JP3539787B2 - 回転式基板洗浄装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、光ディスク用の基板等の基板に、純水などの洗浄液を供給して洗浄処理するために、基板を鉛直方向の軸芯周りで回転可能に保持する基板保持手段と、基板表面を洗浄する洗浄具と、その洗浄具を鉛直方向の軸芯周りで回転させる洗浄具回転手段と、洗浄具を基板表面に沿って水平方向に変位する洗浄具移動手段と、基板表面の洗浄具による洗浄箇所に洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備えた回転式基板洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転式基板洗浄装置としては、例えば、実開平1−107129号公報に開示されているものが知られている。この従来例によれば、基板を鉛直方向の軸芯周りで回転させながら、その基板表面に洗浄液を供給し、洗浄具を回転させながら基板表面に沿わせて移動させ、洗浄具を所定の圧力により基板に押し付けながら基板表面に付着したパーティクルやゴミを剥離させるとともに、その剥離したパーティクルやゴミなどの洗浄除去物を洗浄液とともに基板回転による遠心力を利用しながら基板の外方へ流出させるようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来例の場合、洗浄位置における洗浄時の洗浄具の高さは一定であり、洗浄具から基板に付与される圧力は初期設定によって一義的に決定されていた。一方、基板では、それ自体の重量や、冷却や加熱などの熱処理の影響を受けることに起因し、高低差で 0.5mm程度の反り変形を生じていることが多い。その結果、反り上がっている箇所と凹んでいる箇所とで、洗浄具から基板に付与される圧力に違いを生じ、基板表面での洗浄性が不均一になる欠点があった。
【0004】
また、洗浄具の寸法誤差や寸法変化、洗浄具交換時の取付具合いの変化等によっても洗浄性が不均一になる欠点があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項1に係る発明の回転式基板洗浄装置は、洗浄具が基板から受ける反力を精度良く感知し、基板の反り変形のいかんにかかわらず、基板の反り変形に良好に追随して、基板表面全面を均一に洗浄できるようにすることを目的とし、また、請求項2に係る発明の回転式基板洗浄装置は、基板の反り変形のいかんにかかわらず、比較的簡単な構成で基板の反り変形に容易に追随して、基板表面全面を均一に洗浄できるようにすることを目的とする。
また、請求項3に係る発明の回転式基板洗浄装置は、構成を簡単にできながら、基板に対する押圧力を小さな力で良好に制御できるようにすることを目的とし、また、請求項4に係る発明の回転式基板洗浄装置は、基板に対して洗浄具を均等に押圧するとともに、基板に付与する圧力を精度良く感知して、洗浄性能を一層向上できるできるようにすることを目的とし、また、請求項5に係る発明の回転式基板洗浄装置は、基板の反り変形により俊敏に追随して洗浄性能をより一層向上できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の回転式基板洗浄装置は、上述のような目的を達成するために、基板を鉛直方向の軸芯周りで回転可能に保持する基板保持手段と、基板表面を洗浄する洗浄具と、洗浄具を鉛直方向の軸芯周りで回転させる洗浄具回転手段と、洗浄具を基板表面に沿って水平方向に変位する洗浄具移動手段と、基板表面の洗浄具による洗浄箇所に洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備えた回転式基板洗浄装置において、基板洗浄時に基板からの反力を受けるとともに洗浄具を基板に対して昇降可能に支持する押圧手段と、洗浄具と押圧手段との間に、基板洗浄状態で洗浄具が基板に付与する圧力を感知する圧力センサを設けるとともに、その圧力センサによって感知した圧力が設定範囲内に維持されるように押圧手段を作動する制御手段を設けて構成する。
【0007】
また、請求項2に係る発明の回転式基板洗浄装置は、上述のような目的を達成するために、請求項1に係る発明の回転式基板洗浄装置における洗浄具回転手段によって回転される回転体に、洗浄具を一体的に取り付けた洗浄具支持体を押圧手段を介して昇降可能に設け、洗浄具支持体を基板に対して昇降するように構成する。
