JP3540480B2 - カード処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、プリペイドカードなど、複数のデータを連続させたデータ列が磁気的に記録された情報記録部を有するカードを処理するためのカード処理システムに関連する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のカードは、片面の所定位置に帯状の情報記録部を設けて、所定のフォーマットに基づくデータ列を記録したもので、カードの情報記録面またはその裏面には、矢印など情報記録部のデータ列の読み書き方向を示すマークが印刷されている。
【0003】
前記カードは、カード処理装置に投入されて、前記データ列の認識がなされた後、その認識結果を用いて、例えば商品の販売など所定の処理が実行される。
このカード処理装置は、機体前面にカード受付口などを、内部にカードの搬送機構や磁気ヘッドなどを、それぞれ備えるもので、カード受付口にカードが投入されると、搬送機構が作動してカードを装置内部に取り込み、さらに磁気ヘッドにより磁気記録されたデータ列の読取り処理を実行する。
【0004】
カード処理装置の制御部は、前記データ列に応じたフォーマットを認識するよう設定されており、前記カードがマークにより指示された方向に投入されていると、読取り結果は設定されたフォーマットと合致するので、カードの記録情報が正しく認識される。
一方、カードが指示された方向と反対方向を向けて投入されていると、磁気ヘッドが情報記録部に対応せずに読取りエラーが生じる。また、磁気ヘッドが情報記録部に対応する場合も、データ列の読み取り順序がデータの並び方向の逆順となるので、認識エラーが生じ、カードはカード挿入口へと返却される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなシステムの場合、利用者は、常にカードの投入方向に注意を払わなければならず、著しく不便である。
この発明は、上記問題点に着目してなされたもので、情報記録部の長さ方向の中心線をカードの中心線に合わせて配備するとともに、この情報記録部の始端から終端に沿ってデータ列の始まりを示すデータを、終端から始端に沿ってデータ列の終わりを示すデータを、それぞれ記録することにより、カードをいずれの方向から挿入してもデータ列の正しい認識を行い得、利用者がカードの投入方向を気にする必要のないカード処理システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、複数のデータを連続させたデータ列が磁気的に記録されたカードと、このカードを投入して所定の処理を実行するカード処理装置とから成るカード処理システムであって、前記カードの片面には、帯状の情報処理部が、その長さ方向の中心線をカードの中心線に合わせて設けられ、この情報処理部の始端から終端へと向かう方向に沿ってデータ列の開始を示すデータが、また終端から始端へと向かう方向に沿ってデータ列の終了を示すデータが、それぞれ記録されている。また前記カード処理装置は、前記カードを情報記録部の長さ方向に沿って搬送する搬送機構と、カードの搬送路上に、搬送されるカードの情報記録部に対応するように配備される磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドにより読み込まれたデータ列の先頭に位置するデータが前記データ列の開始または終了のいずれを示すデータかを判別する判別手段と、前記判別手段により判別対象のデータがデータ列の開始を示すデータであると判別されたとき、前記磁気ヘッドによる読込み結果を読み込まれた順に認識し、前記判別対象のデータがデータ列の終了を示すデータであると判別されたとき、前記磁気ヘッドによる読込み結果を読み込まれた順序と逆の順に認識する認識処理部とを具備している。
【0007】
【作用】
情報記録部の長さ方向の中心線とカードの中心線とを位置合わせすることにより、カードをいずれの方向から投入しても、記録されたデータ列を読み取ることができる。この場合、カードが情報記録部の始端側から搬送されるとき、読み取られたデータ列の先頭のデータはデータ列の開始を示すデータとなるので、データ列は読み込まれた順に認識される。一方、カードが情報記録部の終端側から搬送されるときは、読み取られたデータ列の先頭のデータがデータ列の終了を示すデータとなり、データ列は読み込まれた順序と逆の順に認識される。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明を実施するための一例として、図1に示すメダル貸出装置1をあげる。このメダル貸出装置1は、金額価値などのカード情報が書き込まれたプリペイドカードを発行するとともに、発行されたプリペイドカードを受け付けて、スロットマシンに対するメダルの貸出処理を実行する。またこのメダル貸出装置1に投入されるプリペイドカードは、片面に帯状の情報記録部が形成されるもので、その形成位置は、図2に示すように、情報記録部の長さ方向の中心線lがカードの長手方向の中心線Lに重なるように調整される。
