JP3540220B2 - フラッシュeepromおよびその記憶データ消去方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフラッシュEEPROMおよびその記憶データ消去方法に係わり、特にワード線単位に分割した消去および消去ベリファイの実行により過消化を抑制することが出来るフラッシュEEPROMおよびその記憶データ消去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)およびスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)のような半導体メモリを揮発性メモリと称している。これに対し、特に1つのブロック内の全てのメモリセルの記憶データを一括して消去することができ、かつ何度でもデータを書き替えて記憶させることが出来るものをフラッシュEEPROMと称している。
【0003】
この種の従来のフラッシュEEPROMのメモリセルは、P型基板上に形成されたN型領域、酸化膜による絶縁層、ポリシリコンによるフローティングゲート、およびポリシリコンによるコントロールゲートを有して構成される。
【0004】
フローティングゲートは絶縁層によって囲まれている。つまり、フローティングゲートは、P型基板上にドレインとソースをそれぞれ形成する2つのN型領域間に絶縁層で囲まれた状態で形成される。コントロールゲートは上述したフローティングゲートを囲む絶縁層を介してフローティングゲートの上に形成される。
【0005】
フローティングゲートにデータを書き込むには、なだれ注入、チャネル注入等によりフローティングゲートに電荷を注入することにより行う。つまり、コントロールゲートが接続されるワード線に書込電圧として高電圧の12Vを与え、ドレインが接続されるビット線に6V程度を与え、ソースは接地電位に接続される。
【0006】
上述した電圧を与えることによりドレインおよびP型基板間の界面にチャネルホットエレクトロンが発生する。このホットエレクトロンはコントロ−ルゲートに印加されている12Vの高電圧によって加速され、フローティングゲートを囲む絶縁層を透過しフローティングゲートに注入される。また、ドレインおよびP型基板間の界面に発生するチャネルホットエレクトロンによりドレインに電流が流れる。
【0007】
ホットエレクトロンの注入によりコントロ−ルゲートに蓄積された電荷は、前述したようにフローティングゲートが絶縁層で囲まれて絶縁状態にあるためそのまま蓄積されることになる。この状態はビット線およびワード線に与えた電圧を遮断しても持続する。つまり、不揮発性である。この電荷が蓄積された状態がデータ“0”の状態である。
【0008】
この蓄積された電荷のためにコントロールゲートに対するしきい値電圧が上昇する。そのため、上昇したしきい値電圧以上の電圧をコントロールゲートに与えないとチャネル領域に反転層が生じない。
【0009】
上述した書込により蓄積された電荷の消去である記憶データの消去は、フローティングゲートおよびソース間、またはフローティングゲートおよびP型基板間で電荷をトンネリングさせ、電荷をフローティングゲートから除去することにより行われる。
【0010】
すなわち、記憶データの消去は、コントロールゲートに接続されたワード線を接地電位に接続する。ソースが接続される配線には高電圧として6V程度を印加する。これらの電圧印加によって、ソースおよびコントロールゲート間の電位関係が逆転し、フローティングゲートおよびソース間に介在する絶縁層にトンネリングを生じる。
【0011】
このトンネリングによりフローティングゲートおよびソース間に電流が流れる。このフローティングゲートから絶縁層を経てソースに電流が流れることにより、フローティングゲートに蓄積されていた電荷を除去する。フローティングゲートの電荷を除去することにより、メモりセルのしきい値電圧は元のしきい値まで低下し、書込前の状態に戻り、メモりセルの記憶データとしては“1”を示す状態になる。
【0012】
記憶データの読み出しは、コントロールゲートが接続されるワード線には動作電源電圧である5V程度が与えられる。ドレインが接続されるビット線には、フローティングゲートの蓄積電荷が絶縁膜を経てドレイン側へ抜ける現象を防止するため、通常5Vよりも低い電圧が与えられる。ソースが接続される配線は接地電位に接続される。
【0013】
上述した接続状態にすることにより、このメモリセルに記憶されたデータが“0”であったとすると、フローティングゲートには電荷が蓄積されているから、上述したように、しきい値は高くなっている。そのため、ワード線に5Vを与えてもコントロールゲートのしきい値電圧は5V以上にあるため、ドレインおよびソース間にはチャネルが形成されることはない。チャネルが形成されないので、このメモりセルは非導通状態であり、したがって、ドレインおよびソース間には電流が流れない。
【0014】
一方、メモリセルに記憶されたデータが“1”であったとすると、フローティングゲートには電荷が蓄積されていない状態であるから、しきい値は低い状態である。そのため、ワード線に5Vを与えると、コントロールゲートのしきい値電圧は5V以下にあるため、ドレインおよびソース間にはチャネルが形成される。したがって、チャネルの形成によりこのメモりセルは導通状態になりドレインおよびソース間に電流が流れる。
【0015】
上述したメモリセルに電流が流れる状態、すなわち、メモリセルに記憶されたデータが“1”であるときは、ドレイン・ソース間に流れる微少な電流をセンスアンプで増幅する。つまり、センスアンプは、読み出し対象となるビット線上のメモリセルに電流が流れるか流れないかを見ていることになる。電流が流れていれば読み出したデータは“1”であり、電流が流れなければ読み出したデータは“0”である。
【0016】
上述したフラッシュEEPROMでは、一般的にメモりセル全体を一括して消去する方法が行われている。しかし、メモリセルそれぞれの記憶データの消去時間には差が有る。つまり、製造上のばらつきが存在するからである。このばらつきが生ずる原因は、フローティングゲートを囲む絶縁層の厚さ、セルの形状、チャネル長等が全てのセルで同一に製造されているわけではないからである。
【0017】
そのため、その消去動作は全メモリセルで最も消去に時間のかかるセルが消去されるまで、一括した消去が繰り返されている。
【0018】
ここで、記憶データの消去時間を最終的に決定するような、消去に時間のかかるセルは、全メモリセルの中に多数存在するわけではない。しかし、この少数の、消去に時間のかかるセルにより消去時間が支配されている。
【0019】
そのため、記憶データの消去に時間のかかるセルが全てその記憶データの消去を終了するまで、他の大多数のセルは既に記憶データの消去が終わっているにもかかわらず、一括消去によってフローティングゲートに蓄積された電荷量以上の余分な量が除去される過剰な消去、つまり過消去を繰り返すことになる。
【0020】
そのなかでも、特に記憶データの消去に要する時間が短いセルは、一括消去による過消去により、ドレインおよびソース間にチャネルが形成されて動作中は、選択されているか否かに係わらず、常に電流が流れデプレッション状態となる。
【0021】
その結果、デプレッション状態となったセルが接続されたビット線に接続された他の正常なセルは電流が流れない記憶データ“0”状態にも係わらず、デプレッション状態となったセルの電流をセンスアンプが検出してしまう。そのため、読み出し結果は“1”となり、読み出しが正常に行えない過消去の状態となるので、この過消去を防ぐことが問題となっていた。
【0022】
この問題を解決する方法として、例えば、一回の消去単位を極力短くし、消去の繰り返し回数を多くすることにより、消去時間を必要最低限に抑え、過消去を防ぐ方法が取られてきた。しかし、この方法は、メモリ容量が大きくなりセルのバラツキが大きくなってくると過消去を防ぐのが難しくなる。
【0023】
これを解決する例が特開平4−228193号公報に記載されている。同公報記載のEEPROMは、その構成の概略を示した図11を参照すると、メモリセルアレイを2つのブロック15a、15bに分割し、この分割したブロックそれぞれに、Yゲート16a,16b、ロウデコーダ17a,17b、コラムデコーダ18a,18b、センスアンプ19a、19b、ベリファイ/消去制御回路20a,20b、消去電圧印加回路22a,22b、を1個ずつ設ける。その他、アドレスカウンタ21、入出力バッファ23、アドレスバッファ24、スイッチ25、ブロック選択/マスク回路26、スイッチ回路27、高圧パルス源28とを共通の周辺回路に備える。
【0024】
これら2つのブロック毎に独立して動作させることにより、1つのブロックの消去が完了していなくても、他方のブロックで消去が完了していれば、それ以上消去動作を行わず過剰な消去を行わないことで過消去を回避することが提案されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平4−228193号公報に記載された従来のEEPROMでは、分割されたメモリセルブロックは、それぞれのブロック内における消去が完了するまで、それぞれのブロック内においてはメモリセルの全てを一括して消去する動作をしている。
【0026】
その結果、分割されたブロックの内部に記憶データの消去時間の短いセルと消去時間の長いセルがある場合には、そのブロック内で過消去が発生してしまうという欠点がある。
【0027】
また、消去パルス印加回路や消去ベリファイ回路をそれぞれ独立して設ける構成となっているため、必然的に回路規模が大きくなり、その回路の増大分がチップ面積の増加に直接影響するという欠点もある。
【0028】
本発明の目的は、上述した従来の欠点に鑑みなされたものであり、大幅な回路増加がなく、かつチップ面積を増大させることなく、過消去されにくい消去動作をさせることができるフラッシュEEPROMおよびその記憶データの消去方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明のフラッシュEEPROMの特徴は、記憶データを一括消去するための全行アドレス、または消去ベリファイにより検出した未消去セルが繋がるワード線1本のみを指定するための1行アドレスのいずれか一方を選択的に指定するアドレス固定手段と、指定された前記ワード線1本にのみ所定の通常動作電圧よりも高いデータ消去用高電圧を印加し、その他のワード線には全て接地電位を印加して前記未消去セルのデータを再消去する部分消去であり、この部分消去の再消去開始アドレスから残りの全アドレスを消去ベリファイする部分消去ベリファイ手段とを備え、前記部分消去ベリファイ手段は、予め定める所定の制御信号から書込、消去およびベリファイの各モード設定用の複数のモード信号をそれぞれ生成するモード信号生成回路と、下位のアドレスを受け保持する下位アドレスラッチと、このラッチ出力のアドレス制御信号を前記複数のモード信号にそれぞれ応答してデコードする列デコーダと、セレクタおよびセンスアンプをそれぞれ制御する消去制御回路と、前記消去パルス信号および前記複数のモード信号にそれぞれ応答して書込電圧とこの電圧より低い前記消去用高電圧とこの電圧より低い読み出し電圧とを生成する電圧生成回路と、前記消去パルス信号に応答して記憶データ消去動作の繰り返し回数を判定しその消去回数判定信号と前記消去パルスとで合成したデコーダアクティブ信号に応答して、行デコーダが前記一括消去のための全行アドレスまたは前記部分消去のための固定行アドレスのいずれかを出力制御する消去回数判定回路とを備え、これらの手段を能動化してメモリセルの過剰消去を抑えることを特徴とする。これらの手段を能動化してメモリセルの過剰消去を抑えることを特徴とする。
