JP3538745B2 - 白斑の治療に有効なスフィンゴ糖脂質およびエンドセリン様成分のペプチドを含有するヒト胎盤からの抽出物を調製する方法 - Google Patents

白斑の治療に有効なスフィンゴ糖脂質およびエンドセリン様成分のペプチドを含有するヒト胎盤からの抽出物を調製する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白斑の治療に有効
なスフィンゴ(糖)脂質およびエンドセリン様成分のペ
プチドを含有するヒト胎盤からの抽出物を調製する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】古代の医学文献に記載されている白斑す
なわちSwetakusthaは、世界の人口の約1%
が罹患している皮膚を損じる現象である。これに比して
インディアンは3%が罹患している。実際には痛みはな
く致命的ではないが、社会的汚名による精神的苦痛や抑
うつで悩む患者は、この疾患に対する完全に満足な治療
が得られることを何よりも切望している。残念ながら、
現在用いられている治療法による多くの症例において、
白斑の治療は奏功しなかった。従って望ましいパラメー
タを満足させる治療法を開発することが、最新医学にと
って依然として課題となっている。
【0003】ほとんど不明確な治療法のうち、ヒト胎盤
抽出物は科学的研究すなわち活性成分の指標による適切
な理由づけなしに白斑に有効であると主張されている。
しかし、この抽出物の調製法は密に保護されている。
【0004】白斑治療を使用目的とした新鮮ヒト胎盤の
ヒドロアルコール抽出物の従来周知の調製法は、米国特
許第4,507,277号に記載されている。前記特許
に開示された方法を簡単に述べると、約2°〜8℃で冷
凍機において数日間冷凍後、無水または約60〜100
重量%、95重量%の水性アルコールで冷浸したヒト胎
盤分葉を破砕するステップと、20〜50日間塗布後の
モルモットの乳頭における発色の原因になると述べられ
ているリポタンパク質の抽出を維持するステップとから
なる。この従来の方法によると、活性成分は約5〜約2
0分量の安息香酸の飽和エタノール溶液を添加すること
により上清から沈降させた。次にこの沈降物を安息香酸
の水溶液で洗浄した後、水性または無水アセトンで洗浄
した。その後、約1000〜3000rpmで約10〜
30分間、遠沈を行った。さらに残留物をアセトンで洗
浄し、周囲温度下に真空で乾燥させた。この乾燥残留物
をエタノール中で再溶解し、Sephadex TMカ
ラムを用いて濾過した。融剤は10〜30滴/分とし、
5〜10mls C/uを溶出する画分を、第2ピーク
は活性成分を含有すると述べられている2つのピークに
溶解した。しかし、アルコール抽出物も白斑で皮膚を損
じた患者の治療に適用するために効果的な調製として指
摘された。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし白斑の治療に使
用され得る胎盤抽出物の有効性に関しては、主に抽出物
中に存在する活性因子について科学的証拠がないため
に、学問的にさまざまな方面から多くの批判が持ち上が
っている(Nordlund J.J, Halder
R.Melagenia − 発表済みおよびそのほ
かのデータの分析。Dermatologica 19
90; 181: 1−4; Goldstein
E., Heberman H.F., Menon
I.A., Oawlowski D. 白斑の非ソラ
レン治療。第2部。通常使用されない治療法および実験
的療法。Int.J.Dermatol.1992;
31:314−319)。しかし治療法として放棄して
いるにもかかわらず、こうした批判ではことごとく、完
全かつ集中的な研究により胎盤抽出物の活性成分を求め
る必要性が強調された。この点について最近の報告(K
ojima N.,Hakomori Sen−iti
roth − 糖脂質と糖脂質の相互作用に基づくGM
3−発現細胞の細胞付着、拡散および運動性。J.Bi