【0008】
また、請求項3に係る発明の回転式基板洗浄装置は、上述のような目的を達成するために、請求項2に係る発明の回転式基板洗浄装置における回転体と洗浄具支持体との間に、洗浄具の自重と釣り合って洗浄具を所定高さに維持する重量均衡手段を備えて構成する。
【0009】
また、請求項4に係る発明の回転式基板洗浄装置は、上述のような目的を達成するために、請求項3に係る発明の回転式基板洗浄装置における重量均衡手段、押圧手段および圧力センサそれぞれの平面視における中心を洗浄具の回転中心に一致させるように構成する。
【0010】
また、請求項5に係る発明の回転式基板洗浄装置は、上述のような目的を達成するために、請求項請求項1ないし請求項4のいずれかに係る発明の回転式基板洗浄装置における押圧手段を、電磁力を駆動源とするリニアアクチュエータで構成する。
【0011】
【作用】
請求項1に係る発明の回転式基板洗浄装置の構成によれば、押圧手段の動作圧では無く、洗浄具が回転基板から受ける反力、すなわち、洗浄具が回転基板に付与する圧力を、洗浄具と押圧手段との間に設けた圧力センサで精度良く感知する。本発明者らは、押圧手段の動作圧を感知してその値が一定になるように押圧手段を制御することを試みたが、基板の反り変形に対しての追随性に欠ける問題があることを知見した。これは、洗浄具が基板に付与する圧力に対し、基板の反り変形によって生じる圧力の変化が僅かであり、その圧力の変化が押圧手段に伝わってもそれが動作圧に反映されるのに遅れを生じやすく、また、洗浄具を昇降させる構成における抵抗などに起因して、押圧手段によって与えている動作圧と基板に付与される圧力との間で誤差を生じやすいといったことが原因ではないかと推察される。
この知見に基づいて、押圧手段を介さずに圧力センサで洗浄具が回転基板から受ける反力を直接的に感知することにより、前述したように、洗浄具が回転基板に付与する圧力を精度良く感知する。この精度良く感知される圧力に基づき、基板の反り変形に起因して、洗浄具が回転基板に付与する圧力が設定範囲から変化すると、そのことを、押圧手段を介さずに直接的に圧力センサが感知し、その感知した圧力が設定範囲よりも大きければ、押圧手段によって洗浄具を上昇させることにより、洗浄具を基板から離れる側に上昇させ、一方、感知した圧力が設定範囲よりも小さければ、洗浄具を基板に対して下降させることにより、洗浄具を基板に近づく側に移動させ、基板に付与する洗浄具の圧力を常に設定範囲内に精度良く維持することができる。
【0012】
また、請求項2に係る発明の回転式基板洗浄装置の構成によれば、基板の反り変形に起因して、洗浄具が回転基板に付与する圧力が設定範囲から変化すると、そのことを、押圧手段を介さずに直接的に圧力センサが感知し、その感知した圧力が設定範囲よりも大きければ、洗浄具支持体を回転体に対して上昇させることにより洗浄具を基板から離れる側に移動させ、一方、感知した圧力が設定範囲よりも小さければ、洗浄具支持体を回転体に対して下降させることにより洗浄具を基板に近づく側に移動させ、基板に付与する洗浄具の圧力を常に設定範囲内に精度良く維持することができる。
【0013】
また、請求項3に係る発明の回転式基板洗浄装置の構成によれば、重量均衡手段によって洗浄具の自重と釣り合わせながら、回転体に対して洗浄具およびそれに一体の洗浄具支持体を昇降させ、押圧手段によって基板に付与する圧力を常に一定化することができる。
【0014】
また、請求項4に係る発明の回転式基板洗浄装置の構成によれば、洗浄具の自重と釣り合わせるために重量均衡手段によって洗浄具を支持する力の中心、ならびに、押圧手段によって洗浄具が基板に付与する圧力の中心を洗浄具の回転中心に一致させ、回転する洗浄具に対して偏った力を作用させることを回避でき、しかも、洗浄具が基板に付与する圧力の中心が洗浄具の回転中心に一致する状態で、洗浄状態で洗浄具が基板に付与する圧力を圧力センサによって感知することができる。
【0015】
また、請求項5に係る発明の回転式基板洗浄装置の構成によれば、回転基板に対して洗浄具が付与する圧力の変化に対し、電流値を変えて電磁力を変化させることで俊敏に応答させ、押圧手段によって基板に付与する圧力を常に一定化することができる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の回転式基板洗浄装置の第1実施例を示す全体概略縦断面図、図2は平面図である。
