JP2004172637A - 半導体製造・検査装置用セラミック基板 - Google Patents

半導体製造・検査装置用セラミック基板 Download PDF

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Abstract

【課題】 焼結性が良好で高密度であり、内部の気孔径が小さく、焼結体を構成する粒子同士が強固に接合されているので、研磨によっても粒子が殆ど脱落せず、平坦な表面が形成された半導体製造・検査装置用セラミック基板を提供すること。
【解決手段】 セラミック基板の内部または表面に導電体が形成されたセラミック基板において、前記セラミック基板の表面の光沢度は、2%以上であることを特徴とする半導体製造・検査装置用セラミック基板。
【選択図】 図1

Description

本発明は、主に半導体産業において使用される半導体製造・検査装置用セラミック基板に関し、特には、静電チャック、ホットプレートに使用できる半導体製造・検査装置用セラミック基板に関する。
半導体は種々の産業において必要とされる極めて重要な製品であり、半導体チップは、例えば、シリコン単結晶を所定の厚さにスライスしてシリコンウエハを作製した後、このシリコンウエハに複数の集積回路等を形成することにより製造される。
この半導体チップの製造工程においては、静電チャック上に載置したシリコンウエハに、エッチング、CVD等の種々の処理を施して、導体回路や素子等を形成する。その際に、デポジション用ガス、エッチング用ガス等として腐食性のガスを使用するため、これらのガスによる腐食から静電電極層を保護する必要がある。そのため、静電電極層は、通常、セラミック誘電体膜等により被覆されている。また、セラミック基板内部に発熱体を埋設してセラミックホットプレートとし、半導体ウエハを加熱する場合がある。
このセラミック誘電体膜やセラミック基板の材質として、従来から窒化物セラミックが使用されているが、焼結性が余り良好でなく、焼結密度も余り上がらず、内部に気孔を含んでいた。例えば、特開平5−8140号公報には、最大気孔径が5μm以下のセラミック誘電体を持つ静電チャックが開示されている。
通常、セラミック誘電体膜の表面を平坦にするために研磨を行うが、研磨を行っても、内部の気孔が露出するため完全な平坦面が形成されず、シリコンウエハと吸着面あるいは加熱面との接触が点接触になり、吸着力や昇温性能が充分ではなく、また、研磨時に発生する応力に起因してセラミック誘電体膜の表面を構成する粒子が剥がれやすくなり、シリコンウエハ表面にパーティクルが付着しやすいという問題があった。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックの場合は、酸素を含有させることにより、また、酸化物セラミックの場合は、酸化物の複合成分とすることでセラミックの焼結性を向上させることができ、その結果、セラミック誘電体膜やセラミック基板表面の気孔をほぼ無くすか、あるいは気孔径を小さくすることができ、また、セラミック誘電体膜を緻密で粒子同士の結合を強くすることができる結果、研磨を行っても粒子の脱落を防止することができ、表面の光沢度を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、セラミック基板の内部または表面に導電体が形成されたセラミック基板であって、
上記セラミック基板の表面の光沢度は、2%以上であることを特徴とするセラミック基板である。
本発明において、上記セラミック基板は、酸素含有の窒化物セラミックから選ばれる少なくとも1種からなることが望ましい。
また、上記セラミック基板は、複数の酸化物からなる酸化物セラミックであることが望ましい。
また、上記セラミック基板は、酸素含有の炭化物セラミックから選ばれる少なくとも1種からなることが望ましい。また、本発明は、100〜700℃で使用されることが望ましい。
上記セラミック基板の内部または表面に設けられる導電体は、静電電極(チャック力を誘起する電極)、抵抗発熱体として機能する。
上記導電体が静電電極である場合は、本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板は、その内部に静電電極が埋設された静電チャックとなる。上記静電電極上のセラミック層を、本明細書ではセラミック誘電体膜ということにするが、本発明では、このセラミック誘電体膜の表面の光沢度が、2%以上である。
また、導電体が抵抗発熱体である場合は、本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板は、セラミック基板の内部または表面に導電体が形成されたホットプレートとなる。そして、この場合、上記セラミック基板のシリコンウエハを加熱する面の光沢度は、2%以上となる。
本願発明のセラミック基板にかかる静電チャックでは、セラミック誘電体膜が酸素を含有する窒化物セラミックからなり、表面の光沢度は2%以上であるので、表面の凹凸の深さが小さく密度が低いため、シリコンウエハ等との接触面積が大きく、チャック力やシリコンウエハの均熱性に優れる。
また、シリコンウエハを加熱面から離間させて加熱した場合でも、加熱面の凹凸が小さいのだから、シリコンウエハと加熱面との距離のバラツキが小さく、シリコンウエハの均熱性に優れるのである。さらに、このような光沢度を有するセラミック基板は、焼結性が良好で高密度であり、内部の気孔径が従来に比べて小さくなる。また、焼結体を構成する粒子同士が強固に接合されているので、研磨によっても粒子が殆ど脱落せず、パーティクルが発生しない。
本発明の半導体製造・検査装置用セラミック基板(以下、単にセラミック基板という)は、セラミック基板の内部または表面に導電体が形成されたセラミック基板であって、上記セラミック基板の表面の光沢度は、2%以上であることを特徴とする。
このような光沢度を持つセラミック基板は、シリコンウエハとの接触面積が大きく、ほぼ完全な面接触となり、静電チャックの場合は高い吸着力が得られ、また、ホットプレートの場合は、シリコンウエハの昇温特性、均熱性に優れる。さらに、ホットプレートの加熱面から50〜500μm離間させてシリコンウエハを加熱する場合に、加熱面の凹凸の深さ、密度が小さいため、シリコンウエハと加熱面との距離のバラツキが少なく、シリコンウエハの均熱性にも優れる。
なお、特許掲載公報第2513995号などでは、Ra(面粗度)で1μm以下の平滑な表面が形成することができることを開示しているが、Raは、凹凸の深さの情報であるが、凹凸の密度について規定するものではない。光沢度は、凹凸の密度を示す情報であり、仮にRaが1μmであったとしても、凹凸の密度が高い場合には、光沢度は小さくなり、逆に凹凸の密度が少ない場合は、光沢度が大きくなる。このようにRaやRmaxは、凹凸の深さの情報であるのに対して、光沢度は、凹凸の密度の情報であり、両者は全く異質なものである。
また、この公報にかかる技術では酸素等を含有させたわけではないのだから、粒子粒界に生じる未焼結部分に起因する窪みや粒子の脱落による窪みが発生するため、このような窪みの密集が存在するとピンホールがないとしても、光沢度2%以上を達成することは困難である。
また、本発明のセラミック基板では、焼結性が良好で高密度であり、内部の気孔径が従来に比べて小さくなっている。また、セラミック基板(セラミック誘電体膜)が緻密化されていることに起因して、焼結体を構成する粒子同士が強固に接合されているので、研磨によっても粒子が殆ど脱落せず、平坦な表面を形成することができ、パーティクルが発生せず、光沢度を2%以上に保つことができる。さらに、セラミック誘電体膜が緻密化され、気孔率が低く、気孔径も小さいため、耐電圧が大きくなる。
本発明のセラミック基板は、100〜700℃で使用されることが望ましい。このような温度領域では、耐電圧が低下するからである。
以下においては、まず、上記セラミック基板として、静電チャックを例にとって説明する。図1は、本発明の静電チャックの一実施形態を模式的に示した縦断面図であり、図2は、図1に示した静電チャックにおけるA−A線断面図であり、図3は、図1に示した静電チャックにおけるB−B線断面図である。
