とする。
【0009】
請求項3は、請求項1又は2に記載の手摺りにおいて、横手摺りは、登り用縦手摺り3を取り付ける登り用横手摺り1と、下り用縦手摺り4を取り付ける下り用横手摺り2とからなることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態による手摺りを階段の上方から見た斜視図、図2の(A)は同階段の上側部分を示す側面図、(B)はその下側部分を示す側面図である。これらの図において、1及び2は、階段Kの脇壁Wに階段Kの傾斜方向に沿って上下2段に平行に設置された横手摺りで、下段側の横手摺り1は登り用の横手摺りとされ、上段側の横手摺り2は下り用の横手摺りとされる。そして、登り用横手摺り1には、略縦方向(上下方向)に配置された登り用縦手摺り3が横手摺り長手方向一定間隔おきに配設され、また下り用横手摺り2には、同じく略縦方向(上下方向)に配置された下り用縦手摺り4が横手摺り長手方向一定間隔おきに配設されている。これらの図から分かるように、登り用縦手摺り3の位置は下り用縦手摺り4の位置よりも低く設定されている。
【0012】
各横手摺り1,2は、例えば木材あるいは木材と樹脂との合成材などにより形成されるもので、各横手摺り1,2の上手側端部は、図1及び図3示すように、直角ベンド(パイプピース)5により直角に接続された支持軸6を介して、階段上手側の脇壁部W′に支持固定されている。尚、支持軸6は、横手摺り1,2と同じ材料で同じ径に形成されている。
【0013】
各横手摺り1,2の上手側端部を脇壁部W′に支持固定するにあたっては、図3に示すように、支持軸6の端部が嵌合する有底円筒状のキャップ7を前記脇壁部W′の所定位置にあらかじめビス8で取り付けておいて、各横手摺り1,2の端部に直角ベンド5の一端部を嵌合させてビス8止めし、その他端部に支持軸6の一端部を嵌合させてビス8止めし、この支持軸6の他端部を、先に脇壁部W′に取り付けておいたキャップ7に嵌合してビス8止めすればよい。
【0014】
各横手摺り1,2の下手側端部の支持構造については、図示は省略するが、上記した上手側端部と同様な直角ベンド5と支持軸6とキャップ7を使用して、階段Kの下手側で脇壁Wに支持固定する。この下手側端部では横手摺り1,2と脇壁Wとの間隔が、上手側端部の場合の横手摺り1,2と脇壁部W′との間隔より狭いので、支持軸6は長さの短いものを使用すればよい。また、各横手摺り1,2の中間部を適当な支持部材によって脇壁Wに支持固定するとよい。
【0015】
登り用横手摺り1に略縦方向に配置される各登り用縦手摺り3は、詳しくは、階段Kの踏み面Sに対し垂直に配置されており、その垂直線を図2にGで示す。各登り用縦手摺り3は、横手摺り1,2の同様な材料(木材あるいは木材と樹脂との合成材など)によって略U状に形成されたU字アーム3aからなるもので、このU字アーム3aの各上端部が、階段Kの傾斜角度に合わせて傾斜角度調整可能な連結金具9によって登り用横手摺り1に取り付けられている。
【0016】
この傾斜角度調整可能な連結金具9は、図4及び図5に示すように、登り用横手摺り1に取り付けられる金具本体10と、一端部が金具本体10に角度調整可能に取り付けられる連結軸体11と、登り用縦手摺り3のU字アーム3a端部に嵌合し、連結軸体11の他端部に固定されるキャップ12とによって構成され、金具本体10は、登り用横手摺り1の下面部に嵌合する嵌合片10aと、この嵌合片10aの中央部に一体形成された略半球状の殻体10bとからなるもので、半球状殻体10bにはビス8の軸部がスライド可能に挿通するスリット13が設けてあり、また連結軸体11は、その軸線に沿ってビスねじ込み用下孔11aを形成した中空状の軸体である。
【0017】
連結軸体11の上端面11bは、凹面状に形成されていて、金具本体10の半球状殻体10bに嵌合され、この殻体10bの内側からビス8がスリット13を挿通して連結軸体11の下孔11aにねじ込まれ、それによって金具本体10と連結軸体11とがスリット13に沿って互いに角度調整可能に連結されている。また、連結軸体11の下端面にキャップ12が当接されて、このキャップ12の内側からビス8が連結軸体11の下孔11aにねじ込まれ、それによりキャップ12が連結軸体11に固定されている。
【0018】
従って、この連結金具9によって登り用縦手摺り3を登り用横手摺り1に取り付ける時は、金具本体10の嵌合片10aを登り用横手摺り1の下面所要部に嵌合してビス8止めした後、連結軸体11を金具本体10に対し適宜に回動させて垂直姿勢にし、この垂直姿勢で連結軸体11の下端に固定されたキャップ12を登り用縦手摺り3のU字アーム3a端部に嵌合してビス8で固定すればよい。
【0019】
