JP2004311447A - セラミックヒータ - Google Patents

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Yasuji Hiramatsu
靖二 平松
Yasutaka Ito
康隆 伊藤
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Abstract

【課題】 2以上の回路からなる抵抗発熱体の隣り合う回路同士の影響が小さく、加熱面の温度制御が容易で、加熱面の温度分布がなく、均一な温度とすることができ、その結果、半導体ウエハ等の被加熱物をより均一に加熱することができるセラミックヒータを提供すること。
【解決手段】 2以上の回路からなる抵抗発熱体がセラミック基板の内部または表面に形成されたセラミックヒータであって、上記抵抗発熱体は、2以上の領域に区画され、上記領域間の平均距離は、上記セラミック基板の厚さの1/4以上であることを特徴とするセラミックヒータ。
【選択図】 図3

Description

本発明は、主に、半導体の製造や検査のために用いられるセラミックヒータ(ホットプレート)に関する。
エッチング装置や、化学的気相成長装置等を含む半導体製造・検査装置等においては、従来、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用いたヒータやウエハプローバ等が用いられてきた。
ところが、このような金属製のヒータは、以下のような問題があった。
まず、金属製であるため、ヒータ板の厚みは、15mm程度と厚くしなければならない。なぜなら、薄い金属板では、加熱に起因する熱膨張により、反り、歪み等が発生してしまい、金属板上に載置したシリコンウエハが破損したり傾いたりしてしまうからである。しかしながら、ヒータ板の厚みを厚くすると、ヒータの重量が重くなり、また、嵩張ってしまうという問題があった。
また、発熱体に印加する電圧や電流量を変えることにより、加熱温度を制御するのであるが、金属板が厚いために、電圧や電流量の変化に対してヒータ板の温度が迅速に追従せず、温度制御しにくいという問題もあった。
そこで、特開平11−40330号公報には、基板として、熱伝導率が高く、強度も大きい窒化物セラミックや炭化物セラミックを使用し、これらのセラミックからなる板状体の表面に、金属粒子を焼結して形成した発熱体が設けられてなるセラミックヒータが開示されている。
このセラミックヒータでは、抵抗発熱体を複数の回路に分割し、これらの各回路毎に電圧を印加することにより、セラミック基板の温度制御を行い、抵抗発熱体が形成された面の反対側面を加熱面として、シリコンウエハ等の加熱を行っている。
しかしながら、このような従来のセラミックヒータでは、特開平11−40330号公報の図1に示したように、多数の同心円状の回路を等間隔で形成しており、各回路間の間隔が狭い。
従って、例えば、温度の低下した領域にある一の抵抗発熱体の回路に電力を投入して温度を上昇させると、その領域以外の他の回路領域にまで温度変化の大きな影響が及んでしまい、影響が及んだ回路の制御系が乱れる結果、加熱面の温度が不均一になってしまうという問題があった。
本発明者らは、上述した問題点に鑑み、加熱面を均一な温度にして、半導体ウエハ等の被加熱物を均一に加熱することができるセラミックヒータを得ることを目的として鋭意研究を行った結果、抵抗発熱体の回路を、2以上の領域に区画し、各領域間の平均距離をセラミック基板の厚さの1/4以上と離すことにより、一の回路の温度を上昇させても他の領域に大きな影響が及ばず、各領域における温度の制御が容易になる結果、セラミック基板の加熱面をより均一な温度にすることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
なお、抵抗発熱体の各領域の平均距離は、セラミック基板の中心から周縁方向に向かう距離であって、ある領域の抵抗発熱体の最も外周の点とその抵抗発熱体の外側にある他の領域の抵抗発熱体の最も内周の距離を10点測定し、その平均を求めることで定義される。
上記領域の形成方法としては、例えば、抵抗発熱体の1または2以上の回路を一単位とし、上記回路で囲まれた部分を1の領域とする方法が考えられる。回路が途切れている部分では、最外周や最内周のポイントを直線で結んで各領域を形成する。
このような抵抗発熱体の各領域の平均距離は、各領域内の抵抗発熱体パターン間の距離よりも短い方が好ましい。
すなわち本発明は、2以上の回路からなる抵抗発熱体がセラミック基板の内部または表面に形成されたセラミックヒータであって、
上記抵抗発熱体は、2以上の領域に区画され、上記領域間の平均距離は、上記セラミック基板の厚さの1/4以上であることを特徴とするセラミックヒータである。
上記抵抗発熱体に電流を流して発熱させると、熱はあらゆる方向に伝搬するので、セラミック基板の厚さ方向に伝搬するとともに、加熱面に平行な方向にも伝搬する。また、熱が伝搬する時間はその距離に依存するため、セラミック基板の厚さが厚いと、抵抗発熱体から加熱面まで熱が伝搬するのに時間がかかり、その熱が加熱面に到達する前に隣りの回路領域に到達してしまい、その領域の温度が上昇してしまう。
また、一の回路の両側に回路が形成されている場合には、これらの回路間の距離が近いと、両側の回路を発熱させた際には、これらの回路に挟まれた一の回路領域の温度の上昇が激しい。
このような場合、温度の上昇した領域では、その温度を低下させるように制御が行われるため、逆に、この領域の温度が隣の領域より低下してしまい、加熱面の温度が不均一になる場合があるという問題があった。
