JP2001319756A - セラミック基板 - Google Patents

セラミック基板

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JP2001319756A
JP2001319756A JP2000136201A JP2000136201A JP2001319756A JP 2001319756 A JP2001319756 A JP 2001319756A JP 2000136201 A JP2000136201 A JP 2000136201A JP 2000136201 A JP2000136201 A JP 2000136201A JP 2001319756 A JP2001319756 A JP 2001319756A
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weight
heating element
ceramic
resistance heating
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JP2000136201A
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English (en)
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Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
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Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温領域で使用しても、抵抗発熱体(回路)
と外部端子との接続部分に劣化が生ずることがなく、抵
抗発熱体(回路)と外部端子との接続信頼性を長期間に
わたり維持することができるセラミック基板を提供す
る。 【解決手段】 1または2以上の回路からなる抵抗発熱
体が配設され、前記回路に外部端子が接続されてなるセ
ラミック基板であって、前記回路と前記外部端子とが、
ろう材により接合されていることを特徴とするセラミッ
ク基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に、ホットプレ
ート、静電チャック、ウエハプローバなど、半導体の製
造用や検査用の装置として用いられるセラミック基板に
関し、特に抵抗発熱体と外部端子との接続信頼性に優れ
るセラミック基板に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製品は、種々の産業において必要
とされる極めて重要な製品であり、その代表的製品であ
る半導体チップは、例えば、シリコン単結晶を所定の厚
さにスライスしてシリコンウエハを作製した後、このシ
リコンウエハ上に種々の回路等を形成することにより製
造される。
【0003】この種の回路等を形成するには、シリコン
ウエハ上に、感光性樹脂を塗布し、これを露光、現像処
理した後、ポストキュアさせたり、スパッタリングによ
り導体層を形成する工程が必要である。このためには、
シリコンウエハを加熱する必要がある。
【0004】かかるシリコンウエハを加熱するためのヒ
ータとして、従来から、アルミニウム製の基板の裏側に
電気的抵抗体等の抵抗発熱体を備えたものが多用されて
いたが、アルミニウム製の基板は、厚さ15mm程度を
要するので、重量が大きくなり、また、嵩張るために取
扱いが容易ではなく、さらに、通電電流に対する温度追
従性という観点でも温度制御性が不充分であり、シリコ
ンウエハを均一に加熱することは容易ではなかった。
【0005】そこで、最近では、窒化アルミニウム等の
セラミックを基板として用いたセラミックヒータが開発
されている。これらのヒータでは、曲げ強度等の機械的
特性に優れるため、その厚さを薄くすることにより、熱
容量を小さくすることができるため、温度追従性等の諸
特性に優れる。
【0006】このようなセラミックヒータにおいて、抵
抗発熱体(回路)の端部と外部端子とは、通常、半田に
より接続、固定されている(特開平11−40330号
公報)が、このセラミックヒータを長期間使用している
と、次第に半田の劣化が進行し、そのために外部端子が
抵抗発熱体(回路)の端部から離れやすくなり、脱落し
てしまうという問題があった。
【0007】また、半田は、その融点が最も高いもので
も400℃程度と低いため、セラミック基板をこのよう
な温度付近またはそれ以上の温度に加熱しようとする
と、半田により外部端子を接合するとことは困難であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
に鑑みてなされたものであり、高温領域で使用しても、
抵抗発熱体(回路)と外部端子との接続部分に劣化が生
ずることがなく、抵抗発熱体(回路)と外部端子との接
続信頼性を長期間にわたり維持することができるセラミ
ック基板を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、1または2以
上の回路からなる抵抗発熱体が配設され、上記回路に外
部端子が接続されてなるセラミック基板であって、上記
回路と上記外部端子とが、ろう材により接合されている
ことを特徴とするものである。
【0010】本発明のセラミック基板では、抵抗発熱体
と外部端子とが、半田に比べて融点が高く、耐久性に優
れるろう材により接合されているため、例えば、セラミ
ック基板の温度を400〜500℃程度の高温にした場
合にも、外部端子の接合部分の酸化等による劣化は殆ど
進行せず、接続信頼性の高いセラミック基板となる。
【0011】上記セラミック基板において、上記ろう材
は、銀ろう、アルミニウム合金ろう、金ろうまたはパラ
ジウムろうからなることが望ましく、そのなかでも特
に、Niを18.5〜17.5重量%含有するAu−N
i合金からなる金ろうであることが望ましい。融点が9
60〜1000℃と高く、特に真空中や減圧下でも劣化
しにくいからである。
【0012】銀ろうとしては、JIS Z 3261−
1976に記載されているようなものを使用することが
できる。例えば、Ag:44〜46重量%、Cu:14
〜16重量%、Zn:14〜18重量%、Cd:23〜
25重量%、その他の元素の合計:0.15重量%以下
の組成のものを使用することができる。アルミニウム合
金のろう材としては、JIS Z 3236−1977
に記載されているものを使用することができ、例えば、
Cu:0.25重量%以下、Si:6.8〜8.2重量
%、Fe:0.8重量%以下、Mn:0.1重量%以
下、Zn:0.2重量%以下、残部がAlの組成のもの
を使用することができる。パラジウム合金のろう材とし
ては、JIS Z 3267−1976に記載されてい
るものを使用することができ、例えば、Pd:4.5〜
5.5重量%、Ag:68〜69重量%、Cu:26〜
27重量%の組成のものを使用することができる。ま
た、上記セラミック基板は、窒化物セラミックまたは炭
化物セラミックからなるものであることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のセラミック基板は、1ま
たは2以上の回路からなる抵抗発熱体が配設され、上記
回路に外部端子が接続されてなるセラミック基板であっ
て、上記回路と上記外部端子とが、ろう材により接合さ
れていることを特徴とする。本発明のセラミック基板
は、100℃以上に加熱されることが望ましく、200
℃以上に加熱されることがより望ましい。
【0014】図1(a)は、本発明のセラミック基板の
一例であるセラミックヒータを模式的に示す平面図であ
り、(b)は、図1に示すセラミックヒータの一部を模
式的に示す部分拡大断面図である。
【0015】セラミック基板11は、円板形状に形成さ
れており、抵抗発熱体12は、セラミック基板11内部
の底面11bに近い部分に同心円形状のパターンに形成
されている。また、抵抗発熱体12は、互いに近い二重
の同心円同士が1組として、1本の線になるように接続
されて1つの回路を構成しており、その端部の直下に
は、スルーホール18が形成されている。
【0016】抵抗発熱体12が底面11bに近い部分に
形成されているのは、抵抗発熱体12から発生した熱が
セラミック基板11の内部を伝搬するうちに拡散し、加
熱面11a全体の温度が均一になりやすいからである。
一方、セラミック基板11の底面には袋孔17が形成さ
れ、この袋孔17にスルーホール18が露出しており、
露出したスルーホール18に、ろう材26を介して外部
端子13を接続することにより、抵抗発熱体12との接
続を行っている。
