JP2001223260A - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JP2001223260A
JP2001223260A JP2000029278A JP2000029278A JP2001223260A JP 2001223260 A JP2001223260 A JP 2001223260A JP 2000029278 A JP2000029278 A JP 2000029278A JP 2000029278 A JP2000029278 A JP 2000029278A JP 2001223260 A JP2001223260 A JP 2001223260A
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JP
Japan
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electrostatic
ceramic
chuck
electrostatic chuck
electrode
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Application number
JP2000029278A
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English (en)
Inventor
Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1〜10kVの電圧を静電電極に印加した場
合にも、上記電極の角部に電場が集中することはなく、
これに起因して誘電体膜等にクラックが発生することの
ない静電チャックを提供する。 【解決手段】 セラミック基板上に静電電極が形成さ
れ、上記静電電極上にセラミック誘電体膜が設けられた
静電チャックにおいて、上記静電電極は、一対の対向電
極からなり、上記対向電極の角部の輪郭は、曲線により
構成されてなることを特徴とする静電チャック。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の詳細な説明〕
【0002】
【従来の技術】半導体は種々の産業において必要とされ
る極めて重要な製品であり、半導体チップは、例えば、
シリコン単結晶を所定の厚さにスライスしてシリコンウ
エハを作製した後、このシリコンウエハに複数の集積回
路等を形成することにより製造される。
【0003】この半導体チップの製造工程においては、
静電チャック上に載置したシリコンウエハに、エッチン
グ、CVD等の種々の処理を施して、導体回路や素子等
を形成する。この際、シリコンウエハは、静電チャック
にしっかりと固定される必要があり、静電チャックに
は、このシリコンウエハを吸着、固定するための静電電
極が形成されている。
【0004】静電的な作用により、シリコンウエハを吸
着させるためには、静電電極とシリコンウエハとの間に
誘電体層が介在している必要があり、さらに、デポジシ
ョン用ガス、エッチング用ガス等として腐食性のガスを
使用するため、これらのガスによる腐食から静電電極層
を保護する必要がある。そのため、静電電極層は、通
常、セラミック誘電体膜等により被覆されている。
【0005】図11は、静電チャックを構成する静電電
極の一例を模式的に示した水平断面図である。図11に
示したように、この静電電極は、チャック正極静電層6
2とチャック負極静電層63とからなり、このチャック
正極静電層62は、半円弧状部62aと櫛歯部62bと
から構成され、チャック負極静電層63も、同じく半円
弧状部63aと櫛歯部63bとから構成されている。
【0006】そして、これらのチャック正極静電層62
とチャック負極静電層63とは、櫛歯部62b、63b
を交差するように対向して配置されており、このチャッ
ク正極静電層62およびチャック負極静電層63には、
それぞれ直流電源の+側と−側とが接続され、直流電圧
が印加されるようになっている。また、シリコンウエハ
9は、接地されている。
【0007】そして、チャック正極静電層62とチャッ
ク負極静電層63とに直流電圧を印加すると、シリコン
ウエハ9とチャック正極静電層62およびチャック負極
静電層63との間に静電気的な相互作用が働き、シリコ
ンウエハ9は、これらの電極にセラミック誘電体膜を介
して吸着され、固定されることとなる。このようにして
シリコンウエハ9を静電チャック101上に固定させた
後、このシリコンウエハ9に、CVD等の種々の処理を
施す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このチ
ャック正極静電層62とチャック負極静電層63では、
図11においてX、Yで示したように、角部(エッジ
部)の輪郭は、直線の組み合わせにより構成され、その
角度もおよそ90°程度か、それよりも小さく、角張っ
た先端部分が存在していた。
【0009】そのため、この電極に数kVの高電圧を印
加すると、X、Y等の角部に電場が集中し、この電場の
影響により誘電体膜が歪んでクラック等が発生しやすく
なるという問題があった。
【0010】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、対向電極の角部に電場が集中しにく
く、これに起因して誘電体膜等にクラックが発生するこ
とのない静電チャックを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、セラ
ミック基板上に電極が形成され、前記電極上にセラミッ
ク誘電体膜が設けられた静電チャックにおいて、上記電
極は、一対の対向電極からなり、上記対向電極の角部の
輪郭は、曲線により構成されてなることを特徴とする。
【0012】上記対向電極の角部は、曲率半径0.01
〜10mmの曲線で構成されてなることが望ましい。曲
率半径0.01mm未満では、結局電場の集中により、
誘電体膜が歪んでクラック等が発生しやすくなり、逆に
10mmを超えると電極が形成されないデッドスペース
が多くなり、チャック力が低下してしまうからである。
特に、曲率半径は、0.02〜5mmが最適である。製
造時に電極が剥離したり、欠損しにくいからである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の静電チャックは、セラミ
ック基板上にチャック力を誘起するための電極(以下、
静電電極と呼ぶ)が形成され、上記静電電極上にセラミ
ック誘電体膜が設けられた静電チャックにおいて、上記
静電電極は、一対の対向電極からなり、上記対向電極の
角部の輪郭の少なくとも一部は、曲線により構成されて
なることを特徴とする。
【0014】本発明の静電チャックでは、対向電極の角
部の輪郭の全部または一部が曲線により構成されてお
り、曲線部分は、直線を組み合わせた屈曲形状のものと
