JP3539519B2 - サッシ枠の防水構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サッシ枠を壁部に形成された開口部に取付ける際のサッシ枠の防水構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プレハブ住宅を施工する方法の一つとして、住宅の床、壁、屋根等をパネルを用いて施工する方法が知られている。この施工方法は、予め工場等において木製の桟材を枠組みすることにより枠体を形成し、該枠体の少なくとも一面に合板等の面材を貼設することにより床パネル、壁パネル、屋根パネル等を製造し、施工現場においてこれらのパネルを組み付けていくことにより建物を構築する方法である。
【0003】
ところで、このようなパネル工法を用いて壁を形成するにあたり、例えば窓部を形成するには、図10に示すように、壁パネル1、1間の上部にそれぞれ小壁パネル2を取り付けることにより開口部を有する大型連結壁パネル3を形成し、該開口部内の壁パネル1、1の側面に方立材4,4を接着、釘打ち等によって取付固定する。そして、このようにして形成された小壁パネル2および方立材4,4に囲まれた開口部5内に、図11に示すようにサッシ枠6を嵌め込むとともに、サッシ枠6と開口部5の内周面との間にパッキン材7を介在させ、これらを釘6a…で止めることによって取付固定している。
【0004】
また、前記サッシ枠6の上面には、両面が粘着性を有する防水テープ8が貼付され、この防水テープ8の上面に、大型連結壁パネル3の表面に敷設される透湿防水シート9の縁部が貼付され、これによって、サッシ枠6と大型連結壁パネル3との間の防水をとっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の場合、サッシ枠、透湿防水シートの取付けが現場施行となってしまうので、これが工業化を損なう要員の一つとなっていた。
そこで、工場等において(大型連結)壁パネルに予めサッシ枠、透湿防水シートを取付けておくことが考えられるが、この場合、上述したような、サッシ枠の上面に、両面が粘着性を有する防水テープを貼付し、この防水テープの上面に、(大型連結)壁パネルの表面に敷設される透湿防水テープの縁部を貼付するといった、従来のサッシ枠の防水構造では、壁パネルにサッシ枠を先に取付け、その後、透湿防水シートを敷設することになる。したがって、この場合、壁パネルの表面からサッシ枠が突出しているので、透湿防水シートを壁パネルの表面に敷設し難いという問題がある。
【0006】
つまり、工場等においては、壁パネルが生産ラインを順次搬送され、この搬送ライン中において、壁パネルの表面全体に上から透湿防水シートを平坦に敷いて貼設し、該透湿防水シートを前記開口部の分だけカットするのであるが、壁パネルにサッシ枠が取付けられていると、透湿防水シートを壁パネルの表面に平坦に敷くのが難しく、その上、透湿防水シートを前記開口部の分だけ正確にカットするのが難しいのである。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、透湿防水シートの敷設とサッシ枠の取付けを容易に行うことができるサッシ枠の防水構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のサッシ枠の防水構造は、図2に示すように、開口部5が形成された壁部10の壁面に敷設される防水シート11を、前記開口部5の縁部を覆うようにして設け、前記開口部5の周囲の壁面に、サッシ枠6を前記防水シート11の上から取付け、さらに、前記サッシ枠6の外周縁部と前記防水シート11とに、これらを接合する防水テープ13を貼設したものである。
【0009】
前記防水シート11としては、水は透過せず水蒸気は透過するミクロなポアを有した透湿防水シート11が好ましく、具体的にはタイベック(商品名:デュポン社製)または、ルクサー(商品名:旭化成株式会社製)等かならなるものである。また、防水シート11としては、一般的なサイディング工事に使用されるフェルト等を用いてもよい。
