JP3535845B2 - 分離構造を有する伸縮性経編地およびその製造方法 - Google Patents

分離構造を有する伸縮性経編地およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分離構造を有する
伸縮性経編地およびその製造方法に関し、詳しくは、弾
性糸を編み込むことで高い伸縮性を付与した伸縮性経編
地であって、複数の編地部分が連設された状態で編成さ
れ、編成後に分離して使用される伸縮性経編地と、この
ような伸縮性経編地を製造する方法とを対象にしてい
る。
【0002】
【従来の技術】伸縮性経編地を衣料品などに使用すると
き、編地の縁辺をほつれ難い構造にする技術として、編
成後に分離できる構造を備えた伸縮性経編地がある。
【0003】伸縮性経編地を編成する際に、一部に抜き
糸構造を編み込んでおく。抜き糸構造は、同じウェール
を直線状に延びる鎖編からなる抜き糸組織や、抜き糸と
両側の編地とを連結する弾性糸からなる連結組織で構成
される。編成後に抜き糸を解くことで、抜き糸の両側の
編地部分が分離する。前記連結組織の弾性糸は、弾性復
元力によって両側の編地部分に引き寄せられる。分離さ
れた両側の編地部分の縁部は、編地を構成する糸が切断
されず編目組織を維持しているので、ほつれが生じ難い
構造になる。
【0004】このような分離構造の伸縮性経編地に関す
る技術を開示する文献として、特開平11−20020
7号公報が挙げられる。この文献には、左右の編地片と
その中央に配置された抜き糸とを結合する耳弾性糸を、
編地片に挿入される弾性糸と同じ編組織で挿入すること
で、編成に用いる筬の枚数を増やすことなく、分離可能
な伸縮性経編地を製造する技術が示されている。
【0005】また、本願発明者らは、特願平11−34
1152号において、左右の編地部にジャガード柄組織
を配置して、意匠性に優れた分離可能な伸縮性経編地を
得る技術を提案している。編成に用いるジャガード編機
として、一対のジャガード筬と複数枚の地筬とを有する
編機を用いることで、ジャガード柄組織を有する柄編地
部に、分離構造のために必要な縁部組織や、縁部組織と
抜き糸部とを連結する編目連結組織などの構造を、筬数
を増やすことなく簡単に構成できるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記した従来公知の分
離構造を有する伸縮性経編地では、抜き糸を抜き取って
左右の編地に分離したときに、編地の縁辺の仕上がりが
十分ではないという問題があった。
【0007】左右の編地の境界で抜き糸を抜き取ると、
抜き糸の存在していた部分には、編地組織と抜き糸とを
連結していた前記耳弾性糸あるいは編目連結組織の弾性
糸が残る。編成時に伸ばされた状態で抜き糸によって固
定されていた前記連結弾性糸は、抜き糸が無くなること
で自由に収縮して左右の編地側に引き込まれるようにな
っている。
【0008】ところが、実際には、連結弾性糸の収縮に
場所によるバラツキや偏りが生じ、編地の縁辺に凹凸や
波うちが発生して、真っ直ぐな直線状に仕上がらないこ
とがある。連結弾性糸の収縮が、部分的に大きなところ
と小さなところとが生じ、このような収縮のアンバラン
スによって、編地を構成している地組織の糸が編地の縁
辺から引き出されてしまい、のこぎり状の不揃い状態で
あるピコ現象を発生し、編地の商品価値を大きく損なう
ことがある。
【0009】さらに、分離直後の状態では、編地の縁辺
に欠陥は目立たなくても、編地で作製された衣料製品を
着用して使用したり洗濯を行ったりしたときに、繰り返
し伸縮されることによって、前記した連結弾性糸の収縮
状態のバラツキや偏りが甚だしくなったり顕在化したり
して、編地の縁辺に凹凸などの欠陥を生じさせることが
ある。
【0010】本発明の課題は、前記した分離構造を有す
る伸縮性経編地の技術において、分離された編地の縁辺
に、凹凸や波立ちなどの欠陥が生じず、直線状の体裁の
良い仕上がりが得られるようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる分離構造
を有する伸縮性経編地は、両側の編地部が中央の抜き糸
部を介して分離可能に連設された伸縮性経編地であっ
て、非弾性糸で同一ウェール上に編成された抜き糸部
と、前記抜き糸部の両側に隣接して配置され、非弾性糸
でループを形成している編目組織と弾性糸でループを形
成していない挿入組織とを含む編地部と、弾性糸で編成
され、前記抜き糸部とその両側の編地部とを連結し、少
なくとも編地部との連結個所でループを形成している編
目連結組織とを備え、前記編目連結組織が、前記編地部
の非弾性糸で編成された編目組織と同じ編成組織を前記
弾性糸で編成してなる。
【0012】〔抜き糸部〕基本的には通常の分離構造を
有する伸縮性経編地と同様の抜き糸構造が適用される。
【0013】抜き糸部を構成する糸は非弾性糸が使用さ
れる。ここで、非弾性糸と弾性糸とは、糸の伸度の大き
さによって区別される。本発明では、伸度100%未満
の糸を非弾性糸、伸度100%以上の糸を弾性糸と呼
ぶ。