ol.Chem.1991; 226: 17552−
17558; Imokawa G., Yada
Y.,Miyagishi M. ヒトケラチノサイト
から分泌されるエンドセリンはヒトメラニン細胞の内因
性マイトジェンである。J.Biol.Chem.19
92; 276: 24675−24680)では、ス
フィンゴ糖脂質および21アミノ酸血管収縮性ペプチド
であるエンドセリンが、メラニン細胞遊走のほか運動お
よび増殖促進のそれぞれ有力な調節物質であることを述
べたものが少なくない。これらは皮膚色素沈着の回復に
おける重要な事象である。
【0006】したがって本発明の目的は、白斑の治療に
有効なスフィンゴ糖脂質およびエンドセリン様成分のペ
プチドを含有するヒト胎盤からの抽出物を調製するため
の方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明による方法は、(a)全胎盤を小片に切断す
るステップと、(b)切断した材料を水性アルコール溶
媒を用いた周知の方法により破砕するステップと、
(c)最初は約40〜50℃で約20〜40分間、次い
で約60〜70℃で約5〜15分間、直熱を避けて段階
的に加熱することにより破砕した材料全体を抽出するス
テップと、(d)破砕し加熱した材料を空気との接触を
最小限にした室温下の暗所でエージングさせるステップ
と、(e)濾過して比較的大きな残留物と組織片を除去
するステップと、(f)存在する溶媒の濃度を蒸留水を
用いて40重量%乃至60重量%未満の強度に調節する
ステップと、(g)空気との接触を最小限にすることに
より、材料を室温下、暗所に3〜4日間置き上清をエー
ジングさせるステップと、(h)その削りくずで包装さ
れたホワットマン1番(Whatman No.1)濾紙など微細濾
過補助具で濾過するステップと、(i)エージング用に
得られた上清を保存して微細粒子を沈殿させるステップ
と、(j)その結果得られた材料を遠沈して澄んだ淡黄
色の抽出物を得るステップと、を含有する。
【0008】ステップ(b)における破砕は、35〜1
00重量%の量で無水エタノール、精留酒精剤、2個以
下の炭素原子を有するアルカナール等を用いて実施して
もよい。切断および破砕は20°〜35℃の温度で実施
してもよい。ステップ(d)のエージングは36〜60
時間にわたって実施することが好ましい。エージング材
料の濾過は、技術上周知の粗濾過システムを用いて行っ
てもよい。これらのステップは、20℃乃至35℃の温
度で実施してもよい。この方法のステップはすべて通常
の大気圧下に実施される。
【0009】本発明による方法においては全胎盤が使用
されているが、これはメラニン細胞の増殖および生存の
強力なマイトジェン因子であることが知られている小血
管収縮性ペプチドであるエンドセリンが、胎盤塊全体に
わたる微絨毛において存在することが報告されているた
めである。この組織体すべてには脂質も分布している。
この方法では色素形成細胞であるメラニン細胞の増殖お
よび遊走に有用であることが知られている小さな分子を
も抽出するように熱抽出を使用する。また、安息香酸お
よびアセトンなど外因性物質の使用は回避する。さら
に、すべてのステップにおいて抽出物の過剰な空気接触
を回避し、易損性脂質抱合脂質分子が影響をうけないよ
うにする。
【0010】したがって、新鮮ヒト満期胎盤からのこの
ような抽出物の調製が、もし存在する場合には、その活
性成分を検討するために必要不可欠である。本発明の主
な目的は、化学分析時に白斑治療の活性因子であること
がわかっているヒト胎盤抽出物の調製法の改良を提供す
ることである。こうした活性成分は、スフィンゴ糖脂質
およびエンドセリン様血管収縮性ペプチドであることが
考えられる。
【0011】熱抽出は攪拌機、熱モニター装置(温度計
等)および水冷却機を用いた三つ口フラスコ内で行う。
ここで使用するフラスコは水ジャケット型のものでもよ
く、または技術上周知の温度調節装置と共に水槽内に設
置することもできる。上述した水冷却機のような冷却シ
ステムを適用することにより、溶媒の気化を防いで最大
