JP3540044B2 - エッチング方法および半導体装置の作製方法 - Google Patents

エッチング方法および半導体装置の作製方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本明細書で開示する発明は、薄膜トランジスタ等の半導体デバイスのコンタクトホールの形成方法、あるいは電極の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス基板上に形成された薄膜トランジスタの作製工程において、以下のような工程が必要とされる場合がある。図2(A)に示されているのは、ガラス基板201上に下地膜として酸化珪素膜202が成膜され、その上にアルミニウムを主成分とする配線203が形成され、さらにこのアルミニウムを主成分とする配線203の周囲に陽極酸化工程で形成された酸化物層204が形成され、さらにこれらを覆って酸化珪素膜でなる層間絶縁膜205が形成されている状態が示されている。
【0003】
このような構成を採用した場合、配線203に至るコンタクトホールを形成する必要がある。このコンタクトホールを形成するには、まず図2(A)に示すような状態において、ウェットエッチングあるいはドライエッチングによって開口206をまず形成する。一般的には、作業の容易さからフッ酸やバッファフッ酸を用いたウエットエッチングが用いられる。(図2(B))
【0004】
フッ酸やバッファフッ酸は、アルミニウムの酸化物層204をエッチングすることができなないので、酸化物層204が露呈した状態でエッチャントをクロム混酸に変更する。またはフッ酸またはバッファフッ酸を用いたエッチングを一端終了させ、次にクロム混酸を用いたエッチングを行い、酸化物層204を取り除く。(図2(C))
【0005】
クロム混酸は、リン酸と酢酸と硝酸とを含む溶液にクロム酸を添加したものである。このクロム混酸は、酸化アルミニウムを選択的に取り除くことができる便利なエッチャントである。
【0006】
しかしながら、クロム混酸を用いた場合には、以下に示すような問題が生じる。クロム混酸を用いた場合には、確かに陽極酸化工程で形成された酸化物層204を取り除くことができる。しかし、酸化物層204が取り除かれ、アルミニウムを主成分とする電極または配線203が露呈した瞬間にその表面に不動態が形成されてしまう。(図2(D))
【0007】
この不動態の膜208は、抵抗の高い被膜であり、クロム混酸とアルミニウムが接触した場合に、アルミニウムの表面に形成されるものである。この不動態が形成されるがために、クロム混酸はアルミニウムの酸化膜をエッチングはするが、アルミニウム自体をエッチングしないのである。
【0008】
このようにクロム混酸を用いてアルミニウムを主成分とする材料の酸化物層204を除去し後、208で示されるような不動態の膜が形成されてしまう。この不動態の膜208が形成された状態でコンタクトをとるために配線を行うと、当然コンタクト不良が発生してしまう。そして、このコンタクト不良は、薄膜トランジスタの動作不良の原因となる。
【0009】
この不動態の膜208を取り除くには、フッ酸やバッファフッ酸を用いてエッチングを行えばよい。しかしながら、この段階でフッ酸やバッファフッ酸を用いたエッチングを行うことは、活性層にダメージを与えることになり好ましいことではない。即ち、この不動態の膜208を取り除くためにフッ酸やバッファフッ酸を用いたエッチングを行うと、薄膜トランジスタとして動作しなくなっり、その特性が極めて低いものとなったりする事態が生じてしまう。
【0010】
また、クロム混酸は六価クロムを含んでおり、その廃液処理に多大なコストが必要されるという大きな問題がある。
【0011】
このように、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする配線または電極の周囲にアルミニウムの酸化物層が形成された状態において、この酸化物層のみを取り除こうとすることは大きな困難を有していた。
【0012】
また、薄膜トランジスタとしてガラス基板上に形成された結晶性珪素薄膜を用いたものが知られている。結晶性珪素膜を得る方法としては、ガラス基板上にまず非晶質珪素膜をプラズマCVD法や減圧熱CVD法で成膜し、しかる後にレーザー光の照射や加熱によって結晶化させる技術が知られている。
【0013】
レーザー光の照射による結晶化技術は、ガラス基板に熱的なダメージを与えることなく非晶質珪素膜を結晶化させることができるという特徴がある。しかし、照射されるレーザー光の安定化の問題や大面積に対する照射の困難性といった問題があり、実用性的ではない。
【0014】
一方、加熱による方法は、大面積のものに対して複数枚同時に処理を行うことができるという特徴を有している。しかしながら、加熱の温度が一般的に600℃以上必要とされ、さらにその時間も数十時間以上必要とされるので、基板としてガラス基板を用いた場合に、ガラス基板の変形や縮の問題が顕在化するという大きな問題がある。
