JP3539073B2 - 磁気ヘッド - Google Patents

磁気ヘッド

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JP3539073B2
JP3539073B2 JP15253696A JP15253696A JP3539073B2 JP 3539073 B2 JP3539073 B2 JP 3539073B2 JP 15253696 A JP15253696 A JP 15253696A JP 15253696 A JP15253696 A JP 15253696A JP 3539073 B2 JP3539073 B2 JP 3539073B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビデオテー
プレコーダー(VTR)やデジタルオーディオテープレ
コーダー(R−DAT)等の高密度記録可能な磁気記録
再生装置に搭載して好適な、磁気ギャップに所定のアジ
マス角が付与された磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、高密度記録化を行うためには、
磁気記録媒体に記録されているトラックパターンをなる
べく狭くすることが必要となる。その一つの手法とし
て、トラック間にガードバンドを設けずに記録を行う、
いわゆるガードバンドレス記録方式がある。かかる記録
方式では、ガードバンドがないことから記録密度の向上
を図ることができる。
【0003】しかし、このガードバンドレス記録方式に
おいては、各トラック間にガードバンドがないことか
ら、磁気ヘッドが隣接するトラックの信号をトレース
(再生)する際に生じる、いわゆる隣接クロストークが
問題となる。
【0004】これを、家庭用VTRに搭載される磁気ヘ
ッドにより説明すると、図1に示すように、この磁気ヘ
ッドでは、通常、記録と再生は兼用になっており、この
ため再生の互換性を確保するために、記録トラックピッ
チよりも再生ヘッドのヘッド幅(ギャップの幅)HWの
方が広く形成されている。
【0005】したがって、この家庭用VTRに搭載され
る磁気ヘッドによりガードバンドがない記録パターンを
再生する場合、上記磁気ギャップのズレが生じている部
分G1が求めるトラックTAに隣接する隣接トラックT
Bの信号を拾うこととなり、上記隣接クロストークが生
じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の磁気
ヘッドでは、例えば家庭用デジタルVTRの場合、アジ
マス記録された信号を再生してみると、再生C/Nを一
定にしても、得られるエラーレートに±1桁程度のバラ
ツキがあり、このバラツキの下限で磁気ヘッドが搭載さ
れる家庭用デジタルVTR等の磁気記録再生装置を設計
しなければならなかった。
【0007】また、従来の磁気ヘッドでは、例えば家庭
用VTRの標準テープ送り速度を2/3にして、録画再
生時間を1.5倍にしようとする長時間録画において、
C/N不足で再生に充分なエラーレートが得られないと
いう問題を有してした。
【0008】他方、高密密度記録化に伴い、磁気テープ
上に記録されるパターンのピッチであるトラックピッチ
が狭くなると、上記隣接クロストークの影響が大きくな
り、S/Nやエラーレートの劣化の原因となることが知
られている。
【0009】このため、従来の磁気ヘッドにおいて、再
生時の隣接クロストークの影響をできるだけ抑えるため
には、トラック幅規制溝の角度を磁気ギャップ対向面に
対してほぼ垂直になるように形成することが考えられ
る。
【0010】しかしながら、このような形状の磁気ヘッ
ドは、磁気ギャップ近傍の磁気コアの断面積が小さくな
り、記録再生の点で好ましくない。
【0011】このため、例えば、トラック幅規制溝の角
度を大きく、すなわち大きな角度のV字状溝に形成する
ことにより、一対の磁気コア半体の磁気ギャップ形成用
突部の両端縁まで可能な限り一致させることが考えられ
るが、従来の磁気ヘッドの製造方法は、一対の磁気コア
半体の磁気ギャップ形成用突部が両端部まで完全に一致
して突き合わされるわけでなく、一対の磁気コア半体の