また、前記防水シート11を前記開口部5の縁部を覆うようにして設ける場合、壁部10の壁面全体に防水シート11を敷いて貼設した後に、前記開口部5の分だけ防水シート11をカットして設けるか、あるいは、防水シート11を予め前記開口部5の分だけカットしておき、この防水シート11を壁面に敷設してもよい。
【0010】
前記防水テープ11は、片面に接着材が塗布された帯状をなすもので、具体的には防水テープ50(宇部興産社製)からなるものである。この防水テープ11を前記サッシ枠6の外周縁部と前記防水シート11とに貼設する場合、接着材が塗布された面を下にして、前記開口部5の縁部に沿って貼設する。
【0011】
請求項1のサッシ枠の防水構造にあっては、壁部10の壁面に敷設される防水シート11を、開口部5の縁部を覆うようにして設け、前記開口部5の周囲の壁面に、サッシ枠6を前記防水シート11の上から取付けているので、サッシ枠6を取付ける前に、防水シート11を壁面に敷設することができる。したがって、防水シート11を壁面に容易かつ確実に平坦に敷設することができ、この防水シート11を敷設した後にサッシ枠6を容易に取付けることができる。
また、前記防水シート11を前記開口部5の分だけ正確にカットするのも、該開口部5の縁に沿って防水シート11をカッター等でカットするだけで簡単に行える。
さらに、前記サッシ枠6の外周縁部と前記防水シート11とに、これらを接合する防水テープ13を貼設しているので、サッシ枠6と防水シート11との間への水の侵入を防止でき、よって、サッシ枠6と壁面との間を防水を確実に行うことができる。
【0012】
請求項2のサッシ枠の防水構造は、図3に示すように、請求項1において、前記開口部5の上端縁部の壁面に防水テープ14を貼設し、この防水テープ14上に防水シート11の縁部を貼設したものである。
前記防水テープ14は、両面に接着剤が塗布された帯状をなすもので、具体的にはブチルシーラー30(宇部興産社製)からなるものである。
【0013】
請求項2のサッシ枠の防水構造にあっては、前記開口部5の上端縁部の壁面に防水テープ14が貼設され、この防水テープ14の上に前記防水シート11の縁部が貼設されているので、開口部5の上端側に位置する防水シート11の縁部を防水テープ14を介して開口部5の上端縁部の壁面に確実に貼着することができ、よって、開口部5の上端縁部の防水をより確実なものとすることができる。
【0014】
請求項3のサッシ枠の防水構造は、図8に示すように、請求項1または2において、前記サッシ枠6の上端部より上方の壁面に、前記防水シート11の上からシャッターボックス21を取付け、当該シャッターボックス21と前記防水シート11とに、これらを接合する防水テープ24を貼設したものである。
【0015】
前記防水テープ24は、片面に接着材が塗布された帯状をなすもので、具体的には防水テープ50(宇部興産社製)からなるものである。この防水テープ24をシャッターボックス21と前記防水シート11とに貼設する場合、接着材が塗布された面を下にして、前記シャッターボックス21の上端部と両側部に沿って貼設する。
【0016】
請求項3のサッシ枠の防水構造にあっては、前記壁面に防水シート11の上からシャッターボックス21を取付けているので、壁面とシャッターボックス21との間の防水を確実にとることができ、しかも、該シャッターボックス21と前記防水シート11とに、これらを接合する防水テープ24を貼設しているので、シャッターボックス21と防水シート11との間への水の侵入を確実に防止できる。
【0017】
請求項4のサッシ枠の防水構造は、図1〜図3に示すように、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記サッシ枠6を取付けるべき開口部5が形成された壁部10を、桟材1a,2aを枠状に組んでなる枠体の両面に面材1b,2bを貼設してなる壁パネル1,2で構成したものである。
【0018】
前記サッシ枠を取付けるべき開口部は、前記壁パネル自体に開口部を形成したり、複数枚の壁パネルを組み付けることにより、開口部を形成してもよい。複数枚の壁パネルを組み付ける場合、例えば、壁パネルを正面視においてロ字状に組み付けたり、あるいは、コ字状に組み付けることにより、その中央部にサッシ枠を取付けるべき開口部を形成する。