【0014】糸の材質は特に限定されないが、編成後に
解く作業が行い易いものが好ましい。伸度は比較的小さ
なものが好ましく、通常は伸度60%以下のものを用い
る。ナイロン、ポリエステルなどの長繊維糸が好まし
い。糸の太さは、単糸および双糸等を含めたときの合計
の太さを33〜268dtex(デシテックス)に設定で
き、好ましくは66〜167dtexである。
【0015】抜き糸部の編成組織は、同一ウェール上に
編成されている必要がある。異なるウェールにわたって
編成されていると、編成後に抜き糸を解くことが困難に
なる。具体的な編成組織としては鎖編が採用できる。
【0016】〔編地部〕抜き糸部の両側に隣接して配置
され、衣料製品などとして利用される編地を構成する。
【0017】編地部は、編目組織と挿入組織とを含む。
【0018】<編目組織>編目組織は、同じ編成組織の
1種類の非弾性糸あるいは編成組織の異なる複数種類の
非弾性糸で編成され、ループ(編目)を形成している。
編目組織を構成する全ての非弾性糸が、全てのコースで
編目を形成してもよいし、編目組織を構成する複数の非
弾性糸のうちで一部の非弾性糸については、編目を形成
しないコースが含まれていてもよい。この場合も、編目
組織の全てのコースで何れかの非弾性糸による編目は形
成されるようにする。
【0019】編目組織には、編地の基本的な組織を構成
する地組織や、柄や模様を構成する組織が含まれる。し
たがって、編目組織は編地の全体が一様な組織である場
合だけでなく、組織の違う部分が組み合わされていても
よい。
【0020】<挿入組織>挿入組織は、弾性糸で編成さ
れ、ループは形成しない。同一ウェール上でジグザグに
挿入されていてもよいし、複数ウェールにわたってジグ
ザグに挿入されていてもよい。挿入組織の弾性糸は、編
地部に高い伸縮性を与える。
【0021】挿入組織は、1本の弾性糸からなる組織で
編成することもできるし、複数本の弾性糸を組み合わせ
た組織で編成することもできる。
【0022】糸材料として、150%以上の伸度を有す
る弾性糸が使用される。伸度300%以上のものを用い
れば、伸縮性がより高まる。弾性糸としては、高弾性ポ
リウレタン糸いわゆるスパンデックスが好ましい。弾性
糸にナイロン等の長繊維糸や綿等の紡績糸を撚り合わせ
たカバーリング糸やコアヤーンのような、いわゆる被覆
弾性糸あるいは複合弾性糸も、本発明の弾性糸に含まれ
る。糸の太さは22〜620dtexに設定され、好ましく
は44〜470dtexが採用される。複数本の弾性糸を組
み合わせる場合、太い糸と細い糸とを異なる編成組織で
組み合わせることもできる。
【0023】<柄模様組織>編目組織の一部または全体
に柄や模様を現出する柄模様組織を含むことができる。
【0024】柄模様組織は、編目組織の一部を変形させ
たり、一様な編目組織に部分的な柄模様組織を追加した
りすることで構成することができる。挿入組織の一部に
部分的な柄模様組織を形成させることもできる。挿入組
織と編目組織との組み合わせによって柄模様を現出させ
ることもできる。
【0025】柄模様組織の編成は、通常の経編地におけ
る柄模様の形成技術が適用できる。ジャガード機構を備
えた編機を用いることで多彩な柄模様を容易に形成する
ことができる。
【0026】<ジャガード柄模様組織>基本的には、オ
ーバーラッピングが可能なジャガード経編機で編成で
き、柄の形状やパターンなどは自由に設定される。規則
的な編成組織を基本組織にして、この基本組織を部分的
に変位させることで目的とする柄模様を編成する。な
お、基本組織自体が、別のより基本になる組織をもとに
してジャガード機構による変位を加えて編成されたもの
であってもよい。
【0027】基本組織としては、デンビ編やプレーンコ
ード編、プレーンパワーネットなどのネット編、あるい
は、8コースメッシュ等のメッシュ編が採用される。
【0028】基本組織は、2〜30コースを繰り返し単
位として配置されたり、この繰り返し単位をさらに複数
回繰り返したあと、別の編成組織からなる繰り返し単位
を繰り返したりして構成することができる。
【0029】柄模様としては、比較的に単純な図形パタ
ーンを繰り返すもののほか、複数の図形状を組み合わせ
たより複雑な柄や、具象的なデザインからなる柄を配置
することもできる。
【0030】ジャガード柄組織は、部分的に透孔部分が
配置されたネット調あるいはメッシュ調の柄模様を得る
ことができる。また、部分的に厚みの異なる薄地部分と
厚地部分との対比によっても柄模様が構成される。
【0031】ジャガード柄組織は、上記した柄模様のよ
うな外観上の変化を付けるだけでなく、柄編地部の場所
によって質感や機能の違いを付けるにも利用できる。具
体的には、一定の幅でテープ状に生地の厚い部分を構成
したり、伸縮性に違いのある部分を配置したりすること
ができる。この場合、ジャガード柄組織の編成組織の変
位に加えて、使用する糸の太さや伸縮性の違い、その他
の編目組織および挿入組織に使用する糸の違いなどの条
件を組み合わせることで、柄編地部の中に、様々な機能
や特性を有する部分を配置することが可能になる。例え
ば、後述する縁部組織に隣接する部分について、その他
