JP3540773B2 - クリーニングマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント基板製造の前工程として基板表面をクリーニングするクリーニングマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のプリント基板の製造においては、プリント基板に搭載されるチップ部品(電子部品)の寸法が、最小でも1.6mm(長)×0.8mm(幅)と、あまり小さくなかった。このため、基板上にごみ・ほこりが付着しても問題にならなかった。したがって、プリント基板メーカーより購入したプリント基板を、そのままの状態で、基板供給装置、印刷機、マウンター、コンベアー、リフロー炉、基板収納装置からなるSMT(表面装置技術)製造ラインに供給してきた。
【0003】
最近、1.0mm(長)×0.5mm(幅)或いは0.6mm(長)×0.3mm(幅)等の極小チップ部品が多量に使用されるようになり、プリント基板上のごみ等に起因した不良が問題視されるようになってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ごみ等に起因する不良に対する解決方法として、クリーニングローラー等を用いて、人手により基板を1枚ずつクリーニングし、基板供給装置に供給することが考えられる。しかしながら、この場合は、クリーニング終了から次の工程のはんだ印刷までに時間がかかることとなり、ごみ等が再度基板に付くおそれがある。
【0005】
この問題は、クリーニングマシンを製造ラインに組み込んでインライン化すれば解決できる。しかしながら、プリント基板の製造ラインには、例えば、まだ何の電子部品も実装していない基板が投入されたり、既に片面に電子部品を実装した基板が投入されたりする。さらには、クリーニングマシンでは処理する必要がない、或いは処理ができない基板が投入されることもある。クリーニングマシンをインラインで使用するためには、製造ラインに投入される種々な基板に対してクリーニングマシンが簡単に対応できなければならない。
【0006】
本発明は、種々な基板に対応でき、これによりプリント基板の製造ラインに組み込むことが可能なクリーニングマシンを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものである。本発明のクリーニングマシンは、プリント基板のエッジ部分を搭載して該基板を搬送する2本の搬送ベルトと、前記搬送ベルトにより搬送される前記基板の一方の面上で、回転しながら加圧接触し、該面上のごみ・ほこりを吸着する導電性の吸着ローラーと、前記吸着ローラーに、回転しながら加圧接触し、吸着された前記ごみ・ほこりを転写する粘着ローラーと、前記吸着ローラーを、前記基板に接触する位置から離れた位置へ移動させる手段とを具備する。
【0008】
本発明のクリーニングマシンにおいて、搬送ベルトで搬送される基板は、その表面に吸着ローラーが加圧接触される。吸着ローラーは、シリコンゴム系の樹脂で形成され、濡れ性により基板表面のごみ・ほこりを吸着することにより、基板がクリーニングされる。吸着ローラーはその表面に粘着材等を有しないので、ローラーから粘着材が基板に付着するような事故を防止することができる。
【0009】
吸着ローラーに吸着されたごみ等は、吸着ローラーが更に粘着ローラーに加圧接触することにより、吸着ローラーから粘着ローラーへ転写される。したがって、吸着ローラーは、長時間に渡ってクリーニング効果を持続することができる。本発明のクリーニングマシンにおいては、基板は、エッジ部分が搬送ベルトに保持され、搬送ベルトの反対側の片面のみがクリーニングされる。したがって、電子部品を搭載済みの基板の裏面をクリーニングする場合でも、電子部品を下面に、裏面を上面に配置して搬送ベルトに載せることにより、クリーニング処理をすることができる。また、クリーニングマシンにより処理を行わない、或いは処理ができない基板が投入された場合、吸着ローラーは基板に接触する位置から離れた位置へ移動する。
【0010】
これにより、本発明のクリーニングマシンは、種々の形式の基板に対応することができるので、プリント基板の製造ラインに組み込むことが可能となる。このようにクリーニングマシンをインライン化することにより、基板をクリーニングした後、すぐに印刷工程に移行することができるので、再度基板にごみ等が付くことを防止し、クリーニング効果を更に向上できる。
【0011】
本発明の1態様として、吸着ローラーを導電性のものとすることができる。クリーニングマシンにおいては、吸着ローラーが基板と接触し、摩擦しながら一緒に移動をする。このため、静電気が新たに発生し、これにより基板に搭載された電子部品が破壊される可能性がある。吸着ローラーを導電性とすることにより、これを防止することができる。
【0012】
本発明の別の態様においては、搬送ベルトは、吸着ローラーに近い位置において吸着ローラーから遠ざかる位置に保持される。これにより、吸着ローラーが搬送ベルトに接触して汚損されることが防止される。また、搬送されてきた基板の先端が吸着ローラーに接触するとき、基板の先端下面と搬送ベルトとの間に空間ができる。これにより、基板は吸着ローラーによって確実に駆動されこととなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図を用いて説明する。
図1を用いて、クリーニングマシンを組み込んだプリント基板製造ラインについて説明する。
基板供給装置11は、クリーニングマシン1に対して1枚ずつ自動的に基板を供給する。クリーニングマシン1は、基板が供給されると、その上面をクリーニングし印刷機12に供給する。印刷機12は、基板にはんだ印刷を行い、マウンター13に供給する。マウンター13は、基板に部品を搭載し、コンベア14を介してリフロー炉15に供給する。リフロー炉15は、はんだ印刷及び部品の搭載を終了したプリント基板を熱処理する。処理が終了した基板2は、基板収納装置16に収納される。
【0014】
図1のように、クリーニングマシン1をインライン化することにより、基板が自動的に供給され、人が関わる必要がなくなる。また、クリーニングされた基板は、すぐに印刷機12に供給されるので、クリーニング後の基板にごみ・ほこりが付く機会が減少する。