磁気ギャップ形成用突部の端部のズレが生じる。このズ
レにより、隣接クロストークが生じることが知られてい
るが、このズレと隣接クロストークとの関係については
具体的に明らかにされていない。
【0012】また、トラック幅規制溝の角度を大きくす
ると、従来の磁気ヘッドの製造方法は、このトラック幅
規制溝のエッジでのみ磁気ギャップの突き合わせ作業を
行うために、加工歩留まりが著しく劣化する問題を有し
ていた。
【0013】そこで、本発明は、かかる従来の技術的な
課題に鑑みて提案されたものであって、隣接クロストー
クの影響を少なく抑えることができる磁気ヘッドを提供
することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、磁気ギャップの
トラック幅のズレ量、方向を規制することにより、隣接
クロストークの影響を少なく抑えることができることを
見い出した。
【0015】すなわち、本発明者等は、図4及び図5に
示す実験結果を得たが、かかる実験結果を詳細に検討し
て、後述する作用・効果を実現し得る発明を完成した。
【0016】まず、磁気ギャップのズレが生じている場
合としては、図3に示すように、一対の磁気コア半体の
磁気ギャップ形成用突部の端部のズレにより生じる中心
線Fの方向が求める記録トラックTAと隣接する記録ト
ラックTBのアジマス角に近くなる方向となる場合と、
図2に示すように、一対の磁気コア半体の磁気ギャップ
形成用突部の端部のズレにより生じる中心線Fの方向が
求める記録トラックTAと隣接する記録トラックTBの
アジマス角と遠くなる方向となる場合に分けられる。
【0017】すなわち、ここで、磁気ギャップgのズレ
G1による開き角θの二等分線の方向Fと隣接する記録
トラックのアジマス記録の角度との関係を問題として、
図2の場合を「+方向の磁気ギャップのズレ」とし、図
3の場合、「−方向の磁気ギャップのズレ」と言うこと
とする。
【0018】なお、再生ヘッドのヘッド幅(ギャップの
幅)HWが隣接する記録トラックTBに及ぶ部分G2で
は、正規の磁気ギャップによって求められるトラックT
Aの信号が拾われ、いわゆる逆アジマスをスキャンする
ために、隣接する記録トラックTBの信号を拾うような
ことはない。
【0019】そこで、これら両者の場合の隣接クロスト
ークの影響を検討すると、上記+方向の磁気ギャップの
ズレの場合は、図4に示すように、隣接クロストークの
影響が小さいことが分かる。他方、−方向の磁気ギャッ
プのズレの場合には、図5に示すように、隣接クロスト
ークの影響が大きいことが分かる。
【0020】ここで、図4及び図5は、上記磁気ギャッ
プのズレが生じている場合の隣接クロストークによりエ
ラーレートがどのように変化するかを示す特性図であ
る。また、図4及び図5は、磁気ヘッドのアジマス角が
±20°の場合である。また、図4及び図5に示すプロ
ット(縦線)は、隣接クロストークの影響を、「有
り」、「無し」で測定した結果であり、縦線の下はクロ
ストークの影響のない分のプロットであり、縦線の上は
クロストークの影響のある分のプロットである。一つの
線が1つの磁気ヘッドのデータを示す。
【0021】ところで、正規の磁気ギャップgで拾う隣
接のパターン成分は、アジマス損失によって周波数の高
い部分は抑えられるが、磁気ギャップのズレによる隣接
パターンは、−方向の磁気ギャップのズレの場合、アジ
マス損失はほとんど期待することができない。実際に、
周波数の高い部分では、正規の磁気ギャップから拾う量
よりも5dB程度高い場合がある。したがって、例え
ば、パーシャルレスポンスクラス4の信号のように、低
域の成分を信号検出に使わないシステムでは、このよう
な比較的高周波の隣接トラックからの漏れ込みが信号検
出にかなり影響を与えていることになる。
【0022】そこで、本発明の磁気ヘッドは、上述の課
題を解決するために、トラック幅規制溝が形成され磁気
ギャップ形成用突部が形成された一対の磁気コア半体
を、トラック幅規制溝形成面が互いに対向するように突
き合わせて接合一体化し、上記磁気ギャップ形成用突部
の突き合わせ面間に磁気ギャップを形成してなる磁気ヘ
ッドにおいて、磁気ギャップがアジマス角を有するとと
もに、各磁気コア半体の磁気ギャップ形成用突部の突き