の部分とは生地の厚みや伸縮性に違いを付けておくこと
ができる。
【0032】糸の材料としては、柄模様を形成し易く、
ジャガード柄模様組織に適したものが好ましく、非弾性
糸が使用できる。綿、アクリルなどの短繊維糸も使用で
きる。糸は単糸であってもよいし、双糸等の複数の糸を
組み合わせたものであってもよい。ウーリー加工糸のよ
うに、クリンプ加工を行って捲縮性を持たせた糸も使用
できる。糸の太さは6〜84dtexに設定され、好ましく
は17〜44dtexである。
【0033】ジャガード柄模様組織は、柄を構成するた
めに部分的に透孔部を存在させることができ、この透孔
部を支持する構造を備えておくこともできる。
【0034】<支持組織>支持組織は、編目組織の一部
を構成し、ジャガード柄模様組織の透孔部を埋めて、ジ
ャガード柄模様組織の柄模様を支持する機能を有する。
そのために、支持が必要とされる個所では全ての位置で
ループを形成しておく。編目組織の全ての位置で、支持
組織および他の編目組織の何れか一つの組織によって、
編目ループが配置されるようにする。
【0035】糸の材料は、上記した機能を発揮できれ
ば、特に限定されない。ジャガード柄模様組織と同様の
非弾性糸が使用できる。糸の太さは6〜84dtexに設定
され、好ましくは17〜33dtexが採用される。但し、
ジャガード柄模様組織の柄模様に悪影響を与えず、柄編
地部の生地を分厚くしたり、生地の風合を損なったりし
ないためには、比較的に細い糸を採用するのが好まし
い。
【0036】支持組織は、抜き糸部と同じ筬を用いて同
じ編成組織で編成することができる。また、抜き糸部と
は異なる編成組織を採用することもできる。
【0037】編成組織の具体例として、鎖編が採用でき
る。鎖編を基本にして、種々の変形を加えた編成組織も
採用できる。例えば、隣接する2ウェール間を移行して
編成される組織が採用できる。具体的には、同じウェー
ル上で2〜48コース編目をつくり、ついで、隣のウェ
ールに移って1コース編目をつくり、再び元のウェール
に戻って2〜48コース編目を作るという編成組織が採
用できる。また、同じウェール上で2〜48コース編目
をつくり、ついで、隣のウェールに移って2〜48コー
ス編目をつくり、再び元のウェールに戻って同じ構造を
繰り返すという編成組織も採用できる。同じウェール上
での連続した編目は、2コースよりも多い数コース、具
体的には3コース以上あるいは6コース以上に設定する
ことができる。
【0038】<縁部組織>編地部のうち、抜き糸部と隣
接する縁辺に配置され、分離した後の伸縮性経編地にお
いて縁部を構成する部分を、他の編地部とは異なる組織
にしておくことができる。
【0039】縁部組織は、非弾性糸で編成される。全て
の編目位置でループを形成しておくことで、ほつれの発
生を防ぐことができる。縁部組織と編目組織の他の組織
とを組み合わせて縁辺を構成する場合には、縁辺の全て
の編目位置で、縁部組織と他の組織との何れかがループ
を形成するようにして、縁辺に透孔部が存在しないよう
にしておく。
【0040】縁部組織は、前記した支持組織あるいはジ
ャガード柄模様組織などの編目組織の一部として構成で
きる。支持組織あるいはジャガード柄模様組織の縁辺部
分を、全ての編目でループが形成されるような編成組織
にしておけばよい。支持組織またはジャガード柄模様組
織の縁部分だけを、その他の部分と異なる編成組織にす
ることで縁部組織を構成してもよい。支持組織の全体
が、前記した支持組織としての機能および縁部組織とし
ての機能の両方を果たす編成組織であれば、支持組織と
縁部組織とを共用させることができる。
【0041】縁部組織は、支持組織やジャガード柄模様
組織などからなる編地部の主体部分に比べて、テープ状
に生地を少し厚くしたり、縁部組織に配置される挿入組
織の弾性糸を太くしたり細くしたりしてパワーを変えた
りすることができる。
【0042】縁部組織を編成する糸材料は、他の編目組
織と同じものであってもよいし、別のものであってもよ
い。
【0043】縁部組織を編成する非弾性糸を15〜80
dtexにするとともに、他の編目組織を編成する糸とは別
個の送り出しによって給糸量を変えることができる。
【0044】〔編目連結組織〕分離する前の伸縮性経編
地において、抜き糸部とその両側の柄編地部とを連結す
る機能を果たす。少なくとも編地部との連結個所でルー
プを形成している。抜き糸の抜き取りが可能であれば、
抜き糸部との連結個所でもループを形成しておくことが
できる。
【0045】伸縮性経編地を抜き糸部で分離したあと
は、両側の柄編地部に一体化されて、前記縁部組織とと
もに柄編地部の縁部分を構成することになる。
【0046】具体的には、少なくとも2ウェール以上の
振り幅を有し、2〜24コース1完全のコースリピート
を有する組織が採用できる。
【0047】1個所の抜き糸部に対しては、その両側の
柄編地部との間にそれぞれ編目連結組織を配置してお
く。このとき、両方の編目連結組織は、互いに独立した
組織であって、抜き糸を解いたときに、それぞれの編目
連結組織が両側の柄編地部に分かれて引き寄せられるよ
