JP3536256B6 - セラミックヒータ - Google Patents

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技術分野
本発明は、半導体産業において使用される、半導体ウエハを汚染することのないセラミックヒータに関する。
背景技術
半導体製品は、半導体ウエハ上に感光性樹脂をエッチングレジストとして形成し、半導体ウエハのエッチングを行う工程等を経て製造される。
この感光性樹脂は液状であり、スピンコーターなどを用いて半導体ウエハ表面に塗布されるのであるが、塗布後に溶剤等を飛散させるため乾燥させなければならず、塗布した半導体ウエハをヒータ上に載置して加熱することになる。
従来、このような用途に使用される金属製のヒータとしては、アルミニウム板の裏面に発熱体を配置したものが採用されている。
ところが、このような金属製のヒータは、以下のような問題があった。
まず、金属製であるため、ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければならない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨張により、反り、歪み等が発生してしまい、金属板上に載置した半導体ウエハが破損したり傾いたりしてしまうからである。しかしながら、ヒータ板の厚みを厚くすると、ヒータの重量が重くなり、また、かさばってしまうという問題があった。
また、発熱体に印加する電圧や電流量を変えることにより、加熱温度を制御するのであるが、金属板が厚いために、電圧や電流量の変化に対してヒータ板の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくいという問題もあった。
そこで、特開平9−306642号公報、特開平4−324276号公報等に記載されているように、基板として、熱伝導率が高く、強度も大きい非酸化物セラミックであるAlNを使用し、このAlN基板中に発熱体が形成されたセラミックヒータが提案されている。
このようなセラミックヒータでは、Y、Na、B、Li、Rb、Caを含有するセラミックを使用したものの方が熱伝導率に優れており、ヒータとして好ましい。例えば、特許第2798570号公報等には、Ca、Naを使用した高熱伝導率の窒化アルミニウム焼結体が開示されている。
一方、特開平7−280462号公報に記載されているように、通常のセラミックヒータにおいては、発熱体を設ける面を粗化し、半導体ウエハを載置して加熱する面を平坦にしていた。
しかしながら、Y、Na、Ca等を含有するセラミックヒータにおいて、半導体ウエハを載置する面を平坦にしたのでは、半導体ウエハとセラミックヒータの接触面積が大きくなり、熱拡散により、半導体ウエハが汚染されてしまう。
また、半導体ウエハとセラミックヒータの加熱面とを接触させずに、支持ピン等で支持しながら保持し、加熱した場合でも、Y、Na、Ca等が揮発して半導体ウエハに付着するという現象も見られた。
また、半導体ウエハとセラミックヒータの加熱面とを接触させずに、支持ピン等で支持しながら保持し、加熱すると加熱面の温度分布が反映されてしまうという問題があった。
発明の要約
本発明者は、このような従来技術の問題について鋭意検討した結果、セラミックヒータの半導体ウエハ等の被加熱物を載置または保持して加熱する面(以下、加熱面ともいう)を粗化することにより、半導体ウエハを上記加熱面に載置した際に、半導体ウエハと加熱面との接触を点接触とすることができ、これにより、セラミック基板がY、Na等の不純物を含んでいても、セラミックヒータから半導体ウエハへの不純物の熱拡散を防止することができることを見い出した。また、上記加熱面を粗化することにより、加熱面からのY、Na等の揮発を防止することができることを併せて知見した。
さらに、半導体ウエハを加熱面から離間させて加熱する場合に、半導体ウエハの温度が均一にならないのは、加熱面の表面に凹凸が存在し、この凹凸のために半導体ウエハなどの被加熱物と加熱面との間の空気層に乱流が発生し、熱が局部的に蓄積してしまうためであるという事実を見い出すとともに、加熱面の表面を平滑化にし、乱流の発生を防止することにより、半導体ウエハの温度分布を低減することができることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の本発明のセラミックヒータは、セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、上記セラミック基板は、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度が、Rmax=0.05〜200μmであることを特徴とする。
第二の本発明のセラミックヒータは、セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、上記セラミック基板は、上記セラミック基板の主成分を構成する元素以外の元素を含み、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度は、Rmax=0.2〜200μmであることを特徴とする。
上記第一または第二の本発明のセラミックヒータにおいて、前記セラミック基板は、窒化物セラミック、炭化物セラミックおよび酸化物セラミックから選ばれる少なくとも1種であることが望ましい。
第三の本発明のセラミックヒータは、窒化物セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、上記窒化物セラミック基板は、窒化物セラミックの構成元素以外の元素を含み、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度は、Rmax=0.2〜200μmであることを特徴とする。
第四の本発明のセラミックヒータは、窒化物セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、上記窒化物セラミック基板は、Na、B、Y、Li、RbおよびCaから選ばれる少なくとも1種の元素を含み、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度は、Rmax=0.2〜200μmであることを特徴とする。
上記第三または第四の本発明のセラミックヒータにおいて、上記窒化物セラミック基板は、円板状であり、その直径が150mmを超えるものであることが望ましい。
また、上記セラミック基板は、Y、Li、RbおよびCaから選ばれる少なくとも1種の元素を、0.1重量%以上含有することが望ましく、上記NaおよびBから選ばれる少なくとも1種の元素を、0.05ppm以上含有することが望ましい。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明のセラミックヒータの一例を模式的に示す平面図である。
図2は、図1に示したセラミックヒータの一部を模式的に示す断面図である。
図3は、本発明のセラミックヒータに静電電極を設けた静電チャックの一例を模式的に示す断面図である。
図4は、図3に示した静電チャックのA−A線断面図である。
図5(a)〜(d)は、静電チャックの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。
図6は、支持ピンを有するセラミックヒータの一部を模式的に示す部分拡大断面図である。
符号の説明
10 セラミックヒータ
11 ヒータ板
11a 底面
11b 加熱面
12 発熱体
12a 金属被覆層
13 外部端子
14 有底孔
15 貫通孔
16 リフターピン
18 支持ピン
19 半導体ウエハ
20、20a、20b チャック正極電極層
30、30a、30b チャック負極電極層
40 セラミック誘電体膜
50 抵抗発熱体
90 シリコンウエハ
100 セラミック基板
101 静電チャック
発明の詳細な開示