【0031】
さらに、前記モード信号生成回路は、外部か供給されるモード取り込み信号と、このモード取り込み信号に応答して外部から供給される複数のモード制御信号を取り込み保持するレジスタ群と、これらレジスタ群それぞれの出力信号から前記複数のモード信号として消去ベリファイ信号、書込ベリファイモード信号、書込モード信号および消去モード信号をそれぞれ生成するデコーダとで構成することができる。
【0032】
さらにmた、前記アドレス固定手段は、前記消去回数判定手段の消去回数判定信号に応答して、前記繰り返し回数が前記所定回数に達したときはそのアドレス値に前記アドレスラッチの値を固定するアドレス固定回路と、このアドレス固定回路出力のアドレス取り込みクロックに応答して予め定める上位複数ビットの上位アドレス制御信号をラッチする上位ラッチ回路と、この上位ラッチ回路出力の上位アドレス制御信号を前記デコーダアクティブ信号および前記複数のモード信号にそれぞれ応答して前記一括消去時は全行アドレスをデコード出力し、前記部分消去時は前記一本のワード線にのみ前記消去用高電圧を出力する行デコーダとを備えることもできる。
【0033】
また、前記アドレス固定回路は、予め定めるアドレスクロックを極性反転するインバータと、前記消去ベリファイモード信号と前記消去回数検出信号との論理をとる第1の論理回路と、この第1の論理回路出力に応答して前記未消去セルの検出で発生するベリファイNG信号をラッチするラッチ回路と、このラッチ回路出力と前記インバータ出力との論理をとる第2の論理回路とで構成することもできる。
【0034】
さらに、前記消去回数判定回路は、前記複数の上位アドレス制御信号と前記デコーダアクティブ信号とのいずれかを選択する組み合わせ回路と、この組み合わせ回路の出力に応答してモード設定信号または消去用高電圧を選択する第1および第2のトランスファゲートとで構成することもできる。
【0035】
さらにまた、前記部分消去ベリファイ手段は、前記消去信号がそれぞれパルス幅の異なる複数の消去信号として供給されるとともに、前記消去回数判定信号に応答して、これらの複数の消去信号のうち、前記一括消去時はパルス幅の広い方を選択し、前記部分消去時はパルス幅の狭い方を選択して出力することにより消去時間を短縮する消去時間設定回路をさらに備えることもできる。
【0037】
本発明のフラッシュEEPROMの他の消去方法は、記憶データを一括消去した後の消去ベリファイにより検出した未消去セルが接続される一本のワード線のみを選択するためのアドレス固定手段と、この一本のワード線にのみ所定の通常動作電圧よりも高いデータ消去用高電圧を印加し、その他のセルには全て接地電位を印加して前記未消去セルのデータを再消去する部分消去であってこの部分消去の再消去開始アドレスから残りの全アドレスを消去ベリファイする部分消去ベリファイ手段とを用い、最初に全メモリセルを一括して消去する一括消去を行う第1処理ステップと、
前記一括消去ごとに消去回数をカウントアップする第2の処理ステップと、
この第2処理ステップの後、全メモリ領域の消去ベリファイを行う第3の処理ステップと、
前記消去ベリファイの結果未消去セルを検出すると消去回数が予め定める消去回数になるまで一括消去からの動作を繰り返す第4の処理ステップと、
消去回数が前記予め定める消去回数を超えると前記アドレス固定手段により固定されたワード線のみが選択され部分消去ベリファイ手段による部分消去を行う第5処理ステップと、
前記部分消去ごとに消去回数をカウントアップする第6処理ステップと、この第6処理ステップの後、前記固定されたワード線に接続されたセルの最初のアドレスから部分消去ベリファイ手段により部分消去ベリファイが開始されアドレスをカウントアップしながら残りのメモリ空間の全てに前記部分消去ベリファイを行う第7処理ステップと、
前記部分消去ベリファイの結果未消去セルを検出すると実行中の部分消去ベリファイから抜けて前記部分消去からの動作を消去回数の上限として設けられた回数まで繰り返えし、前記上限として設けられた回数を超えて前記部分消去が繰り返されても前記部分消去ベリファイの結果未消去セルを検出すると消去動作を終了し、消去回数が前記上限として設けられた回数以内で未消去セルを検出しなければその時点で前記部分消去動作を終了する第8処理ステップとを実行することにより、過剰消去を抑えることを特徴とする。
【0038】
また、前記一括消去を繰り返す回数の制限値は、あらかじめメモリセルの大多数を消去できるだけの時間に対応した値が設定されている。
【0039】
さらに、前記第5の処理ステップは、前記部分消去ベリファイ手段として、前記消去信号をそれぞれパルス幅の異なる複数の消去信号を出力することにより消去時間を短縮する消去時間設定回路をさらに用いて、消去回数が前記予め定める消去回数を超えると前記アドレス固定手段により固定されたワード線のみが選択され部分消去ベリファイ手段による部分消去へ移行し、前記複数の消去信号のうちパルス幅の狭い方の消去信号により部分消去をすることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概要を述べると、このフラッシュEEPROMは、メモリセルのワ―ド線を選択するためのXデコーダにはアドレスラッチにより取り込まれたアドレス信号の上位ビットを入力する。この上位ビットは次段のXデコーダでデコードされ、1本のワード線が選択される。この選択されたワード線には電圧生成回路6で生成された書き込み、消去といった各プログラミングモードに対応した電圧が入力される。
【0041】
本発明では、消去回数をカウントし所定の消去回数を過ぎた時に、アクティブとなる消去回数判定回路と、この消去回数判定回路の出力と消去ベリファイNG信号とによりアドレスラッチを固定するアドレス固定回路とを設けている。
【0042】
このアドレス固定回路により、記憶データの消去が所定回数を超えると、Xデコーダに与えるアドレスが固定となる。その結果、Xデコーダは1本のワード線を選択し、このワード線にのみモード設定電圧として接地電位が印加され、それ以外のワード線にはVPP電位が印加される。つまり、選択された1本のワード線に繋がるメモリセルだけが消去される。
【0043】
したがって、既に消去された他のセルを消去することがなく、メモリセルに対する消去ストレスを最小限に抑えることができ、過消去を抑えることが出来るものである。
【0044】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。図1を参照すると、このフラッシュEEPROMは、一例として16ビットアドレスで下位3ビットがYセレクタ2の選択信号として使用される場合の概略ブロック図を示してある。
【0045】
このフラッシュEEPROMは、メモリセルアレイ1の周辺に、Yセレクタ2、センスアンプ/消去制御回路(図中ではセンスアンプ&消去制御回路)3、下位アドレスラッチ4、Yデコーダ5、電圧生成回路6、モード信号生成回路7、消去回数判定回路8、アドレス固定回路9、上位アドレスラッチ10、およびXデコーダ11を設け、メモリセルアレイ1の下部にソーススイッチ回路30を設ける。
【0046】
メモリセルアレイ1は公知の構成であるが、書込、消去、ベリファイ動作に直接関係するセルが配置されるので、簡単にその構成を述べておく。
【0047】
すなわち、メモリセルアレイ1は、ワード線およびビット線がX軸の行方向およびY軸の列方向にそれぞれマトリックス状に交叉配列される。メモリセルアレイ1内に配置されるメモリセルは、そのセルを構成するセルトランジスタのコントロールゲートがそれぞれの対応するワード線に接続される。
【0048】
セルトランジスタのドレインはそれぞれの対応するビット線に接続される。そのセルトランジスタのソースがソース線に接続され、ソース線はソーススイッチ回路30内で接地電位または高電圧が与えられる。
【0049】
このとき、ソーススイッチ回路30の選択動作は図示しない公知のソースデコーダによって制御される。ソースデコーダはアドレスバッファから与えられるアドレス信号をデコードし、デコード結果でソーススイッチ回路30を制御する。
【0050】
メモリアレイ1からデータを読み出すための、Yセレクタ2、センスアンプ/消去制御回路3、Yデコーダ5、下位アドレスラッチ4、ソーススイッチ回路30、および電圧生成回路6の構成および動作は従来と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0051】
このフラッシュEEPROMは、上述の各回路部に加えて、本発明によるモード信号生成回路7、消去回数判定回路8、アドレス固定回路9、およびXアドレスデコーダ11をさらに備える。
【0052】
モード信号生成回路7の構成を示した図2(a)を参照すると、モード信号生成回路7は、モード信号取込レジスタ71とモード信号生成デコーダ72とかなる。モード信号取込レジスタ71は外部回路で生成される、モード取込信号とモード信号MD0、MD1、MD2、MD3とが与えられる。モード信号取込レジスタ71は与えられたモード取込信号に応答してモード信号MD0、MD1、MD2、MD3とを取り込む。
【0053】
モード信号生成デコーダ72は、モード信号取込レジスタ71から取り込んだモード信号MD0、MD1、MD2、MD3をデコードし、消去ベリファイモード信号EBVと書込ベリファイモード信号WBVと書込モード信号WRと消去モード信号とをそれぞれ生成する。
【0054】
ここで、消去ベリファイモード信号EBVは、消去セルが十分消去されていることを判定するためのモード信号である。
【0055】
書込ベリファイモード信号WBVは、書込セルが十分書きあがっていることを判定するためのモード信号である。
【0056】
書込モード信号WRは、書込動作を行うとき、アクティブとなる信号である。
【0057】
