JP2001319964A - 半導体製造・検査装置 - Google Patents

半導体製造・検査装置

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JP2001319964A
JP2001319964A JP2000136199A JP2000136199A JP2001319964A JP 2001319964 A JP2001319964 A JP 2001319964A JP 2000136199 A JP2000136199 A JP 2000136199A JP 2000136199 A JP2000136199 A JP 2000136199A JP 2001319964 A JP2001319964 A JP 2001319964A
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ceramic
resistance heating
heating element
insulating ring
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Application number
JP2000136199A
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English (en)
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Atsushi Ito
淳 伊藤
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミック基板の温度を上げても、支持容器
に嵌め込まれたセラミック基板が傾くことがなく、被加
熱物を均一に加熱することができ、被加熱物に種々の処
理を適切に施すことができる半導体製造・検査装置を提
供する。 【解決手段】 1または2以上の回路からなる抵抗発熱
体が設けられたセラミック基板と、略円筒形状の外枠部
および前記外枠部の内側上部に設けられた円環形状の基
板受け部を含んで構成される支持容器と、上面の一部に
複数の切り欠き部を有する断熱リングとからなり、前記
断熱リングを介して前記セラミック基板が前記支持容器
に嵌め込まれていることを特徴とする半導体製造・検査
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抵抗発熱体を有す
るセラミック基板を備え、主に、ホットプレート(セラ
ミックヒータ)、静電チャック、ウエハプローバなどの
装置とすることができる半導体製造・検査装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エッチング装置や、化学的気相成長装置
等を含む半導体製造・検査装置等においては、従来、ス
テンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用い
たヒータやウエハプローバ等が用いられてきた。
【0003】ところが、このような金属製のヒータは、
以下のような問題があった。まず、金属製であるため、
ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければなら
ない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨
張により、反り、歪み等が発生していまい、金属板上に
載置したシリコンウエハが破損したり傾いたりしてしま
うからである。しかしながら、ヒータ板の厚みを厚くす
ると、ヒータの重量が重くなり、また、嵩張ってしまう
という問題があった。
【0004】また、抵抗発熱体に印加する電圧や電流量
を変えることにより、半導体ウエハ等の被加熱物を加熱
する面(以下、加熱面という)の温度を制御するのであ
るが、金属板が厚いために、電圧や電流量の変化に対し
てヒータ板の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくい
という問題もあった。
【0005】そこで、特開平4−324276号公報で
は、基板として、熱伝導率が高く、強度も大きい非酸化
物セラミックである窒化アルミニウムを使用し、この窒
化アルミニウム基板中に抵抗発熱体とタングステンから
なるスルーホールとが形成され、これらに外部端子とし
て二クロム線がろう付けされたセラミックヒータが提案
されている。
【0006】このようなセラミックヒータでは、高温に
おいても機械的な強度の大きいセラミック基板を用いて
いるため、セラミック基板の厚さを薄くして熱容量を小
さくすることができ、その結果、電圧や電流量の変化に
対してセラミック基板の温度を迅速に追従させることが
できる。
【0007】通常、この種のセラミックヒータでは、セ
ラミック基板の表面または内部に測温素子を取り付け、
このセラミック基板を樹脂製の断熱リングを介して金属
製の支持容器に嵌め込んだ後、測温素子からの配線や抵
抗発熱体からの配線を制御装置に接続し、測温素子によ
り測定される温度に基づいて抵抗発熱体に電圧を印加
し、セラミック基板の温度を制御している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成のセラミックヒータを使用する際に加熱すると、断熱
リングとセラミック基板と支持容器とのそれぞれ熱膨張
係数が相違することに起因して、熱膨張率の大きい断熱
リングに歪みが発生してセラミック基板を押し上げ、嵌
め込まれているセラミック基板が傾いてしまうことがあ
る。このような場合には、被加熱物であるシリコンウエ
ハ等を均一に加熱することができない。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、半導体製造・検査装置に通電してセラミック
基板の温度を上げても、支持容器に嵌め込まれたセラミ
ック基板が傾くことがなく、被加熱物であるシリコンウ
エハ等を均一に加熱することができ、また、被加熱物に
種々の処理を適切に施すことができる半導体製造・検査
装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、1または2以
上の回路からなる抵抗発熱体が設けられたセラミック基
板と、略円筒形状の外枠部および上記外枠部の内側上部
に設けられた円環形状の基板受け部を含んで構成される
支持容器と、上面の一部に複数の切り欠き部を有する断
熱リングとからなり、上記断熱リングを介して上記セラ
ミック基板が上記支持容器に嵌め込まれていることを特
徴とする半導体製造・検査装置である。
