JP2001308163A - 半導体製造・検査装置用セラミック基板 - Google Patents

半導体製造・検査装置用セラミック基板

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JP2001308163A
JP2001308163A JP2001032368A JP2001032368A JP2001308163A JP 2001308163 A JP2001308163 A JP 2001308163A JP 2001032368 A JP2001032368 A JP 2001032368A JP 2001032368 A JP2001032368 A JP 2001032368A JP 2001308163 A JP2001308163 A JP 2001308163A
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JP
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ceramic substrate
ceramic
weight
electrostatic
silicon wafer
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Application number
JP2001032368A
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English (en)
Inventor
Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼結性が良好で高密度であり、内部の気孔径
が小さく、焼結体を構成する粒子同士が強固に接合され
ているので、研磨によっても粒子が殆ど脱落せず、平坦
な表面が形成された半導体製造・検査装置用セラミック
基板を提供する。 【解決手段】 セラミック基板の内部または表面に導電
体が形成されたセラミック基板において、前記セラミッ
ク基板の表面の光沢度は、2%以上であることを特徴と
する半導体製造・検査装置用セラミック基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】半導体は種々の産業において必要とされ
る極めて重要な製品であり、半導体チップは、例えば、
シリコン単結晶を所定の厚さにスライスしてシリコンウ
エハを作製した後、このシリコンウエハに複数の集積回
路等を形成することにより製造される。
【0003】この半導体チップの製造工程においては、
静電チャック上に載置したシリコンウエハに、エッチン
グ、CVD等の種々の処理を施して、導体回路や素子等
を形成する。その際に、デポジション用ガス、エッチン
グ用ガス等として腐食性のガスを使用するため、これら
のガスによる腐食から静電電極層を保護する必要があ
る。そのため、静電電極層は、通常、セラミック誘電体
膜等により被覆されている。また、セラミック基板内部
に発熱体を埋設してセラミックホットプレートとし、半
導体ウエハを加熱する場合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このセラミック誘電体
膜やセラミック基板の材質として、従来から窒化物セラ
ミックが使用されているが、焼結性が余り良好でなく、
焼結密度も余り上がらず、内部に気孔を含んでいた。例
えば、特開平5−8140号公報には、最大気孔径が5
μm以下のセラミック誘電体を持つ静電チャックが開示
されている。
【0005】通常、セラミック誘電体膜の表面を平坦に
するために研磨を行うが、研磨を行っても、内部の気孔
が露出するため完全な平坦面が形成されず、シリコンウ
エハと吸着面あるいは加熱面との接触が点接触になり、
吸着力や昇温性能が充分ではなく、また、研磨時に発生
する応力に起因してセラミック誘電体膜の表面を構成す
る粒子が剥がれやすくなり、シリコンウエハ表面にパー
ティクルが付着しやすいという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、窒化物セラミック
または炭化物セラミックの場合は、酸素を含有させるこ
とにより、また、酸化物セラミックの場合は、酸化物の
複合成分とすることでセラミックの焼結性を向上させる
ことができ、その結果、セラミック誘電体膜やセラミッ
ク基板表面の気孔をほぼ無くすか、あるいは気孔径を小
さくすることができ、また、セラミック誘電体膜を緻密
で粒子同士の結合を強くすることができる結果、研磨を
行っても粒子の脱落を防止することができ、表面の光沢
度を向上させることができることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、セラミック基板の内部
または表面に導電体が形成されたセラミック基板であっ
て、上記セラミック基板の表面の光沢度は、2%以上で
あることを特徴とするセラミック基板である。本発明に
おいて、上記セラミック基板は、酸素含有の窒化物セラ
ミックから選ばれる少なくとも1種からなることが望ま
しい。また、上記セラミック基板は、複数の酸化物から
なる酸化物セラミックであることが望ましい。また、上
記セラミック基板は、酸素含有の炭化物セラミックから
選ばれる少なくとも1種からなることが望ましい。ま
た、本発明は、100〜700℃で使用されることが望
ましい。
【0008】上記セラミック基板の内部または表面に設
けられる導電体は、静電電極(チャック力を誘起する電
極)、抵抗発熱体として機能する。上記導電体が静電電
極である場合は、本発明の半導体製造・検査装置用セラ
ミック基板は、その内部に静電電極が埋設された静電チ
ャックとなる。上記静電電極上のセラミック層を、本明
細書ではセラミック誘電体膜ということにするが、本発
明では、このセラミック誘電体膜の表面の光沢度が、2
%以上である。
【0009】また、導電体が抵抗発熱体である場合は、
本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板は、セ
ラミック基板の内部または表面に導電体が形成されたホ
ットプレートとなる。そして、この場合、上記セラミッ
ク基板のシリコンウエハを加熱する面の光沢度は、2%
以上となる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の半導体製造・検査装置用
セラミック基板(以下、単にセラミック基板という)
は、セラミック基板の内部または表面に導電体が形成さ
れたセラミック基板であって、上記セラミック基板の表
面の光沢度は、2%以上であることを特徴とする。この
ような光沢度を持つセラミック基板は、シリコンウエハ
との接触面積が大きく、ほぼ完全な面接触となり、静電
チャックの場合は高い吸着力が得られ、また、ホットプ
レートの場合は、シリコンウエハの昇温特性、均熱性に
優れる。さらに、ホットプレートの加熱面から50〜5
00μm離間させてシリコンウエハを加熱する場合に、
加熱面の凹凸の深さ、密度が小さいため、シリコンウエ
ハと加熱面との距離のバラツキが少なく、シリコンウエ
ハの均熱性にも優れる。
【0011】なお、特許掲載公報第2513995号な
どでは、Ra(面粗度)で1μm以下の平滑な表面が形
成することができることを開示しているが、Raは、凹
凸の深さの情報であるが、凹凸の密度について規定する
ものではない。光沢度は、凹凸の密度を示す情報であ
り、仮にRaが1μmであったとしても、凹凸の密度が
高い場合には、光沢度は小さくなり、逆に凹凸の密度が
少ない場合は、光沢度が大きくなる。このようにRaや
Rmaxは、凹凸の深さの情報であるのに対して、光沢
度は、凹凸の密度の情報であり、両者は全く異質なもの
である。また、この公報にかかる技術では酸素等を含有
させたわけではないのだから、粒子粒界に生じる未焼結
部分に起因する窪みや粒子の脱落による窪みが発生する
ため、このような窪みの密集が存在するとピンホールが
ないとしても、光沢度2%以上を達成することは困難で
ある。
【0012】また、本発明のセラミック基板では、焼結
性が良好で高密度であり、内部の気孔径が従来に比べて
小さくなっている。また、セラミック基板(セラミック
誘電体膜)が緻密化されていることに起因して、焼結体
を構成する粒子同士が強固に接合されているので、研磨
によっても粒子が殆ど脱落せず、平坦な表面を形成する
ことができ、パーティクルが発生せず、光沢度を2%以
上に保つことができる。さらに、セラミック誘電体膜が
緻密化され、気孔率が低く、気孔径も小さいため、耐電
圧が大きくなる。
【0013】本発明のセラミック基板は、100〜70
0℃で使用されることが望ましい。このような温度領域
では、耐電圧が低下するからである。
【0014】以下においては、まず、上記セラミック基
板として、静電チャックを例にとって説明する。図1
は、本発明の静電チャックの一実施形態を模式的に示し
た縦断面図であり、図2は、図1に示した静電チャック
におけるA−A線断面図であり、図3は、図1に示した
静電チャックにおけるB−B線断面図である。
【0015】この静電チャック101では、平面視円形
状のセラミック基板1の表面に、チャック正極静電層2
とチャック負極静電層3とからなる静電電極層が形成さ
れ、この静電電極層を被覆するように、酸素を含有する
窒化物セラミックからなり、その表面光沢度が2%以上
と、表面平坦性の高いセラミック誘電体膜4が形成され
ている。また、静電チャック101上には、シリコンウ
エハ9が載置され、接地されている。