【0017】
電動モータ1の駆動によって鉛直方向の軸芯周りで回転する回転軸2の上端に、基板Wを真空吸着保持する回転台3が一体回転可能に取り付けられ、基板Wを鉛直方向の軸芯周りで回転可能に保持する基板保持手段4が構成されている。
【0018】
なお、本実施例においては、回転台3を真空吸着式のものとして基板保持手段4を構成しているが、これに限られるものではなく、例えば、回転台3上に基板Wの外縁を支持する基板支持部材を複数設けるとともに、この基板支持部材の上端に基板Wの水平方向の位置を規制する位置決めピンを設けて基板保持手段を構成し、基板Wを回転台3上面から離間した状態で回転可能に保持させるようにしてもよい。
【0019】
基板保持手段4およびそれによって保持された基板Wの周囲は、昇降駆動機構(図示せず)によって昇降可能なカップ5で覆われている。カップ5の横外側方に、基板Wの回転中心側に向けて純水などの洗浄液を噴出供給する洗浄液供給手段としてのノズル6…が設けられている。
【0020】
また、カップ5の横外側方に、アングル形状の支持アーム7が、電動モータ(図示せず)により鉛直方向の第1の軸芯P1周りで回転可能に設けられ、その支持アーム7の先端側アーム部分7aの下部に、鉛直方向の第2の軸芯P2周りで回転可能に、基板表面を洗浄する洗浄具8が設けられている。
【0021】
図3の要部の拡大縦断面図に示すように、先端側アーム部分7a内には、ベアリング9…を介して回転体10が前記第2の軸芯P2周りで回転可能に設けられ、その回転体10に一体回転可能に取り付けられたプーリー11とモータMとがタイミングベルト12を介して連動連結されている。回転体10のプーリー11を挟む上下両側箇所それぞれに一対づつのガイドローラ13…が設けられ、それらのガイドローラ13…が、下端に洗浄具8を取り付けた洗浄具支持体14の途中箇所に形成したスプライン部14aに作用するように構成され、回転体10と一体回転しながら抵抗少なく洗浄具支持体14を昇降できるように構成されている。
【0022】
洗浄具支持体14に一体回転可能にバネ座15が取り付けられ、そのバネ座15と、回転体10に取り付けられたバネ座16とにわたって圧縮コイルスプリング17が設けられ、洗浄具8および洗浄具支持体14の重量に釣り合って、洗浄具8を先端側アーム部分7aに対して所定高さに維持させるように重量均衡手段18が構成されている。
【0023】
洗浄具支持体14の上端にベアリング19を介して相対回転のみ可能に当接部材20が取り付けられ、その当接部材20の上端に対応するように、先端側アーム部分7aの上部側に、基板洗浄時に基板Wからの反力を受けるとともに洗浄具8を基板Wに対して昇降可能に支持する押圧手段としてのエアシリンダ21が設けられ、そのエアシリンダ21のシリンダロッド22の下端が圧力センサ23を間にして当接部材20に当接されている。
【0024】
エアシリンダ21は、図4の概念図に示すように、そのシリンダ24の内周面とピストン25およびシリンダロッド22それぞれの外周面との間に微少な隙間を形成して構成され、そして、ピストン25を間にしたシリンダロッド22とは反対側の空間とコンプレッサー26とを、流量調整弁27を介装した第1のエアー配管28を介して接続し、一方、ピストン25を間にしたシリンダロッド22側の空間とコンプレッサー26とを、定量弁29を介装した第2のエアー配管30を介して接続され、エアシリンダ21を供給エアーによって調芯しながら無摺動状態で抵抗少なく伸縮できるように構成されている。
【0025】
前記バネ座15,16と圧縮コイルスプリング17とから成る重量均衡手段18、および、エアシリンダ21それぞれの平面視における中心が洗浄具8の回転中心P2に一致するように設けられている。
【0026】
先端側アーム部分7aと回転体10の下部側との間に、磁性流体シール31とラビリンス機構32が設けられ、その上部のベアリング9で回転に伴う摩耗によって発生するゴミが基板W上に落下したり、洗浄液が浸入したりすることを回避できるように構成されている。
【0027】
図4に示すように、流量調整弁27のドライバ33に制御手段としてのコントローラ34が接続され、そのコントローラ34に圧力センサ23と圧力設定器35とが接続されている。
【0028】
コントローラ34には、第1の比較手段36と第2の比較手段37と開信号出力手段38と閉信号出力手段39が備えられている。