限の抽出を行う。エージングおよび保存中の抽出物は室
温下および暗所に保存することが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について詳
細に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を制限
するものではない。
【0013】実施例1 AIDS陰性新鮮ヒト満期胎盤を医学部付病院産科病棟
から採集した。平均で胎盤塊の重量は300〜350g
(付随過剰血液の圧搾後)であった。最初、胎盤を大き
な部分に切断し、残ったままの血液を抜き取る。その
後、それぞれの胎盤に90%エタノールを1.2l(リ
ットル)加えたワーニングブレンダーで室温下、15分
間、材料を完全に破砕した。次に、典型的なセットにお
ける2回の胎盤破砕から得られた材料全体を、オープン
エンドで塩化カルシウム(融解)の保護管を有する水冷
却機、温度計および攪拌機を取付けた3L三つ口丸底フ
ラスコに入れた。このフラスコを水槽内に半分没入さ
せ、フラスコ内の温度計で記録される温度が50°±1
℃に近づくまで加熱した。これを30分間維持した後、
50〜65℃でさらに5分間短く加熱した。フラスコの
全内容物を室温下、48時間、暗所に保存し、フラスコ
の口にきつく栓をしてエージング効果を与えた。材料が
空気とできるだけ接触しないようにした。次に大きな組
織塊を粗濾過補助具(チーズクロースまたは同様のも
の)により濾過し、採集した濾液を4L(三角)フラス
コに保存した。抽出物のアルコール濃度(推定約85〜
90%v/v)を水を加えて約60%(v/v)に調整
した(抽出物の測定後に計算)。2つの胎盤から得られ
た抽出物の容量は約3.5l(リットル)であった。フ
ラスコを密閉し空気との接触を最小限にし、さらに48
〜60分間、室温下、暗所に置き、材料をさらにエージ
ングさせる。このようなエージング後に現れた微粒子を
フラスコの底に沈降させた。これをブフナー漏斗を用い
て削りくずで包装されたホワットマン1番(Whatman N
o.1)濾紙により濾過した。こうして得られた濾液を別
の4L(三角)フラスコに採集し、前述した条件下に2
4時間にわたり3回目のエージングを行った。最後に、
(Beckman)sorvall遠心機を用いて30
分間、10,000rpmで材料を遠沈した。こうして
上清として得られた澄んだ淡黄色の抽出物を分離し、最
終生成物として採集すると共に、びん詰用とした。抽出
物の最終容量は約3.48l(リットル)であった。生
成物を充分に保存するため、琥珀色のびんに詰め、びん
詰めした材料を室温下、冷暗所に保存した。
【0014】 使用した材料および条件 1回に処理した胎盤の数 : 2 胎盤の平均重量 : 325g 破砕中のアルコール濃度 : 90%(v/v) 1胎盤当たりの使用アルコール容量: 1.2l(リットル) 抽出温度および抽出時間 : 最初は50°±1℃で30分間、次に 60°±1℃で5分間 最初のエージング中に維持した 持続時間および条件 : 密閉して室温下の暗所で48時間 大きな組織塊を除去するための 濾過補助具 : 粗濾過補助具(チーズクロースまたは 同様のもの) 水で調整後の最終アルコール濃度 : 約60%(v/v) 第2回目のエージング中に維持した 持続時間および条件 : 密閉して室温下の暗所で48時間 微粒子を除去するための濾過補助具: 削りくずで包装されたホワットマン1 番(Whatman No.1)濾紙 第3回目(最終)のエージング中に 維持した持続時間および条件 : 密閉して室温下の暗所で24時間 遠沈中の速度、持続時間および温度: 10,000rpm、30分間、2〜 4℃ 得られた抽出物の最終容量 : 3.48l(リットル) 保存 : 琥珀色のびん、室温下、冷暗所 肉眼的組成分析(品質管理用) 成分 アルコール抽出物中濃度(mg/ml) アセトン可溶性ペプチド* 0.002 アセトン沈降可能ペプチド/ 小タンパク質 0.008 遊離シアル酸 0.009または(9μg/ml) 結合シアル酸 0.008または(0.8μg/ml ) 全脂質** 0.362 全炭水化物 0.141 全リン 0.016 検出された副成分 :ビタミンB6およびD、ヌクレオチド、微 量のアスパラギン、トレオニン、フェルア ラニン等のアミノ酸、プロゲステロンおよ びエストロゲン(ng〜pg)。グルココ ルチコイド(約100ng/ml)。