【0016】図2に示したように、チャック正極静電層
2は、半円弧状部2aと櫛歯部2bとからなり、チャッ
ク負極静電層3も、同じく半円弧状部3aと櫛歯部3b
とからなり、これらのチャック正極静電層2とチャック
負極静電層3とは、櫛歯部2b、3bを交差するように
対向して配置されており、このチャック正極静電層2お
よびチャック負極静電層3には、それぞれ直流電源の+
側と−側とが接続され、直流電圧V2 が印加されるよう
になっている。
【0017】また、セラミック基板1の内部には、シリ
コンウエハ9の温度をコントロールするために、図3に
示したような平面視同心円形状の抵抗発熱体5が設けら
れており、抵抗発熱体5の両端には、外部端子ピン6が
接続、固定され、電圧V1 が印加されるようになってい
る。図1、2には示していないが、このセラミック基板
1には、図3に示したように、測温素子を挿入するため
の有底孔11とシリコンウエハ9を支持して上下させる
リフターピン(図示せず)を挿通するための貫通孔12
が形成されている。なお、抵抗発熱体5は、セラミック
基板の底面に形成されていてもよい。
【0018】この静電チャック101を機能させる際に
は、チャック正極静電層22とチャック負極静電層23
とに直流電圧V2 を印加する。これにより、シリコンウ
エハ9は、チャック正極静電層2とチャック負極静電層
3との静電的な作用により、これらの電極にセラミック
誘電体膜4を介して吸着され、固定されることとなる。
このようにしてシリコンウエハ9を静電チャック101
上に固定させた後、このシリコンウエハ9に、CVD等
の種々の処理を施す。
【0019】本発明の静電チャック101では、セラミ
ック誘電体膜4の表面に研磨が施され、その表面光沢度
が2%以上と、非常に平坦であるので、セラミック誘電
体膜4とシリコンウエハ9との接触が理想的な面接触と
なり、接触面積が大きくなり、セラミック誘電体膜4の
表面にシリコンウエハがしっかりと吸着する。なお、表
面光沢度とは、JIS K 7105(プラスチックの
光学的特性試験方法)の5.2項に準拠した方法により
測定される光沢度である。この方法は、プラスチック表
面の光沢度を測定するものであるが、セラミックの表面
光沢度も同様の原理で測定することができる。
【0020】この方法では、60°の角度で試料面に光
を照射して正反射成分を受光器で測定するものであり、
鏡面光沢度の基準として、屈折率1.567のガラス表
面を採用し、この場合の値を100%とする。
【0021】本発明に係る静電チャックは、例えば、図
1〜3に示したような構成を有するものである。以下に
おいて、上記静電チャックを構成する各部材、および、
本発明の静電チャックの他の実施形態について、順次、
詳細に説明していくことにする。
【0022】本発明のセラミック基板は、直径200m
m以上、厚さ25mm以下であることが望ましい。直径
が200mm未満の場合は、温度が比較的均一になりや
すいため、表面の光沢度が表面温度の均一性に影響を及
ぼしにくく、厚さが25mmを超えると、熱容量が大き
くなり、昇降温の応答性が低下するからである。
【0023】上記セラミック基板は、複数のリフターピ
ン用の貫通孔を有することが望ましい。このような貫通
孔を有している場合、リフターピンの上下動でウエハを
搬送するため、仮にウエハがセラミック基板に接触した
としても、パーティクルが発生しにくいからである。
【0024】セラミック基板を構成するセラミック誘電
体膜の表面光沢度は、2%以上である。セラミック誘電
体膜の表面光沢度が2%未満であると、上記セラミック
誘電体膜の上に載置するシリコンウエハとの接触面積が
小さくなるため、セラミック誘電体膜の表面にシリコン
ウエハがしっかりと吸着されず、外力が作用するとずれ
やすくなる。また、表面光沢度が2%未満であるという
ことは、セラミック誘電体膜の内部の気孔の割合やその
数が多く、焼結が完全に進行していないことを意味し、
そのため、誘電体膜の耐電圧も小さくなり、絶縁破壊し
やすくなる。また、パーティクルも発生しやすくなる。
【0025】本発明のセラミック基板を構成するセラミ
ック材料は特に限定されるものではなく、例えば、窒化
物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミック等
が挙げられる。
【0026】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミック、炭化物セラミック、酸化物セラミックが好まし
い。窒化物セラミックまたは炭化物セラミックの場合に
は、酸素を含有させることにより、また、酸化物セラミ
ックの場合には、複数の酸化物セラミックからなるセラ
ミックとすることにより、高密度とすることができ、表
面光沢度を上げることができるからである。また、窒化
物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適であ
る。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからであ
る。
【0027】また、上記窒化物セラミックに酸素を含有
させると、焼結が進行しやすくなり、気孔率が大きく減
少し、残留する気孔の気孔径も小さくなり、耐電圧が向
上する。上記炭化物セラミックに酸素を含有させた場合
も同様である。
【0028】上記セラミック基板は、0.05〜10重
量%、特に0.1〜5重量%の酸素を含有していること
が望ましい。特に、0.1重量%未満では、焼結性が悪
くまた耐電圧を確保することができない場合があり、逆
に5重量%を超えると酸化物の高温耐電圧特性の低下に
より、耐電圧はやはり低下してしまう場合があるからで
ある。また、酸素量が5重量%を超えると熱伝導率が低
下して昇温降温特性が低下する場合があるからである。
酸素は、焼結助剤を添加することにより導入するか、窒
化物セラミックまたは炭化物セラミックを空気中または
酸素中で焼成することにより導入する。また、上記窒化
物セラミックに酸素を含有させるため、通常、窒化物セ
ラミックの原料粉末中に金属酸化物を混合して焼成を行
う。上記炭化物セラミックに酸素を含有させる場合も同
様である。
【0029】上記金属酸化物としては、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、希土類金属の酸化物が挙げられ、具
体的には、例えば、イットリヤ(Y23 )、アルミナ
(Al 23 )、酸化ルビジウム(Rb2 O)、酸化リ
チウム(Li2 O)、炭酸カルシウム(CaCO3 )等
が挙げられる。これらの金属酸化物の添加量は、窒化物
セラミックまたは炭化物セラミック100重量部に対し
て、1〜10重量部が好ましい。
【0030】上記セラミック誘電体膜の厚さは、50〜
5000μm、気孔率は5%以下であることが望まし
い。また、気孔径の平均は、5μm以下が望ましい。上
記セラミック誘電体膜の厚さが50μm未満であると、
膜厚が薄すぎるために充分な耐電圧が得られず、シリコ
ンウエハを載置し、吸着した際にセラミック誘電体膜が
絶縁破壊する場合があり、一方、上記セラミック誘電体
膜の厚さが5000μmを超えると、シリコンウエハと
静電電極との距離が遠くなるため、シリコンウエハを吸
着する能力が低くなってしまう。セラミック誘電体膜の
厚さは、100〜1500μmがより好ましい。
【0031】また、上記気孔率が5%を超えると、研磨
を行った際に、気孔が表面に露出しやすくなるため、表
面平坦性に劣るようになる。また、このような構造のセ
ラミック誘電体膜では、耐電圧が低下してしまう。気孔
率は、0.1〜1.0%程度が好ましく、平均気孔径
は、0.1〜3μmが好ましい。
【0032】気孔率は、アルキメデス法により測定す
る。焼結体を粉砕して有機溶媒中あるいは水銀中に粉砕
物を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積から真比
重を求め、真比重と見かけの比重から気孔率を計算する
のである。
【0033】また、気孔径の平均が5μmを超えると、
セラミック誘電体膜の厚さに対する気孔径の比率が大き
くなり、気孔が表面に露出しやすくなるため、表面平坦
性に劣るようになる。平均気孔径の測定は、試料を5個
用意し、その表面を鏡面研磨し、2000から5000
倍の倍率で表面を電子顕微鏡で10箇所撮影することに
より行う。そして、撮影された50ショットの気孔径を
平均する。一つ一つの気孔径は、最も長い部分を気孔径
として測定する。
【0034】上記セラミック誘電体膜中には、カーボン
が50〜5000ppm含有されていることが望まし
い。静電チャック中に設けられた電極パターンを隠蔽す
ることができ、かつ、高輻射熱が得られるからである。
また、導電性がある程度高い方が、高温域においては、
シリコンウエハの吸着能力が高くなる。添加するカーボ
ンは、非晶質のものであっても結晶質のものであっても
よい。非晶質のものを使用すると、高温における体積抵
抗率の低下を防止することができ、一方、結晶質のもの
を使用すると、高温における熱伝導率の添加を防止する
ことができる。
【0035】セラミック基板上に形成される静電電極と
しては、例えば、金属または導電性セラミックの焼結
体、金属箔等が挙げられる。金属焼結体としては、タン
グステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種から
なるものが好ましい。金属箔も、金属焼結体と同じ材質
からなることが望ましい。これらの金属は比較的酸化し