第一の本発明のセラミックヒータは、セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、上記セラミック基板は、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度が、Rmax=0.05〜200μmであることを特徴とする。
また、第二の本発明のセラミックヒータは、セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、上記セラミック基板は、上記セラミック基板の主成分を構成する元素以外の元素を含み、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度は、Rmax=0.2〜200μmであることを特徴とする。
上記した第三の本発明や第四の本発明は、上記セラミック基板や材料、加熱面の面粗度、セラミック基板に含まれる元素等を特定した発明であるので、以下においては、上記第一および第二の本発明に基づいた発明を行い、逐次、他の発明についての説明を行う。
これら本発明のセラミックヒータは、主に、半導体ウエハ等の被加熱物を加熱するために用いられるが、他の物を加熱する目的にも使用することができる。
第一の本発明のセラミックヒータによれば、加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度が、Rmax=0.05〜200μmであるので、被加熱物を加熱面から一定距離離間して均一に加熱することができる。
被加熱物を加熱面から離間させて加熱する場合、加熱面のRmaxが200μmを超えると、被加熱物と加熱面の間に空気の乱流が発生し、熱が局所的に蓄積して被加熱物に温度差が生じてしまう。一方、Rmaxが0.05μm未満では、輻射熱により加熱面の温度差がそのまま被加熱物に転写されてしまい、やはり温度差が発生してしまう。即ち、加熱面の面粗度Rmax=0.05〜200μmは被加熱物を加熱面から離間させ、熱伝達気体中で加熱する場合に、被加熱物の温度を一定にできる特異的な面粗度の範囲である。
熱伝達気体としては、空気、不活性ガス、反応性ガスから選ばれる少なくとも1種以上の気体が望ましい。不活性ガスとしては、二酸化炭素、窒素、アルゴンなどが望ましい。また、反応性ガスとしては、ハロゲン、CF4などを使用することができる。
前記、加熱面の面粗度Rmaxは、0.2〜100μmが好ましい。セラミック基板からの不純物の揮発を制限することができるからである。
被加熱物を加熱面から離間させるためには、図6に示すように支持ピン18などをセラミック基板11の貫通孔や凹部に嵌め込んで固定する。
被加熱物と加熱面の離間距離は、1〜5000μmが望ましい。1μm未満では、加熱面の温度分布を被加熱物が反映してしまい、また、加熱面のうねりにより被加熱物と加熱面とが接触してしまい、一方、5000μmを超えると加熱面と被加熱物との温度差が大きくなるからである。
また、第二の本発明によれば、上記セラミック基板がセラミック基板の主成分を構成する元素以外の元素を含んでいるが、加熱面の面粗度をRmax=0.2〜200μmに設定しているので、主に被加熱物をセラミック基板の加熱面に直接載置して加熱する際や、被加熱物をセラミック基板の加熱面から一定距離離間して加熱する際に、セラミック基板中の不純物が被加熱物中に熱拡散したり、揮発することにより被加熱物が汚染されることを防止することができる。
加熱面の面粗度Rmaxが0.2μm未満では、加熱面と被加熱物との接触面積が大きくなりすぎ、不純物が被加熱物中に拡散して汚染が発生しやすく、一方、Rmaxが200μmを超えると、被加熱物と加熱面との平均距離が大きくなり、被加熱物を十分に加熱できなくなる。
さらに、加熱面と被加熱面を離間する場合でも、Rmax=0.2μm以上とすることで、熱伝達気体と加熱面との接触面積が大きくなるため、セラミック基板表面に存在する不純物が発揮するための熱を熱伝達気体が奪い、被加熱物の汚染を低減させることができる。
つまり、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度Rmax=0.2〜200μmは、被加熱物を不純物で汚染させることなく、被加熱物を良好に加熱することができる特異的な範囲と言える。
本発明で使用されるセラミックとしては、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられる。
窒化物セラミックとしては、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化硼素、窒化チタンから選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。
これらのなかでは、窒化アルミニウムが最も好ましい。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
炭化物セラミックとしては、炭化珪素、炭化チタン、炭化硼素、炭化タンタル、炭化タングステン、炭化ジルコンから選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。
さらに、酸化物セラミックとしては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ムライト、コージェライト、ベリリアから選ばれる少なくとも1種以上が望ましい。
セラミック基板が電気伝導性を有する場合は、発熱体と接する面に絶縁層を設けておいてもよい。絶縁層としては、SiO2、Al23などが好ましく、厚さは、0.1〜2000μmが好ましい。
また、発熱体が線条体である場合は、線状体の表面を絶縁層で被覆して使用する。
セラミックとしては、特に窒化物セラミックまたは炭化物セラミックが望ましい。これらは熱伝導率が高く、温度制御性に優れているからである。また熱伝導率が高い分、抵抗発熱体の発熱量に不均一性があると、加熱面にそのまま反映されやすくなる。従って、本発明の面粗度の調整による効果が有利に機能する。
セラミック基板として窒化物セラミックを選択した場合、上記窒化物セラミック基板は、窒化物セラミックの構成元素以外の元素、具体的にはY、Na、B、Li、RbおよびCaから選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいるので、熱伝導率が高く、ヒータ板の表面温度を発熱体の温度変化に迅速に追従させることができ、加熱面の温度を良好に制御することができる。
また、加熱面が、上記のように粗化されているので、半導体ウエハを加熱面に載置する場合、半導体ウエハとの接触を点接触とすることができ、セラミックヒータから半導体ウエハへの不純物(Y等)の熱拡散を防止することができる。
また、図2に示すようにリフターピン等で半導体ウエハを支持して保持しながら非接触で加熱する場合、加熱面が粗化されていないと、高温では表面にY、Na、B、Li、Rb、Ca、Al等の窒化物セラミックの構成元素以外の元素(以下、Y等という)が拡散して揮発し、半導体ウエハを汚染してしまう。特に、スパッタリング装置等を使用した場合には、真空条件下での加熱になるため、Y等が揮発しやすい。
しかしながら、本発明では、加熱面が粗化されており、表面からY等が揮発せず、半導体ウエハの汚染を防止することができる。粗化面を形成することで、Y等のセラミックの構成元素以外の元素の揮発を防止することができる理由は明確ではないが、加熱面を粗化することにより、表面が放熱フィンのような作用をもつため、表面に存在するY等の揮発のための熱が奪われるためではないかと推定している。
半導体ウエハを支持ピン等で保持しながら加熱する場合、半導体ウエハとセラミックとの距離は、1〜5000μmが好ましく、5〜500μmがより好ましい。離れ過ぎると加熱効果が低下し、近すぎるとセラミック基板の表面温度の温度分布を反映してしまい、半導体ウエハを均等に加熱できないからである。
本発明のセラミックヒータは、いずれの場合も、セラミック基板の表面または内部に発熱体が設けられている。
図1は、本発明のセラミックヒータの一例を模式的に示す平面図であり、図2はその一部を示す部分拡大断面図である。