【0011】上記半導体製造・検査装置においては、上
記断熱リングの切り欠き部およびセラミック基板の両方
に掛かるように固定用部材が載置され、上記固定用部材
および上記断熱リングに形成された貫通孔に連結部材が
挿通し、上記連結部材および上記固定用部材を介して上
記セラミック基板が上記支持容器に固定されていること
が望ましい。これにより、セラミック基板に損傷を与え
ず、セラミック基板を支持容器に固定することができる
からである。
【0012】また、上記断熱リングの切り欠き部には、
板状体が嵌め込まれていることが望ましい。上記板状体
により、上記断熱リングをよりしっかりと支持容器に固
定することができるからである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の半導体製造・検査装置
は、1または2以上の回路からなる抵抗発熱体が設けら
れたセラミック基板と、略円筒形状の外枠部および上記
外枠部の内側上部に設けられた円環形状の基板受け部を
含んで構成される支持容器と、上面の一部に複数の切り
欠き部を有する断熱リングとからなり、上記断熱リング
を介して上記セラミック基板が上記支持容器に嵌め込ま
れていることを特徴とする。
【0014】本発明の半導体製造・検査装置では、上述
のように、上記断熱リングの上面に切り欠き部を設けて
おり、その部分に固定用部材を載置し、連結部材を用い
ることにより、支持容器にセラミック基板を固定するこ
とができるが、この場合、図2(b)に示したように、
連結部材130を用いて固定用部材13をセラミック基
板11に強く押しつけても、固定用部材13は、断熱リ
ング21側に傾くため、セラミック基板11が割れるこ
とはない。
【0015】また、本発明では、上記連結部材および上
記固定用部材により断熱リングが支持容器の基板受け部
に押しつけられ、しっかりと固定されるため、セラミッ
ク基板の温度が上昇しても、断熱リングに殆ど歪みが発
生せず、セラミック基板を押し上げることはない。従っ
て、セラミック基板が傾くこともなく、被加熱物の適切
な処理が可能となる。上記板状体を用いることにより、
よりしっかりと断熱リングを支持容器に固定することが
できる。
【0016】以下、本発明の半導体製造・検査装置につ
いて、図面に基づいて説明する。以下においては、固定
用部材および連結部材が用いられ、かつ、上記断熱リン
グの切り欠き部に板状体が嵌め込まれた半導体製造・検
査装置について説明するが、本発明は、下記する発明の
実施形態に限定されるものではない。
【0017】図1は、本発明の半導体製造・検査装置の
一実施形態であるセラミックヒータの一例を模式的に示
す平面図であり、図2(a)は、その縦断面図であり、
図2(b)は、上記セラミックヒーターを構成するセラ
ミック基板の一部を模式的に示す部分拡大断面図であ
る。また、図3は、断熱リングの一例を模式的に示す斜
視図である。なお、図1では、板状体27を省略してい
る。
【0018】図3に示すように、このセラミックヒータ
10を構成する断熱リング21は、その内側にセラミッ
ク基板を嵌め込むことができるように、断面視L字形状
をなしており(図2参照)、上面には複数の切り欠き部
28が設けられ、この切り欠き部28には、連結部材1
30を挿通するために貫通孔28aが形成されるととも
に、断熱リング21を抑え込む役割を果たすセラミック
製の板状体27を嵌め込むことができるようになってい
る。
【0019】一方、図1、2に示すように、金属製の支
持容器20は、略円筒形状の外枠部22と、この外枠部
22の内側上部にセラミック基板11を支持するために
設けられた円環形状の基板受け部25と、この基板受け
部25の下方に遮熱板24を支持するために設けられた
円環形状の遮熱板受け部240とから構成されている。
なお、遮熱板24と支持容器20とは、一体化されてい
てもよい。
【0020】そして、円板形状に形成されたセラミック
基板11が、図3に示した形状の断熱リング21を介し
て支持容器20の上部に嵌合されている。
【0021】このセラミック基板11上の外周部近傍に
は、セラミック基板11および断熱リング21の両方に
掛かるように固定用部材13が載置され、これら固定用
部材13、板状体27および断熱リング21に形成され
た貫通孔には、ボルト等からなる連結部材130が挿通
されている。また、この連結部材130は、支持容器2
0の基板受け部25に挿通されており、固定用部材13
および断熱リング21を介して、セラミック基板11が
支持容器20(基板受け部25)に固定されている。
【0022】さらに、上記のように、連結部材130
は、断熱リング21の切り欠き部28に嵌め込まれた板
状体27の貫通孔27aをも挿通しており、従って、固
定用部材13は、この板状体27を介して断熱リング2
1を押さえ込み、断熱リング21が熱膨張のために歪ん
でセラミック基板11を押し上げるのを防止する役割を
も果している。
【0023】断熱リング21の材質は、特に限定される
ものではないが、400℃程度の温度にも耐え得る材質
のものが好ましく、例えば、ポリイミド樹脂、ポリベン
ゾイミダゾール樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。ま
た、固定用部材13の材質も特に限定されるものではな
いが、同様に、耐熱性を有するものが好ましく、例え
ば、ポリイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、フ
ッ素樹脂等の耐熱性樹脂、SUS等の金属等が挙げられ
る。
【0024】次に、セラミック基板に設けられたヒータ
等について説明する。セラミック基板11の内部には、
複数の回路からなる抵抗発熱体12が埋設されている。
この抵抗発熱体12は、図1に示したように、同心円形
状のパターンに形成され、互いに近い二重の同心円同士
が1組の回路として、1本の線になるように接続され、
また、これら回路の両端部分が露出するように、セラミ
ック基板11の底面11bには袋孔23が設けられてい
る。
【0025】これら袋孔23には、ワッシャー17が嵌
め込まれ、ワッシャー17の中心孔に導電線16が挿入
され、金ろう等によりろう付けされ、導電線16と抵抗
発熱体端部12aとがスルーホール125を介して接続
されている。
【0026】また、セラミック基板11の中央に近い部
分には、リフターピン(図示せず)を挿通するための貫
通孔15が形成され、さらに、底面11bには有底孔1
4が形成され、この有底孔14に測温素子18が挿入さ
れ、耐熱性樹脂または無機充填材等が充填されることに