第1の比較手段36では、圧力センサ23で感知される圧力と圧力設定器35で設定された設定圧力とを入力し、感知圧力と設定圧力から微少量減算した設定下限圧力とを比較し、感知圧力が設定下限圧力よりも小さくなったときに開信号出力手段38に指令信号を出力し、開信号出力手段38からドライバ33に開信号を出力して流量調整弁27を開き側に操作し、エアシリンダ21に付与する動作圧を大きくするように構成されている。
【0029】
第2の比較手段37では、圧力センサ23で感知される圧力と圧力設定器35で設定された設定圧力とを入力し、感知圧力と設定圧力に微少量加算した設定上限圧力とを比較し、感知圧力が設定上限圧力よりも大きくなったときに閉信号出力手段39に指令信号を出力し、閉信号出力手段39からドライバ33に閉信号を出力して流量調整弁27を閉じ側に操作し、エアシリンダ21に付与する動作圧を小さくするように構成されている。
【0030】
上記構成により、基板Wの洗浄に先立ち、基板W上に形成された膜の種類(アルミ膜、酸化膜、窒化膜、ポリシリコン膜、パターン膜、ベアシリコン膜など)とか基板に付着している汚染物の性質とか種類などに応じ、それに対応する洗浄圧力を圧力設定器35で設定入力する。それにより、支持アーム7を洗浄位置に変位させ、洗浄具8を回転基板Wに押圧するに伴い、洗浄状態での洗浄具8が基板Wに付与する圧力を圧力センサ23が感知し、感知圧力の変化に基づいて流量調整弁27を自動的に開閉制御し、洗浄具8が基板Wに付与する圧力を、前述した設定上限圧力と設定下限圧力との設定範囲内に維持し、所定の圧力を基板Wに付与しながら洗浄処理できるようになっている。
【0031】
図5は、第2実施例の要部の拡大縦断面図であり、第1実施例と異なるところは次の通りである。
すなわち、押圧手段として、エアシリンダ21に代えて、コイル40内に操作ロッド41を直線的に移動可能に設けたリニアアクチュエータ42と電源装置43とが先端側アーム部分7aに設けられている。
【0032】
図6のブロック図に示すように、電源装置43は電源43aと可変抵抗器43bとから構成され、可変抵抗器43bで抵抗を調整することによりコイル40に流す電流を変え、リニアアクチュエータ42の電磁力を制御できるようになっている。
【0033】
可変抵抗器43bのドライバ44に制御手段としてのコントローラ45が接続され、このコントローラ45に、前述第1実施例と同様に操作ロッド41と洗浄具支持体14との間に設けられた圧力センサ23と圧力設定器35とが接続されている。
【0034】
コントローラ45には、第1の比較手段46と第2の比較手段47と減少信号出力手段48と増加信号出力手段49が備えられている。
第1の比較手段46では、圧力センサ23で感知される圧力と圧力設定器35で設定された設定圧力とを入力し、感知圧力と設定圧力から微少量減算した設定下限圧力とを比較し、感知圧力が設定下限圧力よりも小さくなったときに増加信号出力手段49に指令信号を出力し、増加信号出力手段49からドライバ44に増加信号を出力してリニアアクチュエータ42に対する電磁力を強め、洗浄具8が基板Wに付与する圧力が高くなるように構成されている。
【0035】
第2の比較手段47では、圧力センサ23で感知される圧力と圧力設定器35で設定された設定圧力とを入力し、感知圧力と設定圧力に微少量加算した設定上限圧力とを比較し、感知圧力が設定上限圧力よりも大きくなったときに減少信号出力手段48に指令信号を出力し、減少信号出力手段48からドライバ44に減少信号を出力してリニアアクチュエータ42に対する電磁力を弱め、洗浄具8が基板Wに付与する圧力が低くなるように構成されている。他の構成は第1実施例と同じであり、同一図番を付すことによりその説明は省略する。
【0036】
上記構成により、洗浄状態での洗浄具8が基板Wに付与する圧力を圧力センサ23が感知し、感知圧力の変化に基づいてリニアアクチュエータ42の電磁力を自動的に制御し、洗浄具8が基板Wに付与する圧力を、前述した設定上限圧力と設定下限圧力との設定範囲内に維持し、所定の圧力を基板Wに付与しながら洗浄処理できるようになっている。
【0037】
図7は第3実施例の要部の拡大縦断面図、図8は図7の側面図、図9は横断面図であり、第2実施例と異なるところは次の通りである。