セラミック基板(以下、ヒータ板ともいう)11は、円板状に形成されており、発熱体12は、ヒータ板11の加熱面11b全体の温度が均一になるように加熱する必要があるため、ヒータ板11の底面に同心円状のパターンに形成されている。なお、発熱体はパターン状の抵抗発熱体に限られず、例えば、ペルチェ素子であってもよい。
また、これら発熱体12は、互いに近い二重の同心円同士が1組として、1本の線になるように接続され、その両端に入出力の端子となる外部端子13が金属被覆層12aを介して接続されている。また、中央に近い部分には、半導体ウエハ19を支持するリフターピン16を挿入するための貫通孔15が形成され、さらに、測温素子を挿入するための有底孔14が形成されている。
なお、図1〜2に示したセラミックヒータ10において、発熱体12はヒータ板11の底部に設けられているが、ヒータ板11の内部に設けられていてもよい。
以下、本発明のセラミックヒータを構成する部材等について詳細に説明する。この説明では、窒化物セラミックを例にしているが、炭化物セラミックや酸化物セラミックであってもよい。
本発明のセラミックヒータ10では、ヒータ板の材料として、窒化物セラミックを用いているが、これは、熱膨張係数が金属より小さく、薄くしても、加熱により反ったり、歪んだりしないため、ヒータ板11を薄くて軽いものとすることができるからである。
また、ヒータ板11の熱伝導率が高く、またヒータ板自体薄いため、ヒータ板11の表面温度が、発熱体の温度変化に迅速に追従する。
即ち、電圧、電流量を変えて発熱体の温度を変化させることにより、ヒータ板11の表面温度を良好に制御することができるのである。
ヒータ板11は、Y、Na、B、Li、RbおよびCaから選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいる。
これらのなかでY、Li、Rb、Caの酸化物は、通常、焼結助剤として添加される。ヒータ板11の熱伝導率を130〜200W/mKと高くするためには、Y、Li、Rb、Caの含有量は、0.1〜5重量%が好ましい。
Y等の含有量が0.1重量%未満であると、焼結の際に緻密化が進行せず、その結果、熱伝導率を高く保つことが困難になる。
また、Na、Bなどは粒界に局在して熱伝導率を改善する。
Na、Bの含有量は、0.05〜50ppmが好ましい。0.05ppm未満では熱伝導率の改善効果が全くないからである。
これらの元素は、不可避的に原料粉末に含まれているが、これを上記範囲の量とするために、Naを含む化合物やCaを含む化合物、例えば、NaCO3、CaCO3等を添加してもよい。
なお、炭化物セラミックの焼結助剤としては、例えば、B4C、AlNなどが挙げられ、不純物としては、例えば、Al、Bが挙げられる。AlやBの含有量は、0.05ppm〜0.5重量%である。
上記ヒータ板11の加熱面は、被加熱物と加熱面とを熱伝導気体中で離間させて加熱する場合、基体が乱流となることを防止するために、JIS B 0601に基づく面粗度が、Rmax=0.05〜200μmになるように粗化処理が施されている。
被加熱物を加熱面から離間させて加熱する場合、加熱面のRmaxが200μmを超えると、被加熱物と加熱面の間に空気の乱流が発生し、熱が局所的に蓄積して被加熱物に温度差が生じてしまう。一方、Rmaxが0.05μm未満では、輻射熱により加熱面の温度差がそのまま被加熱物に転写されてしまい、やはり温度差が発生してしまう。面粗度は、Rmax=0.2〜100が望ましい。
また、上記ヒータ板11の加熱面は、不純物の半導体ウエハへの拡散を防止するために、JIS B 0601に基づく面粗度が、Rmax=0.2〜200μmになるように粗化処理が施されていることが望ましい。
上記面粗度のRmaxが0.2μm未満であると、面接触に近くなるため、不純物の半導体ウエハへの拡散を防止することが困難となり、一方、上記面粗度のRmaxが200μmを超えると、粗化処理自体が困難となるだけでなく、半導体ウエハを充分加熱できなくなる。これは半導体ウエハとウエハ載置面との距離が長くなって輻射熱量あるいは空気中を伝搬して半導体ウエハに到達する熱量が小さくなるためであると考えられる。
また、リフターピンや支持ピン等で半導体ウエハを支持して保持しながら被接触で加熱する場合にも、上記面粗度のRmaxが0.2μm未満では、Y等の揮発を抑制する効果はなく、上記面粗度のRmaxが200μmを超えると加熱面の表面積が大きくなり、揮発量が増えてしまうことになる。従って、上記範囲がY等の揮発抑制効果がある範囲である。
なお、面粗度はRmax=1〜20μmがより好ましい。半導体ウエハが接触した際にパーティクルが発生しにくい範囲だからである。
粗化処理の方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミナ、SiC、ガラス、ジルコニア等からなる粒子を加熱面に吹き付けるサンドブラスト処理等が挙げられる。
上記セラミックヒータのヒータ板11の厚さは、0.5〜5mmが好ましい。0.5mmより薄いと、強度が低下するため破損しやすくなり、一方、5mmより厚くなると、熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率が悪くなる。
また、本発明のセラミックヒータにおいて、上記窒化物セラミック基板の形状は特に限定されるものではなく、平面視楕円形のものでもよいが、図1に示したような円板状のものが望ましい。また、上記窒化物セラミック基板が円板状である場合、その直径は150mmを超えることが望ましく、200mm以上がより望ましく、300mm以上が更に望ましい。これは、半導体ウエハは、その直径が8インチ(200mm)以上のものが主流となっており、また、次の世代の半導体ウエハでは、その直径が12インチ(300mm)以上のものが主流となるからである。
上記窒化物セラミック基板の表面または内部に形成される発熱体12は、少なくとも2以上の回路に分割されていることが望ましい。回路を分割することにより、各回路に投入する電力を制御して発熱量を変えることができ、半導体ウエハの加熱面の温度を調整することができるからである。
発熱体12のパターンとしては、例えば、同心円、渦巻き、偏心円、屈曲線などが挙げられるが、ヒータ板全体の温度を均一にすることができる点から、図1に示したような同心円状のものが好ましい。
発熱体12をヒータ板11の表面に形成する場合には、金属粒子を含む導電ペーストをヒータ板11の表面に塗布して所定パターンの導体ペースト層を形成した後、これを焼き付け、ヒータ板11の表面で金属粒子を焼結させる方法が好ましい。なお、金属の焼結は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックとが融着していれば充分である。
ヒータ板11の表面に発熱体を形成する場合には、発熱体の厚さは、1〜30μmが好ましく、1〜10μmがより好ましい。また、ヒータ板11の内部に発熱体を形成する場合には、その厚さは、1〜50μmが好ましい。
また、ヒータ板11の表面に発熱体を形成する場合には、発熱体の幅は、0.1〜20mmが好ましく、0.1〜5mmがより好ましい。また、ヒータ板11の内部に発熱体を形成する場合には、発熱体の幅は、5〜20μmが好ましい。
発熱体12は、その幅や厚さにより抵抗値に変化を持たせることができるが、上記した範囲が最も実用的である。抵抗値は、薄く、また、細くなる程大きくなる。発熱体12は、ヒータ板11の内部に形成した場合の方が、厚み、幅とも大きくなるが、発熱体12を内部に設けると、加熱面と発熱体12との距離が短くなり、表面の温度の均一性が低下するため、発熱体自体の幅を広げる必要があること、内部に発熱体12を設けるために、窒化物セラミック等との密着性を考慮する必要性がないため、タングステン、モリブデンなどの高融点金属やタングステン、モリブデンなどの炭化物を使用することができ、抵抗値を高くすることが可能となるため、断線等を防止する目的で厚み自体を厚くしてもよい。そのため、発熱体12は、上記した厚みや幅とすることが望ましい。