また各登り用縦手摺り3は、その下端部が階段Kの脇壁Wに取り付けられる金属製の取付ブラケット14で支持固定されている。この取付ブラケット14は、図6及び図7に示すように、鋼板をプレス加工して略W字状に形成されたもので、基端側の取付片14aを脇壁Wにビス8で固定すると共に、先端側の手摺り受片14bを登り用縦手摺り3のU字アーム3a下端部にその下面側から当接させてビス8で固定するようになっている。
【0020】
下り用横手摺り2に略縦方向に配置される各下り用縦手摺り4は、詳しくは、この下り用横手摺り2に対して垂直に配置され、その垂直線を図2にHで示す。各下り用縦手摺り4は、登り用縦手摺り3と同様な材料(木材あるいは木材と樹脂との合成材など)によって略下向きU状に形成されたU字アーム4aからなるもので、このU字アーム4aの両端部が夫々T型パイプ15によって下り用横手摺り2に取り付けられている。
【0021】
T型パイプ15は、図8に示すように、互いに直交する横穴15aと縦穴15bとを有するもので、取付けにあたって、下り用横手摺り2に多数のT型パイプ15を夫々横穴15aを介して外嵌させておいて、所定の下り用縦手摺り取付位置に各T型パイプ15をビス8によって固定し、この固定したT型パイプ15の縦穴15bに、下り用縦手摺り4のU字アーム4aの各下端部を嵌合してビス8で固定すればよい。尚、必要に応じて、下り用縦手摺り4を適当な支持金具で脇壁Wに支持固定するようにしてもよい。
【0022】
上記のように構成される手摺りの使用において、歩行者が階段Kを登る時は、歩行者は、階段Kの傾斜方向に一定間隔で配設されている登り用縦手摺り3を
順次掴みながら登ることによって、安全に階段Kを登ることができる。
【0023】
この場合、各登り用縦手摺り3が登り用横手摺り1に対し縦方向、詳しくは階段Kの踏み面Sに対し垂直に配置されているから、手摺り3を掴み易く、力を入れ易く、そして滑り難く、登り易くなる。従って、歩行者が、握力の弱い高齢者や身障者や子供であっても、掴み易く、滑り難いから、その手摺り3を確実にしかも力強く、しっかりと握ることができ、手を滑らせて転倒したり、転がり落ちる危険性が少なくなる。
【0024】
尚、登り用縦手摺り3は、この実施形態のように階段Kの踏み面Sに対し垂直に配置されるのが最も好ましいわけであるが、この垂直位置に対し若干傾いた状態、つまり略縦方向に配置されても十分効果を有するものである。
【0025】
また、この実施形態の登り用縦手摺り3は、階段Kの2ステップ毎に1個設けられているが、この手摺り3はU字アーム3aからなるため、実質的には1個で2つの縦方向手摺りが存在して、1ステップ毎に設けられたことになるから、1スナップ、即ち一段登るごとに1つの手摺りを掴むことができ、従って小さな子供や身障者などでも極めて安全に階段Kを登ることができる。
【0026】
一方、階段Kを下りる時は、歩行者は、階段Kの傾斜方向に一定間隔で配設されている下り用縦手摺り4を順次掴みながら下りることによって、安全に階段Kを下りることができる。特に階段Kを下りる時、歩行者は、若干前かがみ、即ち前傾姿勢になりがちであるが、各下り用縦手摺り4が下り用横手摺り2に対し垂直に配置されているから、そのような前傾姿勢でも手摺り4を掴み易く、滑り難くなり、従って子供や高齢者や身障者であっても、手摺り4を確実に力強く、しっかりと握ることができて、手を滑らせて転倒したり、転がり落ちる危険性が少ない。
【0027】
また、この実施形態に示すように、登り用縦手摺り3が低い位置にあり、下り用縦手摺り4が高い位置にあるのは、歩行者は、登り時には脚を比較的深く折り曲げるため、必然的に手摺り3を掴む手の位置が低くなり、また下りる時には脚を伸ばしながら下りてゆくため、手摺り3を掴む手の位置が必然的に高くなるからである。要するに、登り用縦手摺り3の位置を低く、下り用縦手摺り4の位置を高く設定することによって、手摺り3,4を掴みながらの階段の登り下りが、自然な状態で行なえ、従って一層登り易く、下り易くなる。
【0028】
上述した手摺りにおいては、横手摺り1,2とこれに取り付けられる登り用縦手摺り3とは、階段Kの傾斜角度に合わせて傾斜角度調整可能な連結金具9によって取り付けられ、即ち図4の矢印aで示すように階段K側の傾斜角度が変更されても、登り用縦手摺り3を常に垂直姿勢に配設できるから、手摺りの施工が簡単容易となり、施工費用の低廉化を図ることができる。
【0029】
また、上述した実施形態の手摺りでは、横手摺りを、登り用縦手摺り3を取り付ける登り用横手摺り1と、下り用縦手摺り4を取り付ける下り用横手摺り2との2本の横手摺り1,2によって構成しているが、1本の横手摺りに登り用縦手摺り3と下り用縦手摺り4とを取り付けるようにしてもよい。しかしながら、実施形態のように登り用横手摺り1と下り用横手摺り2との2本の横手摺り1,2を使用すれば、登り用縦手摺り3及び下り用縦手摺り4の夫々の間隔を十分短く設定できて、階段Kの登り下りをより一層安全に行なわせることができる。
