JP3540689B2 - 建物の板金製屋根瓦 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、屋根における傾斜した野地板の表面に、その傾斜方向とこれにほぼ直交する水平方向とに向ってそれぞれ隣り合うように複数の板金製瓦を敷設させた建物の板金製屋根瓦に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記建物の板金製屋根瓦には、従来、第1の従来の技術として、特開平9‐21212号公報で示されたものがある。
【0003】
上記公報のものによれば、屋根において、傾斜した野地板上に複数の板金製瓦が碁盤目状に複数敷設されている。これら各板金製瓦は、上記野地板の表面に沿って延びる平坦な瓦本体と、上記野地板の表面に沿った傾斜方向の上記瓦本体の上端縁から延出して、上記野地板の表面に対する垂直方向の上方に向って一体的に突出する側面視でほぼ倒立U字形状の係止片と、上記傾斜方向の上記瓦本体の下端縁から上記垂直方向の下方に向って一体的に延出した後、上記傾斜方向の上方に向って延出する被係止片とを備えている。
【0004】
ある一つの板金製瓦の被係止片は上記傾斜方向でこの板金製瓦の下側に隣り合うよう上記野地板の表面に敷設されている他の板金製瓦の係止片にその外方から係止可能とされ、また、上記傾斜方向にほぼ直交して上記野地板の表面に沿った水平方向で上記板金製瓦に隣り合うよう上記野地板上に敷設されている更に他の板金製瓦の側縁の表面にその外方から上記板金製瓦の側縁が重ね合わせ可能とされている。
【0005】
また、第2の従来の技術として、実用新案登録番号第2538481号公報で示されるものがある。
【0006】
上記公報のものによれば、前記第1の従来の技術に加えて、上記水平方向で隣り合う両板金製瓦の両側縁のうち、上記更に他の板金製瓦の側縁の端縁を含み、この端縁から上記板金製瓦の側縁への遷移部と、上記野地板との間に水切板が介在しており、この水切板は、上記垂直方向で上記遷移部の下方に配設されて傾斜方向に延びる板金製の水切板本体と、上記傾斜方向に延び上記水切板本体の表面に取り付けられて上記遷移部の裏面に圧接させられる弾性のシール材とを備えている。
【0007】
そして、水平方向で隣り合う両板金製瓦の間を通して雨水が野地板側に浸入してきたとき、この雨水が更に野地板側に向うことは上記シール材によって抑制されるようになっている。
【0008】
また、上記の場合、垂直方向で上記両板金製瓦の各係止片に対向する上記シール材の対向部分では、その一部が弾性変形により上記係止片の下端の開口を通しその内側空間に入り込むため、このシール材の対向部分の上記遷移部に対する面圧が低下し、ここでのシール性能が低下しがちとなる。
【0009】
そこで、上記シール材の上記傾斜方向における各部のうち、上記係止片に対向するシール材の対向部分の厚さを他の部分よりも厚くさせ、このように、厚さを変化させることで、上記傾斜方向での遷移部に対するシール材の各部面圧を互いにより均一とさせるようにしてある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記第1の従来の技術では、次のような問題点がある。
【0011】
即ち、水平方向で、板金製瓦を順次敷設したとき、前記したように、一つの板金製瓦の瓦本体の側縁は、この板金製瓦に隣り合う更に他の板金製瓦の瓦本体の側縁の表面に重ね合わされるため、上記板金製瓦の瓦本体の側縁は屋根の外部に露出することとなるが、この側縁の端縁は単に切断されたままの状態とされていて、この側縁の端縁には剛性の確保が困難であることから、この端縁を、その側面視で直線的な形状に保持させることは困難である。
【0012】
よって、上記板金製瓦の瓦本体の側縁と、上記更に他の板金製瓦の瓦本体の側縁との間に隙間が生じ易くなり、これは、水平方向で隣り合う両板金製瓦の間での雨水に対するシール性能を低下させるものであると共に、この屋根の見栄えを低下させるものであって好ましくない。
【0013】
また、前記第2の従来の技術では、次のような問題点がある。
【0014】
即ち、前記したように、傾斜方向で遷移部に対するシール材の各部の面圧を互いに均一にさせようとして、上記シール材の厚さを変化させているが、これにより、シール材の成形が煩雑となり、つまり、上記屋根の成形が煩雑となっている。
【0015】