より固定されている。なお、図1、2では図示していな
いが、貫通孔15に挿通されたリフターピンは、半導体
ウエハ等の被加熱物を支持して搬送装置等から被加熱物
を受け取ったり、搬送装置等に被加熱物を受け渡す役割
を有しており、また、セラミック基板11の加熱面と一
定の間隔を保った状態で被加熱物を支持する役割も有し
ている。このようにセラミック基板11より離間させた
状態で被加熱物を加熱することにより、被加熱物をより
均一に加熱することができる。
【0027】なお、セラミック基板に凹部や貫通孔を設
け、この凹部や貫通孔に先端が尖塔状や半球上の支持ピ
ンを挿入した後、この支持ピンをセラミック基板よりわ
ずかに突出させた状態で固定し、この支持ピンでシリコ
ンウエハを支持することにより、セラミック基板の表面
から一定の間隔を保った状態でシリコンウエハを支持
し、加熱することもできる。
【0028】一方、有底孔14に配設された測温素子1
8からのリード線26は、制御部(図示せず)に接続さ
れており、測温素子18からの温度情報を受け取った上
記制御部では、セラミック基板11の温度に応じた電圧
(電流)を抵抗発熱体12に印加することにより、セラ
ミック基板11の温度をコントロールしている。
【0029】さらに、このセラミックヒータ10の底部
には、ヒータ部分からの放熱を防止し、被加熱物を効率
よく加熱することができるように遮熱板24が設けられ
ている。なお、このセラミックヒータ10では、冷却時
に冷媒導入管29より、矢印で示すようにエアー等の冷
却気体が導入され、セラミック基板11が冷却されるよ
うになっている。
【0030】このように構成されたセラミックヒータ1
0において、セラミック基板11は、連結部材130お
よび固定用部材13により断熱リング21を介して基板
受け部25に固定されており、断熱リング21は、固定
用部材13および板状体27により押さえ込まれてい
る。そのため、セラミック基板の温度が上昇した際に、
何ら力が働かない場合には、熱膨張に起因する歪みによ
りセラミック基板11を押し上げてしまう断熱リング2
1も、板状体27で押さえ込まれることにより歪みが殆
ど発生せず、セラミック基板11が傾いてしまうことも
ない。従って、セラミック基板11上で被加熱物を加熱
する等、種々の処理を的確に行うことができる。なお、
図1、2において、抵抗発熱体12は、セラミック基板
11の内部に形成されているが、セラミック基板11の
底面11bに設けられていてもよい。
【0031】本発明において、抵抗発熱体12は、貴金
属(金、銀、白金、パラジウム)、タングステン、モリ
ブデン、ニッケル等の金属、または、タングステン、モ
リブデンの炭化物等の導電性セラミックからなるもので
あることが望ましい。抵抗値を高くすることが可能とな
り、断線等を防止する目的で厚み自体を厚くすることが
できるとともに、酸化しにくく、熱伝導率が低下しにく
いからである。これらは、単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。
【0032】また、抵抗発熱体12は、セラミック基板
11全体の温度を均一にする必要があることから、図1
に示すような同心円形状のパターンや同心円形状のパタ
ーンと屈曲線形状のパターンとを組み合わせたものが好
ましい。また、抵抗発熱体12の厚さは、1〜50μm
が望ましく、その幅は、5〜20mmが好ましい。
【0033】抵抗発熱体12の厚さや幅を変化させるこ
とにより、その抵抗値を変化させることができるが、こ
の範囲か最も実用的だからである。抵抗発熱体12の抵
抗値は、その厚さが薄く、また、その幅が狭くなるほど
大きくなる。
【0034】なお、抵抗発熱体12を内部に設けると、
加熱面11aと抵抗発熱体12との距離が近くなり、表
面の温度の均一性が低下するため、抵抗発熱体12自体
の幅を広げる必要がある。また、セラミック基板11の
内部に抵抗発熱体12を設けるため、窒化物セラミック
等との密着性を考慮する必要性がなくなる。
【0035】抵抗発熱体12は、断面が方形、楕円形、
紡錘形、蒲鉾形状のいずれでもよいが、偏平なものであ
ることが望ましい。偏平の方が加熱面に向かって放熱し
やすいため、加熱面21aへの熱伝搬量を多くすること
ができ、加熱面の温度分布ができにくいからである。な
お、抵抗発熱体12は螺旋形状でもよい。
【0036】本発明の半導体装置を構成するセラミック
基板の底面または内部に抵抗発熱体12を形成するため
には、金属や導電性セラミックからなる導電ペーストを
用いることが好ましい。
【0037】即ち、セラミック基板の表面に抵抗発熱体
を形成する場合には、通常、焼成を行って、セラミック
基板を製造した後、その表面に上記導体ペースト層を形
成し、焼成することより、抵抗発熱体を形成する。一
方、図1、2に示したように、セラミック基板11の内
部に抵抗発熱体12を形成する場合には、グリーンシー
ト上に上記導電ペースト層を形成した後、グリーンシー
トを積層、焼成することにより、内部に抵抗発熱体12
を形成する。
【0038】上記導体ペーストとしては特に限定されな
いが、導電性を確保するため金属粒子または導電性セラ
ミック粒子が含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤
などを含むものが好ましい。
【0039】上記金属粒子や導電性セラミック粒子の材
料としては、上述したものが挙げられる。これら金属粒
子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜10
0μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸
化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しに
くくなり、抵抗値が大きくなるからである。
【0040】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。
【0041】上記金属粒子がリン片状物、または、球状
物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属
酸化物を保持しやすくなり、抵抗発熱体とセラミック基
板との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくするこ
とができるため有利である。
【0042】上記導体ペーストに使用される樹脂として
は、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げら