【0015】
この非晶質珪素膜の結晶化を行うための加熱を行う際におけるガラス基板の耐熱性の問題を解決する方法として、特開平6─232059号公報に記載された技術が公知である。これは、珪素の結晶化を助長する金属元素を非晶質珪素膜の表面に付着させることによって、結晶化を行う際の加熱温度を下げ、また加熱時間を短くできる技術である。この方法を採用すると、550℃、4時間程度の加熱処理で非晶質珪素膜を結晶化させることができる。
【0016】
しかし、この方法により得られた結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタの活性層を構成した場合、活性層の耐フッ酸性が低下するという問題が生じる。これは、珪素膜中に存在する金属シリサイド成分がフッ酸によってエッチングされるためである。
【0017】
従って、珪素の結晶化を助長する金属元素を用いて結晶性珪素膜を得、さらにこの結晶性珪素膜を用いて薄膜トランジスタを構成した場合、その特性を著しく向上させることができる反面、その作製において、フッ酸(またはバッファフッ酸)を用いたエッチング工程において、活性層がエッチングされないように注意する必要が生じる。
【0018】
例えば図2に示すような工程を採用する場合、不動態の膜208をフッ酸またはバッファフッ酸によって取り除く工程は、活性層(図2には示されていない)に対するダメージ(活性層がエッチングされてしまうことによって生じる)との兼ね合いで行わなくてはならず、実用的には極めて困難なものとなってしまう。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本明細書で開示する発明は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする配線や電極と、その周囲に形成された酸化アルミニウムとで構成される状態において、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする配線や電極に対して確実なコンタクトをとることのできる技術を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本明細書で開示する発明の一つは、
アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする電極または配線と、
前記電極または配線の周囲に形成された酸化物層と、
を有する構造に対して、
ドライエッチングにより前記酸化物層の一部と前記電極または配線の一部を除去する工程を有する。
【0021】
上記構成は、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする配線または電極の周囲に陽極酸化工程において形成された酸化物層を有する構成に対して、この配線または電極に対するコンタクトホールをドライエッチングで形成することを特徴とする。
【0022】
上記構成におけるドライエッチングは、エッチングガスとしてBCl3 、CCl4 、SiCl4 から選ばれた一種または複数種類のガスを主成分としたものを用いることができる。アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料をエッチングするには、塩素系のガスを用いることができる。
【0023】
また、上記構成において、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする配線または電極の下地として酸化珪素膜が用いられている場合、この酸化珪素膜をエッチングストッパーとして機能させることができる。
【0024】
前述のように、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料をエッチングするには、塩素系のガスを用いる。この塩素系のガスは、酸化珪素膜に対するエッチングレートがアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料に比較して数十分の1である。例えば、BCl3 を主成分としたエッチングガスを用いた場合、アルミニウムに対するエッチングレートに比較して、酸化珪素に対するエッチングレートは1/60以下であることが実験的に判明している。
【0025】
このエッチングストッパーとして機能する酸化珪素膜の代わりとしては、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜等の珪化物の材料でなるものを用いることができる。
【0026】
他の発明の構成は、
珪素の結晶化を助長する金属元素を1×1016原子cm-3〜5×1019原子cm-3の濃度で含んだ結晶性を有する半導体層と、
前記半導体層上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜上に形成されたアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする配線または電極と、