発熱体12は、断面形状が矩形であっても楕円であってもよいが、偏平であることが望ましい。偏平の方が加熱面に向かって放熱しやすいため、加熱面の温度分布ができにくいからである。
断面のアスペクト比(発熱体の幅/発熱体の厚さ)は、10〜5000であることが望ましい。
この範囲に調整することにより、発熱体12の抵抗値を大きくすることができるとともに、加熱面の温度の均一性を確保することができるからである。
発熱体12の厚さを一定とした場合、アスペクト比が上記範囲より小さいと、ヒータ板11のウエハ加熱方向への熱の伝搬量が小さくなり、発熱体12のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまい、逆にアスペクト比が大きすぎると発熱体12の中央の直上部分が高温となってしまい、結局、発熱体12のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生してしまう。従って、温度分布を考慮すると、断面のアスペクト比は、10〜5000であることが好ましいのである。
発熱体12をヒータ板11の表面に形成する場合は、アスペクト比を10〜200、発熱体12をヒータ板11の内部に形成する場合は、アスペクト比を200〜5000とすることが望ましい。
発熱体12は、ヒータ板11の内部に形成した場合の方が、アスペクト比が大きくなるが、これは、発熱体12を内部に設けると、加熱面と発熱体12との距離が短くなり、表面の温度均一性が低下するため、発熱体12自体を偏平にする必要があるからである。
発熱体12をヒータ板11の内部に偏芯して形成する場合の位置は、ヒータ板11の加熱面に対向する面(底面)に近い位置で、加熱面から底面までの距離に対して50%を超え、99%までの位置とすることが望ましい。
50%以下であると、加熱面に近すぎるため、温度分布が発生してしまい、逆に、99%を超えると、ヒータ板11自体に反りが発生して、半導体ウエハが破損するからである。
また、発熱体12をヒータ板11の内部に形成する場合には、発熱体形成層を複数層設けてもよい。この場合は、各層のパターンは、相互に補完するようにどこかの層に発熱体12が形成され、加熱面の上方から見ると、どの領域にもパターンが形成されている状態が望ましい。このような構造としては、例えば、互いに千鳥の配置になっている構造が挙げられる。
なお、発熱体12をヒータ板11の内部に設け、かつ、その発熱体12を一部に露出させてもよい。
導体ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好ましい。
上記金属粒子としては、例えば、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。
上記導電性セラミックとしては、例えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これら金属粒子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなるからである。
上記金属粒子の形状は、球状であっても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよい。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しやすくなり、発熱体12と窒化物セラミック等との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるため有利である。
導体ペーストに使用される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースなどが挙げられる。
導体ペーストには、上記したように、金属粒子に金属酸化物を添加し、発熱体12を金属粒子および金属酸化物を焼結させたものとすることが望ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、ヒータ板である窒化物セラミックと金属粒子とを密着させることができる。
金属酸化物を混合することにより、窒化物セラミックと密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面や窒化物セラミックの表面は、わずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子と窒化物セラミックとが密着するのではないかと考えられる。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23)、アルミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの酸化物は、発熱体12の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子と窒化物セラミックとの密着性を改善することができるからである。
上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23)、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整されていることが望ましい。
これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミックとの密着性を改善することができる。
上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。また、このような構成の導体ペーストを使用して発熱体12を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好ましい。
面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、ヒータ板の表面に発熱体12を設けたヒータ板11では、その発熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
発熱体12がヒータ板11の表面に形成される場合には、発熱体12の表面部分に、金属被覆層12aが形成されていることが望ましい。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。形成する金属被覆層12aの厚さは、0.1〜10μmが好ましい。
金属被覆層12aを形成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。
発熱体12には、電源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半田を介して発熱体12に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止するからである。接続端子としては、例えば、コバール製の外部端子13が挙げられる。
なお、発熱体12をヒータ板11の内部に形成する場合には、発熱体表面が酸化されることがないため、被覆は不要である。発熱体12をヒータ板11内部に形成する場合、発熱体の一部が表面に露出していてもよく、発熱体12を接続するためのスルーホールが端子部分に設けられ、このスルーホールに外部端子が接続、固定されていてもよい。
外部端子13を接続する場合、半田としては、銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50μmが好ましい。半田による接続を確保するのに充分な範囲だからである。
また、図2に示したように、ヒータ板11に貫通孔15を設けてその貫通孔15にリフターピン(図示せず)を挿入し、半導体ウエハを図示しない搬送機に渡したり、搬送機から半導体ウエハを受け取ったりすることができる。
次に、本発明のセラミックヒータの製造方法について説明する。
まず、ヒータ板11の底面に発熱体が形成されたセラミックヒータ(図1〜2参照)の製造方法について説明する。この説明では、窒化物セラミックを例にしているが、炭化物セラミックや酸化物セラミックを使用してもよい。