うな編成組織を採用する。
【0048】編目連結組織は、弾性糸で編成しておくこ
とによって、伸縮性経編地の分離時に抜き糸部を連結し
ていた部分が柄編地部へとスムーズに引き寄せられるこ
とになる。
【0049】糸材料としては、前記した挿入組織と同様
の材料からなる糸が使用できる。糸の太さは44〜47
0dtexに設定され、好ましくは156〜390dtexであ
る。
【0050】〔伸縮性経編地の製造〕基本的には通常の
分離構造を有する伸縮性経編地と同様の編成装置や編成
技術が適用でき、そこに、本願発明の編成組織を編成す
るための変更を加えることができる。
【0051】具体的には、少なくとも2枚のオーバーラ
ッピング可能な筬(1)と、少なくとも1枚のアンダー
ラッピング可能な筬(2)とを備えた経編機を用いて編
成できる。
【0052】この場合、抜き糸部と編地部の編目組織と
をオーバーラッピング可能な筬(1)で編成する。編地
部の挿入組織をアンダーラッピング可能な筬(2)で編
成する。編目連結組織を編地部の編目組織と同じオーバ
ーラッピング可能な筬(1)で編成する。
【0053】同じ筬(1)で編成される編目連結組織と
編地部のその他の編目組織とで、編成組織は同じにして
使用する糸だけを変えることができる。すなわち、編目
連結組織では、連結および分離後の引き込み性などに適
した弾性糸を使用し、他の編目組織では、編地の基本的
な機能や特性を発現する非弾性糸を使用する。
【0054】〔ジャガード編機〕本発明の伸縮性経編地
は、ジャガード編機を用いることで、機能性に優れた編
地を効率的に製造できる。
【0055】ジャガード編機として、オーバーラッピン
グ可能な一対のジャガード筬(1j)と、オーバーラッ
ピング可能な地筬(1b)と、アンダーラッピング可能
な地筬(2b)とを備えたものが使用できる。この場
合、抜き糸部を前記ジャガード筬(1j)で編成し、編
地部の編目組織をジャガード筬(1j)および地筬(1
b)で編成し、編地部の挿入組織を前記地筬(2b)で編
成し、編目連結組織を編地部の編目組織と同じジャガー
ド筬(1j)または地筬(1b)で編成することができ
る。
【0056】ジャガード筬(1j)は、例えば、ジャガ
ード編機のフロントにハーフガイドで配置され、オーバ
ーラップ編組織が編成できる一対2枚の筬で構成され
る。ジャガード機構によって、それぞれの筬を個々のウ
ェール毎に任意の位置で1針間だけ緯方向に自由に変位
させることができる。このジャガード筬の変位によっ
て、柄模様が編成される。ジャガード筬の変位は、予め
ジャガード編機に備えた記憶装置に記憶され、記憶情報
にしたがって制御される。
【0057】ジャガード筬(1j)は、編地部の編目組
織を編成することができる。編地部が柄模様を有する柄
模様部の場合は、柄模様の編成に利用する。
【0058】ジャガード筬(1j)は、編地部の編目組
織とともに編目連結組織を編成するのに使用できる。さ
らに、ジャガード筬(1j)は、抜き糸部の編成に兼用
することもできる。この場合、抜き糸部の編成組織は同
一ウェール上で編成されるように、ジャガード筬の変位
を設定する。
【0059】地筬(1b)(2b)は、ジャガード編機の
ミドルにハーフガイドまたはフルガイドで配置される。
地筬(1b)を、抜き糸部の編成に兼用することができ
る。抜き糸部と編地部の編目組織との編成を変える場合
には、抜き糸部は地筬(1b)では編成せず、ジャガー
ド筬(1j)で編成することができる。地筬(1b)で抜
き糸部と編地部とを編成する場合、それぞれの機能に合
わせて糸材料や糸の太さは変えることができる。通常
は、抜き糸部のほうが太い糸が使用される。また、給糸
量についても、抜き糸部と編地部とで変えることができ
る。
【0060】地筬(2b)は、編地部の挿入組織を編成
することができる。地筬(2b)は、ジャガード編機の
バックにハーフガイドまたはフルガイドで配置すること
ができる。
【0061】挿入組織に2枚の地筬(2b)を使用する
と、前記した一対1組のジャガード筬(1j)で編成さ
れる一対の非弾性糸に相対向させて、挿入組織を構成す
る一対の弾性糸を配置することが可能になる。なお、編
成組織の異なる2本の弾性糸を組み合わせて挿入組織を
構成することもできる。このような2本の弾性糸を組み
合わせた挿入組織は、弾力的な伸縮性に優れている。特
に、2本の弾性糸の特性を変えたり、編成組織を変えた
りすることで、縦横の両方向で伸縮性の違いを付けた
り、バランスを取ったりすることが可能になる。
【0062】編地部の縁部組織は、ジャガード筬(1
j)あるいは編目組織を編成する地筬(1b)で編成する
ことができる。ジャガード筬(1j)を用いる場合は、
ジャガード機構の変位制御によって、縁部組織とそれ以
外の編目組織とで編成組織を変えることができる。共通
する筬を使用した場合でも、それぞれの組織によって使
用する糸の材料や太さは適宜に変更できる。
【0063】編目連結組織は、オーバーラッピングが可
能な地筬(1b)またはジャガード筬(1j)で編成する
ことができる。
【0064】以上に説明した編地構造の編成には、オー