前記配線または電極の周囲に形成された酸化物層と、
を有する構造に対して、
塩素系のエッチングガスを用いて少なくとも前記酸化物層の一部を除去し、前記配線または電極の一部を露呈させる工程を有することを特徴とする。
【0027】
上記において、珪素の結晶化を助長する金属元素としては、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類のものを用いることができる。これら金属元素中では、特にNiを用いた場合にその効果を顕著に得ることができる。
【0028】
上記構成のように、珪素の結晶化を助長する金属元素を特定の濃度で含んだ半導体層は、耐フッ酸性が弱いという性質を有している。従って、従来技術の項で説明したように、フッ酸やバッファフッ酸を用いたエッチング工程は、極力避けることが好ましい。前述したように、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料の酸化物に対するウエットエッチングは、不動態の膜の除去のためにフッ酸またはバッファーフッ酸におるエッチングが必要となる。しかし、上記構成を採用した場合には、ドライエッチング工程のみで行うことができるので、従来の技術において問題となってことを解決することができる。
【0029】
以上説明した発明のそれぞれにおいて、塩素系のガスに炭素系のガスを添加することは、アルミニウムの酸化物層のエッチングレートを高めるために有用である。アルミニウムの酸化物層は、Al23 で示されるような成分を主としているが、炭素系のガスを用いることで、COまたはCO2 としてO成分を除去することができる。即ち、アルミニウムをエッチングするために作用する塩素を含んだ塩素系のガスに酸化物をエッチングするために作用する炭素を含んだ炭素系のガスを混合することで、酸化アルミニウムの成分を効果的にエッチングすることができる。例えば、塩素系のガスであるBCl3 に炭素系のガスであるCH4 を混合することで、アルミニウムに対して酸化アルミニウムのエッチングレートを高くしたドライエッチングを行うことができる。また、エッチングガスとしてCCl3 を用いることで、酸化アルミニウムのエッチングレートを選択的に高くしたエッチングを行うことができる。
【0030】
【実施例】
〔実施例1〕
本実施例は、薄膜トランジスタを作製する場合に本明細書で開示する発明を利用する場合の例を示す。図1に本実施例の作製工程を示す。まずガラス基板101上に下地膜102として酸化珪素膜を3000Åの厚さにスパッタ法により成膜する。そして非晶質珪素膜をプラズマCVD法または減圧熱CVD法で500Åの厚さに成膜する。
【0031】
非晶質珪素膜を用いた薄膜トランジスタを構成するのであれば、この後パターニングを行い活性層を形成する。ここでは、より高い性能を有する薄膜トランジスタを得るために非晶質珪素膜を結晶化させ、結晶性珪素膜とする。
【0032】
ここでは、非晶質珪素膜の表面に所定の濃度に調整したニッケル酢酸塩溶液をスピンコート法により塗布することにより、珪素の結晶化を助長する金属元素であるニッケルを非晶質珪素膜の表面に接して保持させた状態とする。そして600℃、4時間の加熱処理を施すことにより、非晶質珪素膜を結晶化させ、結晶性珪素膜を得る。
【0033】
ニッケル酢酸塩溶液中におけるニッケル元素の濃度は、最終的に珪素膜中に残留するニッケル元素の濃度が1×1016原子cm-3〜5×1019cm-3の範囲となるようにする必要がある。これは、この濃度範囲より低い濃度では、結晶化のための助長作用が小さく、この濃度範囲より大きい濃度では、膜中のニッケルシリサイド成分の影響が大きすぎ、半導体としての諸特性が損なわれてしまうからである。
【0034】
結晶性珪素膜を得たら、パターニングを施すことにより、図1(A)に示されるように薄膜トランジスタの活性層103を形成する。活性層103を形成したら、ゲイト絶縁膜となる酸化珪素膜104をプラズマCVD法により1000Åの厚さに成膜する。さらにスカンジスムを微量に含有させたアルミニウムを主成分とする膜を電子ビーム蒸着法により6000Åの厚さに成膜し、パターニングを行うことにより、ゲイト電極105を形成する。ここで、アルミニウムにスカンジウムを含有させるのは、アルミニウムの異常成長を防止するためである。
【0035】
ゲイト電極105を形成したら、ゲイト電極105を陽極として電解溶液中において陽極酸化を行い、アルミニウムの酸化物層106を成長させる。この工程で用いる電解溶液は、酒石酸を3〜10%含んだエチレングリコール溶液を用いればよい。
【0036】
この酸化物層の厚さは2000Å程度とする。この酸化物層は後の不純物イオンの注入工程において、オフセットゲイト領域を構成するためのマスクとして機能する。こうして図1(A)に示す状態を得る。
【0037】