合わせ位置にトラック幅方向のズレが付与され、前記ズ
レは、磁気ギャップ形成用突部の突き合わせ面とこれと
対向するトラック幅規制溝の壁面との中心線と、隣接す
る記録トラックのアジマス方向とがなす角度が、磁気ギ
ャップと前記隣接する記録トラックのアジマス方向とが
なす角度よりも大きくなる方向のズレであることを特徴
とする。
【0023】本発明の磁気ヘッドは、一対の磁気コア半
体の突き合わせ部の端部のズレにより生じる疑似ギャッ
プの中心線の方向が求めるトラックと隣接する記録トラ
ックのアジマス記録の角度から遠くなる方向に形成する
ことにより、隣接する記録トラックのアジマス記録に影
響を与えるようなことがなくなり、再生する際に隣接チ
ャンネルからのクロストークを抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0025】本実施の形態は、磁気ギャップ部を金属磁
性膜により形成するようにしたメタル・イン・ギャップ
(Metal in Gap)型の磁気ヘッド(以下、
「MIGヘッド」と称する。)に適用したものである。
【0026】本例の磁気ヘッドは、図6に示すように、
フェライトよりなる磁気コア基板1,2とこの磁気コア
基板1,2の突き合わせ面にそれぞれ被着形成される金
属磁性膜3,4とからなる一対の磁気コア半体5,6と
によって閉磁路が構成され、その金属磁性膜3,4の突
き合わせ面間に記録再生ギャップとして動作するアジマ
ス角が付与された磁気ギャップgが形成されている。
【0027】上記磁気コア基板1,2は、例えばフェラ
イト等の酸化物磁性材料からなり、主コアとして機能す
るコア断面積が小さい金属磁性膜3,4をバックアップ
する補助コアとして機能するようになっている。つま
り、金属磁性膜3,4のコア断面積が小さい分、この磁
気コア基板1,2のコアボリュームによって再生出力の
劣化を防止するようになっている。
【0028】また、この磁気コア基板1,2において
は、その突き合わせ面側の形状が断面略々台形状として
形成されている。すなわち、この磁気コア基板1,2の
突き合わせ面側は、上記磁気ギャップgと平行なギャッ
プ形成面7,8と、このギャップ形成面7,8の両端部
に上記磁気ギャップgのトラック幅Twを規制するため
のトラック幅規制溝9,10,11,12が形成されて
いる。
【0029】なお、上記トラック幅規制溝7,8,9,
10内には、それぞれ磁気記録媒体との当たり特性を確
保すると共に摺接による偏摩耗を防止する目的で、ガラ
ス等の非磁性材14が充填されている。
【0030】また、一方の磁気コア基板1の突き合わせ
面には、磁気ギャップgのデプスを規制するとともに、
図示しないコイルを巻装するための断面略コ字状の巻線
溝13がコア厚方向に形成されている。
【0031】一方、金属磁性膜3,4は、磁気コア基板
1,2の突き合わせ面に、フロント側よりバック側にわ
たって成膜されている。すなわち、上記金属磁性膜3,
4は、磁気コア基板1,2のギャップ形成面7,8及び
この両端縁側に設けられるトラック幅規制溝9,10,
11,12上にそのフロント側よりバック側にわたって
形成されている。
【0032】上記金属磁性膜3、4には、高い飽和磁束
密度を有し、且つ軟磁気特性に優れた強磁性材料が使用
されるが、この強磁性材料としては、従来より公知の結
晶質、非結晶質、あるいは微結晶質のものが使用でき
る。
【0033】例示するならば、Fe−Al−Si系合金
(センダスト)、Fe−Si−Co系合金、Fe−Ni
系合金、Fe−Al−Ge系合金、Fe−Ga−Ge系
合金、Fe−Si−Ge系合金、Fe−Si−Ga系合
金、Fe−Si−Ga−Ru系合金、Fe−Co−Si
−Al系合金等が挙げられる。また、耐蝕性や耐摩耗性
等の一層の向上を図るために、Ti,Cr,Mn,Z
r,Nb,Mo,Ta,W,Ru,Os,Rh,Ir,
Re,Ni,Pd,Pt,Hf,V等の少なくとも一種
を添加したものであってもよい。また、酸素含有センダ
スト,窒素含有センダスト、酸素含有Fe−Si−Ga
−Ru系合金、窒素含有Fe−Si−Ga−Ru系合金
等の結晶質磁性膜でも良い。さらには、Fe系微結晶
膜、Co系微結晶膜を用いてもよい。