しかしながら、本発明のセラミックヒータは、上記の通り、抵抗発熱体の各領域間の平均距離を、厚さの1/4以上に設定しているので、各領域は互いに適当に離れており、隣に位置する領域の回路の温度を上昇させた際、制御しようとする回路領域の温度が上昇しすぎて制御が乱れるような状態は発生しにくく、そのため、セラミック基板の加熱面の温度を均一にすることができる。
なお、各領域間の平均距離は、厚さの1/2以上10倍以下がより好ましい。
本発明のセラミックヒータによれば、各領域間の平均距離は、セラミック基板の厚さの1/4以上であるので、隣り合う回路同士の影響が小さくなって加熱面の温度制御が容易になり、加熱面の温度分布をなくして、より均一な温度とすることができる。
その結果、半導体ウエハ等の被加熱物をより均一に加熱することができる。
本発明のセラミックヒータは、2以上の回路からなる抵抗発熱体がセラミック基板の内部または表面に形成されたセラミックヒータであって、
上記抵抗発熱体は、2以上の領域に区画され、上記領域間の平均距離は、上記セラミック基板の厚さの1/4以上であることを特徴とする。
以下に、本発明のセラミックヒータについて、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明のセラミックヒータを模式的に示す底面図であり、図2は、図1に示すセラミックヒータの一部を模式的に示す部分拡大断面図であり、図3は、図1に示したセラミックヒータを各領域毎に区画した際の各領域を示す平面図である。
図1に示したように、セラミック基板11は、円板状に形成されており、このセラミック基板11の底面には、周縁部に近い部分に屈曲形状の回路からなる抵抗発熱体12aが形成され、それよりも内側の部分には、略同心円形状からなる抵抗発熱体12b〜12dが形成され、これらの回路を組み合わせることにより、加熱面11aの温度が均一になるように設計されている。
また、抵抗発熱体12(12a〜12d)は、酸化等を防止するために金属被覆層120が形成され、その両端に入出力用の端部13が形成され、この端部13には、図2に示したように外部端子17が半田層120等を介して接合されており、さらに外部端子17にはソケット18が取り付けられ、ソケット18からの配線が電源と接続されている。
なお、図2に示すように、このセラミックヒータは、電源のほかに、制御部、記憶部、演算部を備えている。記憶部には、測温素子(熱電対、サーミスタ等)からのデータが一定の時間毎に格納され、さらに演算部に転送されて、必要な電力が計算される。電力データは、制御部に送られて電源を制御し、電力を抵抗発熱体に供給する。
また、セラミック基板11の底面11bには、測温素子を挿入するための有底孔14が形成され、中央に近い部分には、リフターピン16を挿通するための複数の貫通孔15が設けられている。
このリフターピン16は、その上にシリコンウエハ19を載置して上下させることができるようになっており、これにより、シリコンウエハ19を図示しない搬送機に渡したり、搬送機からシリコンウエハ19を受け取ったりすることができるとともに、シリコンウエハ19をセラミック基板11の加熱面11aに載置して加熱したり、シリコンウエハ19を加熱面11aから50〜2000μm離間させた状態で支持し、加熱することができるようになっている。
また、セラミック基板11に貫通孔や凹部を設け、この貫通孔または凹部に先端が尖塔状または半球状の支持ピンを挿入した後、支持ピンをセラミック基板11よりわずかに突出させた状態で固定し、この上記支持ピンでシリコンウエハ19を支持することにより、加熱面11aから50〜2000μm離間させた状態で加熱してもよい。
このセラミックヒータ10において、底面11b(抵抗発熱体形成面)を、中心より周縁方向に向かう距離がほぼ等しい1または2以上の回路で囲まれる領域毎に区画すると、図3に示したように、抵抗発熱体12aが形成された領域(A領域)、抵抗発熱体12bが形成された領域(B領域)、抵抗発熱体12cが形成された領域(C領域)、抵抗発熱体12dが形成された領域(D領域)に区画される。なお、A領域には、円周方向に4つの回路が形成されているが、これらの回路は、中心より周縁方向に向かう距離がほぼ等しいため、1つのA領域としている。
そして、これらA,B,C,Dの各領域間の平均距離は、セラミック基板の厚さの1/4以上に設定されている。このように、各領域間の平均距離を、セラミック基板の厚さとの関係で規定したのは、本発明では、セラミック基板の加熱面の温度を均一にする必要があり、加熱面の温度を均一にする上で、抵抗発熱体形成面(図1の場合には、底面)と加熱面との間の距離、および、抵抗発熱体の回路間の距離が重要な要素になるからである。
本発明では、上述したように、各領域間の平均距離を、セラミック基板の厚さの1/4以上に設定しているので、各領域は互いに適当な距離離れており、一の領域の回路の温度を上昇させた際、制御しようとする隣りの領域の温度が上昇しすぎて制御が乱れるような状態は発生しにくく、そのため、セラミック基板の加熱面の温度が均一になるような制御を比較的容易に行うことができる。
各領域間の平均距離を、セラミック基板の厚さの1/4未満に設定すると、一の回路に電流を印加して加熱した場合に、加熱の影響が加熱面に現れるよりも前に隣の領域に現れるため、その領域における制御系の制御が乱れ、加熱面の温度を均一することが難しくなる。
図4は、本発明の他の実施形態である、セラミック基板の内部に抵抗発熱体が配設されたセラミックヒータの抵抗発熱体の近傍を模式的に示した部分拡大断面図である。
図示はしていないが、図1に示したセラミックヒータと同様に、セラミック基板21は、円板形状に形成されており、抵抗発熱体22は、セラミック基板21の内部に、図1に示したパターンと同様のパターン、すなわち、同心円と屈曲線とを組み合わせたパターンで形成されている。
また、これら抵抗発熱体の回路形成領域の配置については、底部に抵抗発熱体が形成されたセラミック基板の場合と同様に、各領域間の平均距離が、セラミック基板の厚さの1/4以上となるように設定されている。