【0015】*この画分のバイオアッセイでは、メラニ
ン細胞の増殖に不可欠な因子として知られるエンドセリ
ンペプチドのそれとほぼ同じ血管収縮性が明らかに示さ
れた。
【0016】**脂質の詳細な分析では、スフィンゴ糖脂
質のほか極性脂質および非極性脂質が示された。スフィ
ンゴ脂質は皮膚細胞であるメラニン細胞の付着、拡散お
よび運動の因子として報告されている。
【0017】(すべての定量および分析は発表されてい
る標準の方法に従って実施した。例えば、タンパク質は
ローリー法、炭水化物はオルシノールH2SO4法、シア
ル酸はTBAアッセイ法、リンはエイムス法、脂質はホ
スホバニリンH2SO4法等に従って実施した) 実施例2 胎盤抽出物の調製方法の詳細は実施例1とほぼ同じであ
る。材料の種類および方法の条件についてのみ異なるパ
ラメータが使用されている。このなかには抽出物の成分
における重要でない量的変化が含まれる。方法の条件お
よび抽出物の組成とそのパラメータの詳細を以下に示
す。
【0018】 使用した材料および条件 1回に処理した胎盤の数 : 2 胎盤の平均重量 : 348g 破砕中のアルコール濃度 : 95%(v/v) 1胎盤当たりの使用アルコール容量: 1.25l(リットル) 抽出温度および抽出時間 : 最初は45°±1℃で30分間、次に 65°±1℃で5分間 最初のエージング中に維持した 持続時間および条件 : 密閉して室温下(27℃)の暗所で5 2時間 大きな組織塊を除去するための 濾過補助具 : 粗濾過補助具(ナイロンクロースまた は同様のもの) 水で調整後の最終アルコール濃度 : 約58%(v/v) 第2回目のエージング中に維持した 持続時間および条件 : 密閉して室温下(27℃)の暗所で6 0時間 微粒子を除去するための濾過補助具: 削りくずで包装されたホワットマン1 番(Whatman No.1)濾紙 第3回目(最終)のエージング中に 維持した持続時間および条件 : 密閉して室温下の暗所で30時間 遠沈中の速度、持続時間および温度: 10,000rpm、30分間、2〜 4℃ 得られた抽出物の最終容量 : (約)4.1l(リットル) 保存 : 琥珀色のびん、室温下、冷暗所 肉眼的組成分析(品質管理用) 成分 アルコール抽出物中濃度(mg/ml) アセトン可溶性ペプチド* :0.0018 アセトン沈降可能ペプチド/ 小タンパク質 :0.009 遊離シアル酸 :0.011または(11μg/ml) 結合シアル酸 :0.0005または(0.5μg/ml) 全脂質** :0.355 全炭水化物 :0.135 全リン :0.022 量のアスパラギン、トレオニン、フェルア ラニン等のアミノ酸、プロゲステロンおよ びエストロゲン(ng〜pg)。グルココ ルチコイド(約110ng/ml)。
【0019】*この画分のバイオアッセイでは、メラニ
ン細胞の増殖に不可欠な因子として知られるエンドセリ
ンペプチドのそれとほぼ同じ血管収縮性が明らかに示さ
れた。
【0020】**脂質の詳細な分析では、スフィンゴ糖脂
質のほか極性脂質および非極性脂質が示された。スフィ
ンゴ脂質は皮膚細胞であるメラニン細胞の付着、拡散お
よび運動の因子として報告されている。
【0021】(すべての定量および分析は発表されてい
る標準の方法に従って実施した。例えば、タンパク質は
ローリー法、炭水化物はオルシノールH2SO4法、シア
ル酸はTBAアッセイ法、リンはエイムス法、脂質はホ
スホバニリンH2SO4法等に従って実施した) 実施例3 胎盤抽出物の調製方法の詳細は実施例1とほぼ同じであ
る。材料の種類および方法の条件についてのみ異なるパ
ラメータが使用されている。このなかには抽出物の成分
における重要でない量的変化が含まれる。方法の条件お