バーラッピング可能な一対のジャガード筬(1j)と、
4枚の地筬(1b)(2b)を備えたジャガード編機を使
用すると、柄模様の表現性や各種機能性にも優れた伸縮
性経編地を編成することができる。
【0065】〔分離された伸縮性経編地〕分離構造を有
する伸縮性経編地から、抜き糸部の糸を抜き取ること
で、左右の編地部に分離されてなる伸縮性経編地が得ら
れる。
【0066】このとき、抜き糸部と編地部とを連結して
いた編目連結組織の弾性糸は、弾性収縮によって編地部
側に引き込まれる。左右の編地部の縁辺には、編目連結
組織の弾性糸および縁部組織が配置されることになる。
【0067】伸縮性経編地は、通常の伸縮性編地と同様
の処理を経た後で分離されて、各種生地製品や衣料品が
製造される。製品の具体例としては、ブラジャー、ガー
ドル、ボディースーツなどのインナーウェアや、水着、
レオタードなどのスポーツウェアが挙げられる。
【0068】
【発明の実施形態】〔全体構造〕図1は、分離構造を有
する伸縮性経編地の模式的構造を示している。
【0069】左右に配置された編地部10、10が、中
央に配置された抜き糸部20で連結された構造を有す
る。
【0070】〔編成組織〕図2に示す編成組織を組み合
わせて伸縮性経編地が構成される。なお、図2では、個
々の糸ごとの編成組織に分解した状態で表している。
【0071】編成に用いる経編機は、5枚の筬L1 〜L
5 を備えている。
【0072】一対の筬L1、L2は、非弾性糸12,12
を用いて、編地部10の編目組織を編成する。また、筬
L2の一部は、連結弾性糸30を用いて編目連結組織3
0を編成する。
【0073】 L1:42/24/20/24/42/46/ L2:24/42/46/42/24/20/ 筬L3は、非弾性糸16を用いて、抜き糸部20を編成
するとともに、左右の編地部10の縁辺を構成する縁部
組織を編成する。
【0074】L3:20/02/×3 筬L4、L5は、弾性糸14を用いて、編地部10の挿入
組織を編成する。
【0075】L4:22/00/×3 L5:00/22/×3 図1に示す全体の編成構造では、抜き糸部20は1本の
抜き糸22で編成されている。左右の編地部10,10
は、編目組織の本体部分を構成する非弾性糸12と縁部
組織を構成する非弾性糸16および挿入組織を構成する
弾性糸14で編成される。編目連結組織を構成する2本
の連結弾性糸30が、左右の編地部10で編目組織を構
成する非弾性糸12、16と、抜き糸部20の抜き糸2
2との間を、編目を形成しながら連結している。
【0076】なお、挿入組織を構成する弾性糸14は、
2枚の筬L4、L5で対象形状に挿入することで、良好な
伸縮性を発揮できるが、1枚の筬だけを用いて1種類の
編成組織で弾性糸14を編成することも可能である。
【0077】〔抜き糸による分離〕伸縮性経編地を衣料
品などに利用する前の段階で、抜き糸による分離を行
う。
【0078】図3に示すように、抜き糸部20の抜き糸
22を解くと、抜き糸22は左右の編目連結組織を構成
する連結弾性糸30の間をすり抜けて編目が解ける。
【0079】抜き糸22が解かれると、左右の編地部1
0は互いに分離される。また、編目連結組織を構成して
いた連結弾性糸30は、抜き糸22が存在しなくなる
と、自らの弾性的な復元力によって、抜き糸22側に張
り出していた部分が編地部10のほうへと引き寄せられ
るように縮む。
【0080】その結果、編地部10の縁辺は、余分な凹
凸のない平坦な直線状に仕上がることになる。特に、連
結弾性糸30は、編地部10との連結個所で編目を形成
している部分は固定された状態であるので大きく変形し
たり移動したりすることはなく、編地部10との編目連
結部分の中間で、拘束を受けずに自由に伸縮できる部分
だけが主に変形することになる。したがって、編地部1
0の縁辺における編目構造や編成組織が、連結弾性糸3
0の伸縮や変形あるいは移動によって大きく形を崩され
ることがない。縁辺の基本的な構造は維持したままで、
連結弾性糸30のうち編地部10から張り出した部分だ
けが収縮して編地部10側に引き込まれることになる。
【0081】このようにして分離された左右の編地部1
0は、それぞれを伸縮性経編地として各種衣料品などの
用途に使用することができる。
【0082】〔ジャガード柄編地〕図4〜7に示す実施
形態は、ジャガード編機を使用して、ジャガード柄模様
を形成した伸縮性経編地である。
【0083】抜き糸部20および左右の編地部10とか
らなる基本構造は前記同様である。各編成組織を構成す
る糸も基本的には共通している。但し、具体的な編成組
織は、図5に示される編成組織を組み合わせる。
【0084】編地部10の編目組織を構成する非弾性糸
12と、編目連結組織の連結弾性糸30が通されるジャ
ガード筬(PJB1)(PJB2)の基本組織は、以下のとおり
である。
【0085】PJB1 基本:20/24/×3 PJB2 基本:24/20/×3 図6(a)に示すように、ジャガード筬(PJB1)(PJB2)
を変位させることで、編地部10の非弾性糸12で柄模
様を発現させるとともに、編目連結組織の連結弾性糸3