比較すると、角部に電場が集中しにくいため、電場の影
響によりセラミック誘電体膜に歪みが発生することはな
く、これに起因して、クラックが発生することもない。
従って、本発明の静電チャックでは、セラミック誘電体
膜の耐電圧も結果的に高くなり、静電電極に1〜10k
V等の高電圧を印加することができるため、シリコンウ
エハの吸着力が大きくなる。
【0015】図1は、本発明の静電チャックの一実施形
態を模式的に示した縦断面図であり、図2は、図1に示
した静電チャックにおけるA−A線断面図であり、図3
は、図1に示した静電チャックにおけるB−B線断面図
である。
【0016】この静電チャック101では、平面視円形
状のセラミック基板1の表面に、半円弧状部2aと櫛歯
部2bとからなるチャック正極静電層2と、同じく半円
弧状部3aと櫛歯部3bとからなるチャック負極静電層
3とから構成される静電電極層が形成され、この静電電
極層上にセラミック誘電体膜4が形成されている。
【0017】また、このチャック正極静電層2およびチ
ャック負極静電層3には、それぞれ直流電源の+側と−
側とが接続され、直流電圧V2 が印加されるようになっ
ている。一方、この静電チャック101上には、シリコ
ンウエハ9が載置され、接地されている。
【0018】この静電電極は、その形状が従来の場合と
異なっている。すなわち、チャック正極静電層2及びチ
ャック負極静電層3の角部は、その輪郭が滑らかな曲線
により構成されており、尖った部分が存在しない。従っ
て、チャック正極静電層2とチャック負極静電層3との
間に、1〜10kVの直流電圧V2 を印加した際にも、
電場が角部に集中することはない。
【0019】一方、セラミック基板1の内部には、シリ
コンウエハ9の温度をコントロールするために、図3に
示したような平面視同心円形状の抵抗発熱体5が設けら
れており、抵抗発熱体5の両端には、外部端子ピン6が
接続、固定され、電圧V1 が印加されるようになってい
る。また、図1、2には示していないが、このセラミッ
ク基板1には、図3に示したように、測温素子を挿入す
るための有底孔11とシリコンウエハ9を支持して上下
させる支持ピン(図示せず)を挿通するための貫通孔1
2が形成されている。なお、抵抗発熱体5は、セラミッ
ク基板の底面に形成されていてもよい。
【0020】そして、チャック正極静電層2とチャック
負極静電層3との間に直流電圧V2 を印加すると、シリ
コンウエハ9は、チャック正極静電層2とチャック負極
静電層3との静電的な作用により、セラミック誘電体膜
4上に吸着、固定される。
【0021】本発明の静電チャックは、例えば、図1〜
3に示したような構成を有するものである。以下におい
て、上記静電チャックを構成する各部材、および、本発
明の静電チャックの他の実施形態について、順次、詳細
に説明していくことにする。
【0022】本発明の静電チャックを構成するセラミッ
ク誘電体膜は、セラミック基板上に形成された静電電極
を被覆するように設けられている。このセラミック誘電
体膜を構成するセラミック材料は特に限定されるもので
はなく、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミッ
ク、酸化物セラミック等が挙げられる。
【0023】上記窒化物セラミックとしては、金属窒化
物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ
素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。また、上
記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、
例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、
炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。
【0024】上記酸化物セラミックとしては、金属酸化
物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージ
ェライト、ムライト等が挙げられる。これらのセラミッ
クは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比
べて望ましい。熱伝導率が高いからである。また、窒化
物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適であ
る。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからであ
る。
【0026】通常、窒化物セラミック中には、金属酸化
物が含まれていることが好ましい。これらは、焼結助剤
として働き、焼結が進行しやすくなり、内部の気孔が小
さくなるため、セラミック誘電体膜の耐電圧が改善され
るからである。
【0027】上記金属酸化物としては、例えば、イット
リヤ(Y23 )、アルミナ(Al23 )、酸化ルビ
ジウム(Rb2 O)、酸化リチウム(Li2 O)、炭酸
カルシウム(CaCO3 )等が挙げられる。これらの金
属酸化物の添加量は、窒化物セラミック100重量部に
対して、1〜10重量部が好ましい。
【0028】上記セラミック誘電体膜は、カーボンを含
有していることが望ましい。セラミック誘電体膜の高温
(約500℃前後)における熱伝導率を低下させたくな
い場合には、結晶性のカーボンを添加することが望まし
く、高温における体積抵抗率を低下させたくない場合に
は、非晶質のカーボンを添加することが望ましい。従っ
て、場合によっては、その両方を添加することにより、
体積抵抗率と熱伝導率との両方を適切に調整することが
できる。カーボンの結晶性は、ラマンスペクトルを測定
した際の1550cm-1付近と1333cm-1付近のピ
ークの大きさにより判断することができる。
【0029】セラミック誘電体膜にカーボンを含有させ
る場合、その含有量は、100〜2000ppmが好ま
しい。カーボンの含有量が100ppm未満であると、
輻射熱が低くなるとともに、静電電極を隠蔽することが
困難となり、一方、カーボンの含有量が2000ppm
を超えると、緻密化や体積抵抗率の低下を抑制すること
が困難となる。
【0030】セラミック誘電体膜中のカーボンを非晶質
とするためには、原料粉末と樹脂等と溶剤とを混合して
成形体を製造する際に、加熱した場合においても結晶質
となりにくい樹脂や炭水化物等を添加し、酸素の少ない
雰囲気または非酸化性の雰囲気で成形体の脱脂を行えば
よい。また、ショ糖等の加熱等により非晶質となりやす
い炭水化物や樹脂を加熱することにより、非晶質のカー
ボンを製造し、それを添加してもよい。さらに、結晶質
のカーボンを添加する場合には、結晶質のカーボンブラ
ックや、グラファイトを粉砕して粉末化したものを使用
すればよい。
【0031】上記セラミック誘電体膜の厚さは、50〜