【0009】
【実施例】
図1は、この発明の一実施例にかかるメダル貸出装置1の外観を示す。
このメダル貸出装置1は、パチンコホールなどの遊戯場において、スロットマシン(図示せず)に電気接続されるもので、開閉可能な上扉7,中扉8,下扉9を前面に有している。
【0010】
前記上扉7には表示ランプ4と前記貨幣受付口2が、中扉8には操作スイッチ5とカード出入口3とが、下扉9には投入金額表示部6が、それぞれ設けられており、さらに上扉19と下扉21とには、それぞれ施錠用の錠10,11が設けられている。
【0011】
このメダル貸出装置1の内部には、1枚の磁気カードが保有されており、紙幣投入口2から所定の金額の紙幣(例えば千円札)が投入されたとき、前記保有カードに金額価値などの情報が書き込まれ、カード出入口3へと発行される。このとき遊戯者が操作スイッチ5を押操作すると、発行されたカードは再び装置内部に取り込まれ、その金額価値が、現行の金額から所定の金額(例えば500円)を差し引いた値に書き換えられるとともに、隣接するスロットマシンに対し、差し引かれた金額に応じたメダル数を示す度数データが伝送される。スロットマシンの制御部は、この度数データの伝達により、機体を度数分のメダルが貸し出された状態に設定し、遊戯者のゲーム操作へと待機する。
【0012】
前記表示ランプ4は、機体の動作状態を報知するためのもので、通常時は消灯しており、機体内に異常が発生したときに点滅または点灯する。
前記貨幣受付口2の内側には、受け付けられた紙幣を内部に取り込むための紙幣取込機構35(図4に示す)と、その紙幣について真偽を判別すると共に決められた金種であるかどうかを判別する紙幣判別器34(図4に示す)と、取り込んだ紙幣をストックする金庫(図示せず)とを含む紙幣処理ユニット12が設けられている。
【0013】
前記カード出入口3の内側には、プリペイドカードの搬出入を行うための搬送機構20,26,カードに対し発券情報の読み書きを行うための磁気ヘッド17,前記カードを収容するためのカード収容部25などを含むカード処理ユニット13が設けられている。
【0014】
投入金額表示部6は、通常は紙幣受付口2に投入された紙幣の金額を表示するほか、適宜この装置におけるカードの総売上などの情報を表示する。
なお、このメダル貸出装置1は、自装置で発行されたカードのほか、他のメダル貸出装置1や図示しない発券装置で発行されたカードも受付可能である。
【0015】
このメダル貸出装置1に投入されるカードの片面には、図2に示すごとく、帯状の情報記録部14が形成されている。この情報記録部14は、金額価値やカード発行日などの情報(以下「カード情報」という)を示すデータ列を長さ方向に沿って磁気記録するためのもので、その長さ方向の中心線lがカードの長手方向の中心線Lに重なるように、言い換えればカードの上辺15および下辺16と情報記録部との距離a,bが等しくなるように、形成位置が調整されている。
【0016】
なおこの実施例では、カードの左辺36および右辺37と情報記録部14との距離c,dも等しくなるように設定しているが、この距離c,dは必ずしも等しく設定するする必要はなく、また情報記録部の端部をカードの左右各辺17,18まで伸ばすようにしても良い。
【0017】
前記カード処理ユニット13の内部では、情報記録部の始端側,終端側のいずれの方向からカードが投入されても、情報記録部14に正しくアクセスできるように、磁気ヘッド17を、搬送されるカードの中心線Lの位置に合わせて配備している。この磁気ヘッド17により読み取られた記録情報は、HレベルまたはLレベルの信号に変換されて制御部へと伝送されるもので、制御部は、伝送された信号波形により読み取り結果を認識する。
【0018】
図3(1)(2)は、前記カード処理ユニット13の内部機構を示す。
このカード処理ユニット13の前面には、前記カード出入口3に連続するカード搬出入口18が形成されており、内部には奥行きに沿ってカードの幅と厚みとに応じた搬送路19が形成されている。この搬送路19の前方位置には第1のカード搬送機構20が配備され、その後方には前記磁気ヘッド17が配備されている。
【0019】
前記カード搬送機構20は、前後2対の送りローラ21,21,22,22,伝動ベルト23,23,モータ24などから成るもので、モータの回転は後方の送りローラ22,22に与えられた後、伝動ベルト23,23を介して前方の送りローラ21,21に伝えられる。