また、上記水平方向で隣り合う両板金製瓦の間を通って雨水が野地板側に浸入することは、上記シール材によって抑制されるが、雨水の一部がこのシール材を通り越えたときには、上記野地板側にまで流れるおそれを生じ、よって、上記両板金製瓦の間のシール性能については改善の余地が残されている。
【0016】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、屋根において、水平方向で隣り合う両板金製瓦の間での雨水に対するシール性能や、見栄えをより向上させることを課題とする。
【0017】
また、上記のようにした場合でも、屋根の成形が容易にできるようにすることを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の建物の板金製屋根瓦は、次の如くである。
【0019】
請求項1の発明は、傾斜した野地板3上に複数の板金製瓦7を複数敷設し、これら各板金製瓦7が、上記野地板3の表面に沿って延びる平坦な瓦本体8と、上記野地板3の表面に沿った傾斜方向Sの上記瓦本体8の上端縁から延出して、上記野地板3の表面に対する垂直方向Vの上方に向って一体的に突出する側面視でほぼ倒立U字形状の係止片10と、上記傾斜方向Sの上記瓦本体8の下端縁から上記垂直方向Vの下方に向って一体的に延出した後、上記傾斜方向Sの上方に向って延出する被係止片12とを備え、一つの板金製瓦7(A)の被係止片12を上記傾斜方向Sでこの板金製瓦7の下側に隣り合うよう上記野地板3の表面に敷設されている他の板金製瓦7(B)の係止片10にその外方から係止可能とさせ、上記傾斜方向Sにほぼ直交して上記野地板3の表面に沿った水平方向Hで上記板金製瓦7(A)に隣り合うよう上記野地板3上に敷設されている更に他の板金製瓦7(C)の側縁8aの表面にその外方から上記板金製瓦7(A)の側縁8aを重ね合わせ可能とした建物の板金製屋根瓦において、
【0020】
上記板金製瓦7(A)の側縁8aの端縁を、この側縁8aの裏面側で折り返して複数枚の重ね合わせ構造とし、
【0021】
上記水平方向Hで隣り合う両板金製瓦7(A),7(C)の両側縁8a,8aのうち、上記更に他の板金製瓦7(C)の側縁8aの端縁を含み、この端縁から上記板金製瓦7(A)の側縁8aへの遷移部16と、上記野地板3との間に水切板17を介在させ、この水切板17が、上記垂直方向Vで上記遷移部16の下方に配設されて傾斜方向Sに延びる板金製の水切板本体18と、上記傾斜方向Sに延び上記水切板本体18の表面に取り付けられて上記遷移部16の裏面に圧接させられる弾性のシール材19とを備え、
【0022】
上記垂直方向Vで上記各板金製瓦7(A),7(C)の両係止片10,10に対向する上記水切板本体18の部分に、上方に向って膨出する膨出部21を成形したものである。
【0023】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記水平方向Hで上記シール材19から離れて位置すると共に傾斜方向Sに延び、かつ、上記水切板本体18の上面に取り付けられて上記板金製瓦7(A)および更に他の板金製瓦7(C)の各裏面にそれぞれ圧接させられる左右一対の弾性の他のシール材24,24を設けたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0025】
図において、符号1は建物で、2はこの建物1の屋根である。この屋根2はその基体である木製の野地板3と、この野地板3の表面(外面)に敷設される屋根瓦4とを備えている。
【0026】
上記野地板3の表面は、軒先に向って下方に向う傾斜した傾斜面とされている。上記屋根瓦4は、上記野地板3の傾斜した方向に沿った傾斜方向Sと、この傾斜方向Sにほぼ直交して上記野地板3の表面に沿った水平方向Hとに向って上記野地板3の表面に碁盤目状に複数敷設される板金製瓦7を備え、これら各板金製瓦7は互いに同じ矩形状で、互いに同じ大きさをなしている。
【0027】
上記各板金製瓦7は板金のプレス加工製で、この板金製瓦7は上記野地板3の表面に沿って延びる平坦で矩形の瓦本体8と、上記傾斜方向Sの瓦本体8の上端縁8aから上記野地板3の表面に対する垂直方向Vの上方に向って突出するよう一体的に延出して側面視(図3,4)でほぼ倒立U字形状をなす係止片10と、この係止片10の延出端から同上傾斜方向Sの上方に向って一体的に延出する延出片11と、同上傾斜方向Sの瓦本体8の下端縁8bから上記垂直方向Vの下方に向って一体的に延出した後、上記傾斜方向Sの上方に向って延出する側面視でほぼコの字形状の被係止片12とを備えている。上記垂直方向Vで、上記延出片11の下面は上記瓦本体8の裏面とほぼ面一とされている。
