JP3537874B2 - 慣性体用焼結体 - Google Patents

慣性体用焼結体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比重の大きい焼結体、
例えば小型無線呼出機(ポケットベル等)の振動発生装
置に取り付けられる振動子等を含む慣性体に関する。こ
こで慣性体とは比重が大きいことを利用した振動子、重
錘、時計の振り子、自動巻き時計の回転重錘、バランス
ウエイト等をいう。
【0002】
【従来の技術】従来、小型無線呼出機(ポケットベル
等)の振動発生装置に用いられる振動子などの慣性体
は、通常ヘビーメタル(密度17〜18.5g/c
3 ) が使用されている(実公平4−13860号公
報)。この理由は、上記小型無線呼出機においては小型
のモーターにより振動子が回転し、その振動を呼出信号
としているため、その振動子は前述の通り、密度の高い
金属が必要だからである。
【0003】かかる振動子は、通常タングステン(W)
粉末にNi,Cu,Fe,Co,Cr等の金属粉末を添
加し、高温で液相焼結して製造されている。しかし、1
500℃程度の高温焼結をする必要があり、そのためバ
ッチ式の水素炉が一般的に使用されているため、高価で
あり、また長期間の使用により錆が発生することがあり
問題となっている。
【0004】しかしながら、かかる振動子としてはモー
ターの種類によっては密度が17〜18.5g/cm
と高くなってもよいとされており、そこで例えば、密度
が8〜16g/cm程度の比重であっても、製造価格
の安い振動子が採用されている。そこで、従来電気接点
等に使用されていたW−Cu焼結体等の使用が開始され
てきた。しかしながら、このW−Cu焼結体は長期間の
使用においてWの部分に錆が発生することがあり、問題
となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記振動子として用い
られているヘビーメタルの慣性体は、前述の通りタング
ステンとNi,Cu,CoおよびFe等の金属を液相焼
結させて製造するために、製造コストが高い。
【0006】この理由は、例えば焼結体の製造において
W粉末を造粒しなければならないこと、焼結に際して約
1400°〜1500℃程度の焼結温度が必要であり、そのため
高温焼結炉が必要だからである。
【0007】また、ヘビーメタルの場合は、Wを例えば
Ni,Cu,CoおよびFe等と高温で焼結すると、W
粉末が液相に固溶し、W粒子が成長し、高密度化が行な
われる。しかし、焼結体中のW粒子にはNi,Cu等が
固溶しているため、高温多湿状態で使用されると、Wと
Cuとの間に局部電池が形成され、W粒子のWが腐食さ
れる。そこで、焼結体製造後において防錆のためNi等
のメッキが必要であり、前述の通り製造コストが高くな
る。
【0008】他方、最近その利用が開始されているW−
Cu系の振動子があるが、この焼結体は従来電気接点用
として一般的な焼結体合金である。上記ヘビーメタルと
比較して安価に製造できるが、耐食性に問題がある。す
なわち、W−Cu焼結体の場合には、WとCuは互いに
固溶しないため、CuはW粒子間に溶浸するだけで、高
温多湿状態で使用すると、Wが腐食される。したがっ
て、焼結して振動子に形成後、樹脂コーティングを行っ
ている。
【0009】しかしながら、この小型無線機用の振動子
は扇形の振動子であるため、そのエッジ部のコーティン
グは剥がれやすく、また扇の要部分にモーターの軸に差
し込み、この部分を加締めている場合には、この部分で
も上記樹脂コーティングは剥がれやすい。そこで、これ
らの部分に錆が発生し問題となっている。慣性体として
は、上記振動子のほかに前述の重錘、時計の振り子、自
動巻き時計の回転重錘等の慣性体がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者等は上記問題点に
関し、鋭意研究した結果、次のような手段により上記問
題点を解決することができるとの知見を得た。即ち、ヘ
ビーメタル、或いはW−Cu焼結体に替えてW−Mo−
洋白合金焼結体を上記慣性体、例えば振動子として用い
ることによって従来の問題点は解決できる。
【0011】比重の大きい成分とし、比重が19.3g
/cm3 のW(タングステン)と、比重が10.2g/
cm3 のMo(モリブデン)の粉末を用いる。両者とも