(1)ヒータ板の作製工程
上述した窒化アルミニウムなどの窒化物セラミックの粉末に必要に応じてイットリア(Y23)、カルシア(CaO)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ルビジウム(Rb2O)等の焼結助剤、Y、Na、Ca、Li、Rb、Bを含む化合物、バインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。
次に、生成形体に、必要に応じて、半導体ウエハを支持するためのリフターピンを挿入する貫通孔となる部分や熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔となる部分を形成する。
次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定の形状に加工することにより、ヒータ板11を作製するが、焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔のないヒータ板11を製造することが可能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、窒化物セラミックでは、1000〜2500℃である。この後、サンドブラスト等により、少なくとも加熱面に粗化処理を施す。両面に粗化処理を施してもよい。
(2)ヒータ板に導体ペーストを印刷する工程
導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からなる粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリーン印刷などを用い、発熱体を設けようとする部分に印刷を行うことにより、導体ペースト層を形成する。発熱体は、ヒータ板全体を均一な温度にする必要があることから、図1に示すような同心円状からなるパターンに印刷することが望ましい。
導体ペースト層は、焼成後の発熱体12の断面が、方形で、偏平な形状となるように形成することが望ましい。
(3)導体ペーストの焼成
ヒータ板11の底面に印刷した導体ペースト層を加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒子を焼結させ、ヒータ板11の底面に焼き付け、発熱体12を形成する。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好ましい。
導体ペースト中に上述した金属酸化物を添加しておくと、金属粒子、ヒータ板および金属酸化物が焼結して一体化するため、発熱体とヒータ板との密着性が向上する。
(4)金属被覆層の形成
発熱体12表面には、金属被覆層12aを設けることが望ましい。金属被覆層12aは、電解めっき、無電解めっき、スパッタリング等により形成することができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。
(5)端子等の取り付け
発熱体12のパターンの端部に電源との接続のための端子(外部端子13)を半田で取り付ける。また、有底孔14に銀ろう、金ろうなどで熱電対を固定し、ポリイミド等の耐熱樹脂で封止し、セラミックヒータの製造を終了する。
次に、ヒータ板11の内部に発熱体12が形成されたセラミックヒータの製造方法について説明する。
(1)ヒータ板の作製工程
まず、窒化物セラミックの粉末をバインダ、溶剤等と混合してペーストを調製し、これを用いてグリーンシートを作製する。
上述した窒化物セラミック粉末としては、窒化アルミニウムなどを使用することができ、必要に応じて、イットリア等の焼結助剤、Na、Caを含む化合物等を加えてもよい。
また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
これらを混合して得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシートを作製する。
グリーンシートの厚さは、0.1〜5mmが好ましい。
次に、得られたグリーンシートに、必要に応じて、半導体ウエハを支持するためのリフターピンを挿入する貫通孔15となる部分、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔となる部分、発熱体を外部端子と接続するためのスルーホール18となる部分等を形成する。後述するグリーンシート積層体を形成、あるいは焼成した後に、上記加工を行ってもよい。
(2)グリーンシート上に導体ペーストを印刷する工程
グリーンシート上に、発熱体を形成するための金属ペーストまたは導電性セラミックを含む導電性ペーストを印刷する。
これらの導電ペースト中には、金属粒子または導電性セラミック粒子が含まれている。
タングステン粒子またはモリブデン粒子の平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子が0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
このような導体ペーストとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が挙げられる。
(3)グリーンシートの積層工程
導体ペーストを印刷していないグリーンシートを、導体ペーストを印刷したグリーンシートの上下に積層する。
このとき、上側に積層するグリーンシートの数を下側に積層するグリーンシートの数よりも多くして、発熱体の形成位置を底面の方向に偏芯させる。
具体的には、上側のグリーンシートの積層数は20〜50枚が、下側のグリーンシートの積層数は5〜20枚が好ましい。
(4)グリーンシート積層体の焼成工程
グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシートおよび内部の導体ペーストを焼結させる。
加熱温度は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、100〜200kg/cm2が好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素などを使用することができる。
この後、加熱面を研磨し、さらに必要に応じてサンドブラスト等により、少なくとも加熱面に粗化処理を施す。両面に粗化処理を施してもよい。
なお、焼成を行った後に、測温素子を挿入するための有底孔を設けてもよい。有底孔は、表面研磨後に、サンドブラストなどのブラスト処理を行うことにより形成することができる。また、内部の発熱体と接続するためのスルーホールに外部端子13を接続し、加熱してリフローする。加熱温度は、200〜500℃が好適である。
さらに、測温素子としての熱電対などを銀ろう、金ろうなどで取り付け、ポリイミドなどの耐熱性樹脂で封止し、セラミックヒータの製造を終了する。
また、本発明のヒータの使用温度領域は150〜800℃である。また、使用雰囲気は、大気圧以下の圧力下で使用できる。このような範囲で、本発明は特に大きな効果を奏する。
なお、本発明のセラミックヒータは、誘電電極を設けて静電チャックとしてもよく、また、表面にチャックトップ導体層を設けてウエハプローバとしてもよい。
次に、上記静電チャックの構成について簡単に説明する。
図3は、静電チャックを模式的に示す縦断面図であり、図4は、図3に示した静電チャックのA−A線断面図である。
この静電チャック101では、窒化アルミニウム基板100の内部にチャック正負電極層20、30が埋設され、その電極上にセラミック誘電体膜40が形成されている。また、窒化アルミニウム基板100の内部には、抵抗発熱体50が設けられ、シリコンウエハ90を加熱することができるようになっている。なお、窒化アルミニウム基板100には、必要に応じて、RF電極が埋設されていてもよい。