れる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアル
コール等が挙げられる。増粘剤としては、セルロース等
が挙げられる。
【0043】抵抗発熱体用の導体ペーストをセラミック
基板の表面に形成する際には、上記導体ペースト中に上
記金属粒子のほかに金属酸化物を添加し、上記金属粒子
および上記金属酸化物を焼結させたものとすることが好
ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼
結させることにより、セラミック基板と金属粒子とをよ
り密着させることができる。
【0044】上記金属酸化物を混合することにより、セ
ラミック基板との密着性が改善される理由は明確ではな
いが、金属粒子表面や非酸化物からなるセラミック基板
の表面は、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成
されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結
して一体化し、金属粒子とセラミックとが密着するので
はないかと考えられる。また、セラミック基板を構成す
るセラミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物か
らなるので、密着性に優れた導体層が形成される。
【0045】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗
発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子とセラ
ミック基板との密着性を改善することができるからであ
る。
【0046】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが好ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特にセラミック基板
との密着性を改善することができる。
【0047】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量
は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。ま
た、このような構成の導体ペーストを使用して抵抗発熱
体を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好
ましい。
【0048】面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印
加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、表面に抵
抗発熱体を設けた半導体装置用セラミック基板では、そ
の発熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物
の添加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50
mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温
度制御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
【0049】抵抗発熱体がセラミック基板の表面に形成
される場合には、抵抗発熱体の表面部分に、金属被覆層
が形成されていることが好ましい。内部の金属焼結体が
酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。
形成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好ま
しい。
【0050】上記金属被覆層を形成する際に使用される
金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、
具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッ
ケル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、
2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケ
ルが好ましい。なお、抵抗発熱体をセラミック基板の内
部に形成する場合には、抵抗発熱体表面が酸化されるこ
とがないため、被覆は不要である。
【0051】上記セラミック基板を構成するセラミック
材料は特に限定されないが、例えば、窒化物セラミッ
ク、炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられ
る。
【0052】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化
物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上
記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、
例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、
炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。
【0053】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化
物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージ
ェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミッ
クは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0054】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比
べて望ましい。熱伝導率が高いからである。また、窒化
物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適であ
る。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからであ
る。
【0055】上記セラミック基板は、0.05〜10重
量%、特に0.1〜5重量%の酸素を含有していること
が望ましい。特に、上記酸素量が0.1重量%未満であ