【0030】
以上の実施形態では、階段Kに手摺りを設置する場合について説明したが、比較的勾配のきつい傾斜路(スロープ)の場合にも本発明の手摺りを設置することができる。また実施形態では、階段Kや傾斜路の片側に本発明の手摺りを設置したが、もちろん階段Kや傾斜路の両側に設置してもよい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の手摺りによれば、階段などの少なくとも片側に沿って傾斜方向に横手摺りを配置し、この横手摺りに登り用縦手摺りを略縦方向に設け、この登り用縦手摺りとは別に下り用縦手摺りを略縦方向に設けているから、歩行者は、階段などを登る時には登り用縦手摺りを順次掴みながら登り、また下りる時には下り用縦手摺りを順次掴みながら下りることによって、階段などを安全に登り下りすることができる。
また、本発明によれば、登り用縦手摺りが低い位置にあり、下り用縦手摺りが高い位置にあるため、歩行者は、登り時には脚を比較的深く折り曲げるため、必然的に手摺りを掴む手の位置が低くなり、また下りる時には脚を伸ばしながら下りてゆくため、手摺りを掴む手の位置が必然的に高くなる。要するに、登り用縦手摺りの位置を低く、下り用縦手摺りの位置を高く設定することによって、手摺りを掴みながらの階段の登り下りが、自然な状態で行え、従って一層登り易く、下り易くなる。
【0032】
この場合、登り用縦手摺りは登り用横手摺りに対し略縦方向に、且つ階段踏み面に垂直に配置し、また下り用縦手摺りは下り用横手摺りに対して略縦方向に、且つ横手摺りに対し垂直に配置していることから、手摺りを掴み易く、力を入れ易く、しかも滑り難くなって、登り下りが容易となり、特に歩行者が握力の弱い高齢者や身障者や子供であっても、手摺りを力強く握ることができ、手を滑らせて転倒したり、転がり落ちる危険性が少ない。また、下り時の前かがみ姿勢でその手摺りが一層掴み易く、滑り難くなり、一層下り易く且つ安全となる。
【0035】
請求項2に記載のように、横手摺りとこれに取り付けられる登り用縦手摺りとが階段などの傾斜角度に合わせて傾斜角度調整可能に取り付けられるようになっているから、階段などへの手摺りの取付け施工が簡単容易となり、施工費の低廉化を図ることができる。
【0036】
請求項3に記載のように、横手摺りを、登り用縦手摺りを取り付ける登り用横手摺りと、下り用縦手摺りを取り付ける下り用横手摺りとの2本の横手摺りによって構成しているから、登り用縦手摺り及び下り用縦手摺りの夫々の取付間隔を十分短く設定できて、階段などの登り下りをより一層安全に行なわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による手摺りを階段の上方から見た斜視図である。
【図2】(A)は同階段の上側部分を示す側面図、(B)はその下側部分を示す側面図である。
【図3】横手摺りの端部の支持構造を示す拡大断面図である。
【図4】登り用横手摺りに対する登り用縦手摺りの取付構造を示す拡大断面図である。
【図5】図4のX−X線断面図である。
【図6】登り用縦手摺りの下端部を取付ブラケットで脇壁に支持固定する状態を示す正面図である。
【図7】図6のY−Y線断面図である。
【図8】下り用縦手摺りの下端部をT型パイプによって下り用横手摺りに取り付けた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 登り用横手摺り
2 下り用横手摺り
3 登り用縦手摺り
4 下り用縦手摺り
9 連結金具
K 階段
S 階段踏み面
Claims (3)
- 階段や傾斜路の少なくとも片側に沿って傾斜方向に横手摺りを配置し、この横手摺りに登り用縦手摺りを略縦方向に設け、この登り用縦手摺りとは別に下り用縦手摺りを略縦方向に設け、登り用縦手摺りの位置を下り用縦手摺りの位置より低く設定すると共に、登り用縦手摺りは階段踏み面に垂直に配置され、下り用縦手摺りは横手摺りに対し垂直に配置されてなる手摺り。
- 横手摺りとこれに取り付けられる登り用縦手摺りとは、階段や傾斜路の傾斜角度に合わせて傾斜角度調整可能に取り付けられるようになっている請求項1に記載の手摺り。
- 横手摺りは、登り用縦手摺りを取り付ける登り用横手摺りと、下り用縦手摺りを取り付ける下り用横手摺りとからなる請求項1又は2に記載の手摺り。
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