次にN型を付与する不純物であるP+ イオン(リンイオン)をプラズマドーピング法またはイオン注入法によって加速注入する。この工程によって、ソース領域107とドレイン領域110とが不純物イオンの注入によって形成される。またゲイト電極105がマスクとなり、109の領域がチャネル形成領域として構成される。また、酸化物層106がマスクとなり、108で示される領域がオフセットゲイト領域として構成される。
【0038】
不純物イオンの注入を行った後、レーザー光の照射または強光の照射によって不純物イオンの注入による損傷のアニールと注入された不純物イオンの活性化とを行う。こうして図1(B)に示す状態を得る。図1(B)のA−A’で示される断面を図3(A)に示す。
【0039】
図1(B)に示すような不純物イオンの注入とその後のアニール工程の終了後、層間絶縁膜111として酸化珪素膜をプラズマCVD法により6000Åの厚さに成膜する。こうして図1(C)に示す状態を得る。
【0040】
この図1(C)に示す状態を得た後、ソース及びドレイン領域、さらにゲイト電極に対してコンタクトを形成する必要が生じる。本実施例においては、まずソース/ドレイン領域へのコンタクトホールを形成する。ソース/ドレイン領域へのコンタクトホールの形成は、CF3 を主成分とするエッチングガスを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)法を用いて行う。このエッチングによって、酸化珪素でなる層間絶縁膜111と同じく酸化珪素でなるゲイト絶縁膜104がエッチングされてソース領域107へのコンタクトホール112とドレイン領域110へのコンタクトホール113とが形成される。
【0041】
また上記のエッチング工程においては、図3(B)で示されるコンタクトホールの層間絶縁膜111の部分が除去される。この部分でのエッチングは、アルミニウムを主成分とする酸化物層106がエッチングストッパーとなり、事実上酸化物層106でエッチングが停止する。これは、フッソ系のガスを用いた場合、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料に対するエッチングレートを著しく低いからである。
【0042】
次にゲイト電極へのコンタクトホールの形成を行う。このゲイト電極へのコンタクトホールの形成はBCl3 とCF4 との混合ガスを用いたRIE法によって行う。以下にこのエッチング条件を示す。
RFパワー 20W/cm2 (13.56MHz)
反応圧力 80mW
反応ガス BCl3 /CF4 =9/1
温度 40℃(試料の温度)
バイアス電位 ─46V
エッチングレート 400Å/min
【0043】
このエッチング工程を行うことによって、アルミニウムの酸化物層(主成分はAl23 )106を取り除くことがでる。こうして、図3(B)の114で示されるコンタクトホールを得る。図3(B)は、図1(D)に示す状態のB−B’で切った断面に対応する。
【0044】
このエッチングでは、上記のような組成を有するエッチングガスは、アルミニウムの酸化物層106に対するエッチングレートよりアルミニウムに対するエッチングレートの方が小さい。従って、酸化物層106のみをエッチングした状態でエッチングを丁度停止させることも技術的には可能である。しかしここでは、多少の余裕を見てアルミニウムを主成分とするゲイト電極105が多少エッチングされた状態の所でエッチングを終了させる。ゲイト電極105の厚さは6000Å程度あるので、十分な余裕をもってエッチングを行うことができる。このエッチングによって、114で示されるコンタクトホールは、電極105の一部が取り除かれ、凹部が形成された状態となる。
【0045】
このようにして、ソース/ドレイン領域へのコンタクトホール、ゲイト電極へのコンタクトホールを形成することができる。この後、ソース/ドレイン領域、及びゲイト電極への引き出し配線を形成することによって薄膜トランジスタを完成させる。
【0046】
ソース/ドレイン領域、及びゲイト電極への引き出し配線は、チタン膜とアルミニウム膜との積層体で構成することが好ましい。これは、電気的な接触をより確実にするためである。
【0047】
本実施例に示す構成を採用した場合、114で示されるコンタクトホールの形成が、ドライエッチングによって行われるので、図2(D)に208で示される不動態の膜の形成がなく、良好なコンタクトを得ることができる。
【0048】
〔実施例2〕
本実施例は、実施例1で示したゲイト電極へのコンタクトホールの形成方法の別な例に関する。本実施例においては、図3(C)の115で示されるコンタクトホールの形成において、アルミニウムを主成分とするゲイト電極105(ゲイト配線)に対するエッチングをゲイト電極をほとんど全てを取り除いてしまう条件で行うものである。
【0049】
本実施例に示すエッチングを行う場合には、アルミニウムに対するエッチングのレートとアルミニウムの酸化物層に対するエッチングのレートとをほぼ同一なものとすることが好ましい。