【0034】これら金属磁性膜3,4の成膜方法として
は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、クラスター・イオンビーム法等に代表される真
空薄膜形成技術がいずれも採用される。
【0035】また、金属磁性膜3,4は、前記強磁性合
金材料の単層膜であっても良いが、例えばSiO2 ,T
23 ,ZrO2 ,Si3 NO4 等の絶縁膜を介して
何層にも積層した積層膜とするようにしても良い。
【0036】そして、本例の磁気ヘッドにおいては特
に、図2に示すように、各磁気コア半体5,6の磁気ギ
ャップ形成用突部24Aの突き合わせ位置にトラック幅
方向のズレG1が付与されている。
【0037】前記ズレG1は、磁気ギャップ形成用突部
24Aの突き合わせ面8とこれと対向するトラック幅規
制溝の壁面10との中心線Fと、隣接する記録トラック
TBのアジマス方向とがなす角度θ1が、磁気ギャップ
gと前記隣接する記録トラックTBのアジマス方向とが
なす角度θよりも大きくなる方向にズレである。なお、
以下、このズレを「+方向の磁気ギャップのズレ」と言
う。
【0038】これは、図4に示すように、磁気ギャップ
のズレG1の部分が拾う隣接パターン信号の量は磁気ギ
ャップのズレG1の方向に強く依存するためである。す
なわち、トラック幅Twを規制するトラック幅規制溝1
0,11の磁気ギャップgのズレG1による開き角θの
二等分線の方向Fが隣接する記録トラックのアジマス記
録の角度から遠くなる方向に形成することにより、隣接
する記録トラックのアジマス記録に影響を与えるような
ことがなくなり、隣接チャンネルからのクロストークを
減少させることができるからである。
【0039】そこで、本実施の形態では、トラック幅T
wを規制するトラック幅規制溝10,11の磁気ギャッ
プgのズレG1による開き角θの二等分線の方向Fが隣
接する記録トラックのアジマス記録の角度から遠くなる
方向に形成されている。
【0040】次に、本実施の形態の磁気ヘッドの製造方
法について説明する。
【0041】先ず、図7に示すように、フェライト材よ
りなる基板21を用意する。そして、平面研削盤を用い
て基板21の平面出しを行う。
【0042】本例では、上記基板21として、磁性フェ
ライト材の単結晶あるいは多結晶、これらの接合材が挙
げられる。
【0043】また、本実施の形態に用いた単結晶フェラ
イトの面方位は図7に示す通りであるが、他の面方位の
単結晶基板、多結晶基板や、単結晶フェライトと多結晶
フェライトとの接合基板等を用いてもよい。
【0044】次に、スライサーを用いて、図8に示すよ
うに、基板21の長手方向に巻線溝22と、ガラス溝2
3を2つずつ形成する。すなわち、基板21の中央から
これら巻線溝22と、ガラス溝23が各々対称となるよ
うにして形成する。このように形成することにより、上
記一つの基板21から一対の磁気コア半体となる一対の
磁気コアブロック21a,21bが形成されることにな
る(図13参照)。
【0045】次いで、スライサーを用いて、図9に示す
ように、巻線溝22、ガラス溝23と直角の方向、すな
わち基板21の幅方向にトラック幅規制溝24を形成す
る。そして、このトラック幅規制溝24の形成の際に、
位置合わせ溝25,26を形成して、位置合わせ用突起
部25A,25B,26A,26Bを形成する。
【0046】ここで、これらの位置合わせ用突起部25
A,25Bの幅H2と、位置合わせ用突起部26A,2
6Bの幅H3は、その突き合わせ幅の間隔が異なるもの
である。なお、これらトラック幅規制溝24と位置合わ
せ溝25,26を形成した後は、ポリッシング等により
基板21の表面の鏡面加工を行う。
【0047】この点、従来のトラック幅規制溝は、トラ
ック幅規制溝をすべての基板の垂直方向に対して30°
とし、トラック幅規制溝がすべて均一になるように形成
されていた。
【0048】しかし、本実施の形態では、基板21の幅
方向Lの両端部(図9中,符号「a」「c」に示す。)
に、位置合わせ溝25,26をトラック幅規制溝24と
隣り合わせとなるように形成して、上記突き合わせ幅の
異なる位置合わせ用突起部25A,25B,26A,2
