JP3538657B2 - ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機

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JP3538657B2 JP12337696A JP12337696A JP3538657B2 JP 3538657 B2 JP3538657 B2 JP 3538657B2 JP 12337696 A JP12337696 A JP 12337696A JP 12337696 A JP12337696 A JP 12337696A JP 3538657 B2 JP3538657 B2 JP 3538657B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料(以下、単に感材ということもある)を処理液によ
り処理するハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機(以
下、単に自現機ということもある)に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境規制の動きが本格化してお
り、写真業界においても、写真処理廃液の低減化をいか
に達成していくかが重大な課題となっている。
【0003】また、近年、ミニラボ店の乱立によりミニ
ラボ1台当たりの感材の処理量が少なくなり、1日当た
りの処理槽内の処理液の液更新率が低下してきている。
そのため、処理液が劣化し安定した処理性能を保てなく
なりやすい。特に、発色現像液の場合、空気酸化により
処理液の劣化が激しくなり、安定した処理性能を保ちに
くい。
【0004】また、特開平6−324455号に、ハロ
ゲン化銀写真感光材料を処理する処理液を密閉して収容
する処理液容器から該処理液をハロゲン化銀写真感光材
料の乳剤面に気相を介して供給することが開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特開平6−3
24455号に記載の、ハロゲン化銀写真感光材料を処
理する処理液をハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気
相を介して供給することにより、処理液の液更新率を高
くすることができ、また、写真処理廃液の低減化が可能
であることが判った。
【0006】だが、特開平6−324455号には処理
液の反応を促進させるための手段が記載されていない。
しかし、特開平6−324455号の方法では、通常の
ハロゲン化銀写真感光材料は処理液が供給される前の状
態では硬膜されているので、処理液の浸透性が低く、そ
の分処理進行性(特に現像処理進行性)も低下してしま
うことが判明した。特に、発色現像処理の場合、銀現像
が進行するにつれてハロゲン化物がハロゲン化銀結晶中
から溶出するわけであるが、感材に供給する処理液量が
少ないほどこの溶出したハロゲン化物濃度が高くなっ
て、現像を抑制してしまい現像進行性がさらに低下して
しまう。
【0007】第一の発明の目的は、ハロゲン化銀写真感
光材料を処理する処理液をハロゲン化銀写真感光材料の
乳剤面に気相を介して供給することにより、処理進行速
度の低下を防止することである。
【0008】また、特開平6−324455号には、処
理液容器ごと交換することで、処理剤成分を補充するこ
とが記載されているが、これでは、処理液容器を大きく
しないと交換を頻度にしなければならず、処理液容器を
大きくするとハンドリング性が悪く交換が大変になる。
【0009】また、特開平6−324455号に記載の
方法では、処理液を容器内に密閉させても、処理液を供
給するにつれ、液面が下がり、処理液と空気との界面の
面積が大きくなり、一方、処理液容器内の処理液の体積
が小さくなるので、急速に処理液の単位体積あたりの空
気との界面の面積が大きくなり、処理液の劣化が急速に
進行する。
【0010】第二の発明の目的は、ハロゲン化銀写真感
光材料を処理する処理液を収容する処理液容器に、固体
処理剤と補充水を供給して、処理剤成分の補充を簡単に
することである。また、ハロゲン化銀写真感光材料を処
理する処理液を収容する処理液容器に、固体処理剤と補
充水を供給することにより、処理液容器内の処理液の体
積と処理液の液面位を所定の範囲内に収めることを可能
とし、処理液の急速な劣化を防止できるようにできる。
【0011】その他の本発明の目的は、以下の文中で明
らかとなろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は鋭意検討を行った結果、以下に説明する
ように特許請求の範囲に記載の構成にて上記課題を解決
できることが判った。
【0013】〔項1〕『ハロゲン化銀写真感光材料を処
理する処理液をハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気
相を介して供給する処理液供給手段と、前記処理液供給
手段により処理液を供給されるハロゲン化銀写真感光材
料を加熱する加熱手段と、を有し、前記処理液供給手段
が、前記加熱手段により加熱されたハロゲン化銀写真感
光材料の乳剤面に気相を介して処理液を供給することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』
により、ハロゲン化銀写真感光材料を処理する処理液を
ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を介して供給
することにより、感材を処理するのに必要な量だけの処
理液を供給すればよいので、写真処理廃液の低減化を可
能としつつ、処理液供給手段により処理液を供給される
ハロゲン化銀写真感光材料を加熱することにより、処理
進行性の低下を防止することができる。
【0014】また、ハロゲン化銀写真感光材料を加熱す
ることにより、処理進行性の低下を防止するので、処理
液を収容する処理槽を加熱する場合は処理液の保存性か
ら通常45℃以上に加熱するのは困難であるが、それに
比べて高い温度に加熱することが可能であり、その場
合、処理液の保存性を懸念することなく、処理進行性を
高めることが可能となる。とりわけ、処理液が供給され
る前に感材を加熱するので、処理液が、感材に供給され
た瞬間から活性度の高い状態となるので、処理液による
処理進行性がさらに高められる。
【0015】〔項2〕『ハロゲン化銀写真感光材料を処
理する処理液をハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気
相を介して供給する処理液供給手段と、前記処理液供給
手段により処理液を供給されるハロゲン化銀写真感光材
料を加熱する加熱手段と、を有し、前記処理液供給手段
が、前記加熱手段により加熱されているハロゲン化銀写
真感光材料の乳剤面に気相を介して処理液を供給するこ
とを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
機。』により、ハロゲン化銀写真感光材料を処理する処
理液をハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を介し
て供給することにより、感材を処理するのに必要な量だ
けの処理液を供給すればよいので、写真処理廃液の低減
化を可能としつつ、処理液供給手段により処理液を供給
されるハロゲン化銀写真感光材料を加熱することによ
り、処理進行性の低下を防止することができる。また、
ハロゲン化銀写真感光材料を加熱することにより、処理
進行性の低下を防止するので、処理液を収容する処理槽
を加熱する場合は処理液の保存性から通常45℃以上に
加熱するのは困難であるが、それに比べて高い温度に加
熱することが可能であり、その場合、処理液の保存性を
懸念することなく、処理進行性を高めることが可能とな
る。とりわけ、処理液が、感材に供給されたときに加熱
しているので、処理液による処理進行性を高めつつ、温
度制御(しなくてもよいが)も可能である。
【0016】
【0017】
【0018】〔項〕『ハロゲン化銀写真感光材料を処
理する処理液を収容する処理液容器を有し、前記処理液
供給手段が前記処理液容器から該処理液を供給するもの
であることを特徴とする項1または2に記載のハロゲン
化銀写真感光材料用自動現像機。』により、処理液容器
に収容されていた処理液を感料に供給するので、ハロゲ
ン化銀写真感光材料を処理する処理液をハロゲン化銀写
真感光材料の乳剤面に気相を介して供給することによ
り、処理液を収容する処理槽に感材を浸漬して処理する
場合よりも、処理液容器内の処理液の量を少なくするこ
とができるので、処理液の液更新率を高くすることが可
能となる。また、感材を処理するのに必要な量だけの処
理液を供給すればよいので、写真処理廃液の低減化を可
能としつつ、処理液供給手段により処理液を供給される
ハロゲン化銀写真感光材料を加熱することにより、処理
進行性の低下を防止することができる。
【0019】そして、ハロゲン化銀写真感光材料を加熱
するので、処理進行性の低下を防止するために、処理液
容器を加熱しなくても済むので、処理液容器に収容され
ている処理液が熱により劣化することを防止できる。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】〔項〕『前記処理液容器にハロゲン化銀
写真感光材料用固体処理剤を供給する固体処理剤供給手
段と、前記処理液容器に補充水を供給する補充水供給手
段と、を有することを特徴とする項に記載のハロゲン
化銀写真感光材料用自動現像機。』により、ハロゲン化
銀写真感光材料を処理する処理液を収容する処理液容器
に、固体処理剤と補充水を供給することにより補充がで
きるので、処理液容器を交換するのよりも、補充を簡単
に手軽にすることができる。また、ハロゲン化銀写真感
光材料を処理する処理液を収容する処理液容器に、固体
処理剤と補充水を供給することにより、処理液容器内の
処理液の体積と処理液の液面位を所定の範囲内に収める
ことが可能であり、その場合、処理液の急速な劣化を防
止できる。
【0025】
【0026】〔項〕『前記処理液容器から前記処理液
供給手段の間に設けられ、前記処理液容器からの処理液
を濾過する濾過手段を有することを特徴とする項に記
載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』によ
り、処理液中のゴミなどの不溶成分を除去でき、ゴミな
どの不溶成分が処理液供給手段の中で詰まったり、感材
に供給されて処理ムラを生じさせたりすることを防止で
きる。また、固体処理剤の不溶成分が処理液供給手段の
中で詰まって、処理液供給手段を腐食させたり、処理液
供給手段の供給が停止したときの処理液供給手段内の処
理剤成分濃度が以上に高くなり処理液供給手段内の処理
液が急速に劣化したり、また、感材に供給されて変色や
処理ムラを生じさせたりすることを防止できる。
【0027】〔項〕『前記処理液容器内の処理液を撹
拌する撹拌手段を有することを特徴とする項4または5
に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』に
より、処理液容器内で処理剤成分や処理剤濃度の偏りを
防止できる。また、固体処理剤の溶解を促進させ、処理
液容器の容積に対して感材の処理量が多い場合でも対応
できる。さらに、項の場合、前記濾過手段が撹拌手段
により撹拌される処理液中の未溶解の固体処理剤が処理
液供給手段まで飛ばされることを防止できるので、より
強く撹拌することができ、それにより、固体処理剤の溶
解をより促進させることができる。
【0028】〔項〕『前記処理液容器内の処理液を循
環させる循環手段を有することを特徴とする項
いずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動
現像機。』により、処理液容器内で処理剤成分や処理剤
濃度の偏りを防止できる。また、固体処理剤の溶解を促
進させ、処理液容器の容積に対して感材の処理量が多い
場合でも対応できる。さらに、項や項を引用する項
の場合、前記濾過手段が循環手段により循環される処
理液中の未溶解の固体処理剤が処理液供給手段まで飛ば
されることを防止できるので、より強く循環することが
でき、それにより、固体処理剤の溶解をより促進させる
ことができる。
【0029】〔項〕『前記循環手段により循環する処
理液の循環経路の前記固体処理剤供給手段により固体処
理剤が供給される領域の循環経路下流側で、前記処理液
供給手段により供給される処理液が存在する領域の循環
経路上流側に、処理液を濾過する循環濾過手段を有する
ことを特徴とする項に記載のハロゲン化銀写真感光材
料用自動現像機。』により、処理液中のゴミなどの不溶
成分を除去でき、ゴミなどの不溶成分が処理液供給手段
の中で詰まったり、感材に供給されて処理ムラを生じさ
せたりすることを防止できる。また、固体処理剤の不溶
成分が処理液供給手段の中で詰まって、処理液供給手段
を腐食させたり、処理液供給手段の供給が停止したとき
の処理液供給手段内の処理剤成分濃度が以上に高くなり
処理液供給手段内の処理液が急速に劣化したり、また、
感材に供給されて変色や処理ムラを生じさせたりするこ
とを防止できる。
【0030】〔項〕『前記処理液容器が密閉されてい
ることを特徴とする項のいずれか1項に記載のハ
ロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』により、処理
液容器内の処理液に新鮮な空気が供給され処理液が新鮮
な空気により劣化することを防止できるだけでなく、処
理液容器内の処理液が劣化して発生したガスが外部に漏
れ変な臭いがしたり、気分が悪くなったりすることを防
止できる。
【0031】〔項10〕『前記処理液供給手段がハロゲ
ン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を介して供給する処
理液の量が、ハロゲン化銀写真感光材料1m2あたり2
0ml以上200ml以下であることを特徴とする項1
のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料
用自動現像機。』により、充分な量の処理液が感材に供
給されるので、充分な処理性が得られると同時に、処理
液が感材に過度に供給されないので、供給された処理液
が感材の乳剤面から垂れたり、落ちたりすることを簡単
に防止できる。
【0032】〔項11〕『前記処理液が現像液または漂
白液であることを特徴とする項1〜10のいずれか1項
に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』