従って、上述したセラミック基板11の底面11bに抵抗発熱体12が形成された場合と同様に、加熱面の温度に均一にすることができる。
なお、抵抗発熱体22の端部の直下には、スルーホール28が形成され、さらに、このスルーホール28を露出させる袋孔27が底面21bに形成され、袋孔27には外部端子23が挿入され、ろう材24等で接合されている。
また、図4には示していないが、外部端子23には、例えば、導電線を有するソケットが取り付けられ、この導電線は電源等と接続されている。
本発明において、抵抗発熱体は、貴金属(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モリブデン、ニッケル等の金属、または、タングステン、モリブデンの炭化物等の導電性セラミックからなるものであることが望ましい。抵抗値を高くすることが可能となり、断線等を防止する目的で厚み自体を厚くすることができるとともに、酸化しにくく、熱伝導率が低下しにくいからである。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、抵抗発熱体は、セラミック基板全体の温度を均一にする必要があることから、同心円形状のパターンや図1に示すような同心円形状のパターンと屈曲線形状のパターンとを組み合わせたものが好ましい。また、抵抗発熱体の厚さは、1〜50μmが望ましく、その幅は、5〜20mmが望ましい。
抵抗発熱体の厚さや幅を変化させることにより、その抵抗値を変化させることができるが、この範囲が最も実用的だからである。抵抗発熱体の抵抗値は、薄く、また、細くなるほど大きくなる。
なお、抵抗発熱体を内部に設けると、加熱面と抵抗発熱体との距離が近くなり、表面の温度の均一性が低下するため、抵抗発熱体自体の幅を広げる必要がある。また、セラミック基板の内部に抵抗発熱体を設けるため、窒化物セラミック等との密着性を考慮する必要性がなくなる。
抵抗発熱体は、断面が方形、楕円形、紡錘形、蒲鉾形状のいずれでもよいが、偏平なものであることが望ましい。偏平の方が加熱面に向かって放熱しやすいため、加熱面への熱伝搬量を多くすることができ、加熱面の温度分布ができにくいからである。
なお、抵抗発熱体は螺旋形状でもよい。
セラミック基板の底面または内部に抵抗発熱体を形成するためには、金属や導電性セラミックからなる導体ペーストを用いることが好ましい。
即ち、図1、2に示すようにセラミック基板11の表面に抵抗発熱体12を形成する場合には、通常、焼成を行って、セラミック基板11を製造した後、その表面に上記導体ペースト層を形成し、焼成することより、抵抗発熱体を作製する。一方、図4に示すようにセラミック基板21の内部に抵抗発熱体22を形成する場合には、グリーンシート上に上記導体ペースト層を形成した後、グリーンシートを積層、焼成することにより、内部に抵抗発熱体を作製する。
上記導体ペーストとしては特に限定されないが、導電性を確保するため金属粒子または導電性セラミック粒子が含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤などを含むものが好ましい。
上記金属粒子や導電性セラミック粒子の材料としては、上述したものが挙げられる。これら金属粒子または導電性セラミック粒子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μm未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくなるからである。
上記金属粒子の形状は、球状であっても、リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよい。
上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を保持しやすくなり、抵抗発熱体とセラミック基板との密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることができるため有利である。
上記導体ペーストに使用される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコール等が挙げられる。増粘剤としては、セルロース等が挙げられる。
抵抗発熱体用の導体ペーストをセラミック基板の表面に形成する際には、上記導体ペースト中に上記金属粒子のほかに金属酸化物を添加し、上記金属粒子および上記金属酸化物を焼結させたものとすることが好ましい。このように、金属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、セラミック基板と金属粒子とをより密着させることができる。
上記金属酸化物を混合することにより、セラミック基板との密着性が改善される理由は明確ではないが、金属粒子表面や非酸化物からなるセラミック基板の表面は、その表面がわずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子とセラミックとが密着するのではないかと考えられる。また、セラミック基板を構成するセラミックが酸化物の場合は、当然に表面が酸化物からなるので、密着性に優れた導体層が形成される。
上記金属酸化物としては、例えば、酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
これらの酸化物は、抵抗発熱体の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子とセラミック基板との密着性を改善することができるからである。