6Bを形成した後に、残りの部分に30°のトラック幅
規制幅24を形成した。
【0049】そして、上記位置合わせ溝25,26を基
板21の幅方向Lに対して垂直となるように形成した。
すなわち、位置合わせ用突起部25A,25B,26
A,26Bは、その両側面がトラック幅規制溝形成面に
対して略垂直面とされている。このように位置合わせ用
突起部25A,25B,26A,26Bを形成すること
により、トラック幅規制溝24の形成角度に影響される
ことなく、一対の磁気コア半体となる基板21a,21
bの突き合わせが行われる。
【0050】ここで、この位置合わせ用突起部25A,
25B,26A,26Bは、図10乃至図12に示すよ
うに、基板21の最端部の突起部25A,25Bの幅H
2が14.5μmであり、トラック幅規制溝24と隣接
する側の突起部26A,26Bの幅H3が13μm残る
ように形成した。このように設定することにより、磁気
ギャップのトラック幅方向のズレ量δが1.5μmで、
トラック幅Twが11.5μmの磁気ヘッドを作製する
ことができる。
【0051】また、トラック幅規制溝24間に形成され
る磁気ギャップ形成用突部24Aの幅H1は、上記突起
部26A,26Bの幅H3と同じく13μm残るように
形成されている。さらに、トラック幅規制溝24の傾斜
角度は、基板21の垂直方向に対して30°となるよう
に形成した。ただし、本発明は、これらに限定されるも
のではないことは言うまでもない。
【0052】なお、本実施の形態では、位置合わせ溝2
5,26は、基板21の幅方向Lに対して垂直となる形
状で基板21の両端部a,bに形成したが、該位置合わ
せ溝25,26の形状は、例えばV字状等の他の形状と
することも可能であり、その位置も基板21の他の部分
に設けるようにしても良い。
【0053】次いで、図13に示すように、上記基板2
1をその中央から切断して、切断された基板21a,2
1bを作製する。
【0054】ここで、本実施の形態では、1つの基板2
1に、巻線溝22、ガラス溝23の他、上記構成の位置
合わせ用突起部25A,25B,26A,26Bを形成
するものであることから、上記切断により、各々対称な
位置合わせ用突起部25A,25B,26A,26Bが
形成されることとなる。
【0055】次いで、上記切断された基板21a,21
bに、図14及び図15に示すように、スパッタリング
を用いて金属磁性膜27を形成し、その上にギャップ膜
28を形成する。この金属磁性膜27の成膜に際して
は、図15に示すように、先のトラック幅規制溝内も含
めて成膜する。この金属磁性膜27としては、本実施の
形態では、Fe−Si−Ga−Ru系合金を用いた。
【0056】ここで、基板21a,21bと金属磁性膜
27との付着力の向上のために、SiO2,Ta2 5
の酸化物膜、Si3 4 等の窒化物膜、或いは、Cr,
Al、Si,Pt等の金属膜及びこれらの合金膜、さら
に、これらを組み合わせた積層膜を金属磁性膜27の下
地膜として用いても良い。本実施の形態では、この付着
力の向上のために、厚さ5nmのSiO2 膜を用いた。
【0057】また、ギャップ膜には、SiO2 単層膜を
用いたが、融着ガラス11との反応防止膜として、上層
に例えばCr膜等を設けた2層膜、多層膜を用いても良
い。
【0058】次いで、以上のようにして作製された基板
21a,21bを圧着しながら500〜700°Cに加
熱して、図16に示すように、低融点ガラス14にて接
合して接合基板30を作製する。
【0059】ここで、この接合に際しては、図17に示
すように、基板21a,21bの両端部に形成された幅
H2,H3の異なる突起部25Aと26Bを、両位置合
わせ溝25,26の一方側の直線部Sが一致するように
して突き合わせを行った。このように種類の異なる突起
部25Aと26Bを突き合わせることにより、上記位置
合わせ溝26に隣接する側のトラック幅規制溝24から
順に、磁気ギャップのトラック幅方向のズレ量δを一定
に生じさせながら正確に突き合わせ接合されることにな
る。本実施の形態では、磁気ギャップのトラック幅方向
のズレ量δは、上述したように、1.5μmである。
【0060】次いで、上記接合基板30を平面研削除盤