で、処理液が現像液または漂白液であるので、感材中か
ら銀イオンや不要物を取り除く処理工程でないので、充
分処理することが容易である。
【0033】〔項12〕『前記処理液が発色現像液であ
ることを特徴とする項11に記載のハロゲン化銀写真感
光材料用自動現像機。』で、処理液が発色現像液である
と空気により劣化しやすいので、上述の処理液の劣化を
防止する効果がより顕著である。
【0034】〔項13〕『前記処理液供給手段が供給口
を介して、ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を
介して供給するものであり、前記供給口にある処理液の
乾燥を防止する供給口乾燥防止手段を有することを特徴
とする項1〜12のいずれか1項に記載のハロゲン化銀
写真感光材料用自動現像機。』により、供給口にある処
理液の乾燥を防止するので、供給口で処理液が乾燥し
て、供給口にある処理液の濃度が高くなり、供給口にあ
った処理液で処理された感材が処理ムラになったり、供
給口にある処理液が劣化したり、供給口が詰まったりす
ることを防止できる。
【0035】〔項14〕『前記供給口乾燥防止手段が、
前記供給口を蓋するものであることを特徴とする項13
に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』に
より、加湿装置など高価な機構を設けなくても、供給口
にある処理液の乾燥を簡単な機構で防止できる。
【0036】〔項15〕『前記処理液供給手段が処理液
を供給する先にハロゲン化銀写真感光材料が存在すると
きに、前記処理液供給手段が処理液を供給するように制
御する制御手段を有することを特徴とする項1〜14
いずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動
現像機。』により、必要なときに処理液を供給すること
ができるので、無駄な処理液の供給を防止できる。
【0037】〔項16〕『前記ハロゲン化銀写真感光材
料を所定の搬送速度で搬送する搬送手段と、前記処理液
供給手段が処理液を供給する先よりも前記搬送手段の搬
送方向上流側の所定位置の前記ハロゲン化銀写真感光材
料の存在を検出する感材検出手段と、を有し、前記感材
検出手段の検出に基づき、前記制御手段が前記処理液供
給手段の処理液の供給を制御することを特徴とする項
に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。』
により、簡単な装置で、処理液供給手段が処理液を供給
する先にハロゲン化銀写真感光材料が存在するときに、
前記処理液供給手段が処理液を供給する制御ができ、こ
れにより、必要なときに処理液を供給することができる
ので、無駄な処理液の供給を防止でき、また、無駄な処
理液の供給による周辺装置の汚れを防止できる。
【0038】〔項17〕『前記制御手段は、前記感材検
出手段が前記所定位置のハロゲン化銀写真感光材料の非
存在から存在への変化を検出してから所定時間経過後、
前記処理液供給手段が処理液の供給を開始し、前記感材
検出手段が前記所定位置のハロゲン化銀写真感光材料の
存在から非存在への変化を検出してから所定時間経過
後、前記処理液供給手段が処理液の供給を終了するよう
に、制御することを特徴とする項16に記載のハロゲン
化銀写真感光材料用自動現像機。』により、簡単な制御
で、処理液供給手段が処理液を供給する先にハロゲン化
銀写真感光材料が存在するときに、前記処理液供給手段
が処理液を供給する制御ができ、これにより、必要なと
きに処理液を供給することができるので、無駄な処理液
の供給を防止でき、また、無駄な処理液の供給による周
辺装置の汚れを防止できる。
【0039】〔項18〕『前記感材検出手段が、さら
に、前記所定位置のハロゲン化銀写真感光材料の幅を検
出するものであり、前記処理液供給手段は、処理液を供
給する幅を変更できるものであり、前記制御手段は、前
記感材検出手段が検出したハロゲン化銀写真感光材料の
幅に応じて、前記処理液供給手段が処理液を供給する幅
を変更するように制御することを特徴とする項16また
は項17に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
機。』により、感材の幅に応じて必要な幅にわたって処
理液を供給することができるので、無駄な処理液の供給
を防止でき、また、無駄な処理液の供給による周辺装置
の汚れを防止できる。
【0040】〔項19〕『前記制御手段は、ハロゲン化
銀写真感光材料の処理を行わない待機稼働状態において
も、定期的に処理液を供給するように制御することを特
徴とする項16、項17または項18に記載のハロゲン
化銀写真感光材料用自動現像機。』により、処理液供給
手段にある処理液が乾燥することによる目詰まりを防止
でき、また、処理液供給手段にある処理液が劣化して処
理された感材が処理ムラや変色することを防止できる。
【0041】〔処理液供給手段〕本発明での“気相を介
して処理液を供給する”とは、処理液の供給部が処理さ
れる感光材料の乳剤面に接触することなく、気体空間を
介して供給されることを意味し、具体的に処理液供給手
段としては、処理液を感材に気相を介して飛翔させる処
理液飛翔手段や、カーテンコータのように、感材に気相
を介して処理液を塗布する処理液塗布手段などが挙げら
れる。処理液を感材に気相を介して飛翔させる処理液飛
翔手段としては、インクジェットプリンタのインクジェ
ットヘッド部と同様の構造のものや特開平6−3244
55号に記載の構造のものなどのように、処理液を感材
に気相を介して処理後飛翔手段において圧力を発生させ
て能動的に飛翔させるものや、スプレーバーのように、
処理液を感材に気相を介して処理後飛翔手段にかかる液
圧力により飛翔させるものなどが挙げられる。インクジ
ェットプリンタのインクジェットヘッド部と同様の構造
のものによる処理液を感材に気相を介して飛翔させる処
理液飛翔手段としては、振動により処理液を供給するも
のや、突沸により処理液を供給するものなどが挙げら
れ、処理液供給量を制御しうるし、感材の処理位置をも
選択し得るので好ましい。
【0042】また、処理液供給手段としては、線状の供
給ヘッドから処理液を感材に気相を介して供給するもの
でも、面状の供給ヘッドから処理液を感材に気相を介し
て供給するものでも、点状の供給ヘッドから処理液を感
材に気相を介して供給するものでも、その他の方法でも
よい。また、感材がシートの場合、感材の大きさに相当
する面状の供給ヘッドを用いて、感材と供給ヘッドとの
位置関係が固定されている状態で、供給ヘッドから処理
液を感材に気相を介して供給してもよいが、供給ヘッド
と感材との位置関係をずらしながら、供給ヘッドから処
理液を感材に気相を介して供給する方が、供給ヘッドが
小さくても感材に処理液を充分に供給でき好ましい。ま
た、線状の供給ヘッドを用いる場合は、供給ヘッドが移
動してもよいが、迅速に処理液を感材に供給するため
に、線状の供給ヘッドに対して、線状の供給ヘッドの長
手方向と平行な方向以外に感材を移動させることが好ま
しい。特に、処理時間を一定にするために、感材を線状
の供給ヘッドの長手方向と垂直方向に移動させることが
好ましい。また、処理液飛翔手段として、供給ヘッドと
感材との位置関係をずらしながら、供給ヘッドから処理
液を感材に気相を介して飛翔させる場合、処理液飛翔手
段が1秒あたりに処理液を感材に気相を介して飛翔させ
る回数は、感材の表面に充分に処理液を供給するため
に、1回以上が好ましく、特に10回以上が好ましい。
また、供給ヘッドから飛翔させるために、1×106
以下が好ましく、特に1×105回以下が好ましい。
【0043】また、処理液供給手段が供給口を介して処
理液を感材に供給する場合、その供給口の形状は、円
形、四角形、楕円形などどんな形状でもよい。そして、
各々の供給口の面積は、処理液が若干乾燥した位で詰ま
らないようにするなどのために、1×10-112以上が
好ましく、特に1×10-102以上が好ましい。また、
各々の供給口の面積は、感材に均一に処理液を供給する
などのために、1×10-82以下が好ましく、特に1
×10-62以下が好ましい。また、各供給口の間隔
は、最近接供給口との縁間距離の平均で、供給口の強度
の点などから、5×10-6m以上が好ましく、また、感
材の表面に充分に処理液を供給するなどのために、1×
10-3m以下が好ましい。
【0044】また、処理後供給口と感材乳剤面との距離
は、50μm以上(特に1mm以上)がこの距離を簡単
に制御するために好ましく、また、10mm以下(特に
5mm以下)が好ましい。
【0045】〔加熱手段〕加熱手段により加熱された感
材の温度は、40℃以下の加温程度でもよいが、40℃
以上が好ましく、さらに45℃以上、特に50℃以上が
好ましい。また、感材の耐熱性や処理の制御容易性か
ら、100℃以下が好ましく、さらに処理液の沸騰を防
止するために、90℃以下、特に80℃以下が好まし
い。
【0046】感材を加熱する加熱手段としては、熱ドラ
ムや熱ベルトなどの感材と接触して伝導により加熱する
伝導加熱手段や、ドライヤーなどの対流により加熱する
対流加熱手段や、赤外線や高周波の電磁波などの放射に
より加熱する放射加熱手段などが挙げられる。
【0047】そして、伝導加熱手段の場合、処理される
感材の乳剤面への悪影響を防止するために、加熱される
熱源は処理される感材の裏面側から接触することが好ま
しい。
【0048】また、本発明において、処理液が感材乳剤
面に供給される前に感材を加熱する場合、感材の露光時
の温度による感光性の相違の影響を小さくするために、
該感材の露光が完了した後に感光材料を加熱することが
好ましい。
【0049】また、加熱手段が加熱する先にハロゲン化
銀写真感光材料が存在するときに、前記加熱手段が加熱
するように制御する加熱制御手段を有することが、不要
な加熱を防止でき好ましい。これは、ハロゲン化銀写真
感光材料を所定の搬送速度で搬送する搬送手段と、加熱
手段が加熱する先よりも前記搬送手段の搬送方向上流側
の所定位置の前記ハロゲン化銀写真感光材料の存在を検
出する感材検出手段とを有し、前記感材検出手段の検出
に基づき、前記加熱制御手段が制御することにより達成
できる。この場合の制御は、前記感材検出手段が前記所
定位置のハロゲン化銀写真感光材料の非存在から存在を
検出してから所定時間経過後から前記感材検出手段が前
記所定位置のハロゲン化銀写真感光材料の存在から非存
在を検出してから所定時間経過後まで、前記加熱手段が
所定の加熱をするように制御することが好ましい。
【0050】〔撹拌手段〕撹拌手段としては、誘導磁場
により回転する回転子やモータなどにより回転する回転
軸に設けられたプロペラなどが挙げられる。
【0051】〔循環手段〕循環手段としては、通常の自
動現像機に用いられる循環ポンプでよい。
【0052】ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体上に
ハロゲン化銀乳剤層を設けたもので、支持体の片面に設
けたものであっても、両面に設けたものであってもよ
い。ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面とは、ハロゲン
化銀乳剤層を設けた側の面であり、両面に設けたものの
場合、表面であっても裏面であってもよい。
【0053】〔固体処理剤供給手段〕処理液容器に固体
処理剤を供給する固体処理剤供給手段としては、例え
ば、固体処理剤が錠剤である場合、実開昭63−137
783号公報、同63−97522号公報、実開平1−
85732号公報等公知の方法があるが、錠剤を処理液
容器に供給するものであれば、いかなる手段でも良い。
また、固体処理剤が顆粒又は粉末である場合には実開昭
62−81964号、同63−84151号や特開平1
−292375号に記載の重力落下方式の手段や実開昭
63−105159号や同63−195345号に記載
のスクリュー又はネジによる方式による手段があるが、
これらに限定されるものではない。
【0054】固体処理剤の1回に供給される量として
は、固体処理剤供給手段の耐久度や一回の投入量の精度
といった点から0.1g以上であることが好ましく、一
方溶解時間の観点から50g以下が好ましい。
【0055】〔補充水〕補充水とは、処理液容器に供給
される固体処理剤を溶解する作用を有する液のことであ
り、通常は水である。
【0056】〔固体処理剤〕固体処理剤とは、感材を処
理する処理液の処理剤成分を含む固体の処理剤である。
固体処理剤には、粉末、錠剤、丸薬、顆粒などが挙げら
れる。また、必要に応じ表面に水溶性ポリマーなどの水
溶性被覆を施したものでもよい。本発明でいう粉末と
は、微粒結晶の集合体のことをいう。本発明でいう顆粒
とは、粉末を造粒したもので、粒径50〜5000μm
の粒状物であることが好ましい。本発明でいう錠剤と
は、粉末又は顆粒を一定の形状に圧縮成型したもののこ
とを言う。本発明でいう丸薬とは造粒または打錠により
丸みをおびた形(じゃがいも形や球形を含む)に成形し
たものをいう。上記固体処理剤の中でも、顆粒状、錠剤
状または丸薬状のいずれかである方が、取扱上粉塵の発
生が少なく、投入精度が良いので好ましい。さらに、そ
の中でも錠剤状である方が、補充精度が高くしかも取扱
い性が簡単であり、急激に溶解して濃度が急変すること
がなく、本発明の効果を良好に奏することから好ましく
用いられる。
【0057】写真処理剤を固体化するには、濃厚液また
は微粉ないし粒状の写真処理剤と水溶性結合剤を混練し
成型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結
合剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意
の手段が採用できる(特開平4−29136号、同4−
85533号〜同4−85536号、同4−17234
1号の各公報参照)。
【0058】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。錠剤、顆粒
または丸薬形成のための造粒方法は転動造粒、押し出し
造粒、圧縮造粒、解砕造粒、撹拌造粒、流動層造粒、噴
霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。また、
造粒に際し水溶性の結合剤を0.01〜20重量%添加
することが好ましい。水溶性結合剤としては、セルロー
ス類、デキストリン類、糖アルコール類、ポリエチレン
グリコール類、シクロデキストリン類などが好ましい。
【0059】以下に好ましい化合物の例を挙げるが、こ