すなわち、洗浄具支持体14と回転体10とが上下一対づつのリンク50…を介して平行四連リンク機構を構成するように連結されるとともに、洗浄具支持体14の上端に相対回転可能に取り付けた当接部材51と操作ロッド41とが、ロードセル型の圧力センサ23を介して当接されている。圧力センサ23の平面視における中心が洗浄具8の回転中心P2に一致するように設けられている。他の構成は第2実施例と同じであり、同一図番を付すことによりその説明は省略する。
【0038】
上述実施例では、洗浄具8とそれに一体の洗浄具支持体14とを回転体10に対して昇降するように構成したが、支持アーム7の先端側アーム部分7aに対して、洗浄具8と洗浄具支持体14とに回転体10を加えたものを昇降するように構成しても良い。
【0039】
図10は、本発明の回転式基板洗浄装置の第4実施例を示す全体概略縦断面図であり、装置フレーム52に支持筒体53がベアリング54を介して回転可能に設けられ、その支持筒体53に、支持アーム7の一端側に一体の回転支軸55が昇降のみ可能に設けられている。支持筒体53にプーリー56が一体的に取り付けられ、そのプーリー56と正逆転可能な電動モータ57とが伝動ベルト58を介して連動連結されている。
【0040】
支持アーム7の他端側に、洗浄具8を取り付けた洗浄具支持体14が回転のみ可能に設けられ、その洗浄具支持体14と、支持アーム7に設けた電動モータMとがベルト式伝動機構59を介して連動連結されている。
【0041】
回転支軸55の途中箇所にバネ座60が取り付けられ、そのバネ座60と支持筒体53との間に、回転支軸55を上昇させる側に付勢する圧縮コイルスプリング61が設けられ、自然状態で、わずかな支持力で洗浄具8を基板Wに対する洗浄位置に維持できるように重量均衡手段62が構成されている。
【0042】
回転支軸55の下方に対応位置させてリニアアクチュエータ42が設けられ、そのコイル40内の操作ロッド41に回転支軸55が圧力センサ23を介して支持されている。この構成により、その圧力センサ23による感知圧力が設定範囲よりも大きくなったときには電磁力を大にして支持アーム7を上昇するようにリニアアクチュエータ42を制御し、一方、圧力センサ23による感知圧力が設定範囲よりも小さくなったときには電磁力を小にして支持アーム7を下降するようにリニアアクチュエータ42を制御し、洗浄具8が基板Wに付与する圧力が設定範囲内に維持されるようにする。
【0043】
前述実施例における圧縮コイルスプリング17,61に代えて、弾性変位の程度にかかわらず反発力が一定の非線形バネを用いるようにしても良い。
【0044】
本発明としては、洗浄具8として、ナイロンブラシやモヘアブラシやスポンジ製やフェルト製などのように、軟質材料のものを使用する場合により好適に実施できるが、プラスチック製のものを使用する場合にも適用できる。
【0045】
また、上記実施例では、洗浄具8を基板Wの表面に沿って水平方向に変位するのに、電動モータにより支持アーム7を鉛直方向の第1の軸芯P1周りで回転させるように構成しているが、エアシリンダなどにより支持アーム7を直線方向に移動させるように構成しても良く、支持アーム7と電動モータとから成る構成や支持アーム7とエアシリンダとから成る構成などをして洗浄具移動手段と総称する。
【0046】
本発明としては、上述実施例のような円形基板に限らず、角型基板に対する回転式基板洗浄装置にも適用できる。
【0047】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の回転式基板洗浄装置によれば、基板の反り変形に起因して洗浄状態で洗浄具が回転基板に付与する圧力が変化するに伴い、押圧手段により洗浄具を基板に対して昇降させ、基板に付与する洗浄具の圧力を設定範囲内に維持するから、基板表面での反り変形に追随し、基板の反り変形のいかんにかかわらず、基板表面全面を、常に所定の圧力を付与しながら洗浄具によって均一に洗浄できるようになった。
【0048】
また、請求項2に係る発明の回転式基板洗浄装置によれば、基板の反り変形に起因して洗浄状態で洗浄具が回転基板に付与する圧力が変化するに伴い、洗浄具を取り付けた洗浄具支持体を回転体に対して押圧手段により昇降させ、基板に付与する洗浄具の圧力を設定範囲内に維持するから、例えば、洗浄具回転手段や洗浄具移動手段を支持する基端側において、その全体を昇降する場合に比べて、昇降すべき部材重量が軽量で迅速容易に洗浄具を昇降でき、基板表面での反り変形に追随しやすく、基板の反り変形のいかんにかかわらず、比較的簡単な構成で、基板表面全面を、常に所定の圧力を付与しながら洗浄具により均一に洗浄できるようになった。