0による抜き糸部20と編地部10との連結を果たす。
【0086】 PJB1 変位後:42/24/20/24/42/46/ PJB2 変位後:24/42/46/42/24/20/ 図5に示すように、筬L2は抜き糸部20の抜き糸22
を編成し、筬L3は非弾性糸16で編地部10の縁部組
織を編成し、筬L4と筬L5は弾性糸14で挿入組織を編
成する。
【0087】L2:20/02/×3 L3:02/20/×3 L4:22/00/×3 L5:00/22/×3 伸縮性経編地は、上記のような編成組織で、ジャガード
編機を用いて編成される。編成後の染色その他の後加工
は、通常の伸縮性経編地と同様に行われる。
【0088】上記実施形態では、編地部10にジャガー
ド機構による複雑な柄模様を形成できると同時に、編目
連結組織の編成にも変化を付けることができる。
【0089】上記編成組織のうち、L2の抜き糸22と
L3の縁部組織とは、同じ筬を共用して編成することも
できる。L2の鎖編組織で、抜き糸22と縁部組織の両
方を編成することができる。
【0090】〔ジャガード編成の変更例〕前記した実施
形態において、図6(b)に示すように、ジャガード筬(P
JB1)(PJB2)の変位のさせ方を変えれば、編地部10
における柄模様および編目連結組織の編成組織を自由に
設計変更することができる。
【0091】図7(a)には、ジャガード筬(PJB1)(PJB
2)の基本組織(点線で表示)と変位状態の異なる実施
形態を示している。基本組織の変化およびジャガード変
位のさせ方の両方を様々に変えることで、変化に富んだ
柄模様を現出させたり、編目連結組織の機能向上を図っ
たりすることができる。
【0092】図7(b)には、ジャガード筬(PJB1)(PJB
2)の基本組織(点線で表示)を変位させて、弾性糸2
2による抜き糸を編成したり、非弾性糸16で編地部1
0の縁部組織を編成したりする方法を示している。この
場合は、編地部10の他の編目組織および編目連結組織
の連結弾性糸30は、別の筬L2〜L5を使って編成する
ことができる。
【0093】ジャガード編成の場合、連結弾性糸30の
みで変位を変えて、連結組織を編成することもできる。
連結組織を、L2、L3のオーバーラッピング可能な筬を
使って編成することもできる。
【0094】〔ジャガード編成の変更例〕図8〜10に
も、ジャガード編機を用いて伸縮性経編地を編成する技
術を示している。
【0095】図8に示すように、伸縮性経編地の基本構
造は、抜き糸部20の左右に編地部10が配置され、前
記同様の各糸12、14,16,22,30を組み合わ
せて編成されている。この基本構造は、前記した図1の
伸縮性経編地と共通している。但し、この実施形態で
は、ジャガード編機を用いているので、この基本構造に
さらに柄模様を追加することができる。
【0096】図9に示すように、各筬の編成組織は以下
のとおりである。
【0097】PJB1 基本:20/24/×3 PJB2 基本:20/24/×3 L2:42/24/20/24/42/46/ L3:24/42/46/42/24/20/ L4:22/00/×3 L5:00/22/×3 図10(a)に示すように、ジャガード筬(PJB1)(PJB
2)の変位によって、弾性糸22による抜き糸部20を
編成したり、非弾性糸16による編地部10の縁部組織
を編成したりすることができる。図10(b)(c)に示すよ
うに、編地部10の編目組織を構成する非弾性糸12の
編成組織を構成することもできる。
【0098】
【実施例】〔実施例1〕 <経編機> カールマイヤー社製、ジャガードラッセル機、タイプR
SJ5/1 130インチ幅、56GG <糸使い>編成する組織毎に、使用する筬および糸を示
す。
【0099】(1)編地部の編目組織のうち地組織を構
成するとともに適宜に変位させて柄模様を編成する。
【0100】PJB1,2:ナイロン66、44T−34Fi
lブライト異形(東レ社製) (2)変位させて編地部の縁部組織を編成する。
【0101】PJB1,2:ナイロン66、22T−7Fil
ブライト異形(東レ社製) (3)変位させて抜き糸部の抜き糸を編成する。
【0102】PJB1:ナイロン66、56/2T−40F
ilブライト(東レ社製) (4)編地部で支持組織となる地組織を編成する。
【0103】L2、L3:ナイロン66、22T−7Fi
lブライト異形(東レ社製) (5)編目連結組織を編成する。
【0104】L2:ライクラ310T−127C(東レ
・デュポン社製) (6)編地部で挿入組織を編成する。
【0105】L4、L5:ライクラ156T−127C
(東レ・デュポン社製) <筬への配列>分離される編地部の設定幅に合わせて適
宜に通糸し、さらに、連結部分の構成を配置した。
【0106】 <編成組織> (1)編目組織(柄模様を含む) PJB1(変位後):42/24/20/24/42/46/ PJB2(変位後):24/42/46/42/24/20/ (2)縁部組織 PJB1(変位後):20/02/20/02/20/02/ PJB2(変位後):02/20/02/20/02/20/ (3)抜き糸 PJB1(変位後):20/02/20/02/20/02/ (4)支持組織 L2:42/24/20/24/42/46/ L3:24/42/46/42/24/20/ (5)編目連結組織 L2:42/24/20/24/42/46/ (6)挿入組織 L4:22/00/22/00/22/00/ L5:00/22/00/22/00/22/ <編成条件>各組織毎の給糸量を示す。