に市販され容易に入手でき、また洋白に対して同様な挙
動を示すからである。
【0012】他方、洋白の一般的組成はCu60〜75
wt% Ni10〜20wt% Zn15〜30wt%
であり、比重は8.3〜8.7g/cm3 であり、極め
て耐食性の高い合金である。洋白はCuよりも著しく耐
食性に優れており、耐食性が向上できる。また、洋白は
融点が低いので低温での溶浸が可能である。
【0013】すなわち、連続焼結が使用できる低い温度
で洋白は溶融し、W粒子とMo粒子に溶浸でき、W粒子
およびMo粒子と腐食電位差が少ない市販粉を選択すれ
ば耐食性があり、かつ、製造費の低い焼結体が製造でき
る。従って、W粉末とMo粒子の焼結体と洋白金属の適
当な配合をすることにより比較的比重の高い振動子等の
慣性体を製造できることに着想し、下記の発明をするに
到った。
【0014】(1)請求項1の発明は、下記の特徴を備
えた焼結体である。 (a)主成分として、タングステン粉末および/または
モリブデン粉末と洋白粉末とからなる焼結体であって、
(b)前記焼結体の見掛け比重が8g/cm3 以上であ
る。
【0015】(2)請求項2の発明は、主成分として、
前記タングステン粉末および/またはモリブデン粉末が
1〜95wt%であり、残部が洋白粉末である請求項1
記載の焼結体である。
【0016】(3)請求項3の発明は、前記焼結体が慣
性体である請求項1記載の焼結体である。
【0017】(4)請求項4の発明は、前記焼結体が慣
性体である請求項2記載の焼結体である。
【0018】(5)請求項5の発明は、前記慣性体が小
型呼出機用の振動子である請求項3または4記載の焼結
体である。
【0019】
【作用】本願発明の慣性体の製造工程を図1により説明
する。本発明にかかる慣性体は比重が8g/cm3 以上
程度の比重が要求されている。この理由は前述の無線呼
出機の振動子として使用される場合において、振動子を
回転した際、一定の振動エネルギーを発生し、そのこと
により無線呼出機を所持している者がその振動を感じる
ためには、少なくとも8g/cm3 程度の密度が必要だ
からである。
【0020】そこで、比重が大きい材料として比重が1
9.3g/cm3 であるW粉末体を利用する。W粉末と
しては市販されている粒径が約10μm以下のものが均
質性の点から望ましい。W粉末の配合としては1〜95
wt%である。
【0021】Wと同様比重が大きい材料として、比重が
10.2g/cmであるMo粉末体も利用できる。M
o粉末としては市販されている粒径が約10μm以下の
ものが均質性の点から望ましく、Wの一部または全部を
置き換えることができる。目標とする比重の点からW粉
末とMo粉末との合計を1〜95wt%とする。
【0022】次に、洋白粉末の配合は99〜5wt%が
適当である。洋白金属は前述の通りCu60〜75wt
% Ni10〜20wt% Zn15〜30wt%であ
って、比重が8.3〜8.7g/cm3 である。したが
って、上記配合により比重が8g/cm3 〜18.8g
/cm3 となり、慣性体、例えば小型無線機の振動子と
して利用できる。なお、主成分はW粉末とMo粉末と洋
白粉末であるが、洋白にAl,Sn,Cr,Co,Si
等をそれぞれ約5wt%以下、合計で10wt%以下添
加してもよい。洋白としての性質は変化しないためであ
る。
【0023】この洋白の粉末は100メッシュ以下の粉
末が市販されており、この粒度の粉末を用いるのが望ま
しい。また、325メッシュ以下の粉末を用いた方が、
均質性の点から、より望ましい。W粉末とMo粉末と洋
白金属の粉末を上記の配合にすることにより8g/cm
3 程度以上の比重を得ることができる。次に上記W粉末
およびMo粉末と洋白の粉末を混合したものを、望まし
くは例えばボールミルを使用し混合することにより、均
一な焼結体を製造することができる。
【0024】次に所定の密度を得るためには最終製品で
ある慣性体の形状に、例えばメカニカルプレスにより成
形を行う。成形を際して、例えば6ton/cm2 程度
の荷重をかけ、成形することが所定の密度を有する焼結
体のために望ましい。慣性体が前述の小型無線機呼出機
用の振動子である場合には図2に示すような扇形状の振
動子の形状に成形する。
【0025】振動子の一例をあげると、図2に示すよう
に例えば振動子は扇形であり、その半径は約3mmであ