上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50であって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整されていることが好ましい。
これらの範囲で、これらの酸化物の量を調整することにより、特にセラミック基板との密着性を改善することができる。
上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。また、このような構成の導体ペーストを使用して抵抗発熱体を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□が好ましい。
面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、表面に抵抗発熱体を設けたセラミック基板では、その発熱量を制御しにくいからである。なお、金属酸化物の添加量が10重量%以上であると、面積抵抗率が50mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大きくなりすぎて温度制御が難しくなり、温度分布の均一性が低下する。
抵抗発熱体がセラミック基板の表面に形成される場合には、抵抗発熱体の表面部分に、金属被覆層が形成されていることが好ましい。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するのを防止するためである。形成する金属被覆層の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。
上記金属被覆層を形成する際に使用される金属は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが好ましい。
なお、抵抗発熱体をセラミック基板の内部に形成する場合には、抵抗発熱体表面が酸化されることがないため、被覆は不要である。
本発明のセラミックヒータを構成するセラミック基板の材料は特に限定されないが、例えば、窒化物セラミック、炭化物セラミック、酸化物セラミック等が挙げられる。
上記窒化物セラミックとしては、金属窒化物セラミック、例えば、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタン等が挙げられる。
また、上記炭化物セラミックとしては、金属炭化物セラミック、例えば、炭化ケイ素、炭化ジルコニウム、炭化チタン、炭化タンタル、炭化タングステン等が挙げられる。
上記酸化物セラミックとしては、金属酸化物セラミック、例えば、アルミナ、ジルコニア、コージェライト、ムライト等が挙げられる。
これらのセラミックは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらのセラミックの中では、窒化物セラミック、炭化物セラミックの方が酸化物セラミックに比べて望ましい。熱伝導率が高いからである。
また、窒化物セラミックの中では窒化アルミニウムが最も好適である。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いからである。
また、上記セラミック材料は、焼結助剤を含有していてもよい。上記焼結助剤としては、例えば、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類酸化物等が挙げられる。これらの焼結助剤のなかでは、CaO、Y23 、Na2 O、Li2 O、Rb2 Oが好ましい。これらの含有量としては、0.1〜10重量%が好ましい。また、アルミナを含有していてもよい。
本発明のセラミックヒータを構成するセラミック基板は、明度がJIS Z 8721の規定に基づく値でN4以下のものであることが望ましい。このような明度を有するものが輻射熱量、隠蔽性に優れるからである。また、このようなセラミック基板は、サーモビュアにより、正確な表面温度測定が可能となる。
ここで、明度のNは、理想的な黒の明度を0とし、理想的な白の明度を10とし、これらの黒の明度と白の明度との間で、その色の明るさの知覚が等歩度となるように各色を10分割し、N0〜N10の記号で表示したものである。
そして、実際の測定は、N0〜N10に対応する色票と比較して行う。この場合の小数点1位は0または5とする。
このような特性を有するセラミック基板は、セラミック基板中にカーボンを100〜5000ppm含有させることにより得られる。カーボンには、非晶質のものと結晶質のものとがあり、非晶質のカーボンは、セラミック基板の高温における体積抵抗率の低下を抑制することでき、結晶質のカーボンは、セラミック基板の高温における熱伝導率の低下を抑制することができるため、その製造する基板の目的等に応じて適宜カーボンの種類を選択することができる。
非晶質のカーボンとしては、例えば、C、H、Oだけからなる炭化水素、好ましくは、糖類を、空気中で焼成することにより得ることができ、結晶質のカーボンとしては、グラファイト粉末等を用いることができる。
また、アクリル系樹脂を不活性雰囲気(窒化ガス、アルゴンガス)下で熱分解させた後、加熱加圧することによりカーボンを得ることができるが、このアクリル系樹脂の酸価を変化させることにより、結晶性(非晶性)の程度を調整することができる。
上記セラミック基板は、円板形状であり、直径200mm以上が望ましく、250mm以上が最適である。
半導体装置に用いられる円板形状のセラミック基板は、温度の均一性が要求されるが、直径の大きな基板ほど、温度が不均一になりやすいからである。
上記セラミック基板の厚さは、50mm以下が好ましく、20mm以下がより好ましい。また、1〜5mmが最適である。
厚みは、薄すぎると高温での反りが発生しやすく、厚すぎると熱容量が大きくなり過ぎて昇温降温特性が低下するからである。
また、上記セラミック基板の気孔率は、0または5%以下が望ましい。高温での熱伝導率の低下、反りの発生を抑制できるからである。