【0019】
請求項4のサッシ枠の防水構造にあっては、工場等において、予め、壁パネル(大型連結パネル3)に防水シート11を敷設するとともに、開口部5にサッシ枠6を取付けることによって、施工現場での防水シート11の敷設およびサッシ枠6の取付けが省略されるとともに、施工現場にて単に他の壁パネルとともに組み立てるだけで、窓部を含む壁部を構築することができ、これにより、工期の短縮化を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明のサッシ枠の防水構造の実施の形態の一例を説明する。
図1は本発明のサッシ枠の防水構造に係るサッシ枠を取付けるべき壁部を示す斜視図である。また、図2および図3は本発明のサッシ枠の防水構造の一例を示す要部の断面図であり、図1はサッシ枠の側部側を示す断面図、図2はサッシ枠の上部側を示す断面図である。
図1に示すように、壁部10は、壁パネル1、1間の上部にそれぞれ小壁パネル2を取り付けることにより形成された大型連結壁パネル3であり、該大型連結壁パネル3には、サッシ枠6を取付けるべき開口部5が形成されている。この開口部5内の壁パネル1、1の側面には方立材4,4が接着、釘打ち等によって取付固定されている。
なお、前記壁パネル1は、図2に示すように、桟材1aを枠状に組んでなる枠体の両面に面材1b,1bを貼設して構成され、また、小壁パネル2も同様に、図3に示すように、桟材2aを枠状に組んでなる枠体の両面に面材2b,2bを貼設して構成されている。
【0021】
前記壁部10の外側の壁面全体には透湿防水シート11が敷設されており、この透湿防水シート11は、図2に示すように、前記開口部5の縁部を覆うようにして設けれられている、つまり、透湿防水シート11は、その内側の縁が前記開口部5の縁に合致するようにして設けられている、
また、前記開口部5の周囲の壁面のうち、開口部の両側に位置する前記方立材4の側面には、サッシ枠6が前記透湿防水シート11の上から設置され、釘12aによって固定されている。さらに、サッシ枠6は開口部5に嵌め込まれるとともに、サッシ枠6と開口部5の内周面との間にパッキン材7を介在させ、これらを釘12bで止めることによって取付固定されている。
【0022】
また、前記サッシ枠6の外周縁部と前記透湿防水シート11とには、これらを接合する防水テープ13が貼設されている。この防水テープ13は、片面に接着材が塗布された帯状をなすものであり、接着材が塗布された面を下にして、前記開口部5の縁部に沿って貼設されている。
【0023】
一方、前記開口部5の周囲の壁面のうち、開口部5の上部側に位置する小壁パネル2の桟材2aの側面には、図3に示すように、防水テープ14が貼設されている。この防水テープ14は、両面に接着剤が塗布された帯状をなすもので、具体的にはブチルシーラー30(宇部興産社製)からなるものである。
また、前記壁面全体に敷設された透湿防水シート11の内側の縁は前記開口部5の縁に合致するようにして設けられている、
前記桟材2aの側面には、サッシ枠6が前記透湿防水シート11の上から設置され、釘12aによって固定されている。また、サッシ枠6は開口部5に嵌め込まれるとともに、サッシ枠6と開口部5の内周面との間にパッキン材7を介在させ、これらを釘12bで止めることによって取付固定されている。さらに、前記サッシ枠6の外周縁部と前記透湿防水シート11とには、これらを接合する防水テープ13が貼設されている。
【0024】
上記のようなサッシ枠の防水構造においては、前記開口部5に、サッシ枠6を前記透湿防水シート11の上から取付けているので、サッシ枠6を取付ける前に、透湿防水シート11を壁面に敷設することができる。したがって、透湿防水シート11を壁面に容易かつ確実に平坦に敷設することができる。
また、前記サッシ枠6の外周縁部と透湿前記防水シート11とに、これらを接合する防水テープ13を貼設しているので、サッシ枠6と透湿防水シート11との間への水の侵入を防止でき、よって、サッシ枠6と壁面との間を防水を確実に行うことができる。