れに限定されない。
【0060】I.水溶性ポリマー ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、ポリビニルアセタール、ポリビニル
アセテート、アミノアルキルメタクリレート共重合体、
メタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体、メタク
リル酸−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸系
ベタイン型ポリマーなど II.糖類 グリコース、ガラクトースなどの単糖類、マルトース、
サクロース、ラクトースなどの二糖類、マンニトール、
ソルビトール、エリスリトールなどの糖アルコール、プ
ルラン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメ
チルエチルセルロース、デキストリン類、でんぶん分解
物など これらの中でも特に好ましい化合物としては、ポリプロ
ピレングリコールとポリエチレングリコールのブロック
ポリマー(プルロニック型ポリマー)、ポリエチレング
リコール(重量平均分子量2,000〜20,00
0)、レーム・ファーマ社製オイドラギットに代表され
るメタクリル酸−メタクリル酸エステル共重合体および
メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、エリスリ
トール、マルトース、マニトール、松谷化学社製パイン
フローまたはパインデックスに代表されるデキストリン
およびでんぷん分解物、三菱油化社製ユカフォーマーに
代表されるメタクリル酸系ベタイン型ポリマーが挙げら
れる。
【0061】これらの素材は、固体処理剤の重量に対し
0.5%以上20%以下であることが好ましく、特に
0.5%以上20%以下が好ましい。
【0062】次に得られた造粒物を加圧圧縮して錠剤を
形成する際には公知の圧縮機、例えば油圧プレス機、単
発式打錠機、ロータリー式打錠機、ブリケッテングマシ
ンを用いることが出来る。さらに好ましくは造粒時、各
成分毎例えばアルカリ剤、保恒剤等を分別造粒すること
が好ましい。
【0063】錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭
51−61837号、同54−155038号、同52−
88025号、英国特許1,213,808号等の明細
書に記載される一般的な方法で製造でき、更に顆粒処理
剤は、例えば、特開平2−109042号、同2−10
9043号、同3−39735号及び同3−39739
号等の明細書に記載される一般的な方法で製造できる。
更にまた粉末処理剤は、例えば、特開昭54−1333
32号、英国特許725,892号、同729,862
号及びドイツ特許3,733,861号等の明細書に記
載されるが如き一般的な方法で製造できる。
【0064】〔処理工程〕本発明の特徴とする各手段
は、感材を処理液で処理するどの処理工程に用いられて
もよいが、定着処理工程や不要物を除去する処理工程で
はなく、色素生成や酸化反応を起こす処理工程に用いら
れることが好ましく、特に、現像工程、発色現像処理工
程、漂白工程が好ましい。
【0065】〔発色現像処理〕発色現像処理工程の時間
は、感材が、発色現像液を最初に供給されてから次の工
程の処理液を供給または次の工程の処理液に浸漬される
までの時間である。この発色現像処理工程の時間は、5
秒以上、特に8秒以上が、発色現像処理を充分に安定的
に行う上で好ましく、また、180秒以下、特に60秒
以下が、感材に供給された発色現像液が劣化したり、乾
燥したりして感材に悪影響を及ぼしたりすることを防止
でき好ましい。
【0066】また、発色現像処理工程では、複数の処理
液供給手段を設け、第一処理液供給手段から感材に処理
液を供給し、第一処理液供給手段から処理液を供給され
た感材に、第二処理液供給手段から処理液を供給するよ
うにしてもよい。この場合、以下の3つの好ましい態様
が挙げられる。
【0067】第一に、発色現像処理をpH7以上で活性
となる発色現像主薬により感材を発色現像処理する場合
において、第一処理液供給手段は発色現像主薬を含有す
るpH6以下の処理液を感材に供給するものであり、第
二処理液供給手段はpH7以上の発色現像処理液を供給
するものである態様である。これにより、拡散速度の遅
い発色現像主薬が感材の厚さ方向に充分拡散してから、
拡散速度の大きいアルカリ成分が供給され、拡散される
ので、感光層の厚み方向で現像開始時間が大きく異なる
ことによる現像ムラなどの問題が発生することを防止で
きる。感材が多層式カラー写真感光材料の場合、感光層
の厚み方向で現像開始時間が大きく異なると原色間の発
色特性が狂ってくるので、特に有用である。そして、特
に5層以上、さらに10層以上の多層構成の場合、効果
的である。
【0068】第二に、第一処理液供給手段は水を感材に
供給するものであり、第二処理液供給手段は発色現像処
理液を供給するものである態様である。これにより、感
材が水を供給され充分膨潤してから、発色現像処理液を
供給されるので、硬膜した感材中では拡散速度が遅い成
分も、充分速い速度て拡散されるので、感光層の厚み方
向で現像開始時間が大きく異なることによる現像ムラな
どの問題を減少できる。
【0069】第三に、第一処理液供給手段は過酸化水素
などの酸化剤を含有する水を感材に供給するものであ
り、第二処理液供給手段は発色現像処理液を供給するも
のである態様である。これにより、発色現像主薬は、水
溶性基を有するp−フェニレンジアミン系化合物である
ことが好ましい。前記水溶性基は、p−フェニレンジア
ミン系化合物のアミノ基またはベンゼン核上に少なくと
も1つ有するものが挙げられ、具体的な水溶性基として
は−(CH2n−CH2OH,−(CH2m−NHSO2
(CH2nCH3,−(CH2m−O−(CH2n−C
3,−(CH2CH2O)nm2m+1,(m及びnはそ
れぞれ0以上の整数を表す。)−COOH基,−SO3
H基等が好ましいものとして挙げられる。
【0070】好ましく用いられる発色現像主薬の具体的
例示化合物としては、下記(C−1)〜(C−18)が
挙げられる。
【0071】
【化1】
【0072】
【化2】
【0073】
【化3】
【0074】前記記載の化合物のうち好ましく用いられ
るものは(C−1),(C−2),(C−3),(C−
4),(C−15),(C−17)および(C−18)
で示される化合物である。
【0075】また、好ましく用いられる発色現像主薬
は、下記一般式〔P〕で表される水溶性基を有するパラ
フェニレンジアミン系発色現像主薬である。
【0076】
【化4】
【0077】(一般式〔P〕において、R1、R2は水素
原子、ハロゲン、アルキル基、アルコキシ基またはアシ
ルアミノ基を表す。R3はアルキル基を表し、R4はアル
キレン基を表す。R5は置換または無置換のアルキル基
またはアリール基を表す。) これらの具体的例示化合物としては、上記化合物以外に
下記の化合物(C−19)〜(C−35)が挙げられ
る。これらの化合物を一般式〔P〕のR1〜R5の具体的
な基を示すことで示す。
【0078】 R12345 C−19 −H −H −C3H7 −CH2CH(−CH3)− −CH3 C−20 −NHCOCH3 −H −CH3 −CH2CH2− −CH3 C−21 −H −H −CH3 −CH2CH(−CH3)− −CH3 C−22 −CH2CH3 −H −CH3 −CH2CH2− −CH3 C−23 −CH3 −H −CH3 −CH2CH(−CH3)− −CH2CH3 C−24 −CH3 −H −CH3 −CH2CH2− −CH2CH3 C−25 −O−CH2CH3 −H −CH2CH3 −CH(−CH3)CH2− −CH3 C−26 −NHCOCH3 −H −C3H7 −CH2CH2− −CH3 C−27 −CH3 −H −CH2CH3 −CH2CH2− −CH2−O−CH3 C−28 −H −H −CH3 −CH2CH2− −CH2−N−(CH3)2 C−29 −CH3 −H −CH2CH3 −CH2CH2− −CH2Cl C−30 −CH3 −H −CH2CH3 −CH2CH2− −CH2−NHCO−CH3 C−31 −CH2CH3 −H −CH2CH3 −CH2CH2− −CH2−O−CH3 C−32 −CH3 −H −CH2CH3 −CH2CH2− −CH2−O−CH2CH3 C−33 −CH3 −H −CH2CH3 −CH2CH2CH2− −CH3 C−34 −Cl −H −CH3 −CH2CH2CH2− −CH3 C−35 −O−CH3 −H −CH2CH3 −CH2CH(−CH3)− −CH3 上記例示化合物のうち好ましくは、(C−20),(C
−27),(C−29),(C−30),(C−33)
であり、上記全ての例示化合物の中で最も好ましくは
(C−1)である。また、一般式〔P〕の化合物の具体
的合成方法は、特開平4−37198号に記載の方法に
準じて合成できる。上記発色現像主薬は通常、塩酸塩、
硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の塩のかたちで用
いられる。
【0079】また、前記発色現像主薬は単独であるいは
二種以上併用して、また所望により白黒現像主薬例えば
フェニドン、4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−
フェニル−3−ピラゾリドンやメトール等と併用して用
いてもよい。
【0080】発色現像剤中に下記一般式〔H〕または
〔B〕で示される化合物を含有することが、写真性能的
に安定で未露光部に生じるカブリも少ないという利点も
あり、しかも固体処理剤の場合、他の化合物に比べ固体
処理剤の保存性が良くなる。
【0081】
【化5】
【0082】一般式〔H〕において、R1及びR2は同時
に水素原子ではないそれぞれアルキル基、アリール基、
R′−CO−基または水素原子を表すが、R1及びR2
表されるアルキル基は、同一でも異なってもよく、それ
ぞれ炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。更にこれら
アルキル基はカルボン酸基、リン酸基、スルホン酸基、
又は水酸基を有してもよい。R′はアルコキシ基、アル
キル基又はアリール基を表す。R1,R2及びR′のアル
キル基及びアリール基は置換基を有するものも含み、ま
た、R1及びR2は結合して環を構成してもよく、例えば
ピペリジン、ピリジン、トリアジンやモルホリンの如き
複素環を構成してもよい。
【0083】
【化6】
【0084】一般式〔B〕において、R11,R12,R13
は水素原子、置換又は無置換の、アルキル基、アリール
基、またはヘテロ環基を表し、R14はヒドロキシ基、ヒ
ドロキシアミノ基、置換又は無置換の、アルキル基、ア
リール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、カルバモイル基、アミノ基を表す。ヘテロ環基とし
ては、5〜6員環であり、C,H,O,N,S及びハロ
ゲン原子から構成され飽和でも不飽和でもよい。R15
−CO−,−SO2または−C(=NH)−から選ばれ
る2価の基を表し、nは0又は1である。特にn=0の
時R14はアルキル基、アリール基、ヘテロ環基から選ば
れる基を表し、R13とR14は共同してヘテロ環基を形成
してもよい。
【0085】一般式〔H〕の化合物のうち、下記一般式
〔D〕で示される化合物が特に好ましい。
【0086】
【化7】
【0087】(一般式〔D〕において、Lはアルキレン
基を表し、Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ
基、ホスフィン酸基、ヒドロキシル基、アミノ基、アン
モニオ基、カルバモイル基またはスルファモイル基を表
し、Rは水素原子またはアルキル基を表す。L,A,R
はいずれも、直鎖も分岐鎖も含み、無置換でも置換され
ていてもよい。LとRが連結して環を形成してもよ
い。) 一般式〔D〕で示される化合物について更に詳細に説明
する。式中、Lは炭素数1〜10の直鎖または分岐鎖の
置換してもよいアルキレン基を表し、炭素数1〜5が好
ましい。具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレ
ン、プロピレン等の基が好ましい例として挙げられる。
置換基としては、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ
基、ホスフィン酸基、ヒドロキシル基、アルキル置換し
てもよいアンモニオ基を表し、カルボキシル基、スルホ
基、ホスホノ基、ヒドロキシル基が好ましい例として挙
げられる。Aはカルボキシル基、スルホ基、ホスホノ
基、ホスフィン酸基、ヒドロキシル基、または、アルキ
ル置換してもよいアミノ基、アンモニオ基、カルバモイ
ル基またはスルファモイル基を表し、カルボキシル基、
スルホ基、ヒドロキシル基、ホスホノ基、アルキル置換
してもよいカルバモイル基が好ましい例として挙げられ
る。−L−Aの例として、カルボキシメチル基、カルボ
キシエチル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル
基、スルホプロピル基、スルホブチル基、ホスホノメチ
ル基、ホスホノエチル基、ヒドロキシエチル基が好まし
い例として挙げることができ、カルボキシメチル基、カ
ルボキシエチル基、スルホエチル基、スルホプロピル
基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基が特に好まし
い例として挙げることができる。Rは水素原子、炭素数
1〜10の直鎖または分岐鎖の置換してもよいアルキル
基を表し、炭素数1〜5が好ましい。置換基としては、
カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスフィン酸
基、ヒドロキシル基、または、アルキル置換してもよい
アミノ基、アンモニオ基、カルバモイル基またはスルフ
ァモイル基を表す。置換基は二つ以上あってもよい。R
として水素原子、カルボキシメチル基、カルボキシエチ
ル基、カルボキシプロピル基、スルホエチル基、スルホ
プロピル基、スルホブチル基、ホスホノメチル基、ホス
ホノエチル基、ヒドロキシエチル基が好ましい例として
挙げることができ、水素原子、カルボキシメチル基、カ
ルボキシエチル基、スルホエチル基、スルホプロピル
基、ホスホノメチル基、ホスホノエチル基が特に好まし
い例として挙げることができる。LとRが連結して環を
形成してもよい。
【0088】次に一般式〔D〕で表される化合物のう