にくく、電極として充分な導電性を有するからである。
また、導電性セラミックとしては、タングステン、モリ
ブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1種を使用する
ことができる。
【0036】図8および図9は、他の静電チャックにお
ける静電電極を模式的に示した水平断面図であり、図8
に示す静電チャック20では、セラミック基板1の内部
に半円形状のチャック正極静電層22とチャック負極静
電層23が形成されており、図9に示す静電チャックで
は、セラミック基板1の内部に円を4分割した形状のチ
ャック正極静電層32a、32bとチャック負極静電層
33a、33bが形成されている。また、2枚の正極静
電層22a、22bおよび2枚のチャック負極静電層3
3a、33bは、それぞれ交差するように形成されてい
る。なお、円形等の電極が分割された形態の電極を形成
する場合、その分割数は特に限定されず、5分割以上で
あってもよく、その形状も扇形に限定されない。
【0037】本発明のセラミック基板(静電チャック)
は、窒化物セラミック、炭化物セラミックおよび酸化物
セラミックに属するセラミックから選ばれる少なくとも
1種からなることが望ましい。
【0038】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化
物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上
記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、
例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、
炭化タンタル、炭化タンステン等が挙げられる。
【0039】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化
物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージ
ェライト、ムライト等、MgO、CaO、TiO2 等が
挙げられる。本発明では、これらのセラミックを2種以
上を併用することが望ましい。例えば、アルミナ、シリ
カ、CaO、MgOなどの混合物酸化物が緻密体となり
やすい。
【0040】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミックが望ましい。窒化物セラミックは熱伝導率が高
く、抵抗発熱体で発生した熱を良好に伝達することがで
きるからである。また、セラミック誘電体膜と下のセラ
ミック層とは同じ材料であることが望ましい。同じ方法
で作製したグリーンシートを積層し、同一条件で焼成す
ることにより、容易に製造することができるからであ
る。また、窒化物セラミックの中では窒化アルミニウム
が最も好適である。熱伝導率が180W/m・Kと最も
高いからである。
【0041】上記セラミック基板中には、カーボンを5
0〜5000ppm含むことが望ましい。高輻射熱が得
られるからである。
【0042】本発明に係る静電チャックでは、通常、図
1に示したように、抵抗発熱体等の温度制御手段が設け
られている。静電チャック上に載置したシリコンウエハ
の加熱等を行いながら、CVD処理等を行う必要がある
からである。
【0043】上記温度制御手段としては、図3に示した
抵抗発熱体5のほかに、ペルチェ素子(図6参照)が挙
げられる。抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に設け
てもよく、セラミック基板の底面に設けてもよい。抵抗
発熱体を設ける場合は、静電チャックを嵌め込む支持容
器に、冷却手段としてエアー等の冷媒の吹きつけ口など
を設けてもよい。
【0044】抵抗発熱体をセラミック基板の内部に設け
る場合には、複数層設けてもよい。この場合は、各層の
パターンは相互に補完するように形成されて、加熱面か
らみるとどこかの層にパターンが形成された状態が望ま
しい。例えば、互いに千鳥の配置になっている構造であ
る。
【0045】抵抗発熱体としては、例えば、金属または
導電性セラミックの焼結体、金属箔、金属線等が挙げら
れる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデン
から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの金属
は比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有す
るからである。
【0046】また、導電性セラミックとしては、タング
ステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1
種を使用することができる。さらに、セラミック基板の
底面に抵抗発熱体を形成する場合には、金属焼結体とし
ては、貴金属(金、銀、パラジウム、白金)、ニッケル
を使用することが望ましい。具体的には銀、銀−パラジ
ウムなどを使用することができる。上記金属焼結体に使
用される金属粒子は、球状、リン片状、もしくは球状と
リン片状の混合物を使用することができる。
【0047】金属焼結体中には、金属酸化物を添加して
もよい。上記金属酸化物を使用するのは、セラミック基
板と金属粒子を密着させるためである。上記金属酸化物
により、セラミック基板と金属粒子との密着性が改善さ
れる理由は明確ではないが、金属粒子の表面はわずかに
酸化膜が形成されており、セラミック基板は、酸化物の
場合は勿論、非酸化物セラミックである場合にも、その
表面には酸化膜が形成されている。従って、この酸化膜
が金属酸化物を介してセラミック基板表面で焼結して一
体化し、金属粒子とセラミック基板とが密着するのでは
ないかと考えられる。
【0048】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリア、チタニアから選ばれる少なくとも1
種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗発熱体の抵抗値
を大きくすることなく、金属粒子とセラミック基板との
密着性を改善できるからである。
【0049】上記金属酸化物は、金属粒子100重量部
に対して0.1重量部以上10重量部未満であることが
望ましい。この範囲で金属酸化物を用いることにより、
抵抗値が大きくなりすぎず、金属粒子とセラミック基板
との密着性を改善することができるからである。
【0050】また、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホ
ウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの
割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合
に、酸化鉛が1〜10重量部、シリカが1〜30重量
部、酸化ホウ素が5〜50重量部、酸化亜鉛が20〜7
0重量部、アルミナが1〜10重量部、イットリアが1
〜50重量部、チタニアが1〜50重量部が好ましい。
但し、これらの合計が100重量部を超えない範囲で調
整されることが望ましい。これらの範囲が特にセラミッ
ク基板との密着性を改善できる範囲だからである。
【0051】抵抗発熱体をセラミック基板の底面に設け
る場合は、抵抗発熱体15の表面は、金属層150で被
覆されていることが望ましい(図4参照)。抵抗発熱体
15は、金属粒子の焼結体であり、露出していると酸化
しやすく、この酸化により抵抗値が変化してしまう。そ
こで、表面を金属層150で被覆することにより、酸化
を防止することができるのである。
【0052】金属層150の厚さは、0.1〜10μm
が望ましい。抵抗発熱体の抵抗値を変化させることな
く、抵抗発熱体の酸化を防止することができる範囲だか
らである。被覆に使用される金属は、非酸化性の金属で
あればよい。具体的には、金、銀、パラジウム、白金、
ニッケルから選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。
なかでもニッケルがさらに好ましい。抵抗発熱体には電
源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半
田を介して抵抗発熱体に取り付けるが、ニッケルは半田
の熱拡散を防止するからである。接続端子しては、コバ
ール製の端子ピンを使用することができる。
【0053】なお、抵抗発熱体をヒータ板内部に形成す
る場合は、抵抗発熱体表面が酸化されることがないた
め、被覆は不要である。抵抗発熱体をヒータ板内部に形
成する場合、抵抗発熱体の表面の一部が露出していても
よい。
【0054】抵抗発熱体として使用する金属箔として
は、ニッケル箔、ステンレス箔をエッチング等でパター
ン形成して抵抗発熱体としたものが望ましい。パターン
化した金属箔は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよ
い。金属線としては、例えば、タングステン線、モリブ
デン線等が挙げられる。
【0055】温度制御手段としてペルチェ素子を使用す
る場合は、電流の流れる方向を変えることにより発熱、
冷却両方行うことができるため有利である。ペルチェ素
子8は、図6に示すように、p型、n型の熱電素子81
を直列に接続し、これをセラミック板82などに接合さ
せることにより形成される。ペルチェ素子としては、例
えば、シリコン・ゲルマニウム系、ビスマス・アンチモ
