JP2003234165A - セラミックヒータ - Google Patents

セラミックヒータ

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JP2003234165A
JP2003234165A JP2002321649A JP2002321649A JP2003234165A JP 2003234165 A JP2003234165 A JP 2003234165A JP 2002321649 A JP2002321649 A JP 2002321649A JP 2002321649 A JP2002321649 A JP 2002321649A JP 2003234165 A JP2003234165 A JP 2003234165A
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resistance heating
ceramic
pattern
heater plate
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JP2002321649A
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Yasutaka Ito
康隆 伊藤
Masakazu Furukawa
正和 古川
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウエハ等の加熱対象物を全体的に均一
に加熱することができるセラミックヒータを提供するこ
と。 【解決手段】 円板形状の窒化物セラミック基板の表面
または内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにお
いて、前記発熱体は、同心円形状または渦巻き形状のパ
ターンと、屈曲線の繰り返しパターンの発熱体が混成し
て形成されていることを特徴とするセラミックヒータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体産業におい
て使用されるセラミックヒータに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製品は、半導体ウエハ上に感光性
樹脂をエッチングレジストとして形成し、半導体ウエハ
のエッチングを行う工程等を経て製造される。この感光
性樹脂は液状であり、スピンコーターなどを用いて半導
体ウエハ表面に塗布されるのであるが、塗布後に溶剤等
を飛散させるため乾燥させなければならず、塗布した半
導体ウエハをヒータ上に載置して加熱することになる。
従来、このような用途に使用される金属製のヒータとし
ては、アルミニウム板の裏面に抵抗発熱体を配置したも
のが採用されている。
【0003】ところが、このような金属製のヒータは、
以下のような問題があった。まず、金属製であるため、
ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければなら
ない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨
張により、反り、歪み等が発生してしまい、金属板上に
載置した半導体ウエハが破損したり傾いたりしてしまう
からである。しかしながら、ヒータ板の厚みを厚くする
と、ヒータの重量が重くなり、また、かさばってしまう
という問題があった。
【0004】また、抵抗発熱体に印加する電圧や電流量
を変えることにより、加熱温度を制御するのであるが、
金属板が厚いために、電圧や電流量の変化に対してヒー
タ板の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくいという
問題もあった。
【0005】そこで、特開平9−306642号公報、
特開平4−324276号公報等に記載されているよう
に、基板として、熱伝導率が高く、強度も大きい非酸化
物セラミックである窒化アルミニウムを使用し、この窒
化アルミニウム基板の表面または内部に抵抗発熱体が形
成されたセラミックヒータが提案されている。
【0006】図5は、従来のセラミックヒータを模式的
に示した底面図である。このセラミックヒータ30で
は、抵抗発熱体32が、ヒータ板31の底面に、図5に
示したように同心円形状のパターンで形成されている。
なお、33は抵抗発熱体32の末端に接合された電源等
と接続のための外部端子であり、半導体ウエハを加熱す
る面(以下、ウエハ加熱面という)は、抵抗発熱体32
が設けられた面と反対側の面である。なお、抵抗発熱体
32は、渦巻き状に形成されている場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな同心円形状または渦巻き状のパターンに抵抗発熱体
32が形成されたセラミックヒータ30を用いて、半導
体ウエハ等を加熱しようとすると、抵抗発熱体パターン
の密度が全体に均一でも、ウエハ加熱面全体の温度が均
一にならず、その結果、加熱された半導体ウエハに中心
部分と外周部分とで温度差が生じるという問題があっ
た。
【0008】上記問題点につき、図6を用いて説明する
と、熱が同心円の抵抗発熱体からヒータ板を伝達する場
合、小さい円からなる抵抗発熱体l1 からの熱伝達領域
よりも大きい円からなる抵抗発熱体l2 からの熱伝達領
域の方が大きく、ヒータ板表面温度を均一にするために
必要な熱量は抵抗発熱体l1 よりも抵抗発熱体l2 の方
が大きくなる。
【0009】このため、同じパターンで抵抗発熱体を形
成し、同じ電力を投入したのでは、加熱対象物に温度の
不均一が生ずるものと考えられる。このため、中心部分
と外周部分で投入電力を変える必要があるが、微妙な制
御が困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
従来技術の問題について鋭意検討した結果、熱の伝達方
向をヒータ板の直径方向だけでなく、ランダムにするこ
とによって、ヒータ板の温度を均一にできることを見出
した。
【0011】また、抵抗発熱体は印刷で形成するため、
同心円や渦巻きパターンでは、印刷方向と抵抗発熱体の
形成方向とがほぼ垂直になる部分と平行になる部分とが
生じ、印刷方向に垂直な部分と平行な部分では厚さにバ
ラツキが発生してしまい、これが原因で抵抗値が変わっ
てしまい、温度バラツキが生じてしまうことも上記問題
点の原因であることを見出した。
【0012】例えば、図7に示した抵抗発熱体42で
は、印刷方向と抵抗発熱体の形成方向が直角に近くなる
領域Aのパターンでは、抵抗発熱体の厚さは厚く、一
方、印刷方向と抵抗発熱体の形成方向が平行に近くなる
領域Bのパターンでは、抵抗発熱体の厚さは薄くなる傾
向がある。従って、領域Aでは抵抗値が低く、領域Bで
は抵抗値が高くなる。
【0013】以上の知見から、本発明では、同心円また
は渦巻き状のパターンと屈曲線の繰り返しパターンを組
み合わせて抵抗発熱体を形成し、具体的には、円板状の
セラミック基板の内部(中心部分)には、従来と同様の
同心円形状等のパターンの抵抗発熱体を形成し、外周部
分には、同心円形状とは異なる、屈曲線形状の抵抗発熱
体を形成することにより、熱の伝達方向をランダムにし
て、半導体ウエハ等を全体的に均一に加熱することがで
きることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明のセラミックヒータは、
円板形状のセラミック基板の表面または内部に抵抗発熱
体を設けてなるセラミックヒータにおいて、上記抵抗発
熱体は、同心円形状または渦巻き形状のパターンと、屈
曲線からなるパターンまたは屈曲線の繰り返しパターン
の抵抗発熱体とが混成して形成されていることを特徴と
する。本発明においては、円板状のセラミック基板の少
なくとも外周部分には、屈曲線の繰り返しパターンの抵
抗発熱体が形成されていることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のセラミックヒータは、円
板形状のセラミック基板の表面または内部に抵抗発熱体
を設けてなるセラミックヒータにおいて、上記抵抗発熱
体は、同心円形状または渦巻き形状のパターンと、屈曲
線からなるパターンまたは屈曲線の繰り返しパターンの
抵抗発熱体とが混成して形成されていることを特徴とす
る。
【0016】本発明のセラミックヒータによれば、上記
抵抗発熱体は、同心円形状または渦巻き形状のパターン
と、屈曲線からなるパターンまたは屈曲線の繰り返しパ
ターンの抵抗発熱体とが混成して形成されているので、
セラミック基板の全体に同心円形状または渦巻き形状の
パターンの抵抗発熱体が形成されている場合と比較して
外周部分の温度の低下を抑えることができ、ウエハ加熱
面全体の温度が均一になる結果、半導体ウエハ等を均一
に加熱することができる。
【0017】図8は、屈曲線の繰り返しパターンからな
る抵抗発熱体52を模式的に示した平面図であるが、こ
のような屈曲線からなるパターン、または、屈曲線の繰
り返しパターンでは、屈曲部分で、印刷方向と抵抗発熱
体の形成方向とがほぼ垂直になる部分Cと、平行になる
部分Dとが生じるため、全体としては発熱量が均一にな
る。このため抵抗発熱体52の抵抗値のバラツキにより
発生する温度バラツキも低減させることができる。
【0018】本発明のセラミックヒータを構成するセラ
ミック基板は、窒化物セラミックまたは炭化物セラミッ
クなどの非酸化物セラミックや酸化物セラミックからな
るが、非酸化物セラミック基板の表面に絶縁層として酸
化物セラミックを形成することもできる。
【0019】窒化物セラミックは酸素固溶等により、高
温で体積抵抗値が低下しやすく、また炭化物セラミック
は特に高純度化しない限り導電性を有しており、酸化物
セラミックを絶縁層として形成することにより、高温時
あるいは不純物を含有していても回路間の短絡を防止し
て温度制御性を確保できるからである。
【0020】また、非酸化物セラミックは、熱伝導率が
高く、迅速に昇温、降温が行われるため有利である。一
方、非酸化物セラミックは、熱伝導率が高いため、抵抗
発熱体パターンに起因する温度のバラツキが生じやすい
ため、本発明のようなパターンの抵抗発熱体を形成する
ことにより、酸化物セラミックに比べて、より温度均一
化の効果が大きく、本発明の構成が特に有利である。
【0021】セラミック基板の加熱面の反対側面(底
面)の表面の面粗度は、Raで0.01〜20μm、R
maxで0.1〜200μmであることが望ましい。前
記セラミック基板を構成する窒化物セラミックとして
は、金属窒化物セラミック、例えば、窒化アルミニウ
ム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられ
る。また、上記炭化物セラミックとしては、金属炭化物
セラミック、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、
炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げ
られる。なお、セラミック基板として酸化物セラミック
を使用してもよく、アルミナ、シリカ、コージェライ
ト、ムライト、ジルコニア、ベリリアなどを使用でき
る。
【0022】上記窒化物セラミック、炭化物セラミッ
ク、酸化物セラミックは、単独で用いてもよく、2種以
上を併用してもよい。これらのなかでは、窒化物セラミ
ックが好ましく、窒化アルミニウムが最も好ましい。熱
伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
【0023】また、上記窒化物セラミック、炭化物セラ
ミックのような非酸化物セラミック基板は、熱伝導率が
高く、ヒータ板の表面温度を抵抗発熱体の温度変化に迅
速に追従させることができ、ウエハ加熱面の温度を良好
に制御することができるとともに、機械的な強度が大き
いので、ヒータ板が反ったりすることはなく、その上に
載置した半導体ウエハが破損するのを防止することがで
きる。
【0024】図1は、本発明のセラミックヒータの一例
を模式的に示す底面図であり、図2はその一部を示す部
分拡大断面図である。窒化物セラミック、炭化物セラミ
ック、酸化物セラミックなどからなるセラミック基板
(以下、窒化物等のセラミック基板ともいう)からなる
ヒータ板11は、円板状に形成されており、セラミック
基板(以下、ヒータ板ともいう)11のウエハ加熱面1
1bの全体の温度が均一になるように加熱するため、ヒ
ータ板11の底面11aの内部には同心円形状のパター
ンの抵抗発熱体12aが形成され、一方、ヒータ板11
の外周部分には、屈曲線の繰り返しパターンの抵抗発熱
体12bが形成されている。
【0025】そして、内側の抵抗発熱体12aは、互い
に近い二重の同心円同士が1組として、1本の線になる
ように接続され、その両端に入出力の端子となる外部端
子13が金属被覆層17を介して接続されている。ま
た、中央に近い部分には、半導体ウエハ19を支持する
支持ピン16を挿通するための貫通孔15が形成され、
さらに、測温素子を挿入するための有底孔14が形成さ
れている。
【0026】なお、図1〜2に示したセラミックヒータ
10においては、抵抗発熱体12はヒータ板11の底部
に設けられているが、図3に示したように、抵抗発熱体
72がヒータ板11の内部に設けられていてもよい。抵
抗発熱体72をヒータ板11の内部に設ける場合にも、
抵抗発熱体12のパターンは、底面に設ける場合と同様
に形成する。なお、抵抗発熱体72をヒータ板11の内
部に設けた場合には、スルーホール76およびろう材
(図示せず)を介して外部端子73が接続される。ま
た、ヒータ板11には、リフターピン16を挿通するこ
とができるように、貫通孔75が形成され、熱電対等の
測温素子を埋め込むための有底孔74も形成されてい
る。
【0027】本発明のセラミックヒータ10では、ヒー
タ板の材料として、窒化物等のセラミックを用いている
が、これは、熱膨張係数が金属より小さく、薄くして
も、加熱により反ったり、歪んだりしないため、ヒータ
板11を薄くて軽いものとすることができるからであ
る。
【0028】また、ヒータ板11の熱伝導率が高く、ま
たヒータ板自体薄いため、ヒータ板11の表面温度が、
抵抗発熱体の温度変化に迅速に追従する。即ち、電圧、
電流量を変えて抵抗発熱体の温度を変化させることによ
り、ヒータ板11の表面温度を良好に制御することがで
きるのである。
【0029】上記セラミックヒータのヒータ板11の厚
さは、0.5〜5mmが好ましい。0.5mmより薄い
と、強度が低下するため破損しやすくなり、一方、5m
mより厚くなると、熱が伝搬しにくくなり、加熱の効率
が悪くなる。
【0030】図1〜2に示したセラミックヒータでは、