【0049】
また、請求項3に係る発明の回転式基板洗浄装置によれば、重量均衡手段において洗浄具の自重と釣り合わせるから、基板に付与する圧力の変化に対して洗浄具とそれに一体の洗浄具支持体を昇降させるために必要な力が小さくて済み、押圧手段として作動力の小さい簡単な構成のものにできながら、基板に付与する圧力の変化に対して小さな力で良好に制御できるようになった。
【0050】
また、請求項4に係る発明の回転式基板洗浄装置によれば、重量均衡手段による洗浄具に対する支持力、ならびに、押圧手段によって洗浄具が基板に付与する圧力のいずれをも、回転する洗浄具に対して偏らずに作用させることができるから、基板に対して洗浄具を作用面全面にわたって均等に押圧でき、洗浄性能を向上でき、しかも、洗浄具が基板に付与する圧力を、洗浄具の回転中心に一致した状態で圧力センサによって感知するから、基板に付与する圧力を精度良く感知でき、それに基づいて洗浄具が基板に付与する圧力をより良好に制御し、洗浄性能を一層向上できるようになった。
【0051】
また、請求項5に係る発明の回転式基板洗浄装置によれば、回転基板に対して洗浄具が付与する圧力の変化に対して俊敏に応答するから、洗浄具を基板表面での反り変形に一層良好に追随させやすく、洗浄性能をより一層向上できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転式基板洗浄装置の第1実施例を示す全体概略縦断面図である。
【図2】平面図である。
【図3】要部の拡大縦断面図である。
【図4】第1実施例の制御構成を示すブロック図である。
【図5】第2実施例の要部の拡大縦断面図である。
【図6】第2実施例の制御構成を示すブロック図である。
【図7】第3実施例の要部の拡大縦断面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】図7の横断図である。
【図10】第4実施例の一部切欠正面図である。
【符号の説明】
4…基板保持手段
6…洗浄液供給手段としてのノズル
8…洗浄具
10…回転体
14…洗浄具支持体
18…重量均衡手段
21…押圧手段としてのエアシリンダ
23…圧力センサ
34…制御手段としてのコントローラ
42…押圧手段としてのリニアアクチュエータ
37…単動式エアシリンダ
62…重量均衡手段
M…洗浄具回転手段としての電動モータ
W…基板
Claims (5)
- 基板を鉛直方向の軸芯周りで回転可能に保持する基板保持手段と、
基板表面を洗浄する洗浄具と、
前記洗浄具を鉛直方向の軸芯周りで回転させる洗浄具回転手段と、
前記洗浄具を基板表面に沿って水平方向に変位する洗浄具移動手段と、
基板表面の前記洗浄具による洗浄箇所に洗浄液を供給する洗浄液供給手段とを備えた回転式基板洗浄装置において、
基板洗浄時に前記基板からの反力を受けるとともに前記洗浄具を前記基板に対して昇降可能に支持する押圧手段と、
前記洗浄具と前記押圧手段との間に、基板洗浄状態で前記洗浄具が前記基板に付与する圧力を感知する圧力センサを設けるとともに、前記圧力センサによって感知した圧力が設定範囲内に維持されるように前記押圧手段を作動する制御手段を設けたことを特徴とする回転式基板洗浄装置。 - 請求項1に記載の洗浄具回転手段によって回転される回転体に、洗浄具を一体的に取り付けた洗浄具支持体を押圧手段を介して昇降可能に設け、前記洗浄具支持体を前記基板に対して昇降するものである回転式基板洗浄装置。
- 請求項2に記載の回転体と洗浄具支持体との間に、洗浄具の自重と釣り合って前記洗浄具を所定高さに維持する重量均衡手段を備えてある回転式基板洗浄装置。
- 請求項3に記載の重量均衡手段、押圧手段および圧力センサそれぞれの平面視における中心を洗浄具の回転中心に一致させてある回転式基板洗浄装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の押圧手段が、電磁力を駆動源とするリニアアクチュエータである回転式基板洗浄装置。
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-
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