ン系、鉛・テルル系材料等が挙げられる。
【0056】本発明における静電チャックとしては、例
えば、図1に示すように、セラミック基板1とセラミッ
ク誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック
負極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の内部に
は抵抗発熱体5が設けられた構成の静電チャック10
1、図4に示すように、セラミック基板1とセラミック
誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負
極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の底面に抵
抗発熱体15が設けられた構成の静電チャック201、
図5に示すように、セラミック基板1とセラミック誘電
体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静
電層3とが設けられ、セラミック基板1の内部に抵抗発
熱体である金属線7が埋設された構成の静電チャック3
01、図6に示すように、セラミック基板1とセラミッ
ク誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック
負極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の底面に
熱電素子81とセラミック板82からなるペルチェ素子
8が形成された構成の静電チャック401等が挙げられ
る。
【0057】本発明では、図1〜6に示したように、セ
ラミック基板1とセラミック誘電体膜4との間にチャッ
ク正極静電層2とチャック負極静電層3とが設けられ、
セラミック基板1の内部に抵抗発熱体5や金属線7が形
成されているため、これらと外部端子とを接続するため
の接続部(スルーホール)16、17が必要となる。ス
ルーホール16、17は、タングステンペースト、モリ
ブデンペーストなどの高融点金属、タングステンカーバ
イド、モリブデンカーバイドなどの導電性セラミックを
充填することにより形成される。
【0058】また、接続部(スルーホール)16、17
の直径は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止し
つつ、クラックや歪みを防止できるからである。このス
ルーホールを接続パッドとして外部端子ピン6、18を
接続する(図7(d)参照)。
【0059】接続は、半田、ろう材により行う。ろう材
としては銀ろう、パラジウムろう、アルミニウムろう、
金ろうを使用する。金ろうとしては、Au−Ni合金が
望ましい。Au−Ni合金は、タングステンとの密着性
に優れるからである。
【0060】Au/Niの比率は、〔81.5〜82.
5(重量%)〕/〔18.5〜17.5(重量%)〕が
望ましい。Au−Ni層の厚さは、0.1〜50μmが
望ましい。接続を確保するに充分な範囲だからである。
また、10-6〜10-5Paの高真空で500〜1000
℃の高温で使用するとAu−Cu合金では劣化するが、
Au−Ni合金ではこのような劣化がなく有利である。
また、Au−Ni合金中の不純物元素量は全量を100
重量部とした場合に1重量部未満であることが望まし
い。
【0061】本発明では、必要に応じて、セラミック基
板1の有底孔12に熱電対を埋め込んでおくことができ
る。熱電対により抵抗発熱体の温度を測定し、そのデー
タをもとに電圧、電流量を変えて、温度を制御すること
ができるからである。熱電対の金属線の接合部位の大き
さは、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それより
も大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構
成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正
確に、また、迅速に電流値に変換されるのである。この
ため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布
が小さくなるのである。上記熱電対としては、例えば、
JIS−C−1602(1980)に挙げられるよう
に、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電対
が挙げられる。
【0062】図10は、以上のような構成の本発明の静
電チャックを配設するための支持容器41を模式的に示
した断面図である。支持容器41には、静電チャック1
01が断熱材45を介して嵌め込まれるようになってい
る。また、この支持容器11には、冷媒吹き出し口42
が形成されており、冷媒注入口44から冷媒が吹き込ま
れ、冷媒吹き出し口42を通って吸引口43から外部に
出ていくようになっており、この冷媒の作用により、静
電チャック101を冷却することができるようになって
いる。
【0063】次に、本発明の静電チャックの製造方法の
一例を図10(a)〜(d)に示した断面図に基づき説
明する。 (1)まず、酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭
化物セラミックなどのセラミックの粉体をバインダおよ
び溶剤と混合してグリーンシート50を得る。前述した
セラミック粉体としては、例えば、窒化アルミニウム、
炭化ケイ素などを使用することができ、必要により、イ
ットリヤ(Y23 )等の焼結助剤を添加する。
【0064】なお、後述する静電電極層印刷体51が形
成されたグリーンシートの上に積層する数枚または1枚
のグリーンシート50′は、セラミック誘電体膜4とな
る層であるので、窒化物の粉末に酸化物の粉末を混合し
たものとする。通常、セラミック誘電体膜4の原料とセ
ラミック基板1の原料とは、同じものを使用することが
望ましい。これらは、一体として焼結することが多いた
め、焼成条件を同じすることができるからである。ただ
し、材料が異なる場合には、まず先にセラミック基板を
製造しておき、その上に静電電極層を形成し、さらにそ
の上にセラミック誘電体膜を形成することもできる。
【0065】また、バインダとしては、アクリル系バイ
ンダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニ
ルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに、溶媒としては、α−テルピネオール、グリコー
ルから選ばれる少なくとも1種が望ましい。これらを混
合して得られるペーストをドクターブレード法でシート
状に成形してグリーンシート50を作製する。
【0066】グリーンシート50に、必要に応じてシリ
コンウエハのリフターピンを挿入する貫通孔や熱電対を
埋め込む凹部を設けておくことができる。貫通孔や凹部
は、パンチングなどで形成することができる。グリーン
シート50の厚さは、0.1〜5mm程度が好ましい。
【0067】次に、グリーンシート50に静電電極層や
抵抗発熱体となる導体ペーストを印刷する。印刷は、グ
リーンシート50の収縮率を考慮して所望のアスペクト
比が得られるように行い、これにより静電電極層印刷体
51、抵抗発熱体層印刷体52を得る。印刷体は、導電
性セラミック、金属粒子などを含む導電性ペーストを印
刷することにより形成する。
【0068】これらの導電性ペースト中に含まれる導電
性セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブ
デンの炭化物が最適である。酸化しにくく、熱伝導率が
低下しにくいからである。また、金属粒子としては、例
えば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケルなど
を使用することができる。
【0069】導電性セラミック粒子、金属粒子の平均粒
子径は0.1〜5μmが好ましい。これらの粒子は、大
きすぎても小さすぎても導体用ペーストを印刷しにくい
からである。このようなペーストとしては、金属粒子ま
たは導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル
系、エチルセルロース、ブチルセロソルブおよびポリビ
ニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ
1.5〜10重量部、α−テルピネオール、グリコー
ル、エチルアルコールおよびブタノールから選ばれる少
なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調製
した導体用ぺーストが最適である。さらに、パンチング
等で形成した孔に、導体用ペーストを充填してスルーホ
ール印刷体53、54を得る。
【0070】次に、図7(a)に示すように、印刷体5
1、52、53、54を有するグリーンシート50と、
印刷体を有さないグリーンシート50′とを積層する。
抵抗発熱体形成側に印刷体を有さないグリーンシート3
0′を積層するのは、スルーホールの端面が露出して、
抵抗発熱体形成の焼成の際に酸化してしまうことを防止
するためである。もしスルーホールの端面が露出したま
ま、抵抗発熱体形成の焼成を行うのであれば、ニッケル
などの酸化しにくい金属をスパッタリングする必要があ
り、さらに好ましくは、Au−Niの金ろうで被覆して
もよい。
【0071】(2)次に、図7(b)に示すように、積
層体の加熱および加圧を行い、グリーンシートおよび導