【0020】
前記カード搬送機構20とカード搬出入口18との間にはカードの搬出入を検知するための光電センサPH1が配備されている。また磁気ヘッド17の前方および後方位置には、第2,第3のの光電センサPH2,PH3が、それぞれ磁気ヘッド17と前記距離c(d)分の長さだけ隔てた位置に配備され、さらに光電センサPH3から所定間隔を隔てた位置に第4の光電センサPH4が配備されている。
【0021】
前記搬送路19の光電センサPH4の後方には、カードの長さ分に相当する余剰部分25が設けられている。この余剰部分25は、書換え処理により金額価値がゼロとなったカードを収容するためのカード収容部として機能するもので、その前方部には第2のカード搬送機構26が配備されている。このカード搬送機構26は、カードをカード収容部25へ搬出入するためのもので、一対の送りローラ27,27,モータ28,ウォームホイル,ウォームギヤから成る伝動機構29などから構成されている。
なおこのカード収容部25の後部には、カードの収容を確認するための第5の光電センサPH5が配備されている。
【0022】
いまカード収容部25にカード(図中鎖線で示す)が収容された状態で前記紙幣受付口2より紙幣(千円札)が投入されると、後述する制御部29のCPU30は、前記カード搬送機構20,26の各モータ24,28を正回転させる。これによりモータ28の回転運動が伝動機構29を介して送りローラ27,27へと与えられ、カード収容部25内のカードが前方へと搬出される。
【0023】
さらにカードがカード搬出入口18の方へと搬送されると、光電センサPH4,PH3が順にオンになり、さらに光電センサPH2がオンになった時点で前記磁気ヘッド17による情報の書込みが開始される。
なお磁気ヘッド17による情報の書込みは、光電センサPH3がオフになった時点で終了する。
【0024】
第2の光電センサPH2がオンからオフに切り換わった時点で、CPU43は、カード搬送機構20のモータ24を停止させる。このとき第1の光電センサPH1はオンの状態にあり、この光電センサPH1がオフに切り換わったとき、CPU30はカード出入口3よりカードが引き抜かれたものと認識する。
【0025】
光電センサPH1がオンのままで前記操作スイッチ5の押操作による電気信号を得たとき、CPU30はカード搬送機構20のモータ24を逆回転させ、カードを後方へと搬送する。以下、光電センサPH2,PH3が順にオンに切り換わると、CPU30はカード情報の読取りを開始し、さらに隣接するスロットマシン5に対するメダルの貸出処理(前記した度数データの伝達)に基づき前記したカード情報の書換えを行なう。さらにCPU30は、この処理によりカードの有する金額価値がゼロになったとき、第2のカード搬送機構26のモータ28を逆回転させてカードをカード収容部25へと収容し、カードに金額価値が残っている場合は、第1のカード搬送機構20のモータ24を正回転させてカードをカード搬出入口29へと搬出する。
【0026】
なお、他のメダル貸出装置1または発券装置で発行されたカードが挿入された場合は、第1の光電センサPH1がオンになったことに応じて、カード搬送機構20が作動し、カードが内部に取り込まれる。この場合、カード収容部25内にカードが収容されている場合は、書換え処理後のカードはその金額価値に関係なく、カード搬出入口18へと搬出される。一方、カード収容部25内にカードが収容されておらず、かつ投入されたカードの書換え処理後の金額価値がゼロであれば、このカードは、新たな保有カードとしてカード収容部25内に収容される。
【0027】
図4は、前記メダル貸出装置1の電気的構成を示すもので、制御・演算の主体であるCPU30と、プログラムが格納されるROM31と、前記カード情報などの各種データが記憶されるRAM32とから成る制御部29を備えている。CPU30には、バス33を介して、前記した表示ランプ4,投入金額表示部6,操作スイッチ5,光電センサPH1〜PH5,紙幣判別器34,紙幣取込機構35,第1,第2のカード搬送機構20,26,磁気ヘッド17などが接続されている。
【0028】
図5は、前記磁気ヘッド17により情報記録部14に記録される1ビット分のデータ構成を示す。
図中、N,Sは、それぞれN極,S極に着磁された部分を示すもので、各着磁部分の長さは、いずれも一定の長さTとなるよう設定されている。
【0029】
この実施例では、N極に着磁された部分は「H」信号に、S極に着磁された部分は「L」信号に、それぞれ対応するように設定しており、2個の信号の組合せにより最小のデータ単位である1ビット分のデータが表現されている。