【0107】 (1)編目組織:PJB1,2 =1000mm/R (2)縁部組織:PJB1,2 =1600mm/R (3)抜き糸:PJB1 =1250mm/R (4)支持組織:L2、L3 =900mm/R (5)編目連結組織:L2 =130mm/R(st75
%) (6)挿入組織:L4、L5 =130mm/R(st7
5%) 上記の条件で編成を行い、分離構造を有する伸縮性経編
地を製造し、各種の物性を測定した。パワーは、引張試
験機で試料の伸長回復を3回繰り返し、3回目の負荷時
および除荷時に伸長量と荷重とを測定して求めた。スト
レッチは、1回目の回復率を求めた。
【0108】なお、参考のため、前記給糸量条件を基準
にして、給糸量を+5%に設定した場合と−5%に設定
した場合とについても、同様の編成を行って、伸縮性編
地を製造した。
【0109】<編立時の機上密度と仕上げ密度> コース :67.3c/in(機上) 、15.3c/in
(仕上げ) ウェール:28w/in (機上)、37.5w/in(仕
上げ) <物性>
【0110】
【表1】 <縁部の品位・現象>給糸量が前記した基準値の場合と
±5%の場合とで、それぞれの仕上がり状態を評価し
た。
【0111】
【表2】 〔比較例1〕連結組織を、編地部の挿入組織と同様のル
ープを形成しない挿入構造で編成した。
【0112】<経編機>カールマイヤー社製、ラッセル
機、タイプRSE4N3K130インチ幅、56GG <糸使い> (1)編地部の編目組織 L1:ナイロン66、44T−20Filブライト異形
(東レ社製) (2)編地部の縁部組織 L2:ナイロン66、44T−1Filブライト(東レ
社製) (3)抜き糸 L2:ナイロン66、56T/2−40Filブライト
(東レ社製) (4)編地部の挿入組織 L3:ライクラ235−127C(東レ・デュポン社
製) (5)挿入連結組織 L3:ライクラ235−127C(東レ・デュポン社
製) (6)編地部の挿入組織 L4:ライクラ44−127C(東レ・デュポン社製) <筬への配列>分離される編地部の設定幅に合わせて適
宜に通糸し、さらに、連結部分の構成を配置した。
【0113】<編成組織> (1)編地部の編目組織 L1:24/24/24/20/20/20/ (2)編地部の縁部組織、および、(3)抜き糸 L2:20/02/20/02/20/02/ (4)編地部の挿入組織、および、(5)挿入連結組織 L3:44/22/66/22/44/00/ したがって、連結組織は、ループを形成しない挿入構造
になる。
【0114】(6)編地部の挿入組織 L4:66/44/66/00/22/00/ <糸使い> (1)編目組織:L1 =1160mm/R (2)縁部組織:L2 =1200mm/R (3)抜き糸: L2 =2600mm/R (4)挿入組織:L3 = 130mm/R(st75
%) (5)挿入連結組織:L3 = 130mm/R(st7
5%) (6)挿入組織:L4 = 340mm/R(st100
%) <編立時の機上密度と仕上げ密度> コース :70.3c/in(機上) 、162c/in
(仕上げ) ウェール:28w/in (機上)、55w/in(仕上
げ) <物性>
【0115】
【表3】 <縁部の品位・現象>
【0116】
【表4】 〔評 価〕 (1) 比較例1の場合、編成後に左右の編地に分離したば
かりの段階では、編地の縁辺に大きな欠陥は目立たなか
った。しかし、繰り返し着用した後で、再度評価したと
きには、縁辺の状態にかなり問題があることが判った。
【0117】実施例1では、繰り返し着用した後であっ
ても、編地の縁辺は良好な状態であった。
【0118】(2) 比較例1では、給糸量を少し増減した
だけで、編地の縁辺に欠陥が目立って発生した。実施例
1では、給糸量を変えても、欠陥は発生しない。
【0119】伸縮性編地を工業的に生産する場合には、
製造条件のバラツキがどうしても発生する。給糸量につ
いても、数%程度の増減は避けられない。
【0120】このような場合に、比較例1の技術では、
安定した品質の製品を生産することが困難になる。給糸
量などの製造条件を頻繁に調整すれば問題は軽減できる
が、それでは、生産能率が低下する。
【0121】実施例1の場合には、製造条件が少しぐら
い変動しても、安定した品質の製品を確実に提供できる
ことになり、伸縮性編地の生産性を大幅に向上させるこ
とが可能になる。
【0122】
【発明の効果】本発明の伸縮性経編地は、抜き糸部と編
地部とを連結する連結組織が、弾性糸で編成されるとと
もに、少なくとも編地部との連結個所でループを形成し
ている編目連結組織であるので、抜き糸部を抜き取った
ときに、編目連結組織の弾性糸は、編地部に固定された
編目部分の中間で自由に伸縮できる部分が主に収縮して