図2を用いて、クリーニングマシンの構成を説明する。(A)は正面図であり、(B)は側面図である。
【0015】
基板2を入り口側から出口側へ搬送する搬送ベルト3が設けられる。搬送ベルト3は、2本の並行に配置されたベルトから構成され、各ベルトが基板2の両端のエッジ部を搭載する。搬送ベルト3は、図示しないモータにより駆動され、基板2を搬送していく。このように、エッジ部で基板2を搬送することにより、基板2の下面に部品が搭載されていたとしても、それに影響されずに搬送し、上面をクリーニングすることができる。
【0016】
搬送経路には、入口側から出口側へ向けて、基板感知センサ8、静電除去器6、吸着ローラー4、吸着ローラー4、静電除去器6が配置される。基板2は、静電除去器6の下を通過する間に、表面に帯電した静電気が除去される。静電除去器6は、接触型、非接触型の何れのものも使用可能である。
2本の吸着ローラー4は、背後側で粘着ローラー5に加圧接触するように配置される。粘着ローラー5は、図示しないモータにより回転駆動され、吸着ローラー4は、粘着ローラー5の回転につれて回転する。なお、吸着ローラー4或いは粘着ローラー5だけをモータで駆動すること、又は、吸着ローラー4と粘着ローラー5の両方をモータで駆動することも可能である。搬送ベルト3により基板2が搬送されてきたことを、基板感知センサ8が感知すると、モータが起動されて吸着ローラー4と粘着ローラー5が回転を始める。
【0017】
吸着ローラー4は、導電性を有するシリコンゴム系樹脂により形成される。吸着ローラー4は、シリコンゴムの濡れ性により基板2の表面のごみ・ほこりなどを吸着して、基板2をクリーニングする。吸着ローラー4はその表面に粘着材等がないので、ローラーから粘着材が基板2に付着するような事故を防止することができる。
【0018】
粘着ローラー5が吸着ローラー4に加圧接触することにより、基板2から吸着ローラー4に吸着されたごみ等は粘着ローラー5に転写される。したがって、吸着ローラー4の表面は常に清浄な状態にあり、そのクリーニング効果が持続する。
吸着ローラー4は、移動機構10により、基板2に接触する位置から離れた位置へ移動可能とされている。基板供給装置11からクリーニングをする必要のない基板又はクリーニングすることができない基板が供給されるときは、吸着ローラー4が搬送ベルト3から遠ざけられる。これにより、基板2が吸着ローラー4に触れずにクリーニングマシン1を通過することができる。
【0019】
本例のクリーニングマシンは、各種の基板をクリーニングすることができ、更に、クリーニングをする必要のない基板又はクリーニングすることができない基板を通過させることができるので、プリント基板の製造ラインに組み込むことが可能となる。
吸着ローラー4が導電性を有することにより、静電気の発生が防止される。静電除去器6により基板2の静電気は除去されているが、吸着ローラー4が基板2に接触して摩擦することにより、静電気が新たに発生する。基板2が、既に電子部品を搭載したものである場合、電子部品、特にその中でもIC等は、静電気に非常に弱いため、新たに発生した静電気により破壊されるおそれがある。本例のように、吸着ローラー4に導電性を持たせることにより、新たな静電気の発生を防止し、電子部品の破壊を防止することができる。なお、吸着ローラー4の電気抵抗値は、103 〜107 Ωにすることが好適である。
【0020】
搬送ベルト3は、ローラー7により、吸着ローラー4と接触する部分が吸着ローラーから遠ざかる位置に保持される。この構成により、基板2が搬送ベルト3上にない場合でも、吸着ローラー4が搬送ベルト3に接触することがなくなる。したがって、吸着ローラー4が搬送ベルト3により汚損されることがなくなる。また、図3に示すように、搬送されてきた基板2の先端が吸着ローラー4に接触するとき、基板2の先端下側に空間が存在することとなる。したがって、吸着ローラー4に接触した基板2の先端が下方に押し下げられ、後端が持ち上げられることとなる。この後端の持ち上がりを制限するため、搬送ベルト3の基板供給装置11側のやや上方に、ストッパー9が設けられる。また、このように基板2の先端が下方の空間内に進入していくことにより、基板2の先端が吸着ローラー4と搬送ベルト3とに引っかかって搬送が停止されることがなくなる。これにより、基板2は搬送ベルト3上をスムースに搬送されていく。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、種々な基板に対応でき、これによりプリント基板の製造ラインに組み込むことが可能なクリーニングマシンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーニングマシンを組み込んだプリント基板製造ラインの全体構成を示す図である。
【図2】本発明を適用したクリーニングマシンの構成を概念的に示す図である。
【図3】図2の吸着ローラーが基板に接触する部分を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1…クリーニングマシン
2…基板
3…搬送ベルト
4…吸着ローラー
5…粘着ローラー
6…静電除去器
7…ローラー
8…基板感知センサ
9…ストッパー
10…移動機構
11…基板供給装置
12…印刷機
13…マウンター
14…コンベア
15…リフロー炉
16…基板収納装置
Claims (2)
- プリント基板のエッジ部分を搭載して該基板を搬送する2本の搬送ベルトと、
前記搬送ベルトにより搬送される前記基板の一方の面上で、回転しながら加圧接触し、該面上のごみ・ほこりを吸着する導電性の吸着ローラーと、
前記吸着ローラーに、回転しながら加圧接触し、吸着された前記ごみ・ほこりを転写する粘着ローラーと、
前記吸着ローラーを、前記基板に接触する位置から離れた位置へ移動させる手段と、
を具備するクリーニングマシン。 - 搬送される前記基板の先端が前記吸着ローラーに接触する位置において、前記搬送ベルトを前記吸着ローラーから遠ざかる位置に保持する手段を具備する請求項1に記載のクリーニングマシン。
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