本発明のセラミックヒータで用いるセラミック基板は、150℃以上で使用することができるが、200℃以上で使用することが望ましい。
本発明では、必要に応じてセラミック基板に熱電対を埋め込んでおくことができる。熱電対により抵抗発熱体の温度を測定し、そのデータをもとに電圧、電流量を変えて、温度を制御することができるからである。
上記熱電対の金属線の接合部位の大きさは、各金属線の素線径と同一か、もしくは、それよりも大きく、かつ、0.5mm以下がよい。このような構成によって、接合部分の熱容量が小さくなり、温度が正確に、また、迅速に電流値に変換されるのである。このため、温度制御性が向上してウエハの加熱面の温度分布が小さくなるのである。
上記熱電対としては、例えば、JIS−C−1602(1980)に挙げられるように、K型、R型、B型、E型、J型、T型熱電対が挙げられる。
抵抗発熱体には、半田やろう材を介して外部端子を接続するが、この外部端子の材料としては特に限定されず、例えば、ニッケル、コバール等の金属が挙げられる。
また、その形状は、図2に示したように、断面視T字型のものが好ましい。また、そのサイズは、使用するセラミック基板の大きさ、抵抗発熱体の大きさ等によって適宜調整されるため特に限定されないが、軸部分の直径は0.5〜10mm、軸部分の長さは3〜20mmが好ましい。
また、外部端子を接合するためのろう材としては、例えば、銀ろう、パラジウムろう、アルミニウムろう、金ろう等が挙げられる。上記金ろうとしては、タングステンとの密着性に優れるAu−Ni合金が望ましい。
Au/Niの比率は、〔81.5〜82.5(重量%)〕/〔18.5〜17.5(重量%)〕が望ましく、Au−Ni層の厚さは、0.1〜50μmが望ましい。接続を確保するに充分な範囲だからである。10-6〜10-5Paの高真空下、500〜1000℃の高温で使用するとAu−Cu合金では劣化するが、Au−Ni合金ではこのような経時的な劣化がなく有利である。また、Au−Ni合金中の不純物元素量は全量を100重量部とした場合に1重量部未満であることが望ましい。
なお、抵抗発熱体をセラミック基板に内部に形成した際に、抵抗発熱体と外部端子とを接続するためのスルーホールを形成するが、そのスルーホールの材質としては、例えば、タングステン、モリブデン等の金属、または、これらの炭化物等が好ましい。また、その直径は、0.1〜10mmが望ましい。断線を防止しつつ、クラックや歪みを防止することができるからである。
次に、本発明のセラミックヒータの製造方法について説明する。
図5(a)〜(c)は、セラミック基板の底面に抵抗発熱体を有するセラミックヒータの製造方法を模式的に示した断面図である。
(1)セラミック基板の製造工程
上述した窒化アルミニウム等のセラミック粉末に必要に応じてイットリア等の焼結助剤やバインダ等を配合してスラリーを調製した後、このスラリーをスプレードライ等の方法で顆粒状にし、この顆粒を金型などに入れて加圧することにより板状などに成形し、生成形体(グリーン)を作製する。スラリー調整時に、非晶質や結晶質のカーボンを添加してもよい。
次に、この生成形体を加熱、焼成して焼結させ、セラミック製の板状体を製造する。この後、所定の形状に加工することにより、セラミック基板11を製造するが、焼成後にそのまま使用することができる形状としてもよい(図5(a))。加圧しながら加熱、焼成を行うことにより、気孔のないセラミック基板11を製造することが可能となる。加熱、焼成は、焼結温度以上であればよいが、窒化物セラミックでは、1000〜2500℃である。
次に、セラミック基板に、必要に応じて、シリコンウエハを支持するための支持ピンを挿入する貫通孔となる部分、シリコンウエハを運搬等するためのリフターピンを挿入する貫通孔15となる部分、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔となる部分等を形成する。
(2)セラミック基板に導体ペーストを印刷する工程
導体ペーストは、一般に、金属粒子、樹脂、溶剤からなる粘度の高い流動物である。この導体ペーストをスクリーン印刷などを用い、抵抗発熱体を設けようとする部分に印刷を行うことにより、導体ペースト層を形成する。また、抵抗発熱体は、セラミック基板全体を均一な温度にする必要があることから、例えば、同心円形状とするか、または、同心円形状と屈曲線形状とを組合わせたパターンに印刷することが好ましい。
導体ペースト層は、焼成後の抵抗発熱体12の断面が、方形で、偏平な形状となるように形成することが好ましい。
(3)導体ペーストの焼成
セラミック基板11の底面に印刷した導体ペースト層を加熱焼成して、樹脂、溶剤を除去するとともに、金属粒子を焼結させ、セラミック基板11の底面に焼き付け、抵抗発熱体12を形成する(図5(b))。加熱焼成の温度は、500〜1000℃が好ましい。
導体ペースト中に上述した金属酸化物を添加しておくと、金属粒子、セラミック基板および金属酸化物が焼結して一体化するため、抵抗発熱体とセラミック基板との密着性が向上する。
(4)金属被覆層の形成
抵抗発熱体12表面には、金属被覆層(図示せず)を設けることが望ましい。
上記金属被覆層は、電解めっき、無電解めっき、スパッタリング等により形成することができるが、量産性を考慮すると、無電解めっきが最適である。
(5)端子等の取り付け
抵抗発熱体12の回路の端部に電源との接続のための外部端子17を半田等により取り付ける(図5(c))。この後、図示はしないが、例えば、この外部端子17に導電線を有するソケット等を脱着可能な状態で取り付ける。
(6)この後、このような抵抗発熱体12を有するセラミック基板を、例えば、円筒形状の支持容器に取り付け、ソケットから延びたリード線を電源に接続することにより、セラミックヒータの製造を終了する。