モード信号生成回路7の真理値表を示した図2(b)を参照すると、モード信号MD0、MD1、MD2、MD3がそれぞれ1,0,0,0のとき消去ベリファイモード信号EBVを出力する。モード信号MD0、MD1、MD2、MD3がそれぞれ0,1,0,0のとき書込ベリファイモード信号WBVを出力する。同様に、MD0、MD1、MD2、MD3がそれぞれ0,0,1,0のとき書込モード信号WRを出力する。MD0、MD1、MD2、MD3がそれぞれ0,0,0,1のとき消去モード信号ERを出力する。
【0058】
消去回数判定回路8の構成を示した図3を参照すると、消去回数判定回路8は、4ビットアップカウンタ81とその出力CO0,CO1,CO2,CO3のうちCO0,CO1,CO2をそれぞれ受けるインバータ82,83,84とその出力を受けるAND85とその出力をクロックとするラッチ86とを有する。
【0059】
4ビットアップカウンタ81は、与えられた消去モード信号が論理レベルの“1”レベルに活性化する毎にカウントし、カウント結果に出力信号CO0,CO1,CO2,CO3をそれぞれ出力する。AND85は信号CO0,CO1,CO2をそれぞれインバータ82,83,84を介して、CO3は直接受けてこれらの信号の論理積結果をクロックCLKとして出力する。4ビットアップカウンタ81およびラッチ86はリセット信号でリセットされる。ここで、消去モード信号は、消去動作を行うときアクティブとなる信号である。
【0060】
4ビットアップカウンタ81はカウント数が4になったとき“1”レベルを出力し、この“1”レベルがラッチ86に取り込まれ、消去回数判定出力は“1”レベルとなる。
【0061】
Xデコーダ11は、AND111とNOR112とインバータ113とトランスファゲート114および115とを1組としてこの上位アドレス分に相当する複数組を有する。AND111はアドレス信号AD5〜AD16が与えられ、NOR112はAND111の出力およびデコーダアクティブ信号を与えられる。トランスファゲート114はそのゲートにNOR112の出力を受け、ドレインにモード設定電圧を受ける。
【0062】
モード設定電圧は書込モード信号、消去モード信号、消去ベリファイモード信号、書込ベリファイモード信号といった各プログラミングモードがアクティブであることを認識して電圧生成回路6からの電圧供給を受け、それ以外の読み出し動作のような場合には電源電圧の供給を受けている。つまり、モード設定電圧にはこの前段に電源電圧との選択回路(不図示)が入っており、選択されたモード設定電圧をトランスファゲート114に受けている。トランスファゲート115はそのゲートにOR112の出力をインバータ113を介して受け、ドレインに高電圧のVPP電圧を受ける。これら2つのトランスファゲート114、115のソースは共通接続され、対応するワード線に接続される。
【0063】
上述した構成に基づきその動作を述べる。このフラッシュEEPROMは、モード信号生成回路7で生成された消去モード信号を入力として、消去モードに入る度に消去回数判定回路8のカウンタ81がアップする。このカウンタ81の値が所定回数以上に達したときにのみ、その出力が“1”レベルとなりる。
【0064】
この消去回数判定回路8からの消去回数判定出力信号はアドレス固定回路9に与えられる。アドレス固定回路9では、与えられた消去回数判定回路8からの消去回数判定出力信号および消去ベリファイモード信号とともに、2AND93で受け、外部入力端子からベリファイNG信号を取り込むためのラッチクロックとしてラッチ92に与える。ラッチ92の出力は、2NOR94の一方の入力信号として与えられる。
【0065】
この2NOR94の他方の入力信号としては、アドレスA4〜A16を取り込むためのクロックADCLKを外部入力端子からインバータ91を介して受け、このインバータ91による反転信号が与えられる。この2NOR94の出力がアドレス固定回路9の出力信号として上位アドレスラッチ10にアドレスの取り込みクロックとして与えられる。
【0066】
このアドレス固定回路9によりアドレスが固定された上位アドレスラッチ10は、Xデコーダ11に対し固定したアドレスデータを出力する。そのアドレスデータを受けたXデコーダ11では、アドレスデータをデコードし、デコードした1本のワード線が選択されアクティブ状態となる。
【0067】
ここで、Xデコーダ11は、消去回数判定回路8の出力信号をインバータ12で極性反転した出力信号および消去モード信号の論理積をとる2AND13の出力信号をデコーダアクティブ信号として与えられる。
【0068】
このデコーダアクティブ信号と、上位アドレスラッチ10においてアドレスAD4からAD16までラッチされたアドレス信号をデコードするAND111の出力信号とが、2NOR112で論理和される。その論理和出力信号がトランスファーゲート114,115の選択信号となり、この選択信号によって、ワード線へのモード設定電圧であるGND電位とVPP電位の選択を行っている。
【0069】
以下、本実施形態の動作の説明として、まず、本発明の記憶データ消去方法のフローチャートを示した図5を参照して説明する。フラッシュEEPROMの消去動作は、通常、最初に全メモリセルを一括して消去する一括消去を行う(処理ステップS1)。この一括消去における消去ごとに、消去回数N(Nは実数)がカウントアップされる(処理ステップS2)。
【0070】
その後、全メモリ領域の消去ベリファイを行う(処理ステップS3)。消去ベリファイがNGであれば消去回数がK(Nは実数)回になるまで一括消去からの動作を繰り返す(処理ステップS4)。
【0071】
消去回数がK回を超えると、前述したアドレス固定回路9により固定されたワード線のみが選択されて部分消去を行う(処理ステップS5)。この部分消去ごとにさらに消去回数Nがカウントアップされる(処理ステップS6)。
【0072】
その後、固定されたワード線につながるセルの最初のアドレスから部分消去ベリファイが開始される。この部分消去ベリファイにおいてアドレスをカウントアップしながら残りのメモリ空間の全てにベリファイを行っていく(処理ステップS7)。
【0073】
このベリファイ中にベリファイがNGであれば、部分消去ベリファイから抜けて処理ステップS7に戻り、再び部分消去からの動作を消去回数の上限として設けられたL回まで繰り返す。消去回数が上限のL回を超えて消去が繰り返されても消去ベリファイがNGであった場合には消去動作を終了する(処理ステップS8)。
【0074】
もちろん、消去回数がL回以内で消去ベリファイがOKであればその時点で消去動作は終了する。
【0075】
ここで一括消去を繰り返す回数の制限であるKの値は、あらかじめメモリセルの大多数が十分に消去できるだけの時間が設定されているものとする。
【0076】
次に、消去回数がK回を下まわっている期間の消去動作中の一括消去、消去ベリファイについて、その動作説明用のタイミングチャートを示した図6を参照しながら説明する。なお、以下で参照するタイミングチャートにおいて、1回目、2回目、K回目およびK+1回目等の回数の区切りのタイミングは、このタイミングチャート内では他の信号とは一致していないが、アドレスA1およびA16が切り替わる前で、クロックADCLKの立ち上がりに同期している。消去モード信号、消去ベリファイ信号はアドレスが変化する前に変化しており、クロックADCLKの立ち上がりに同期している。
【0077】
また、ベリファイNG信号は、外部でベリファイNGを検出しており、NGになったときにアクティブとなる信号を内部に返している。
【0078】
さらに、ベリファイNG信号が入力されたとき、直ちに消去モード信号および消去ベリファイ信号が変化しないのは、後述する図2のモード信号生成回路で明らかなように、モード取込信号によりデータがラッチされるので、それまで変化しないからである。このモード取込信号の取込タイミングはクロックADCLKの立ち上がりで変化するものとする。
【0079】
引き続き図6を参照すると、一括消去動作中は、消去モード信号が“1”レベル、消去ベリファイモード信号が“0”レベルの状態で消去モードに入っている。消去モード中は、消去回数判定回路8の出力である消去回数判定出力は“0”レベルであり、2AND13の出力であるデコーダアクティブ信号は“1”レベルである。
【0080】
したがって、Xデコーダ11はアドレスクロックによらず全ワード線を一斉に選択している。そのため、電圧生成回路6からの出力信号であるモード設定電圧として接地電位(GND)が全ワード線に印加され、全メモリセルの記憶データが一斉に消去される。
【0081】
さらに、消去ベリファイ動作時には、消去モード信号は“0”レベル、消去ベリファイモード信号は“1”レベルとなり、デコーダアクティブ信号は“0”レベルとなり、ベリファイモードに入る。ベリファイモード期間中は、クロックADCLKによりアドレスが順次カウントアップしながらベリファイを全メモリ空間に渡って繰り返していく。
【0082】
ベリファイの繰り返しの途中で消去結果が不具合(NG)となった場合には、その時点でベリファイNG信号が“1”レベルとなり、ベリファイモードから抜けて2回目の消去モードへと入る。
【0083】
しかし、2回目の消去モードへ入ったことでデコーダアクティブ信号は消去ベリファイ時の“0”レベルから“1”レベルになり一括消去動作を繰り返す。
【0084】
一方、部分消去動作について、その動作説明用のタイミングチャートを示した図7を参照すると、消去ベリファイ動作時にベリファイNGが判定されると、ベリファイNG信号が“1”レベルとなり、ベリファイモードから抜ける。
【0085】
ここで、ベリファイNG信号は、その後の部分消去を経て次回の部分消去ベリファイ時に、固定されたワード線上のビットのベリファイがOKであった時に初めて“0”レベルとなる。
【0086】
上述した部分消去動作は、消去モード信号が“1”レベルとなった時に、消去回数判定回路8の判定出力が“1”レベルとなり、2AND13の出力信号であるデコーダアクティブ信号は“0”レベルであるから、前述した図4から判るように、Xデコーダ11は全ワード線を固定することなく、AND111によりデコードされたワード線を選択する。
【0087】
ここで、上位アドレスラッチ10は、アドレス固定回路9によりベリファイNGとなった時のある1アドレスを指し、それ以外のアドレスは非選択の状態で固定されている。そのため、Xデコ―ダ11は選択された1本のワード線にのみモード設定電圧としてGND電位を入力し、非選択ワード線にはVPP電位を入力する。
【0088】
したがって、フラッシュメモリの消去状態としては、メモリセルのゲートにGND電位、ソースにVPP電位、ドレインをオープンにする必要があるが、非選択ワード線につながるメモリセルはゲートにVPP電位がかかるため消去状態とならず、ゲートにGND電位のかかる、ある1アドレスで固定されて選択された1本のワード線分のみの消去となる。
【0089】