この静電チャック101では、平面視円形状のセラミック基板1の表面に、チャック正極静電層2とチャック負極静電層3とからなる静電電極層が形成され、この静電電極層を被覆するように、酸素を含有する窒化物セラミックからなり、その表面光沢度が2%以上と、表面平坦性の高いセラミック誘電体膜4が形成されている。また、静電チャック101上には、シリコンウエハ9が載置され、接地されている。
図2に示したように、チャック正極静電層2は、半円弧状部2aと櫛歯部2bとからなり、チャック負極静電層3も、同じく半円弧状部3aと櫛歯部3bとからなり、これらのチャック正極静電層2とチャック負極静電層3とは、櫛歯部2b、3bを交差するように対向して配置されており、このチャック正極静電層2およびチャック負極静電層3には、それぞれ直流電源の+側と−側とが接続され、直流電圧V2 が印加されるようになっている。
また、セラミック基板1の内部には、シリコンウエハ9の温度をコントロールするために、図3に示したような平面視同心円形状の抵抗発熱体5が設けられており、抵抗発熱体5の両端には、外部端子ピン6が接続、固定され、電圧V1 が印加されるようになっている。図1、2には示していないが、このセラミック基板1には、図3に示したように、測温素子を挿入するための有底孔11とシリコンウエハ9を支持して上下させるリフターピン(図示せず)を挿通するための貫通孔12が形成されている。なお、抵抗発熱体5は、セラミック基板の底面に形成されていてもよい。
この静電チャック101を機能させる際には、チャック正極静電層22とチャック負極静電層23とに直流電圧V2 を印加する。これにより、シリコンウエハ9は、チャック正極静電層2とチャック負極静電層3との静電的な作用により、これらの電極にセラミック誘電体膜4を介して吸着され、固定されることとなる。このようにしてシリコンウエハ9を静電チャック101上に固定させた後、このシリコンウエハ9に、CVD等の種々の処理を施す。
本発明の静電チャック101では、セラミック誘電体膜4の表面に研磨が施され、その表面光沢度が2%以上と、非常に平坦であるので、セラミック誘電体膜4とシリコンウエハ9との接触が理想的な面接触となり、接触面積が大きくなり、セラミック誘電体膜4の表面にシリコンウエハがしっかりと吸着する。
なお、表面光沢度とは、JIS K 7105(プラスチックの光学的特性試験方法)の5.2項に準拠した方法により測定される光沢度である。この方法は、プラスチック表面の光沢度を測定するものであるが、セラミックの表面光沢度も同様の原理で測定することができる。
この方法では、60°の角度で試料面に光を照射して正反射成分を受光器で測定するものであり、鏡面光沢度の基準として、屈折率1.567のガラス表面を採用し、この場合の値を100%とする。
本発明に係る静電チャックは、例えば、図1〜3に示したような構成を有するものである。以下において、上記静電チャックを構成する各部材、および、本発明の静電チャックの他の実施形態について、順次、詳細に説明していくことにする。
本発明のセラミック基板は、直径200mm以上、厚さ25mm以下であることが望ましい。直径が200mm未満の場合は、温度が比較的均一になりやすいため、表面の光沢度が表面温度の均一性に影響を及ぼしにくく、厚さが25mmを超えると、熱容量が大きくなり、昇降温の応答性が低下するからである。
上記セラミック基板は、複数のリフターピン用の貫通孔を有することが望ましい。このような貫通孔を有している場合、リフターピンの上下動でウエハを搬送するため、仮にウエハがセラミック基板に接触したとしても、パーティクルが発生しにくいからである。
セラミック基板を構成するセラミック誘電体膜の表面光沢度は、2%以上である。
セラミック誘電体膜の表面光沢度が2%未満であると、上記セラミック誘電体膜の上に載置するシリコンウエハとの接触面積が小さくなるため、セラミック誘電体膜の表面にシリコンウエハがしっかりと吸着されず、外力が作用するとずれやすくなる。また、表面光沢度が2%未満であるということは、セラミック誘電体膜の内部の気孔の割合やその数が多く、焼結が完全に進行していないことを意味し、そのため、誘電体膜の耐電圧も小さくなり、絶縁破壊しやすくなる。また、パーティクルも発生しやすくなる。
本発明のセラミック基板を構成するセラミック材料は特に限定されるものではなく、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられる。
これらのセラミックの中では、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミックが好ましい。
窒化物セラミックまたは炭化物セラミックの場合には、酸素を含有させることにより、また、酸化物セラミックの場合には、複数の酸化物セラミックからなるセラミックとすることにより、高密度とすることができ、表面光沢度を上げることができるからである。
また、窒化物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適である。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
また、上記窒化物セラミックに酸素を含有させると、焼結が進行しやすくなり、気孔率が大きく減少し、残留する気孔の気孔径も小さくなり、耐電圧が向上する。上記炭化物セラミックに酸素を含有させた場合も同様である。
上記セラミック基板は、0.05〜10重量%、特に0.1〜5重量%の酸素を含有していることが望ましい。特に、0.1重量%未満では、焼結性が悪くまた耐電圧を確保することができない場合があり、逆に5重量%を超えると酸化物の高温耐電圧特性の低下により、耐電圧はやはり低下してしまう場合があるからである。また、酸素量が5重量%を超えると熱伝導率が低下して昇温降温特性が低下する場合があるからである。
酸素は、焼結助剤を添加することにより導入するか、窒化物セラミックまたは炭化物セラミックを空気中または酸素中で焼成することにより導入する。また、上記窒化物セラミックに酸素を含有させるため、通常、窒化物セラミックの原料粉末中に金属酸化物を混合して焼成を行う。上記炭化物セラミックに酸素を含有させる場合も同様である。
上記金属酸化物としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属の酸化物が挙げられ、具体的には、例えば、イットリヤ(Y23 )、アルミナ(Al23 )、酸化ルビジウム(Rb2 O)、酸化リチウム(Li2 O)、炭酸カルシウム(CaCO3 )等が挙げられる。
これらの金属酸化物の添加量は、窒化物セラミックまたは炭化物セラミック100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
上記セラミック誘電体膜の厚さは、50〜5000μm、気孔率は5%以下であることが望ましい。また、気孔径の平均は、5μm以下が望ましい。上記セラミック誘電体膜の厚さが50μm未満であると、膜厚が薄すぎるために充分な耐電圧が得られず、シリコンウエハを載置し、吸着した際にセラミック誘電体膜が絶縁破壊する場合があり、一方、上記セラミック誘電体膜の厚さが5000μmを超えると、シリコンウエハと静電電極との距離が遠くなるため、シリコンウエハを吸着する能力が低くなってしまう。セラミック誘電体膜の厚さは、100〜1500μmがより好ましい。
また、上記気孔率が5%を超えると、研磨を行った際に、気孔が表面に露出しやすくなるため、表面平坦性に劣るようになる。
また、このような構造のセラミック誘電体膜では、耐電圧が低下してしまう。気孔率は、0.1〜1.0%程度が好ましく、平均気孔径は、0.1〜3μmが好ましい。
気孔率は、アルキメデス法により測定する。焼結体を粉砕して有機溶媒中あるいは水銀中に粉砕物を入れて体積を測定し、粉砕物の重量と体積から真比重を求め、真比重と見かけの比重から気孔率を計算するのである。