【0028】
上記板金製瓦7のうち、ある一つの板金製瓦7(A)の被係止片12は、上記傾斜方向Sでこの板金製瓦7(A)の下側に隣り合うよう野地板3の表面に敷設されている他の板金製瓦7(B)の係止片10にその外方から係脱自在に係止可能とされている。上記板金製瓦7(A)の被係止片12が他の板金製瓦7(B)の係止片10に係止させられたとき、上記被係止片12の空間13が上記係止片10に嵌脱自在に嵌合することとされ、これによって、上記板金製瓦7(A)が他の板金製瓦7(B)から垂直方向Vの上方に離脱することが阻止される。
【0029】
上記野地板3の表面に板金製瓦7を敷設する場合、この板金製瓦7はその延出片11が野地板3の表面に釘14により打ち付けられて固定される。
【0030】
上記傾斜方向Sにほぼ直交して上記野地板3の表面に沿った方向を水平方向Hとしたとき、上記一つの板金製瓦7(A)の瓦本体8の側縁8aは、この板金製瓦7(A)の係止片10よりも上記水平方向Hの外側方に突出させられている。また、上記水平方向Hで上記板金製瓦7(A)に隣り合うよう上記野地板3上に敷設されている更に他の板金製瓦7(C)の側縁8aの表面にその外方から上記板金製瓦7(A)の側縁8aを重ね合わせ可能としてある。この場合、上記板金製瓦7(A)の側縁8aの端縁は、この側縁8aの裏面側で折り返されて複数枚(2枚)の重ね合わせ構造とされている。
【0031】
このため、上記板金製瓦7(A)の側縁8aには、上記重ね合わせ構造により、十分の剛性が確保されて、これをその側面視でより直線的な形状に保持させることができる。
【0032】
よって、水平方向Hで、板金製瓦7を順次敷設して、前記したように一つの板金製瓦7(A)の瓦本体8の側縁8aを、この板金製瓦7(A)に隣り合う更に他の板金製瓦7(C)の瓦本体8の側縁8aの表面に重ね合わせたとき、上記したように剛性が向上させられ直線形状が保持された板金製瓦7(A)の瓦本体8の側縁8aと、上記更に他の板金製瓦7(C)の瓦本体8の側縁8aとの間に隙間の生じることが抑制され、この結果、水平方向Hで隣り合う両板金製瓦7(A),7(C)の間での雨水に対するシール性能が向上すると共に、屋根2の見栄えも向上する。
【0033】
また、上記水平方向Hで隣り合う両板金製瓦7(A),7(C)の両側縁8a,8aのうち、上記更に他の板金製瓦7(C)の側縁8aの端縁を含み、この端縁から上記板金製瓦7(A)の側縁8aへの遷移部16と、上記野地板3との間に水切板17が介在させられている。この水切板17は、上記垂直方向Vで上記遷移部16の下方に配設されて傾斜方向Sに延びる板金製の水切板本体18と、上記傾斜方向Sに延び上記水切板本体18の表面に取り付けられて上記遷移部16の裏面に圧接させられるスポンジ状で弾性のシール材19とを備えている。
【0034】
上記水平方向Hで隣り合う両板金製瓦7(A),7(C)の間の水切板17の下端縁は、上記両板金製瓦7(A),7(C)よりも傾斜方向Sで下側の両板金製瓦7(B),7(D)の間の他の水切板17の上端縁に垂直方向Vでその上方から重なり合うこととされている。また、上記水切板17において、上記シール材19は上記水切板本体18の傾斜方向Sにおけるほぼ全長にわたり延びている。
【0035】
上記垂直方向Vで、上記各板金製瓦7(A),7(C)の両係止片10,10に対向する上記水切板本体18の部分には、上方に向って膨出する膨出部21が成形されている。
【0036】
上記垂直方向Vで上記両板金製瓦7(A),7(C)の各係止片10に対向する上記シール材19の対向部分19aでは、その一部が弾性変形により上記係止片10の基部端の開口を通しその内側空間22に入り込むため、このシール材19の対向部分19aの上記遷移部16に対する面圧が低下し、ここでのシール性能が低下しがちとなる。
【0037】
しかし、上記膨出部21は、上記シール材19の対向部分19aを垂直方向Vで上方に押し上げて上記遷移部16に対する上記対向部分19aの面圧の低下が防止されるため、上記傾斜方向Sでの遷移部16に対するシール材19の各部面圧が互いに均一とされ、上記遷移部16とシール材19の対向部分19aとの間のシール性能も良好に保たれる。
【0038】