その後、部分消去ベリファイでは、選択されたワード線の最初のアドレスからベリファイが開始され、アドレスをカウントアップしながら残りのメモリ空間のすべてにベリファイを繰り返していく。ベリファイを繰り返す途中でベリファイがNGとなった場合には、その時点でベリファイモードから抜け、次の部分消去動作に入り、消去回数がL回になるまで部分消去動作を繰り返す。
【0090】
上述したように、フラッシュEEPROMにおける消去動作においては、消去の繰り返し回数を判定する消去回数判定回路8により所定回数以上の消去を検出する。もし検出結果が、所定回数に達しないならば、その間は一括消去を行う。検出結果が所定回数に達した場合には、消去回数判定回路8の消去回数判定出力信号と外部回路からのベリファイNG信号とを受けて上位アドレスラッチ10の出力データを固定し、1本のワード線を選択する。選択されたこのワード線のみにGND電位を印加し、それ以外のワード線にはVPP電位を印加する。したがって、部分消去時に選択された未消去セルの存在する1本のワード線につながるセルのみを消去することになる。
【0091】
前述した構成に基づく上述の動作により、既に消去されたメモリセルに過剰な消去を行うことがなく、過消去を抑えることができる。
【0092】
さらに、本実施の形態では、従来例のように、2つのブロックに分割して消去パルス印加回路および消去ベリファイ回路を、それぞれ独立して設ける構成ではなく、消去回数判定回路8、アドレス固定回路9を設け、デコーダ毎に数個の素子を追加している。したがって、1つの消去パルス印加回路、1つの消去べリファイ回路を使えばよく、それほど素子数を増やすことなくチップ面積を増大させずに過消去を防ぐことが出来る。
【0093】
しかも、従来例の回路は、メモリセルを2つのブロックに分割するだけであり余分に消去されるメモリセルが多いが、本発明では消去時にワード線単位に分割して消去を行っているため、余分に消去されるメモリセルの数が少なくなり、過消去されにくいフラッシュEEPROMを提供することができる。
【0094】
本発明の第2の実施形態の構成図を示した図8を参照すると、第1の実施形態の構成との相違点は、電圧生成回路6の入力に消去時間設定回路14を設けたことである。この消去時間設定回路14は消去回数判定回路8の消去回数判定出力信号を受けて、消去回数が所定回数を超えたらそれまでより短い時間パルスを出力するものであり、消去動作時の1回の消去時間についてさらに工夫した構成である。
【0095】
消去時間設定回路14の構成を示した図9を参照すると、この消去時間設定回路14は、トランスファゲート142,143を有し、消去回数判定信号でタイミング信号TIM1を選択し、消去回数判定信号をインバータ141で極性反転した信号でタイミング信号TIM2を選択して選択出力信号TIMOUTを出力する。
【0096】
タイミング信号TIM1、TIM2は外部回路で生成した信号であり、消去パルス信号を基に任意のパルス幅に設定して供給される。ここでは一例として2つの選択出力信号TIMOUTとして100msおよび50msの信号であるが複数種類であってもよい。
【0097】
消去時間設定回路14の動作説明用のタイミングチャートを示した図10を参照すると、この消去時間設定回路14を用いたフラッシュEEPROMの消去動作は、最初に設定された1回目の消去パルス(上述の選択出力信号TIMOUT)が100msで、消去時間設定回路14により切り換えられる消去パルスが50msだった場合を考える。
【0098】
所定回数K回までの消去時間は、第1の実施形態と同じであり、そのタイミングチャートは図5のとおりであるが、消去回数がK回を超えると、消去回数判定回路8により消去時間設定回路14の消去パルスは、50msが選択され一回の消去時間は50ms単位となる。
【0099】
したがって、上述したように、K回を超えての部分消去での消去において余分な時間の消去を行う必要がないため、例えば部分消去時に選択したワード線につながるセルのうちに消去の早いセルが存在し、過消去が発生するような場合でも、過消去しにくくなるという効果が得られる。
【0100】
【発明の効果】
上述したように、本発明のフラシュEEPROMは、記憶データを一括消去するための全行アドレス、または消去ベリファイにより検出した未消去セルが繋がるワード線1本のみを指定するための1行アドレスのいずれか一方を選択的に指定するアドレス固定手段と、指定された前記ワード線1本にのみ所定の通常動作電圧よりも高いデータ消去用高電圧を印加し、その他のワード線には全て接地電位を印加して未消去セルのデータを再消去する部分消去であり、この部分消去の再消去開始アドレスから残りの全アドレスを消去ベリファイする部分消去ベリファイ手段とを備えるので、これらの手段を能動化して、消去の繰り返し回数を判定する消去回数判定回路により所定回数以上の消去を検出し所定回数に達しない間は、一括消去を行い所定回数に達した場合には消去回数判定回路とベリファイNG信号を受けてアドレスラッチを固定し1本のワード線を選択し、このワード線のみにGND電圧を印加し、それ以外のワード線にはVPP電圧を印加することで、1本のワード線につながるセルのみを消去することになる。
【0101】
したがって、既に消去されたメモリセルに過剰な消去を行うことがなく、過消去を抑えることができる。
【0102】
さらに、本発明では、従来例のように2つのブロックに分割して消去パルス印加回路および消去ベリファイ回路をそれぞれ独立して設ける構成ではなく、アドレス固定回路や、消去回数判定回路を設け、デコーダ毎に数個の素子を追加することで1つの消去パルス印加回路、消去べリファイ回路を使えばよく、それほど素子数を増やすことなくチップ面積を増大させずに過消去を防ぐことが出来る。
【0103】
しかも、従来の回路はメモリセルを2つのブロックに分割するだけであるから余分に消去されるメモリセルが多いが、本発明では消去時にワード線単位に分割して消去を可能にしているため余分に消去されるメモリセルの数が少なく、より過消去されにくいという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】(a)モード信号生成回路7の構成を示す図である。
(b)モード信号生成回路7の真理値表を示す図である。
【図3】消去回数判定回路8の構成を示す図である。
【図4】Xデコーダ11の構成を示す図である。
【図5】本発明の記憶データ消去方法のフローチャートである。
【図6】一括消去および消去ベリファイの説明用タイミングチャートである。
【図7】部分消去の説明用タイミングチャートである。
【図8】第2の実施形態を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態における消去時間設定回路14の構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態における消去動作の説明用タイミングチャートである。
【図11】従来のフラッシュEEPROMの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 メモリセルアレイ
2 Yセレクタ
3 センスアンプ/消去制御回路
4 下位アドレスラッチ
5 Yデコーダ
6 電圧生成回路
7 モード信号生成回路
8 消去回数判定回路
9 アドレス固定回路
10 上位アドレスラッチ
11 Xデコーダ
12,82,83,84,91,113,141 インバータ
13,85,93,111 AND
14 消去時間設定回路
30 ソーススイッチ回路
71 モード信号取込レジスタ
72 モード信号生成デコーダ
81 4ビットアップカウンタ
86,92 ラッチ
94 NOR
112 OR
114,115,142,143 トランスファゲート
【発明の属する技術分野】
本発明はフラッシュEEPROMおよびその記憶データ消去方法に係わり、特にワード線単位に分割した消去および消去ベリファイの実行により過消化を抑制することが出来るフラッシュEEPROMおよびその記憶データ消去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)およびスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)のような半導体メモリを揮発性メモリと称している。これに対し、特に1つのブロック内の全てのメモリセルの記憶データを一括して消去することができ、かつ何度でもデータを書き替えて記憶させることが出来るものをフラッシュEEPROMと称している。
【0003】
この種の従来のフラッシュEEPROMのメモリセルは、P型基板上に形成されたN型領域、酸化膜による絶縁層、ポリシリコンによるフローティングゲート、およびポリシリコンによるコントロールゲートを有して構成される。
【0004】
フローティングゲートは絶縁層によって囲まれている。つまり、フローティングゲートは、P型基板上にドレインとソースをそれぞれ形成する2つのN型領域間に絶縁層で囲まれた状態で形成される。コントロールゲートは上述したフローティングゲートを囲む絶縁層を介してフローティングゲートの上に形成される。
【0005】
フローティングゲートにデータを書き込むには、なだれ注入、チャネル注入等によりフローティングゲートに電荷を注入することにより行う。つまり、コントロールゲートが接続されるワード線に書込電圧として高電圧の12Vを与え、ドレインが接続されるビット線に6V程度を与え、ソースは接地電位に接続される。
【0006】
上述した電圧を与えることによりドレインおよびP型基板間の界面にチャネルホットエレクトロンが発生する。このホットエレクトロンはコントロ−ルゲートに印加されている12Vの高電圧によって加速され、フローティングゲートを囲む絶縁層を透過しフローティングゲートに注入される。また、ドレインおよびP型基板間の界面に発生するチャネルホットエレクトロンによりドレインに電流が流れる。
【0007】
ホットエレクトロンの注入によりコントロ−ルゲートに蓄積された電荷は、前述したようにフローティングゲートが絶縁層で囲まれて絶縁状態にあるためそのまま蓄積されることになる。この状態はビット線およびワード線に与えた電圧を遮断しても持続する。つまり、不揮発性である。この電荷が蓄積された状態がデータ“0”の状態である。
【0008】
この蓄積された電荷のためにコントロールゲートに対するしきい値電圧が上昇する。そのため、上昇したしきい値電圧以上の電圧をコントロールゲートに与えないとチャネル領域に反転層が生じない。
【0009】
上述した書込により蓄積された電荷の消去である記憶データの消去は、フローティングゲートおよびソース間、またはフローティングゲートおよびP型基板間で電荷をトンネリングさせ、電荷をフローティングゲートから除去することにより行われる。
【0010】
すなわち、記憶データの消去は、コントロールゲートに接続されたワード線を接地電位に接続する。ソースが接続される配線には高電圧として6V程度を印加する。これらの電圧印加によって、ソースおよびコントロールゲート間の電位関係が逆転し、フローティングゲートおよびソース間に介在する絶縁層にトンネリングを生じる。