ると、緻密な焼結体を形成することが難しくなり、一
方、上記酸素量が5重量%を超えると熱伝導率が低下し
て昇温降温特性が低下する場合があるからである。上記
窒化物セラミックに酸素を含有させるため、通常、窒化
物セラミックの原料粉末を空気中または酸素中で加熱す
るか、原料粉末中に金属酸化物を混合して焼成を行う。
【0056】上記焼結助剤としては、例えば、アルカリ
金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物等
が挙げられる。これらの焼結助剤のなかでは、CaO、
2 3 、Na2 O、Li2 O、Rb2 Oが好ましい。
これらの含有量としては、0.1〜10重量%が好まし
い。また、アルミナを含有していてもよい。
【0057】上記セラミック基板の気孔率は、0または
5%以下であることが望ましい。気孔率が5%を超える
と熱伝導率が低下したり、高温で反りが発生する場合が
あるからである。また、気孔が存在しない場合は、高温
での耐電圧が極めて高くなり、逆に気孔が存在する場合
は、破壊靱性値が高くなる。このため、どららの設計に
するかは、要求特性を考慮して決定すればよい。
【0058】気孔が存在することにより破壊靱性値が高
くなる理由は明確ではないが、クラックの伸展が気孔に
より止められるためであると推定している。気孔率は、
アルキメデス法により測定することが望ましい。この方
法では、焼結体を粉砕して比重を求め、真比重と見かけ
の比重とから気孔率を計算する。
【0059】上記セラミック基板に気孔が存在する場合
は、その最大気孔の気孔径が50μm以下であることが
望ましい。最大気孔の気孔径が50μmを超えると高
温、特に、200℃以上での耐電圧特性を確保すること
ができなくなる場合があるからである。最大気孔の気孔
径は10μm以下であることがより望ましい。200℃
以上での反り量が小さくなるからである。
【0060】上記気孔率や最大気孔の気孔径は、焼結時
の加圧時間、圧力、温度、SiCやBNなどの添加物で
調整する。SiCやBNは焼結を阻害するため、気孔を
導入させることができる。
【0061】最大気孔の気孔径の測定は、試料を5個用
意し、その表面を鏡面研磨し、2000から5000倍
の倍率で表面を電子顕微鏡で10箇所撮影することによ
り行う。そして、撮影された写真で最大の気孔径を選
び、50ショットの平均を最大気孔の気孔径とする。
【0062】上記セラミック基板は、明度がJIS Z
8721の規定に基づく値でN4以下のものであるこ
とが望ましい。このような明度を有するものが輻射熱
量、隠蔽性に優れるからである。また、このようなセラ
ミック基板は、サーモビュアにより、正確な表面温度測
定が可能となる。
【0063】ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を
0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明
度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度
となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で
表示したものである。そして、実際の測定は、N0〜N
10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点
1位は0または5とする。
【0064】このような特性を有するセラミック基板
は、セラミック基板中にカーボンを100〜5000p
pm含有させることにより得られる。カーボンには、非
晶質のものと結晶質のものとがあり、非晶質のカーボン
は、セラミック基板の高温における体積抵抗率の低下を
抑制することでき、結晶質のカーボンは、セラミック基
板の高温における熱伝導率の低下を抑制することができ
るため、その製造する基板の目的等に応じて適宜カーボ
ンの種類を選択することができる。カーボンの含有量
は、200〜2000ppmが好ましい。
【0065】非晶質のカーボンとしては、例えば、C、
H、Oだけからなる炭化水素、好ましくは、糖類を、空
気中で焼成することにより得ることができ、結晶質のカ
ーボンとしては、グラファイト粉末等を用いることがで
きる。また、アクリル系樹脂を不活性雰囲気(窒化ガ
ス、アルゴンガス)下で熱分解させた後、加熱加圧する
ことによりカーボンを得ることができるが、このアクリ
ル系樹脂の酸価を変化させることにより、結晶性(非晶
性)の程度を調整することができる。
【0066】本発明の半導体装置に用いられるセラミッ
ク基板は、円板形状であることが望ましく、その直径
は、200mm以上が望ましく、250mm以上が最適
である。円板形状のセラミック基板は、温度の均一性が
要求されるが、直径の大きな基板ほど、温度が不均一に
なりやすいからである。
【0067】上記セラミック基板の厚さは、50mm以
下が好ましく、20mm以下がより好ましい。また、1
〜5mmが最適である。厚みは、薄すぎると高温での反
りが発生しやすく、厚すぎると熱容量が大きくなり過ぎ
て昇温降温特性が低下するからである。また、本発明の
半導体装置用セラミック基板の気孔率は、0または5%
以下が望ましい。高温での熱伝導率の低下、反りの発生
を抑制できるからである。
【0068】本発明では、測温素子18として、熱電対
を用いることができる。上記熱電対の金属線の接合部位
の大きさは、各金属線の素線径と同一か、もしくは、そ
れよりも大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このよ
うな構成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温
度が正確に、また、迅速に電流値に変換されるのであ
る。このため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の
温度分布が小さくなるのである。上記熱電対としては、
例えば、JIS−C−1602(1980)に挙げられ
るように、K型、R型、B型、E型、J型、T型熱電対
が挙げられる。
【0069】本発明の半導体製造・検査装置の具体例と
しては、例えば、静電チャック、ウエハプローバ、サセ
プタ、ホットプレート(セラミックヒータ)等が挙げら
れる。これらの装置に用いられるセラミック基板はいず
れも、例えば、図1で説明したような構成の抵抗発熱体
を備えており、上記セラミック基板が支持容器に嵌め込
まれ、測温素子や抵抗発熱体等からの配線が制御部に接
続され、セラミック基板の温度をコントロールすること
