JP3535767B2 - 難燃性の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体、及びその製造方法 - Google Patents

難燃性の熱可塑性ポリエステル系樹脂発泡体、及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、難燃性の熱可塑
性ポリエステル系樹脂発泡体及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系樹脂には、熱可塑性のも
のと熱硬化性のものとがある。熱硬化性ポリエステル系
樹脂は、強化プラスチックとしてガラス繊維とともに用
いられることが多く、樹脂だけで用いられることは殆ど
ない。従って、熱硬化性ポリエステル系樹脂は、発泡体
としては用いられない。これに対し、熱可塑性ポリエス
テル系樹脂は、樹脂単独で又はこれに他の樹脂を積層し
て用いられることが多い。従って、熱可塑性ポリエステ
ル系樹脂は、これを発泡させて発泡体としても用いられ
ている。
【0003】発泡体とされる熱可塑性ポリエステル系樹
脂は、芳香族のジカルボン酸と二価のアルコール、すな
わちジオールとを混合し、その間でエステル化反応を行
わせて得られた、高分子量の鎖状ポリエステルである。
カルボン酸としてはフタル酸が多く用いられ、ジオール
としてはエチレングリコールが多く用いられた。この種
の樹脂の代表的なものは、ポリエチレンテレフタレート
である。このような熱可塑性ポリエステル系樹脂を、以
下ではPATと略称することにする。
【0004】PATは、無害で無色透明であり、抗張
力、耐衝撃性などの機械的強度がすぐれ、耐熱性及び耐
候性も良好であるために、食品容器、工業用部材、電気
及び電子部品を作るのに広く用いられている。このう
ち、電気及び電子部品として用いられるものは、安全の
ために難燃性にすることが求められた。その際の難燃性
の基準としては、UL規格に規定するプラスチック材料
燃焼試験が用いられ、94HB以上であることが要求さ
れた。この難燃性はPAT発泡体についても要求され
た。
【0005】PATを難燃性にする方法としては、特開
平4−142363号公報に記載する方法が知られてい
る。この方法は、PATに難燃剤として臭素化芳香族化
合物と有機錫系化合物とを配合することを提案してい
る。こうして得られた配合物は、なるほど難燃性である
が、上述のUL規格における94HB以上という難燃性
を必ずしも備えていないだけでなく、さらに環境に優し
いという要求を満足させることができなかった。ここ
で、環境に優しいとは、臭素化合物や有機錫化合物とは
違って、生物の生存に悪影響を及ぼすものではない、と
いう意味である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述の要
求を満足させようとして、鋭意検討した結果生まれたも
のである。すなわち、この発明は、難燃性のPAT発泡
体であって、上述のUL規格の難燃性試験で94HB以
上の難燃性を持ち、しかも、環境に優しく、よく発泡し
た発泡体を提供しようとするものである。また、そのよ
うな発泡体の製造方法をも提供しようとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明者は、PATに
ハロゲン元素を含まない難燃化剤を混合し、この混合物
を押し出し発泡させて難燃性のPAT発泡体を作ろうと
企てた。そのために、難燃化剤として色々な有機化合物
を用いてPATを発泡させ、得られた発泡体の難燃性を
調べた。その結果、特定の芳香族燐酸エステルをPAT
に混合すると、ここにUL規格の94HB以上の難燃性
を持った、PAT発泡体の得られることを見出した。こ
の発明は、このような知見に基づいて完成されたもので
ある。
【0008】ここで、特定の芳香族燐酸エステルとは、
1、4−ビス(ホスフェート)ベンゼンの骨格を持った
化合物で、化学式1で表される化合物である。ここで、
A、B、D及びEは、何れも互いに同一又は異なる芳香
族基であって、化学式2で表される芳香族基である。上
記化学式2におけるR1 、R2 、R3 、R4 及びR
5は、何れも水素又は低級アルキル基を表す。ここで低
級アルキル基とは、炭素数が1〜5の直鎖又は分枝アル
キル基を意味している。
【0009】この発明は、PAT100重量部に上述の
化学式1で表される芳香族燐化合物を0.5〜10重量
部加えてなる組成物を発泡させたことを特徴とする、難
燃性のPAT発泡体を提供するものである。
【0010】また、この発明は上述の難燃性のPAT発
