JP3535094B2 - 光電子増倍管用パッケージ - Google Patents

光電子増倍管用パッケージ

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JP3535094B2 JP2000399117A JP2000399117A JP3535094B2 JP 3535094 B2 JP3535094 B2 JP 3535094B2 JP 2000399117 A JP2000399117 A JP 2000399117A JP 2000399117 A JP2000399117 A JP 2000399117A JP 3535094 B2 JP3535094 B2 JP 3535094B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暗視装置、オージ
ェ(Auger)電子分光分析装置,光電子分光分析装置
(ESCA:Electron Spectroscopic Chemical Ana
lysis)等の電子分光分析装置、真空紫外線分光分析装
置などに適用可能な光電子増倍管を収容するパッケージ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光電子増倍管はマイクロチャネル
プレート(以下、MCPという)を用いることでその特
性が飛躍的に向上している。図5に示す従来の光電子増
倍管用パッケージ(以下、パッケージという)は、上面
に凹部2を有する絶縁材料から成る基体1のその凹部2
に、MCP100をダイノードとして用いた光電子増倍
管Bを収容したものである。
【0003】また、基体1の側壁2bの上面には、メタ
ライズ層等の導体層2cおよびロウ材を介して金属製の
フランジ6が接合され、そのフランジ6に中央部の貫通
孔に透光性材料から成る光入射窓が嵌着接合された蓋体
8が接合されている。また、凹部2の底面2aの中央部
に、面内で縦横に複数配列された電極3aが形成された
電極形成領域3が設けられている。さらに、電極形成領
域3が形成された基体1の下面には、電極3aに貫通導
体を介して接続された信号用ピン3bが設けられてい
る。そして、電極形成領域3上に光電子増倍管Bが載置
され、かくして底面2aと側壁2bと蓋体8とにより、
凹部2が気密に封止されるとともに、凹部2内が高真空
状態に保たれて光電子増倍管Bとして機能する。
【0004】この凹部2の底面2aの電極形成領域3の
外周側には溝4が形成されており、溝4の底面4aに、
底面4aを上下に貫通して複数の電源用ピン5がロウ材
により挿着されている。電源用ピン5は、光電子増倍管
B内の光電子を励起するための電圧(バイアス電圧)を
供給するためのもので、複数本設けられる。電源用ピン
5を介して外部電圧源から所定の電圧、例えば数kV〜
10数kVが光電子増倍管Bに印加され、光電子増倍管
B内を移動する(図5では上方から下方に移動する)光
電子を誘導するための電界を形成する。
【0005】この光電子増倍管Bは、図4に示すよう
に、パッケージAの蓋体8の光入射窓104から入った
光がその光入射窓104を通過する際に、光入射窓10
4の内側(パッケージA内側)に被着されている光電陰
極から光電子を放出させる。次に、その光電子をMCP
100上の導電性膜102に入射させ、ついで光電子が
MCP100の細いガラス管等から成るチャネル101
内をその内壁に衝突しながら通過する際に、光電子を増
倍してMCP100の下面の蛍光体層103から蛍光が
放出される。
【0006】放出された蛍光は、出射窓105から外部
に放出され、パッケージAに設けられた電極3a上に取
着された受光部(図示せず)に入射して電気信号に変換
され、この電気信号が外部のコンピュータ装置等の分析
装置装置により解析される。
【0007】上記のMCP100は、図4に示すよう
に、多数の極めて細いガラス管から成るチャネル101
を束ねたものを径方向にスライスしてプレート状にした
ものであり、例えばこのプレートの上下面にそれぞれ導
電膜102、蛍光体層103を被着した構造を有する。
MCP100は、その上面の導電膜102に入射した光
を光電効果によって光電子を発生させ、この光電子がチ
ャネル101の内壁に衝突しながらチャネル101内を
通過する際に、チャネル101の内壁から2次電子を連