5000μmであることが望ましい。上記セラミック誘
電体膜の厚さが50μm未満であると、膜厚が薄すぎる
ために充分な耐電圧が得られず、シリコンウエハを載置
し、吸着した際にセラミック誘電体膜が絶縁破壊する場
合があり、一方、上記セラミック誘電体膜の厚さが50
00μmを超えると、シリコンウエハと静電電極との距
離が遠くなるため、シリコンウエハを吸着する能力が低
くなってしまうからである。セラミック誘電体膜の厚さ
は、50〜1500μmがより好ましい。
【0032】また、上記セラミック誘電体膜の気孔率
は、5%以下で、最大気孔の気孔径が50μm以下であ
ることが望ましい。上記気孔率が5%を超えると、セラ
ミック誘電体膜中の気孔数が増加し、また、気孔径が大
きくなりすぎ、その結果、気孔同士が連通しやすくな
り、このような構造のセラミック誘電体膜では、耐電圧
が低下してしまうからである。また、最大気孔の気孔径
が50μmを超えると、セラミック誘電体膜の厚さに対
する気孔径の比率が大きくなり、また、気孔同士か連通
する割合も多くなるため、やはり耐電圧が低下してしま
うからである。気孔率は、0または3%以下がより好ま
しく、最大気孔の気孔径は、0または10μm以下がよ
り好ましい。
【0033】気孔率や最大気孔の気孔径は、焼結時の加
圧時間、圧力、温度、SiCやBNなどの添加物で調整
する。SiCやBNは焼結を阻害するため、気孔を導入
させることができる。最大気孔の気孔径の測定は、試料
を5個用意し、その表面を鏡面研磨し、2000〜50
00倍の倍率で表面を電子顕微鏡で10箇所撮影するこ
とにより行う。そして、撮影された写真で最大の気孔径
を選び、50ショットの平均を最大気孔の気孔径とす
る。
【0034】気孔率は、アルキメデス法により測定す
る。焼結体を粉砕して有機溶媒中あるいは水銀中に粉砕
物を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積から真比
重を求め、真比重と見かけの比重から気孔率を計算する
のである。なお、上記のように、セラミック誘電体膜中
にある程度の気孔があってもよいとしているのは、セラ
ミック誘電体膜の表面にある程度の開気孔が存在する方
が、デチャックをスムーズに行うことができるからであ
る。
【0035】上記セラミック誘電体膜中には、0.1〜
5重量%の酸素を含有してなることが望ましい。0.1
重量%未満では、耐電圧を確保することができず、逆に
5重量%を超えると酸化物の高温耐電圧特性の低下によ
り、耐電圧はやはり低下してしまうからである。また、
酸素量が5重量%を超えると熱伝導率が低下して昇温降
温特性が低下するからである。上記窒化物セラミックに
酸素を含有させるため、通常、窒化物セラミックの原料
粉末を空気中または酸素中で加熱するか、原料粉末に金
属酸化物を混合して焼成を行う。上記金属酸化物として
は、例えば、イットリヤ(Y23 )、アルミナ(Al
23 )、酸化ルビジウム(Rb2 O)、酸化リチウム
(Li2 O)、炭酸カルシウム(CaCO3 )等が挙げ
られる。これらの金属酸化物の添加量は、窒化物セラミ
ック100重量部に対して、1〜10重量部が好まし
い。
【0036】セラミック基板上に形成される静電電極と
しては、例えば、金属または導電性セラミックの焼結
体、金属箔等が挙げられる。金属焼結体としては、タン
グステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種から
なるものが好ましい。金属箔も、金属焼結体と同じ材質
からなることが望ましい。これらの金属は比較的酸化し
にくく、電極として充分な導電性を有するからである。
また、導電性セラミックとしては、タングステン、モリ
ブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1種を使用する
ことができる。
【0037】図4および図5は、他の静電チャックにお
ける静電電極を模式的に示した水平断面図であり、図4
に示す静電チャック20では、セラミック基板1の内部
に半円形状のチャック正極静電層22とチャック負極静
電層23が形成されており、図5に示す静電チャックで
は、セラミック基板1の内部に円を4分割した形状のチ
ャック正極静電層32a、32bとチャック負極静電層
33a、33bが形成されている。また、2枚の正極静
電層22a、22bおよび2枚のチャック負極静電層3
3a、33bは、それぞれ交差するように形成されてい
る。静電チャックには、RF電極を設けておいてもよ
く、静電電極は、セラミック基板の両面にあってもよ
い。
【0038】図4および図5に示した静電電極における
角部は、従来の場合と異なり、いずれもその輪郭が曲線
により構成されており、1〜10kVの電圧を印加した
場合にも、電場が角部に集中しないようになっている。
なお、円形等の電極が分割された形態の電極を形成する
場合、その分割数は特に限定されず、5分割以上であっ
てもよく、その形状も扇形に限定されない。
【0039】本発明の静電チャックで使用されるセラミ
ック基板の材質としては、例えば、窒化物セラミック、
炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられる。
上記窒化物セラミック、上記炭化物セラミック、上記酸
化物セラミックとしては、例えば、セラミック誘電体膜
の説明で記載したものが挙げられる。
【0040】これらのセラミックの中では、窒化物セラ
ミックが望ましい。窒化物セラミックは熱伝導率が高
く、抵抗発熱体で発生した熱を良好に伝達することがで
きるからである。また、セラミック誘電体膜とセラミッ
ク基板とは同じ材料であることが望ましい。この場合、
同じ方法で作製したグリーンシートを積層し、同一条件
で焼成することにより、容易に製造することができるか
らである。また、窒化物セラミックの中では窒化アルミ
ニウムが最も好適である。熱伝導率が180W/m・K
と最も高いからである。
【0041】上記セラミック基板は、カーボンを含有し
ていてもよい。これにより、高輻射熱が得られるからで
ある。カーボンの含有量は、100〜2000ppm程
度が好ましい。カーボンとしては、X線回折で検出可能
な結晶質または検出不能な非晶質の一方を用いてもよ
く、結晶質および非晶質の両方を用いてもよい。
【0042】本発明の静電チャックでは、通常、図1に
示したように、抵抗発熱体等の温度制御手段が設けられ
ている。静電チャック上に載置したシリコンウエハの加
熱等を行いながら、CVD処理等を行う必要があるから
である。
【0043】上記温度制御手段としては、図3に示した
抵抗発熱体5のほかに、ペルチェ素子(図8参照)が挙
げられる。抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に設け
てもよく、セラミック基板の底面に設けてもよい。抵抗
発熱体を設ける場合は、静電チャックを嵌め込む支持容