ち、その代表的な化合物例を示すが、本発明はこれらの
化合物に限定されるものではない。
【0089】
【化8】
【0090】
【化9】
【0091】
【化10】
【0092】
【化11】
【0093】これら一般式〔H〕又は一般式〔B〕で示
される化合物は、通常遊離のアミン、塩酸塩、硫酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、酢
酸塩等の形で用いられる。
【0094】発色現像処理液には、保恒剤として亜硫酸
塩を微量用いることができる。該亜硫酸塩としては、亜
硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウ
ム、重亜硫酸カリウム等が挙げられる。
【0095】発色現像処理液には、緩衝剤を用いること
ができ、緩衝剤としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リン酸三ナト
リウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸
ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホ
ウ酸)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナ
トリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安
息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸
ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−
スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホ
サリチル酸カリウム)が好ましい。
【0096】発色現像処理液には、現像促進剤を用いる
ことができ、現像促進剤としては、チオエーテル系化合
物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウ
ム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合物、ポ
リアルキレンオキサイド、1−フェニル−3−ピラゾリ
ドン類、ヒドロジン類、メソイオン型化合物、イオン型
化合物、イミダゾール類等を必要に応じて添加すること
ができる。
【0097】発色現像液はベンジルアルコールを実質的
に含有しないものが好ましい。
【0098】発色現像処理液には、カブリ防止等の目的
で塩素イオン及び臭素イオンを添加することができる。
発色現像液に直接添加される場合、塩素イオン供給物質
として、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、ニッケ
ル、マグネシウム、マンガン、カルシウムまたはカドミ
ウムの塩化物が挙げられるが、そのうち好ましいものは
塩化ナトリウム、塩化カリウムである。また、発色現像
液に添加される蛍光増白剤の対塩の形態で供給されても
よい。臭素イオンの供給物質として、ナトリウム、カリ
ウム、アンモニウム、リチウム、カルシウム、マグネシ
ウム、マンガン、ニッケル、カドミウム、セリウムまた
はタリウムの臭化物が挙げられるが、そのうち好ましい
ものは臭化カリウム、臭化ナトリウムである。
【0099】発色現像液にはトリアジニルスチルベン系
蛍光増白剤を含有させることが本発明の目的の効果の点
から好ましい。かかる蛍光増白剤としては下記一般式
〔E〕で示される化合物が好ましい。
【0100】
【化12】
【0101】上式において、X2,X3,Y1及びY2は各
々水酸基、塩素又は臭素等のハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、
【0102】
【化13】
【0103】または−OR25を表す。ここでR21及びR
22は各々水素原子、アルキル基(置換体を含む)、又は
アリール基(置換体を含む)を、R23及びR24はアルキ
レン基(置換体を含む)を、R25は水素原子、アルキル
基(置換体を含む)又はアリール基(置換体を含む)を
表し、Mはカチオンを表す。
【0104】さらにまた、その他ステイン防止剤、スラ
ッジ防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いること
ができる。
【0105】また発色現像剤及び黒白現像剤組成物に
は、下記一般式〔K−I〕〜〔K−V〕で示されるキレ
ート剤が添加されることが好ましい。
【0106】
【化14】
【0107】
【化15】
【0108】
【化16】
【0109】
【化17】
【0110】
【化18】
【0111】
【化19】
【0112】
【化20】
【0113】
【化21】
【0114】
【化22】
【0115】これらキレート剤の中でも、とりわけ、K
−I−2,K−II−1,K−II−5,K−III−10,
K−IV−1,K−V−1が好ましく用いられる。
【0116】さらにまた上記発色現像剤にはアニオン、
カチオン、両性、ノニオンの各界面活性剤を含有させる
ことができる。また、必要に応じてアルキルスルホン
酸、アリールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カ
ルボン酸等の各種界面活性剤を添加してもよい。
【0117】パラフェニレンジアミン系発色現像主薬の
発色現像液中の濃度は0.018モル/リットル以上、
特に0.020モル/リットル以上であることが好まし
い。
【0118】発色現像用固体処理剤は、発色現像主薬や
アルカリ剤や保恒剤を1つにまとめて一剤の固体処理剤
にしてもよいし、それぞれをパートに分けたパート別固
体処理剤でもよい。
【0119】〔漂白処理〕漂白処理液には少なくとも1
種のアミノポリカルボン酸第2鉄錯体・含水塩を含有す
ることが好ましい。異なった2種以上のアミノポリカル
ボン酸第2鉄錯体・含水塩を混合して使用しても良い。
【0120】アミノポリカルボン酸第2鉄錯体として
は、以下に示すアミノポリカルボン酸の遊離酸(下記一
般式〔I〕で示される化合物)の鉄錯体の形として用い
られることが好ましく、前記第2鉄錯体とアミノポリカ
ルボン酸の遊離酸とを併用することがさらに好ましい。
特に好ましいのは、前記第2鉄錯体と、それを構成して
いるのと同種のアミノポリカルボン酸の遊離酸とを併用
することである。また、アミノポリカルボン酸第2鉄錯
体含水塩はカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩
等として用いることができ、アミノポリカルボン酸の遊
離酸は、遊離の酸、カリウム塩、ナトリウム塩等として
用いることができる。
【0121】
【化23】
【0122】R1〜R5は、水素原子、ヒドロキシ基、カ
ルボキシ基、スルホ基、カルバモイル基、ホスホノ基、
ホスホン基、スルファモイル基、スルホンアシド基、ア
シルアミノ基、ヒドロキサム基を表し、R1〜R5のうち
少なくとも1つはカルボキシ基である。
【0123】L1〜L7は置換されていても無置換であっ
てもよいアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン
基、シクロアルキレン基又はアラルキレン基を表す。l
1〜l7は、0〜6の整数を表す。ただし、l5〜l6が同
時に0になることはない。
【0124】本発明に係わるアミノポリカルボン酸第2
鉄錯体・含水塩を構成する一般式〔I〕で示されるアミ
ノポリカルボン酸(例示化合物I類)の具体的例示化合
物を下記に示す。
【0125】
【化24】
【0126】
【化25】
【0127】
【化26】
【0128】
【化27】
【0129】本発明の効果を良好にする化合物として
は、(I−1)〜(I−8)、(I−12)、(I−1
4)〜(I−20)、(I−22)、(I−23)、
(I−27)が挙げられ、特に好ましい化合物として
は、(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−
6)、(I−12)、(I−14)、(I−15)、
(I−17)が挙げられる。
【0130】本発明に係わるアミノポリカルボン酸第2
鉄錯体・含水塩(例示化合物II類)の具体的例示化合物
を下記に示す。
【0131】
【化28】
【0132】又、漂白処理後は下記一般式〔A〕で示さ
れる有機酸化合物を含有することが好ましい。
【0133】一般式〔A〕 A(−COOM) 式中、Aはn価の有機基を表し、nは1〜6の整数を表
し、Mはアンモニウム、アルカリ金属(ナトリウム、カ
リウム、リチウム等)又は水素原子を表す。
【0134】一般式〔A〕において、Aで表されるn価
の有機基としては、アルキレン基(例えばメチレン基、
エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基等)、
アルケニレン基(例えばエテニレン基等)、アルキニレ
ン基(例えばエチニレン基等)、シクロアルキレン基
(例えば1,4−シクロヘキサンジイル基等)、アリー
レン基(例えばo−フェニレン基、p−フェニレン基
等)、アルカントリイル基(例えば1,2,3−プロパ
ントリイル基等)、アレーントリイル基(例えば1,
2,4−ベンゼントリイル基等)が挙げられる。
【0135】以上述べたAで表されるn価の基は置換基
(例えばヒドロキシ基、アルキル基、ハロゲン原子等)
を有するものを含む(例えば1,2−ジヒドロキシエチ
レン、ヒドロキシエチレン、2−ヒドロキシ−1,2,
3−プロパントリイル、メチル−p−フェニレン、1−
ヒドロキシ−2−クロロエチレン、クロロメチレン、ク
ロロエテニレン等)。以下に、一般式〔A〕で示される
化合物の好ましい具体例を示す。
【0136】
【化29】
【0137】
【化30】
【0138】以上の例示化合物の中で、特に好ましいの
は例示化合物(A−1)、(A−3)、(A−4)、
(A−5)、(A−6)、(A−13)、(A−1
4)、(A−15)、(A−20)であり、とりわけ好
ましいのは、(A−1)、(A−5)、(A−6)、
(A−13)、(A−14)、(A−20)である。
又、前記の酸の塩としては、アンモニウム塩、リチウム
塩、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられるが、保
存安定性の観点からナトリウム塩、カリウム塩が好まし
い。これらの有機酸又はその塩は、単独で用いることも
出来るし2種以上を併用することも可能である。前記ア
ミノポリカルボン酸第2鉄錯塩と有機酸及び/又はその
塩を混合する際には、各々を顆粒として顆粒同士を混合
しても良いが、造粒時に混合して一つの造粒物とすると
本発明の効果をより良好に奏する。更にこれらの顆粒を
加圧圧縮すると強度に優れた錠剤を得ることが出来る。
【0139】又、漂白処理液には、再ハロゲン化剤を含
有しても良い。再ハロゲン化剤としては公知のものを使
用できるが、例えば、臭化アンモニウム、臭化カリウ
ム、臭化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、
塩化アンモニウム、沃化カリウム、沃化ナトリウム、沃
化アンモニウム等の化合物が挙げられる。
【0140】〔ハロゲン化銀写真感光材料〕本発明の自
動現像機で処理される感材の例として、塩化銀乳剤を含
有するハロゲン化銀カラー写真感光材料や、ハロゲン化
銀モノクロ写真感光材料や、沃臭化銀または臭化銀乳剤
を含有するハロゲン化銀カラー写真感光材料や、ハロゲ
ン化銀モノクロ写真感光材料などが挙げられる。
【0141】そして、本発明の自動現像機により処理さ
れるハロゲン化銀写真感光材料としては、ハロゲン化銀
組成の90モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀乳
剤を含有する乳剤層を少なくとも1層有することが好ま
しい。さらに、好ましくは95〜100モル%、更に好
ましくは98〜100モル%が塩化銀からなるハロゲン
化銀乳剤であることが処理進行性などの観点から好まし
い。
【0142】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。こ
れら実施例は本発明の具体例を示すものであり、本発明
や用語の意義を限定するものではない。また、断定的な
記述もあるが、これらも実施例として好ましい例を示す
ものであり、本発明や用語の意義を限定するものではな
い。
【0143】実施例1 〔装置〕図1は、実施例1の自現機の主要部の概略構成
図である。処理液により処理されるハロゲン化銀写真感
光材料Pの搬送経路上流には、露光済のハロゲン化銀写
真感光材料Pを加熱する加熱手段10がある。加熱手段
10には、加熱ドラム11がある。また、加熱ドラム1
1の上側に出口側ローラ12がある。加熱ドラム11の
左側に入口側ローラ13がある。出口側ローラ12の左
側で入口側ローラ13の上側に圧着ベルト駆動ローラ1
4がある。圧着ベルト15が、出口側ローラ12、入口
側ローラ13及び圧着ベルト駆動ローラ14に架け渡さ
れ、加熱ドラム11の周面の90°の区間に渡って加熱
ドラム11に圧されながら動くことにより、加熱ドラム
11に露光済の感材Pを圧着して搬送させる。これらに
より、感材Pは加熱される。
【0144】加熱ドラム11の感材Pの搬送経路下流に
現像処理手段20がある。現像処理手段20は、感材P
を処理する発色現像液を収容する処理液容器21を有す
る。処理液容器21は外気に対して密閉されている。処
理液供給手段22としては後述する供給ヘッドを使用す
る。これにより、処理液供給手段22が、加熱手段10
により加熱された感材Pの乳剤面に気相を介して発色現
像液を供給する。
【0145】現像処理手段20により発色現像処理され
た感材Pは漂白定着処理液槽BFで漂白定着処理され、
安定化処理槽STで安定化処理される。
【0146】〔加熱条件〕80℃の表面温度の加熱ドラ
ム11で、感材Pの乳剤面温度を80℃に加熱する。
【0147】〔供給ヘッド〕バブルジェット方式の線状
の供給ヘッドを使用する。この線状の供給ヘッドの長手
方向は、感材Pの搬送方向と垂直である。供給口の配列
は図11に示すように、二列の千鳥配列である。供給口
の間隔は最近接供給口との縁間距離で100μmであ
る。供給口の直径100μm(面積7.85×10-9
2)で、1秒間の処理 液供給回数5000回、ハロゲ
ン化銀写真感光材料1m2あたりの処理液供給量50m
lである。
【0148】〔感材〕通常の方法で露光されたコニカ株
式会社QA−A6ペーパー(ハロゲン化銀組成の99.