【0011】
このトンネリングによりフローティングゲートおよびソース間に電流が流れる。このフローティングゲートから絶縁層を経てソースに電流が流れることにより、フローティングゲートに蓄積されていた電荷を除去する。フローティングゲートの電荷を除去することにより、メモりセルのしきい値電圧は元のしきい値まで低下し、書込前の状態に戻り、メモりセルの記憶データとしては“1”を示す状態になる。
【0012】
記憶データの読み出しは、コントロールゲートが接続されるワード線には動作電源電圧である5V程度が与えられる。ドレインが接続されるビット線には、フローティングゲートの蓄積電荷が絶縁膜を経てドレイン側へ抜ける現象を防止するため、通常5Vよりも低い電圧が与えられる。ソースが接続される配線は接地電位に接続される。
【0013】
上述した接続状態にすることにより、このメモリセルに記憶されたデータが“0”であったとすると、フローティングゲートには電荷が蓄積されているから、上述したように、しきい値は高くなっている。そのため、ワード線に5Vを与えてもコントロールゲートのしきい値電圧は5V以上にあるため、ドレインおよびソース間にはチャネルが形成されることはない。チャネルが形成されないので、このメモりセルは非導通状態であり、したがって、ドレインおよびソース間には電流が流れない。
【0014】
一方、メモリセルに記憶されたデータが“1”であったとすると、フローティングゲートには電荷が蓄積されていない状態であるから、しきい値は低い状態である。そのため、ワード線に5Vを与えると、コントロールゲートのしきい値電圧は5V以下にあるため、ドレインおよびソース間にはチャネルが形成される。したがって、チャネルの形成によりこのメモりセルは導通状態になりドレインおよびソース間に電流が流れる。
【0015】
上述したメモリセルに電流が流れる状態、すなわち、メモリセルに記憶されたデータが“1”であるときは、ドレイン・ソース間に流れる微少な電流をセンスアンプで増幅する。つまり、センスアンプは、読み出し対象となるビット線上のメモリセルに電流が流れるか流れないかを見ていることになる。電流が流れていれば読み出したデータは“1”であり、電流が流れなければ読み出したデータは“0”である。
【0016】
上述したフラッシュEEPROMでは、一般的にメモりセル全体を一括して消去する方法が行われている。しかし、メモリセルそれぞれの記憶データの消去時間には差が有る。つまり、製造上のばらつきが存在するからである。このばらつきが生ずる原因は、フローティングゲートを囲む絶縁層の厚さ、セルの形状、チャネル長等が全てのセルで同一に製造されているわけではないからである。
【0017】
そのため、その消去動作は全メモリセルで最も消去に時間のかかるセルが消去されるまで、一括した消去が繰り返されている。
【0018】
ここで、記憶データの消去時間を最終的に決定するような、消去に時間のかかるセルは、全メモリセルの中に多数存在するわけではない。しかし、この少数の、消去に時間のかかるセルにより消去時間が支配されている。
【0019】
そのため、記憶データの消去に時間のかかるセルが全てその記憶データの消去を終了するまで、他の大多数のセルは既に記憶データの消去が終わっているにもかかわらず、一括消去によってフローティングゲートに蓄積された電荷量以上の余分な量が除去される過剰な消去、つまり過消去を繰り返すことになる。
【0020】
そのなかでも、特に記憶データの消去に要する時間が短いセルは、一括消去による過消去により、ドレインおよびソース間にチャネルが形成されて動作中は、選択されているか否かに係わらず、常に電流が流れデプレッション状態となる。
【0021】
その結果、デプレッション状態となったセルが接続されたビット線に接続された他の正常なセルは電流が流れない記憶データ“0”状態にも係わらず、デプレッション状態となったセルの電流をセンスアンプが検出してしまう。そのため、読み出し結果は“1”となり、読み出しが正常に行えない過消去の状態となるので、この過消去を防ぐことが問題となっていた。
【0022】
この問題を解決する方法として、例えば、一回の消去単位を極力短くし、消去の繰り返し回数を多くすることにより、消去時間を必要最低限に抑え、過消去を防ぐ方法が取られてきた。しかし、この方法は、メモリ容量が大きくなりセルのバラツキが大きくなってくると過消去を防ぐのが難しくなる。
【0023】
これを解決する例が特開平4−228193号公報に記載されている。同公報記載のEEPROMは、その構成の概略を示した図11を参照すると、メモリセルアレイを2つのブロック15a、15bに分割し、この分割したブロックそれぞれに、Yゲート16a,16b、ロウデコーダ17a,17b、コラムデコーダ18a,18b、センスアンプ19a、19b、ベリファイ/消去制御回路20a,20b、消去電圧印加回路22a,22b、を1個ずつ設ける。その他、アドレスカウンタ21、入出力バッファ23、アドレスバッファ24、スイッチ25、ブロック選択/マスク回路26、スイッチ回路27、高圧パルス源28とを共通の周辺回路に備える。
【0024】
これら2つのブロック毎に独立して動作させることにより、1つのブロックの消去が完了していなくても、他方のブロックで消去が完了していれば、それ以上消去動作を行わず過剰な消去を行わないことで過消去を回避することが提案されている。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開平4−228193号公報に記載された従来のEEPROMでは、分割されたメモリセルブロックは、それぞれのブロック内における消去が完了するまで、それぞれのブロック内においてはメモリセルの全てを一括して消去する動作をしている。
【0026】
その結果、分割されたブロックの内部に記憶データの消去時間の短いセルと消去時間の長いセルがある場合には、そのブロック内で過消去が発生してしまうという欠点がある。
【0027】
また、消去パルス印加回路や消去ベリファイ回路をそれぞれ独立して設ける構成となっているため、必然的に回路規模が大きくなり、その回路の増大分がチップ面積の増加に直接影響するという欠点もある。
【0028】
本発明の目的は、上述した従来の欠点に鑑みなされたものであり、大幅な回路増加がなく、かつチップ面積を増大させることなく、過消去されにくい消去動作をさせることができるフラッシュEEPROMおよびその記憶データの消去方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明のフラッシュEEPROMの特徴は、記憶データを一括消去するための全行アドレス、または消去ベリファイにより検出した未消去セルが繋がるワード線1本のみを指定するための1行アドレスのいずれか一方を選択的に指定するアドレス固定手段と、指定された前記ワード線1本にのみ所定の通常動作電圧よりも高いデータ消去用高電圧を印加し、その他のワード線には全て接地電位を印加して前記未消去セルのデータを再消去する部分消去であり、この部分消去の再消去開始アドレスから残りの全アドレスを消去ベリファイする部分消去ベリファイ手段とを備え、前記部分消去ベリファイ手段は、予め定める所定の制御信号から書込、消去およびベリファイの各モード設定用の複数のモード信号をそれぞれ生成するモード信号生成回路と、下位のアドレスを受け保持する下位アドレスラッチと、このラッチ出力のアドレス制御信号を前記複数のモード信号にそれぞれ応答してデコードする列デコーダと、セレクタおよびセンスアンプをそれぞれ制御する消去制御回路と、前記消去パルス信号および前記複数のモード信号にそれぞれ応答して書込電圧とこの電圧より低い前記消去用高電圧とこの電圧より低い読み出し電圧とを生成する電圧生成回路と、前記消去パルス信号に応答して記憶データ消去動作の繰り返し回数を判定しその消去回数判定信号と前記消去パルスとで合成したデコーダアクティブ信号に応答して、行デコーダが前記一括消去のための全行アドレスまたは前記部分消去のための固定行アドレスのいずれかを出力制御する消去回数判定回路とを備え、これらの手段を能動化してメモリセルの過剰消去を抑えることを特徴とする。これらの手段を能動化してメモリセルの過剰消去を抑えることを特徴とする。
【0031】
さらに、前記モード信号生成回路は、外部か供給されるモード取り込み信号と、このモード取り込み信号に応答して外部から供給される複数のモード制御信号を取り込み保持するレジスタ群と、これらレジスタ群それぞれの出力信号から前記複数のモード信号として消去ベリファイ信号、書込ベリファイモード信号、書込モード信号および消去モード信号をそれぞれ生成するデコーダとで構成することができる。
【0032】
さらにmた、前記アドレス固定手段は、前記消去回数判定手段の消去回数判定信号に応答して、前記繰り返し回数が前記所定回数に達したときはそのアドレス値に前記アドレスラッチの値を固定するアドレス固定回路と、このアドレス固定回路出力のアドレス取り込みクロックに応答して予め定める上位複数ビットの上位アドレス制御信号をラッチする上位ラッチ回路と、この上位ラッチ回路出力の上位アドレス制御信号を前記デコーダアクティブ信号および前記複数のモード信号にそれぞれ応答して前記一括消去時は全行アドレスをデコード出力し、前記部分消去時は前記一本のワード線にのみ前記消去用高電圧を出力する行デコーダとを備えることもできる。
【0033】
また、前記アドレス固定回路は、予め定めるアドレスクロックを極性反転するインバータと、前記消去ベリファイモード信号と前記消去回数検出信号との論理をとる第1の論理回路と、この第1の論理回路出力に応答して前記未消去セルの検出で発生するベリファイNG信号をラッチするラッチ回路と、このラッチ回路出力と前記インバータ出力との論理をとる第2の論理回路とで構成することもできる。
【0034】
さらに、前記消去回数判定回路は、前記複数の上位アドレス制御信号と前記デコーダアクティブ信号とのいずれかを選択する組み合わせ回路と、この組み合わせ回路の出力に応答してモード設定信号または消去用高電圧を選択する第1および第2のトランスファゲートとで構成することもできる。
【0035】
さらにまた、前記部分消去ベリファイ手段は、前記消去信号がそれぞれパルス幅の異なる複数の消去信号として供給されるとともに、前記消去回数判定信号に応答して、これらの複数の消去信号のうち、前記一括消去時はパルス幅の広い方を選択し、前記部分消去時はパルス幅の狭い方を選択して出力することにより消去時間を短縮する消去時間設定回路をさらに備えることもできる。
【0037】