また、気孔径の平均が5μmを超えると、セラミック誘電体膜の厚さに対する気孔径の比率が大きくなり、気孔が表面に露出しやすくなるため、表面平坦性に劣るようになる。平均気孔径の測定は、試料を5個用意し、その表面を鏡面研磨し、2000から5000倍の倍率で表面を電子顕微鏡で10箇所撮影することにより行う。そして、撮影された50ショットの気孔径を平均する。一つ一つの気孔径は、最も長い部分を気孔径として測定する。
上記セラミック誘電体膜中には、カーボンが50〜5000ppm含有されていることが望ましい。静電チャック中に設けられた電極パターンを隠蔽することができ、かつ、高輻射熱が得られるからである。また、導電性がある程度高い方が、高温域においては、シリコンウエハの吸着能力が高くなる。
添加するカーボンは、非晶質のものであっても結晶質のものであってもよい。非晶質のものを使用すると、高温における体積抵抗率の低下を防止することができ、一方、結晶質のものを使用すると、高温における熱伝導率の添加を防止することができる。
セラミック基板上に形成される静電電極としては、例えば、金属または導電性セラミックの焼結体、金属箔等が挙げられる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種からなるものが好ましい。金属箔も、金属焼結体と同じ材質からなることが望ましい。これらの金属は比較的酸化しにくく、電極として充分な導電性を有するからである。また、導電性セラミックとしては、タングステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
図8および図9は、他の静電チャックにおける静電電極を模式的に示した水平断面図であり、図8に示す静電チャック20では、セラミック基板1の内部に半円形状のチャック正極静電層22とチャック負極静電層23が形成されており、図9に示す静電チャックでは、セラミック基板1の内部に円を4分割した形状のチャック正極静電層32a、32bとチャック負極静電層33a、33bが形成されている。また、2枚の正極静電層22a、22bおよび2枚のチャック負極静電層33a、33bは、それぞれ交差するように形成されている。
なお、円形等の電極が分割された形態の電極を形成する場合、その分割数は特に限定されず、5分割以上であってもよく、その形状も扇形に限定されない。
本発明のセラミック基板(静電チャック)は、窒化物セラミック、炭化物セラミックおよび酸化物セラミックに属するセラミックから選ばれる少なくとも1種からなることが望ましい。
上記窒化物セラミックとしては、金属窒化物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。
また、上記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タンステン等が挙げられる。
上記酸化物セラミックとしては、金属酸化物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト等、MgO、CaO、TiO2 等が挙げられる。
本発明では、これらのセラミックを2種以上を併用することが望ましい。例えば、アルミナ、シリカ、CaO、MgOなどの混合物酸化物が緻密体となりやすい。
これらのセラミックの中では、窒化物セラミックが望ましい。窒化物セラミックは熱伝導率が高く、抵抗発熱体で発生した熱を良好に伝達することができるからである。
また、セラミック誘電体膜と下のセラミック層とは同じ材料であることが望ましい。同じ方法で作製したグリーンシートを積層し、同一条件で焼成することにより、容易に製造することができるからである。また、窒化物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適である。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
上記セラミック基板中には、カーボンを50〜5000ppm含むことが望ましい。高輻射熱が得られるからである。
本発明に係る静電チャックでは、通常、図1に示したように、抵抗発熱体等の温度制御手段が設けられている。静電チャック上に載置したシリコンウエハの加熱等を行いながら、CVD処理等を行う必要があるからである。
上記温度制御手段としては、図3に示した抵抗発熱体5のほかに、ペルチェ素子(図6参照)が挙げられる。抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に設けてもよく、セラミック基板の底面に設けてもよい。抵抗発熱体を設ける場合は、静電チャックを嵌め込む支持容器に、冷却手段としてエアー等の冷媒の吹きつけ口などを設けてもよい。
抵抗発熱体をセラミック基板の内部に設ける場合には、複数層設けてもよい。この場合は、各層のパターンは相互に補完するように形成されて、加熱面からみるとどこかの層にパターンが形成された状態が望ましい。例えば、互いに千鳥の配置になっている構造である。
抵抗発熱体としては、例えば、金属または導電性セラミックの焼結体、金属箔、金属線等が挙げられる。金属焼結体としては、タングステン、モリブデンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの金属は比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を有するからである。
また、導電性セラミックとしては、タングステン、モリブデンの炭化物から選ばれる少なくとも1種を使用することができる。
さらに、セラミック基板の底面に抵抗発熱体を形成する場合には、金属焼結体としては、貴金属(金、銀、パラジウム、白金)、ニッケルを使用することが望ましい。具体的には銀、銀−パラジウムなどを使用することができる。
上記金属焼結体に使用される金属粒子は、球状、リン片状、もしくは球状とリン片状の混合物を使用することができる。
金属焼結体中には、金属酸化物を添加してもよい。上記金属酸化物を使用するのは、セラミック基板と金属粒子を密着させるためである。上記金属酸化物により、セラミック基板と金属粒子との密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子の表面はわずかに酸化膜が形成されており、セラミック基板は、酸化物の場合は勿論、非酸化物セラミックである場合にも、その表面には酸化膜が形成されている。従って、この酸化膜が金属酸化物を介してセラミック基板表面で焼結して一体化し、金属粒子とセラミック基板とが密着するのではないかと考えられる。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアから選ばれる少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子とセラミック基板との密着性を改善できるからである。
上記金属酸化物は、金属粒子100重量部に対して0.1重量部以上10重量部未満であることが望ましい。この範囲で金属酸化物を用いることにより、抵抗値が大きくなりすぎず、金属粒子とセラミック基板との密着性を改善することができるからである。
また、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合に、酸化鉛が1〜10重量部、シリカが1〜30重量部、酸化ホウ素が5〜50重量部、酸化亜鉛が20〜70重量部、アルミナが1〜10重量部、イットリアが1〜50重量部、チタニアが1〜50重量部が好ましい。但し、これらの合計が100重量部を超えない範囲で調整されることが望ましい。これらの範囲が特にセラミック基板との密着性を改善できる範囲だからである。
抵抗発熱体をセラミック基板の底面に設ける場合は、抵抗発熱体15の表面は、金属層150で被覆されていることが望ましい(図4参照)。抵抗発熱体15は、金属粒子の焼結体であり、露出していると酸化しやすく、この酸化により抵抗値が変化してしまう。そこで、表面を金属層150で被覆することにより、酸化を防止することができるのである。