【0017】また、中央に近い部分には、リフターピン
16を挿入するための貫通孔15が形成され、さらに、
測温素子を挿入するための有底孔14が形成されてい
る。このリフターピン16は、その上にシリコンウエハ
9を載置して上下させることができるようになってお
り、これにより、シリコンウエハ9を図示しない搬送機
に渡したり、搬送機からシリコンウエハ9を受け取った
りすることができるほか、セラミック基板11の加熱面
11aから50〜5000μm離間させた状態で保持し
ながら加熱することができるようになっている。
【0018】また、セラミック基板11に貫通孔または
凹部を設け、この貫通孔または凹部に先端が尖塔状また
は半球状の支持ピンを挿入した後、この支持ピンをセラ
ミック基板よりわずかに突出させた状態で固定し、この
支持ピンでシリコンウエハを支持することにより、加熱
面から50〜2000μm離間させた状態でシリコンウ
エハを支持し、加熱することもできる。
【0019】図1、2に示した本発明のセラミックヒー
タでは、ろう材を介して抵抗発熱体と外部端子とが接続
されているため、このセラミックヒータが高温で使用す
るものであっても、抵抗発熱体と外部端子との接合部分
は劣化せず、長期間にわたって接続信頼性を確保するこ
とができる。
【0020】本発明において使用するろう材は特に限定
されず、例えば、銀ろう、パラジウムろう、アルミニウ
ムろう、金ろう等が挙げられる。これらのなかでは、金
ろうが好ましい。高温での耐久性に優れるセラミックヒ
ータを得ることができるからである。金ろうとしては、
Au−Ni合金が望ましい。Au−Ni合金は、スルー
ホールの材料として最もよく使用されるタングステンと
の密着性に優れるからである。このAu−Ni合金にお
けるAu/Niの比率は、〔81.5〜82.5(重量
%)〕/〔18.5〜17.5(重量%)〕が望まし
い。
【0021】ろう材26の層の厚さは、0.1〜50μ
mが好ましい。0.1μm未満では、ろう材26の層の
厚さが薄すぎるため、外部端子13を接合、固定するこ
とができず、一方、その厚さが50μmを超えると、ろ
う材の厚さが厚くなりすぎ、また、固定の効果は、その
厚さが50μmまたはその近傍の場合と余り変わらない
ため、不経済となる。
【0022】なお、10-6〜10-5Paの高真空で50
0〜1000℃の高温で使用するとAu−Cu合金では
劣化する場合があるが、Au−Ni合金ではこのような
劣化がないため有利である。また、Au−Ni合金中の
不純物元素量は全量を100重量部とした場合に1重量
部未満であることが望ましい。
【0023】外部端子13の材料としては特に限定され
ず、例えば、ニッケル、コバール等の金属が挙げられ
る。外部端子13の形状は、断面視T字型のものであっ
てもよく、通常の導電線からなるものであってもよい。
また、そのサイズは、使用するセラミック基板11の大
きさ、抵抗発熱体12の大きさ等によって適宜調整され
るため特に限定されないが、断面視T字型のものである
場合、軸部分の直径は0.5〜5mm、軸部分の長さは
1〜10mmが好ましい。また、導電線である場合に
は、その直径は、0.5〜5mmが好ましい。
【0024】スルーホール18は、タングステン、モリ
ブデン等の金属、または、これらの炭化物等からなり、
その直径は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止
しつつ、クラックや歪みを防止することができるからで
ある。
【0025】上記導電線を用いる場合には、図3に示す
ように、セラミック基板11に形成した袋孔17の内部
に、緩衝材である肉厚円筒形状のワッシャー25を挿入
し、さらに、ワッシャー25の孔の中に導電線23を挿
入した後、ろう材26を用いてワッシャー25および導
電線23を袋孔17に固定することにより、スルーホー
ル18を介して外部端子13を抵抗発熱体12に接続す
ることができる。
【0026】上記緩衝材は、導電線とセラミック基板と
の間の膨張係数を有し、この緩衝材を介して導電線を接
合することにより、たとえ、導電線の熱膨張率がセラミ
ック基板より大きいものであっても、セラミック基板や
導電線にクラックやその他の不都合が発生するのを防止
することができる。
【0027】なお、上記したセラミックヒータでは、抵
抗発熱体が底面に形成されていてもよい。この場合に
は、抵抗発熱体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止
するために、抵抗発熱体に金属被覆層を形成することが
望ましい。金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好
ましい。
【0028】金属被覆層を形成する際に使用される金属
は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体
的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが
好ましい。なお、この金属被覆層12aは、電解メッ
キ、無電解メッキ、スパッタリング等の方法により形成
される。
【0029】この場合には、抵抗発熱体の端部に、直
接、上述したろう材を介して外部端子を接続、固定す
る。この際のろう材の厚さは、0.1〜50μmが好ま
しい。
【0030】本発明において、抵抗発熱体は、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケル等の金属、または、タングステン、
モリブデンの炭化物等の導電性セラミックからなるもの
であることが望ましい。抵抗値を高くすることが可能と
なり、断線等を防止する目的で厚み自体を厚くすること
ができるとともに、酸化しにくく、熱伝導率が低下しに
くいからである。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0031】また、抵抗発熱体は、セラミック基板全体
の温度を均一にする必要があることから、図1に示すよ
うな同心円形状のパターンや同心円形状のパターンと屈
曲線形状のパターンとを組み合わせたものが好ましい。
また、抵抗発熱体12の厚さは、1〜50μmが望まし
く、その幅は、5〜20mmが好ましい。
【0032】抵抗発熱体の厚さや幅を変化させることに
より、その抵抗値を変化させることができるが、上述し
た範囲が最も実用的だからである。抵抗発熱体の抵抗値
は、薄く、また、細くなるほど大きくなる。
【0033】セラミック基板の内部に抵抗発熱体を形成
する際には、底面からセラミック基板の厚さの60%ま
での位置に形成することが望ましい。発熱体から生じる
熱を加熱面まで伝搬する間に拡散させることができ、そ
の結果、セラミック基板の加熱面における温度を均一化
することができるからである。
【0034】ただし、抵抗発熱体を内部に設けると、抵
抗発熱体を底面に設けた場合と比較して加熱面と抵抗発
熱体との距離が近くなり、表面の温度の均一性が低下す
るため、抵抗発熱体自体の幅を広げる必要がある。ま
た、セラミック基板の内部に抵抗発熱体を設けるため、
窒化物セラミック等との密着性を考慮する必要性がなく
なる。
【0035】抵抗発熱体は、断面が方形、楕円形、紡錘
形、蒲鉾形状のいずれでもよいが、偏平なものであるこ
とが望ましい。偏平の方が加熱面に向かって放熱しやす
いため、加熱面への熱伝搬量を多くすることができ、加
熱面の温度分布ができにくいからである。なお、抵抗発
熱体は螺旋形状でもよい。
【0036】本発明のセラミック基板の底面または内部
に抵抗発熱体を形成するためには、金属や導電性セラミ
ックを含む導体ペーストを用いることが好ましい。即
ち、セラミック基板の表面に抵抗発熱体を形成する場合
には、通常、焼成を行って、セラミック基板を製造した
後、その表面に上記導体ペースト層を形成し、焼成する
ことより、抵抗発熱体を作製する。
【0037】一方、図1に示すようにセラミック基板の
内部に抵抗発熱体を形成する場合には、グリーンシート
上に上記導体ペースト層を形成した後、グリーンシート
を積層、焼成することにより、内部に抵抗発熱体を作製
する。グリーンシート上に抵抗発熱体となる金属線を載
置した後、グリーンシートを積層してもよい。
【0038】上記導体ペーストとしては特に限定されな
いが、導電性を確保するため金属粒子または導電性セラ
ミック粒子が含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤
などを含むものが好ましい。
【0039】上記金属粒子や導電性セラミック粒子の材
料としては、上述したものが挙げられる。これら金属粒
子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜10
0μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸
化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しに
くくなり、抵抗値が大きくなるからである。
【0040】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。
【0041】上記金属粒子がリン片状物、または、球状
物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属
酸化物を保持しやすくなり、抵抗発熱体とセラミック基
板との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくするこ
とができるため有利である。
【0042】上記導体ペーストに使用される樹脂として
は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げら
れる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアル
コール等が挙げられる。増粘剤としては、セルロース等
が挙げられる。
【0043】抵抗発熱体用の導体ペーストをセラミック
基板の表面に形成する際には、上記導体ペースト中に上
記金属粒子のほかに金属酸化物を添加し、上記金属粒子
および上記金属酸化物を焼結させたものとすることが好
ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼
結させることにより、セラミック基板と金属粒子とをよ
り密着させることができる。
【0044】上記金属酸化物を混合することにより、セ
ラミック基板との密着性が改善される理由は明確ではな
いが、金属粒子表面や非酸化物からなるセラミック基板
の表面は、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成
されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結
して一体化し、金属粒子とセラミックとが密着するので
はないかと考えられる。また、セラミック基板を構成す
るセラミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物か
らなるので、密着性に優れた導体層が形成される。
【0045】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗
発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子とセラ
ミック基板との密着性を改善することができるからであ
る。
【0046】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが好ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特にセラミック基板
との密着性を改善することができる。
【0047】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量
は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。ま
た、このような構成の導体ペーストを使用して抵抗発熱
体を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好
ましい。
【0048】面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印
加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、表面に抵
抗発熱体を設けたセラミック基板では、その発熱量を制
御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が1
0重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超
えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が困難
となり、温度分布の均一性が低下する。
【0049】本発明のセラミック基板には、抵抗発熱体
が設けられているが、抵抗発熱体のみが設けられた場合
には、上記セラミック基板は、セラミックヒータ(ホッ
トプレート)として機能し、シリコンウエハ等の被加熱
物を所定の温度に加熱する目的に使用することができ
る。
【0050】本発明において、上記セラミック基板が抵
抗発熱体を有するとともに、その内部に静電電極を有す
る場合には、このセラミック基板は静電チャックとして
機能し、また、上記セラミック基板がその内部にガード
電極やグランド電極を有し、上面にチャックトップ導体
層を有する場合には、このセラミック基板はウエハプロ
ーバとして機能する。
【0051】以下においては、上記セラミック基板を構
成する材料等、上述した事項以外の事項について説明
し、続いて、このセラミック基板を用いた静電チャック
やウエハプローバについて説明する。
【0052】本発明のセラミック基板を構成する材料は
特に限定されないが、例えば、窒化物セラミック、炭化
物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられる。
【0053】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化
物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上
記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、
例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、
炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。
【0054】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化
物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージ
ェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミッ
クは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比
べて望ましく、窒化物セラミックが特に望ましい。熱伝
導率が高いからである。また、窒化物セラミックの中で
は窒化アルミニウムが最も好適である。熱伝導率が18
0W/m・Kと最も高いからである。
【0056】本発明において、セラミック基板を構成す
る焼結体中には、焼結助剤を含有することが望ましい。
この焼結助剤としては、例えば、アルカリ金属酸化物、
アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物を使用すること
ができ、特にCaO、Y23、Na2 O、Li2 O、
Rb2 Oが好適である。また、その含有量としては、
0.1〜10重量%が望ましい。またアルミナを添加し
てもよい。
【0057】本発明に係るセラミック基板は、明度がJ
IS Z 8721の規定に基づく値でN4以下のもの
であることが望ましい。このような明度を有するものが
輻射熱量、隠蔽性に優れるからである。また、このよう
なセラミック基板は、サーモビュアにより、正確な表面
温度測定が可能となる。
【0058】ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を
0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明
度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度
となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で
表示したものである。そして、実際の測定は、N0〜N
10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点
1位は0または5とする。
【0059】このような特性を有するセラミック基板
は、セラミック基板中にカーボンを100〜5000p
pm含有させることにより得られる。カーボンには、非
晶質のものと結晶質のものとがあり、非晶質のカーボン
は、セラミック基板の高温における体積抵抗率の低下を
抑制することでき、結晶質のカーボンは、セラミック基