【0050】
本実施例の構成を採用した場合、コンタクトホール115を介した接続がサイドコンタクトとなるという問題がある。図では明らかではないが、コンタクトホールの開口の大きさは一般に数μm四方ある。それに対してゲイト電極105の厚さは数千Å〜1μm程度である。従って、図3(B)の114に示すような状態でコンタクトホールを形成した場合(この場合基本的にトップコンタクトとなる)には、数十μm2 のコンタクト面積を得ることができるが、図3(C)の115で示されるようなコンタクトホールを形成した場合(この場合サイドコンタクトなる)には、数μm2 程度のコンタクト面積が得られるに過ぎない。即ち、図3(C)に示す場合のコンタクト抵抗は、図3(B)に示す場合のコンタクト抵抗に比較して数倍〜10倍以上のものとなってしまう。
【0051】
しかし、薄膜トランジスタが正常に動作する範囲においては、ゲイト電極自体に大きな電流が流れるわけではないので、図3(C)に示すような構成において、ゲイト電極へのコンタクトがサイドコンタクトになってもほとんど実用上は問題はない。
【0052】
〔実施例3〕
実施例2に示したようなサイドコンタクトする構成は、実用上問題はないとはいえ、数十万個以上の薄膜トランジスタを数十cm2 ガラス基板上に集積化しなければならないアクティブマトリクス型の液晶表示装置においては、その歩留りの低下の招く要因となる。そこで本実施例では、図3(B)の114で示されるようなコンタクトホールの形状を工夫し、より確実にコンタクトができる状態とする構成を示す。
【0053】
図4(A)に示されるのは、ガラス基板101上に下地膜102として酸化珪素膜が形成され、さらにアルミニウムを主成分とする配線105が形成され、この配線105の周囲に陽極酸化工程で形成された酸化物層106が形成され、さらに層間絶縁膜111が形成された状態である。
【0054】
図4に示すのは、図3(A)のD−D’で切った断面に相当する。この状態で配線105に対してコンタクトホールを形成する工程について以下に示す。図4(A)に示す状態を得たら、バッファーフッ酸を用いたエッチングを行い開口401を得る。この開口は例えば10μm各の大きさで形成する。バッファーフッ酸を用いたエッチングでは、アルミニウムの酸化物層106はエッチングできない(エッチングレートが著しく小さい)ので、酸化物層106が露呈した段階でエッチングは自動的に停止する。ただしそのままの状態では、横方向へのエッチングが進行するので注意が必要である。
【0055】
つぎにレジストマクス402を形成する。この状態でクロム混酸によるウエットエッチングを行い、露呈した酸化物層106をエッチングする。このエッチングによって、開口403が形成される。この開口403の寸法は、例えば5μm四方とする。
【0056】
そして、レジストマスク402を取り除くことによって図4(C)に示すような状態を得る。この状態で、BCl3 とCF4 との混合ガスを用いてRIE法によるドライエッチングを行う。このエッチングの結果、図4(D)の404で示されるような段階的な形状を有する開口(コンタクトホール)が形成される。
【0057】
図4(D)の404で示されるようなコンタクトホールを形成することで、トップコンタクトとサイドコンタクトとの両方の性質を兼ね備えた構成を実現することができる。404で示されるようなコンタクトホールは、コンタクト面積をより大きくすることができるので、電気的な接続が確実で、コンタクト抵抗の低いコンタクトを実現することができる。
【0058】
図4(D)に示す状態においては、開口404の低部に電極または配線105が残存している。しかし、よりエッチングを進行させ、その低部において電極105が存在しないような状態としてもよい。この場合、図4(D)に示す場合に比較して、コンタクト面積が減少するので、コンタクト抵抗が高くなる。しかし、図3(C)に示すような単なるサイドコンタクトに比較すれば、よりコンタクト抵抗が低く、接続の確実なコンタクトを実現することができる。
【0059】
〔実施例4〕
本実施例は、実施例1におけるRIE法によるエッチング工程において、BCl3 とCF4 との混合比を5:1とした場合の例である。このような混合比とした場合、全体のエッチングレートは低下するが、Cの成分によるアルミニウムの酸化物層のエッチングの効果が表れるので、アルミニウムの酸化物層のエッチングレートを選択的に高めることができる。。
【0060】
そして、結果的には、アルミニウムの酸化物層に対するエッチングレートに比較して、アルミニウム自体のエッチングレートを著しく小さくすることができるので、エッチングの結果は、図5に示すような状態となる。
【0061】
即ち、下地膜である酸化珪素膜102上に形成されたスカンジウムが微量に添加されたアルミニウムを主成分とする配線または電極105とその周囲に陽極酸化工程で形成れた酸化物層106とでなる構成において、上記のような混合比のガスでエッチングを行うことで、酸化物層106のみを選択的に取り除くことができる。