を用いて所定の厚さにした後に、磁気記録媒体摺動面と
なる部分を円筒研削を行う。
【0061】次いで、磁気記録媒体摺動面に磁気記録媒
体との当たりを確保するために、図18に示すように、
当たり幅加工、上記巻線溝22等の加工を行った後に、
図19に示すように、目的とするアジマス角と同角度で
切り出し、多数のヘッドチップ31を製作する。
【0062】今回の切り出しに際しては、アジマス角が
±20°となるように作製したが、その際、前述した+
方向の磁気ギャップのズレが生じるようにアジマス角を
決定した。このようにして、磁気ヘッドが図6に示すよ
うに完成する。
【0063】以上、このように製造された磁気ヘッド
は、再生信号のエラーレートの向上が図られる高精度の
磁気ヘッドである。したがって、家庭用デジタルVTR
によれば、長時間録画においても充分なエラーレートが
得られ、過去の判定状況を記憶しておくことによりエラ
ーレートを向上させる回路である、ビタビ復号器を不要
とすることが期待される。
【0064】なお、本発明を適用した具体的な実施の形
態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限
定されることなく種々の変更が可能である。例えば先の
例では、金属磁性膜を主コアとしたが、かかる膜を磁気
コア基板に成膜せずに、フェライトコアのみによって閉
磁路を構成した磁気ヘッドとしても良い。もちろん、こ
の場合のヘッドでも先の磁気ヘッドと同様な作用効果が
得られる。また、このような磁気ヘッドを用いた磁気記
録再生装置は、家庭用デジタルVTRのほかにもデータ
ストリーマなどのデジタル信号蓄積装置にも応用可能で
ある。
【0065】
【発明の効果】本発明の磁気ヘッドは、磁気ギャップが
アジマス角を有するとともに、各磁気コア半体の磁気ギ
ャップ形成用突部の突き合わせ位置にトラック幅方向の
ズレが付与され、前記ズレは、磁気ギャップ形成用突部
の突き合わせ面とこれと対向するトラック幅規制溝の壁
面との中心線と、隣接する記録トラックのアジマス方向
とがなす角度が、磁気ギャップと前記隣接する記録トラ
ックのアジマス方向とがなす角度よりも大きくなる方向
のズレであることから、再生する際に隣接チャンネルか
らのクロストークを抑制することができる。
【0066】したがって、本発明の磁気ヘッドは、再生
信号のエラーレートの向上が図られ、高い信頼性が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気ヘッドが磁気テープの記録パターンを再生
する状態を示す模式図である。
【図2】+方向の磁気ギャップのズレが生じている場合
の磁気ヘッドが磁気テープの記録パターンを再生する状
態を示す模式図である。
【図3】−方向の磁気ギャップのズレが生じている場合
の磁気ヘッドが磁気テープの記録パターンを再生する状
態を示す模式図である。
【図4】+方向の磁気ギャップのズレの場合のエラーレ
ートとC/Nとの関係を示す特性図である。
【図5】−方向の磁気ギャップのズレの場合のエラーレ
ートとC/Nとの関係を示す特性図である。
【図6】本発明を適用した磁気ヘッドの一例を示す斜視
図である。
【図7】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、基板
の平面出しを行う工程を示す斜視図である。
【図8】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、基板
に巻線溝とガラス溝を形成する工程を示す斜視図であ
る。
【図9】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、基板
にトラック幅規制溝と突出部を形成する工程を示す斜視
図である。
【図10】図9のa部の拡大斜視図であり、位置合わせ
溝を示す。
【図11】図9のb部の拡大斜視図であり、トラック幅
規制溝を示す。
【図12】図9のc部の拡大斜視図であり、位置合わせ
溝を示す。
【図13】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、基
板を切断する工程を示す斜視図である。