金属層150の厚さは、0.1〜10μmが望ましい。抵抗発熱体の抵抗値を変化させることなく、抵抗発熱体の酸化を防止することができる範囲だからである。
被覆に使用される金属は、非酸化性の金属であればよい。具体的には、金、銀、パラジウム、白金、ニッケルから選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。なかでもニッケルがさらに好ましい。抵抗発熱体には電源と接続するための端子が必要であり、この端子は、半田を介して抵抗発熱体に取り付けるが、ニッケルは半田の熱拡散を防止するからである。接続端子しては、コバール製の端子ピンを使用することができる。
なお、抵抗発熱体をヒータ板内部に形成する場合は、抵抗発熱体表面が酸化されることがないため、被覆は不要である。抵抗発熱体をヒータ板内部に形成する場合、抵抗発熱体の表面の一部が露出していてもよい。
抵抗発熱体として使用する金属箔としては、ニッケル箔、ステンレス箔をエッチング等でパターン形成して抵抗発熱体としたものが望ましい。
パターン化した金属箔は、樹脂フィルム等ではり合わせてもよい。金属線としては、例えば、タングステン線、モリブデン線等が挙げられる。
温度制御手段としてペルチェ素子を使用する場合は、電流の流れる方向を変えることにより発熱、冷却両方行うことができるため有利である。
ペルチェ素子8は、図6に示すように、p型、n型の熱電素子81を直列に接続し、これをセラミック板82などに接合させることにより形成される。ペルチェ素子としては、例えば、シリコン・ゲルマニウム系、ビスマス・アンチモン系、鉛・テルル系材料等が挙げられる。
本発明における静電チャックとしては、例えば、図1に示すように、セラミック基板1とセラミック誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の内部には抵抗発熱体5が設けられた構成の静電チャック101、図4に示すように、セラミック基板1とセラミック誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の底面に抵抗発熱体15が設けられた構成の静電チャック201、図5に示すように、セラミック基板1とセラミック誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の内部に抵抗発熱体である金属線7が埋設された構成の静電チャック301、図6に示すように、セラミック基板1とセラミック誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の底面に熱電素子81とセラミック板82からなるペルチェ素子8が形成された構成の静電チャック401等が挙げられる。
本発明では、図1〜6に示したように、セラミック基板1とセラミック誘電体膜4との間にチャック正極静電層2とチャック負極静電層3とが設けられ、セラミック基板1の内部に抵抗発熱体5や金属線7が形成されているため、これらと外部端子とを接続するための接続部(スルーホール)16、17が必要となる。スルーホール16、17は、タングステンペースト、モリブデンペーストなどの高融点金属、タングステンカーバイド、モリブデンカーバイドなどの導電性セラミックを充填することにより形成される。
また、接続部(スルーホール)16、17の直径は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止しつつ、クラックや歪みを防止できるからである。このスルーホールを接続パッドとして外部端子ピン6、18を接続する(図7(d)参照)。
接続は、半田、ろう材により行う。ろう材としては銀ろう、パラジウムろう、アルミニウムろう、金ろうを使用する。金ろうとしては、Au−Ni合金が望ましい。Au−Ni合金は、タングステンとの密着性に優れるからである。
Au/Niの比率は、〔81.5〜82.5(重量%)〕/〔18.5〜17.5(重量%)〕が望ましい。
Au−Ni層の厚さは、0.1〜50μmが望ましい。接続を確保するに充分な範囲だからである。また、10-6〜10-5Paの高真空で500〜1000℃の高温で使用するとAu−Cu合金では劣化するが、Au−Ni合金ではこのような劣化がなく有利である。また、Au−Ni合金中の不純物元素量は全量を100重量部とした場合に1重量部未満であることが望ましい。
本発明では、必要に応じて、セラミック基板1の有底孔12に熱電対を埋め込んでおくことができる。熱電対により抵抗発熱体の温度を測定し、そのデータをもとに電圧、電流量を変えて、温度を制御することができるからである。
熱電対の金属線の接合部位の大きさは、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それよりも大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正確に、また、迅速に電流値に変換されるのである。このため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布が小さくなるのである。上記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1980)に挙げられるように、K型、R型、B型、S型、E型、J型、T型熱電対が挙げられる。
図10は、以上のような構成の本発明の静電チャックを配設するための支持容器41を模式的に示した断面図である。
支持容器41には、静電チャック101が断熱材45を介して嵌め込まれるようになっている。また、この支持容器11には、冷媒吹き出し口42が形成されており、冷媒注入口44から冷媒が吹き込まれ、冷媒吹き出し口42を通って吸引口43から外部に出ていくようになっており、この冷媒の作用により、静電チャック101を冷却することができるようになっている。
次に、本発明の静電チャックの製造方法の一例を図10(a)〜(d)に示した断面図に基づき説明する。
(1)まず、酸化物セラミック、窒化物セラミック、炭化物セラミックなどのセラミックの粉体をバインダおよび溶剤と混合してグリーンシート50を得る。前述したセラミック粉体としては、例えば、窒化アルミニウム、炭化ケイ素などを使用することができ、必要により、イットリヤ(Y23 )等の焼結助剤を添加する。
なお、後述する静電電極層印刷体51が形成されたグリーンシートの上に積層する数枚または1枚のグリーンシート50′は、セラミック誘電体膜4となる層であるので、窒化物の粉末に酸化物の粉末を混合したものとする。通常、セラミック誘電体膜4の原料とセラミック基板1の原料とは、同じものを使用することが望ましい。これらは、一体として焼結することが多いため、焼成条件を同じすることができるからである。ただし、材料が異なる場合には、まず先にセラミック基板を製造しておき、その上に静電電極層を形成し、さらにその上にセラミック誘電体膜を形成することもできる。
また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。さらに、溶媒としては、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。これらを混合して得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシート50を作製する。
グリーンシート50に、必要に応じてシリコンウエハのリフターピンを挿入する貫通孔や熱電対を埋め込む凹部を設けておくことができる。貫通孔や凹部は、パンチングなどで形成することができる。グリーンシート50の厚さは、0.1〜5mm程度が好ましい。
次に、グリーンシート50に静電電極層や抵抗発熱体となる導体ペーストを印刷する。印刷は、グリーンシート50の収縮率を考慮して所望のアスペクト比が得られるように行い、これにより静電電極層印刷体51、抵抗発熱体層印刷体52を得る。印刷体は、導電性セラミック、金属粒子などを含む導電性ペーストを印刷することにより形成する。