ができるようになっている。
【0070】上記ホットプレート(セラミックヒータ)
は、セラミック基板の内部に抵抗発熱体のみが設けられ
た装置であり、これにより、半導体ウエハ等の被加熱物
を所定の温度に加熱することができる。
【0071】本発明では、抵抗発熱体を備えたセラミッ
ク基板の内部に静電電極を設けることにより、静電チャ
ックとすることもできる。上記静電電極を構成する金属
としては、例えば、貴金属(金、銀、白金、パラジウ
ム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケルなどが
好ましい。また、上記導電性セラミックとしては、例え
ば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げられ
る。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用し
てもよい。
【0072】図4(a)は、静電チャックを構成するセ
ラミック基板を模式的に示す縦断面図であり、(b)
は、(a)に示したセラミック基板のA−A線断面図で
ある。この場合には、セラミック基板61の内部にチャ
ック正負極静電層62、63が埋設され、その電極上に
セラミック誘電体膜64が形成されている。また、セラ
ミック基板61の内部には、抵抗発熱体66が設けられ
ている。
【0073】また、(b)に示したように、セラミック
基板61は、通常、平面視円形状に形成されており、セ
ラミック基板61の内部に(b)に示した半円弧状部6
2aと櫛歯部62bとからなるチャック正極静電層62
と、同じく半円弧状部63aと櫛歯部63bとからなる
チャック負極静電層63とが、互いに櫛歯部62b、6
3bを交差するように対向して配置されている。
【0074】このようなセラミック基板62を備えた静
電チャックを使用する場合には、チャック正極静電層6
2とチャック負極静電層63とにそれぞれ直流電源の+
側と−側を接続し、直流電圧を印加する。これにより、
この静電チャック上に載置された半導体ウエハが静電的
に吸着されることになる。
【0075】図5および図6は、他の静電チャックを構
成するセラミック基板における静電電極を模式的に示し
た水平断面図であり、図5に示すセラミック基板71で
は、その内部に半円形状のチャック正極静電層72とチ
ャック負極静電層73が形成されており、図6に示すセ
ラミック基板81では、その内部に円を4分割した形状
のチャック正極静電層82a、82bとチャック負極静
電層83a、83bが形成されている。また、2枚の正
極静電層82a、82bおよび2枚のチャック負極静電
層83a、83bは、それぞれ交差するように形成され
ている。なお、円形等の電極が分割された形態の電極を
形成する場合、その分割数は特に限定されず、5分割以
上であってもよく、その形状も扇形に限定されない。
【0076】抵抗発熱体を有するセラミック基板の表面
にチャックトップ導体層を設け、内部にガード電極やグ
ランド電極を設けた場合には、ウエハプローバとして機
能する。図7は、本発明のウエハプローバを構成するセ
ラミック基板の一実施形態を模式的に示した断面図であ
り、図8は、その平面図であり、図9は、図7に示した
セラミック基板におけるA−A線断面図である。
【0077】このセラミック基板3では、平面視円形状
のセラミック基板3の表面に同心円形状の溝8が形成さ
れるとともに、溝8の一部にシリコンウエハを吸引する
ための複数の吸引孔9が設けられており、溝8を含むセ
ラミック基板3の大部分にシリコンウエハの電極と接続
するためのチャックトップ導体層2が円形状に形成され
ている。
【0078】また、セラミック基板3の内部には、スト
レイキャパシタやノイズを除去するために図9に示した
ような格子形状のガード電極6とグランド電極7とが設
けられている。なお、ガード電極6の内部に矩形状の電
極非形成部52が形成されているのは、ガード電極6の
上下に存在するセラミック基板をしっかりと密着させる
ためである。
【0079】さらに、セラミック基板3の内部には、シ
リコンウエハの温度をコントロールするために、図1に
示したような平面視同心円形状の抵抗発熱体51が設け
られており、抵抗発熱体51の両端には、抵抗発熱体5
1と接続されたスルーホール58が形成されている。
【0080】このような構成のセラミック基板を備えた
ウエハプローバでは、その上に集積回路が形成されたシ
リコンウエハ7載置した後、このシリコンウエハにテス
タピンを持つプローブカードを押しつけ、加熱、冷却し
ながら電圧を印加して導通テストを行うことができる。
【0081】次に、本発明の半導体装置の一例であるセ
ラミックヒータの製造方法について説明する。図10
(a)〜(d)は、セラミック基板の内部に抵抗発熱体
を有するセラミックヒータの製造方法の一部を模式的に
示した断面図である。
【0082】(1)セラミック基板の作製工程 まず、セラミックの粉末をバインダ、溶剤等と混合して
ペーストを調製し、これを用いてグリーンシートを作製
する。上述したセラミック粉末としては、窒化アルミニ
ウム等を使用することができ、必要に応じて、イットリ
ア等の焼結助剤を加えてもよい。
【0083】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコール
から選ばれる少なくとも1種が望ましい。
【0084】これらを混合して得られるペーストをドク
ターブレード法でシート状に成形してグリーンシート5
0を作製する。グリーンシート50の厚さは、0.1〜
5mmが好ましい。次に、得られたグリーンシート50
に、必要に応じて、シリコンウエハを支持するためのリ
フターピンを挿入する貫通孔となる部分、熱電対などの
測温素子を埋め込むための有底孔となる部分、抵抗発熱
体を外部の導電線と接続するためのスルーホールとなる
部分380等を形成する。後述するグリーンシート積層
体を形成した後に、上記加工を行ってもよい。
【0085】なお、スルーホール38となる部分を設け
た場合には、上記ペースト中にカーボンを加えておいた
ものを充填してもよい。グリーンシート中のカーボン
は、スルーホール中に充填されたタングステンやモリブ
デンと反応し、これらの炭化物が形成されるからであ
る。
【0086】(2)グリーンシート上に導体ペーストを
印刷する工程 グリーンシート50上に、金属ペーストまたは導電性セ
ラミックを含む導体ペーストを印刷し、導体ペースト層
120を形成する。これらの導電ペースト中には、金属
粒子または導電性セラミック粒子が含まれている。
【0087】上記金属粒子であるタングステン粒子また