本発明のフラッシュEEPROMの他の消去方法は、記憶データを一括消去した後の消去ベリファイにより検出した未消去セルが接続される一本のワード線のみを選択するためのアドレス固定手段と、この一本のワード線にのみ所定の通常動作電圧よりも高いデータ消去用高電圧を印加し、その他のセルには全て接地電位を印加して前記未消去セルのデータを再消去する部分消去であってこの部分消去の再消去開始アドレスから残りの全アドレスを消去ベリファイする部分消去ベリファイ手段とを用い、最初に全メモリセルを一括して消去する一括消去を行う第1処理ステップと、
前記一括消去ごとに消去回数をカウントアップする第2の処理ステップと、
この第2処理ステップの後、全メモリ領域の消去ベリファイを行う第3の処理ステップと、
前記消去ベリファイの結果未消去セルを検出すると消去回数が予め定める消去回数になるまで一括消去からの動作を繰り返す第4の処理ステップと、
消去回数が前記予め定める消去回数を超えると前記アドレス固定手段により固定されたワード線のみが選択され部分消去ベリファイ手段による部分消去を行う第5処理ステップと、
前記部分消去ごとに消去回数をカウントアップする第6処理ステップと、この第6処理ステップの後、前記固定されたワード線に接続されたセルの最初のアドレスから部分消去ベリファイ手段により部分消去ベリファイが開始されアドレスをカウントアップしながら残りのメモリ空間の全てに前記部分消去ベリファイを行う第7処理ステップと、
前記部分消去ベリファイの結果未消去セルを検出すると実行中の部分消去ベリファイから抜けて前記部分消去からの動作を消去回数の上限として設けられた回数まで繰り返えし、前記上限として設けられた回数を超えて前記部分消去が繰り返されても前記部分消去ベリファイの結果未消去セルを検出すると消去動作を終了し、消去回数が前記上限として設けられた回数以内で未消去セルを検出しなければその時点で前記部分消去動作を終了する第8処理ステップとを実行することにより、過剰消去を抑えることを特徴とする。
【0038】
また、前記一括消去を繰り返す回数の制限値は、あらかじめメモリセルの大多数を消去できるだけの時間に対応した値が設定されている。
【0039】
さらに、前記第5の処理ステップは、前記部分消去ベリファイ手段として、前記消去信号をそれぞれパルス幅の異なる複数の消去信号を出力することにより消去時間を短縮する消去時間設定回路をさらに用いて、消去回数が前記予め定める消去回数を超えると前記アドレス固定手段により固定されたワード線のみが選択され部分消去ベリファイ手段による部分消去へ移行し、前記複数の消去信号のうちパルス幅の狭い方の消去信号により部分消去をすることができる。
【0040】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概要を述べると、このフラッシュEEPROMは、メモリセルのワ―ド線を選択するためのXデコーダにはアドレスラッチにより取り込まれたアドレス信号の上位ビットを入力する。この上位ビットは次段のXデコーダでデコードされ、1本のワード線が選択される。この選択されたワード線には電圧生成回路6で生成された書き込み、消去といった各プログラミングモードに対応した電圧が入力される。
【0041】
本発明では、消去回数をカウントし所定の消去回数を過ぎた時に、アクティブとなる消去回数判定回路と、この消去回数判定回路の出力と消去ベリファイNG信号とによりアドレスラッチを固定するアドレス固定回路とを設けている。
【0042】
このアドレス固定回路により、記憶データの消去が所定回数を超えると、Xデコーダに与えるアドレスが固定となる。その結果、Xデコーダは1本のワード線を選択し、このワード線にのみモード設定電圧として接地電位が印加され、それ以外のワード線にはVPP電位が印加される。つまり、選択された1本のワード線に繋がるメモリセルだけが消去される。
【0043】
したがって、既に消去された他のセルを消去することがなく、メモリセルに対する消去ストレスを最小限に抑えることができ、過消去を抑えることが出来るものである。
【0044】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。図1を参照すると、このフラッシュEEPROMは、一例として16ビットアドレスで下位3ビットがYセレクタ2の選択信号として使用される場合の概略ブロック図を示してある。
【0045】
このフラッシュEEPROMは、メモリセルアレイ1の周辺に、Yセレクタ2、センスアンプ/消去制御回路(図中ではセンスアンプ&消去制御回路)3、下位アドレスラッチ4、Yデコーダ5、電圧生成回路6、モード信号生成回路7、消去回数判定回路8、アドレス固定回路9、上位アドレスラッチ10、およびXデコーダ11を設け、メモリセルアレイ1の下部にソーススイッチ回路30を設ける。
【0046】
メモリセルアレイ1は公知の構成であるが、書込、消去、ベリファイ動作に直接関係するセルが配置されるので、簡単にその構成を述べておく。
【0047】
すなわち、メモリセルアレイ1は、ワード線およびビット線がX軸の行方向およびY軸の列方向にそれぞれマトリックス状に交叉配列される。メモリセルアレイ1内に配置されるメモリセルは、そのセルを構成するセルトランジスタのコントロールゲートがそれぞれの対応するワード線に接続される。
【0048】
セルトランジスタのドレインはそれぞれの対応するビット線に接続される。そのセルトランジスタのソースがソース線に接続され、ソース線はソーススイッチ回路30内で接地電位または高電圧が与えられる。
【0049】
このとき、ソーススイッチ回路30の選択動作は図示しない公知のソースデコーダによって制御される。ソースデコーダはアドレスバッファから与えられるアドレス信号をデコードし、デコード結果でソーススイッチ回路30を制御する。
【0050】
メモリアレイ1からデータを読み出すための、Yセレクタ2、センスアンプ/消去制御回路3、Yデコーダ5、下位アドレスラッチ4、ソーススイッチ回路30、および電圧生成回路6の構成および動作は従来と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0051】
このフラッシュEEPROMは、上述の各回路部に加えて、本発明によるモード信号生成回路7、消去回数判定回路8、アドレス固定回路9、およびXアドレスデコーダ11をさらに備える。
【0052】
モード信号生成回路7の構成を示した図2(a)を参照すると、モード信号生成回路7は、モード信号取込レジスタ71とモード信号生成デコーダ72とかなる。モード信号取込レジスタ71は外部回路で生成される、モード取込信号とモード信号MD0、MD1、MD2、MD3とが与えられる。モード信号取込レジスタ71は与えられたモード取込信号に応答してモード信号MD0、MD1、MD2、MD3とを取り込む。
【0053】
モード信号生成デコーダ72は、モード信号取込レジスタ71から取り込んだモード信号MD0、MD1、MD2、MD3をデコードし、消去ベリファイモード信号EBVと書込ベリファイモード信号WBVと書込モード信号WRと消去モード信号とをそれぞれ生成する。
【0054】
ここで、消去ベリファイモード信号EBVは、消去セルが十分消去されていることを判定するためのモード信号である。
【0055】
書込ベリファイモード信号WBVは、書込セルが十分書きあがっていることを判定するためのモード信号である。
【0056】
書込モード信号WRは、書込動作を行うとき、アクティブとなる信号である。
【0057】
モード信号生成回路7の真理値表を示した図2(b)を参照すると、モード信号MD0、MD1、MD2、MD3がそれぞれ1,0,0,0のとき消去ベリファイモード信号EBVを出力する。モード信号MD0、MD1、MD2、MD3がそれぞれ0,1,0,0のとき書込ベリファイモード信号WBVを出力する。同様に、MD0、MD1、MD2、MD3がそれぞれ0,0,1,0のとき書込モード信号WRを出力する。MD0、MD1、MD2、MD3がそれぞれ0,0,0,1のとき消去モード信号ERを出力する。
【0058】
消去回数判定回路8の構成を示した図3を参照すると、消去回数判定回路8は、4ビットアップカウンタ81とその出力CO0,CO1,CO2,CO3のうちCO0,CO1,CO2をそれぞれ受けるインバータ82,83,84とその出力を受けるAND85とその出力をクロックとするラッチ86とを有する。
【0059】
4ビットアップカウンタ81は、与えられた消去モード信号が論理レベルの“1”レベルに活性化する毎にカウントし、カウント結果に出力信号CO0,CO1,CO2,CO3をそれぞれ出力する。AND85は信号CO0,CO1,CO2をそれぞれインバータ82,83,84を介して、CO3は直接受けてこれらの信号の論理積結果をクロックCLKとして出力する。4ビットアップカウンタ81およびラッチ86はリセット信号でリセットされる。ここで、消去モード信号は、消去動作を行うときアクティブとなる信号である。
【0060】
4ビットアップカウンタ81はカウント数が4になったとき“1”レベルを出力し、この“1”レベルがラッチ86に取り込まれ、消去回数判定出力は“1”レベルとなる。
【0061】
Xデコーダ11は、AND111とNOR112とインバータ113とトランスファゲート114および115とを1組としてこの上位アドレス分に相当する複数組を有する。AND111はアドレス信号AD5〜AD16が与えられ、NOR112はAND111の出力およびデコーダアクティブ信号を与えられる。トランスファゲート114はそのゲートにNOR112の出力を受け、ドレインにモード設定電圧を受ける。
【0062】
モード設定電圧は書込モード信号、消去モード信号、消去ベリファイモード信号、書込ベリファイモード信号といった各プログラミングモードがアクティブであることを認識して電圧生成回路6からの電圧供給を受け、それ以外の読み出し動作のような場合には電源電圧の供給を受けている。つまり、モード設定電圧にはこの前段に電源電圧との選択回路(不図示)が入っており、選択されたモード設定電圧をトランスファゲート114に受けている。トランスファゲート115はそのゲートにOR112の出力をインバータ113を介して受け、ドレインに高電圧のVPP電圧を受ける。これら2つのトランスファゲート114、115のソースは共通接続され、対応するワード線に接続される。
【0063】
上述した構成に基づきその動作を述べる。このフラッシュEEPROMは、モード信号生成回路7で生成された消去モード信号を入力として、消去モードに入る度に消去回数判定回路8のカウンタ81がアップする。このカウンタ81の値が所定回数以上に達したときにのみ、その出力が“1”レベルとなりる。
【0064】
この消去回数判定回路8からの消去回数判定出力信号はアドレス固定回路9に与えられる。アドレス固定回路9では、与えられた消去回数判定回路8からの消去回数判定出力信号および消去ベリファイモード信号とともに、2AND93で受け、外部入力端子からベリファイNG信号を取り込むためのラッチクロックとしてラッチ92に与える。ラッチ92の出力は、2NOR94の一方の入力信号として与えられる。