上記セラミックヒータを製造する際に、セラミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電チャックを製造することができ、また、加熱面にチャックトップ導体層を設け、セラミック基板の内部にガード電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバを製造することができる。
セラミック基板の内部に電極を設ける場合には、金属箔等をセラミック基板の内部に埋設すればよい。また、セラミック基板の表面に導体層を形成する場合には、スパッタリング法やめっき法を用いることができ、これらを併用してもよい。
次に、本発明のセラミック基板の内部に抵抗発熱体を有するセラミックヒータの製造方法について説明する。
図6(a)〜(d)は、上記セラミックヒータの製造方法を模式的に示した断面図である。
(1)グリーンシートの作製工程
まず、窒化物セラミックの粉末をバインダ、溶剤等と混合してペーストを調製し、これを用いてグリーンシートを作製する。
上述したセラミック粉末としては、窒化アルミニウム等を使用することができ、必要に応じて、イットリア等の焼結助剤を加えてもよい。また、グリーンシートを作製する際、結晶質や非晶質のカーボンを添加してもよい。
また、バインダとしては、アクリル系バインダ、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
さらに溶媒としては、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種が望ましい。
これらを混合して得られるペーストをドクターブレード法でシート状に成形してグリーンシート50を作製する。
グリーンシート50の厚さは、0.1〜5mmが好ましい。
次に、得られたグリーンシートに、必要に応じて、シリコンウエハを支持するための支持ピンを挿入する貫通孔となる部分、シリコンウエハを運搬等するためのリフターピンを挿入する貫通孔25となる部分、熱電対などの測温素子を埋め込むための有底孔となる部分、抵抗発熱体を外部端子と接続するためのスルーホールとなる部分280等を形成する。後述するグリーンシート積層体を形成した後に、上記加工を行ってもよい。
(2)グリーンシート上に導体ペーストを印刷する工程
グリーンシート50上に、金属ペーストまたは導電性セラミックを含む導体ペーストを印刷し、導体ペースト層220を形成する。
これらの導電ペースト中には、金属粒子または導電性セラミック粒子が含まれている。
上記金属粒子であるタングステン粒子またはモリブデン粒子等の平均粒子径は、0.1〜5μmが好ましい。平均粒子が0.1μm未満であるか、5μmを超えると、導体ペーストを印刷しにくいからである。
このような導体ペーストとしては、例えば、金属粒子または導電性セラミック粒子85〜87重量部;アクリル系、エチルセルロース、ブチルセロソルブ、ポリビニルアルコールから選ばれる少なくとも1種のバインダ1.5〜10重量部;および、α−テルピネオール、グリコールから選ばれる少なくとも1種の溶媒を1.5〜10重量部を混合した組成物(ペースト)が挙げられる。
(3)グリーンシートの積層工程
上記(1)の工程で作製した導体ペーストを印刷していないグリーンシート50を、上記(2)の工程で作製した導体ペースト層220を印刷したグリーンシート50の上下に積層する(図6(a))。
このとき、上側に積層するグリーンシート50の数を下側に積層するグリーンシート50の数よりも多くして、抵抗発熱体22の形成位置を底面の方向に偏芯させる。
具体的には、上側のグリーンシート50の積層数は20〜50枚が、下側のグリーンシート50の積層数は5〜20枚が好ましい。
(4)グリーンシート積層体の焼成工程
グリーンシート積層体の加熱、加圧を行い、グリーンシート50および内部の導体ペーストを焼結させ、セラミック基板31を作製する(図6(b))。
加熱温度は、1000〜2000℃が好ましく、加圧の圧力は、10〜20MPaが好ましい。加熱は、不活性ガス雰囲気中で行う。不活性ガスとしては、例えば、アルゴン、窒素などを使用することができる。
得られたセラミック基板21に、リフターピンを挿通するための貫通孔25、測温素子を挿入するための有底孔(図示せず)や、外部端子23を挿入するための袋孔27等を設ける(図6(c))。貫通孔25、有底孔および袋孔27は、表面研磨後に、ドリル加工やサンドブラストなどのブラスト処理を行うことにより形成することができる。
次に、袋孔27より露出したスルーホール28に外部端子23を金ろう等を用いて接続する(図6(d))。さらに、図示はしないが、外部端子23に、例えば、導電線を有するソケットを脱着可能に取り付ける。
なお、加熱温度は、半田処理の場合には90〜450℃が好適であり、ろう材での処理の場合には、900〜1100℃が好適である。さらに、測温素子としての熱電対などを耐熱性樹脂で封止し、セラミックヒータとする。
(5)この後、このような内部に抵抗発熱体12を有するセラミック基板21を、円筒形状の支持容器に取り付け、ソケットから延びたリード線を電源に接続することにより、セラミックヒータの製造を終了する。
上記セラミックヒータでは、その上にシリコンウエハ等を載置するか、または、シリコンウエハ等を支持ピンで保持させた後、シリコンウエハ等の加熱や冷却を行いながら、種々の操作を行うことができる。
上記セラミックヒータを製造する際に、セラミック基板の内部に静電電極を設けることにより静電チャックを製造することができ、また、加熱面にチャックトップ導体層を設け、セラミック基板の内部にガード電極やグランド電極を設けることによりウエハプローバを製造することができる。