鎖反応で次々と飛び出させることで、電子数を増倍させ
る機能を有する。
【0008】従って、MCP100は、上記の増倍作用
により微弱な光を増幅し感知することを可能とし、この
MCP100を用いた光電子増倍管Bは極めて高感度か
つ高速応答性を有し、他のどの光電子増倍管でも得られ
ない速い時間特性が得られる。また、MCP100は、
プレートとしてダイノードの機能を有するとともに、M
CP100を構成するそれぞれのチャネル101が個々
にダイノードとしての機能を有することで、これを用い
た光電子増倍管Bは他の光電子増倍管よりも優れた時間
特性を実現している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光電子
増倍管B内の電子を励起するには、上記のように高電圧
の印加による電界が必要であるとともに、パッケージA
内を高真空雰囲気に保持することが不可欠であることか
ら、光電子増倍管Bは従来から樹脂から成るパッケージ
や、セラミックスから成るパッケージに収容されて使用
されてきた。そして、電源用ピン5に数kV〜10数k
Vの電圧を印加した場合、その高電圧によって、電源用
ピン5とパッケージAの側壁2b上面のフランジ6との
間で凹部2の内側面を介して短絡するという不具合が発
生していた。このとき、フランジ6は蓋体8とともに光
電陰極の所定の負電位(−数100V)に保持されてい
るために、電源用ピン5との間で短絡が発生しやすくな
っている。
【0010】このような短絡は、パッケージAの凹部2
の内表面に吸着されている水分、微細な埃、汚れ等によ
り、電源用ピン5が溝4の底面4aと接する部位5a
と、フランジ6との両地点間の絶縁が破壊された結果発
生する。この不具合を回避するために、例えばパッケー
ジAの底部の厚みを厚くして溝4の深さを深くする構
成、または側壁2bの高さを高くする構成とすることに
よって、電源用ピン5が溝4の底面4aと接する部位5
aからフランジ6へと至る沿面距離を大きくして短絡を
防止することが行われてきた。しかし、いずれの構成も
近年のパッケージAの低背化という動向に対して逆行す
るものであった。
【0011】従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成
されたものであり、その目的は、光電子増倍管に高電圧
を電源用ピンを介して印加する場合に、電源用ピンとパ
ッケージの側壁上面のフランジとの間の絶縁が高電圧に
よって破壊されるのを、パッケージの高さを高くするこ
となく解消することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の光電子増倍管用
パッケージは、絶縁材料から成り、上面に光電子増倍管
を収容するための凹部が形成されるとともに該凹部の底
面の中央部に複数個の電極が形成されて成る電極形成領
域を有する基体と、該基体の下面に立設されるとともに
前記電極に貫通導体を介して接続された複数の信号用ピ
ンと、前記凹部の底面の前記電極形成領域より外周側に
形成された溝と、該溝の底面を上下に貫通して挿着され
た電源用ピンと、前記基体の上面の凹部の開口周辺に接
合された枠状のフランジとを具備した光電子増倍管用パ
ッケージにおいて、前記溝の外周側の内側面に、前記凹
部の底面に略平行な襞部が上下に複数形成され、かつ前
記襞部の端面の算術平均粗さが10〜70μmであるこ
とを特徴とする。
【0013】本発明は、上記の構成により、襞部で沿面
距離を長くするとともに、襞部の端面の算術平均粗さを
10〜70μmと粗くすることで、さらに沿面距離を実
質的に長くすることができ、電源用ピンと溝の底面が接
する部位とパッケージの側壁上面のフランジとの間の短
絡を有効に防止し得る。また、襞部により、電源用ピン
が溝の底面と接する部位とフランジとの両地点間の沿面
距離を長くすることができるため、短絡が起きない範囲
内でパッケージの側壁の高さを低くすることができ、そ
の結果パッケージを低背化することができる。
【0014】本発明において、好ましくは、前記電源用
ピンの上端の位置より下側に形成された前記襞部の前記
溝の内側面からの突出長さが、前記電源用ピンの上端の
位置より上側に形成された前記襞部の前記溝の内側面か
らの突出長さよりも短いことを特徴とする。
【0015】本発明は、上記の構成により、以下のよう
な問題を解消できる。即ち、電源用ピンを挿着する貫通