内部に同心円形状の抵抗発熱体12aが形成されている
が、この抵抗発熱体は渦巻き形状でもよい。一方、外周
部分には、屈曲線の繰り返しパターンの抵抗発熱体12
bが形成されているが、屈曲線の屈曲の繰り返しの程度
は、単位長さ当たり数が多くてもよい。すなわち図1に
示した抵抗発熱体12bの屈曲の回数がもっと多いもの
であってもよい。
【0031】また、図1では、屈曲線からなる抵抗発熱
体12bは、直線に近い部分が、外周部に描いた破線A
をほぼ垂直に横切るように形成されているが、これとは
逆に、直線に近い部分が破線Aとほぼ平行になるような
小さな屈曲線が、円周方向に平行して多数形成されてい
てもよい。なお、内部とは、ヒータ板11の中心から半
径の1/3までの範囲の円形部分をいい、その他の部分
を外周部分という。
【0032】また、本発明では、少なくとも外周部分に
屈曲線の繰り返しパターンを有していればよいので図4
に示すように内部の渦巻きパターンおよび/または同心
円パターンからなる抵抗発熱体22a、22cの間に屈
曲線の繰り返しパターンからなる抵抗発熱体22b、2
2dを有していてもよい。さらに、図9に示すように、
ヒータ板61底面の外周部分に同心円状パターンからな
る抵抗発熱体62aの間に、屈曲線の繰り返しパターン
からなる抵抗発熱体62bが挟まれたパターンが形成さ
れ、内部に同心円状パターン62c、62dが形成され
たものであってもよい。
【0033】窒化物等のセラミック基板の表面または内
部に形成される抵抗発熱体12は、図1に示したように
少なくとも2以上の回路に分割されていることが望まし
い。回路を分割することにより、各回路に投入する電力
を制御して発熱量を変えることができ、半導体ウエハの
加熱面の温度を調整することができるからである。
【0034】抵抗発熱体12をヒータ板11の表面に形
成する場合には、金属粒子を含む導電ペーストをヒータ
板11の表面に塗布して所定パターンの導体ペースト層
を形成した後、これを焼き付け、ヒータ板11の表面で
金属粒子を焼結させる方法が好ましい。なお、金属の焼
結は、金属粒子同士および金属粒子とセラミックとが融
着していれば充分である。
【0035】ヒータ板11の表面に抵抗発熱体を形成す
る場合には、抵抗発熱体の厚さは、1〜30μmが好ま
しく、1〜10μmがより好ましい。また、ヒータ板1
1の内部に抵抗発熱体を形成する場合には、その厚さ
は、1〜50μmが好ましい。
【0036】また、ヒータ板11の表面に抵抗発熱体を
形成する場合には、抵抗発熱体の幅は、0.1〜20m
mが好ましく、0.1〜5mmがより好ましい。また、
ヒータ板11の内部に抵抗発熱体を形成する場合には、
抵抗発熱体の幅は、5〜20μmが好ましい。
【0037】抵抗発熱体12は、その幅や厚さにより抵
抗値に変化を持たせることができるが、上記した範囲が
最も実用的である。抵抗値は、薄く、また、細くなる程
大きくなる。抵抗発熱体12は、ヒータ板11の内部に
形成した場合の方が、厚み、幅とも大きくなるが、抵抗
発熱体12を内部に設けると、加熱面と抵抗発熱体12
との距離が短くなり、表面の温度の均一性が低下するた
め、抵抗発熱体自体の幅を広げる必要があること、内部
に抵抗発熱体12を設けるために、窒化物等のセラミッ
ク等との密着性を考慮する必要性がないため、タングス
テン、モリブデンなどの高融点金属やタングステン、モ
リブデンなどの炭化物を使用することができ、抵抗値を
高くすることが可能となるため、断線等を防止する目的
で厚み自体を厚くしてもよい。そのため、抵抗発熱体1
2は、上記した厚みや幅とすることが望ましい。
【0038】抵抗発熱体12は、断面形状が矩形であっ
ても楕円であってもよいが、偏平であることが望まし
い。偏平の方がウエハ加熱面に向かって放熱しやすいた
め、加熱面の温度分布ができにくいからである。断面の
アスペクト比(抵抗発熱体の幅/抵抗発熱体の厚さ)
は、10〜5000であることが望ましい。この範囲に
調整することにより、抵抗発熱体12の抵抗値を大きく
することができるとともに、加熱面の温度の均一性を確
保することができるからである。
【0039】抵抗発熱体12の厚さを一定とした場合、
アスペクト比が上記範囲より小さいと、ヒータ板11の
ウエハ加熱方向への熱の伝搬量が小さくなり、抵抗発熱
体12のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生して
しまい、逆にアスペクト比が大きすぎると抵抗発熱体1
2の中央の直上部分が高温となってしまい、結局、抵抗
発熱体12のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生
してしまう。従って、温度分布を考慮すると、断面のア
スペクト比は、10〜5000であることが好ましいの
である。
【0040】抵抗発熱体12をヒータ板11の表面に形
成する場合は、アスペクト比を10〜200、抵抗発熱
体12をヒータ板11の内部に形成する場合は、アスペ
クト比を200〜5000とすることが望ましい。抵抗
発熱体12は、ヒータ板11の内部に形成した場合の方
が、アスペクト比が大きくなるが、これは、抵抗発熱体
12を内部に設けると、加熱面と抵抗発熱体12との距
離が短くなり、表面の温度均一性が低下するため、抵抗
発熱体12自体を偏平にする必要があるからである。
【0041】抵抗発熱体12をヒータ板11の内部に偏
芯して形成する場合の位置は、ヒータ板11の加熱面に
対向する面(底面)に近い位置で、加熱面から底面まで
の距離に対して50%を超え、99%までの位置とする
ことが望ましい。50%以下であると、加熱面に近すぎ
るため、温度分布が発生してしまい、逆に、99%を超
えると、ヒータ板11自体に反りが発生して、半導体ウ
エハが破損するからである。
【0042】また、抵抗発熱体12をヒータ板11の内
部に形成する場合には、抵抗発熱体形成層を複数層設け
てもよい。この場合は、各層のパターンは、相互に補完
するようにどこかの層に抵抗発熱体12が形成され、ウ
エハ加熱面の上方から見ると、どの領域にもパターンが
形成されている状態が望ましい。このような構造として
は、例えば、互いに千鳥の配置になっている構造が挙げ
られる。なお、抵抗発熱体12をヒータ板11の内部に
設け、かつ、その抵抗発熱体12を一部露出させてもよ
い。
【0043】導体ペーストとしては特に限定されない
が、導電性を確保するための金属粒子または導電性セラ
ミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤など
を含むものが好ましい。
【0044】上記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金
属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を
有するからである。上記導電性セラミックとしては、例
えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げら
れる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0045】これら金属粒子または導電性セラミック粒
子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μ