泡体の製造方法をも提供するものであり、その製造方法
は、PAT100重量部に上述の化学式1で表される芳
香族燐化合物を0.5〜10重量部加えてなる混合物を
押出機に入れ、溶融混合するとともにこれに発泡剤を圧
入し、これを低圧領域へ押し出し発泡させて、発泡体と
することを特徴とするものである。
【0011】ここで、化学式1中のA、B、D及びE
は、既述のように、化学式2で表される芳香族基を示し
ている。A、B、D及びEは互いに同一であってもよ
く、また異なっていてもよい。
【0012】上記の化学式1に属する化合物のうち、
A、B、D及びEが何れも同一のものであって、しかも
それらは化学式2の芳香族基において、R3 、R4 及び
5 が水素、R1 とR2 とが何れもメチル基となってい
る化合物が、この発明で使用するのに好ましいものの1
つである。この化合物は、具体的には下記の構造式を持
ったものである。
【化3】
【0013】この発明は、化学式1で表される化合物と
PATとを、後者100重量部に対して前者を0.5〜
10重量部の割合で混合した組成物を発泡させた点に特
徴を持っている。その割合の中では、前者を1〜2重量
部とすることが好ましい。その割合で混合したものは、
化学式1の化合物とPATとがよく相溶して、均一な組
成物を作る。また、こうして得られたPAT組成物は難
燃性であって、UL規格の難燃性試験では94HB以上
の難燃度を持っている。しかも、この組成物は、熱安定
性も比較的よく、これを押出機に入れてPATの溶融温
度付近まで加熱しても分解を起こさない。その上に、こ
の組成物は、PATの発泡に通常用いられる発泡剤を押
出機内でこれに圧入すると、円滑に吸収するので、押し
出し発泡させるのに適している。
【0014】化学式1で表される化合物(以下、これを
燐化合物という)は、一般に固体であって、70℃以上
の融点を持ち、熱に対しては比較的安定である。燐化合
物は一分子中に5個もの芳香族基を含んでいるので、フ
タル酸を成分として芳香族基を含んでいるPATとよく
相溶する。このため、PAT100重量部に燐化合物を
10重量部加えても、燐化合物はPATとよく相溶し均
質の組成物を形成する。この組成物は難燃度の大きいも
のである。
【0015】この発明で用いられるPATは、前述のよ
うに、芳香族のジカルボン酸に二価のアルコールを反応
させて得られた、高分子量の鎖状ポリエステルである。
このうち、ジカルボン酸としてテレフタル酸を用いたも
のが最も多いが、イソフタル酸や、2、6−ナフタレン
ジカルボン酸などもテレフタル酸と混合して用いられ
る。そのほか、ジカルボン酸としては、ジフェニルエー
テルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸
や、ジフェノキシジカルボン酸も用いられる。
【0016】他方、PATを構成する二価アルコールと
しては、脂肪族アルコールが多く用いられているが、フ
ェノール類も用いられ、また脂肪族環を含んだアルコー
ルも用いられる。脂肪族の二価アルコールとしては、エ
チレングリコールが多く用いられているが、トリメチレ
ングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチ
レングリコール、ヘキサメチレングリコールが用いられ
る。フェノール類としては、カテコール、レゾルシン、
ヒドロキノン、オルシン等を用いることができる。脂肪
族環を含んだアルコールとしては、p−ジメトキシシク
ロヘキサンを用いることができる。
【0017】上述のPATのうち、この発明で用いるの
に適したものは、エチレングリコールとテレフタル酸と
を縮合させて作られた、ポリエチレンテレフタレートで
あり、また、ブチレングリコールとテレフタル酸とを縮
合させて作られたポリブチレンテレフタレート、及びp
−ジメトキシシクロヘキサンとテレフタル酸とを縮合さ
せて作られたポリシクロヘキサンテレフタレートであ
る。このようなPATは市販されている。この発明で
は、これら市販のPATを単独で又は混合して用いるこ
とができる。また、PATは、これに少量の他の樹脂を
混合して用いることもできる。
【0018】この発明では、PATを難燃性にするのに
燐化合物を加えて組成物を作る。その場合の燐化合物の
添加量は、PAT100重量部に対し0.5〜10重量
部とする。こうして得られた混合物を組成物とするに
は、この混合物を押出機に入れて溶融混練することが好
ましい。なぜならば、押出機を用いると、その中で混合
物を溶融混練すると同時に、これに発泡剤を圧入して、
一挙に発泡体にすることができるからである。
【0019】この発明ではPATと燐化合物のほかに、