孔の形成位置のバラツキにより、電源用ピンと襞部の端
面とが接近し過ぎて絶縁が破壊されるおそれがあり、こ
れを回避するために電源用ピンと襞部の端面との間隔を
大きくせざるを得ず、その結果パッケージの小型化が妨
げられるのを解消することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のパッケージAについて以
下に詳細に説明する。図1および図2は、本発明のパッ
ケージAについて一実施形態の部分断面図および平面図
である。また、図3は本発明のパッケージAについて他
の実施形態の断面図である。さらに、図4は光電子増倍
管Bを模式的に示す各部を分解した断面図である。尚、
従来例である図5のパッケージAに示す部材と同じ部材
には同じ符号を付している。
【0017】これらの図において、1は、絶縁材料から
成り、上面にMCP100を備える光電子増倍管Bを収
容するための凹部2が形成されるとともに凹部2の底面
2aの中央部に複数個の電極3aが形成されて成る電極
形成領域3を有する基体、2は凹部、2aは凹部2の底
面、2bは凹部2の側壁、3は、凹部2の底面2aの中
央部に複数個の電極3aが形成されて成る電極形成領
域、3bは、基体1の下面に立設されるとともに電極3
aに貫通導体を介して接続された複数の信号用ピンであ
る。
【0018】なお、光電子増倍管Bは、板状のMCP1
00を備えた小型のものの場合沿面距離が問題になり易
いため、MCP100を備えたものにおいて本発明の構
成を適用することが好ましい。勿論の他の光電子増倍管
Bにおいても本発明の構成を適用しても構わない。
【0019】また、4は、底面2aの電極形成領域3よ
り外周側に形成された溝、4aは溝4の底面、5は、溝
4の底面を上下に貫通して挿着された複数の電源用ピ
ン、5aは、電源用ピン5と溝4の底面4aとの接触点
である。
【0020】さらに、6は、パッケージAの凹部2の開
口周辺に導体層2cを介して接合された枠状のフラン
ジ、7は、溝4の外周側の内側面に、凹部2の底面2a
に略平行に上下に複数形成された襞部、7aは襞部7の
端面、8は蓋体、100はMCP、Bは光電子増倍管で
ある。
【0021】なお、襞部7は、図1に示すように、溝4
の外周側の内側面であって凹部2の内側面の上部に到る
ように形成するのがよく、少なくとも電源用ピン5の上
端よりも高い位置にまで形成するものとする。
【0022】本発明のパッケージAは、その凹部2内の
電極形成領域3上に光電子増倍管Bが載置され光電子増
倍管用パッケージとして機能するものである。
【0023】そして、図1に示すように、パッケージA
の凹部2の底面2aの中央部に、光電子増倍管Bが設け
られる。光電子増倍管Bは、その内部に例えば図3に示
すようなMCP100を備えており、MCP100の下
面側より外周側の底面2aに形成された溝4に、直流高
電圧が印加される電源用ピン5が溝4の底面を貫通して
パッケージAの内外を電気的に導通するように設置され
ている。また、電極3aから信号を取り出すための信号
用ピン3bがパッケージの下面に接合されている。信号
用ピン3bと電極3aとは、凹部2の底面2aとパッケ
ージAの下面とを上下に貫通して設けられた、導体が充
填されたビアホール等の貫通導体により、電気的に導通
されている。そして、信号用ピン3bは、貫通導体に接
続されるようにパッケージAの下面に形成された電極パ
ッド等にロウ材等により立設して接合される。
【0024】凹部2を囲む側壁2bを有する基体1は、
好ましくは、主にセラミックスの粉末とバインダーとか
らなるセラミックグリーンシートを積層して焼成した複
数のセラミック層で構成される。そして、襞部7は溝4
の外周側の内側面に、上下方向に所定の間隔をおいて底
面2aに略平行に突出するように複数形成される。即
ち、襞部7は、上記のようなセラミック積層法におい
て、中央部の貫通孔の形状、寸法が異なる枠状のセラミ
ックグリーンシートを交互に積層することで形成するこ
とができる。
【0025】また、セラミック層の厚さを調整すること
で、襞部7の配列のピッチ、またその厚さを容易に制御
できる。即ち、襞部7は、セラミックグリーンシートの
中央部に凹部2用の貫通孔を形成する際に、その貫通孔
の大きさが小さいセラミックグリーンシートを準備し、
次いで貫通孔が大きいものと小さいものとを交互に積層