板の高温における熱伝導率の低下を抑制することができ
るため、その製造する基板の目的等に応じて適宜カーボ
ンの種類を選択することができる。
【0060】非晶質のカーボンは、例えば、C、H、O
だけからなる炭化水素、好ましくは、糖類を、空気中で
焼成することにより得ることができ、結晶質のカーボン
としては、グラファイト粉末等を用いることができる。
また、アクリル系樹脂を不活性雰囲気下で熱分解させた
後、加熱加圧することによりカーボンを得ることができ
るが、このアクリル系樹脂の酸価を変化させることによ
り、ある程度、結晶性(非晶性)の程度を調整すること
もできる。
【0061】本発明のセラミック基板は、円板形状であ
り、直径200mm以上が望ましく、250mm以上が
最適である。半導体の製造や検査に用いられる装置は、
シリコンウエハの大型化に伴い、直径の大きな基板が要
求されるからである。
【0062】本発明のセラミック基板の厚さは、50m
m以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。ま
た、1〜5mmが最適である。厚みは、薄すぎると高温
での反りが発生しやすく、厚すぎると熱容量が大きくな
り過ぎて昇温降温特性が低下するからである。また、本
発明のセラミック基板の気孔率は、0または5%以下が
望ましい。高温での熱伝導率の低下、反りの発生を抑制
できるからである。
【0063】気孔率は、アルキメデス法により測定す
る。焼結体を粉砕して有機溶媒中あるいは水銀中に粉砕
物を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積から真比
重を求め、真比重と見かけの比重から気孔率を計算する
のである。
【0064】本発明で、最大気孔の気孔径は、50μm
以下であることが望ましい。気孔径が50μmを超える
と高温、特に200℃以上での耐電圧特性を確保するの
が難しくなるからである。最大気孔の気孔径は、10μ
m以下が望ましい。200℃以上での反り量が小さくな
るからである。
【0065】気孔率や最大気孔の気孔径は、焼結時の加
圧時間、圧力、温度、SiCやBNなどの添加物で調整
することができる。上述のように、SiCやBNは焼結
を阻害するため、気孔を導入させることができる。
【0066】最大気孔の気孔径を測定する際には、試料
を5個用意し、その表面を鏡面研磨し、2000〜50
00倍の倍率で表面を電子顕微鏡で10箇所撮影する。
そして、撮影された写真で最大の気孔径を選び、50シ
ョットの平均を最大気孔の気孔径とする。
【0067】本発明では、必要に応じてセラミック基板
に熱電対を埋め込んでおくことができる。熱電対により
抵抗発熱体の温度を測定し、そのデータをもとに電圧、
電流量を変えて、温度を制御することができるからであ
る。
【0068】上記熱電対の金属線の接合部位の大きさ
は、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それよりも
大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構成
によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正確
に、また、迅速に電流値に変換されるのである。このた
め、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布が
小さくなるのである。上記熱電対としては、例えば、J
IS−C−1602(1980)に挙げられるように、
K型、R型、B型、E型、J型、T型熱電対が挙げられ
る。
【0069】上述したように、本発明のセラミック基板
の内部に静電電極を設けた場合には、静電チャックとし
て機能する。図3(a)は、この静電チャックを模式的
に示す縦断面図であり、(b)は、(a)に示した静電
チャックのA−A線断面図である。この静電チャック6
0では、セラミック基板61の内部にチャック正負極静
電層62、63が埋設され、その電極上にセラミック誘
電体膜64が形成されている。また、セラミック基板6
1の内部には、抵抗発熱体66が設けられ、シリコンウ
エハ9を加熱することができるようになっており、この
抵抗発熱体66の端部にスルーホールが設けられてい
る。なお、図示はしていないが、セラミック基板61の
底面には、上記スルーホールが露出するように袋孔が形
成され、この袋孔に外部端子が挿入され、上述したろう
材26と同様の組成からなるろう材の層を介して抵抗発
熱体66と上記外部端子とが接続されている。なお、セ
ラミック基板61には、必要に応じて、RF電極が埋設
されていてもよい。
【0070】また、(b)に示したように、静電チャッ
ク60は、通常、平面視円形状に形成されており、窒化
アルミニウム基板61の内部に(b)に示した半円弧状
部62aと櫛歯部62bとからなるチャック正極静電層
62と、同じく半円弧状部63aと櫛歯部63bとから
なるチャック負極静電層63とが、互いに櫛歯部62
b、63bを交差するように対向して配置されている。
【0071】チャック正負静電層62、63と外部端子
との接続は、上述したセラミックヒータと同様にスルー
ホールが露出するように袋孔を設け、上記袋孔に外部端
子を挿入し、上述したろう材と同様の組成からなるろう
材の層を介して上記スルーホールと接続さていることが
望ましい。
【0072】この静電チャックを使用する場合には、チ
ャック正極静電層62とチャック負極静電層63とに、
それぞれ直流電源の+側と−側を接続し、直流電圧を印
加する。これにより、この静電チャック上に載置された
シリコンウエハ9が静電的に吸着されることになる。
【0073】上記静電電極に用いる金属としては、例え
ば、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タング
ステン、モリブデン、ニッケルなどが好ましい。また、
上記導電性セラミックとしては、例えば、タングステ
ン、モリブデンの炭化物などが挙げられる。これらは、
単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0074】図4および図5は、他の静電チャックにお
ける静電電極を模式的に示した水平断面図であり、図4
に示す静電チャック70では、セラミック基板71の内
部に半円形状のチャック正極静電層72とチャック負極
静電層73とが形成されており、図5に示す静電チャッ
ク80では、セラミック基板81の内部に円を4分割し
た形状のチャック正極静電層82a、82bとチャック
負極静電層83a、83bとが形成されている。また、
2枚のチャック正極静電層82a、82bおよび2枚の
チャック負極静電層83a、83bは、それぞれ交差す
るように形成されている。なお、円形等の電極が分割さ
れた形態の電極を形成する場合、その分割数は特に限定
されず、5分割以上であってもよく、その形状も扇形に
限定されない。
【0075】また、上述したように、本発明のセラミッ
ク基板の表面にチャックトップ導体層を設け、内部にガ
ード電極やグランド電極を設けた場合には、ウエハプロ
ーバとして機能する。
【0076】図6は、本発明のウエハプローバの一実施
形態を模式的に示した断面図であり、図7は、その平面
図であり、図8は、図6に示したウエハプローバにおけ
るA−A線断面図である。
【0077】このウエハプローバ101では、平面視円
形状のセラミック基板3の表面に同心円形状の溝7が形
成されるとともに、溝7の一部にシリコンウエハを吸引
するための複数の吸引孔8が設けられており、溝7を含
むセラミック基板3の大部分にシリコンウエハの電極と
接続するためのチャックトップ導体層2が円形状に形成
されている。
【0078】また、セラミック基板3の内部には、スト
レイキャパシタやノイズを除去するために図8に示した
ような格子形状のガード電極5とグランド電極6とが設
けられている。なお、符号52は、電極非形成部を示し
ている。このような矩形状の電極非形成部52をガード
電極5の内部に形成しているのは、ガード電極5を挟ん
だ上下のセラミック基板3をしっかりと接着させるため
である。
【0079】さらに、セラミック基板3の底面には、シ
リコンウエハの温度をコントロールするために、図1に
示したような平面視同心円形状の抵抗発熱体51が設け
られており、抵抗発熱体51の両端には、外部端子(図
示せず)が上述したろう材と同様の組成からなるろう材
の層を介して接続、固定されている。
【0080】また、図示はしていないが、ガード電極5
やグランド電極6と接続されたスルーホール56、57
の下部には、袋孔が設けられ、この袋孔に外部端子が挿
入され、上述したろう材と同様の組成からなるろう材の
層を介して接続、固定されていることが望ましい。