器に、冷却手段としてエアー等の冷媒の吹きつけ口など
を設けてもよい。
【0044】抵抗発熱体をセラミック基板の内部に設け
る場合には、複数層設けてもよい。この場合は、各層の
パターンは相互に補完するように形成されて、加熱面か
らみるとどこかの層にパターンが形成された状態が望ま
しい。例えば、互いに千鳥の配置になっている構造であ
る。
【0045】抵抗発熱体としては、例えば、金属または
導電性セラミックの焼結体、金属箔、金属線等が挙げら
れる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデン
から選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの金属
は比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有す
るからである。
【0046】また、導電性セラミックとしては、タング
ステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1
種を使用することができる。さらに、セラミック基板の
底面に抵抗発熱体を形成する場合には、金属焼結体とし
ては、貴金属(金、銀、パラジウム、白金)、ニッケル
を使用することが望ましい。具体的には銀、銀−パラジ
ウムなどを使用することができる。上記金属焼結体に使
用される金属粒子は、球状、リン片状、もしくは球状と
リン片状の混合物を使用することができる。
【0047】金属焼結体中には、金属酸化物を添加して
もよい。上記金属酸化物を使用するのは、セラミック基
板と金属粒子を密着させるためである。上記金属酸化物
により、セラミック基板と金属粒子との密着性が改善さ
れる理由は明確ではないが、金属粒子の表面はわずかに
酸化膜が形成されており、セラミック基板は、酸化物の
場合は勿論、非酸化物セラミックである場合にも、その
表面には酸化膜が形成されている。従って、この酸化膜
が金属酸化物を介してセラミック基板表面で焼結して一
体化し、金属粒子とセラミック基板とが密着するのでは
ないかと考えられる。
【0048】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリア、チタニアから選ばれる少なくとも1
種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗発熱体の抵抗値
を大きくすることなく、金属粒子とセラミック基板との
密着性を改善できるからである。
【0049】上記金属酸化物は、金属粒子100重量部
に対して0.1重量部以上10重量部未満であることが
望ましい。この範囲で金属酸化物を用いることにより、
抵抗値が大きくなりすぎず、金属粒子とセラミック基板
との密着性を改善することができるからである。
【0050】また、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホ
ウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの
割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合
に、酸化鉛が1〜10重量部、シリカが1〜30重量
部、酸化ホウ素が5〜50重量部、酸化亜鉛が20〜7
0重量部、アルミナが1〜10重量部、イットリアが1
〜50重量部、チタニアが1〜50重量部が好ましい。
但し、これらの合計が100重量部を超えない範囲で調
整されることが望ましい。これらの範囲が特にセラミッ
ク基板との密着性を改善できる範囲だからである。
【0051】抵抗発熱体をセラミック基板の底面に設け
る場合は、抵抗発熱体15の表面は、金属層150で被
覆されていることが望ましい(図6参照)。抵抗発熱体
15は、金属粒子の焼結体であり、露出していると酸化
しやすく、この酸化により抵抗値が変化してしまう。そ
こで、表面を金属層150で被覆することにより、酸化
を防止することができるのである。
【0052】金属層150の厚さは、0.1〜10μm
が望ましい。抵抗発熱体の抵抗値を変化させることな
く、抵抗発熱体の酸化を防止することができる範囲だか
らである。被覆に使用される金属は、非酸化性の金属で
あればよい。具体的には、金、銀、パラジウム、白金、
ニッケルから選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。
なかでもニッケルがさらに好ましい。抵抗発熱体には電
源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半
田を介して抵抗発熱体に取り付けるが、ニッケルは半田
の熱拡散を防止するからである。接続端子しては、コバ
ール製の端子ピンを使用することができる。
【0053】なお、抵抗発熱体をヒータ板内部に形成す
る場合は、抵抗発熱体表面が酸化されることがないた
め、被覆は不要である。抵抗発熱体をヒータ板内部に形
成する場合、抵抗発熱体の表面の一部が露出していても
よい。
【0054】抵抗発熱体として使用する金属箔として
は、ニッケル箔、ステンレス箔をエッチング等でパター
ン形成して抵抗発熱体としたものが望ましい。パターン
化した金属箔は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよ
い。金属線としては、例えば、タングステン線、モリブ
デン線等が挙げられる。
【0055】温度制御手段としてペルチェ素子を使用す
る場合は、電流の流れる方向を変えることにより発熱、
冷却両方行うことができるため有利である。ペルチェ素
子8は、図8に示すように、p型、n型の熱電素子81
を直列に接続し、これをセラミック板82などに接合さ
せることにより形成される。ペルチェ素子としては、例
えば、シリコン・ゲルマニウム系、ビスマス・アンチモ
ン系、鉛・テルル系材料等が挙げられる。
【0056】本発明における静電チャックとしては、例
えば、図1に示すように、セラミック基板1とセラミッ
ク誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック
負極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の内部に
は抵抗発熱体5が設けられた構成の静電チャック10
1、図6に示すように、セラミック基板1とセラミック
誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負
極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の底面に抵
抗発熱体15が設けられた構成の静電チャック201、
図7に示すように、セラミック基板1とセラミック誘電
体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静