【0065】
この2NOR94の他方の入力信号としては、アドレスA4〜A16を取り込むためのクロックADCLKを外部入力端子からインバータ91を介して受け、このインバータ91による反転信号が与えられる。この2NOR94の出力がアドレス固定回路9の出力信号として上位アドレスラッチ10にアドレスの取り込みクロックとして与えられる。
【0066】
このアドレス固定回路9によりアドレスが固定された上位アドレスラッチ10は、Xデコーダ11に対し固定したアドレスデータを出力する。そのアドレスデータを受けたXデコーダ11では、アドレスデータをデコードし、デコードした1本のワード線が選択されアクティブ状態となる。
【0067】
ここで、Xデコーダ11は、消去回数判定回路8の出力信号をインバータ12で極性反転した出力信号および消去モード信号の論理積をとる2AND13の出力信号をデコーダアクティブ信号として与えられる。
【0068】
このデコーダアクティブ信号と、上位アドレスラッチ10においてアドレスAD4からAD16までラッチされたアドレス信号をデコードするAND111の出力信号とが、2NOR112で論理和される。その論理和出力信号がトランスファーゲート114,115の選択信号となり、この選択信号によって、ワード線へのモード設定電圧であるGND電位とVPP電位の選択を行っている。
【0069】
以下、本実施形態の動作の説明として、まず、本発明の記憶データ消去方法のフローチャートを示した図5を参照して説明する。フラッシュEEPROMの消去動作は、通常、最初に全メモリセルを一括して消去する一括消去を行う(処理ステップS1)。この一括消去における消去ごとに、消去回数N(Nは実数)がカウントアップされる(処理ステップS2)。
【0070】
その後、全メモリ領域の消去ベリファイを行う(処理ステップS3)。消去ベリファイがNGであれば消去回数がK(Nは実数)回になるまで一括消去からの動作を繰り返す(処理ステップS4)。
【0071】
消去回数がK回を超えると、前述したアドレス固定回路9により固定されたワード線のみが選択されて部分消去を行う(処理ステップS5)。この部分消去ごとにさらに消去回数Nがカウントアップされる(処理ステップS6)。
【0072】
その後、固定されたワード線につながるセルの最初のアドレスから部分消去ベリファイが開始される。この部分消去ベリファイにおいてアドレスをカウントアップしながら残りのメモリ空間の全てにベリファイを行っていく(処理ステップS7)。
【0073】
このベリファイ中にベリファイがNGであれば、部分消去ベリファイから抜けて処理ステップS7に戻り、再び部分消去からの動作を消去回数の上限として設けられたL回まで繰り返す。消去回数が上限のL回を超えて消去が繰り返されても消去ベリファイがNGであった場合には消去動作を終了する(処理ステップS8)。
【0074】
もちろん、消去回数がL回以内で消去ベリファイがOKであればその時点で消去動作は終了する。
【0075】
ここで一括消去を繰り返す回数の制限であるKの値は、あらかじめメモリセルの大多数が十分に消去できるだけの時間が設定されているものとする。
【0076】
次に、消去回数がK回を下まわっている期間の消去動作中の一括消去、消去ベリファイについて、その動作説明用のタイミングチャートを示した図6を参照しながら説明する。なお、以下で参照するタイミングチャートにおいて、1回目、2回目、K回目およびK+1回目等の回数の区切りのタイミングは、このタイミングチャート内では他の信号とは一致していないが、アドレスA1およびA16が切り替わる前で、クロックADCLKの立ち上がりに同期している。消去モード信号、消去ベリファイ信号はアドレスが変化する前に変化しており、クロックADCLKの立ち上がりに同期している。
【0077】
また、ベリファイNG信号は、外部でベリファイNGを検出しており、NGになったときにアクティブとなる信号を内部に返している。
【0078】
さらに、ベリファイNG信号が入力されたとき、直ちに消去モード信号および消去ベリファイ信号が変化しないのは、後述する図2のモード信号生成回路で明らかなように、モード取込信号によりデータがラッチされるので、それまで変化しないからである。このモード取込信号の取込タイミングはクロックADCLKの立ち上がりで変化するものとする。
【0079】
引き続き図6を参照すると、一括消去動作中は、消去モード信号が“1”レベル、消去ベリファイモード信号が“0”レベルの状態で消去モードに入っている。消去モード中は、消去回数判定回路8の出力である消去回数判定出力は“0”レベルであり、2AND13の出力であるデコーダアクティブ信号は“1”レベルである。
【0080】
したがって、Xデコーダ11はアドレスクロックによらず全ワード線を一斉に選択している。そのため、電圧生成回路6からの出力信号であるモード設定電圧として接地電位(GND)が全ワード線に印加され、全メモリセルの記憶データが一斉に消去される。
【0081】
さらに、消去ベリファイ動作時には、消去モード信号は“0”レベル、消去ベリファイモード信号は“1”レベルとなり、デコーダアクティブ信号は“0”レベルとなり、ベリファイモードに入る。ベリファイモード期間中は、クロックADCLKによりアドレスが順次カウントアップしながらベリファイを全メモリ空間に渡って繰り返していく。
【0082】
ベリファイの繰り返しの途中で消去結果が不具合(NG)となった場合には、その時点でベリファイNG信号が“1”レベルとなり、ベリファイモードから抜けて2回目の消去モードへと入る。
【0083】
しかし、2回目の消去モードへ入ったことでデコーダアクティブ信号は消去ベリファイ時の“0”レベルから“1”レベルになり一括消去動作を繰り返す。
【0084】
一方、部分消去動作について、その動作説明用のタイミングチャートを示した図7を参照すると、消去ベリファイ動作時にベリファイNGが判定されると、ベリファイNG信号が“1”レベルとなり、ベリファイモードから抜ける。
【0085】
ここで、ベリファイNG信号は、その後の部分消去を経て次回の部分消去ベリファイ時に、固定されたワード線上のビットのベリファイがOKであった時に初めて“0”レベルとなる。
【0086】
上述した部分消去動作は、消去モード信号が“1”レベルとなった時に、消去回数判定回路8の判定出力が“1”レベルとなり、2AND13の出力信号であるデコーダアクティブ信号は“0”レベルであるから、前述した図4から判るように、Xデコーダ11は全ワード線を固定することなく、AND111によりデコードされたワード線を選択する。
【0087】
ここで、上位アドレスラッチ10は、アドレス固定回路9によりベリファイNGとなった時のある1アドレスを指し、それ以外のアドレスは非選択の状態で固定されている。そのため、Xデコ―ダ11は選択された1本のワード線にのみモード設定電圧としてGND電位を入力し、非選択ワード線にはVPP電位を入力する。
【0088】
したがって、フラッシュメモリの消去状態としては、メモリセルのゲートにGND電位、ソースにVPP電位、ドレインをオープンにする必要があるが、非選択ワード線につながるメモリセルはゲートにVPP電位がかかるため消去状態とならず、ゲートにGND電位のかかる、ある1アドレスで固定されて選択された1本のワード線分のみの消去となる。
【0089】
その後、部分消去ベリファイでは、選択されたワード線の最初のアドレスからベリファイが開始され、アドレスをカウントアップしながら残りのメモリ空間のすべてにベリファイを繰り返していく。ベリファイを繰り返す途中でベリファイがNGとなった場合には、その時点でベリファイモードから抜け、次の部分消去動作に入り、消去回数がL回になるまで部分消去動作を繰り返す。
【0090】
上述したように、フラッシュEEPROMにおける消去動作においては、消去の繰り返し回数を判定する消去回数判定回路8により所定回数以上の消去を検出する。もし検出結果が、所定回数に達しないならば、その間は一括消去を行う。検出結果が所定回数に達した場合には、消去回数判定回路8の消去回数判定出力信号と外部回路からのベリファイNG信号とを受けて上位アドレスラッチ10の出力データを固定し、1本のワード線を選択する。選択されたこのワード線のみにGND電位を印加し、それ以外のワード線にはVPP電位を印加する。したがって、部分消去時に選択された未消去セルの存在する1本のワード線につながるセルのみを消去することになる。
【0091】
前述した構成に基づく上述の動作により、既に消去されたメモリセルに過剰な消去を行うことがなく、過消去を抑えることができる。
【0092】
さらに、本実施の形態では、従来例のように、2つのブロックに分割して消去パルス印加回路および消去ベリファイ回路を、それぞれ独立して設ける構成ではなく、消去回数判定回路8、アドレス固定回路9を設け、デコーダ毎に数個の素子を追加している。したがって、1つの消去パルス印加回路、1つの消去べリファイ回路を使えばよく、それほど素子数を増やすことなくチップ面積を増大させずに過消去を防ぐことが出来る。
【0093】
しかも、従来例の回路は、メモリセルを2つのブロックに分割するだけであり余分に消去されるメモリセルが多いが、本発明では消去時にワード線単位に分割して消去を行っているため、余分に消去されるメモリセルの数が少なくなり、過消去されにくいフラッシュEEPROMを提供することができる。
【0094】
本発明の第2の実施形態の構成図を示した図8を参照すると、第1の実施形態の構成との相違点は、電圧生成回路6の入力に消去時間設定回路14を設けたことである。この消去時間設定回路14は消去回数判定回路8の消去回数判定出力信号を受けて、消去回数が所定回数を超えたらそれまでより短い時間パルスを出力するものであり、消去動作時の1回の消去時間についてさらに工夫した構成である。
【0095】
消去時間設定回路14の構成を示した図9を参照すると、この消去時間設定回路14は、トランスファゲート142,143を有し、消去回数判定信号でタイミング信号TIM1を選択し、消去回数判定信号をインバータ141で極性反転した信号でタイミング信号TIM2を選択して選択出力信号TIMOUTを出力する。
【0096】
タイミング信号TIM1、TIM2は外部回路で生成した信号であり、消去パルス信号を基に任意のパルス幅に設定して供給される。ここでは一例として2つの選択出力信号TIMOUTとして100msおよび50msの信号であるが複数種類であってもよい。
【0097】
消去時間設定回路14の動作説明用のタイミングチャートを示した図10を参照すると、この消去時間設定回路14を用いたフラッシュEEPROMの消去動作は、最初に設定された1回目の消去パルス(上述の選択出力信号TIMOUT)が100msで、消去時間設定回路14により切り換えられる消去パルスが50msだった場合を考える。
【0098】