m未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100
μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくな
るからである。
【0046】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン
片状物との混合物の場合は、金属粒子間の酸化物を保持
しやすくなり、抵抗発熱体12と窒化物等のセラミック
等との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくするこ
とができるため有利である。
【0047】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。
【0048】導体ペーストには、上記したように、金属
粒子に酸化物を添加し、抵抗発熱体12を、金属粒子と
酸化物とを焼結させたものとすることが望ましい。この
ように、酸化物を金属粒子とともに焼結させることによ
り、ヒータ板である窒化物等のセラミックと金属粒子と
を密着させることができる。
【0049】酸化物を混合することにより、窒化物等の
セラミックと密着性が改善される理由は明確ではない
が、金属粒子表面や窒化物等のセラミック、とりわけ非
酸化物セラミックの表面は、わずかに酸化されて酸化膜
が形成されており、この酸化膜同士が酸化物を介して焼
結して一体化し、金属粒子と窒化物等のセラミックとが
密着するのではないかと考えられる。
【0050】上記酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸
化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B2 3 )、アルミナ、
イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少な
くとも1種が好ましい。
【0051】これらの酸化物は、抵抗発熱体12の抵抗
値を大きくすることなく、金属粒子と窒化物等のセラミ
ックとの密着性を改善することができるからである。
【0052】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比
で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素
が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜1
0、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であっ
て、その合計が100重量部を超えない範囲で調整され
ていることが望ましい。これらの範囲で、これらの酸化
物の量を調整することにより、特に窒化物等のセラミッ
クとの密着性を改善することができる。
【0053】上記酸化物の金属粒子に対する添加量は、
0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。また、こ
のような構成の導体ペーストを使用して抵抗発熱体12
を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好ま
しい。
【0054】面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印
加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、ヒータ板
の表面に抵抗発熱体12を設けたヒータ板11では、そ
の発熱量を制御しにくいからである。なお、酸化物の添
加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ
/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制
御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
【0055】抵抗発熱体12がヒータ板11の表面に形
成される場合には、抵抗発熱体12の表面部分に、金属
被覆層17が形成されていることが望ましい。内部の金
属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するた
めである。形成する金属被覆層17の厚さは、0.1〜
10μmが好ましい。
【0056】金属被覆層17を形成する際に使用される
金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、
具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッ
ケルなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよ
く、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニ
ッケルが好ましい。
【0057】抵抗発熱体12には、電源と接続するため
の端子が必要であり、この端子は、半田を介して抵抗発
熱体12に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を
防止するからである。接続端子としては、例えば、コバ
ール製の外部端子13が挙げられる。
【0058】なお、抵抗発熱体12をヒータ板11の内
部に形成する場合には、抵抗発熱体表面が酸化されるこ
とがないため、被覆は不要である。抵抗発熱体12をヒ
ータ板11内部に形成する場合、抵抗発熱体の一部が表
面に露出していてもよく、抵抗発熱体12を接続するた
めのスルーホールが端子部分に設けられ、このスルーホ
ールに外部端子が接続、固定されていてもよい。
【0059】外部端子13を接続する場合、半田として
は、銀−鉛、鉛−スズ、ビスマス−スズなどの合金を使
用することができる。なお、半田層の厚さは、0.1〜
50μmが好ましい。半田による接続を確保するのに充
分な範囲だからである。
【0060】また、図2に示したように、ヒータ板11
に貫通孔15を設けてその貫通孔15にリフターピン1
6を挿入し、半導体ウエハを図示しない搬送機に渡した
り、搬送機から半導体ウエハを受け取ったりすることが
できる。ヒータ板の抵抗発熱体形成面の反対側面が被加
熱物の加熱面となる。
【0061】本発明では、必要に応じてセラミック基板
に熱電対を埋め込んでおくことができる。熱電対により
抵抗発熱体の温度を測定し、そのデータをもとに電圧、
電流量を変えて、温度を制御することができるからであ
る。熱電対の金属線の接合部位の大きさは、各金属線の
素線径と同一か、もしくは、それよりも大きく、かつ、
0.5mm以下がよい。このような構成によって、接合
部分の熱容量が小さくなり、温度が正確に、また、迅速
に電流値に変換されるのである。このため、温度制御性
が向上してウエハの加熱面の温度分布が小さくなるので
ある。上記熱電対としては、例えば、JIS−C−16
02(1980)に挙げられるように、K型、R型、B
型、S型、E型、J型、T型熱電対が挙げられる。
【0062】本発明におけるヒータ板は、その厚さは、
50mm以下、特に20mm以下が望ましい。特にヒー
タ板の厚さが20mmを超えると、ヒータ板の熱容量が