電層3とが設けられ、セラミック基板1の内部に抵抗発
熱体である金属線7が埋設された構成の静電チャック3
01、図8に示すように、セラミック基板1とセラミッ
ク誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック
負極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の底面に
熱電素子81とセラミック板82からなるペルチェ素子
8が形成された構成の静電チャック401等が挙げられ
る。
【0057】本発明では、図1〜3および図6〜8に示
したように、セラミック基板1とセラミック誘電体膜4
との間にチャック正極静電層2とチャック負極静電層3
とが設けられ、セラミック基板1の内部に抵抗発熱体5
や金属線7が形成されているため、これらと外部端子と
を接続するための接続部(スルーホール)16、17が
必要となる。スルーホール16、17は、タングステン
ペースト、モリブデンペーストなどの高融点金属、タン
グステンカーバイド、モリブデンカーバイドなどの導電
性セラミックを充填することにより形成される。
【0058】また、接続部(スルーホール)16、17
の直径は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止し
つつ、クラックや歪みを防止できるからである。このス
ルーホールを接続パッドとして外部端子ピン6、18を
接続する(図9(d)参照)。
【0059】接続は、半田、ろう材により行う。ろう材
としては銀ろう、パラジウムろう、アルミニウムろう、
金ろうを使用する。金ろうとしては、Au−Ni合金が
望ましい。Au−Ni合金は、タングステンとの密着性
に優れるからである。
【0060】Au/Niの比率は、〔81.5〜82.
5(重量%)〕/〔18.5〜17.5(重量%)〕が
望ましい。Au−Ni層の厚さは、0.1〜50μmが
望ましい。接続を確保するに充分な範囲だからである。
また、10-6〜10-5Paの高真空で500〜1000
℃の高温で使用するとAu−Cu合金では劣化するが、
Au−Ni合金ではこのような劣化がなく有利である。
また、Au−Ni合金中の不純物元素量は全量を100
重量部とした場合に1重量部未満であることが望まし
い。
【0061】本発明では、必要に応じて、セラミック基
板1の有底孔12に熱電対を埋め込んでおくことができ
る。熱電対により抵抗発熱体の温度を測定し、そのデー
タをもとに電圧、電流量を変えて、温度を制御すること
ができるからである。熱電対の金属線の接合部位の大き
さは、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それより
も大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構
成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正
確に、また、迅速に電流値に変換されるのである。この
ため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布
が小さくなるのである。上記熱電対としては、例えば、
JIS−C−1602(1980)に挙げられるよう
に、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電対
が挙げられる。
【0062】図10は、以上のような構成の本発明の静
電チャックを配設するための支持容器41を模式的に示
した断面図である。支持容器41には、静電チャック1
01が断熱材45を介して嵌め込まれるようになってい
る。また、この支持容器11には、冷媒吹き出し口42
が形成されており、冷媒注入口44から冷媒が吹き込ま
れ、冷媒吹き出し口42を通って吸引口43から外部に
出ていくようになっており、この冷媒の作用により、静
電チャック101を冷却することができるようになって
いる。
【0063】次に、本発明の静電チャックの製造方法の
一例を図9に示した断面図に基づき説明する。 (1)まず、酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭
化物セラミックなどのセラミックの粉体をバインダおよ
び溶剤と混合してグリーンシート50を得る。前述した
セラミック粉体としては、例えば、窒化アルミニウム、
炭化ケイ素などを使用することができ、必要に応じて、
イットリアなどの焼結助剤などを加えてもよい。
【0064】なお、後述する静電電極層印刷体51が形
成されたグリーンシートの上に積層する数枚または1枚
のグリーンシート50′は、セラミック誘電体膜4とな
る層である。通常、セラミック誘電体膜4の原料とセラ
ミック基板1の原料とは、同じものを使用することが望
ましい。これらは、一体として焼結することが多いた
め、焼成条件が同じになるからである。ただし、材料が
異なる場合には、まず先にセラミック基板を製造してお
き、その上に静電電極層を形成し、さらにその上にセラ
ミック誘電体膜を形成することもできる。
【0065】通常用いられるバインダとしては、アクリ
ル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、
ポリビニルアルコール等が挙げられ、これらから選ばれ
る少なくとも1種は、セラミック基板を形成するための
バインダとして用いることができる。さらに、溶媒とし
ては、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少
なくとも1種が望ましい。これらを混合して得られるペ
ーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリ
ーンシート50を作製する。
【0066】グリーンシート50に、必要に応じてシリ
コンウエハの支持ピンを挿通する貫通孔や熱電対を埋め
込む凹部を設けておくことができる。貫通孔や凹部は、
パンチングなどで形成することができる。グリーンシー
ト50の厚さは、0.1〜5mm程度が好ましい。
【0067】次に、グリーンシート50に静電電極層や
抵抗発熱体となる導体ペーストを印刷する。印刷は、グ
リーンシート50の収縮率を考慮して所望のアスペクト
比が得られるように行い、これにより静電電極層印刷体
51、抵抗発熱体層印刷体52を得る。印刷体は、導電
性セラミック、金属粒子などを含む導体ペーストを印刷
することにより形成する。
【0068】これらの導体ペースト中に含まれる導電性
セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブデ
ンの炭化物が最適である。酸化しにくく、熱伝導率が低
下しにくいからである。また、金属粒子としては、例え
ば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケルなどを
使用することができる。
【0069】導電性セラミック粒子、金属粒子の平均粒
子径は0.1〜5μmが好ましい。これらの粒子は、大
きすぎても小さすぎても導体用ペーストを印刷しにくい
からである。このようなペーストとしては、金属粒子ま
たは導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル
系、エチルセルロース、ブチルセロソルブおよびポリビ
ニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ
1.5〜10重量部、α−テルピネオール、グリコー
ル、エチルアルコールおよびブタノールから選ばれる少
なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調製
した導体用ぺーストが最適である。さらに、パンチング
等で形成した孔に、導体用ペーストを充填してスルーホ
ール印刷体53、54を得る。
【0070】次に、図9(a)に示すように、印刷体5
1、52、53、54を有するグリーンシート50と、
印刷体を有さないグリーンシート50′とを積層する。
静電電極層印刷体51が形成されたグリーンシート上に
は、上述した構成の数枚または1枚のグリーンシート5
0′を積層する。抵抗発熱体形成側に印刷体を有さない
グリーンシート30′を積層するのは、スルーホールの
端面が露出して、抵抗発熱体形成の焼成の際に酸化して
しまうことを防止するためである。もしスルーホールの
端面が露出したまま、抵抗発熱体形成の焼成を行うので
あれば、ニッケルなどの酸化しにくい金属をスパッタリ
ングする必要があり、さらに好ましくは、Au−Niの
金ろうで被覆してもよい。
【0071】(2)次に、図9(b)に示すように、積
層体の加熱および加圧を行い、グリーンシートおよび導
体ペーストを焼結させる。加熱温度は、1000〜20
00℃、加圧は100〜200kg/cm2 が好まし
く、これらの加熱および加圧は、不活性ガス雰囲気下で
行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用
することができる。この工程で、スルーホール16、1
7、チャック正極静電層2、チャック負極静電層3、抵
抗発熱体5等が形成される。
【0072】(3)次に、図9(c)に示すように、外
部端子接続のための袋孔13、14を設ける。袋孔1
3、14の内壁は、その少なくともその一部が導電化さ
れ、導電化された内壁は、チャック正極静電層2、チャ
ック負極静電層3、抵抗発熱体5等と接続されているこ
とが望ましい。
【0073】(7)最後に、図9(d)に示すように、
袋孔13、14に金ろうを介して外部端子6、18を設
ける。さらに、必要に応じて、有底孔12を設け、その
内部に熱電対を埋め込むことができる。半田は銀−鉛、
鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することが
できる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50μmが望
ましい。半田による接続を確保するに充分な範囲だから
である。
【0074】なお、上記説明では静電チャック101
(図1参照)を例にしたが、静電チャック201(図6
参照)を製造する場合は、静電電極層を有するセラミッ
ク板を製造した後、このセラミック板の底面に導体ペー
ストを印刷、焼成し、抵抗発熱体15を形成し、この
後、無電解めっき等により金属層150を形成すればよ
い。また、静電チャック301(図7参照)を製造する
場合は、セラミック粉末中に金属箔、金属線を静電電極
や抵抗発熱体として埋め込み、焼結すればよい。さら
に、静電チャック401(図8参照)を製造する場合
は、静電電極層を有するセラミック板を製造した後、こ
のセラミック板に溶射金属層を介してペルチェ素子を接
合すればよい。
【0075】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1)静電チャック(図1参照)の製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:
0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量
部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノ
ールとからなるアルコール53重量部を混合したペース
トを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚
さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0076】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8m
m、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハ支持ピンを
挿通する貫通孔となる部分、外部端子と接続するための
スルーホールとなる部分を設けた。
【0077】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合
して導体ペーストBを調製した。この導体ペーストAを
グリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペース
ト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとし
た。また、他のグリーンシートに図2に示した角部の輪
郭が滑らかな曲線より構成される形状の静電電極パター
ンからなる導体ペースト層を形成した。なお、スクリー
ン印刷に使用されるスクリーン版は、ムラカミ社製、S
US ♯325、乳剤厚5μmのものを使用した。この
スクリーン版は、ステンレス板をエッチングして製造さ
れており、微細な曲率をもったパターンを印刷すること
ができる。以後の実施例、比較例はすべてこのスクリー
ン版を使用した。
【0078】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシート50に、さらに、タングス
テンペーストを印刷しないグリーンシート50′を上側
(加熱面)に34枚、下側に13枚積層し、その上に静
電電極パターンからなる導体ペースト層を印刷したグリ
ーンシート50を積層し、さらにその上にタングステン
ペーストを印刷していないグリーンシート50′を2枚
積層し、これらを130℃、80kg/cm2 の圧力で
圧着して積層体を形成した(図9(a))。
【0079】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150
kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒
化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板
状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発
熱体5および厚さ10μmのチャック正極静電層2、チ
ャック負極静電層3を有する窒化アルミニウム製の板状
体とした(図9(b))。
【0080】(5)次に、(4)で得られた板状体を、
ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、Si
C等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔
(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
【0081】(6)さらに、スルーホールが形成されて
いる部分をえぐり取って袋孔13、14とし(図9
(c))、この袋孔13、14にNi−Auからなる金
ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の
外部端子6、18を接続させた(図9(d))。なお、
外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点で支持
する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができ
るからである。
【0082】(7)次に、温度制御のための複数の熱電
対を有底孔に埋め込み、抵抗発熱体を有する静電チャッ
クの製造を完了した。
【0083】(実施例2)静電チャック(図6参照)の
製造 (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:
0.4μm)4重量部、アクリルバインダー11.5重
量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタ
ノールとからなるアルコール53重量部を混合したペー
ストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、
厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
【0084】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8m
m、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハ支持ピンを
挿通する貫通孔となる部分、外部端子と接続するための
スルーホールとなる部分を設けた。
【0085】(3)平均粒子径1μmのタングステンカ
ーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0
重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分
散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製し
た。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量
部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオ
ール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合
して導体ペーストBを調製した。この導体ペーストAを
グリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、図5に示し
た角部の輪郭が滑らかな曲線から構成される形状の静電
電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
【0086】さらに、外部端子を接続するためのスルー
ホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処
理の終わったグリーンシート50に、さらに、タングス
テンペーストを印刷しないグリーンシート50′を上側
(加熱面)に1枚、下側に48枚積層し、これらを13
0℃、80kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形成
した。
【0087】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150
kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒
化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板
状に切り出し、内部に厚さ15μmのチャック正極静電
層2およびチャック負極静電層3を有する窒化アルミニ
ウム製の板状体とした。
【0088】(5)上記(4)で得た板状体の底面にマ
スクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱
電対のための凹部(図示せず)等を設けた。
【0089】(6)次に、ウエハ載置面に対向する面
(底面)に抵抗発熱体15を印刷した。印刷は導体ペー
ストを用いた。導体ペーストは、プリント配線板のスル
ーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソル
ベストPS603Dを使用した。この導体ペーストは、
銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸
化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞれの重
量比率は、5/55/10/25/5)を銀100重量
部に対して7.5重量部含むものであった。また、銀の
形状は平均粒径4.5μmでリン片状のものであった。
【0090】(7)導体ペーストを印刷した板状体を7
80℃で加熱焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結
させるとともにセラミック基板に焼き付けた。さらに硫
酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモ
ニウム30g/lおよびロッシェル塩60g/lを含む
水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に板状体を浸漬
して、銀の焼結体15の表面に厚さ1μm、ホウ素の含
有量が1重量%以下のニッケル層150を析出させた。
この後、板状体に、120℃で3時間アニーリング処理
を施した。銀の焼結体からなる抵抗発熱体は、厚さが5
μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が7.7mΩ/