また、図4に示したように、静電チャック101は、通常、平面視円形状に形成されており、窒化アルミニウム基板100の内部に図4に示した半円弧状部20aと櫛歯部20bとからなるチャック正極静電層20と、同じく半円弧状部30aと櫛歯部30bとからなるチャック負極静電層30とが、互いに櫛歯部20b、30bを交差するように対向して配置されている。
この静電チャックを使用する場合には、チャック正極静電層20とチャック負極静電層30とにそれぞれ直流電源の+側と−側を接続し、直流電圧を印加する。これにより、この静電チャック上に載置された半導体ウエハが静電的に吸着されることになる。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
Naを0.1ppm、Bを0.8ppm含有する窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。この生成形体にドリル加工を施し、半導体ウエハのリフターピンを挿入する貫通孔15となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔14となる部分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
加工処理の終った生成形体を1800℃、圧力:200kg/cm2でホットプレスし、厚さが3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。
次に、この板状体から直径210mmの円板体を切り出し、セラミック製の板状体(ヒータ板11)とした。
このヒータ板11の両面を平均粒子径5μmのアルミナ粒子のサンドブラストで処理し、表面にJIS B 0601で、Rmax=6μmの凹凸を形成した。
上記(3)で得たヒータ板11に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、図1に示したような同心円状のパターンとした。
導体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。 この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
次に、導体ペーストを印刷したヒータ板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにヒータ板11に焼き付け、発熱体12を形成した。銀−鉛の発熱体は、厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5)で作製したヒータ板11を浸漬し、銀−鉛の発熱体12の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)12aを析出させた。
電源との接続を確保するための外部端子13を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成した。
ついで、半田層の上にコバール製の外部端子13を載置して、420℃で加熱リフローし、外部端子13を発熱体の表面に取り付けた。
温度制御のための熱電対を81.7Au−18.3Niの金ろうで接続し、(1030℃で加熱して融着)、セラミックヒータ10を得た。
(比較例1)
ヒータ板を製造した後、両面をサンドブラストにより粗化しなかったほかは、実施例1と同様にしてセラミックヒータを製造した。粗化しなかったため、表面はJIS B 0601で、Rmax=0.1μmであった。
(比較例2)
ヒータ板を製造する際にイットリアを添加せず、また窒化アルミニウム粉末として三井東圧製 MAN−5(Na、Bが0.1ppm未満)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、セラミックヒータを製造した。
(比較例3)
ヒータ板を製造した後、両面を平均粒子径250μmのアルミナ粒子のサンドブラストで処理し、表面にJIS B 0601で、Rmax=210μmの凹凸を形成した。
(実施例2)
Naを0.1ppm、Bを0.8ppm含有する窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1μm)100重量部、CaO(平均粒径:0.3μm)5重量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した以外は、実施例1と同様にして、セラミックヒータを製造した。
(実施例3)
Naを0.1ppm、Bを0.8ppm含有する窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製 平均粒径:1.1μm)100重量部、Li2O(平均粒径:0.3μm)3重量部、Rb2O(平均粒径:0.3μm)2重量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した後、実施例1と同様にしてヒータ板11を作成した。
次に、このヒータ板11の表面を0.5mのダイヤモンドペーストでポリシングし、Rmax=0.8μmとし、この後、実施例1と同様にして、セラミックヒータを製造した。
(実施例4)
基本的には、実施例1と同様であるが、外部端子の接合をNi−Auろう材にし、1030℃でリフローした。また、平均粒子径3μmのジルコニアサンドブラスト処理により、ヒータ板11にJIS B 0601でRmax=4μmの粗化面を形成した。
さらに、窒化アルミニウムセラミック基板の表面からシリコンウエハまでの距離を100μmとして、支持ピンで支えながら500℃まで加熱した。
(実施例5)
基本的には、実施例1と同様であるが、外部端子の接合をNi−Auろう材にし、1030℃でリフローした。また、平均粒子径15μmのジルコニアサンドブラスト処理により、ヒータ板にJIS B 0601でRmax=18μmの粗化面を形成した。
さらに、窒化アルミニウムセラミック基板の表面からシリコンウエハまでの距離を100μmとして、支持ピンで支えながら500℃まで加熱した。
(実施例6)
基本的には、実施例1と同様であるが、外部端子の接合をNi−Auろう材にし、1030℃でリフローした。また、平均粒子径200μmのジルコニアサンドブラスト処理により、ヒータ板にJIS B 0601でRmax=180μmの粗化面を形成した。
さらに、窒化アルミニウムセラミック基板の表面からシリコンウエハまでの距離を100μmとして、支持ピンで支えながら500℃まで加熱した。
(比較例4)
基本的には、実施例1と同様であるが、外部端子の接合をNi−Auろう材にし、1030℃でリフローした。また、サンドブラスト処理をしなかった。そのため、表面粗さはRmaxで0.1μmであった。
さらに、窒化アルミニウムの基板の表面からシリコンウエハまでの距離を100μmとして支持ピンで支えながら、500℃まで加熱した。
(比較例5)
基本的には、実施例1と同様であるが、外部端子の接合をNi−Auろう材にし、1030℃でリフローした。また、平均粒子径250μmのジルコニアサンドブラスト処理により、ヒータ板にJIS B 0601でRmax=210μmの粗化面を形成した。
さらに、窒化アルミニウムの基板の表面からシリコンウエハまでの距離を100μmとして支持ピンで支えながら、500℃まで加熱した。
上記実施例1〜6および比較例1〜5で得られたセラミックヒータについて、蛍光X線分析法によりY、Na、Ca、Rb、Li、Bの含有量を測定し、レーザフラッシュ法により、ヒータ板の熱伝導率を測定した。さらに、シリコンウエハを載置して、500℃まで加熱した後、シリコンウエハへのY、Na、Ca、Rb、Li、Bの拡散を蛍光X線分析法により測定した。また、シリコンウエハの表面温度とウエハ載置面の温度差を熱電対で測定した。
その結果を下記の表1に示した。
表1
Figure 0003536256
表1に示した結果より明らかなように、実施例1〜3のセラミックヒータの場合は、熱伝導率が高く、シリコンウエハへのY等の拡散がなかったのに対し、比較例1のセラミックヒータでは、加熱面が平坦であったため、シリコンウエハへのYの拡散があり、比較例2では、ヒータ板を製造する際にYを添加しなかったため、ヒータ板の熱伝導率が低下していた。さらに、比較例3では、シリコンウエハが充分加熱されなかった。