大きくなり、特に温度制御手段を設けて加熱、冷却する
と、熱容量の大きさに起因して温度追従性が低下してし
まうからである。
【0063】また、本発明が解決する温度の不均一の問
題は、厚さが20mmを超えるような厚いヒータ板では
発生しにくいからである。特に5mm以下が最適であ
る。なお、厚みは、1mm以上が望ましい。
【0064】本発明のヒータ板の直径は200mm以上
が望ましい。特に12インチ(300mm)以上である
ことが望ましい。次世代のシリコンウエハの主流となる
からである。また、本発明が解決する温度不均一の問題
は、直径が200mm以下のヒータ板では発生しにくい
からである。本発明では、被加熱物を直接加熱面に載置
してもよく、5〜5000μm離間させて加熱してもよ
い。
【0065】次に、本発明のセラミックヒータの製造方
法について説明する。まず、ヒータ板11の底面に抵抗
発熱体が形成されたセラミックヒータ(図1〜2参照)
の製造方法について説明する。
【0066】(1) ヒータ板の作製工程 上述した窒化アルミニウムや炭化珪素などの窒化物等の
セラミックの粉末に必要に応じてイットリア(Y2
3 )やB4 C等の焼結助剤、Na、Caを含む化合物、
バインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラ
リーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒
を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形
し、生成形体(グリーン)を作製する。
【0067】次に、生成形体に、必要に応じて、半導体
ウエハを支持するためのリフターピンを挿入する貫通孔
となる部分や熱電対などの測温素子を埋め込むための有
底孔となる部分を形成する。
【0068】次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結
させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定
の形状に加工することにより、ヒータ板11を作製する
が、焼成後にそのまま使用することができる形状として
もよい。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気
孔のないヒータ板11を製造することが可能となる。加
熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、窒化物セラ
ミックや炭化物セラミックでは、1000〜2500℃
である。また、酸化物セラミックでは、1500℃〜2
000℃である。
【0069】(2) ヒータ板に導体ペーストを印刷する工
程 導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からな
る粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリ
ーン印刷などを用い、抵抗発熱体を設けようとする部分
に印刷を行うことにより、導体ペースト層を形成する。
抵抗発熱体は、ヒータ板全体を均一な温度にする必要が
あることから、図1に示すような同心円と屈曲線の組み
合わせのパターンに印刷する。導体ペースト層は、焼成
後の抵抗発熱体12の断面が、方形で、偏平な形状とな
るように形成することが望ましい。
【0070】(3) 導体ペーストの焼成 ヒータ板11の底面に印刷した導体ペースト層を加熱焼
成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒子を焼
結させ、ヒータ板11の底面に焼き付け、抵抗発熱体1
2を形成する。加熱焼成の温度は、500〜1000℃
が好ましい。導体ペースト中に上述した酸化物を添加し
ておくと、金属粒子、ヒータ板および酸化物が焼結して
一体化するため、抵抗発熱体とヒータ板との密着性が向
上する。
【0071】(4) 金属被覆層の形成 抵抗発熱体12表面には、金属被覆層17を設けること
が望ましい。金属被覆層17は、電解めっき、無電解め
っき、スパッタリング等により形成することができる
が、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。
【0072】(5) 端子等の取り付け 抵抗発熱体12のパターンの端部に電源との接続のため
の端子(外部端子13)を半田で取り付ける。また、有
底孔14に銀ろう、金ろうなどで熱電対を固定し、ポリ
イミド等の耐熱樹脂で封止し、セラミックヒータの製造
を終了する。
【0073】次に、ヒータ板11の内部に抵抗発熱体7
2が形成されたセラミックヒータ(図3参照)の製造方
法について説明する。 (1) ヒータ板の作製工程 まず、窒化物等のセラミックの粉末をバインダ、溶剤等
と混合してペーストを調製し、これを用いてグリーンシ
ートを作製する。
【0074】上述した窒化物等のセラミック粉末として
は、窒化アルミニウムなどを使用することができ、必要
に応じて、イットリア等の焼結助剤、Na、Caを含む
化合物等を加えてもよい。また、バインダとしては、ア
クリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソル
ブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種
が望ましい。
【0075】さらに溶媒としては、α−テルピネオー
ル、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望まし
い。これらを混合して得られるペーストをドクターブレ
ード法でシート状に成形してグリーンシートを作製す
る。グリーンシートの厚さは、0.1〜5mmが好まし
い。
【0076】次に、得られたグリーンシートに、必要に
応じて、半導体ウエハを支持するための支持ピンを挿入
する貫通孔75となる部分、熱電対などの測温素子を埋
め込むための有底孔74となる部分、抵抗発熱体を外部
端子73と接続するためのスルーホール76となる部分
等を形成する。後述するグリーンシート積層体を形成し
た後に、上記加工を行ってもよい。
【0077】(2) グリーンシート上に導体ペーストを印
刷する工程 グリーンシート上に、抵抗発熱体を形成するための金属
ペーストまたは導電性セラミックを含む導電性ペースト
を印刷する。この際の印刷パターンは、図1に示すよう
な同心円と屈曲線の組み合わせのパターンとする。これ
らの導電ペースト中には、金属粒子または導電性セラミ
ック粒子が含まれている。
【0078】タングステン粒子またはモリブデン粒子の
平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子が
0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペー
ストを印刷しにくいからである。このような導体ペース
トとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミック
粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロー
ス、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ば