必要に応じてさらにこれに粘弾性改良剤を加える。それ
は、PATが低い溶融粘度又は溶融張力を持つために、
押し出し発泡させることが困難であるから、PATの溶
融粘度を増加させる目的で加えるものである。好ましい
粘弾性改良剤は、無水ピロメリット酸のような酸二無水
物、周期律表の第1、2又は3族の金属化合物、多官能
エポキシ化合物、オキサゾリン化合物及びオキサジン化
合物である。このうちでは、酸二無水物と第1、2又は
3族の金属化合物を用いることが好ましい。
【0020】この発明を実施する場合には、上述のもの
のほかに、さらに必要に応じて種々の助剤を加えること
ができる。例えば、タルク粉末のような気泡調整剤や、
炭酸ソーダのような核剤や、酸化防止剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料、顔料、帯電防止剤、
充填材などを加えることができる。
【0021】一般に、PATは高温では加水分解され易
い性質を持っている。そのため、この発明ではPATの
水分含有量をできるだけ少なくしてから、溶融混練する
のが好ましい。含水量は200ppm以下、さらには1
00ppm以下にすることが好ましい。そのためには、
PATを除湿乾燥機に入れて、80〜180℃の温度に
し、この中に、露点が−20℃以下の乾燥した空気を3
時間以上通して乾燥したり、マイクロ波乾燥機に入れて
80〜180℃の温度で1時間以上乾燥することが好ま
しい。
【0022】上述の混合物を溶融混合し、これに発泡剤
を含ませて発泡体とするには、前述のように、混合物を
押し出し発泡させることが好ましい。押し出し発泡と
は、上述の混合物を押出機に入れ、押出機内でこの混合
物を加熱し溶融し、混練して均一な組成物にするととも
に、押出機の途中から発泡剤を圧入して発泡性組成物と
し、この発泡性組成物を押出機の先端に設けた口金のオ
リフィスから低圧領域へ押し出し、発泡させて発泡成形
体を得る方法である。
【0023】発泡剤としては、これまでPATを発泡さ
せるのに用いられて来た色々の発泡剤を用いることがで
きる。例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n
−ペンタン、i−ペンタンのような飽和脂肪族炭化水
素、シクロヘキサンのような飽和脂環族炭化水素、塩化
メチルのようなハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル
のようなエーテル、二酸化炭素、窒素のような不活性ガ
スを用いることができる。
【0024】押し出し発泡によるときは、押出機の先端
に設けた口金のオリフィス形状を変えることにより、色
々な形状のPAT発泡成形体を作ることができる。例え
ば、オリフィスを一直線状にして板状又はシート状の発
泡体を作ることができ、またオリフィスを円環状にして
円筒状成形体を作ることができる。またこうして得られ
た円筒状成形体に押出方向に沿って延びる切れ目を入
れ、切れ目を開いて平坦なシートにすることもでき、さ
らに、この平坦な発泡シートを切断して、粒子状とする
こともできる。また、1つの小孔又は多数の小孔を設け
た口金を使用し、この小孔から発泡性PATを押し出し
て紐状発泡体を作り、これを切断して粒子状とすること
もできる。あるいは、小孔から発泡性PATを押し出し
て発泡させるのとほぼ同時に発泡体を切断して粒子状と
することもできる。こうして得られた発泡した粒子は、
次に述べる発泡成形法により、さらに別の発泡成形体に
発泡成形することができる。
【0025】上述の発泡した粒子は、再度加熱すると発
泡する性質を持っている。また、上述の発泡した粒子
は、ポリスチレンの予備発泡粒子と同じように、閉鎖し
得るが密閉し得ない金型の中に入れて加熱し発泡させる
と、粒子同士が互いに融着して型窩通りの発泡体となる
性質を持っている。また、上述の発泡した粒子は、これ
を予め密閉容器に入れて、炭酸ガス、窒素、ヘリウム等
の不活性ガスを圧入した後、金型内での二次発泡成形に
使用する直前まで圧入したガスの雰囲気下に保持する
と、これを金型に入れて二次発泡成形する時、一層大き
な発泡能力を持つに至る。そこで、上述の粒子は、閉鎖
し得るが密閉し得ない金型に入れて、加熱し発泡させて
金型の型窩通りの形状の発泡成形体を作るのに使用する
ことができる。得られた発泡成形体は、型窩通りの形状
となっているから、型窩の変更により、希望通りの色々
な形状及び大きさを持ったものとすることができる。こ
こで、閉鎖し得るが密閉し得ない金型とは、軟化した樹
脂は通さないが加熱用の水蒸気や発泡剤由来のガスは通
すような、小さな貫通孔を型窩壁面に備えた金型のこと