電ペーストを焼結させる。加熱温度は、1000〜20
00℃、加圧は100〜200kg/cm2 が好まし
く、これらの加熱および加圧は、不活性ガス雰囲気下で
行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用
することができる。この工程で、スルーホール16、1
7、チャック正極静電層2、チャック負極静電層3、抵
抗発熱体5等が形成される。この後、焼結体の表面を平
面研削機で研磨する。さらに♯100〜♯8000のダ
イヤモンド砥石で研磨する。つぎに、平均粒子径0.1
〜10μmのダイヤモンドスラリーやコロイダルシリ
カ、アルミナ懸濁液でポリッシングして表面の光沢度を
調整する。
【0072】(3)次に、図7(c)に示すように、外
部端子接続のための袋孔13、14を設ける。袋孔1
3、14の内壁は、その少なくともその一部が導電化さ
れ、導電化された内壁は、チャック正極静電層2、チャ
ック負極静電層3、抵抗発熱体5等と接続されているこ
とが望ましい。
【0073】(4)最後に、図7(d)に示すように、
袋孔13、14に金ろうを介して外部端子6、18を設
ける。さらに、必要に応じて、有底孔12を設け、その
内部に熱電対を埋め込むことができる。半田は銀−鉛、
鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することが
できる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50μmが望
ましい。半田による接続を確保するに充分な範囲だから
である。
【0074】なお、上記説明では静電チャック101
(図1参照)を例にしたが、静電チャック201(図4
参照)を製造する場合は、静電電極層を有するセラミッ
ク板を製造した後、このセラミック板の底面に導体ペー
ストを印刷、焼成し、抵抗発熱体15を形成し、この
後、無電解めっき等により金属層150を形成すればよ
い。また、静電チャック301(図5参照)を製造する
場合は、セラミック粉末中に金属箔、金属線を静電電極
や抵抗発熱体にして埋め込み、焼結すればよい。さら
に、静電チャック401(図6参照)を製造する場合
は、静電電極層を有するセラミック板を製造した後、こ
のセラミック板に溶射金属層を介してペルチェ素子を接
合すればよい。
【0075】また、本発明のセラミック基板は、上記し
たように、ホットプレートとしても使用することができ
る。この場合、半導体ウエハをセラミック基板の一面に
接触させた状態で載置するほか、半導体ウエハをリフタ
ーピンなどで支持し、セラミックス基板との間に一定の
間隔を保って保持する場合もある。図11は、本発明の
セラミック基板の一実施形態であるホットプレートを模
式的に示した断面図である。
【0076】このホットプレート90では、貫通孔95
にリフターピン96が挿入され、シリコンウエハ9を保
持している。そして、リフターピン96を上下すること
により、図示しない搬送機からシリコンウエハ9を受け
取ったり、シリコンウエハ9をセラミック基板91上に
載置したり、シリコンウエハ9を支持したまま加熱した
りすることができる。また、セラミック基板91の底面
91aには、抵抗発熱体92が形成され、その抵抗発熱
体92の表面には金属被覆層92aが設けられている。
また、有底孔94が設けられているが、ここには熱電対
を挿入する。また、抵抗発熱体はセラミック基板91の
内部に設けてもよい。シリコンウエハ9は、ウエハ処理
面91b側で加熱される。
【0077】本発明に係るホットプレートでは、ウエハ
加熱面の光沢度が2%以上であるため、シリコンウエハ
9をウエハ処理面91bに載置した最には、シリコンウ
エハ9との接触面積が大きくなり、シリコンウエハ9の
昇温特性に優れる。また、シリコンウエハ9をウエハ処
理面91bから100μm程度離間させて保持して加熱
する場合でも、誤ってシリコンウエハ9がウエハ処理面
91bに接触することがない。
【0078】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)静電チャック(図1参照)の製造 (1)空気中で500℃、1時間焼成した窒化アルミニ
ウム粉末(トクヤマ製、平均粒径1.1μm)100重
量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、
アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部
および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコー
ル53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレ
ード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリー
ンシートを得た。
【0079】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8m
m、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハリフターピ
ンを挿入する貫通孔となる部分、外部端子と接続するた
めのスルーホールとなる部分を設けた。
【0080】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合
して導体ペーストBを調製した。この導電性ペーストA
をグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペー
スト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンと
した。また、他のグリーンシートに図2に示した形状の
静電電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
【0081】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシート50に、さらに、タングス
テンペーストを印刷しないグリーンシート50′を上側
(加熱面)に34枚、下側に13枚積層し、その上に静
電電極パターンからなる導体ペースト層を印刷したグリ
ーンシート50を積層し、さらにその上にタングステン
ペーストを印刷していないグリーンシート50′を2枚
積層し、これらを130℃、80kg/cm2 の圧力で
圧着して積層体を形成した(図7(a))。
【0082】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150
kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒
化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板
状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発
熱体5および厚さ10μmのチャック正極静電層2、チ
ャック負極静電層3を有する窒化アルミニウム製の板状
体とした(図7(b))。
【0083】(5)次に、(4)で得られた板状体を、
平面研削機で表面加工し、さらに♯2000のダイヤモ
ンド砥石(マルトー製 ダイヤモンドパッド)で研磨し
た。ついで、粒度0.25μmダイヤモンドスラリー
(マルトー製)を用いてフェルトクロスでポリッシング
した。さらにマスクを載置し、SiC等によるブラスト
処理で表面に熱電対のための有底孔(直径:1.2m
m、深さ:2.0mm)を設けた。
【0084】(6)さらに、スルーホールが形成されて
いる部分をえぐり取って袋孔13、14とし(図7
(c))、この袋孔13、14にNi−Auからなる金
ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の
外部端子6、18を接続させた(図7(d))。なお、
外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点で支持
する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができ
るからである。
【0085】(7)次に、温度制御のための複数の熱電
対を有底孔に埋め込み、抵抗発熱体を有する静電チャッ
クの製造を完了した。このようにして製造した抵抗発熱
体を有する静電チャックのセラミック誘電体膜の厚さ、
表面光沢度、面粗度、酸素量、チャック力、シリコンウ
エハの均熱性および平均気孔径を下記の方法により測定
した。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクル
の量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
【0086】(8)次に、この静電チャック101を図
10の断面形状を有するステンレス製の支持容器41に
セラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビウ
ール)からなる断熱材45を介して嵌め込み、その表面
にシリコンウエハを載置し、通電を行ってシリコンウエ
ハを吸着させた。その結果、シリコンウエハは、しっか
りと静電チャック101の表面に吸着、固定され、外力
が作用してもずれることはなかった。
【0087】なお、この支持容器41は冷却ガスの冷媒
吹き出し口42を有し、静電チャック101の温度調整