【0025】
また、前記開口部5の上端側の壁面に防水テープ14を貼設し、この防水テープ14の上に前記透湿防水シート11の縁部を貼設したので、開口部5の上端側に位置する透湿防水テープ11の縁部を防水テープ14を介して開口部5の上端側の壁面に確実に貼着することができ、よって、開口部5の上端側の防水をより確実なものとすることができる。
さらに、サッシ枠6を取付けるべき壁部10を、壁パネル1,1と小壁パネル2とからなる大型連結壁パネル3で構成したので、この大型連結パネル3を工場等で製造するとともに、該大型連結壁パネル3に上述したように、透湿防水シート11を敷設し、サッシ枠6を取付けることによって、施工現場での透湿防水シート11の敷設およびサッシ枠の取付けを省略することができ、工期の短縮化を図ることができる。
【0026】
次に、上記構成のサッシ枠の防水構造を含み、かつ、外壁材(サイディング)やシャッターボックス等が取付けられた大型連結壁パネルの製造方法について説明する。
まず、図1に示すように、壁パネル1、1間の上部にそれぞれ小壁パネル2を取り付けることにより大型連結壁パネル3を形成し、この大型連結壁パネル3の開口部5内の壁パネル1、1の側面に方立材4,4を接着、釘打ち等によって取付固定し、次いで、前記開口部5の上端側の壁面に防水テープ14を貼設する。
【0027】
次に、図4に示すように、大型連結壁パネル3の下端部に、半土台15を壁パネル1,1の下端部を連結するようにして、スクリューボルト16…によって固定する。この半土台15は、壁パネル1の厚さの半分の幅を有する角材状のもので、基礎等の上面の一部に設置されるようになっている。なお、基礎等の上面の残りには床パネルの端部が設置される。
【0028】
次に、図5に示すように、大型連結壁パネル3の外側の表面全体に透湿防水シート11を敷設し、接着剤、タッカー打ち等によって貼付する。また、前記透湿防水シート11は、大型連結壁パネル3の上下端および左端から延出するようにして敷設し、さらに、前記開口部5の分だけ透湿防水シート11をカットする。この透湿防水シート11のカットは、開口部5の縁に沿ってカッター等でカットするだけで簡単に行える。また、開口部5の上端側においては、前記防水テープ14上に透湿防水シート11の縁部がピッタリと貼付される。
【0029】
次に、大型連結壁パネル3の表面に前記透湿防水シート11の上から複数の胴縁17…を所定の位置に取付ける。これら胴縁17…の取付けは、釘打ち等によって行い、該釘は大型連結壁パネル3内の桟材に打ち込む。
また、前記開口部5の下側に止水プレート18を取付けるとともに、該開口部5にサッシ枠6を嵌め込み、このサッシ枠6を図2および図3に示すように、釘12a,12bによって固定し、さらに、図5に示すように、サッシ枠6の上端側にコーキング材19を充填する。
【0030】
次に、図6に示すように、前記サッシ枠6の外周部の3辺に、該外周部と前記透湿防水シート11とを接合する防水テープ13を貼設する。また、サッシ枠13の上端側の大型連結壁パネル3の表面に、左右一対の引掛金具20,20を透湿防水シート11の上から取付ける。この金具20の取付けは釘打ちによって行い、該釘は大型連結壁パネル3内の桟材に打ち込む。
次に、図7に示すように、前記引掛金具20,20にシャッターボックス21を取付けるとともに、サッシ枠6の下側にシャッター水切22を取付ける。
【0031】
次に、図8に示すように、サッシ枠6の両側に、ガイドレール下地枠23,23を取付ける。該ガイドレール下地枠23,23は前記シャッターボックス21から垂下するもので、その内部には、シャッターボックス21内に収納されているシャッタの下方への移動をガイドするガイドレールが取付けられる。
また、前記シャッターボックスと前記透湿防水防水シート11とに、これらを接合する防水テープ24を貼設する。
前記防水テープ24は、片面に接着材が塗布された帯状をなすもので、具体的には防水テープ50(宇部興産社製)からなるものである。この防水テープ24をシャッターボックス21と前記透湿防水シート11とに貼設する場合、接着材が塗布された面を下にして、前記シャッターボックス21の上端部と両側部に沿って貼設する。