である。
【0026】この発明では、こうして得られたPAT発
泡体の結晶化度を調整することにより、燃焼時にPAT
発泡体が吸収する吸熱量を大きくして燃焼時間を遅ら
せ、これによって難燃性を向上させることができる。詳
述すれば、PATは結晶性の樹脂であるために、結晶融
解熱と結晶化熱とを示すので、(結晶融解熱量−結晶化
熱量)の値を21mj/mg以上とすることにより、燃
焼時にPAT発泡体が吸熱するため、燃焼時間を遅くす
ることができる。(結晶融解熱量−結晶化熱量)のより
好ましい値は28mj/mgである。なお、PAT発泡
体の結晶融解熱量と結晶化熱量は示差走査熱量計(DS
C)によって容易に測定することができる。
【0027】
【発明の効果】この発明によれば、難燃剤として化学式
1で表される燐化合物を用い、その使用量をPAT10
0重量部に対し0.5〜10重量部としたので、均一な
組成物を作ることができる。この組成物は、充分な難燃
性を示し、またPATを発泡させるためにこれまで用い
られて来た発泡剤の作用を助長するものである。従っ
て、この組成物の使用により難燃性のPAT発泡体を容
易に得ることができる。その上に、こうして得られたP
AT発泡体は、環境に優しいものであり、廃棄に困難が
伴わない。
【0028】またPAT発泡体を製造する方法として
は、上述の組成物を作るのに、従来から用いられて来た
押出機をそのまま用いて、押し出し発泡法によってPA
T発泡体を一挙に製造することができるから、有利であ
る。また、こうして得られた発泡体の形状を粒子とする
ことにより、この粒子を閉鎖し得るが密閉し得ない金型
内に入れ、加熱し発泡させて、金型の型窩通りの形を持
った難燃性発泡成形体とすることができる。この発明
は、このような利益をもたらす。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に実施例と比較例とを述べ
て、この発明の優れている所以を具体的に説明する。以
下で単に部と云うのは重量部の意味である。
【0030】
【実施例1】IV値が1.07のポリエチレンテレフタ
レート樹脂(ユニチカ社製SA−1206)100部
に、化学式3で表される燐化合物(第一工業製薬社製S
X−6502)2部と、タルク1部と、無水ピロメリッ
ト酸0.15部と、炭酸ソーダ0.01部とを加えて混
合物を作り、この混合物を口径65mmφの単軸押出機
に投入した。
【0031】押出機のシリンダー温度を270〜285
℃に維持して混合物を溶融し、混練した。シリンダーの
途中からブタン(発泡剤)を0.4部の割合で圧入し、
発泡性溶融物を作った。この溶融物を口径80mmφの
サーキュラー口金から大気中へ押し出し、発泡させ、冷
却した先で引き取った。その途中で押出物を直径が20
5mmφの円筒形マンドレルに沿って進行させ、その間
に形を整え、その先で円筒体の一部を切り開いてシート
とし、こうして平坦なシートを得た。
【0032】得られた発泡シートは厚みが1.2mm、
坪量が600g/m2 であった。このシートから250
×250mmの大きさの試料を切り出し、これを表面温
度が180℃の上下2枚の加熱板の間に挟み、6秒間加
圧接触させて予熱した後、直ちに常温の冷却板の間に挟
み、加圧接触させて結晶化度を調節するとともにフラッ
トな発泡板とした。この発泡板は厚みが1.6mmで
(結晶融解熱量−結晶化熱量)の値が32.2mj/m
gであって、UL規格の94HBでの燃焼時間は3イン
チの標線到着前にすべて消えるというすぐれた難燃性を
有するものであった。
【0033】
【実施例2】実施例1において化学式3で表される燐化
合物の量を1.2部とした以外は、実施例1と全く同様
に実施して発泡シート及びフラットな発泡板を得た。得
られたフラットな発泡板は、厚みが1.6mmで、(結
晶融解熱量−結晶化熱量)の値が28.2mj/mgで
あって、UL規格の94HBでの燃焼時間は3インチの
標線到着前にすべて消えるというすぐれた難燃性を有す
るものであった。
【0034】
【実施例3】ペットボトルの回収ペレット(よのペット
リサイクル社製)100重量部と、化学式3で表される
燐化合物(第一工業製薬社製SX−6502)4部、改
質剤としてのピロメリット酸二無水物0.31重量部
と、改質助剤としての炭酸ナトリウム0.03重量部と
を押出機(口径:65mm、L/D比:35)に供給
し、スクリューの回転数50rpm、バレル温度270
〜290℃の条件で溶融、混合しながら、バレルの途中
に接続した圧入管から、発泡剤としてのブタンを、混合
物に対して1.1重量%の割合で圧入した。この溶融状
態の混合物を、バレルの先端に接続したマルチノズル金