所定回数K回までの消去時間は、第1の実施形態と同じであり、そのタイミングチャートは図5のとおりであるが、消去回数がK回を超えると、消去回数判定回路8により消去時間設定回路14の消去パルスは、50msが選択され一回の消去時間は50ms単位となる。
【0099】
したがって、上述したように、K回を超えての部分消去での消去において余分な時間の消去を行う必要がないため、例えば部分消去時に選択したワード線につながるセルのうちに消去の早いセルが存在し、過消去が発生するような場合でも、過消去しにくくなるという効果が得られる。
【0100】
【発明の効果】
上述したように、本発明のフラシュEEPROMは、記憶データを一括消去するための全行アドレス、または消去ベリファイにより検出した未消去セルが繋がるワード線1本のみを指定するための1行アドレスのいずれか一方を選択的に指定するアドレス固定手段と、指定された前記ワード線1本にのみ所定の通常動作電圧よりも高いデータ消去用高電圧を印加し、その他のワード線には全て接地電位を印加して未消去セルのデータを再消去する部分消去であり、この部分消去の再消去開始アドレスから残りの全アドレスを消去ベリファイする部分消去ベリファイ手段とを備えるので、これらの手段を能動化して、消去の繰り返し回数を判定する消去回数判定回路により所定回数以上の消去を検出し所定回数に達しない間は、一括消去を行い所定回数に達した場合には消去回数判定回路とベリファイNG信号を受けてアドレスラッチを固定し1本のワード線を選択し、このワード線のみにGND電圧を印加し、それ以外のワード線にはVPP電圧を印加することで、1本のワード線につながるセルのみを消去することになる。
【0101】
したがって、既に消去されたメモリセルに過剰な消去を行うことがなく、過消去を抑えることができる。
【0102】
さらに、本発明では、従来例のように2つのブロックに分割して消去パルス印加回路および消去ベリファイ回路をそれぞれ独立して設ける構成ではなく、アドレス固定回路や、消去回数判定回路を設け、デコーダ毎に数個の素子を追加することで1つの消去パルス印加回路、消去べリファイ回路を使えばよく、それほど素子数を増やすことなくチップ面積を増大させずに過消去を防ぐことが出来る。
【0103】
しかも、従来の回路はメモリセルを2つのブロックに分割するだけであるから余分に消去されるメモリセルが多いが、本発明では消去時にワード線単位に分割して消去を可能にしているため余分に消去されるメモリセルの数が少なく、より過消去されにくいという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】(a)モード信号生成回路7の構成を示す図である。
(b)モード信号生成回路7の真理値表を示す図である。
【図3】消去回数判定回路8の構成を示す図である。
【図4】Xデコーダ11の構成を示す図である。
【図5】本発明の記憶データ消去方法のフローチャートである。
【図6】一括消去および消去ベリファイの説明用タイミングチャートである。
【図7】部分消去の説明用タイミングチャートである。
【図8】第2の実施形態を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態における消去時間設定回路14の構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態における消去動作の説明用タイミングチャートである。
【図11】従来のフラッシュEEPROMの構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 メモリセルアレイ
2 Yセレクタ
3 センスアンプ/消去制御回路
4 下位アドレスラッチ
5 Yデコーダ
6 電圧生成回路
7 モード信号生成回路
8 消去回数判定回路
9 アドレス固定回路
10 上位アドレスラッチ
11 Xデコーダ
12,82,83,84,91,113,141 インバータ
13,85,93,111 AND
14 消去時間設定回路
30 ソーススイッチ回路
71 モード信号取込レジスタ
72 モード信号生成デコーダ
81 4ビットアップカウンタ
86,92 ラッチ
94 NOR
112 OR
114,115,142,143 トランスファゲート
Claims (8)
- 記憶データを一括消去するための全行アドレス、または消去ベリファイにより検出した未消去セルが繋がるワード線1本のみを指定するための1行アドレスのいずれか一方を選択的に指定するアドレス固定手段と、指定された前記ワード線1本にのみ所定の通常動作電圧よりも高いデータ消去用高電圧を印加し、その他のワード線には全て接地電位を印加して前記未消去セルのデータを再消去する部分消去であり、この部分消去の
再消去開始アドレスから残りの全アドレスを消去ベリファイする部分消去ベリファイ手段とを備えたフラッシュEEPROMにおいて、
前記部分消去ベリファイ手段は、予め定める所定の制御信号から書込、消去およびベリファイの各モード設定用の複数のモード信号をそれぞれ生成するモード信号生成回路と、下位のアドレスを受け保持する下位アドレスラッチと、このラッチ出力のアドレス制御信号を前記複数のモード信号にそれぞれ応答してデコードする列デコーダと、セレクタおよびセンスアンプをそれぞれ制御する消去制御回路と、前記消去パルス信号および前記複数のモード信号にそれぞれ応答して書込電圧とこの電圧より低い前記消去用高電圧とこの電圧より低い読み出し電圧とを生成する電圧生成回路と、前記消去パルス信号に応答して記憶データ消去動作の繰り返し回数を判定しその消去回数判定信号と前記消去パルスとで
合成したデコーダアクティブ信号に応答して、行デコーダが前記一括消去のための全行アドレスまたは前記部分消去のための固定行アドレスのいずれかを出力制御する消去回数判定回路とを備え、これらの手段を能動化してメモリセルの過剰消去を抑えることを特徴とするフラッシュEEPROM。 - 前記モード信号生成回路は、外部から供給されるモード取り込み信号と、このモード取り込み信号に応答して外部から供給される複数のモード制御信号を取り込み保持するレジスタ群と、これらレジスタ群それぞれの出力信号から前記複数のモード信号として消去ベリファイ信号、書込ベリファイモード信号、書込モード信号および消去モード信号をそれぞれ生成するデコーダとで構成する請求項1記載のフラッシュEEPROM。
- 前記アドレス固定手段は、前記消去回数判定手段の消去回数判定信号に応答して、前記繰り返し回数が前記所定回数に達したときはそのアドレス値に前記アドレスラッチの値を固定するアドレス固定回路と、このアドレス固定回路出力のアドレス取り込みクロックに応答して予め定める上位複数ビットの上位アドレス制御信号をラッチする上位ラッチ回路と、この上位ラッチ回路出力の上位アドレス制御信号を前記デコーダアクティブ信号および前記複数のモード信号にそれぞれ応答して前記一括消去時は全行アドレスをデコード出力し、前記部分消去時は前記一本のワード線にのみ前記消去用高電圧を出力する行デコーダとを備える請求項1記載のフラッシュEEPROM。
- 前記アドレス固定回路は、予め定めるアドレスクロックを極性反転するインバータと、前記消去ベリファイモード信号と前記消去回数検出信号との論理をとる第1の論理回路と、この第1の論理回路出力に応答して前記未消去セルの検出で発生するベリファイNG信号をラッチするラッチ回路と、このラッチ回路出力と前記インバータ出力との論理をとる第2の論理回路とで構成する請求項3記載のフラッシュEEPROM。
- 前記消去回数判定回路は、前記複数の上位アドレス制御信号と前記デコーダアクティブ信号とのいずれかを選択する組み合わせ回路と、この組み合わせ回路の出力に応答してモード設定信号または消去用高電圧を選択する第1および第2のトランスファゲートとで構成する請求項3記載のフラッシュEEPROM。
- 前記部分消去ベリファイ手段は、前記消去信号がそれぞれパルス幅の異なる複数の消去信号として供給されるとともに、前記消去回数判定信号に応答して、これらの複数の消去信号のうち、前記一括消去時はパルス幅の広い方を選択し、前記部分消去時はパルス幅の狭い方を選択して出力することにより消去時間を短縮する消去時間設定回路をさらに備える請求項1記載のフラッシュEEPROM。
- 記憶データを一括消去した後の消去ベリファイにより検出した未消去セルが接続される一本のワード線のみを選択するためのアドレス固定手段と、この一本のワード線にのみ所定の通常動作電圧よりも高いデータ消去用高電圧を印加し、その他のセルには全て接地電位を印加して前記未消去セルのデータを再消去する部分消去であってこの部分消去の再消去開始アドレスから残りの全アドレスを消去ベリファイする部分消去ベリファイ手段とを用い、最初に全メモリセルを一括して消去する一括消去を行う第1処理ステップと、前記一括消去ごとに消去回数をカウントアップする第2の処理ステップと、この第2処理ステップの後、全メモリ領域の消去ベリファイを行う第3の処理ステップと、前記消去ベリファイの結果未消去セルを検出すると消去回数が予め定める消去回数になるまで一括消去からの動作を繰り返す第4の処理ステップと、消去回数が前記予め定める消去回数を超えると前記アドレス固定手段により固定されたワード線のみが選択され部分消去ベリファイ手段による部分消去を行う第5処理ステップと、前記部分消去ごとに消去回数をカウントアップする第6処理ステップと、この第6処理ステップの後、前記固定されたワード線に接続されたセルの最初のアドレスから部分消去ベリファイ手段により部分消去ベリファイが開始されアドレスをカウントアップしながら残りのメモリ空間の全てに前記部分消去ベリファイを行う第7処理ステップと、前記部分消去ベリファイの結果未消去セルを検出すると実行中の部分消去ベリファイから抜けて前記部分消去からの動作を消去回数の上限として設けられた回数まで繰り返えし、前記上限として設けられた回数を超えて前記部分消去が繰り返されても前記部分消去ベリファイの結果未消去セルを検出すると消去動作を終了し、消去回数が前記上限として設けられた回数以内で未消去セルを検出しなければその時点で前記部分消去動作を終了する第8処理ステップとを実行することにより、過剰消去を抑えることを特徴とするフラッシュEEPROMの記憶データ消去方法。
- 前記第5の処理ステップは、前記部分消去ベリファイ手段として、前記消去信号をそれぞれパルス幅の異なる複数の消去信号を出力することにより消去時間を短縮する消去時間設定回路をさらに用いて、消去回数が前記予め定める消去回数を超えると前記アドレス固定手段により固定されたワード線のみが選択され部分消去ベリファイ手段による部分消去へ移行し、前記複数の消去信号のうちパルス幅の狭い方の消去信号により
部分消去をする請求項7記載のフラッシュEEPROMの記憶データ消去方法。
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