図示例の場合、図5(1)のデータ構成「HL」がデータ「0」に、図5(2)のデータ構成「LH」がデータ「1」に、それぞれ対応している。
【0030】
図6は、情報処理部14に記録されるデータ列DTの構成を示す。
図中、矢印Aは、データ列の並び方向を示すもので、データ列の両端部には、それぞれ5個の信号から成るデータ列SST,SENが設けられ、これらデータ列SST,SEN間に前記カード情報を示すデータ列CDが位置した構成となっている。
【0031】
各データ列SST,SENは、それぞれ「HLHLL」,「HHLHL」のデータ構成を有するもので、始端部のデータ列SSTはデータ列DTの開始を、終端部のデータ列SENはデータ列DTの終了を、それぞれ表現する。
なお以下の説明では、データ列SSTを「スタート情報」、データ列SENを「エンド情報」ということにする。
【0032】
前記カード出入口3に投入されたカードが搬送路19を搬送されてくると、磁気ヘッド17は搬送方向に沿ってデータ列DTを読み取り、その結果をCPU30に出力する。
CPU30は、この読取り結果のうちの最初の5個の信号に着目して、そのデータ構成からカードが情報記録部の始端側,終端側のいずれの方向から投入されたかを判別した後、その判別結果に基づき前記カード情報の認識処理を実行する。
【0033】
図7は、前記制御部29によるカード処理の手順を示す。
カード出入口3にカードが投入されると、ステップ1(図中「ST1」で示す)が「YES」となり、CPU30は、前記搬送機構20のモータ24を駆動してカード処理ユニット13内にカードを取り込んだ後、さらに磁気ヘッド17を駆動して搬送路19を搬送中のカードの情報記録部14に記録されたデータ列の読取りを実行する。
なお読み取られたデータ列DTは、RAM32内に一時記憶される。
【0034】
つぎのステップ3は、読み取られたデータ列の長さやフォーマットが前記図6の形式に合致するか否かをチェックするためのもので、この判定が「YES」のとき、CPU30は、さらにつぎのステップ4で、読出し結果から先頭5個の信号を抽出し、その内容をチェックする。
【0035】
カードが情報処理部14の始端側から挿入された場合は、これら信号は「HLHLL」の順に並んでいる。これによりCPU30は、これら信号によるデータ列が前記スタート情報SSTであると判別してステップ7へと移行し、RAM32内に記憶されたデータ列からカード情報を示すデータ列CDを取り出し、そのデータ構成からカードの有する金額価値や発行日などを認識する。
【0036】
一方、カードが情報処理部14の終端側から挿入された場合は、読出し結果の先頭5個の信号が「LHLHH」の順に並んでいる。またこれに続くカード情報は、各ビット毎に、反転したデータとなり、さらに各データの順序は本来のデータの並び順の逆になっている。
この場合、CPU30は、ステップ4で前記先頭5個の信号によるデータ列が前記エンド情報SENであると判別し、続くステップ5で前記カード情報に相当するデータ列の各ビットを反転処理し、さらにステップ6でこれらビットの並びを逆転させて、カード情報を示すデータ列CDを復元する。その後、ステップ7で、カード情報の内容の認識処理がなされる。
【0037】
上記の認識処理が終了すると、CPU30は、つぎのステップ8で、金額価値や発行日などのデータが適正であるか否かをチェックし、この判定が「YES」であれば、カード情報を書き換えると共に、隣接するスロットマシンに対するメダルの貸出処理を実行する(ステップ9,10)。
なおステップ9の書換え処理は、情報記録部14のデータ列全体を書き換えるものであり、カードが情報記録部の終端側から挿入されている場合、新たなデータ列は、前回のデータ列の並び順と逆方向に書き込まれることになる。
【0038】
上記の処理が終了すると、CPU30は、保有カードの有無とカードの書き換え処理後の金額価値とをチェックする。カード収納部25に保有カードが存在せず、かつ前記カードの書き換えられた金額価値がゼロであれば、ステップ11,12がともに「NO」となり、CPU30は、前記カード搬送機構26のモータ28を逆回転させ、カードをカード収容部25内に収容する(ステップ13)。
【0039】
一方、カード収容部25内に保有カードが存在する場合、または保有カードは収容されていないが前記カードに金額価値が残っている場合は、ステップ11またはステップ12が「YES」となり、CPU30は、カード搬送機構20のモータ24を正回転させてカードをカード出入口3へと返却する(ステップ14)。
なお、ステップ3で、投入されたカードのデータ列のフォーマットが図6の形式に合致しないと判定されたときや、ステップ8でカード情報が不適であると判定されたときも、ステップ14へと移行する。