れる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;お
よび、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少
なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組
成物(ペースト)が挙げられる。
【0079】(3) グリーンシートの積層工程 導体ペーストを印刷していないグリーンシートを、導体
ペーストを印刷したグリーンシートの上下に積層する。
このとき、上側に積層するグリーンシートの数を下側に
積層するグリーンシートの数よりも多くして、抵抗発熱
体の形成位置を底面の方向に偏芯させる。具体的には、
上側のグリーンシートの積層数は20〜50枚が、下側
のグリーンシートの積層数は5〜20枚が好ましい。
【0080】(4) グリーンシート積層体の焼成工程 グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシ
ートおよび内部の導体ペーストを焼結させる。加熱温度
は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、
100〜200kg/cm2 が好ましい。加熱は、不活
性ガス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、
アルゴン、窒素などを使用することができる。
【0081】なお、焼成を行った後に、測温素子を挿入
するための有底孔を設けてもよい。有底孔は、表面研磨
後に、サンドブラストなどをブラスト処理を行うことに
より形成することができる。また、内部の抵抗発熱体と
接続するためのスルーホール76に外部端子73を接続
し、加熱してリフローする。加熱温度は、200〜50
0℃が好適である。
【0082】さらに、測温素子としての熱電対などを銀
ろう、金ろうなどで取り付け、ポリイミドなどの耐熱性
樹脂で封止し、セラミックヒータの製造を終了する。本
発明のセラミックヒータは、静電チャック、ウエハプロ
ーバのチャックトップステージに使用することが可能で
ある。
【0083】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明する。 (実施例1) (1) 窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1μm)1
00重量部、イットリア(平均粒径:0.4μm)4重
量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコールか
らなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を
作製した。
【0084】(2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
【0085】(3) 加工処理の終った生成形体を1800
℃、圧力:20MPaでホットプレスし、厚さが3mm
の窒化アルミニウム板状体を得た。次に、この板状体か
ら直径210mmの円板体を切り出し、セラミック製の
板状体(ヒータ板11)とした。この成形体にドリル加
工を施し、半導体ウエハの支持ピンを挿入する貫通孔1
5となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔14とな
る部分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成し
た。
【0086】(4) 上記(3) で得たヒータ板11に、スク
リーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターン
は、図1に示したような同心円と屈曲線の組み合わせの
パターンとした。なお、これは図4に示したセラミック
ヒータ20のようなパターンとしてもよい。導体ペース
トとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用
されている徳力化学研究所製のソルベストPS603D
を使用した。この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであ
り、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸
化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホ
ウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からな
る酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒
子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであっ
た。
【0087】(5) 次に、導体ペーストを印刷したヒータ
板11を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の
銀、鉛を焼結させるとともにヒータ板11に焼き付け、
抵抗発熱体12を形成した。銀−鉛の抵抗発熱体は、厚
さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/
□であった。なお、厚さのばらつきは、全体で±0.4
μmであるが、ばらつきが局在していない。
【0088】(6) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸
ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほ
う酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶
液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5) で作製し
たヒータ板11を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体12の表
面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)17を析出
させた。
【0089】(7) 電源との接続を確保するための外部端
子13を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀
−鉛半田ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を
形成した。ついで、半田層の上にコバール製の外部端子
13を載置して、420℃で加熱リフローさせ、外部端
子13を抵抗発熱体の表面に取り付けた。 (8) 温度制御のための熱電対をはめ込み、セラミック接
着剤(東亜合成製 アロンセラミック)を充填し、セラ
ミックヒータ10を得た。
【0090】(実施例2) (1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径
1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y2
3 :イットリア、平均粒径0.4μm)4重量部、アク
リル系樹脂バインダ11.5重量部、分散剤0.5重量