セラミック基板の内部に電極を設ける場合には、抵抗発熱体を形成する場合と同様にグリーンシートの表面に導体ペースト層を形成すればよい。また、セラミック基板の表面に導体層を形成する場合には、スパッタリング法やめっき法を用いることができ、これらを併用してもよい。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)セラミックヒータの製造(図5参照)
(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y23 :イットリア、平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ12重量部およびアルコールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状の粉末を作製した。
(2)次に、この顆粒状の粉末を金型に入れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。
(3)加工処理の終わった生成形体を温度:1800℃、圧力:20MPaでホットプレスし、厚さが3mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。
次に、この焼結体から直径210mmの円板体を切り出し、セラミック性の板状体(セラミック基板11)とした(図5(a))。
次に、この板状体にドリル加工を施し、シリコンウエハのリフターピンを挿入する貫通孔15となる部分、熱電対を埋め込むための有底孔14となる部分(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
(4)上記(3)で得た焼結体の底面に、スクリーン印刷にて導体ペーストを印刷した。印刷パターンは、図1に示したような同心円形状と屈曲形状とを組み合わせたパターンとした。
導体ペーストとしては、プリント配線板のスルーホール形成に使用されている徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用した。
この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀100重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであった。
(5)次に、導体ペーストを印刷した焼結体を780℃で加熱、焼成して、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともに焼結体に焼き付け、抵抗発熱体12を形成した(図5(b))。銀−鉛の抵抗発熱体12は、厚さが5μm、幅2.4mm、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
(6)硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほう酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(5)で作製した焼結体を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体22の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)(図示せず)を析出させた。
(7)電源との接続を確保するための外部端子17を取り付ける部分に、スクリーン印刷により、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷して半田ペースト層を形成した。
ついで、半田ペースト層の上にコバール製の外部端子17を載置して、420℃で加熱リフローし、外部端子17の一端部を抵抗発熱体12の表面に取り付けた(図5(c))。
(8)外部端子17に、導電線を有するソケットを取り付け、温度制御のための熱電対を有底孔に挿入し、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させた。
(10)抵抗発熱体12が形成された底面11bを、図3に示したようなA〜Dの領域に区画し、各領域間の平均距離を測定したところ、A−B間の平均距離は、26mm、B−C間の平均距離は、18mm、C−D間の平均距離は、8mmであり、セラミック基板11の厚さ(3mm)の1/2以上であった。
(実施例2)セラミックヒータの製造(図6参照)
(1)窒化アルミニウム粉末(トクヤマ社製、平均粒径:1.1μm)100重量部、酸化イットリウム(Y23 :イットリア、平均粒径:0.4μm)4重量部、アクリルバインダ11.5重量部、分散剤0.5重量部および1−ブタノールとエタノールとからなるアルコール53重量部を混合したペーストを用い、ドクターブレード法により成形を行って、厚さ0.47mmのグリーンシート50を作製した。
(2)次に、このグリーンシート50を80℃で5時間乾燥させた後、シリコンウエハを運搬等するリフターピン16を挿入するための貫通孔25となる部分、スルーホール28となる部分280等をパンチングにより形成した。
(3)平均粒子径1μmのタングステンカーバイト粒子100重量部、アクリル系バインダ3.0重量部、α−テルピネオール溶媒3.5重量部および分散剤0.3重量部を混合して導体ペーストAを調製した。
平均粒子径3μmのタングステン粒子100重量部、アクリル系バインダ1.9重量部、α−テルピネオール溶媒3.7重量部および分散剤0.2重量部を混合して導体ペーストBを調製した。
この導体ペーストAをグリーンシート上にスクリーン印刷で印刷し、抵抗発熱体22用の導体ペースト層220を形成した。印刷パターンは、図1に示したような同心円形状と屈曲形状とを組み合わせたパターンとし、導体ペースト層の幅を10mm、その厚さを12μmとした。また、スルーホールとなる部分280に導体ペーストBを充填した。