を行うことができる。そこで、この支持容器41に嵌め
込まれた静電チャック101の抵抗発熱体15に通電を
行って、温度を上げ、また、支持容器に冷媒を流して静
電チャック201の温度を制御したが、極めて良好に温
度を制御することができた。
【0088】(実施例2)静電チャック(図2参照)の
製造 (1)空気中で500℃、1時間焼成した窒化アルミニ
ウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100
重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量
部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重
量部、ショ糖0.2重量部および1−ブタノールとエタ
ノールとからなるアルコール53重量部を混合したペー
ストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、
厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0089】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8m
m、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハリフターピ
ンを挿入する貫通孔となる部分、外部端子と接続するた
めのスルーホールとなる部分を設けた。
【0090】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合
して導体ペーストBを調製した。この導電性ペーストA
をグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、図9に示
した形状の静電電極パターンからなる導体ペースト層を
形成した。
【0091】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシート50に、さらに、タングス
テンペーストを印刷しないグリーンシート50′を上側
(加熱面)に2枚、下側に48枚積層し、これらを13
0℃、80kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形成
した。
【0092】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150
kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒
化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板
状に切り出し、内部に厚さ12μmのチャック正極静電
層2およびチャック負極静電層3を有する窒化アルミニ
ウム製の板状体とした。
【0093】(5)上記(4)で得た板状体の表面(上
面)を、平面研削機で表面加工し、さらに♯2000の
ダイヤモンド砥石(マルトー製 ダイヤモンドパッド)
で研磨した。ついで、粒度3.0μmダイヤモンドスラ
リー(マルトー製)を用いてフェルトクロスでポリッシ
ングした。研磨した後、底面にマスクを載置し、SiC
等によるブラスト処理で表面に熱電対のための凹部(図
示せず)等を設けた。
【0094】(6)次に、ウエハ載置面に対向する面
(底面)に抵抗発熱体15を印刷した。印刷は導電ペー
ストを用いた。導電ペーストは、プリント配線板のスル
ーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソル
ベストPS603Dを使用した。この導電ペーストは、
銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸
化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞれの重
量比率は、5/55/10/25/5)を銀100重量
部に対して7.5重量部含むものであった。また、銀の
形状は平均粒径4.5μmでリン片状のものであった。
【0095】(7)導電ペーストを印刷した板状体を7
80℃で加熱焼成して、導電ペースト中の銀、鉛を焼結
させるとともにセラミック基板に焼き付けた。さらに硫
酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモ
ニウム30g/lおよびロッシェル塩60g/lを含む
水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に板状体を浸漬
して、銀の焼結体15の表面に厚さ1μm、ホウ素の含
有量が1重量%以下のニッケル層150を析出させた。
この後、板状体に、120℃で3時間アニーリング処理
を施した。銀の焼結体からなる抵抗発熱体は、厚さが5
μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が7.7mΩ/
□であった。
【0096】(8)次に、セラミック基板にスルーホー
ル16を露出させるための袋孔を設けた。この袋孔にN
i−Au合金(Au81.5重量%、Ni18.4重量
%、不純物0.1重量%)からなる金ろうを用い、97
0℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子ピンを接
続させた。また、抵抗発熱体に半田(スズ9/鉛1)を
介してコバール製の外部端子ピンを形成した。
【0097】(9)次に、温度制御のための複数熱電対
を凹部に埋め込み、静電チャック201を得た。このよ
うにして製造した抵抗発熱体を有する静電チャックのセ
ラミック誘電体膜の厚さ、表面光沢度、面粗度、酸素
量、チャック力、シリコンウエハの均熱性および平均気
孔径を下記の方法により測定した。さらに、シリコンウ
エハに付着したパーティクルの量を測定した。その結果
を下記の表1に示した。
【0098】(10)次に、この静電チャック101を
図10の断面形状を有するステンレス製の支持容器41
にセラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビ
ウール)からなる断熱材45を介して嵌め込み、その表
面にシリコンウエハを載置し、通電を行ってシリコンウ
エハを吸着させた。その結果、シリコンウエハは、しっ
かりと静電チャック101の表面に吸着、固定され、外
力が作用してもずれることはなかった。
【0099】(実施例3) 静電チャック301(図
5)の製造 (1)厚さ10μmのタングステン箔を打抜き加工する
ことにより図8に示した形状の電極2枚を形成した。こ
の電極2枚とタングステン線を、空気中で500℃、1
時間焼成した窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平
均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒
径0.4μm)4重量部とともに、成形型中に入れて窒
素ガス中で1890℃、圧力150kg/cm2 で3時
間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状
体を得た。これを直径230mmの円状に切り出して板
状体とした。平面研削機でこの板状体の表面を加工し、
さらに♯2000のアルミナ研磨材(マルトー製 アラ
ンダム)で研磨した。ついで、粒度3.0μmダイヤモ
ンドスラリーを用いてフェルトクロスでポリッシングし
た。このとき、静電電極層の厚さは、10μmであっ
た。
【0100】(2)この板状体に対し、実施例1の
(5)〜(7)の工程を実施し、静電チャック301を
得た。このようにして製造した抵抗発熱体を有する静電
チャックのセラミック誘電体膜の厚さ、表面光沢度、面
粗度、酸素量、チャック力、シリコンウエハの均熱性お
よび平均気孔径を下記の方法により測定した。さらに、
シリコンウエハに付着したパーティクルの量を測定し
た。その結果を下記の表1に示した。
【0101】(3)次に、この静電チャック301を図
10の断面形状を有するステンレス製の支持容器41に
セラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビウ
ール)からなる断熱材45を介して嵌め込み、その表面
にシリコンウエハを載置し、通電を行ってシリコンウエ
ハを吸着させた。その結果、シリコンウエハは、しっか
りと静電チャック101の表面に吸着、固定され、外力
が作用してもずれることはなかった。
【0102】(実施例4) 静電チャック401(図
6)の製造 実施例2の(1)〜(5)の工程を実施した後、さらに
底面にニッケルを溶射し、この後、鉛・テルル系のペル
チェ素子を接合させることにより、静電チャック401
を得た。但し、表面は♯2000のダイヤモンド砥石で
の研磨にとどめた。このようにして製造した抵抗発熱体
を有する静電チャックのセラミック誘電体膜の厚さ、表
面光沢度、面粗度、酸素量、チャック力、シリコンウエ
ハ均熱性および平均気孔径を下記の方法により測定し
た。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクルの
量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
【0103】(比較例1)基本的に実施例1と同様であ
るが、イットリアを入れずに焼結させた。 (比較例2)基本的に実施例1と同様であるが、♯20