よって、上記シール材19の傾斜方向Sにおける各部のうち、係止片10に対向する上記対向部分19aの厚さを従来のように他の部分よりも厚くさせる必要はなく、もって、各部断面が均一なシール材19で足りることから、このシール材19の厚さを変化させていた従来に比べて、このシール材19の成形が容易にでき、つまり、屋根2の成形が容易にできることとなる。
【0039】
また、上記水平方向Hで上記シール材19から離れて位置すると共に傾斜方向Sに延び、かつ、上記水切板本体18の上面に取り付けられて上記板金製瓦7(A)および更に他の板金製瓦7(C)の各裏面にそれぞれ圧接させられる左右一対の弾性の他のシール材24,24が設けられている。また、上記水切板17において、上記各他のシール材24は上記水切板本体18の傾斜方向Sにおけるほぼ全長にわたり延びており、上記シール材19と、これと隣り合う各他のシール材24との間にはそれぞれ傾斜方向Sに延びる樋25が形成されている。
【0040】
そして、上記水平方向Hで隣り合う両板金製瓦7(A),7(C)の間を通って野地板3側に雨水が浸入することは、上記シール材19によって抑制される。また、仮に、雨水の一部がこのシール材19を通り越えたときには、この雨水の一部は上記各樋25により確実に案内されて、傾斜方向Sで順次下側の水切板17上に送り出され、このため、上記両板金製瓦7(A),7(C)の間のシール性能がより向上する。
【0041】
上記の場合、各シール材19,24は互いに同じ材質とされると共に、その各長手方向(傾斜方向S)の各部の断面形状も互いに同じとされている。
【0042】
よって、上記各シール材19,24は、それぞれ共通の材料を単に所定長さに切断することにより得られるため、上記各シール材19,24の成形が容易にでき、つまり、上記屋根2の成形が容易にできる。
【0043】
また、上記各シール材24を設けたことにより、上記野地板3側に対する板金製瓦7の支持強度が向上すると共に、上記板金製瓦7に打ちつける雨音の減衰効果も向上する。
【0044】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0045】
請求項1の発明は、傾斜した野地板上に複数の板金製瓦を複数敷設し、これら各板金製瓦が、上記野地板の表面に沿って延びる平坦な瓦本体と、上記野地板の表面に沿った傾斜方向の上記瓦本体の上端縁から延出して、上記野地板の表面に対する垂直方向の上方に向って一体的に突出する側面視でほぼ倒立U字形状の係止片と、上記傾斜方向の上記瓦本体の下端縁から上記垂直方向の下方に向って一体的に延出した後、上記傾斜方向の上方に向って延出する被係止片とを備え、一つの板金製瓦の被係止片を上記傾斜方向でこの板金製瓦の下側に隣り合うよう上記野地板の表面に敷設されている他の板金製瓦の係止片にその外方から係止可能とさせ、上記傾斜方向にほぼ直交して上記野地板の表面に沿った水平方向で上記板金製瓦に隣り合うよう上記野地板上に敷設されている更に他の板金製瓦の側縁の表面にその外方から上記板金製瓦の側縁を重ね合わせ可能とした建物の板金製屋根瓦において、
【0046】
上記板金製瓦の側縁の端縁を、この側縁の裏面側で折り返して複数枚の重ね合わせ構造としてある。
【0047】
このため、上記板金製瓦の側縁には、上記重ね合わせ構造により、十分の剛性が確保されて、これをその側面視でより直線的な形状に保持させることができる。
【0048】
よって、水平方向で、板金製瓦を順次敷設して、前記したように一つの板金製瓦の瓦本体の側縁を、この板金製瓦に隣り合う更に他の板金製瓦の瓦本体の側縁の表面に重ね合わせたとき、上記したように剛性が向上させられ直線形状が保持された板金製瓦の瓦本体の側縁と、上記更に他の板金製瓦の瓦本体の側縁との間に隙間の生じることが抑制され、この結果、水平方向で隣り合う両板金製瓦の間での雨水に対するシール性能が向上すると共に、屋根の見栄えも向上する。
【0049】
また、上記水平方向で隣り合う両板金製瓦の両側縁のうち、上記更に他の板金製瓦の側縁の端縁を含み、この端縁から上記板金製瓦の側縁への遷移部と、上記野地板との間に水切板を介在させ、この水切板が、上記垂直方向で上記遷移部の下方に配設されて傾斜方向に延びる板金製の水切板本体と、上記傾斜方向に延び上記水切板本体の表面に取り付けられて上記遷移部の裏面に圧接させられる弾性のシール材とを備え、
【0050】
上記垂直方向で上記各板金製瓦の両係止片に対向する上記水切板本体の部分に、上方に向って膨出する膨出部を成形してあり、次の効果が生じる。
【0051】