【0032】
このように、前記大型連結壁パネル3の表面に、透湿防水シート11の上からシャッターボックス21を取付けることにより、大型連結壁パネル3の表面とシャッターボックス21との間の防水を確実にとることができ、しかも、該シャッターボックス21と透湿防水シート11とに防水テープ24を貼設しているので、シャッターボックス21と透湿防水シート11との間への水の侵入を防止できる。
【0033】
次に、図9に示すように、前記ガイドレール下地枠23,23の外周縁部と、前記シャッターボックス21の上端部と両端部とにバックアップ材25を取付けた後、大型連結壁パネル3の表面にサイディング26…を取付ける。該サイディング26…の取付けは、これを前記胴縁17…に釘打ち等によって貼設することにより行い、また、サイディング26…の前記開口部5側の縁部は、前記バックアップ材25に圧接させる。なお、サイディング26と、ガイドレール下地枠23,23およびシャッターボックス21との間の若干の隙間には、施行現場にてコーキング材を前記バックアップ材25の上から充填する。
上記のようにしてサイディング26…を取付けたならば、前記大型連結壁パネル3の上下端および左端から延出している透湿防水シート11の縁部を折り返してサイディング26…に接着テープ27…等によって仮止めするとともに、シャッターボックス21上に養生を施す。
【0034】
そして、上記のようにして組立られた大型連結壁パネル3は、施行現場に搬送され、施工現場にて、他の大型連結壁パネルあるいは、単なる壁パネルとともに組み立てるだけで、窓部を含む壁部を構築することができ、これにより、工期の短縮化を図ることができる。
また、前記大型連結壁パネル3において、その上下端および左端から透湿防水シート11が延出しているので、該大型連結壁パネル3に、他の大型連結壁パネルあるいは、単なる壁パネルを接合する際には、左右方向には左端から延出している透湿防水シート11を、接合すべきパネルに敷設された透水防湿シート上に重ね合わせ、また、上下方向には延出している透湿防水シート11を、接合すべきパネルに敷設された透水防湿シート上に、上側の透湿防水シートが上になるようにして重ね合わせることにより、パネル接合部における防水処理を行うことができる。
【0035】
なお、上記の説明では、本発明のサッシ枠の防水構造において、サッシ枠6を取付けるべき壁部を大型連結パネル3で構成したが、これに限ることなく、サッシ枠を取付けるべき壁部は単体の壁パネルでもよく、さらには、いわゆるツーバイフォー工法における壁部でもよく、また、在来の軸組工法における壁部でもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1のサッシ枠の防水構造は、開口部が形成された壁部の壁面に敷設される防水シートを、前記開口部の縁部を覆うようにして設け、前記開口部の周囲の壁面に、サッシ枠を前記防水シートの上から取付け、さらに、前記サッシ枠の外周縁部と前記防水シートとに、これらを接合する防水テープを貼設したものであるから、サッシ枠を取付ける前に防水シートを平な壁面に敷設することができる。したがって、防水シートを壁面に容易かつ確実に平坦に敷設することができ、この防水シートを敷設した後にサッシ枠を容易に取付けることができる。
【0037】
また、前記サッシ枠の外周縁部と前記防水シートとに、これらを接合する防水テープを貼設しているので、サッシ枠と防水シートとの間への水の侵入を防止でき、よって、サッシ枠と壁面との間を防水を確実に行うことができる。
さらに、前記防水シートを前記開口部の縁部を覆うようにして設ける場合、防水シートを壁面全体にに敷設した後、該防水シートを前記開口部の縁に沿ってカッター等でカットするだけで簡単に行うことができる。
【0038】
請求項2のサッシ枠の防水構造は、請求項1において、前記開口部の上端縁部の壁面に防水テープを貼設し、この防水テープ上に防水シートの縁部を貼設したものであるから、開口部の上端側に位置する防水シートの縁部を防水テープを介して開口部の上端縁部の壁面に確実に貼着することができ、よって、開口部の上端縁部の防水をより確実なものとすることができる。