00のダイヤモンド砥石による研磨を行わなかった。こ
のようにして製造した比較例1〜2に係る抵抗発熱体を
有する静電チャックのセラミック誘電体膜の厚さ、表面
光沢度、面粗度、酸素量、チャック力、表面温度の均一
性(均熱性)および平均気孔径を下記の方法により測定
した。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクル
の量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
【0104】(実施例5)アルミナホットプレート (1)アルミナ:93重量%、SiO2 :5重量%、C
aO:0.5重量%、MgO:0.5重量%、TiO
2 :0.5重量%、アクリルバインダ:11.5重量
部、分散剤:0.5重量部および1−ブタノールとエタ
ノールとからなるアルコール53重量部を混合したペー
ストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、
厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。 (2)次に、これらのグリーンシート50を80℃で5
時間乾燥させた後、加工が必要なグリーンシートに対
し、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm、
5.0mmの半導体ウエハリフターピンを挿入する貫通
孔となる部分、外部端子と接続するためのスルーホール
となる部分を設けた。
【0105】(3)平均粒子径3μmのタングステン粒
子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α
−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2
重量部を混合して導体ペーストBを調製した。この導電
性ペーストBをグリーンシート50にスクリーン印刷で
印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、
同心円パターンとした。
【0106】(4)さらに、外部端子を接続するための
スルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。
抵抗発熱体のパターンが形成されたグリーンシート50
に、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリー
ンシート50′を上側(加熱面)に34枚から60枚、
下側に13枚から30枚積層し、これらを130℃、8
0kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形成した。
【0107】(5)次に、得られた積層体を空気中、6
00℃で5時間脱脂し、1600℃、圧力150kg/
cm2 で2時間ホットプレスし、厚さ3mmのアルミナ
板状体を得た。平面研削機でこの板状体の表面を加工
し、さらに♯2000のアルミナ研磨材(マルトー製
アランダム)で研磨した。ついで、粒度0.25μmダ
イヤモンドスラリーを用いてフェルトクロスでポリッシ
ングし、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発熱体5
を有するアルミナ製の板状体とした。
【0108】(6)次に、(3)で得られた板状体を、
ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、Si
C等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔
(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
【0109】(7)さらに、スルーホールが形成されて
いる部分をえぐり取って袋孔13、14とし(図8
(c))、この袋孔13、14にNi−Auからなる金
ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の
外部端子6、18を接続させた。なお、外部端子の接続
は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ま
しい。接続信頼性を確保することができるからである。
【0110】(8)次に、温度制御のための複数の熱電
対を有底孔に埋め込み、抵抗発熱体を有するホットプレ
ート製造を完了した。このようにして製造したホットプ
レートの表面光沢度、面粗度、シリコンウエハの均熱性
および平均気孔径を下記の方法により測定した。さら
に、シリコンウエハに付着したパーティクルの量を測定
した。その結果を下記の表1に示した。
【0111】(比較例3)アルミナを常圧焼結させた以
外は、実施例5と同様にしてホットプレートを製造し
た。このようにして製造したホットプレートの表面光沢
度、面粗度、シリコンウエハの均熱性および平均気孔径
を下記の方法により測定した。さらに、シリコンウエハ
に付着したパーティクルの量を測定した。その結果を下
記の表1に示した。
【0112】(実施例6) ホットプレート 空気中で500℃、1時間焼成した窒化アルミニウム粉
末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量
部、酸化イットリウム(Y23 :イットリア、平均粒
径0.4μm)4重量部、アクリル系樹脂バインダ1
1.5重量部を混合し、六角柱の成形型に入れて窒素雰
囲気中、1890℃、圧力150kg/cm2の条件で
3時間ホットプレスして窒化アルミニウム焼結体を得
た。
【0113】この窒化アルミニウム焼結体を円板状に加
工し、平面研削機でこの板状体の表面を加工し、さらに
♯2000のアルミナ研磨材(マルトー製 アランダ
ム)で研磨した。ついで、粒度1μmダイヤモンドスラ
リー(マルトー製)を用いてフェルトクロスでポリッシ
ングした。 (2)上記(1)で得た焼結体の底面に、スクリーン印
刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、図7
に示したような同心円状のパターンとした。導体ペース
トとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用
されている徳力化学研究所製のソルベストPS603D
を使用した。
【0114】この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであ
り、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸
化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホ
ウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からな
る金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、
銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のもので
あった。
【0115】(3)次に、導体ペーストを印刷した焼結
体を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、
鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、発熱体92
を形成した。銀−鉛の発熱体92は、厚さが5μm、幅
2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。 (4)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム
24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/
l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶液からなる無
電解ニッケルめっき浴に上記(4)で作製した焼結体を
浸漬し、銀−鉛の発熱体92の表面に厚さ1μmの金属
被覆層92a(ニッケル層)を析出させた。
【0116】(5)電源との接続を確保するための端子
を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半
田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成し
た。ついで、半田層の上にコバール製の端子ピン93を
載置して、420℃で加熱リフローし、端子ピン93を
発熱体92の表面に取り付けた。 (6)温度制御のための熱電対を有底孔に挿入し、ポリ
イミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させ、セラ
ミックヒータ10(図9参照)を得た。このようにして
製造したホットプレートの表面光沢度、面粗度、シリコ
ンウエハの均熱性および平均気孔径を下記の方法により
測定した。その結果を下記の表1に示した。このヒータ
の加熱面から100μm離間してシリコンウエハを保持
して450℃まで加熱したが、シリコンウエハと加熱面
が接触したり、あるいはシリコンウエハと加熱面との距
離が大きくなることにより、シリコンウエハ温度が不均
一になることはなかった。
【0117】(実施例7)空気中で500℃、1時間焼
成した炭化ケイ素粉末(屋久島電工社製、平均粒径1.