【0081】このような構成のウエハプローバでは、そ
の上に集積回路が形成されたシリコンウエハを載置した
後、このシリコンウエハにテスタピンを持つプローブカ
ードを押しつけ、加熱、冷却しながら電圧を印加するこ
とにより、半導体ウエハの導通テストを行うことができ
る。
【0082】次に、本発明のセラミック基板の製造方法
の一例として、表面に抵抗発熱体を有するセラミックヒ
ータの製造方法について説明する。
【0083】次に、本発明のセラミック基板の製造方法
の他の一例として、内部に抵抗発熱体を有するセラミッ
クヒータの製造方法について説明する。図9(a)〜
(d)は、セラミック基板の内部に抵抗発熱体を有する
セラミックヒータの製造方法を模式的に示した断面図で
ある。
【0084】(1)セラミック基板の作製工程 まず、窒化物セラミックや炭化物セラミック等の粉末を
バインダ、焼結助剤の粉末、溶剤等と混合してペースト
を調製し、これを用いてグリーンシートを作製する。上
述したセラミック粉末としては、窒化アルミニウムや炭
化ケイ素等を使用することができ、必要に応じて、イッ
トリア等の焼結助剤を加えてもよい。また、グリーンシ
ートを作製する際、結晶質や非晶質のカーボンを添加し
てもよい。
【0085】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコール
から選ばれる少なくとも1種が望ましい。
【0086】これらを混合して得られるペーストをドク
ターブレード法でシート状に成形してグリーンシート5
0を作製する。グリーンシート50の厚さは、0.1〜
5mmが好ましい。次に、得られたグリーンシート50
に、必要に応じて、シリコンウエハを支持するためのリ
フターピンを挿入する貫通孔となる部分、熱電対などの
測温素子を埋め込むための有底孔となる部分、抵抗発熱
体の端部と外部端子とを接続するためのスルーホールと
なる部分等を形成する。後述するグリーンシート積層体
を形成した後に、上記加工を行ってもよい。
【0087】(2)グリーンシート上に導体ペーストを
印刷する工程 グリーンシート50上に、金属ペーストまたは導電性セ
ラミックを含む導体ペーストを印刷し、導体ペースト層
120を形成し、スルーホール用の貫通孔に導体ペース
ト180を充填する。これらの導体ペースト中には、金
属粒子または導電性セラミック粒子が含まれている。上
記金属粒子であるタングステン粒子またはモリブデン粒
子等の平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均
粒子が0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導
体ペーストを印刷しにくいからである。
【0088】このような導体ペーストとしては、例え
ば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重
量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種
のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネ
オール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒
を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が
挙げられる。
【0089】(3)グリーンシートの積層工程 上記(1)の工程で作製した導体ペーストを印刷してい
ないグリーンシート50を、上記(2)の工程で作製し
た導体ペースト層120を印刷したグリーンシート50
の上下に積層する(図9(a))。このとき、上側に積
層するグリーンシート50の数を下側に積層するグリー
ンシート50の数よりも多くして、抵抗発熱体12の形
成位置を底面の方向に偏芯させる。具体的には、上側の
グリーンシート50の積層数は20〜50枚が、下側の
グリーンシート50の積層数は5〜20枚が好ましい。
【0090】(4)グリーンシート積層体の焼成工程 次に、グリーンシート積層体の脱脂を行った後、必要に
より、加圧しながらさらに高温での加熱を行い、セラミ
ック粉末や導体ペースト内部の金属を焼結させ、セラミ
ック基板11を作製する(図9(b))。加熱温度は、
1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、10
0〜200kg/cm2 が好ましい。加熱は、不活性ガ
ス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アル
ゴン、窒素などを使用することができる。
【0091】得られたセラミック基板11に、測温素子
を挿入するための有底孔14や、シリコンウエハを支持
するためのリフターピンを挿入する貫通孔15や、外部
端子13を挿入するための袋孔17等を設ける(図9
(c))。有底孔14、貫通孔15および袋孔17等
は、表面研磨後に、ドリル加工やサンドブラストなどの
ブラスト処理を行うことにより形成することができる。
【0092】次に、袋孔17より露出したスルーホール
18に、タングステン製のワッシャー25を挿入し、ろ
う材26を用いてワッシャー25および外部端子13を
袋孔17の内部に固定し、これによりスルーホール18
を介して抵抗発熱体12と外部端子13とを接続する
(図9(d))。さらに、有底孔の内部に測温素子とし
ての熱電対などを挿入し、耐熱性樹脂で封止し、セラミ
ックヒータとする。
【0093】上記セラミックヒータを製造する際に、セ
ラミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電
チャックを製造することができ、また、加熱面にチャッ
クトップ導体層を設け、セラミック基板の内部にガード
電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバ
を製造することができる。
【0094】セラミック基板の内部に電極を設ける場合
には、抵抗発熱体を形成する場合と同様にグリーンシー
トの表面に導体ペースト層を形成すればよい。また、セ
ラミック基板の表面に導体層を形成する場合には、スパ
ッタリング法やメッキ法を用いることができ、これらを
併用してもよい。
【0095】また、スプレイドライ法等を用いてセラミ
ック粉末等を含む顆粒状の粉末を作製し、この顆粒を金
型などに入れて加圧することにより板状などの生成形体
(グリーン)を作製した後、焼成することによっても、
セラミック基板を製造することができる。
【0096】上記方法において、顆粒状の粉末を金型に
入れる際、同時に金属線等をそのなかに埋設することに
より、内部に抵抗発熱体を有するセラミック基板を製造
することができる。
【0097】また、抵抗発熱体が埋設されていないセラ
ミック基板を製造した後、底面に導体ペーストを印刷
し、加熱、焼成することによって、底面に抵抗発熱体を
設けることができる。焼成の条件等は、上記したグリー
ンシートを用いる方法と同様であり、その後、必要に応
じて、シリコンウエハを支持するためのリフターピンを
挿入する貫通孔や熱電対などの測温素子を埋め込むため
の有底孔を形成し、測温素子等を配設する。
【0098】上記顆粒を用いたセラミックヒータの製造
方法において、セラミック基板の内部に静電電極を設け
ることにより静電チャックを製造することができ、ま
た、加熱面にチャックトップ導体層を設け、セラミック
基板の内部にガード電極やグランド電極を設けることに
よりウエハプローバを製造することができる。
【0099】セラミック基板の内部に電極を設ける場合
には、金属箔等をセラミック基板の内部に埋設すればよ
い。また、セラミック基板の表面に導体層を形成する場
合には、スパッタリング法やメッキ法を用いることがで
き、これらを併用してもよい。
【0100】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【実施例】(実施例1)セラミックヒータの製造(図9
参照) (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒
径:1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y
23 :イットリア、平均粒径:0.4μm)4重量
部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重
量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアル
コール53重量部を混合したペーストを用い、ドクター
ブレード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグ
リーンシート50を作製した。
【0101】(2)次に、このグリーンシート50を8
0℃で5時間乾燥させた後、シリコンウエハを支持する
リフターピンを挿入するための貫通孔となる部分、スル
ーホールとなる部分180等をパンチングにより形成し
た。
【0102】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。
【0103】平均粒子径3μmのタングステン粒子10
0重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テル
ピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部
を混合して導体ペーストBを調製した。この導体ペース
トAをグリーンシート上にスクリーン印刷で印刷し、抵
抗発熱体12用の導体ペースト層120を形成した。印
刷パターンは、図1に示したような同心円形状のパター
ンとし、導体ペースト層の幅を10mm、その厚さを1
2μmとした。
【0104】また、グリーンシートのスルーホールを形
成する部分には、導体ペーストBを充填し、充填層18
0を形成した。上記処理の終わったグリーンシート50
に、タングステンペーストを印刷しないグリーンシート
50を上側(加熱面)に37枚、下側に13枚、130
℃、80kg/cm2 の圧力で積層した(図9
(a))。
【0105】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150
kg/cm2 で10時間ホットプレスし、厚さ3mmの
窒化アルミニウム焼結体を得た。これを230mmの円
板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mm(アス
ペクト比:1666)の抵抗発熱体12および直径3m
m、長さ5mmのスルーホール18を有するセラミック
ヒータとした(図9(b))。
【0106】(5)次に、(4)で得られた板状体をダ
イヤモンド砥石で研磨した後、SiC等を用いたサンド
ブラストにより、リフターピン用の貫通孔15を設け、
底面には熱電対を埋設するための有底孔14等を設け
た。
【0107】(6)さらに、スルーホール18の下にザ
グリ加工で直径5.2mm、深さ0.5mmの袋孔17
を形成し(図9(c))、この袋孔17にタングステン
製のワッシャー25を挿入し、ワッシャー25の中心孔
にNi製の外部端子13(導電線)を挿入した後、Ni
−Au合金(Au:81.5重量%/Ni:18.4重
量%、不純物:0.1重量%)からなる金ろうを用い、
970℃で加熱、リフローさせて、外部端子13を接続
した。(図9(d))。
【0108】(7)温度制御のための複数の熱電対を有
底孔に埋め込み、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で
2時間硬化させ、セラミックヒータの製造を完了した。 (8)この後、このセラミックヒータに通電し、300
時間の間、セラミック基板31を連続的に450℃の温
度に保持する耐久性試験を行った。この耐久性試験の後
においても、セラミックヒータは充分にヒータとして機
能し、特に変化はなかった。
【0109】また、この試験の後、外部端子13が接続
された部分を切断し、接続部分を観察したが、接続部分
は全く異常がなく、ボイドや気泡等は観察されずしっか
りと接続されていた。
【0110】(実施例2) セラミックヒータの製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y2
3 :イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、アク
リル系樹脂バインダ11.5重量部およびアルコールか
らなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を
作製した。 (2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に
成形して生成形体(グリーン)を得た。 (3)加工処理の終わった生成形体を温度:1800
℃、圧力:200kg/cm2 でホットプレスし、厚さ
が3mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。次に、この
板状体から直径210mmの円板体を切り出し、セラミ
ック性の板状体(セラミック基板11)とした。
【0111】次に、この板状体にドリル加工を施し、半
導体ウエハのリフターピンを挿入する貫通孔となる部
分、熱電対を埋め込むための有底孔となる部分(直径:
1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
【0112】(4)上記(3)で得た焼結体の底面に、
スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パタ
ーンは、図1に示したような同心円形状とした。導体ペ
ーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に
使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS60
3Dを使用した。
【0113】この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであ
り、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸
化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホ
ウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からな
る金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、
銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のもので
あった。
【0114】(5)次に、導体ペーストを印刷した焼結
体を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、
鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、抵抗発熱体
92を形成した。銀−鉛の抵抗発熱体92は、厚さが5
μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であ
った。 (6)次に、硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナト
リウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸
8g/l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶液から
なる無電解ニッケルめっき浴に上記(5)で作製した焼
結体を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体の表面に厚さ1μm
の金属被覆層(ニッケル層)92aを析出させた。
【0115】(7)電源との接続を確保するために、A
g:44wt%、Cu:14wt%、Zn:14wt
%、Cd:23wt%、残部はその他の金属からなる銀
ろうを用い、抵抗発熱体(回路)92の端部に先端の断
面がT字形状のコバール製の外部端子93を載置して、
760℃で加熱リフローし、ろう材94を介して抵抗発
熱体92の端部と外部端子93とを接続した。
【0116】(8)温度制御のための熱電対を有底孔に
挿入し、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬
化させ、図2(b)に示すような底面に抵抗発熱体92
が形成され、この抵抗発熱体92にろう材94を介して
外部端子93が接合されたセラミックヒータ90を得
た。
【0117】(9)この後、このセラミックヒータに通
電し、300時間の間、セラミック基板11を連続的に
250℃の温度に保持する耐久性試験を行った。この耐
久性試験の後においても、セラミックヒータは充分にヒ
ータとして機能し、特に変化はなかった。
【0118】また、この試験の後、外部端子13が接続
された部分を切断し、接続部分を観察したが、接続部分
は全く異常がなく、ボイドや気泡等は観察されずしっか
りと接続されていた。
【0119】(実施例3)静電チャックの製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:
0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量
部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノ
ールとからなるアルコール53重量部を混合したペース
トを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚
さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0120】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8m
m、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハ支持ピンを
挿入する貫通孔となる部分、外部端子と接続するための
スルーホールとなる部分を設けた。
【0121】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合
して導体ペーストBを調製した。この導体ペーストAを
グリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペース
ト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとし
た。また、他のグリーンシートに図3に示した形状の静
電電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
【0122】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシートに、さらに、導体ペースト
を印刷しないグリーンシートを上側(加熱面)に34
枚、下側に13枚積層し、その上に静電電極パターンか
らなる導体ペースト層を印刷したグリーンシートを積層
し、さらにその上にタングステンペーストを印刷してい
ないグリーンシートを2枚積層し、これらを130℃、
80kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形成した。
【0123】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150
kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒
化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板
状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発
熱体5および厚さ10μmのチャック正極静電層2、チ
ャック負極静電層3を有する窒化アルミニウム製の板状
体とした。
【0124】(5)次に、(4)で得られた板状体を、
ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、Si
C等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔
(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
【0125】(6)さらに、抵抗発熱体や静電電極直下
のスルーホールが形成されている部分をえぐり取って袋
孔とし、この袋孔にNi−Au合金(Au:81.5重
量%、Ni:18.4重量%、不純物:0.1重量%)
からなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコ
バール製の外部端子を接続させた。なお、外部端子の接
続は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望
ましい。接続信頼性を確保することができるからであ
る。
【0126】(7)次に、温度制御のための複数の熱電
対を有底孔に埋め込み、抵抗発熱体を有する静電チャッ
クの製造を完了した。 (8)この後、この静電チャックに通電し、300時間
の間、セラミック基板11を連続的に300℃の温度に
保持する耐久性試験を行った。この耐久性試験の後にお
いても、静電チャックの性能に殆ど変化はなかった。ま
た、この試験の後、外部端子が接続された部分を切断
し、接続部分を観察したが、接続部分は全く異常がな
く、ボイドや気泡等は観察されずしっかりと接続されて
いた。
【0127】(実施例4)ウエハプローバの製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:
0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量
部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコ
ール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブ
レード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリ
ーンシートを得た。
【0128】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにて発熱体と外部端
子と接続するためのスルーホール用の貫通孔を設けた。
【0129】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイド粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量および分散
剤0.3重量部を混合して導体ペーストAとした。ま
た、平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒を3.7重量部、分散剤0.2重量部を混合し
て導体ペーストBとした。
【0130】次に、グリーンシートに、この導体ペース
トAを用いたスクリーン印刷で、格子状のガード電極用
印刷体、グランド電極用印刷体を印刷した。また、外部
端子と接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペ
ーストBを充填した。
【0131】さらに、印刷されたグリーンシートおよび
印刷がされていないグリーンシートを50枚積層して1
30℃、80kg/cm2 の圧力で一体化することによ
り積層体を作製した。
【0132】(4)次に、この積層体を窒素ガス中で6
00℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/
cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アル
ミニウム板状体を得た。得られた板状体を、直径300
mmの円形状に切り出してセラミック製の板状体とし
た。スルーホール16の大きさは、直径0.2mm、深
さ0.2mmであった。
【0133】また、ガード電極、グランド電極の厚さは
10μm、ガード電極の形成位置は、ウエハ載置面から
1mm、グランド電極の形成位置は、ウエハ載置面から
1.2mmであった。また、ガード電極およびグランド
電極の導体非形成領域の1辺の大きさは、0.5mmで
あった。
【0134】(5)上記(4)で得た板状体を、ダイア
モンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、SiC等に
よるブラスト処理で表面に熱電対のための凹部およびウ
エハ吸着用の溝(幅0.5mm、深さ0.5mm)を設
けた。
【0135】(6)さらに、ウエハ載置面に対向する面
に発熱体を形成するための層を印刷した。印刷は導電ペ
ーストを用いた。導電ペーストは、プリント配線板のス
ルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソ
ルベストPS603Dを使用した。この導電ペースト
は、銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリ
カ、酸化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞ
れの重量比率は、5/55/10/25/5)を銀10
0重量部に対して7.5重量部含むものであった。ま
た、銀の形状は平均粒径4.5μmでリン片状のもので
あった。
【0136】(7)導電ペーストを印刷したセラミック
基板を780℃で加熱焼成して、導電ペースト中の銀、
鉛を焼結させるとともにセラミック基板に焼き付けた。
さらに硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩
化アンモニウム30g/lおよびロッシェル塩60g/
lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴にヒー
タ板を浸漬して、銀の焼結体からなる抵抗発熱体の表面
に厚さ1μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケ
ル層(図示せず)を析出させた。この後、ヒータ板は、
120℃で3時間アニーリング処理を施した。銀の焼結
体からなる発熱体は、厚さが5μm、幅2.4mmであ
り、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
【0137】(8)溝が形成された面に、スパッタリン
グ法により、順次、チタン層、モリブデン層、ニッケル
層を形成した。スパッタリングのための装置は、日本真
空技術株式会社製のSV−4540を使用した。スパッ
タリングの条件は気圧0.6Pa、温度100℃、電力
200Wであり、スパッタリング時間は、30秒から1
分の範囲内で、各金属によって調整した。得られた膜の
厚さは、蛍光X線分析計の画像から、チタン層は0.3
μm、モリブデン層は2μm、ニッケル層は1μmであ
った。
【0138】(9)硫酸ニッケル30g/l、ほう酸3
0g/l、塩化アンモニウム30g/lおよびロッシェ
ル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめ
っき浴に、上記(8)で得られたセラミック板を浸漬
し、スパッタリングにより形成された金属層の表面に厚
さ7μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層
を析出させ、120℃で3時間アニーリングした。発熱
体表面は、電流を流さず、電解ニッケルめっきで被覆さ
れない。
【0139】さらに、表面にシアン化金カリウム2g/
l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム
50g/lおよび次亜リン酸ナトリウム10g/lを含
む無電解金めっき液に、93℃の条件で1分間浸漬し、
ニッケルめっき層上に厚さ1μmの金めっき層を形成し
た。
【0140】(10)溝から裏面に抜ける空気の吸引孔
をドリル加工により形成し、さらにスルーホールを露出
させるための袋孔(図示せず)を設けた。この袋孔にN
i−Au合金(Au81.5重量%、Ni18.4重量
%、不純物0.1重量%)からなる金ろうを用い、97
0℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子を接続さ
せた。また、抵抗発熱体に外部端子を接続するため、パ
ラジウム合金からなるろう材(Pd:4.5wt%、A
g:68wt%、Cu:26wt%、残部:その他の金
属)からなる金ろうを用いて700℃で加熱リフローさ
せ、抵抗発熱体にコバール製の外部端子を接続させた。
【0141】(11)次に、温度制御のための複数熱電
対を凹部に埋め込み、ヒータ付きのウエハプローバヒー
タ201を得た。 (12)この後、このウエハプローバに通電し、300
時間の間、セラミック基板11を連続的に200℃の温
度に保持する耐久性試験を行った。この耐久性試験の後
においても、ウエハプローバの性能に殆ど変化はなかっ
た。また、この試験の後、外部端子が接続された部分を
切断し、接続部分を観察したが、接続部分は全く異常が
なく、ボイドや気泡等は観察されずしっかりと接続され
ていた。
【0142】(比較例1)抵抗発熱体の端部と外部端子
との接続をスズ−鉛(スズ:90wt%、鉛:8wt
%、Ag:2wt%)半田ペーストを用い、288℃で
加熱、リフローさせることにより接続したほかは、実施
例2と同様にして、セラミックヒータを製造した。この
後、このセラミックヒータに通電し、セラミック基板3
1を連続的に270℃の温度に保持する耐久性試験を行
ったところ、100時間で、半田が劣化(軟化)し、外
部端子が脱落してしまった。
【0143】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
基板によれば、高温領域で使用しても、抵抗発熱体(回
路)と外部端子との接続部分に劣化が生ずることがな
く、抵抗発熱体(回路)と外部端子との接続信頼性を長
期間にわたり維持することができるセラミック基板を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明のセラミック基板の一例であ
るセラミックヒータを模式的に示す平面図であり、
(b)は、その一部を模式的に示した部分拡大断面図で
ある。
【図2】(a)は、別の実施形態に係るセラミックヒー
タの一部を模式的に示す部分拡大断面図であり、(b)
は、底面に抵抗発熱体が形成されたセラミックヒーター
を模式的に示す部分拡大断面図である。
【図3】(a)は、本発明のセラミック基板の一例であ
る静電チャックを模式的に示す縦断面図であり、(b)
は、(a)に示した静電チャックのA−A線断面図であ
る。
【図4】静電チャックの静電電極の形状の別の一例を模
式的に示す水平断面図である。
【図5】静電チャックの静電電極の形状のさらに別の一
例を模式的に示す水平断面図である。
【図6】本発明のセラミック基板の一例であるウエハプ
ローバを模式的に示す縦断面図である。
【図7】図6に示したウエハプローバの平面図である。
【図8】図6に示したウエハプローバのA−A線断面図
である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明のセラミック基板の
一例であるセラミックヒータの製造方法を模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
2 チャックトップ導体層 3、11、61、71、81 セラミック基板 6 ガード電極 7 グランド電極 8 溝 9 吸引孔 10 セラミックヒータ 11a 加熱面 11b 底面 12、51、66、92 抵抗発熱体 13、93 外部端子 14 有底孔 15 貫通孔 16 リフターピン 17 袋孔 18 スルーホール 19 シリコンウエハ 23 導電線 25 ワッシャー 26、94 ろう材 56、57、58 スルーホール 60、70、80 静電チャック 62、72、82a、82b チャック正極静電層 63、73、83a、83b チャック負極静電層 62a、63a 半円弧状部 62b、63b 櫛歯部 64 セラミック誘電体膜 92a 金属被覆層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/20 393 H05B 3/68 3/68 H01L 21/30 567 Fターム(参考) 3K034 AA02 AA21 AA22 AA34 AA37 BB06 BB14 BC01 BC17 CA18 CA26 CA39 DA04 DA08 EA07 HA01 HA10 JA01 JA02 3K092 PP20 QA05 QB02 QB17 QB44 QB45 QB74 QB76 QC02 QC04 QC07 QC42 QC43 QC52 QC62 RF03 RF11 RF17 RF22 RF27 UA05 UA18 UB04 VV31 4M106 AA01 DD01 5F046 KA04 5F103 AA08 BB33 BB42 RR07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1または2以上の回路からなる抵抗発熱
    体が配設され、前記回路に外部端子が接続されてなるセ
    ラミック基板であって、前記回路と前記外部端子とが、
    ろう材により接合されていることを特徴とするセラミッ
    ク基板。
  2. 【請求項2】 前記ろう材は、銀ろう、アルミニウム合
    金ろう、金ろうまたはパラジウムろうからなる請求項1
    に記載のセラミック基板。
  3. 【請求項3】 前記ろう材は、Niを18.5〜17.
    5重量%含有するAu−Ni合金からなる金ろうである
    請求項1に記載のセラミック基板。
  4. 【請求項4】 前記セラミック基板は、窒化物セラミッ
    クまたは炭化物セラミックからなる請求項1〜3のいず
    れかに記載のセラミック基板。
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JP2022500865A (ja) * 2018-09-20 2022-01-04 ラム リサーチ コーポレーションLam Research Corporation 加熱素子が埋め込まれた基板支持体のための長寿命高出力端子

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