【0062】
〔実施例5〕
本実施例は、実施例1に示したエッチング条件において、BCl3 とCF4 との混合比を7:1としたものである。このような組成としたガスを用いてエッチングを行った場合、アルミニウムのエッチングレートがアルミニウムの酸化物層のエッチングレートに近くなるので、アルミニウムの酸化物層106をエッチングした後、アルミニウムを主成分とする配線または電極105に対して、図6に示すようなテーパー形状としたエッチングを施すことができる。
【0063】
【発明の効果】
本明細書で開示する発明を利用することで、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする配線や電極と、その周囲に形成された酸化アルミニウムとで構成される状態において、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする配線や電極に対して確実なコンタクトをとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の薄膜トランジスタの作製工程を示す。
【図2】従来におけるコンタクトホールの作製工程を示す。
【図3】薄膜トランジスタの断面を示す。
【図4】実施例におけるコンタクトホールの作製工程を示す。
【図5】実施例におけるコンタクトホールの状態を示す。
【図6】実施例におけるコンタクトホールの状態を示す。
【符号の説明】
101、201 ガラス基板
102、212 下地膜(酸化珪素膜)
103、 活性層
104 ゲイト絶縁膜
105、203 ゲイト電極(アルミニウムを主成分とする)
106、204 酸化物層(酸化アルミニウム)
107、 ソース領域
108 オフセットゲイト領域
109 チャネル形成領域
110 ドレイン領域
111 層間絶縁膜
112 ソース領域へのコンタクトホール
113 ドレイン領域へのコンタクトホール
205 層間絶縁膜
206 開口
207 開口
208 不動態の膜
114 コンタクトホール
115 コンタクトホール
401 開口
402 レジストマスク
403 開口
404 開口
501 開口
601 開口

Claims (4)

  1. 珪化物からなる膜上にアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料からなる電極または配線を形成し、
    前記電極または配線の表面にアルミニウムの酸化物層を形成し、
    前記珪化物からなる膜をエッチングストッパーとして、CCl4、BCl3、SiCl4から選ばれた一種または複数種類のガスに、CH4またはCF4を混合したエッチングガスにより、前記アルミニウムの酸化物層と前記電極または配線をドライエッチングして、前記珪化物からなる膜の表面に達するコンタクトホールを形成し、
    前記コンタクトホールにおいて、前記電極または配線に接続される他の配線を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 請求項において、前記珪化物からなる膜は、酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化窒化珪素膜のいずれか一であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする材料からなる電極または配線を形成し、
    前記電極または配線の表面にアルミニウムの酸化物層を形成し、
    前記アルミニウムの酸化物層上に絶縁膜を形成し、
    前記絶縁膜の一部をエッチングして前記アルミニウムの酸化物層の表面に達する第1の開口を形成し、
    前記絶縁膜の表面を覆い、かつ、前記第1の開口において前記アルミニウムの酸化物層の表面が露呈されるようにレジストマスクを形成し、
    前記レジストマスクを用いて前記アルミニウムの酸化物層をエッチングして前記電極または配線の表面に達する第2の開口を形成し、
    前記レジストマスクを除去し、
    前記第1の開口が形成された前記絶縁膜をマスクにして、CCl4、BCl3、SiCl4から選ばれた一種または複数種類のガスに、CH4またはCF4を混合したエッチングガスを用いてドライエッチングすることにより、前記アルミニウムの酸化物層と共に前記電極または配線をエッチングしてコンタクトホールを形成し、
    前記コンタクトホールにおいて、前記電極または配線に接続される他の配線を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項乃至のいずれか一において、前記他の配線は、チタン膜とアルミニウム膜との積層体からなることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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