1μm)100重量部、アクリルバインダ(三井化学社
製、SA−545シリーズ)11.5重量部、炭化ホウ
素4重量部、分散剤0.5重量部、および1−ブタノー
ルとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合
し、スプレードライ法で乾燥させて、顆粒状とし、これ
をホットプレスした。さらに、導体ペーストを印刷する
前に表面にガラスペーストを塗布し、1000℃で焼成
して絶縁層を形成した後、この絶縁層上に導体ペースト
を印刷した。そして、上記のほかは、実施例6と同様に
してホットプレートを製造した。
【0118】(比較例4)炭化ケイ素粉末を焼成せずに
用いたほかは、実施例7と同様にしてホットプレートを
製造した。
【0119】評価方法 (1)平均気孔径の測定 試料を5個用意し、その表面を鏡面研磨し、2000倍
の倍率で表面を電子顕微鏡で10箇所撮影して、撮影さ
れた50ショットの気孔径を平均した。
【0120】(2)シリコンウエハの均熱性の評価 シリコンウエハを吸着させて設定温度450℃まで昇温
した場合に、シリコンウエハの最低温度と最高温度の差
をサーモビュア(日本データム社製 IR162012
−0012)を用いて測定した。 (3)表面光沢度の測定 光沢計(村上色彩製 グロスメーターGM−3D型)を
使用し、入射、反射角60°とし、JIS K7105
5.2項に準じて測定した。基準面は屈折率1.56
7のガラス表面を使用した。
【0121】(4)酸素含有量 実施例および比較例にかかる焼結体と同条件で焼結させ
た試料をタングステン乳鉢で粉砕し、これの0.01g
を採取して試料加熱温度2200℃、加熱時間30秒の
条件で酸素・窒化同時分析装置(LECO社製 TC−
136型)で測定した。 (5)Ra(面粗度)の測定 表面形状測定器(KLA・Tencor社製 P−1
1)を使用し、測定長:50000μm、走査速度:5
0μm/秒、荷重:3mgで実施した。
【0122】(6)チャック力 450℃まで昇温して、ロードセル(島津製作所製 オ
ートグラフ AGS−50A)を使用して測定した。 (7)パーティクル数 静電チャックにシリコンウエハをチャックするか、ホッ
トプレート上に載置して加熱した後、シリコンウエハの
任意の10箇所を電子顕微鏡(2000倍)で観察撮影
して粒子径0.2μm以上のものの個数を計測し、撮影
視野面積で除した。
【0123】
【表1】
【0124】上記表1より明らかなように、実施例1〜
5に係る静電チャックでは、セラミック誘電体膜の表面
光沢度は、2%以上と極めて平坦であり、上記したよう
に、チャック力は450℃で約1kg/cm2 前後と高
い。また、シリコンウエハの温度分布も小さい。これは
シリコンウエハが加熱面に均一に密着しているからであ
る。
【0125】これに対し、比較例1〜3に係る静電チャ
ックでは、セラミック誘電体膜の表面光沢度は、2%未
満と余り平坦でなく、チャック力は450℃で500g
/cm 2 程度しか得られない。また、温度分布が大き
く、シリコンウエハが加熱面に均一に密着していないと
推定される。また、実施例1〜5では、パーティクル数
も30個/cm2 前後であるのに対して、比較例1で
は、500個/cm2 と多くなる。
【0126】また、実施例7のホットプレートでは、光
沢度が30%で、ウエハの温度均一性に優れており、パ
ーティクルの数も少なかった。一方、比較例4のホット
プレートでは、表面の光沢度が1.8%で、ウエハの温
度が不均一となっている。これは、表面の凹凸の密度が
高過ぎて、空気の流れが不均一になったためであると推
定された。なお、比較例1と実施例1の比較からわかる
ように、面粗度(Ra)が小さいこと光沢度が高いこと
とは必ずしも比例しない。Raは凹凸の深さの情報では
あるが、その密度の情報は含まれていない。これに対し
て、光沢度は凹凸の深さと密度の情報の両方を含んでい
ると考えられ、表面光沢度の方がより正確な表面情報で
あるといえる。
【0127】
【発明の効果】以上説明のように、本願発明のセラミッ
ク基板にかかる静電チャックでは、セラミック誘電体膜
が酸素を含有する窒化物セラミックからなり、表面の光
沢度は2%以上であるので、表面の凹凸の深さが小さく
密度が低いため、シリコンウエハ等との接触面積が大き
く、チャック力やシリコンウエハの均熱性に優れる。ま
た、シリコンウエハを加熱面から離間させて加熱した場
合でも、加熱面の凹凸が小さいのだから、シリコンウエ
ハと加熱面との距離のバラツキが小さく、シリコンウエ
ハの均熱性に優れるのである。さらに、このような光沢
度を有するセラミック基板は、焼結性が良好で高密度で
あり、内部の気孔径が従来に比べて小さくなる。また、
焼結体を構成する粒子同士が強固に接合されているの
で、研磨によっても粒子が殆ど脱落せず、パーティクル
が発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック基板の応用である静電チャ
ックの一例を模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示した静電チャックのA−A線断面図で
ある。
【図3】図1に示した静電チャックのB−B線断面図で
ある。
【図4】本発明のセラミック基板の応用である静電チャ
ックの一例を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明のセラミック基板の応用である静電チャ
ックの一例を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明のセラミック基板の応用である静電チャ
ックの一例を模式的に示す断面図である。
【図7】(a)〜(d)は、本発明の応用である静電チ
ャック静電チャックの製造工程の一部を模式的に示す断
面図である。
【図8】本発明の応用である静電チャックを構成する静
電電極の形状を模式的に示した水平断面図である。
【図9】本発明の応用である静電チャックを構成する静
電電極の形状を模式的に示した水平断面図である。
【図10】本発明の応用である静電チャックを支持容器
に嵌め込んだ状態を模式的に示した断面図である。
【図11】本発明のセラミック基板の一実施形態である
ホットプレートを模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
101、201、301、401 静電チャック 1 セラミック基板 2、22、32a、32b チャック正極静電層 3、23、33a、33b チャック負極静電層 2a、3a 半円弧状部 2b、3b 櫛歯部 4 セラミック誘電体膜 5 抵抗発熱体 6、18 外部端子ピン 7 金属線 8 ペルチェ素子 9 シリコンウエハ 11 有底孔 12 貫通孔 13、14 袋孔 15 抵抗発熱体 150 金属層 16、17 スルーホール 41 支持容器 42 冷媒吹き出し口 43 吸入口 44 冷媒注入口 45 断熱材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 35/581 C04B 35/56 101D H01L 21/205 101Q H05B 3/20 328 35/58 104D 104S

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板の内部または表面に導電
    体が形成されたセラミック基板であって、前記セラミッ
    ク基板の表面の光沢度は、2%以上であることを特徴と
    する半導体製造・検査装置用セラミック基板。
  2. 【請求項2】 前記セラミック基板は、酸素含有の窒化
    物セラミックから選ばれる少なくとも1種からなる請求
    項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
  3. 【請求項3】 前記セラミック基板は、複数の酸化物か
    らなる酸化物セラミックである請求項1に記載の半導体
    製造・検査装置用セラミック基板。
  4. 【請求項4】 前記セラミック基板は、酸素含有の炭化
    物セラミックから選ばれる少なくとも1種からなる請求
    項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
  5. 【請求項5】 100〜700℃で使用される請求項1
    〜4のいずれか1に記載の半導体製造・検査装置用セラ
    ミック基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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