これらの導電性ペースト中に含まれる導電性セラミック粒子としては、タングステンまたはモリブデンの炭化物が最適である。酸化しにくく、熱伝導率が低下しにくいからである。また、金属粒子としては、例えば、タングステン、モリブデン、白金、ニッケルなどを使用することができる。
導電性セラミック粒子、金属粒子の平均粒子径は0.1〜5μmが好ましい。これらの粒子は、大きすぎても小さすぎても導体用ペーストを印刷しにくいからである。
このようなペーストとしては、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜97重量部、アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブおよびポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部、α−テルピネオール、グリコール、エチルアルコールおよびブタノールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部混合して調製した導体用ぺーストが最適である。さらに、パンチング等で形成した孔に、導体用ペーストを充填してスルーホール印刷体53、54を得る。
次に、図7(a)に示すように、印刷体51、52、53、54を有するグリーンシート50と、印刷体を有さないグリーンシート50′とを積層する。抵抗発熱体形成側に印刷体を有さないグリーンシート30′を積層するのは、スルーホールの端面が露出して、抵抗発熱体形成の焼成の際に酸化してしまうことを防止するためである。もしスルーホールの端面が露出したまま、抵抗発熱体形成の焼成を行うのであれば、ニッケルなどの酸化しにくい金属をスパッタリングする必要があり、さらに好ましくは、Au−Niの金ろうで被覆してもよい。
(2)次に、図7(b)に示すように、積層体の加熱および加圧を行い、グリーンシートおよび導電ペーストを焼結させる。
加熱温度は、1000〜2000℃、加圧は100〜200kg/cm2 が好ましく、これらの加熱および加圧は、不活性ガス雰囲気下で行う。不活性ガスとしては、アルゴン、窒素などを使用することができる。
この工程で、スルーホール16、17、チャック正極静電層2、チャック負極静電層3、抵抗発熱体5等が形成される。この後、焼結体の表面を平面研削機で研磨する。さらに♯100〜♯8000のダイヤモンド砥石で研磨する。つぎに、平均粒子径0.1〜10μmのダイヤモンドスラリーやコロイダルシリカ、アルミナ懸濁液でポリッシングして表面の光沢度を調整する。
(3)次に、図7(c)に示すように、外部端子接続のための袋孔13、14を設ける。袋孔13、14の内壁は、その少なくともその一部が導電化され、導電化された内壁は、チャック正極静電層2、チャック負極静電層3、抵抗発熱体5等と接続されていることが望ましい。
(4)最後に、図7(d)に示すように、袋孔13、14に金ろうを介して外部端子6、18を設ける。さらに、必要に応じて、有底孔12を設け、その内部に熱電対を埋め込むことができる。半田は銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使用することができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜50μmが望ましい。半田による接続を確保するに充分な範囲だからである。
なお、上記説明では静電チャック101(図1参照)を例にしたが、静電チャック201(図4参照)を製造する場合は、静電電極層を有するセラミック板を製造した後、このセラミック板の底面に導体ペーストを印刷、焼成し、抵抗発熱体15を形成し、この後、無電解めっき等により金属層150を形成すればよい。
また、静電チャック301(図5参照)を製造する場合は、セラミック粉末中に金属箔、金属線を静電電極や抵抗発熱体にして埋め込み、焼結すればよい。さらに、静電チャック401(図6参照)を製造する場合は、静電電極層を有するセラミック板を製造した後、このセラミック板に溶射金属層を介してペルチェ素子を接合すればよい。
また、本発明のセラミック基板は、上記したように、ホットプレートとしても使用することができる。この場合、半導体ウエハをセラミック基板の一面に接触させた状態で載置するほか、半導体ウエハをリフターピンなどで支持し、セラミックス基板との間に一定の間隔を保って保持する場合もある。図11は、本発明のセラミック基板の一実施形態であるホットプレートを模式的に示した断面図である。
このホットプレート90では、貫通孔95にリフターピン96が挿入され、シリコンウエハ9を保持している。そして、リフターピン96を上下することにより、図示しない搬送機からシリコンウエハ9を受け取ったり、シリコンウエハ9をセラミック基板91上に載置したり、シリコンウエハ9を支持したまま加熱したりすることができる。
また、セラミック基板91の底面91aには、抵抗発熱体92が形成され、その抵抗発熱体92の表面には金属被覆層92aが設けられている。また、有底孔94が設けられているが、ここには熱電対を挿入する。また、抵抗発熱体はセラミック基板91の内部に設けてもよい。シリコンウエハ9は、ウエハ処理面91b側で加熱される。
本発明に係るホットプレートでは、ウエハ加熱面の光沢度が2%以上であるため、シリコンウエハ9をウエハ処理面91bに載置した最には、シリコンウエハ9との接触面積が大きくなり、シリコンウエハ9の昇温特性に優れる。また、シリコンウエハ9をウエハ処理面91bから100μm程度離間させて保持して加熱する場合でも、誤ってシリコンウエハ9がウエハ処理面91bに接触することがない。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)静電チャック(図1参照)の製造
(1)空気中で500℃、1時間焼成した窒化アルミニウム粉末(トクヤマ製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2)次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハリフターピンを挿入する貫通孔となる部分、外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
(3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。この導電性ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとした。また、他のグリーンシートに図2に示した形状の静電電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
さらに、外部端子を接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処理の終わったグリーンシート50に、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシート50′を上側(加熱面)に34枚、下側に13枚積層し、その上に静電電極パターンからなる導体ペースト層を印刷したグリーンシート50を積層し、さらにその上にタングステンペーストを印刷していないグリーンシート50′を2枚積層し、これらを130℃、80kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形成した(図7(a))。
(4)次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発熱体5および厚さ10μmのチャック正極静電層2、チャック負極静電層3を有する窒化アルミニウム製の板状体とした(図7(b))。
(5)次に、(4)で得られた板状体を、平面研削機で表面加工し、さらに♯2000のダイヤモンド砥石(マルトー製 ダイヤモンドパッド)で研磨した。ついで、粒度0.25μmダイヤモンドスラリー(マルトー製)を用いてフェルトクロスでポリッシングした。さらにマスクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