即ち、上記垂直方向で上記両板金製瓦の各係止片に対向する上記シール材の対向部分では、その一部が弾性変形により上記係止片の基部端の開口を通しその内側空間に入り込むため、このシール材の対向部分の上記遷移部に対する面圧が低下し、ここでのシール性能が低下しがちとなる。
【0052】
しかし、上記膨出部は、上記シール材の対向部分を垂直方向で上方に押し上げて上記遷移部に対する上記対向部分の面圧の低下が防止されるため、上記傾斜方向での遷移部に対するシール材の各部面圧が互いに均一とされ、上記遷移部とシール材の対向部分との間のシール性能も良好に保たれる。
【0053】
よって、上記シール材の傾斜方向における各部のうち、係止片に対向する上記対向部分の厚さを従来のように他の部分よりも厚くさせる必要はなく、もって、各部断面が均一なシール材で足りることから、このシール材の厚さを変化させていた従来に比べて、このシール材の成形が容易にでき、つまり、屋根の成形が容易にできることとなる。
【0054】
請求項2の発明は、上記水平方向で上記シール材から離れて位置すると共に傾斜方向に延び、かつ、上記水切板本体の上面に取り付けられて上記板金製瓦および更に他の板金製瓦の各裏面にそれぞれ圧接させられる左右一対の弾性の他のシール材を設けてある。
【0055】
このため、隣り合う各シール材の間には傾斜方向に延びる樋が形成される。
【0056】
よって、上記水平方向で隣り合う両板金製瓦の間を通って雨水の一部が上記シール材を通り越えたときには、この雨水の一部は上記各樋により確実に案内されて送り出され、このため、上記両板金製瓦の間のシール性能がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】屋根の斜視部分展開図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】屋根の側面断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】屋根の一部を垂直方向から見た平面図である。
【図6】図5の6‐6線矢視断面図である。
【図7】図5の7‐7線矢視断面図である。
【符号の説明】
1 建物
2 屋根
3 野地板
4 屋根瓦
7 板金製瓦
8 瓦本体
8a 側縁
10 係止片
11 延出片
12 被係止片
13 空間
16 遷移部
17 水切板
18 水切板本体
19 シール材
19a 対向部分
21 膨出部
22 内側空間
24 シール材
25 樋
H 水平方向
S 傾斜方向
V 垂直方向
Claims (2)
- 傾斜した野地板上に複数の板金製瓦を複数敷設し、これら各板金製瓦が、上記野地板の表面に沿って延びる平坦な瓦本体と、上記野地板の表面に沿った傾斜方向の上記瓦本体の上端縁から延出して、上記野地板の表面に対する垂直方向の上方に向って一体的に突出する側面視でほぼ倒立U字形状の係止片と、上記傾斜方向の上記瓦本体の下端縁から上記垂直方向の下方に向って一体的に延出した後、上記傾斜方向の上方に向って延出する被係止片とを備え、一つの板金製瓦の被係止片を上記傾斜方向でこの板金製瓦の下側に隣り合うよう上記野地板の表面に敷設されている他の板金製瓦の係止片にその外方から係止可能とさせ、上記傾斜方向にほぼ直交して上記野地板の表面に沿った水平方向で上記板金製瓦に隣り合うよう上記野地板上に敷設されている更に他の板金製瓦の側縁の表面にその外方から上記板金製瓦の側縁を重ね合わせ可能とした建物の板金製屋根瓦において、
上記板金製瓦の側縁の端縁を、この側縁の裏面側で折り返して複数枚の重ね合わせ構造とし、
上記水平方向で隣り合う両板金製瓦の両側縁のうち、上記更に他の板金製瓦の側縁の端縁を含み、この端縁から上記板金製瓦の側縁への遷移部と、上記野地板との間に水切板を介在させ、この水切板が、上記垂直方向で上記遷移部の下方に配設されて傾斜方向に延びる板金製の水切板本体と、上記傾斜方向に延び上記水切板本体の表面に取り付けられて上記遷移部の裏面に圧接させられる弾性のシール材とを備え、
上記垂直方向で上記各板金製瓦の両係止片に対向する上記水切板本体の部分に、上方に向って膨出する膨出部を成形した建物の板金製屋根瓦。 - 上記水平方向で上記シール材から離れて位置すると共に傾斜方向に延び、かつ、上記水切板本体の上面に取り付けられて上記板金製瓦および更に他の板金製瓦の各裏面にそれぞれ圧接させられる左右一対の弾性の他のシール材を設けた請求項1に記載の建物の板金製屋根瓦。
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