また、実施例4〜6は、シリコンウエハを直接加熱面に載置せず、支持ピンで支持して保持しながら加熱処理した場合であるが、いずれもY等の拡散はみられなかった。これに対し、比較例4、5では、Y、Na、Bによりシリコンウエハの汚染が観察された。Y等が揮発したためと考えられる。
(実施例7)静電チャックの製造
Naを0.1ppm、Bを0.8ppm含む窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部、および、1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより、外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。
平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。
この導電性ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとした。また、他のグリーンシートに図4に示した形状の静電電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
さらに、外部端子を接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。静電電極パターンは、櫛歯電極30(20b、30b)からなり、20b、30bはそれぞれ20a、30aと接続する。
上記処理の終わったグリーンシート500に、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシート500′を上側(加熱面)に34枚、下側に13枚積層し、その上に静電電極パターンからなる導体ペースト層を印刷したグリーンシート500を積層し、さらにその上タングステンペーストを印刷していないグリーンシート500′を2枚積層し、これらを130℃、80kg/cm2の圧力で圧着して積層体を形成した(図5(a))。
次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cm2で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発熱体50および厚さ6μmのチャック正極静電層20、チャック負極静電層30を有する窒化アルミニウム製の板状体とした(図5(b))。
次に、(4)で得られた板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、平均粒径1μmのジルコニアによるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
この処理で、表面の面粗度をRmax=2μmとした。
さらに、スルーホールが形成されている部分をえぐり取って袋孔130、140とし(図5(c))、この袋孔130、140にNi−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子60、180を接続させた(図5(d))。
なお、外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができるからである。
次に、温度制御のための複数の熱電対を有底孔に埋め込み、図3に示す抵抗発熱体を有する静電チャックの製造を完了した。
シリコンウエハを載置して、1kVの電圧を印可し、シリコンウエハを吸着させながら、300℃で加熱した。
実施例7は、静電電極を設けて、静電チャック付きヒータとした構成であるが、Y等のシリコンウエハへの汚染は観察されなかった。
(実施例8)SiC製のセラミックヒータの製造
SiC粉末(平均粒径:0.3μm)100重量部、焼結助剤のB4Cを0.5重量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
加工処理の終った生成形体を2100℃、圧力:180kg/cm2でホットプレスし、厚さが3mmのSiC製の板状体を得た。
次に、この板状体の表面から直径210mmの円板体を切り出し、セラミック基板とした。さらに、この基板表面を粒子径0.05μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングして、面粗度がRmax0.08μmの加熱面を得た。
セラミック基板に、ガラスペースト(昭栄化学工業社製 G−5232N)を塗布して、1000℃で1時間焼成してSiC製セラミック基板の表面に厚さ2μmのSiO2の膜を形成した。
この成形体にドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピンを挿入する貫通孔15となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔14となる部分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
上記(3)で得たセラミック基板に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。導体ペーストとしては、以下の組成を使用した。リン片状銀(昭栄化学工業社製 Ag−540)90重量部、針状結晶の白金(昭栄化学工業社製 Pt−401)10重量部、シリカ7.5重量部、酸化硼素1.5重量部、酸化亜鉛6重量部、有機ビヒクルとして酢酸セルロース30重量部からなるものであった。
次に、導体ペーストを印刷したセラミック基板を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、白金を焼結させるとともにセラミック基板に焼き付け、発熱体を形成した。発熱体は、厚さが5μm、幅10mm、面積抵抗率が0.13Ω/□であった。
発熱体の表面にガラスペースト(昭栄化学工業社製 G−5177)を塗布し、1000℃で加熱して被覆した。
電源との接続を確保するための端子を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀ろうを印刷して半田層を形成した。
ついで、半田層の上にコバール製の外部端子13を載置して、780℃で加熱リフローし、外部端子13を発熱体12の表面に取り付けた。また、半導体ウエハの支持ピンを挿入して取り付けた。
温度制御のための熱電対を有底孔14にはめ込み、セラミック接着剤(東亜合成製 アロンセラミック)を埋め込んで固定しセラミックヒータ10を得た。
(実施例9)
実施例8と同様であるが、この基板表面を粒子径0.05μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングした後、平均粒子径5μmのSiC粒子を用いたサンドブラスト処理を行い、Rmaxが6μmの粗化面を形成した。
(実施例10)
実施例8と同様であるが、この基板表面を粒子径0.05μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングした後、平均粒子径180μmのSiC粒子を用いたサンドブラスト処理を行い、Rmaxが200μmの粗化面を形成した。
(比較例6)
実施例8と同様であるが、この基板表面を粒子径0.01μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングし、Rmaxが0.03μmの粗化面を形成した。
(比較例7)
実施例8と同様であるが、この基板表面を粒子径0.05μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングした後、平均粒子径250μmのSiC粒子を用いたサンドブラスト処理を行い、Rmaxが210μmの粗化面を形成した。
(実施例11)窒化アルミニウム製のセラミックヒータの製造