(6)さらに、スルーホールが形成されている部分をえぐり取って袋孔13、14とし(図7(c))、この袋孔13、14にNi−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子6、18を接続させた(図7(d))。なお、外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができるからである。
(7)次に、温度制御のための複数の熱電対を有底孔に埋め込み、抵抗発熱体を有する静電チャックの製造を完了した。このようにして製造した抵抗発熱体を有する静電チャックのセラミック誘電体膜の厚さ、表面光沢度、面粗度、酸素量、チャック力、シリコンウエハの均熱性および平均気孔径を下記の方法により測定した。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクルの量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
(8)次に、この静電チャック101を図10の断面形状を有するステンレス製の支持容器41にセラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビウール)からなる断熱材45を介して嵌め込み、その表面にシリコンウエハを載置し、通電を行ってシリコンウエハを吸着させた。その結果、シリコンウエハは、しっかりと静電チャック101の表面に吸着、固定され、外力が作用してもずれることはなかった。
なお、この支持容器41は冷却ガスの冷媒吹き出し口42を有し、静電チャック101の温度調整を行うことができる。そこで、この支持容器41に嵌め込まれた静電チャック101の抵抗発熱体15に通電を行って、温度を上げ、また、支持容器に冷媒を流して静電チャック201の温度を制御したが、極めて良好に温度を制御することができた。
(実施例2)静電チャック(図2参照)の製造
(1)空気中で500℃、1時間焼成した窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部、ショ糖0.2重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2)次に、このグリーンシートを80℃で5時間乾燥させた後、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハリフターピンを挿入する貫通孔となる部分、外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
(3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。この導電性ペーストAをグリーンシートにスクリーン印刷で印刷し、図9に示した形状の静電電極パターンからなる導体ペースト層を形成した。
さらに、外部端子を接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。上記処理の終わったグリーンシート50に、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシート50′を上側(加熱面)に2枚、下側に48枚積層し、これらを130℃、80kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形成した。
(4)次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力150kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを230mmの円板状に切り出し、内部に厚さ12μmのチャック正極静電層2およびチャック負極静電層3を有する窒化アルミニウム製の板状体とした。
(5)上記(4)で得た板状体の表面(上面)を、平面研削機で表面加工し、さらに♯2000のダイヤモンド砥石(マルトー製 ダイヤモンドパッド)で研磨した。ついで、粒度3.0μmダイヤモンドスラリー(マルトー製)を用いてフェルトクロスでポリッシングした。研磨した後、底面にマスクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱電対のための凹部(図示せず)等を設けた。
(6)次に、ウエハ載置面に対向する面(底面)に抵抗発熱体15を印刷した。印刷は導電ペーストを用いた。導電ペーストは、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。この導電ペーストは、銀/鉛ペーストであり、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素、アルミナからなる金属酸化物(それぞれの重量比率は、5/55/10/25/5)を銀100重量部に対して7.5重量部含むものであった。また、銀の形状は平均粒径4.5μmでリン片状のものであった。
(7)導電ペーストを印刷した板状体を780℃で加熱焼成して、導電ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラミック基板に焼き付けた。さらに硫酸ニッケル30g/l、ほう酸30g/l、塩化アンモニウム30g/lおよびロッシェル塩60g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に板状体を浸漬して、銀の焼結体15の表面に厚さ1μm、ホウ素の含有量が1重量%以下のニッケル層150を析出させた。この後、板状体に、120℃で3時間アニーリング処理を施した。銀の焼結体からなる抵抗発熱体は、厚さが5μm、幅2.4mmであり、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
(8)次に、セラミック基板にスルーホール16を露出させるための袋孔を設けた。この袋孔にNi−Au合金(Au81.5重量%、Ni18.4重量%、不純物0.1重量%)からなる金ろうを用い、970℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子ピンを接続させた。また、抵抗発熱体に半田(スズ9/鉛1)を介してコバール製の外部端子ピンを形成した。
(9)次に、温度制御のための複数熱電対を凹部に埋め込み、静電チャック201を得た。このようにして製造した抵抗発熱体を有する静電チャックのセラミック誘電体膜の厚さ、表面光沢度、面粗度、酸素量、チャック力、シリコンウエハの均熱性および平均気孔径を下記の方法により測定した。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクルの量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
(10)次に、この静電チャック101を図10の断面形状を有するステンレス製の支持容器41にセラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビウール)からなる断熱材45を介して嵌め込み、その表面にシリコンウエハを載置し、通電を行ってシリコンウエハを吸着させた。その結果、シリコンウエハは、しっかりと静電チャック101の表面に吸着、固定され、外力が作用してもずれることはなかった。
(実施例3) 静電チャック301(図5)の製造
(1)厚さ10μmのタングステン箔を打抜き加工することにより図8に示した形状の電極2枚を形成した。この電極2枚とタングステン線を、空気中で500℃、1時間焼成した窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、イットリア(平均粒径0.4μm)4重量部とともに、成形型中に入れて窒素ガス中で1890℃、圧力150kg/cm2 で3時間ホットプレスし、厚さ3mmの窒化アルミニウム板状体を得た。これを直径230mmの円状に切り出して板状体とした。平面研削機でこの板状体の表面を加工し、さらに♯2000のアルミナ研磨材(マルトー製 アランダム)で研磨した。ついで、粒度3.0μmダイヤモンドスラリーを用いてフェルトクロスでポリッシングした。このとき、静電電極層の厚さは、10μmであった。