り、厚みは4〜6mmである。このような形状に成形
し、例えばメッシュベルト炉により焼結を行う。洋白金
属の融点は約1000°Cであるため、焼結温度は最大1150
°Cで足りる。従って、最高加熱温度が1150℃のベッシ
ュベルト炉を使用することができるため、製造コストの
低減に寄与することができる。
【0026】通常、焼結温度は1100°Cで、焼結時間が
約30分間で焼結を終了することができる。1100°Cの
加熱温度においては洋白金属は溶融状態になることがで
き、この点で実質的に溶浸が行われ均一な焼結体が製造
できる。焼結体はその後、必要により部分的に機械切削
し、最終製品の形状に加工される。
【0027】かかる製造方法により製造されたW−Mo
−洋白焼結体は、実質的に溶浸が行われているため、均
一な焼結体であると共に、洋白金属自体が極めて耐食性
の高い金属であり、この点で焼結体自身を防食のために
樹脂コーティイング等をすることは不要である。以上は
本発明に係るW−Mo−洋白合金による慣性体の製造の
概略である。 ただし、例えば焼結時間を長くするとZ
nが蒸発し、最終製品にZnが残存しないこともある。
【0028】
【実施例】実施例1 W粉末70wt%,洋白30wt%を混合し、6ton
/cm2 で圧縮し、1100℃で焼結した。この焼結体の比
重は13.0g/cm3 であった。この焼結体の耐食性
を調査するため、JISに規定する塩水噴霧試験を24
hr行なったが、錆の発生は認められなかった。
【0029】実施例2 他の配合例として、W粉末1wt%,洋白99wt%を
混合し、6ton/cm2 で圧縮し、1000℃で焼結し
た。この焼結体の比重は8.0g/cm3 であった。こ
の焼結体の耐食性を調査するため、JISに規定する塩
水噴霧試験を24hr行なったが、錆の発生は認められ
なかった。
【0030】実施例3 他の配合例として、W粉末40wt%,Mo粉末40w
t%,洋白20wt%を混合し、6ton/cm2 で圧
縮し、1100℃で焼結した。この焼結体の比重は1
1.8g/cm3 であった。この焼結体の耐食性を調査
するため、JISに規定する塩水噴霧試験を24hr行
なったが、錆の発生は認められなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明にかかるW−Mo−洋白焼結体
は、その比重が8g/cm3 以上であり、振動子、分銅
等の慣性体として使用できる。振動子の場合には加締め
もできる。また、バランスウエイト等の重錘、耐磨耗性
や耐食性が要求される機械部品にも使用可能である。か
かる場合に樹脂コーテング等の特別な表面処理をしなく
ても長期の使用において錆を発生することがなく使用で
きる利点がある。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる焼結体の製造工程を示す図であ
る。
【図2】本発明にかかる小型無線機用の振動子の一例を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/04,27/04 B22F 1/00 H04Q 7/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の特徴を備えた慣性体用焼結体。 (a)タングステン粉末および/またはモリブデン粉末
    と、成分組成でCu:60〜75wt%、Ni:10〜
    20wt%、Zn:15〜30wt%、及び不可避的不
    純物からなる洋白の粉末とを、焼結温度が1150℃以
    下で前記洋白を溶融させてタングステンまたはモリブデ
    ンに洋白を実質的に溶浸を行わせた焼結体であって、 (b)前記焼結体の見掛け比重が8g/cm以上であ
    る。
  2. 【請求項2】 前記タングステン粉末および/またはモ
    リブデン粉末の合計が1〜95wt%であり、残部が前
    記洋白粉末である請求項1記載の慣性体用焼結体。
  3. 【請求項3】 前記慣性体用焼結体が振動発生装置用で
    ある請求項1又は2に記載の慣性体用焼結体。
  4. 【請求項4】 前記慣性体用焼結体が小型呼出機用の振
    動子である請求項1〜3の何れかに記載の慣性体用焼結
    体。
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