よび抽出物の組成とそのパラメータの詳細を以下に示
す。
【0022】 使用した材料および条件 1回に処理した胎盤の数 : 2 胎盤の平均重量 : 330g 破砕中のアルコール濃度 : 92%(v/v) 1胎盤当たりの使用アルコール容量: 1.2l(リットル) 抽出温度および抽出時間 : 最初は50°±1℃で40分間、次に 60°±1℃で10分間 最初のエージング中に維持した 持続時間および条件 : 実施例2と同じ 大きな組織塊を除去するための 濾過補助具 : 微吸収綿パッド 水で調整後の最終アルコール濃度 : 約60%(v/v) 第2回目のエージング中に維持した 持続時間および条件 : 実施例2と同じ 微粒子を除去するための濾過補助具: 実施例2と同じ 第3回目(最終)のエージング中に 維持した持続時間および条件 : 実施例2と同じ 遠沈中の速度、持続時間および温度: 実施例2と同じ 得られた抽出物の最終容量 : (約)3.48l(リットル) 保存 : 実施例2と同じ 肉眼的組成分析(品質管理用) 成分 アルコール抽出物中濃度(mg/ml) アセトン可溶性ペプチド* :0.0015 アセトン沈降可能ペプチド/ 小タンパク質 :0.0025 遊離シアル酸 :0.004または(4μg/ml) 結合シアル酸 :0.004または(4μg/ml) 全脂質** :0.350 全炭水化物 :0.138 全リン :0.014 検出された副成分 :ビタミンB6およびD、ヌクレオチド微 量のアスパラギン、トレオニン、フェル アラニン等のアミノ酸、プロゲステロン およびエストロゲン(ng〜pg)。グ ルココルチコイド(約100ng/ml )。
【0023】*この画分のバイオアッセイでは、メラニ
ン細胞の増殖に不可欠な因子として知られるエンドセリ
ンペプチドのそれとほぼ同じ血管収縮性が明らかに示さ
れた。
【0024】**脂質の詳細な分析では、スフィンゴ糖脂
質のほか極性脂質および非極性脂質が示された。スフィ
ンゴ脂質は皮膚細胞であるメラニン細胞の付着、拡散お
よび運動の因子として報告されている。
【0025】(すべての定量および分析は発表されてい
る標準の方法に従って実施した。例えば、タンパク質は
ローリー法、炭水化物はオルシノールH2SO4法、シア
ル酸はTBAアッセイ法、リンはエイムス法、脂質はホ
スホバニリンH2SO4法等に従って実施した) 実施例4 胎盤抽出物の調製方法の詳細は実施例1とほぼ同じであ
る。材料の種類および方法の条件についてのみ異なるパ
ラメータが使用されている。このなかには抽出物の成分
における重要でない量的変化が含まれる。方法の条件お
よび抽出物の組成とそのパラメータの詳細を以下に示
す。
【0026】 使用した材料および条件 1回に処理した胎盤の数 : 2 胎盤の平均重量 : 340g 破砕中のアルコール濃度 : 87%(v/v) 1胎盤当たりの使用アルコール容量: 1.24l(リットル) 抽出温度および抽出時間 : 最初は45°±1℃で40分間、次に 63°±1℃で10分間 最初のエージング中に維持した 持続時間および条件 : 実施例2と同じ 大きな組織塊を除去するための 濾過補助具 : 実施例2と同じ 水で調整後の最終アルコール濃度 : 約56%(v/v) 第2回目のエージング中に維持した 持続時間および条件 : 実施例2と同じ 微粒子を除去するための濾過補助具: 実施例2と同じ 第3回目(最終)のエージング中に 維持した持続時間および条件 : 実施例2と同じ 遠沈中の速度、持続時間および温度: 実施例2と同じ 得られた抽出物の最終容量 : (約)4.1l(リットル) 保存 : 実施例2と同じ 肉眼的組成分析(品質管理用) 成分 アルコール抽出物中濃度(mg/ml) アセトン可溶性ペプチド* :0.0017 アセトン沈降可能ペプチド/ 小タンパク質 :0.002 遊離シアル酸 :0.008または(8μg/ml) 結合シアル酸 :0.001または(1μg/ml) 全脂質** :0.352 全炭水化物 :0.132 全リン :0.020 検出された副成分 :ビタミンB6およびD、ヌクレオチド、微 量のアスパラギン、トレオニン、フェルア ラニン等のアミノ酸、プロゲステロンおよ びエストロゲン(ng〜pg)。グルココ ルチコイド(約100ng/ml)。