(2)この板状体に対し、実施例1の(5)〜(7)の工程を実施し、静電チャック301を得た。このようにして製造した抵抗発熱体を有する静電チャックのセラミック誘電体膜の厚さ、表面光沢度、面粗度、酸素量、チャック力、シリコンウエハの均熱性および平均気孔径を下記の方法により測定した。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクルの量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
(3)次に、この静電チャック301を図10の断面形状を有するステンレス製の支持容器41にセラミックファイバー(イビデン社製 商品名 イビウール)からなる断熱材45を介して嵌め込み、その表面にシリコンウエハを載置し、通電を行ってシリコンウエハを吸着させた。その結果、シリコンウエハは、しっかりと静電チャック101の表面に吸着、固定され、外力が作用してもずれることはなかった。
(実施例4) 静電チャック401(図6)の製造
実施例2の(1)〜(5)の工程を実施した後、さらに底面にニッケルを溶射し、この後、鉛・テルル系のペルチェ素子を接合させることにより、静電チャック401を得た。但し、表面は♯2000のダイヤモンド砥石での研磨にとどめた。このようにして製造した抵抗発熱体を有する静電チャックのセラミック誘電体膜の厚さ、表面光沢度、面粗度、酸素量、チャック力、シリコンウエハ均熱性および平均気孔径を下記の方法により測定した。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクルの量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
(比較例1)
基本的に実施例1と同様であるが、イットリアを入れずに焼結させた。
(比較例2)
基本的に実施例1と同様であるが、♯2000のダイヤモンド砥石による研磨を行わなかった。このようにして製造した比較例1〜2に係る抵抗発熱体を有する静電チャックのセラミック誘電体膜の厚さ、表面光沢度、面粗度、酸素量、チャック力、表面温度の均一性(均熱性)および平均気孔径を下記の方法により測定した。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクルの量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
(実施例5)
アルミナホットプレート(1)アルミナ:93重量%、SiO2 :5重量%、CaO:0.5重量%、MgO:0.5重量%、TiO2 :0.5重量%、アクリルバインダ:11.5重量部、分散剤:0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法による成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシートを得た。
(2)次に、これらのグリーンシート50を80℃で5時間乾燥させた後、加工が必要なグリーンシートに対し、パンチングにより直径1.8mm、3.0mm、5.0mmの半導体ウエハリフターピンを挿入する貫通孔となる部分、外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分を設けた。
(3)平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。この導電性ペーストBをグリーンシート50にスクリーン印刷で印刷し、導体ペースト層を形成した。印刷パターンは、同心円パターンとした。
(4)さらに、外部端子を接続するためのスルーホール用の貫通孔に導体ペーストBを充填した。抵抗発熱体のパターンが形成されたグリーンシート50に、さらに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシート50′を上側(加熱面)に34枚から60枚、下側に13枚から30枚積層し、これらを130℃、80kg/cm2 の圧力で圧着して積層体を形成した。
(5)次に、得られた積層体を空気中、600℃で5時間脱脂し、1600℃、圧力150kg/cm2 で2時間ホットプレスし、厚さ3mmのアルミナ板状体を得た。平面研削機でこの板状体の表面を加工し、さらに♯2000のアルミナ研磨材(マルトー製 アランダム)で研磨した。ついで、粒度0.25μmダイヤモンドスラリーを用いてフェルトクロスでポリッシングし、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発熱体5を有するアルミナ製の板状体とした。
(6)次に、(3)で得られた板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔(直径:1.2mm、深さ:2.0mm)を設けた。
(7)さらに、スルーホールが形成されている部分をえぐり取って袋孔13、14とし(図8(c))、この袋孔13、14にNi−Auからなる金ろうを用い、700℃で加熱リフローしてコバール製の外部端子6、18を接続させた。なお、外部端子の接続は、タングステンの支持体が3点で支持する構造が望ましい。接続信頼性を確保することができるからである。
(8)次に、温度制御のための複数の熱電対を有底孔に埋め込み、抵抗発熱体を有するホットプレート製造を完了した。このようにして製造したホットプレートの表面光沢度、面粗度、シリコンウエハの均熱性および平均気孔径を下記の方法により測定した。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクルの量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
(比較例3)
アルミナを常圧焼結させた以外は、実施例5と同様にしてホットプレートを製造した。このようにして製造したホットプレートの表面光沢度、面粗度、シリコンウエハの均熱性および平均気孔径を下記の方法により測定した。さらに、シリコンウエハに付着したパーティクルの量を測定した。その結果を下記の表1に示した。
(実施例6)
ホットプレート空気中で500℃、1時間焼成した窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y23 :イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、アクリル系樹脂バインダ11.5重量部を混合し、六角柱の成形型に入れて窒素雰囲気中、1890℃、圧力150kg/cm2の条件で3時間ホットプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。
この窒化アルミニウム焼結体を円板状に加工し、平面研削機でこの板状体の表面を加工し、さらに♯2000のアルミナ研磨材(マルトー製 アランダム)で研磨した。ついで、粒度1μmダイヤモンドスラリー(マルトー製)を用いてフェルトクロスでポリッシングした。
(2)上記(1)で得た焼結体の底面に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、図7に示したような同心円状のパターンとした。導体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。
この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
(3)次に、導体ペーストを印刷した焼結体を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、発熱体92を形成した。銀−鉛の発熱体92は、厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