【0039】
請求項3のサッシ枠の防水構造は、請求項1または2において、前記サッシ枠の上端部より上方の壁面に、前記防水シートの上からシャッターボックスを取付け、当該シャッターボックスと前記防水シートとに、これらを接合する防水テープを貼設したものであるから、壁面とシャッターボックスとの間の防水を確実にとることができ、しかも、シャッターボックスと防水シートとの間への水の侵入を防止できる。
【0040】
請求項4のサッシ枠の防水構造は、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記サッシ枠を取付けるべき開口部が形成された壁部を、桟材を枠状に組んでなる枠体の両面に面材を貼設してなる壁パネルで構成したものであるから、工場等において、予め、壁パネルに防水シートを敷設するとともに、開口部にサッシ枠を取付けることによって、施工現場での防水シートの敷設およびサッシ枠の取付けが省略されるとともに、施工現場にて単に他の壁パネルとともに組み立てるだけで、窓部を含む壁部を構築することができ、これにより、工期の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサッシ枠の防水構造に係るサッシ枠を取付けるべき壁部を示す斜視図である。
【図2】本発明のサッシ枠の防水構造の実施の形態の一例を示すもので、壁パネルのサッシ枠が取付けれた側部側の要部断面図である。
【図3】同、壁パネルのサッシ枠が取付けれた上部側の要部断面図である。
【図4】本発明のサッシ枠の防水構造を含む大型連結パネルの製造方法を説明するためのもので、半土台を取付けた状態を示す斜視図である。
【図5】同、透湿防水シートとサッシ枠を取付けた状態を示す斜視図である。
【図6】同、防水テープを貼設した状態を示す斜視図である。
【図7】同、シャッターボックスを取付けた状態を示す斜視図である。
【図8】同、シャッターボックスの外周に防水テープを貼設した状態を示す斜視図である。
【図9】同、サイディングを取付けた状態を示す斜視図である。
【図10】従来のサッシ枠の防水構造の一例を説明するためのもので、サッシ枠を取付けるべき大型連結パネルを示す斜視図である。
【図11】同、壁パネルにサッシ枠を取付けた状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 壁パネル
2 小壁パネル
3 大型連結壁パネル
5 開口部
6 サッシ枠
11 透湿防水シート(防水シート)
13,14 防水テープ
21 シャッターボックス

Claims (4)

  1. サッシ枠を壁部に形成された開口部に取付ける際のサッシ枠の防水構造であって、
    前記壁部の壁面に敷設される防水シートが、前記開口部の縁部を覆うようにして設けられ、前記開口部の周囲の壁面に、前記サッシ枠が前記防水シートの上から取付けられ、さらに、前記サッシ枠の外周縁部と前記防水シートとには、これらを接合する防水テープが貼設されていることを特徴とするサッシ枠の防水構造。
  2. 請求項1記載のサッシ枠の防水構造において、
    前記開口部の上端縁部の壁面には防水テープが貼設され、この防水テープ上に前記防水シートの縁部が貼設されていることを特徴とするサッシ枠の防水構造。
  3. 請求項1または2記載のサッシ枠の防水構造において、
    前記サッシ枠の上端部より上方の壁面には、前記防水シートの上からシャッターボックスが取付けられ、当該シャッターボックスと前記防水シートとには、これらを接合する防水テープが貼設されていることを特徴とするサッシ枠の防水構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のサッシ枠の防水構造において、
    前記サッシ枠を取付けるべき開口部が形成された壁部が、桟材を枠状に組んでなる枠体の両面に面材を貼設してなる壁パネルで構成されていることを特徴とするサッシ枠の防水構造。
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