□であった。
【0091】(8)次に、セラミック基板にスルーホー
ル16を露出させるための袋孔を設けた。この袋孔にN
i−Au合金(Au81.5重量%、Ni18.4重量
%、不純物0.1重量%)からなる金ろうを用い、97
0℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子ピンを接
続させた。また、抵抗発熱体に半田(スズ9/鉛1)を
介してコバール製の外部端子ピンを形成した。
【0092】(9)次に、温度制御のための複数熱電対
を凹部に埋め込み、静電チャック201を得た。
【0093】(10)次に、この静電チャック201を
図10の断面形状を有するステンレス製の支持容器41
にセラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビ
ウール)からなる断熱材45を介して嵌め込んだ。この
支持容器41は冷却ガスの冷媒吹き出し口42を有し、
静電チャック201の温度調整を行うことができる。こ
の支持容器41に嵌め込まれた静電チャック201の抵
抗発熱体15に通電を行って、温度を上げ、また、支持
容器に冷媒を流して静電チャック201の温度を制御し
たが、極めて良好に温度を制御することができた。
【0094】(実施例3) 静電チャック301(図
7)の製造 (1)厚さ10μmのタングステン箔を打抜き加工する
ことにより図4に示した角部の輪郭が滑らかな曲線から
構成される形状の電極2枚を形成した。この電極2枚と
タングステン線を窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社
製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア
(平均粒径0.4μm)4重量部とともに、成形型中に
入れて窒素ガス中で1890℃、圧力150kg/cm
2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニ
ウム板状体を得た。これを直径230mmの円状に切り
出して板状体とした。このとき、静電電極層の厚さは、
10μmであった。
【0095】(2)この板状体に対し、実施例1の
(5)〜(7)の工程を実施し、静電チャック301を
得た。
【0096】(実施例4) 静電チャック401(図
8)の製造 実施例2の(1)〜(5)の工程を実施した後、さらに
底面にニッケルを溶射し、この後、鉛・テルル系のペル
チェ素子を接合させることにより、静電チャック401
を得た。
【0097】(比較例1)グリーンシートに図11に示
した角部の輪郭が直線の組み合わせにより構成される形
状の静電電極パターンからなる導体ペースト層を形成し
たほかは、実施例1と同様にして静電チャックを製造し
た。
【0098】(比較例2)グリーンシートに図5に示し
た形状とほぼ同様の形状で、角部の輪郭が直線の組み合
わせにより構成される静電電極パターンからなる導体ペ
ースト層を形成したほかは、実施例2と同様にして静電
チャックを製造した。
【0099】実施例1〜4および比較例1〜2の抵抗発
熱体を有する静電チャックについて、静電電極の曲率半
径を測定するとともに、10kVの電圧を印加した後、
誘電体膜を顕微鏡で観察することによりクラックが発生
するか否かを判断した。また、450℃におけるチャッ
ク力も測定した。その結果を下記の表1に示した。
【0100】
【表1】
【0101】上記表1より明らかなように、実施例1〜
4に係る静電チャックでは、セラミック誘電体膜にクラ
ック等は全く発生していなかった。また、チャック力も
1000g/cm2 程度を確保できる。
【0102】これに対し、比較例1〜2に係る静電チャ
ックでは、セラミック誘電体膜にクラックが発生した
り、チャック力が充分ではない。高電圧を印加した際、
電極の角部への電場の集中によりセラミック誘電体膜に
歪みが発生し、この歪みに起因してクラックが発生し、
絶縁破壊してしまったからであると考えられる。また、
曲率半径を大きくすると電極面積が小さくなり、チャッ
ク力が低下する。
【0103】
【発明の効果】以上説明のように、本発明の静電チャッ
クでは、静電電極を構成する一対の対向電極の角部の輪
郭が曲線により構成されているので、1〜10kVの電
圧を静電電極に印加した場合にも、上記電極の角部に電
場が集中することはなく、この電場の影響でセラミック
誘電体膜が歪むことはなく、歪みに起因してクラックが
発生することもない。また、充分なチャック力が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電チャックの一例を模式的に示す断
面図である。
【図2】図1に示した静電チャックのA−A線断面図で
ある。
【図3】図1に示した静電チャックのB−B線断面図で
ある。
【図4】本発明の静電チャックを構成する静電電極の形
状を模式的に示した水平断面図である。
【図5】本発明の静電チャックを構成する静電電極の形
状を模式的に示した水平断面図である。
【図6】本発明の静電チャックの一例を模式的に示す断
面図である。
【図7】本発明の静電チャックの一例を模式的に示す断
面図である。
【図8】本発明の静電チャックの一例を模式的に示す断
面図である。
【図9】(a)〜(d)は、本発明の静電チャックの製
造工程の一部を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の静電チャックを支持容器に嵌め込ん
だ状態を模式的に示した断面図である。
【図11】従来の静電チャックの水平断面図である。
【符号の説明】
101、201、301、401 静電チャック 1 セラミック基板 2、22、32a、32b チャック正極静電層 3、23、33a、33b チャック負極静電層 2a、3a 半円弧状部 2b、3b 櫛歯部 4 セラミック誘電体膜 5 抵抗発熱体 6、18 外部端子ピン 7 金属線 8 ペルチェ素子 9 シリコンウエハ 11 有底孔 12 貫通孔 13、14 袋孔 15 抵抗発熱体 150 金属層 16、17 スルーホール 41 支持容器 42 冷媒吹き出し口 43 吸入口 44 冷媒注入口 45 断熱材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板上に電極が形成され、前
    記電極上にセラミック誘電体膜が設けられた静電チャッ
    クにおいて、前記電極は、一対の対向電極からなり、前
    記対向電極の角部の輪郭は、曲線により構成されてなる
    ことを特徴とする静電チャック。
  2. 【請求項2】 前記対向電極の角部は、曲率半径0.0
    1〜10mmの曲線で構成されてなる請求項1に記載の
    静電チャック。
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