(4)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lを含む水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(4)で作製した焼結体を浸漬し、銀−鉛の発熱体92の表面に厚さ1μmの金属被覆層92a(ニッケル層)を析出させた。
(5)電源との接続を確保するための端子を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成した。ついで、半田層の上にコバール製の端子ピン93を載置して、420℃で加熱リフローし、端子ピン93を発熱体92の表面に取り付けた。
(6)温度制御のための熱電対を有底孔に挿入し、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させ、セラミックヒータ10(図9参照)を得た。このようにして製造したホットプレートの表面光沢度、面粗度、シリコンウエハの均熱性および平均気孔径を下記の方法により測定した。その結果を下記の表1に示した。このヒータの加熱面から100μm離間してシリコンウエハを保持して450℃まで加熱したが、シリコンウエハと加熱面が接触したり、あるいはシリコンウエハと加熱面との距離が大きくなることにより、シリコンウエハ温度が不均一になることはなかった。
(実施例7)
空気中で500℃、1時間焼成した炭化ケイ素粉末(屋久島電工社製、平均粒径1.1μm)100重量部、アクリルバインダ(三井化学社製、SA−545シリーズ)11.5重量部、炭化ホウ素4重量部、分散剤0.5重量部、および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合し、スプレードライ法で乾燥させて、顆粒状とし、これをホットプレスした。さらに、導体ペーストを印刷する前に表面にガラスペーストを塗布し、1000℃で焼成して絶縁層を形成した後、この絶縁層上に導体ペーストを印刷した。そして、上記のほかは、実施例6と同様にしてホットプレートを製造した。
(比較例4)
炭化ケイ素粉末を焼成せずに用いたほかは、実施例7と同様にしてホットプレートを製造した。
評価方法
(1)平均気孔径の測定
試料を5個用意し、その表面を鏡面研磨し、2000倍の倍率で表面を電子顕微鏡で10箇所撮影して、撮影された50ショットの気孔径を平均した。
(2)シリコンウエハの均熱性の評価
シリコンウエハを吸着させて設定温度450℃まで昇温した場合に、シリコンウエハの最低温度と最高温度の差をサーモビュア(日本データム社製 IR162012−0012)を用いて測定した。
(3)表面光沢度の測定
光沢計(村上色彩製 グロスメーターGM−3D型)を使用し、入射、反射角60°とし、JIS K7105 5.2項に準じて測定した。基準面は屈折率1.567のガラス表面を使用した。
(4)酸素含有量
実施例および比較例にかかる焼結体と同条件で焼結させた試料をタングステン乳鉢で粉砕し、これの0.01gを採取して試料加熱温度2200℃、加熱時間30秒の条件で酸素・窒化同時分析装置(LECO社製 TC−136型)で測定した。
(5)Ra(面粗度)の測定
表面形状測定器(KLA・Tencor社製 P−11)を使用し、測定長:50000μm、走査速度:50μm/秒、荷重:3mgで実施した。゛
(6)チャック力
450℃まで昇温して、ロードセル(島津製作所製 オートグラフ AGS−50A)を使用して測定した。
(7)パーティクル数
静電チャックにシリコンウエハをチャックするか、ホットプレート上に載置して加熱した後、シリコンウエハの任意の10箇所を電子顕微鏡(2000倍)で観察撮影して粒子径0.2μm以上のものの個数を計測し、撮影視野面積で除した。
Figure 2004172637
上記表1より明らかなように、実施例1〜5に係る静電チャックでは、セラミック誘電体膜の表面光沢度は、2%以上と極めて平坦であり、上記したように、チャック力は450℃で約1kg/cm2 前後と高い。また、シリコンウエハの温度分布も小さい。これはシリコンウエハが加熱面に均一に密着しているからである。
これに対し、比較例1〜3に係る静電チャックでは、セラミック誘電体膜の表面光沢度は、2%未満と余り平坦でなく、チャック力は450℃で500g/cm2 程度しか得られない。また、温度分布が大きく、シリコンウエハが加熱面に均一に密着していないと推定される。また、実施例1〜5では、パーティクル数も30個/cm2 前後であるのに対して、比較例1では、500個/cm2 と多くなる。
また、実施例7のホットプレートでは、光沢度が30%で、ウエハの温度均一性に優れており、パーティクルの数も少なかった。一方、比較例4のホットプレートでは、表面の光沢度が1.8%で、ウエハの温度が不均一となっている。これは、表面の凹凸の密度が高過ぎて、空気の流れが不均一になったためであると推定された。なお、比較例1と実施例1の比較からわかるように、面粗度(Ra)が小さいこと光沢度が高いこととは必ずしも比例しない。Raは凹凸の深さの情報ではあるが、その密度の情報は含まれていない。これに対して、光沢度は凹凸の深さと密度の情報の両方を含んでいると考えられ、表面光沢度の方がより正確な表面情報であるといえる。
本発明のセラミック基板の応用である静電チャックの一例を模式的に示す断面図である。 図1に示した静電チャックのA−A線断面図である。 図1に示した静電チャックのB−B線断面図である。 本発明のセラミック基板の応用である静電チャックの一例を模式的に示す断面図である。 本発明のセラミック基板の応用である静電チャックの一例を模式的に示す断面図である。 本発明のセラミック基板の応用である静電チャックの一例を模式的に示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の応用である静電チャック静電チャックの製造工程の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の応用である静電チャックを構成する静電電極の形状を模式的に示した水平断面図である。 本発明の応用である静電チャックを構成する静電電極の形状を模式的に示した水平断面図である。 本発明の応用である静電チャックを支持容器に嵌め込んだ状態を模式的に示した断面図である。 本発明のホットプレートを模式的に示した断面図である。
符号の説明
101、201、301、401 静電チャック
1 セラミック基板
2、22、32a、32b チャック正極静電層
3、23、33a、33b チャック負極静電層
2a、3a 半円弧状部
2b、3b 櫛歯部
4 セラミック誘電体膜
5 抵抗発熱体
6、18 外部端子ピン
7 金属線
8 ペルチェ素子
9 シリコンウエハ
11 有底孔
12 貫通孔
13、14 袋孔
15 抵抗発熱体
150 金属層
16、17 スルーホール
41 支持容器
42 冷媒吹き出し口
43 吸入口
44 冷媒注入口
45 断熱材






Claims (5)

  1. セラミック基板の内部または表面に導電体が形成されたセラミック基板であって、
    前記セラミック基板の表面の光沢度は、2%以上であることを特徴とする半導体製造・検査装置用セラミック基板。
  2. 前記セラミック基板は、酸素含有の窒化物セラミックから選ばれる少なくとも1種からなる請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
  3. 前記セラミック基板は、複数の酸化物からなる酸化物セラミックである請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
  4. 前記セラミック基板は、酸素含有の炭化物セラミックから選ばれる少なくとも1種からなる請求項1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
  5. 100〜700℃で使用される請求項1〜4のいずれか1に記載の半導体製造・検査装置用セラミック基板。
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