9モル%以上が塩化銀からなるハロゲン化銀乳剤を含有
する乳剤層を有する。)を処理する。
【0149】 〔処理液容器内の処理液処方〕 1リットル当たり 亜硫酸ナトリウム 0.05g ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 3.0 g ポリエチレングリコール#4000 10.0 g ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンジナトリウム 12.0 g チノパールSFP 2.0 g 炭酸カリウム 33.0 g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 20.0 g CD−3 10.0 g 水酸化カリウム 5.0 g 水酸化カリウムまたは硫酸を用いてpHを11.0に調整する。
【0150】〔漂白定着・安定化処理工程〕コニカ株式
会社CPK−2−28プロセスの処理条件で、同プロセ
ス用処理液により処理する。
【0151】〔処理条件〕 処理工程 処理時間 発色現像処理 10秒 漂白定着処理 27秒 安定化処理 27×3秒 〔結果〕熱ドラムにより感材を加熱した上で処理液を供
給するので、より迅速な発色現像反応が起こり、現像ム
ラも起こりにくい。
【0152】また、供給量が10ml/m2以上である
ので、最下層のイエロー発色層も充分発色現像されるの
で、ブルー濃度も充分であり、供給量が200ml/m
2以下であるので、処理液がたれることもない。
【0153】実施例2 実施例1において、加熱ドラムの表面温度を変えること
により、感材Pの乳剤面温度を変える以外は実施例1と
同様の実験を行う。
【0154】その結果、感材Pの乳剤面温度を40〜1
00℃に調整することにより、十分な発色現像濃度(特
にイエロー発色濃度)が得られ、また、処理液中の成分
の拡散性低下による現像ムラの発生を低減でき、迅速な
処理性と現像ムラの低減を達成することができる。さら
に、感材Pの乳剤面温度を50〜80℃に調整すること
により、現像ムラを最も低減できる。
【0155】実施例3 〔装置〕図2は、実施例3の自現機の主要部の概略構成
図である。処理液により処理される露光済のハロゲン化
銀写真感光材料PのマガジンMの感材Pの搬送経路下流
には、感材Pを加熱する加熱手段10がある。加熱手段
10として加熱空気送風機16がある。加熱空気送風機
16により加熱空気が感材Pの乳剤面に送風され、感材
Pは加熱される。
【0156】加熱空気送風機16の感材Pの搬送経路下
流に現像処理手段20がある。現像処理手段20は、感
材Pを処理する発色現像液を収容する処理液容器21を
有する。処理液容器21は外気に対して密閉されてい
る。処理液供給手段22としては後述する供給ヘッドを
使用する。これにより、処理液供給手段22が、加熱手
段10により加熱された感材Pの乳剤面に気相を介して
発色現像液を供給する。
【0157】現像処理手段20により発色現像処理され
た感材Pは漂白定着処理液槽BFで漂白定着処理され、
安定化処理槽STで安定化処理される。
【0158】〔加熱条件〕加熱空気送風機16により感
材Pの乳剤面温度を80℃にする。
【0159】〔供給ヘッド〕・〔感材〕・〔処理液容器
内の処理液処方〕・〔漂白定着・安定化処理工程〕・
〔処理条件〕 実施例1と同じである。
【0160】〔結果〕加熱空気送風機により感材を加熱
した上で処理液を供給するので、より迅速な発色現像反
応が起こり、現像ムラも起こりにくい。
【0161】また、供給量が10ml/m2以上である
ので、最下層のイエロー発色層も充分発色現像されるの
で、ブルー濃度も充分であり、供給量が200ml/m
2以下であるので、処理液が垂れることもない。
【0162】実施例4 〔装置〕図3は、実施例4の自現機の主要部の概略構成
図である。処理液により処理されるハロゲン化銀写真感
光材料Pの搬送経路上流には、露光済のハロゲン化銀写
真感光材料Pを加熱する加熱手段10がある。加熱手段
10には、加熱ドラム11がある。また、加熱ドラム1
1の上側に出口側ローラ12がある。加熱ドラム11の
左側に入口側ローラ13がある。出口側ローラ12の左
側で入口側ローラ13の上側に圧着ベルト駆動ローラ1
4がある。圧着ベルト15が、出口側ローラ12、入口
側ローラ13及び圧着ベルト駆動ローラ14に架け渡さ
れ、加熱ドラム11の周面の90°の区間に渡って加熱
ドラム11に圧っされながら動くことにより、加熱ドラ
ム11に感材Pを圧着して搬送させる。これらにより、
感材Pは加熱される。
【0163】加熱ドラム11の感材Pの搬送経路下流に
現像処理手段20がある。現像処理手段20は、感材P
を処理する発色現像液を収容する処理液容器21を有す
る。処理液容器21は外気に対して密閉されている。処
理液供給手段22としては後述する供給ヘッドを使用す
る。これにより、処理液供給手段22が、加熱手段10
により加熱された感材Pの乳剤面に気相を介して発色現
像液を供給する。
【0164】処理液供給手段22により気相を介して処
理液を供給される所の感材の搬送経路上流側から下流側
にかけて加熱する第二加熱手段30がある。第二加熱手
段30には、加熱ローラ31、駆動ローラ32、加熱ベ
ルト33がある。加熱ベルト33は加熱ローラ31と駆
動ローラ32に掛け渡されている。加熱ローラ31は、
処理液供給手段22により気相を介して処理液を供給さ
れる先の感材Pの搬送経路上流側にあり、加熱ベルト3
3を加熱する。加熱ローラ31より感材Pの搬送経路下
流側にある駆動ローラ32は加熱ベルト33を駆動させ
る。これにより、これにより、加熱ベルト33が加熱さ
れた状態で感材Pを加熱する。そして、処理液供給手段
22が、第二加熱手段30により加熱されている最中の
ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を介して処理
液を供給することになる。また、処理液供給手段22に
より気相を介して処理液をその乳剤面に供給されたハロ
ゲン化銀写真感光材料を、第二加熱手段30が加熱する
ことになる。
【0165】その後、現像処理手段20により発色現像
処理された感材Pは漂白定着処理液槽BFで漂白定着処
理され、安定化処理槽STで安定化処理される。
【0166】〔加熱条件〕表面温度80℃の加熱ドラム
11により感材乳剤面温度を80℃にする。
【0167】〔第二加熱条件〕表面温度80℃に加熱ベ
ルト33により、感材Pの支持体面から加熱し、感材乳
剤面温度を80℃に保つ。
【0168】〔供給ヘッド〕・〔感材〕・〔処理液容器
内の処理液処方〕・〔漂白定着・安定化処理工程〕・
〔処理条件〕 実施例1と同じである。
【0169】〔結果〕熱ドラムにより感材を加熱した上
で処理液を供給するので、より迅速な発色現像反応が起
こり、現像ムラも起こりにくい。
【0170】また、供給量が10ml/m2以上である
ので、最下層のイエロー発色層も充分発色現像されるの
で、ブルー濃度も充分であり、供給量が200ml/m
2以下であるので、処理液がたれることもない。
【0171】実施例5 図4は、実施例5の自現機の主要部の概略構成図であ
る。図5は実施例5の自動現像機の主要部の斜視図であ
る。図6は実施例5の自動現像機の供給口乾燥防止手段
近傍の斜視図である。
【0172】〔装置〕ハロゲン化銀写真感光材料Pを所
定の搬送速度で搬送する搬送手段として、図示しない搬
送ローラの他、加熱ドラム11、圧着ベルト15、加熱
ベルト33や漂白定着処理槽以降の搬送ローラなどがあ
る。そして、処理液供給手段20が処理液を供給する先
よりも搬送手段の搬送方向上流側の所定位置に、感材P
の存在を検出する感材検出手段70を有する。そして、
感材検出手段70の感材Pの搬送経路下流には、露光済
のハロゲン化銀写真感光材料Pを加熱する加熱手段10
がある。加熱手段10には、加熱ドラム11がある。ま
た、加熱ドラム11の上側に出口側ローラ12がある。
加熱ドラム11の左側に入口側ローラ13がある。出口
側ローラ12の左側で入口側ローラ13の上側に圧着ベ
ルト駆動ローラ14がある。圧着ベルト15が、出口側
ローラ12、入口側ローラ13及び圧着ベルト駆動ロー
ラ14に架け渡され、加熱ドラム11の周面の90°の
区間に渡って加熱ドラム11に圧っされながら動くこと
により、加熱ドラム11に感材Pを圧着して搬送させ
る。これらにより、感材Pは加熱される。
【0173】加熱ドラム11の感材Pの搬送経路下流に
現像処理手段50がある。現像処理手段50は、感材P
を処理する処理液(発色現像液)を収容する処理液容器
として第一処理液容器51と第二処理液容器56を有す
る。第一処理液容器51と第二処理液容器56は外気に
対して密閉されている。処理液供給手段52としては後
述する供給ヘッドを使用する。これにより、処理液供給
手段52が、加熱手段10により加熱された感材Pの乳
剤面に気相を介して処理液(発色現像液)を供給する。
また、第一処理液容器51の上方で第二処理液容器56
の左方には循環ポンプ54が有り、第一処理液容器51
と第二処理液容器56との隔壁にフィルタ55が有り、
循環ポンプ54が作動させることにより、図4の矢印に
示す方向に、発色現像液を第一処理液容器51から循環
ポンプ54、第二処理液容器56、フィルタ55の順に
循環させる。また、回転子57が第二処理液容器56の
中で回転して第二処理液容器56内の処理液を撹拌す
る。
【0174】これにより、第二処理液容器56から処理
液供給手段52の間に設けられ、第二処理液容器56か
らの処理液を濾過する濾過手段(フィルタ55)を有す
ることになり、循環手段(循環ポンプ54)により循環
する処理液の循環経路の固体処理剤供給手段40により
固体処理剤が供給される領域(第二処理液容器56)の
循環経路下流側で、処理液供給手段52により供給され
る処理液が存在する領域(第一処理液容器51)の循環
経路上流側に、処理液を濾過する循環濾過手段(フィル
タ55)を有することなる。
【0175】また、第二処理液容器56には補充水供給
手段59から補充水を供給される。また、第二処理液容
器56にハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤を供給
する固体処理剤供給手段40が第二処理液容器56の処
理液面53上方に設けられている。固体処理剤供給手段
40は、固体処理剤容器49から固体処理剤を一定量ず
つ供給する定量供給部41と、定量供給部41から供給
された固体処理剤を処理液に導く誘導部44を有する。
固体処理剤としては錠剤Jを用いることで、定量性を向
上させ、処理液容器内の処理剤成分の変動を低減でき
る。固体処理剤容器49の内部は隔壁により4行4列の
16の部屋(複数の部屋)に分割されており、それぞれ
の部屋に錠剤を実質的に点接触または線接触で一列に収
容できるようになっている。これにより、固体処理剤ど
うしが固着したりすることを防止できる。特に、本発明
の場合、処理液容器の容量を小さくでき、そのためには
錠剤の大きさも従来のものよりも小さくするため、固体
処理剤どうしが固着しやすいので、特に有用である。定
量供給部41はその内部に回転する回転ロータ42が設
けられている。そして、固体処理剤容器49の部屋の2
行ずつに対応して受容部43が設けられており、回転ロ
ータ42が180度回転する毎に錠剤Jが2個ずつ受容
部43に受容され、受容部43から誘導部44へ錠剤J
が2個ずつ供給される。この際、固体処理剤供給時以外
は、回転ロータ42は受容部43がない所が誘導部44
に面しているので、この回転ロータ42で処理液からの
湿気が固体処理剤容器49側に来ることを防止ししてい
る。誘導部44は、略Sの字の形になっており、固体処
理剤が勢いよく処理液面53に落下して液をはね上げる
ことを防止すると同時に、処理液からの湿気が多量に回
転ロータ42に来ることを防止している。特に、本発明
の場合、処理液容器の容量を小さくでき、そのためには
錠剤の大きさも従来のものよりも小さくするため、固体
処理剤と回転ロータ42などが固着しやすいので、特に
有用である。
【0176】処理液供給手段52には、長手方向が感材
Pの搬送方向と垂直である線状のバルブジェット方式の
供給ヘッドを用い、供給ヘッドへの処理液の供給を感材
Pの幅方向の途中でストップする第一シャッタ62と第
二シャッタ64が設けられている。第一シャッタ62は
第一シャッタ駆動部61により供給ヘッドへの処理液の
供給路に挿入離脱自在に駆動され、第二シャッタ64は
第二シャッタ駆動部63により供給ヘッドへの処理液の
供給路に挿入離脱自在に駆動される。図5では、第二シ
ャッタ64が供給ヘッドへの処理液の供給路に挿入され
た状態を示す。
【0177】図6(B)に示すように、処理液供給手段
52の下には、処理液供給手段52の供給ヘッドの供給