【0027】*この画分のバイオアッセイでは、メラニ
ン細胞の増殖に不可欠な因子として知られるエンドセリ
ンペプチドのそれとほぼ同じ血管収縮性が明らかに示さ
れた。
【0028】**脂質の詳細な分析では、スフィンゴ糖脂
質のほか極性脂質および非極性脂質が示された。スフィ
ンゴ脂質は皮膚細胞であるメラニン細胞の付着、拡散お
よび運動の因子として報告されている。
【0029】(すべての定量および分析は発表されてい
る標準の方法に従って実施した。例えば、タンパク質は
ローリー法、炭水化物はオルシノールH2SO4法、シア
ル酸はTBAアッセイ法、リンはエイムス法、脂質はホ
スホバニリンH2SO4法等に従って実施した) 動物モデルにおける抽出物の色素沈着活性試験 (a) モルモットモデル:雄性未熟白モルモット(体
重205〜250g)の乳輪区域に休止することなく少
なくとも2カ月間、1日2回それぞれ15分間、20滴
の抽出物を適用した。適用区域をそれぞれの適用後15
分間、45cms離してIR(230V/150W)に
曝露した。結果はモデル実験において報告された乳頭部
位の暗色化および肥大によりほぼ有望であった(J.I
nvest.Dermatol.1953,20: 3
85−399)。
【0030】使用したモルモットの体重はきわめて重要
であり、200gを大きく下回る若いモルモットは、5
0〜60%アルコールのみを局所に適用した場合でも生
存に危険をもたらす激しいアルコール性ショックを経験
する。
【0031】 モルモットの 暗色化効果の記録 おおよその体重 (g) (カ月) 抽出物 実施例 実施例 実施例 実施例 1 2 3 4 205 2.0 2.0 2.5 2.0 220 2.0 2.5 2.5 2.5 225 2.5 2.0 2.0 2.5 240 2.5 2.5 3.0 2.0 250 2.8 3.0 3.0 2.5 (b) マウスモデル(C57/BL6):マウスの帯
褐色毛を有する体皮膜部(このマウス系の皮膜は老化に
伴い漆黒から帯褐灰色に退色するため、褐色皮膜を呈す
る充分に成熟したマウスを白斑の動物モデルとして使用
する)を剃毛により除去し、きれいに剃毛した部分を選
んで抽出物を適用した。このきれいに剃毛した部分に全
体で15滴の抽出物を静かにこすることで適用した。適
用後、モルモットの場合と同じくIRに曝露し、1日2
回の適用を行った。5〜6週間目にきれいな漆黒毛/皮
膚の箇所が再び現れ始める一方、周囲の毛は引き続きさ
らに明褐色へ退色した。
【0032】 マウス番号 適用部位 剃毛部位における黒毛再出現の記録(週) 抽出物 実施例 実施例 実施例 実施例 1 2 3 4 4 背側 5 5 6 5 3 外側 5 5 5 6
【0033】
【発明の効果】本発明の方法によるヒドロアルコール抽
出物の調製はきわめて容易である。得られた抽出物は、
必要に応じて、患者の皮膚にきわめて容易に局所適用さ
れる。アルコールおよび胎盤(院内廃棄物)は地方にお
いて充分に入手可能な原料である。本発明による方法を
実施するために特別な薬品や装置は不要である。また、
きわめて経済的であるため、商業的投機として検討する
のにきわめて有望である。材料の特別な保存施設や輸送
は不要である。標準の手順による活性成分の同定後に品
質管理パラメータを開発することが容易である。局所製
剤であるため、経口または非経口療法に必要である決定