上記処理の終わったグリーンシートに、タングステンペーストを印刷しないグリーンシートを上側(加熱面)に37枚、下側に13枚、130℃、8MPaの圧力で積層した(図6(a))。
(4)次に、得られた積層体を窒素ガス中、600℃で5時間脱脂し、1890℃、圧力15MPaで10時間ホットプレスし、厚さ15mmの窒化アルミニウム焼結体を得た。これを230mmの円板状に切り出し、内部に厚さ6μm、幅10mm(アスペクト比:1666)の抵抗発熱体22およびスルーホール28を有するセラミック基板21とした(図6(b))。
(5)次に、(4)で得られた板状体を、ダイヤモンド砥石で研磨した後、マスクを載置し、ガラスビーズによるブラスト処理で表面に熱電対のための有底孔を設けた。
(6)さらに、スルーホール28の真下を、ドリルでえぐり取って直径1.5mm、深さ0.5mmの袋孔27を形成し、スルーホール28を露出させた(図6(c))。この袋孔37にコバール製の外部端子23を挿入し、Ni−Au合金(Au:81.5重量%、Ni:18.4重量%、不純物:0.1重量%)からなる金ろうを用い、970℃で加熱リフローして外部端子23の一端部とスルーホール38とを接続した。
さらに、外部端子23に導電線を有するソケット10を取り付け、温度制御のための複数の熱電対を有底孔に埋め込み、ポリイミド樹脂を充填し、190℃で2時間硬化させた。
(7)抵抗発熱体の回路の平面視したパターンは、図1に示したとおりであった。そこで、この回路パターンを、図3に示したようなA〜Dの領域に区画し、各領域間の平均距離を測定したところ、A−B間の平均距離は、6mm、B−C間の平均距離は、5mm、C−D間の平均距離は、5mmであり、セラミック基板11の厚さ(15mm)の1/4以上であった。
(比較例1)
セラミック基板11の厚さを3mmとし、また、抵抗発熱体の回路の平面視したパターンを、図3に示したようなA〜Dの領域に区画した際、A−B間の平均距離を0.5mm、B−C間の平均距離を0.5mm、C−D間の平均距離を0.5mmと、セラミック基板11の厚さの1/4未満とした以外は、実施例1と同様にして、セラミックヒータを製造した。
(比較例2)
セラミック基板11の厚さを15mmとし、また、抵抗発熱体の回路の平面視したパターンを、図3に示したようなA〜Dの領域に区画した際、A−B間の平均距離を2mm、B−C間の平均距離を2mm、C−D間の平均距離を3mmと、セラミック基板11の厚さの1/4未満とした以外は、実施例2と同様にして、セラミックヒータを製造した。
この後、実施例および比較例で得られたセラミックヒータに対し、図2に示したような、電源を有し、制御部、記憶部、演算部を備えた温調器(オムロン社製 E5ZE)を用い、まず、図7に示すような電流プロフィールで制御を行い、200℃まで昇温した。
そして、この時点で25℃のシリコンウエハを載置し、加熱面における温度が200±0.2℃に戻るまでの時間、および、200℃に至った後の温度のふれ幅の測定を行った。
その結果を、下記の表1に示す。なお、図7では、電力を印加した抵抗発熱体の回路の記号を右側に示している。
Figure 2004311447
その結果、上記表1に示したように、実施例1に比べて比較例1の場合は、加熱面の温度が均一になるまでの時間が長くなっており、比較例2の場合にも同様に、実施例2に比べて加熱面の温度が均一になるまでの時間が長くなっている。また、実施例に比べて、比較例では、温度のふれ幅も大きい。
本発明のセラミックヒータを模式的に示す平面図である。 図1に示したセラミックヒータの構成の概要を示すブロック図である。 本発明のセラミックヒータを、抵抗発熱体からなる回路で囲まれた各領域に区画した際のそれぞれの領域を模式的に示す断面図である。 本発明のセラミックヒータの別の実施形態を模式的に示す部分拡大断面図である。 (a)〜(c)は、本発明のセラミックヒータの製造方法の一例を模式的に示す断面図である。 (a)〜(d)は、本発明のセラミックヒータの製造方法の他の一例を模式的に示す断面図である。 実施例、比較例で得られたセラミックヒータに電力を印加した際の電力(電流)プロファイルを示すグラフである。
符号の説明
10 セラミックヒータ
11、21 セラミック基板
11a 加熱面
11b、21b 底面
12(12a〜12d)、22 抵抗発熱体
13 端部
14 有底孔
15、25 貫通孔
16 リフターピン
17、23 外部端子
19 シリコンウエハ
24 ろう材
27 袋孔
28 スルーホール
120 金属被覆層

Claims (3)

  1. 2以上の回路からなる抵抗発熱体がセラミック基板の内部または表面に形成されたセラミックヒータであって、
    前記抵抗発熱体は、2以上の領域に区画され、前記領域間の平均距離は、前記セラミック基板の厚さの1/4以上であることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 前記抵抗発熱体は、セラミック基板の表面に形成され、
    前記抵抗発熱体が形成された面の反対側面を加熱面とした請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記抵抗発熱体は、セラミック基板の内部に形成され、
    前記抵抗発熱体は、加熱面の反対側の面から厚さ方向で60%以下の位置に形成されている請求項1に記載のセラミックヒータ。
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CN112822798A (zh) * 2020-12-31 2021-05-18 博宇(天津)半导体材料有限公司 一种立式陶瓷加热器

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