口にある処理液の乾燥を防止するために、処理液を感材
Pに供給しない時に供給ヘッドの供給口を蓋する供給口
乾燥防止手段80がある。供給口乾燥防止手段80は、
可動蓋81と、可動蓋81を支える支持棒82と、支持
棒82を上下に移動させるモータ83がある。支持棒8
2にはラックがモータ83にはピニオンを設けるなどに
より、モータ83により支持棒82を上下に駆動する。
可動蓋81は断面凹形状であり、後述するように、感材
Pの処理を行わない待機稼働状態においても、処理液供
給手段52は定期的に処理液を供給するが、この際に若
干可動蓋81が図6(A)に示すように、下に移動し、
処理液供給手段52から供給された処理液を受け、支持
棒82の中に設けられた図示しない孔を通して、廃液部
に処理液を排出することにより、この処理液で周辺の装
置が汚れることを防止する。
【0178】処理液供給手段52により気相を介して処
理液を供給される所の感材Pの搬送経路下流側に感材P
を加熱する第二加熱手段30がある。第二加熱手段30
には、加熱ローラ31、駆動ローラ32、加熱ベルト3
3がある。加熱ベルト33は加熱ローラ31と駆動ロー
ラ32に掛け渡されている。加熱ローラ31は、処理液
供給手段22により気相を介して処理液を供給される先
の感材Pの搬送経路下流側にあり、加熱ベルト33を加
熱する。加熱ローラ31より感材Pの搬送経路下流側に
ある駆動ローラ32は加熱ベルト33を駆動させる。こ
れにより、加熱ベルト33が加熱された状態で感材Pを
加熱する。そして、処理液供給手段22により気相を介
して処理液をその乳剤面に供給されたハロゲン化銀写真
感光材料を、第二加熱手段30が加熱することになる。
【0179】その後、現像処理手段20により発色現像
処理された感材Pは漂白定着処理液槽BFで漂白定着処
理され、安定化処理槽STで安定化処理される。
【0180】〔装置の制御〕図7に、実施例5の自動現
像機の主要ブロック図を示す。処理液供給手段52が処
理液を供給する先よりも搬送手段の搬送方向上流側の所
定位置の感材Pの存在を検出する感材検出手段70は、
図7に示すように、感材Pの一端を位置決め壁74に擦
らして、感材Pの幅方向に複数の感材検出センサを設け
て、複数の感材検出センサにより感材Pの幅を検出して
いる。この複数の感材検出センサとして、第一感材検出
センサ71(例えば位置決め壁74から30mmの位
置)、第二感材検出センサ72(例えば位置決め壁74
から95mmの位置)と第三感材検出センサ73(例え
ば位置決め壁74から110mmの位置)がある。演算
制御部75はこれらのセンサの検出結果から感材Pの幅
を以下の表に示すように、求めている。第一感材検出セ
ンサ71が感材Pの存在を検出して第二感材検出センサ
72と第三感材検出センサ73が感材Pの非存在を検出
した場合は、感材Pの幅が短い(例えば89mm以下)
と判断する。第一感材検出センサ71と第二感材検出セ
ンサ72が感材Pの存在を検出して第三感材検出センサ
73が感材Pの非存在を検出した場合は、感材Pの幅が
中間(例えば100〜105mm)と判断する。第一感
材検出センサ71、第二感材検出センサ72と第三感材
検出センサ73が感材Pの存在を検出した場合は、感材
Pの幅が長い(例えば125〜130mm)と判断す
る。それ以外の場合は、異常であると判断する。
【0181】また、演算制御部75は、感材検出手段7
0が検出した感材Pの幅に応じて、処理液供給手段52
が処理液を供給する幅を変更するように制御する制御手
段でもある。演算制御部75は、検出した感材Pの幅に
応じて、下記の表に示すように、第一シャッタ駆動部6
1と第二シャッタ駆動部63を制御する。感材Pの幅が
短い(例えば89mm以下)と判断した場合、第一シャ
ッタ駆動部61により第一シャッタ62(例えば感材P
の一端から95mmの位置にある)を供給ヘッドへの処
理液の供給路に挿入し、感材Pの幅が中間(例えば10
0〜105mm)と判断した場合、第一シャッタ駆動部
61により第一シャッタ62を供給路から離脱させ、第
二シャッタ駆動部63により第二シャッタ64(例えば
感材Pの一端から110mmに位置にある)を供給ヘッ
ドへの処理液の供給路に挿入し、感材Pの幅が長い(例
えば125〜130mm)と判断した場合、第一シャッ
タ駆動部61により第一シャッタ62を供給路から離脱
させ、第二シャッタ駆動部63により第二シャッタ64
を供給ヘッドへの処理液の供給路から離脱させ、異常と
判断した場合、警報を示す。
【0182】
【表1】
【0183】なお、第二感材検出センサ72と第三感材
検出センサ73を設ける代わりに、感材Pの幅の検出
を、感材Pを収容するマガジンに設けられた収容する感
材の幅の表示を検出するマガジン収容感材幅検出センサ
により検出してもよい。
【0184】また、演算制御部75は、感材検出手段7
0が前述の所定位置の感材Pの非存在から存在を検出し
てから所定時間経過後、処理液供給手段52が処理液の
供給を開始し、感材検出手段70が前述の所定位置の感
材Pの存在から非存在への変化を検出してから所定時間
経過後、処理液供給手段52が処理液の供給を終了する
ように、制御することにより、前述の搬送手段により、
感材Pは所定の搬送速度で搬送されるので、処理液供給
手段52が処理液を供給する先に感材Pが存在するとき
に、処理液供給手段52が処理液を供給するように制御
できる。この際の所定時間として前述の所定位置と処理
液供給手段52が処理液を供給する先までの距離と所定
の搬送速度とから求めることができる。これは予め求め
ておいた値に基づいて制御してもよいし、搬送速度を検
出しながら制御してもよい。
【0185】また、演算制御部75は、処理液供給手段
52が処理液を感材Pに供給しない時に供給ヘッドの供
給口を蓋する供給口乾燥防止手段80を制御する。前述
の所定位置の感材Pの非存在から存在を検出すると、モ
ータ83を制御して、図6(A)に示すように、可動蓋
81を供給ヘッドの供給口から離し、感材Pの搬送経路
から退避させ、感材検出手段70が前述の所定位置の感
材Pの存在から非存在への変化を検出してから所定時間
+α経過後、図6(B)に示すように、可動蓋81を供
給ヘッドの供給口を蓋するように、制御することによ
り、供給口乾燥防止手段80が処理液供給手段52が処
理液を感材Pに供給する時にジャマにならないように制
御する。また、感材Pの処理を行わない待機稼働状態に
おいても、処理液供給手段52は定期的に処理液を供給
するが、この際に処理液供給手段52が処理液を供給す
る前に、図6(A)に示すように、モータ83を制御し
て、若干可動蓋81が下に移動させ、第一シャッタ駆動
部61により第一シャッタ62を供給路から離脱させ、
第二シャッタ駆動部63により第二シャッタ64を供給
ヘッドへの処理液の供給路から離脱させ、その後に、処
理液供給手段52に処理液を供給させ、終われば、モー
タ83を制御して、図6(B)に示すように、可動蓋8
1が供給ヘッドの供給口を蓋するように制御する。第一
シャッタ62も第二シャッタ64も供給ヘッドへの処理
液の供給路から離脱させてから、処理液供給手段52が
処理液を供給することで全ての供給口の詰まりを防止で
きる。
【0186】また、演算制御部75は、前述の所定位置
の感材Pの非存在から存在を検出してから感材Pの存在
から非存在を検出するまでの時間と、判断した感材Pの
幅から処理する感材Pの面積を算出する。算出された処
理する感材Pの面積を累積して、処理する感材Pの面積
の累積値が所定の面積に達する毎に、第二処理液容器5
6に補充水を供給するように補充水供給手段59を制御
し、また、第二処理液容器56にハロゲン化銀写真感光
材料用固体処理剤を供給するように、固体処理剤供給手
段40の定量供給部41を制御する。これにより、処理
液供給手段52からの処理液の供給量に応じた安定した
固体処理剤と補充水の補充を行うことができる。
【0187】〔加熱条件〕表面温度80℃の加熱ドラム
11により、感材乳剤面温度を80℃に加熱する。
【0188】〔第二加熱条件〕表面温度80℃に加熱ベ
ルト33により、感材支持体面から加熱し、感材乳剤面
温度を80℃に保つ制御を行う。
【0189】〔供給ヘッド〕バブルジェット方式のヘッ
ドを使用する。このヘッドには、処理液供給手段におい
て処理液を加熱する加熱手段(加熱コイル)がある。こ
れにより、処理液供給手段により供給される処理液を加
熱する。供給口の配列は図11に示すように二列の千鳥
配列である。供給口の間隔は100μmである。供給口
の直径100μm(面積7.85×10-92)で、1
秒間の処理液供給回数5000回、ハロゲン化銀写真感
光材料1m2あたりの処理液供給量50mlである。
【0190】〔感材〕実施例1と同じ。
【0191】〔発色現像用錠剤Jの作製方法〕 操作(1) 現像主薬のCD−3すなわち4−アミノ−3−メチル−
N−エチル−N−〔β−(メタンスルホンアミド)エチ
ル〕アニリン硫酸塩1000gを市販のバンダムミル中
で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微粉末を
重量平均分子量6000のポリエチレングリコール10
00.0gを加え市販の混合機で均一に混合する。次に
市販の撹拌造粒機中で7分間室温にて50mlの水を添
加することにより造粒した後、造粒物を流動層乾燥機で
40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除
去する。
【0192】操作(2) ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンジナトリウム
400.0g、p−トルエンスルホン酸ナトリウム17
00.0g、チノパールSFP(チバガイギー(株)
製)300.0gを操作(1)と同様にして各々粉砕す
る。これらとパインフロー(松谷化学社製)240.0
gを市販の混合機で均一に混合する。次に操作(1)と
同様にして、水の添加量を60mlにして造粒を行う。
造粒物を50℃で2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完
全に除去する。
【0193】操作(3) ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム330.0
g、p−トルエンスルホン酸ナトリウム130.0g、
亜硫酸ナトリウム37.0g、水酸化リチウム1水塩3
40.0g、無水炭酸カリウム3300.0gを操作
(1)と同様にして各々粉砕する。これらと重量平均分
子量4000のポリエチレングリコール500.0g、
マンニトール600.0gを40%RH以下に調湿され
た部屋で市販の混合機を用いて均一に混合する。次に操
作(1)と同様にして水の添加量を800mlにして造
粒を行う。造粒物を60℃で30分乾燥して、造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。
【0194】操作(4) 操作(1)〜(3)で作製した造粒物全てを、室温にて
市販のクロスロータリー式混合機を用いて10分間混合
し、これにN−ミリストイル−アラニンナトリウム5
0.0gを加えて市販の混合機で3分間均一に混合す
る。この混合物をロータリー打錠機(菊水製作所(株)
製クリーンプレスコレクトH18)により直径20m
m、厚み7mm、1錠あたりの充填量を3g、打錠圧力
を4tとし、連続圧縮打錠を行い、カラーペーパー用発
色現像補充用固体処理剤錠剤を作製した。これを発色現
像用錠剤Jとする。
【0195】〔発色現像処理液〕発色現像処理液の初期
液は実施例1の発色現像処理液を用いる。補充水の供給
は、感材1m2あたり46mlを供給する。錠剤Jの供
給は、感材1m2あたり1.19錠の割合で供給する。
【0196】〔漂白定着・安定化処理工程〕・〔処理条
件〕 実施例1と同じである。
【0197】〔結果〕加熱ドラム11、加熱ベルト33
により感材Pを加熱しながら、発色現像液を供給するの
で、より迅速な発色現像反応が起こり、現像ムラが少な
く、感材Pの処理量に応じて固体処理剤と補充水を処理
液容器21に供給するので、処理液容器21内の容量を
小さくでき、発色現像液の更新率が高くなり、発色現像
液の劣化を低減できる。
【0198】そして、これらの相乗効果により極めて良
好な処理ができる。
【0199】実施例6 本実施例は、実施例5の自現機の現像処理手段50を変
更した例である。以下変更した所のみ示す。図8は実施
例6の自動現像機の主要部の斜視図である。
【0200】〔装置〕第一に、処理液供給手段52の幅
は短く(例えば30mm)、現像処理手段50と固体処
理剤供給手段40の全体が感材Pの幅に応じて、感材P
の幅方向に往復動することにより、感材Pの幅一杯に処