窒化アルミニウム粉末(平均粒径:0.6μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリル系バインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
加工処理の終った生成形体を1800℃、圧力:200kg/cm2でホットプレスし、厚さが3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。
次に、この板状体から直径210mmの円板体を切り出し、セラミック基板11とした。この基板の表面に、実施例8のガラスペーストを塗布し、乾燥焼成して厚さ2μmのSiO2膜を形成し、この基板表面を粒子径0.05μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングして、面粗度がRmax0.08μmの加熱面を得た。
この成形体にドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピンを挿入する貫通孔35となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔14となる部分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
上記(3)で得た基板11に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。導体ペーストとしては、以下の組成を使用した。
リン片状銀(昭栄化学工業社製 Ag−540)50重量部、球状パラジウム(昭栄化学工業社製 Pd−225)50重量部、酸化亜鉛10重量部、シリカ8重量部、酸化ホウ素2重量部、有機ビヒクルとして酢酸セルロース30重量部からなるものであった。
次に、導体ペーストを印刷した基板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、Pdを焼結させるとともに基板11に焼き付け、発熱体12を形成した。銀−Pdの発熱体12は、厚さが5μm、幅15mm、面積抵抗率が5.09Ω/□であった。
発熱体12の表面にガラスペースト(昭栄化学工業社製 G−5177)を塗布し、1000℃で加熱して被覆した。
電源との接続を確保するための端子を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田層を形成した。ついで、半田層の上にコバール製の外部端子13を載置して、780℃で加熱タフローし、外部端子13を発熱体12の表面に取り付けた。また、半導体ウエハの支持ピンを挿入して取り付けた。
温度制御のための熱電対を有底孔14にはめ込み、セラミック接着剤(東亜合成製 アロンセラミック)を埋め込んで固定しセラミックヒータ10を得た。
(実施例12)
実施例11と同様であるが、この基板表面を粒子径0.05μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングした後、平均粒子径5μmのSiC粒子を用いたサンドブラスト処理を行い、Rmaxが6μmの粗化面を形成した。
(実施例13)
実施例11と同様であるが、この基板表面を粒子径0.05μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングした後、平均粒子径180μmのSiC粒子を用いたサンドブラスト処理を行い、Rmaxが200μmの粗化面を形成した。
(比較例8)
実施例11と同様であるが、この基板表面を粒子径0.01μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングし、Rmaxが0.03μmの粗化面を形成した。
(比較例9)
実施例11と同様であるが、この基板表面を粒子径0.05μmのダイヤモンドペースト(マルトー製)でポリシングした後、平均粒子径250μmのジルコニアを用いたサンドブラスト処理を行い、Rmaxが210μmの粗化面を形成した。
実施例8〜13および比較例6〜9について、セラミック基板の加熱面とシリコンウエハの距離を100μmに設定して400℃まで昇温して、シリコンウエハの最高温度と最低温度の差ΔTをサーモビュア(日本データム社製 IR−16−2012−0012)で測定した。
結果を下記の表2に示す。
表2
Figure 0003536256
上記表2より明らかなように、面粗度Rmaxが200μmより大きい場合や0.05μmよりも小さい場合には、温度差が大きくなる。これは、面粗度が大きすぎても小さすぎても加熱面の温度差がシリコンウエハに反映されてしまうからであると考えられる。
なお、SiCの方が熱伝導率が高く(270W/m・K)であるため、加熱面の温度差が小さい。
産業上利用の可能性
以上説明したように本発明のセラミックヒータによれば、Y等から選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいるので、熱伝導率が高く、ヒータ板の表面温度を発熱体の温度変化に迅速に追従させることができ、加熱面の温度を良好に制御することができる。
また、加熱面が粗化されているので、半導体ウエハとの接触を点接触とすることができ、セラミックヒータから半導体ウエハへの不純物の熱拡散を防止することができ、さらに、不純物が揮発して半導体ウエハ等が汚染されることも防止することができる。
また、このセラミックヒータは静電チャックやウエハプローバへ応用することができる。

Claims (8)

  1. セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、
    前記セラミック基板は、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度が、Rmax=0.05〜200μmであることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、
    前記セラミック基板は、前記セラミック基板の主成分を構成する元素以外の元素を含み、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度は、Rmax=0.2〜200μmであることを特徴とするセラミックヒータ。
  3. 前記セラミック基板は、窒化物セラミック、炭化物セラミックおよび酸化物セラミックから選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載のセラミックヒータ。
  4. 窒化物セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、
    前記窒化物セラミック基板は、窒化物セラミックの構成元素以外の元素を含み、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度は、Rmax=0.2〜200μmであることを特徴とするセラミックヒータ。
  5. 窒化物セラミック基板の表面または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、
    前記窒化物セラミック基板は、Na、B、Y、Li、RbおよびCaから選ばれる少なくとも1種の元素を含み、被加熱物を加熱する加熱面のJIS B 0601に基づく面粗度は、Rmax=0.2〜200μmであることを特徴とするセラミックヒータ。
  6. 前記窒化物セラミック基板は、円板状であり、その直径が150mmを超えるものである請求項4または5に記載のセラミックヒータ。
  7. 前記Y、Li、RbおよびCaから選ばれる少なくとも1種の元素を、0.1重量%以上含有する請求項4、5または6に記載のセラミックヒータ。
  8. 前記NaおよびBから選ばれる少なくとも1種の元素を、0.05ppm以上含有する請求項4、5または6に記載のセラミックヒータ。
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