部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコ
ール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブ
レード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリ
ーンシートを作製した。
【0091】(2)次に、このグリーンシートを80℃
で5時間乾燥させた後、図3に示すシリコンウエハ19
を運搬等するためのリフターピン16を挿入するための
貫通孔75となる部分、バイアホールとなる部分、およ
び、スルーホール76となる部分をパンチングにより形
成した。
【0092】(3)平均粒径1μmのタングステンカー
バイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重
量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散
剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調整した。
平均粒径3μmのタングステン粒子100重量部、アク
リル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒
3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体
ペーストBを調整した。
【0093】この導体ペーストAをバイアホールとなる
部分を形成したグリーンシート上にスクリーン印刷で印
刷し、抵抗発熱体用の導体ペースト層を形成した。印刷
パターンは、図9に示したような渦巻きパターンと部分
的に屈曲するパターンとした。導体ペースト層の幅を1
0mm、その厚さを12μmとした。なお、厚さのばら
つきは、全体で±0.5μmであるが、ばらつきが局在
していない。
【0094】続いて、導体ペーストAをスルーホールと
なる部分を形成したグリーンシート上にスクリーン印刷
で印刷し、導体回路用の導体ペースト層を形成した。印
刷の形状は帯状とした。また、導体ペーストBを、バイ
アホールとなる部分およびスルーホールとなる部分に充
填した。
【0095】上記処理の終わった導体ペースト層を印刷
したグリーンシートの上に、導体ペーストを印刷してい
ないグリーンシートを37枚重ね、その下に、導体ペー
スト層を印刷したグリーンシートを重ねた後、更にその
下に、導体ペーストを印刷していないグリーンシートを
12枚重ねて、130℃、8MPaの圧力で積層した。
【0096】(4)次に、得られた積層体を窒素ガス
中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15M
Paで10時間ホットプレスし、厚さ3mmのセラミッ
ク板状体を得た。これを230mmの円板状に切り出
し、内部に厚さ6μm、幅10mmの抵抗発熱体72お
よびスルーホール76を有するヒータ板11とした。
【0097】(5)次に、(4)で得られたヒータ板1
1を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置
し、SiC等によるブラスト処理で表面に熱電対のため
の有底孔74を設けた。 (6)温度制御のための熱電対を有底孔74に挿入し、
シリカゾルを充填し、190℃で2時間硬化ゲル化させ
抵抗発熱体72およびスルーホール76を有するセラミ
ックヒータを得た。
【0098】(実施例3) (1) SiC粉末(平均粒径:0.3μm)100重量
部、焼結助剤のB4 Cを0.5重量部、アクリル系バイ
ンダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプ
レードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。 (2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成
形して生成形体(グリーン)を得た。
【0099】(3) 加工処理の終った生成形体を2100
℃、圧力:18MPaでホットプレスし、厚さが3mm
のSiC製のセラミック基板を得た。次に、この板状体
の表面から直径210mmの円板体を切り出し、ヒータ
板とした。
【0100】ヒータ板に、ガラスペースト(昭栄化学工
業製 G−5232N)を塗布して、1000℃で1時
間焼成してSiC製のセラミック基板の表面に、厚さ2
μmのSiO2 膜を形成した。この成形体にドリル加工
を施し、シリコンウエハのリフターピンを挿入する貫通
孔となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔となる部
分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
【0101】(4) 上記(3) で得たヒータ板に、スクリー
ン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、
図1に示したような渦巻きと屈曲線の繰り返しの混成パ
ターンとした。
【0102】導体ペーストとしては、以下の組成を使用
した。すなわち、リン片状銀(昭栄化学工業製 Ag−
540)90重量部、針状結晶の白金(昭栄化学工業製
Pt−401)10重量部、シリカ7.5重量部、酸
化硼素1.5重量部、酸化亜鉛6重量部、有機ビヒクル
として酢酸セルロース30重量部からなるものであっ
た。
【0103】(5) 次に、導体ペーストを印刷したセラミ
ック基板を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中
の銀、白金を焼結させるとともに基板に焼き付け、抵抗
発熱体を形成した。抵抗発熱体は、厚さが5μm、幅1
0mm、面積抵抗率が0.13Ω/□であった。なお、
厚さのばらつきは、全体で±0.5μmであるが、ばら
つきが局在していない。
【0104】(6) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸
ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほ
う酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶
液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5) で作製し
た基板を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体12の表面に厚さ
1μmの金属被覆層(ニッケル層)17を析出させた。
【0105】(7) 電源との接続を確保するための端子を
取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田
ペースト(田中貴金属製)を印刷して半田層を形成し
た。ついで、半田層の上にコバール製の端子ピンを載置
して、420℃で加熱リフローさせ、外部端子13を抵
抗発熱体の表面に取り付けた。 (8) 温度制御のための熱電対を有底孔にはめ込み、セラ
ミック接着剤(東亜合成製 アロンセラミック)を埋め
込んで固定しセラミックヒータを得た。
【0106】(試験例)アルミナ粉末(平均粒径:1.