理液を供給する。また、回転子57が無いが、現像処理
手段50と固体処理剤供給手段40の全体が感材Pの幅
方向に往復動することにより、処理液容器内の処理液の
撹拌を行う。
【0201】第二に、第一処理液容器51から処理液供
給手段52の間に設けられ、第一処理液容器51からの
処理液を濾過する濾過手段(フィルタ55)を有してい
る。さらに、供給口では加熱しないが、第一処理液容器
51から処理液供給手段52の間に処理液を加熱する加
熱手段66が設けられている。また、処理液供給手段5
2には、第一シャッタ62や第二シャッタ64が設けら
れていない。
【0202】第三に、補充水供給手段59はフレックス
パイプにより補充水を供給する。
【0203】〔装置の制御〕演算制御部75は、検出し
た感材Pの幅に応じて、現像処理手段50と固体処理剤
供給手段40の全体の往復動の幅を制御する。感材Pの
幅が短い(例えば89mm以下)と判断した場合、現像
処理手段50と固体処理剤供給手段40の全体の往復動
の幅を短くし(例えば90mm)、感材Pの幅が中間
(例えば100〜105mm)と判断した場合、現像処
理手段50と固体処理剤供給手段40の全体の往復動の
幅を中間にし(例えば105mm)、感材Pの幅が長い
(例えば125〜130mm)と判断した場合、現像処
理手段50と固体処理剤供給手段40の全体の往復動の
幅を長く(例えば130mm)する。
【0204】〔処理液加熱条件〕加熱手段66により処
理後を50℃に加熱する。
【0205】〔加熱条件〕・〔第二加熱条件〕 実施例5と同じである。
【0206】〔供給ヘッド〕ヘッドの長さが30mm
で、第一シャッタ62、第二シャッタ64がない点を除
き、実施例5と同じである。
【0207】〔感材〕・〔錠剤Jの作製方法〕・〔処理
液容器内の発色現像液〕・〔漂白定着・安定化処理工
程〕・〔処理条件〕 実施例5と同じである。
【0208】実施例7 本実施例は、実施例5の自現機の現像処理手段50を小
型のものに変更した例である。以下変更した所のみ示
す。図9は実施例7の自動現像機の主要部の斜視図であ
る。
【0209】〔装置〕感材Pを処理する処理液(発色現
像液)を収容する処理液容器として1つの処理液容器9
1を有する。この処理液容器91は外気に対して密閉さ
れている。処理液供給手段92としては後述する供給ヘ
ッドを使用する。これにより、処理液供給手段92が、
加熱手段10により加熱された感材Pの乳剤面に気相を
介して処理液(発色現像液)を供給する。また、循環ポ
ンプは無い。モータ96により回転される撹拌プロペラ
97が、処理液容器91の中で回転して処理液容器91
内の処理液を撹拌する。また、処理液容器91から処理
液供給手段92の間に設けられ、処理液容器91からの
処理液を濾過する濾過手段(フィルタ95)を有する。
【0210】また、処理液容器91には補充水供給手段
99から補充水を供給される。また、処理液容器91に
ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤を供給する固体
処理剤供給手段40が処理液容器91の処理液面93上
方に設けられている。固体処理剤容器49の内部は隔壁
により3行2列の6の部屋(複数の部屋)に分割されて
おり、それぞれの部屋に錠剤を実質的に点接触または線
接触で一列に収容できるようになっている。これによ
り、固体処理剤どうしが固着したりすることを防止でき
る。特に、本発明の場合、処理液容器の容量を小さくで
き、そのためには錠剤の大きさも従来のものよりも小さ
くするため、固体処理剤どうしが固着しやすいので、特
に有用である。定量供給部41はその内部に回転する回
転ロータ42が設けられている。そして、固体処理剤容
器49の部屋の1行ずつに対応して120°毎に受容部
43が設けられており、回転ロータ42が120度回転
する毎に錠剤Jが1個ずつ受容部43に受容され、受容
部43から誘導部44へ錠剤Jが1個ずつ供給される。
この際、固体処理剤供給時以外は、回転ロータ42は受
容部43がない所が誘導部45に面しているので、この
回転ロータ42で処理液からの湿気が固体処理剤容器4
9側に来ることを防止ししている。誘導部45は、斜め
の板で、固体処理剤が勢いよく処理液面93に落下して
液をはね上げることを防止する。
【0211】処理液供給手段92には、長手方向が感材
Pの搬送方向と垂直である線状のバルブジェット方式は
の供給ヘッドを用い、供給ヘッドへの処理液の供給を感
材Pの幅方向の途中でストップする第一シャッタ62と
第二シャッタ64が設けられている。第一シャッタ62
は第一シャッタ駆動部61により供給ヘッドへの処理液
の供給路に挿入離脱自在に駆動され、第二シャッタ64
は第二シャッタ駆動部63により供給ヘッドへの処理液
の供給路に挿入離脱自在に駆動される。図9では、第二
シャッタ64が供給ヘッドへの処理液の供給路に挿入さ
れた状態を示す。
【0212】〔供給ヘッド〕実施例1と同じである。
【0213】〔装置の制御〕・〔加熱条件〕・〔第二加
熱条件〕・〔感材〕・〔錠剤Jの作製方法〕・〔処理液
容器内の発色現像液〕・〔漂白定着・安定化処理工程〕
・〔処理条件〕 実施例5と同じである。
【0214】実施例8 〔装置〕図10は、実施例8の自現機の主要部の概略構
成図である。処理液により処理されるハロゲン化銀写真
感光材料Pの搬送経路上流には、露光済のハロゲン化銀
写真感光材料Pを加熱する加熱手段10がある。加熱手
段10には、感材Pの乳剤面から加熱する加熱ドラム1
1がある。また、加熱ドラム11の下側に出口側ローラ
12がある。加熱ドラム11の左側に入口側ローラ13
がある。出口側ローラ12の左側で入口側ローラ13の
下側に圧着ベルト駆動ローラ14がある。圧着ベルト1
5が、出口側ローラ12、入口側ローラ13及び圧着ベ
ルト駆動ローラ14に架け渡され、加熱ドラム11の周
面の90°の区間に渡って加熱ドラム11に圧っされな
がら動くことにより、加熱ドラム11に感材Pを圧着し
て搬送させる。これらにより、感材Pは加熱される。
【0215】加熱ドラム11の感材Pの搬送経路下流に
現像処理手段20がある。現像処理手段20は、感材P
を処理する処理液を収容する処理液容器として、感材P
を処理するための低pH発色現像主薬液を収容する第一
処理液容器25と感材Pを処理するための高pH液を収
容する第二処理液容器27を有する。第一処理液容器2
5に収容されている処理液を感材Pに供給する第一処理
液供給手段26と、第二処理液容器27に収容されてい
る処理液を感材Pに供給する第二処理液供給手段28と
しては実施例1と同じ供給ヘッドを使用する。これによ
り、第一処理液供給手段26と第二処理液供給手段28
が、加熱手段10により加熱された感材Pの乳剤面に気
相を介して発色現像液を供給する。感材Pから溢れた処
理液は盆29により、図示しない廃液部に出される。
【0216】現像処理手段20により発色現像処理され
た感材Pは漂白定着処理液槽BFで漂白定着処理され、
安定化処理槽STで安定化処理され、乾燥部Dryで乾
燥される。
【0217】〔加熱条件〕・〔供給ヘッド〕・〔感材〕 実施例1と同じ。
【0218】 〔第一処理液容器内の処理液処方〕 1リットル当り 亜硫酸ナトリウム 1.0 g ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンジナトリウム 12.0 g CD−3 30.0 g 水酸化カリウムまたは硫酸を用いてpHを2〜3に調整する。
【0219】 〔第二処理液容器内の処理液処方〕 1リットル当り 亜硫酸ナトリウム 0.05g 炭酸カリウム 100.0 g ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム 3.0 g ポリエチレングリコール#4000 10.0 g ビス(スルホエチル)ヒドロキシルアミンジナトリウム 12.0 g チノパールSFP 2.0 g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 20.0 g 水酸化カリウム 5.0 g 水酸化カリウムまたは硫酸を用いてpHを11.0に調整する。
【0220】〔漂白定着・安定化処理工程〕コニカ株式
会社CPK−2−28プロセスの処理条件で、同プロセ
ス用処理液により処理する。
【0221】〔処理条件〕実施例1と同じである。
【0222】〔結果〕感材P1m2当り、第一処理液を
10〜20ml、第二処理液を10〜20ml供給する
と、現像処理進行性の高い良好な処理ができる。
【0223】
【発明の効果】
〔項1〕感材を処理するのに必要な量だけの処理液を供
給すればよいので、写真処理廃液の低減化を可能としつ
つ、処理液供給手段により処理液を供給されるハロゲン
化銀写真感光材料を加熱することにより、処理進行性の
低下を防止することができる。
【0224】とりわけ、処理液が供給される前に感材を
加熱するので、処理液が、感材に供給された瞬間から活
性度の高い状態となるので、処理液による処理進行性が
さらに高められる。
【0225】〔項感材を処理するのに必要な量だけ
の処理液を供給すればよいので、写真処理廃液の低減化
を可能としつつ、処理液供給手段により処理液を供給さ
れるハロゲン化銀写真感光材料を加熱することにより、
処理進行性の低下を防止することができる。とりわけ、
処理液が、感材に供給されたときに加熱しているので、
処理液による処理進行性を高めつつ、温度制御(しなく
てもよいが)も可能である。
【0226】
【0227】〔項〕処理液容器に収容されていた処理
液を感料に供給するので、ハロゲン化銀写真感光材料を
処理する処理液をハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に
気相を介して供給することにより、処理液を収容する処
理槽に感材を浸漬して処理する場合よりも、処理液容器
内の処理液の量を少なくすることができるので、処理液
の液更新率を高くすることが可能となる。また、感材を
処理するのに必要な量だけの処理液を供給すればよいの
で、写真処理廃液の低減化を可能としつつ、処理液供給
手段により処理液を供給されるハロゲン化銀写真感光材
料を加熱することにより、処理進行性の低下を防止する
ことができる。
【0228】そして、ハロゲン化銀写真感光材料を加熱
するので、処理進行性の低下を防止するために、処理液
容器を加熱しなくても済むので、処理液容器に収容され
ている処理液が熱により劣化することを防止できる。
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
【0233】〔項〕ハロゲン化銀写真感光材料を処理
する処理液を収容する処理液容器に、固体処理剤と補充
水を供給することにより処理剤成分の補充ができるの
で、処理液容器を交換するのよりも、処理剤成分の補充
を簡単にすることができる。また、ハロゲン化銀写真感
光材料を処理する処理液を収容する処理液容器に、固体
処理剤と補充水を供給することにより、処理液容器内の
処理液の体積と処理液の液面位を所定の範囲内に収める
ことが可能であり、その場合、処理液の急速な劣化を防
止できる。
【0234】
【0235】〔項〕処理液中のゴミなどの不溶成分を
除去でき、ゴミなどの不溶成分が処理液供給手段の中で
詰まったり、感材に供給されて処理ムラを生じさせたり
することを防止できる。また、固体処理剤の不溶成分が
処理液供給手段の中で詰まって、処理液供給手段を腐食
させたり、処理液供給手段の供給が停止したときの処理
液供給手段内の処理剤成分濃度が以上に高くなり処理液
供給手段内の処理液が急速に劣化したり、また、感材に
供給されて変色や処理ムラを生じさせたりすることを防
止できる。
【0236】〔項〕処理液容器内で処理剤成分や処理
剤濃度の偏りを防止できる。また、固体処理剤の溶解を
促進させ、処理液容器の容積に対して感材の処理量が多
い場合でも対応できる。さらに、項の場合、前記濾過
手段が撹拌手段により撹拌される処理液中の未溶解の固
体処理剤が処理液供給手段まで飛ばされることを防止で
きるので、より強く撹拌することができ、それにより、
固体処理剤の溶解をより促進させることができる。
【0237】〔項〕処理液容器内で処理剤成分や処理
剤濃度の偏りを防止できる。また、固体処理剤の溶解を
促進させ、処理液容器の容積に対して感材の処理量が多
い場合でも対応できる。さらに、項や項を引用する
の場合、前記濾過手段が循環手段により循環される
処理液中の未溶解の固体処理剤が処理液供給手段まで飛
ばされることを防止できるので、より強く循環すること
ができ、それにより、固体処理剤の溶解をより促進させ
ることができる。
【0238】〔項〕処理液中のゴミなどの不溶成分を
除去でき、ゴミなどの不溶成分が処理液供給手段の中で
詰まったり、感材に供給されて処理ムラを生じさせたり