【0040】
前記紙幣受付口2に紙幣が投入されると、ステップ15が「YES」となってステップ16へと移行し、保有カードの有無がチェックされる。
カード収容部25にカードが収容されていれば、ステップ16は「YES」となり、CPU30は、前記カード搬送機構26,20を駆動して保有カードを搬送路19に搬送し、さらに磁気ヘッド17を駆動して、前記図6の形式に基づくデータ列DTをカードの情報記録部14へと書き込んだ後、このカードをカード出入口3へと搬出する(ステップ17,18)。
【0041】
なお、カード収容部25にカードが収容されていないときは、ステップ19へと移行して投入紙幣が紙幣投入口3へと返却された後、前記表示ランプ4を点滅させるなど、エラーの発生報知が行われる。
【0042】
上記のカード処理方法によれば、カード出入口3にいずれの方向からカードを挿入しても、記録されたデータ列DTは正しく認識される。また投入されたカードのデータ列を書き換えたり、保有カードに新たなデータ列を書き込む場合には、データ列全体が書き換えられるので、搬送方向に対するカードの向きを考慮する必要がない。また情報記録部14の長さ方向の中心線lをカードの中心線Lと位置合わせすることにより、単独の磁気ヘッドでデータ列の読み書きが可能となり、装置構成を簡単にできる。
【0043】
なお、上記実施例は、遊戯場におけるメダル貸出装置にかかるものであるが、この発明はこれに限らず、カードを用いた各種のシステムに適用できることは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】
この発明は、上記の如く、情報記録部の長さ方向の中心線とカードの中心線とを位置合わせするとともに、情報記録部の始端から終端に沿ってデータ列の開始を示すデータを、情報記録部の終端から始端に沿ってデータ列の終了を示すデータを、それぞれ記録し、カード処理装置において、読み込んだデータ列の先頭のデータの内容に応じてデータ列を認識処理するようにしたので、カードをいずれの方向から投入しても、記録されたデータ列を読み取って正しく認識することができる。これにより、利用者は、カード投入時にカードの投入方向を配慮する必要がなくなり、利用者にとって便利なカード処理システムを低コストで提供できるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のカード処理装置の一実施例にかかるメダル貸出装置の外観を示す正面図および斜面図である。
【図2】カードの情報記録部の形成位置および磁気ヘッドとの関係を示す説明図である。
【図3】カード処理ユニットの構成を示す平面図および側面図である。
【図4】メダル貸出装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】情報記録部に記録される1ビット分のデータの構成例を示す説明図である。
【図6】データ列のデータ構成例を示す説明図である。
【図7】メダル貸出装置の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 メダル貸出装置
14 情報記録部
17 磁気ヘッド
19 搬送路
20 搬送機構
30 CPU

Claims (1)

  1. 複数のデータを連続させたデータ列が磁気的に記録されたカードと、このカードを投入して所定の処理を実行するカード処理装置とから成るカード処理システムであって、
    前記カードの片面には、帯状の情報処理部が、その長さ方向の中心線をカードの中心線に合わせて設けられ、この情報処理部の始端から終端へと向かう方向に沿ってデータ列の開始を示すデータが、また終端から始端へと向かう方向に沿ってデータ列の終了を示すデータが、それぞれ記録されており、
    前記カード処理装置は、
    前記カードを情報記録部の長さ方向に沿って搬送する搬送機構と、
    カードの搬送路上に、搬送されるカードの情報記録部に対応するように配備される磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドにより読み込まれたデータ列の先頭に位置するデータが前記データ列の開始または終了のいずれを示すデータかを判別する判別手段と、
    前記判別手段により判別対象のデータがデータ列の開始を示すデータであると判別されたとき、前記磁気ヘッドによる読込み結果を読み込まれた順に認識し、前記判別対象のデータがデータ列の終了を示すデータであると判別されたとき、前記磁気ヘッドによる読込み結果を読み込まれた順序と逆の順に認識する認識処理部とを具備して成るカード処理システム。
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