型(直径0.8mmの小孔が15個配置されたもの)
の、各小孔から押し出して発泡させたのち、直ちに冷却
水槽で冷却した。
【0035】そして、冷却された紐状の発泡体を十分に
水切りしたのち、ペレタイザーを用いて小粒状に切断し
て発泡した粒子とした。得られた発泡した粒子の嵩密度
は0.14g/cm3 、粒径は1.5〜2.4mmであ
った。得られた発泡した粒子を密閉容器に入れ、炭酸ガ
スを0.49MPaの圧力で圧入したのち、4時間保持
した。
【0036】次に、密閉容器から取り出した発泡した粒
子336gを直ちに、内法寸法300mm×400mm
×20mmの閉鎖し得るが密閉し得ない金型内に充填し
て型締めしたのち、この型内にゲージ圧0.02MPa
のスチームを10秒間、次いでゲージ圧0.06MPa
のスチームを20秒間導入し、発泡した粒子を加熱膨張
させると同時に融着させた。さらにそのままの状態で発
泡体を120秒間保熱した後、水冷して、ポリエステル
系樹脂発泡体を得た。このようにして上記金型の内法寸
法と同じ300mm×400mm×20mmの外形寸法
を有する直方体状の発泡成形体を得た。得られた成形体
の密度は0.14g/cm3 で、(結晶融解熱量−結晶
化熱量)の値が38.5mj/mgであって、UL規格
の94HBでの燃焼時間は3インチの標線到着前にすべ
て消えるというすぐれた難燃性を有するものであった。
【0037】
【比較例1】実施例1において化学式3で表される燐化
合物の代わりに、大八化学社製TXP(トリキシレニル
ホスフェート)(融点−15℃、燐含有量7.6%)
2.5部を押出機の途中から圧入することとした以外
は、実施例1と全く同様にして発泡シートを作ろうとし
たが、安定して発泡シートを作ることができなかった。
従って、得られた発泡シートは表面状態の悪いものであ
った。
【0038】
【比較例2】燐化合物として化学式3で表されるものを
0.1部用いることとした以外は、実施例2と全く同様
にして発泡シートを作った。得られた発泡シートは厚み
が1.6mmで、(結晶融解熱量−結晶化熱量)の値が
7.5mj/mgであった。この発泡シートはUL規格
の94HBでの燃焼時間が55秒であって、充分な難燃
性を持つとは云えないものであった。
【0039】
【比較例3】燐化合物を全く使用しないこととした以外
は、実施例3と同様にして発泡した粒子を作り、さらに
これを金型に入れて加熱し融着させて直方体状の発泡成
形体を作った。得られた成形体の外形寸法は300×4
00×20mmで型窩通りとなっていたが、(結晶融解
熱量−結晶化熱量)の値が36.9mj/mgであっ
た。この成形体をUL規格に基づいて難燃性を測定した
ところ、成形体がなくなるまで燃え続けたので、難燃と
は云えないものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/04 C08L 67/00 - 67/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量
    部に、 【化3】 で表される芳香族燐化合物を0.5〜10重量部を加え
    た組成物を発泡させたことを特徴とする、難燃性の熱可
    塑性ポリエステル系樹脂発泡体。
  2. 【請求項2】 発泡体の形状が粒子状であることを特徴
    とする、請求項1に記載の難燃性の熱可塑性ポリエステ
    ル系樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量
    部に、化学式で表される芳香族燐化合物を0.5〜1
    0重量部加えてなる混合物を押出機に入れ、溶融混合す
    るとともにこれに発泡剤を圧入し、次いでこれを低圧領
    域へ押し出し発泡させることを特徴とする、難燃性の熱
    可塑性ポリエステル系樹脂発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性ポリエステル系樹脂100重量
    部に、化学式で表される芳香族燐化合物を0.5〜1
    0重量部加えてなる混合物を押出機に入れ、溶融混合す
    るとともにこれに発泡剤を圧入し、次いでこれを低圧領
    域へ押し出し発泡させ、その後得られた発泡体を切断し
    て発泡した粒子とし、発泡した粒子を閉鎖し得るが密閉
    し得ない金型に入れて加熱し発泡させるとともに融着さ
    せることを特徴とする、難燃性の熱可塑性ポリエステル
    系樹脂発泡体の製造方法。
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