編地部に引き込まれる。連結組織を構成する弾性糸の収
縮に極端な偏りやアンバランスなどが生じ難くなり、連
結組織の収縮で編地部に過剰な変形や歪みを発生させる
ことがなくなる。
【0123】その結果、編地部の縁辺に凹凸や波打ちが
生じたり、ノコギリ状のピコ現象が生じたりすることが
防止される。分離された後の編地は、縁辺の直線性が良
好で品質性能に優れた伸縮性経編地製品になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を表す伸縮性経編地の編成
組織図
【図2】 経編地を構成する各糸の編成組織を表す編成
組織図
【図3】 抜き糸を解いた状態の編成組織図
【図4】 別の実施形態を表す編成組織図
【図5】 各糸の編成組織を表す編成組織図
【図6】 ジャガード筬で変位された糸の編成組織図
【図7】 別の変位状態を示す編成組織図
【図8】 別の実施形態を表す編成組織図
【図9】 各糸の編成組織を表す編成組織図
【図10】 ジャガード筬で変位された糸の編成組織図
【符号の説明】
10 編地部 12 編目組織の非弾性糸 14 挿入組織の弾性糸 16 縁部組織の非弾性糸 20 抜き糸部 22 抜き糸 30 連結弾性糸

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両側の編地部が中央の抜き糸部を介して分
    離可能に連設された伸縮性経編地であって、 非弾性糸で同一ウェール上に編成された抜き糸部と、 前記抜き糸部の両側に隣接して配置され、非弾性糸で編
    成されループを形成している編目組織と弾性糸で編成さ
    れループを形成していない挿入組織とを含む編地部と、 弾性糸で編成され、前記抜き糸部とその両側の編地部と
    を連結し、少なくとも編地部との連結個所でループを形
    成している編目連結組織とを備え、 前記編目連結組織が、前記編地部の非弾性糸で編成され
    た編目組織と同じ編成組織を前記弾性糸で編成してな
    伸縮性経編地。
  2. 【請求項2】前記編地部が、弾性糸で編成されループを
    形成している編成組織を含まず、前記挿入組織は、同一
    ウェール上でジグザグに挿入されている請求項1に記載
    の伸縮性経編地。
  3. 【請求項3】前記編目連結組織が、前記抜き糸部との連
    結個所でもループを形成している請求項1または2に記
    載の伸縮性経編地。
  4. 【請求項4】前記抜き糸部を構成する非弾性糸の太さは
    50〜280dtex、 前記編地部の編目組織を構成する非弾性糸の太さは15
    〜120dtex、 前記編地部の挿入組織を構成する弾性糸の太さは22〜
    630dtex、 前記編目連結組織を構成する弾性糸の太さは156
    90dtexである請求項1〜3の何れかに記載の伸縮性経
    編地。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載の伸縮性経編地を製造
    する方法であって、 少なくとも2枚のオーバーラッピング可能な筬(1)
    と、少なくとも1枚のアンダーラッピング可能な筬
    (2)とを備えた経編機を用い、 前記抜き糸部と編地部の編目組織とを前記オーバーラッ
    ピング可能な筬(1)で編成し、 前記編地部の挿入組織を前記アンダーラッピング可能な
    筬(2)で編成し、 前記編目連結組織を前記編地部の編目組織と同じオーバ
    ーラッピング可能な筬(1)で編目組織と同じ編成組織
    編成する伸縮性経編地の製造方法。
  6. 【請求項6】前記経編機が、オーバーラッピング可能な
    一対のジャガード筬(1j)と、オーバーラッピング可
    能な地筬(1b)と、アンダーラッピング可能な地筬
    (2b)とを備えたジャガード編機であり、 前記抜き糸部を前記ジャガード筬(1j)で編成し、 前記編地部の編目組織を前記ジャガード筬(1j)およ
    び前記地筬(1b)で編成し、 前記編地部の挿入組織を前記地筬(2b)で編成し、 前記編目連結組織を前記編地部の編目組織と同じ前記ジ
    ャガード筬(1j)または地筬(1b)で編目組織と同じ
    編成組織で編成する請求項5に記載の伸縮性経編地の製
    造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜4の何れかに記載の伸縮性経編
    地から、前記抜き糸部が抜き取られて、左右の編地部に
    分離されてなる伸縮性経編地であって、非弾性糸で編成されループを形成している編目組織と弾
    性糸で編成されループを形成していない挿入組織とを含
    む編地部を有し、 前記編地部の前記非弾性糸で編成された編目組織と同じ
    編成組織で編成されて編地部と の連結個所でループを形
    成して 前記抜き糸部と編地部とを連結していた前記編目
    連結組織の弾性糸が、弾性収縮によって編地部側に引き
    込まれてなる伸縮性経編地。
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