はモリブデン粒子等の平均粒子径は、0.1〜5μmが
好ましい。平均粒子が0.1μm未満であるか、5μm
を超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
【0088】このような導体ペーストとしては、例え
ば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重
量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種
のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネ
オール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒
を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が
挙げられる。
【0089】(3)グリーンシートの積層工程 上記(1)の工程で作製した導体ペーストを印刷してい
ないグリーンシート50を、上記(2)の工程で作製し
た導体ペースト層120を形成したグリーンシート50
の上下に積層する(図10(a))。このとき、上側に
積層するグリーンシート50の数を下側に積層するグリ
ーンシート50の数よりも多くして、抵抗発熱体12の
形成位置を底面の方向に偏芯させる。具体的には、上側
のグリーンシート50の積層数は20〜50枚が、下側
のグリーンシート50の積層数は5〜20枚が好まし
い。
【0090】(4)グリーンシート積層体の焼成工程 グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシ
ート50および内部の導体ペーストを焼結させる(図1
0(b))。加熱温度は、1000〜2000℃が好ま
しく、加圧の圧力は、100〜200kg/cm2 が好
ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活性ガ
スとしては、例えば、アルゴン、窒素などを使用するこ
とができる。
【0091】得られたセラミック基板31に、測温素子
を挿入するための有底孔(図示せず)や、ワッシャーを
挿入するための袋孔37等を設ける(図10(c))。
有底孔および袋孔37は、表面研磨後に、ドリル加工や
サンドブラストなどのブラスト処理を行うことにより形
成することができる。
【0092】次に、作製した袋孔37の内部に金ろうペ
ーストを塗布し、ワッシャー24を嵌め込んだ後、導電
線13をワッシャー24の中心孔に挿入し、金ろうペー
ストをリフローさせることによりろう付けを行って、抵
抗発熱体12と導電線13とスルーホール38を介して
接続する(図10(d))。なお、加熱温度は、900
〜1100℃が好適である。
【0093】さらに、ワッシャー24の露出部と導電線
13の少なくとも一部とにNi−Bメッキ層(図示せ
ず)を形成し、測温素子としての熱電対などを有底孔に
耐熱性樹脂で封止し、抵抗発熱体12を有するセラミッ
ク基板31を製造する。この後、このセラミック基板3
1を図1、2に示した支持容器22に断熱リング21を
介して嵌め込み、連結部材130および固定用部材13
を用いてセラミック基板11を支持容器20に固定する
とともに、断熱リング21の切り欠き部28に板状体を
27を嵌め込み、連結部材130および固定用部材13
を用いて断熱リング21を押さえつける。その後、抵抗
発熱体12や測温素子18の配線等を行うことにより、
セラミックヒータの製造を終了する。
【0094】上記セラミック基板を製造する際に、セラ
ミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電チ
ャック用のセラミック基板とすることができ、また、加
熱面にチャックトップ導体層を設け、セラミック基板の
内部にガード電極やグランド電極を設けることによりウ
エハプローバ用のセラミック基板とすることができ、こ
のようなセラミック基板を静電チャック用の支持容器や
ウエハプローバ用の支持容器に嵌め込むことにより、静
電チャックやウエハプローバを作製することができる。
【0095】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)セラミックヒータ10の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒
径:1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒
径:0.4μm)4重量部、アクリル系樹脂バインダ1
1.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノー
ルとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合
したペーストを用い、ドクターブレード法により成形を
行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを作製し
た。
【0096】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、図1に示すようなシリコンウエ
ハを支持するリフターピンを挿入するための貫通孔15
となる部分、および、スルーホール38となる部分をパ
ンチングにより形成した。
【0097】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。
【0098】平均粒子径3μmのタングステン粒子10
0重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テル
ピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部
を混合して導体ペーストBを調製した。この導体ペース
トAをグリーンシート50上にスクリーン印刷で印刷
し、抵抗発熱体用の導体ペースト層を形成した。印刷パ
ターンは、図1に示したような同心円パターンとし、導
体ペースト層の幅を10mm、その厚さを12μmとし
た。
【0099】上記処理の終わったグリーンシートに、導
体ペーストを印刷しないグリーンシートを上側(加熱
面)に37枚、下側に13枚、130℃、80kg/c
2 の圧力で積層した。
【0100】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150
kg/cm2 で10時間ホットプレスし、厚さ3mmの