【図14】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、金
属磁性膜を成膜する工程を示す斜視図である。
【図15】図14のd部の拡大斜視図であり、トラック
幅規制溝とギャップ部に金属磁性膜が成膜された状態を
示す斜視図である。
【図16】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、切
断された基板を突き合わせて接合する状態を示す斜視図
である。
【図17】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、磁
気ギャップにズレを生じさせる方向を調整して突き合わ
せる工程を示す模式図である。
【図18】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、磁
気記録媒体摺動面を円筒研磨する工程を示す斜視図であ
る。
【図19】上記磁気ヘッドの製造工程を示すもので、所
定の大きさのヘッドチップに切断する工程を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1,2 磁気コア基板、3,4,27 金属磁性膜、
5,6 磁気コア半体、7,8 ギャップ形成面、9,
10,11,12,24 トラック幅規制溝(トラック
幅規制溝の側壁)、21 基板、21a,21b 磁気
コアブロック(基板)、24A 磁気ギャップ形成用突
部、25A,25B,26A,26B 位置合わせ用突
起部、Tw トラック幅、F 磁気ギャップ形成用突部
の突き合わせ面とこれと対向するトラック幅規制溝の壁
面との中心線、θ 磁気ギャップと隣接する記録トラッ
クのアジマス方向とがなす角度、θ1 磁気ギャップ形
成用突部の突き合わせ面とこれと対向するトラック幅規
制溝の壁面との中心線と隣接する記録トラックのアジマ
ス方向とがなす角度、δ 磁気ギャップのトラック幅方
向のズレ量、H1 磁気ギャップ形成用突部の幅、H
2,H3 位置合わせ用突起部の幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 守幸 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 木村 雅典 愛知県額田郡幸田町大字坂崎字雀ケ入1 ソニー幸田株式会社内 (72)発明者 牧原 吉伸 愛知県額田郡幸田町大字坂崎字雀ケ入1 ソニー幸田株式会社内 (72)発明者 野上 政行 愛知県額田郡幸田町大字坂崎字雀ケ入1 ソニー幸田株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−325315(JP,A) 特開 平6−338019(JP,A) 特開 平6−282818(JP,A) 特開 平4−245003(JP,A) 特開 平3−225608(JP,A) 特開 平8−7220(JP,A) 特開 平7−320222(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/127 - 5/255

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トラック幅規制溝が形成され磁気ギャッ
    プ形成用突部が形成された一対の磁気コア半体を、トラ
    ック幅規制溝形成面が互いに対向するように突き合わせ
    て接合一体化し、上記磁気ギャップ形成用突部の突き合
    わせ面間に磁気ギャップを形成してなる磁気ヘッドにお
    いて、 磁気ギャップがアジマス角を有するとともに、各磁気コ
    ア半体の磁気ギャップ形成用突部の突き合わせ位置にト
    ラック幅方向のズレが付与され、 前記ズレは、磁気ギャップ形成用突部の突き合わせ面と
    これと対向するトラック幅規制溝の壁面との中心線と、
    隣接する記録トラックのアジマス方向とがなす角度が、
    磁気ギャップと前記隣接する記録トラックのアジマス方
    向とがなす角度よりも大きくなる方向のズレであること
    を特徴とする磁気ヘッド。
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