1μm)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4
μm)4重量部、アクリルバインダ12重量部およびア
ルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒
状の粉末を作製したほかは、実施例1と同様にして、セ
ラミックヒータを製造した。
【0107】(比較例1) (1) 抵抗発熱体のパターンが図5に示したセラミックヒ
ータ30と同じになるように導体ペーストを印刷したほ
かは、実施例1と同様にしてセラミックヒータを製造し
た。厚さは6μmであるが、ばらつきは±0.4μmで
あった。しかも厚さのばらつきが印刷方向に垂直方向で
は厚く、平行方向では薄く、局在化していた。
【0108】次に、実施例および比較例で得られたセラ
ミックヒータに通電し、中心部分の温度を200℃まで
上昇させ、中心部分と外周部(外周端部から中心に向か
って20mmの点)との温度差ΔTを測定した。また、
200℃まで昇温させるための時間を測定した。
【0109】その結果、実施例1〜3および試験例で得
られたセラミックヒータでは、ΔT=0.5℃(実施例
1)、ΔT=0.5℃(実施例2)、ΔT=0.4℃
(実施例3)、ΔT=0.8℃(試験例)と中心部分と
外周部分の温度差は余りなかったが、比較例1で得られ
たセラミックヒータでは、ΔT=3℃と中心部分と外周
部分とで大きな温度差が発生した。
【0110】また、200℃までの昇温時間は、実施例
1〜3および試験例において、30秒(実施例1)、3
2秒(実施例2)、40秒(実施例3)、5分(試験
例)であったが、比較例1でも30秒であった。以上の
結果より、昇温時間などを考慮すると、酸化物セラミッ
クよりも非酸化物セラミックを採用する方が有利である
ことが判明した。
【0111】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
ヒータによれば、中心部分には、同心円形状または渦巻
き形状のパターンの発熱体が形成され、一方、外周部分
には、屈曲線の繰り返しパターンの発熱体が形成されて
いるので、ウエハ加熱面における外周部分の温度の低下
を抑えることができ、加熱対象である半導体ウエハ全体
を均一に加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータの一例を模式的に示
す底面図である。
【図2】図1に示したセラミックヒータの一部を模式的
に示す部分拡大断面図である。
【図3】本発明に係るセラミックヒータであって、ヒー
タ板の内部に抵抗発熱体が形成されたものの一部を模式
的に示す部分拡大断面図である。
【図4】本発明のセラミックヒータにおける抵抗発熱体
パターンの他の一例を模式的に示す底面図である。
【図5】従来のセラミックヒータを模式的に示す底面図
である。
【図6】従来のセラミックヒータの熱伝導の状態を示し
た模式図である。
【図7】渦巻き形状の抵抗発熱体のパターンを印刷する
様子を示す説明図である。
【図8】屈曲形状の抵抗発熱体のパターンを印刷する様
子を示す説明図である。
【図9】部分屈曲パターンと渦巻きパターンとが混成さ
れた抵抗発熱体のパターンを示す底面図である。
【符号の説明】
10、20 セラミックヒータ 11、61 ヒータ板 11a 底面 11b ウエハ加熱面 12a、12b、22a、22b、22c、22d 抵
抗発熱体 42、52、62a、62b、62c、62d、72
抵抗発熱体 13、73 外部端子 14、74 有底孔 15、75 貫通孔 16 リフターピン 17 金属被覆層 19 半導体ウエハ 76 スルーホール
フロントページの続き Fターム(参考) 3K034 AA02 AA04 AA08 AA10 AA21 AA22 AA34 BB06 BB14 BC04 BC12 BC17 BC21 BC24 BC28 JA10 3K092 PP20 QA05 QB02 QB27 QB44 QB45 RF03 RF11 RF17 RF22 RF27 VV22 5F046 KA04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板形状のセラミック基板の表面または
    内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、
    前記発熱体は、同心円形状または渦巻き形状のパターン
    と、屈曲線からなるパターンの発熱体が混成して形成さ
    れていることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 【請求項2】 円板形状のセラミック基板の表面または
    内部に発熱体を設けてなるセラミックヒータにおいて、
    前記発熱体は、同心円形状または渦巻き形状のパターン
    と、屈曲線の繰り返しパターンの発熱体が混成して形成
    されていることを特徴とするセラミックヒータ。
  3. 【請求項3】 円板形状のセラミック基板の少なくとも
    外周部分に、屈曲線からなるパターン、または、屈曲線
    の繰り返しパターンの発熱体が形成されてなる請求項1
    または2に記載のセラミックヒータ。
  4. 【請求項4】 前記セラミック基板は、非酸化物セラミ
    ックである請求項1〜3のいずれか1に記載のセラミッ
    クヒータ。
  5. 【請求項5】 前記セラミック基板は、窒化物セラミッ
    クである請求項1〜3のいずれか1に記載のセラミック
    ヒータ。
  6. 【請求項6】 前記セラミック基板は、炭化物セラミッ
    クである請求項1〜3のいずれか1に記載のセラミック
    ヒータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015516667A (ja) * 2012-05-18 2015-06-11 株式会社 ケイエスエムコンポーネントKsm Component Co.,Ltd. セラミックヒータ用熱線配置構造

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