窒化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円
板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗
発熱体12を有するセラミック基板11とした。
【0101】(5)次に、(4)で得られたセラミック
基板11を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを
載置し、ガラスビーズによるブラスト処理で表面に熱電
対のための有底孔14を設けた。
【0102】(6)さらに、セラミック基板11の底面
にザグリ加工で直径5.2mm、深さ0.5mmの袋孔
23を形成し、この袋孔23にタングステンからなるワ
ッシャー17を嵌め込んだ後、ワッシャー17の中心孔
に導電線16を挿入し、Ni−Au合金(Au:82重
量%、Ni:18重量%)からなる金ろうを用い、10
30℃で加熱、リフローして、ニッケル製の導電線16
をスルーホール38を介して抵抗発熱体12の端部と接
続した。
【0103】(7)次に、ワッシャー17、金属層の露
出部および導電線16の一部にNiメッキ層を形成し
た。そして、温度制御のための複数の測温素子18(熱
電対)を有底孔14に埋め込んで充填材を充填し、セラ
ミックヒータ10用のセラミック基板11の製造を完了
した。
【0104】(8)この後、このセラミック基板11を
図1、2に示した支持容器22に断熱リング21を介し
て嵌め込み、連結部材130および固定用部材13を用
いてセラミック基板11を支持容器20に固定するとと
もに、断熱リング21の切り欠き部28に板状体を27
を嵌め込み、固定用部材13および連結部材130を用
いて断熱リング21を押さえつけた。その後、抵抗発熱
体12や測温素子18の配線等を行うことにより、セラ
ミックヒータの製造を終了した。この後、このセラミッ
クヒータに通電を行って、セラミックヒータの温度を4
50℃に上昇させ、その状態で100時間維持したが、
断熱リング21に大きな歪みは発生せず、セラミック基
板11は、傾かなかった。
【0105】
【発明の効果】以上説明したような構成からなる本発明
の半導体製造・検査装置によれば、この半導体製造・検
査装置に通電してセラミック基板の温度を上げても、支
持容器に嵌め込まれたセラミック基板が傾くことがな
く、被加熱物であるシリコンウエハ等を均一に加熱する
ことができ、また、被加熱物に種々の処理を適切に施す
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータを模式的に示す平面
図である。
【図2】(a)は、図1に示したセラミックヒータの断
面図であり、(b)は、上記セラミックヒーターを構成
するセラミック基板の一部を模式的に示す断面図であ
る。
【図3】図1に示したセラミックヒータを構成する断熱
リングを模式的に示す斜視図である。
【図4】(a)は、本発明の静電チャックを構成するセ
ラミック基板を模式的に示す縦断面図であり、(b)
は、(a)に示した静電チャックのA−A線断面図であ
る。
【図5】本発明の静電チャックを構成するセラミック基
板に埋設されている静電電極を模式的に示す水平断面図
である。
【図6】本発明の静電チャックを構成するセラミック基
板に埋設されている静電電極の別の一例を模式的に示す
水平断面図である。
【図7】本発明のウエハプローバを構成するセラミック
基板を模式的に示す断面図である。
【図8】図7に示したセラミック基板を模式的に示す平
面図である。
【図9】図7に示したセラミック基板におけるA−A線
断面図である。
【図10】(a)〜(d)は、本発明のセラミックヒー
タを構成するセラミック基板の製造方法を模式的に示す
断面図である。
【符号の説明】
3、11、31、61、71、81 セラミック基板 6 ガード電極 7 グランド電極 8 溝 9 吸引孔 10 セラミックヒータ 12、51、66 抵抗発熱体 12a 抵抗発熱体端部 13 固定用部材 14 有底孔 15 貫通孔 16 導電線 17 ワッシャー 18 測温素子 20 支持容器 21 断熱リング 22 外枠部 23 袋孔 24 遮熱板 25 基板受け部 26 リード線 27 板状体 27a 貫通孔 28 切り欠き部 28a 貫通孔 29 冷媒導入管 62、72、82a、82b チャック正極静電層 63、73、83a、83b チャック負極静電層 62a、63a 半円弧状部 62b、63b 櫛歯部 64 セラミック誘電体膜 125 スルーホール 130 連結部材 240 遮熱板受け部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/3065 G01R 31/28 K 5F031 21/66 H01L 21/302 B 9A001 Fターム(参考) 2G003 AA10 AC01 AC03 AD02 AD03 AG03 AG04 2G011 AA10 AA16 AB10 AD01 AE03 AF07 2G032 AB02 AB13 AF02 4M106 AA01 BA01 BA14 DJ02 5F004 BB22 5F031 CA02 HA02 HA03 HA08 HA18 HA37 HA38 JA46 MA27 MA33 NA04 9A001 BZ05 KK54 KZ17 KZ31 LZ05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1または2以上の回路からなる抵抗発熱
    体が設けられたセラミック基板と、略円筒形状の外枠部
    および前記外枠部の内側上部に設けられた円環形状の基
    板受け部を含んで構成される支持容器と、上面の一部に
    複数の切り欠き部を有する断熱リングとからなり、前記
    断熱リングを介して前記セラミック基板が前記支持容器
    に嵌め込まれていることを特徴とする半導体製造・検査
    装置。
  2. 【請求項2】 前記断熱リングの切り欠き部およびセラ
    ミック基板の両方に掛かるように固定用部材が載置さ
    れ、前記固定用部材および前記断熱リングに形成された
    貫通孔に連結部材が挿通し、前記連結部材および前記固
    定用部材を介して前記セラミック基板が前記支持容器に
    固定されている請求項1に記載の半導体製造・検査装
    置。
  3. 【請求項3】 前記断熱リングの切り欠き部には、板状
    体が嵌め込まれている請求項1または2に記載の半導体
    製造・検査装置。
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