的な臨床試験を遂行する必要はない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 38/00 A61P 17/00 A61P 5/00 A61K 37/02 17/00 37/20 (72)発明者 プラジュナモイ パル インド国 カルカッタ−700 032 マリ ック ロード ラジャ エス.シー.4 インディアン インスティテュート オブ ケミカル バイオロジー内 (72)発明者 ラビンドラ ライ インド国 カルカッタ−700 032 マリ ック ロード ラジャ エス.シー.4 インディアン インスティテュート オブ ケミカル バイオロジー内 (72)発明者 アジット クマール ドゥッタ インド国 カルカッタ ディルクシャ ストリート(番地なし) インスティテ ュート オブ チャイルド ヘルス内 (56)参考文献 特開 昭64−56794(JP,A) International Jou rnal of Dermatolog y,1995年, vol.34, no. 1, p.61−66 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 PubMed

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白斑の治療に有効なスフィンゴ糖脂質お
    よびエンドセリン様成分のペプチドを含有するヒト胎盤
    からの抽出物を調製する方法であって、 (a)全胎盤を小片に切断するステップと、 (b)切断した材料を水性アルコール溶媒を用いた周知
    の方法により破砕するステップと、 (c)最初は約40〜50℃で約20〜40分間、次い
    で約60〜70℃で約5〜15分間、直熱を避けて段階
    的に加熱することにより破砕した材料全体を抽出するス
    テップと、 (d)破砕し加熱した材料を空気との接触を最小限にし
    た室温下の暗所でエージングさせるステップと、 (e)濾過して比較的大きな残留物と組織片を除去する
    ステップと、 (f)存在する溶媒の濃度を蒸留水を用いて40重量%
    乃至60重量%未満の強度に調節するステップと、 (g)空気との接触を最小限にすることにより、材料を
    室温下、暗所に3〜4日間置き上清をエージングさせる
    ステップと、 (h)その削りくずで包装されたホワットマン1番(Wh
    atman No.1)濾紙など微細濾過補助具で濾過するステッ
    プと、 (i)エージング用に得られた上清を保存して微細粒子
    を沈殿させるステップと、 (j)その結果得られた材料を遠沈して澄んだ淡黄色の
    抽出物を得るステップと、 を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 破砕は脱水アルコール、精留酒精剤、2
    個の炭素原子を有する水性アルカナール等を用いて実施
    されることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 破砕と切断は20〜35℃の温度で実施
    されることを特徴とする請求項1および2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 破砕に使用されるアルコール溶媒の濃度
    は85〜100重量%であることを特徴とする請求項1
    〜3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 エージングは36〜60時間にわたって
    実施されることを特徴とする請求項1〜4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 濾過は周知の粗濾過システムを用いて実
    施されることを特徴とする請求項1〜5記載の方法。
  7. 【請求項7】 濾過のステップは20〜35℃の温度で
    実施されることを特徴とする請求項1〜6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記方法は通常の大気圧で実施されるこ
    とを特徴とする請求項1〜8記載の方法。
  9. 【請求項9】 ステップ(j)における遠沈は温度約4
    〜10℃下、約20〜40分間、約10,000〜1
    4,000rpmで実施されることを特徴とする請求項
    1〜8記載の方法。
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