することを防止できる。また、固体処理剤の不溶成分が
処理液供給手段の中で詰まって、処理液供給手段を腐食
させたり、処理液供給手段の供給が停止したときの処理
液供給手段内の処理剤成分濃度が以上に高くなり処理液
供給手段内の処理液が急速に劣化したり、また、感材に
供給されて変色や処理ムラを生じさせたりすることを防
止できる。
【0239】〔項〕処理液容器内の処理液に新鮮な空
気が供給され処理液が新鮮な空気により劣化することを
防止できるだけでなく、処理液容器内の処理液が劣化し
て発生したガスが外部に漏れ変な臭いがしたり、気分が
悪くなったりすることを防止できる。
【0240】〔項10〕充分な量の処理液が感材に供給
されるので、充分な処理性が得られると同時に、処理液
が感材に過度に供給されないので、供給された処理液が
感材の乳剤面から垂れたり、落ちたりすることを簡単に
防止できる。
【0241】〔項11〕処理液が現像液または漂白液で
あるので、感材中から銀イオンや不要物を取り除く処理
工程でないので、充分処理することが容易である。
【0242】〔項12〕処理液が発色現像液であると空
気により劣化しやすいので、上述の処理液の劣化を防止
する効果がより顕著である。
【0243】〔項13〕供給口にある処理液の乾燥を防
止するので、供給口で処理液が乾燥して、供給口にある
処理液の濃度が高くなり、供給口にあった処理液で処理
された感材が処理ムラになったり、供給口にある処理液
が劣化したり、供給口が詰まったりすることを防止でき
る。
【0244】〔項14〕加湿装置など高価な機構を設け
なくても、供給口にある処理液の乾燥を簡単な機構で防
止できる。
【0245】〔項15〕必要なときに処理液を供給する
ことができるので、無駄な処理液の供給を防止できる。
【0246】〔項16〕簡単な装置で、処理液供給手段
が処理液を供給する先にハロゲン化銀写真感光材料が存
在するときに、前記処理液供給手段が処理液を供給する
制御ができ、これにより、必要なときに処理液を供給す
ることができるので、無駄な処理液の供給を防止でき、
また、無駄な処理液の供給による周辺装置の汚れを防止
できる。
【0247】〔項17〕簡単な制御で、処理液供給手段
が処理液を供給する先にハロゲン化銀写真感光材料が存
在するときに、前記処理液供給手段が処理液を供給する
制御ができ、これにより、必要なときに処理液を供給す
ることができるので、無駄な処理液の供給を防止でき、
また、無駄な処理液の供給による周辺装置の汚れを防止
できる。
【0248】〔項18〕感材の幅に応じて必要な幅にわ
たって処理液を供給することができるので、無駄な処理
液の供給を防止でき、また、無駄な処理液の供給による
周辺装置の汚れを防止できる。
【0249】〔項19〕処理液供給手段にある処理液が
乾燥することによる目詰まりを防止でき、また、処理液
供給手段にある処理液が劣化して処理された感材が処理
ムラや変色することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の自動現像機の主要部の概略構成図。
【図2】実施例3の自動現像機の主要部の概略構成図。
【図3】実施例4の自動現像機の主要部の概略構成図。
【図4】実施例5の自動現像機の主要部の概略構成図。
【図5】実施例5の自動現像機の主要部の斜視図。
【図6】実施例5の自動現像機の供給口乾燥防止手段近
傍の斜視図。
【図7】実施例5の自動現像機の主要ブロック図。
【図8】実施例6の自動現像機の主要部の斜視図。
【図9】実施例7の自動現像機の主要部の斜視図。
【図10】実施例8の自動現像機の主要部の概略構成
図。
【図11】処理液供給ヘッドの供給口配列。
【符号の説明】
10 加熱手段 11 加熱ドラム 16 加熱空気送風機 20 現像処理手段 21 処理液容器 22 処理液供給手段 30 第二加熱手段 33 加熱ベルト 40 固体処理剤供給手段 50 現像処理手段 51 第一処理液容器 52 処理液供給手段 54 循環ポンプ 55 フィルタ 56 第二処理液容器 57 回転子 70 感材検出手段 80 供給口乾燥防止手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03D 13/02 G03D 13/02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03D 3/00 - 17/00 G03C 5/26 520 G03C 7/407 G03C 7/42

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料を処理する処
    理液をハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を介し
    て供給する処理液供給手段と、 前記処理液供給手段により処理液を供給されるハロゲン
    化銀写真感光材料を加熱する加熱手段と、を有し、 前記処理液供給手段が、前記加熱手段により加熱された
    ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を介して処理
    液を供給 することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料用自動現像機。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀写真感光材料を処理する処
    理液をハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を介し
    て供給する処理液供給手段と、 前記処理液供給手段により処理液を供給されるハロゲン
    化銀写真感光材料を加熱する加熱手段と、を有し、 前記処理液供給手段が、前記加熱手段により加熱され
    いるハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を介して
    処理液を供給することを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料用自動現像機。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀写真感光材料を処理する処
    理液を収容する処理液容器を有し、 前記処理液供給手段が前記処理液容器から該処理液を供
    給するものであることを特徴とする請求項1または2
    記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  4. 【請求項4】 前記処理液容器にハロゲン化銀写真感光
    材料用固体処理剤を供給する固体処理剤供給手段と、 前記処理液容器に補充水を供給する補充水供給手段と、 を有 することを特徴とする請求項に記載のハロゲン化
    銀写真感光材料用自動現像機。
  5. 【請求項5】 前記処理液容器から前記処理液供給手段
    の間に設けられ、前記処理液容器からの処理液を濾過す
    る濾過手段を有することを特徴とする請求項に記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  6. 【請求項6】 前記処理液容器内の処理液を撹拌する撹
    拌手段を有することを特徴とする請求項4または5に記
    載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  7. 【請求項7】 前記処理液容器内の処理液を循環させる
    循環手段を有することを特徴とする請求項4〜6のいず
    れか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
    機。
  8. 【請求項8】 前記循環手段により循環する処理液の循
    環経路の前記固体処理剤供給手段により固体処理剤が供
    給される領域の循環経路下流側で、前記処理液供給手段
    により供給される処理液が存在する領域の循環経路上流
    側に、処理液を濾過する循環濾過手段を有することを特
    徴とする請求項に記載のハロゲン化銀写真感光材料用
    自動現像機。
  9. 【請求項9】 前記処理液容器が密閉されていることを
    特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料用自動現像機。
  10. 【請求項10】 前記処理液供給手段がハロゲン化銀写
    真感光材料の乳剤面に気相を介して供給する処理液の量
    が、ハロゲン化銀写真感光材料1m 2 あたり20ml以
    上200ml以下であることを特徴とする請求項1〜9
    のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自
    動現像機。
  11. 【請求項11】 前記処理液が現像液または漂白液であ
    ることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記
    載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  12. 【請求項12】 前記処理液が発色現像液であることを
    特徴とする請求項11に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料用自動現像機。
  13. 【請求項13】 前記処理液供給手段が供給口を介し
    て、ハロゲン化銀写真感光材料の乳剤面に気相を介して
    供給するものであり、 前記供給口にある処理液の乾燥を防止する供給口乾燥防
    手段を有することを特徴とする請求項〜12のいず
    れか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
    機。
  14. 【請求項14】 前記供給口乾燥防止手段が、前記供給
    口を蓋するものであることを特徴とする請求項13に記
    載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  15. 【請求項15】 前記処理液供給手段が処理液を供給す
    る先にハロゲン化銀写真感光材料が存在するときに、前
    記処理液供給手段が処理液を供給するように制御する制
    手段を有することを特徴とする請求項1〜14のいず
    れか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
    機。
  16. 【請求項16】 前記ハロゲン化銀写真感光材料を所定
    の搬送速度で搬送する搬送手段と、 前記処理液供給手段が処理液を供給する先よりも前記搬
    送手段の搬送方向上流側の所定位置の前記ハロゲン化銀
    写真感光材料の存在を検出する感材検出手段と、を有
    し、 前記感材検出手段の検出に基づき、前記制御手段が前記
    処理液供給手段の処理液の供給を制御す ることを特徴と
    する請求項15に記載のハロゲン化銀写真感光材料用自
    動現像機。
  17. 【請求項17】 前記制御手段は、前記感材検出手段が
    前記所定位置のハロゲン化銀写真感光材料の非存在から
    存在への変化を検出してから所定時間経過後、前記処理
    液供給手段が処理液の供給を開始し、前記感材検出手段
    が前記所定位置のハロゲン化銀写真感光材料の存在から
    非存在への変化を検出してから所定時間経過後、前記処
    理液供給手段が処理液の供給を終了するように、制御す
    ることを特徴とする請求項16に記載のハロゲン化銀写
    真感光材料用自動現像機。
  18. 【請求項18】 前記感材検出手段が、さらに、前記所
    定位置のハロゲン化銀写真感光材料の幅を検出するもの
    であり、 前記処理液供給手段は、処理液を供給する幅を変更でき
    るものであり、 前記制御手段は、前記感材検出手段が検出したハロゲン
    化銀写真感光材料の幅に応じて、前記処理液供給手段が
    処理液を供給する幅を変更するように制御す ることを特
    徴とする請求項16または請求項17に記載のハロゲン
    化銀写真感光材料用自動現像機。
  19. 【請求項19】 前記制御手段は、ハロゲン化銀写真感
    光材料の処理を行わない待機稼働状態においても、定期
    的に処理液を供給するように制御することを特徴とする
    請求項16〜18の何れか1項に記載のハロゲン化銀写
    真感光材料用自動現像機。
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