することにより形成される。即ち、貫通孔の大きさが小
さいセラミックグリーンシートの配列位置において、貫
通孔の内周面が凹部2の内部へ突出する襞部7となる。
また、側壁2bの上面には、中央部に透光性材料から成
る光透過窓を有する蓋体8を接合するためのフランジ6
が設けられており、蓋体8がフランジ6に接合されるこ
とによって、パッケージA内部に収容するMCP100
が気密に封止される。
【0026】本発明において、側壁2bの内側面で突出
する襞部7の端面7aの算術平均粗さを10〜70μm
としておくと、端面7aの沿面距離を面粗さに起因する
凹凸面に沿った長さにより長くすることができ、その結
果電源用ピン5の位置からフランジ6に至るまでの沿面
距離を実質的に長くすることができる。
【0027】端面7aの算術平均粗さが10μm未満で
は、端面7aの凹凸による沿面距離の増大化が困難にな
り、70μmを超える場合、以下に示すように製造工程
において端面7aに微細なクラックが発生し易くなる。
【0028】襞部7の端面7aの算術平均粗さを10〜
70μmとするには、例えば貫通孔を形成するための打
ち抜きに際して使用される、下金型と下金型と対になっ
ているパンチ金型について、それらのクリアランス(隙
間)を30〜50μm程度にすればよい。クリアランス
が30μm未満では、端面7aの算術平均粗さが10μ
m未満となり易く、沿面距離の増大効果が得られ難くな
る。
【0029】なお、このクリアランスは、セラミックグ
リーンシートの厚みやその素材によって打ち抜き特性が
異なるため、それらの条件に左右される場合がある。例
えば、厚みの厚いセラミックグリーンシートでは、打ち
抜きに際してその切断面が粗面化され易いため、本発明
の端面7aにおける算術平均粗さを得る為には、上記の
範囲内でクリアランスを小さくする方がよい。
【0030】クリアランスが50μmを超えた状態で貫
通孔を打ち抜くと、セラミックグリーンシートが打ち抜
かれる際に、その切断部に負荷がかかり、打ち抜いた端
面7aに微細なクラックが発生し易くなるとともに、端
面7aの算術平均粗さが70μmを超えてしまう。この
場合、端面7aに微細なクラックが発生してもパッケー
ジの気密性を損なうことはないのに対して、襞部7が形
成されないセラミック層となるセラミックグリーンシー
トでは、微細なクラックがパッケージの気密性を損ねる
場合がある。
【0031】したがって、上記の方法でセラミックグリ
ーンシートに打ち抜き法で貫通孔を形成すると、襞部7
の端面7aの算術平均粗さが10〜70μmとなり、ま
たパッケージの気密性を良好に保持することができる。
【0032】また本発明において、端面7aの算術平均
粗さが例えば30μmであれば、10μmの算術平均粗
さの場合に対して、セラミック層1層における沿面距離
が約2倍となり、電源用ピン5からフランジ6までの沿
面距離に対しては数10%の沿面距離の増大となる。し
たがって、耐電圧もこれに比例して大きくなり、よって
基体1の下面からフランジ6の上面までの高さを高くす
ることなく、電源用ピン5が溝4の底面4aと接する部
位5aから側壁2b上面のフランジ6までの沿面距離を
大きく取ることができる。よって、電源用ピン5とフラ
ンジ6との短絡を有効に防止することができる。
【0033】上記の下金型とパンチ用金型とのクリアラ
ンスを調整した打ち抜き法は、襞部7を有するセラミッ
ク層となるセラミックグリーンシートに対して適用され
る。そして、このセラミックグリーンシートと、貫通孔
の内周面の算術平均粗さが10μm程度未満と小さくな
るように打ち抜かれたグリーンシートとを、襞部7の形
成部では交互に積層し、ついで焼成して、襞部7が溝4
の内側面に形成されたパッケージAが作製される。
【0034】なお、本発明は上記の実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で
種々の変更を施しても何等差し支えない。例えば、上記
実施の形態では、セラミック積層法により襞部7を形成
したが、基体1を金型による成型法によりセラミック成
形体として作製し、焼成した後切削することにより、ま
たはエッチングすることにより襞部7を形成してもよ
い。
【0035】さらに本発明においては、図3に示すよう
に、電源用ピン5の上端の位置より下側に形成された襞
部7bの溝4の内側面からの突出長さが、電源用ピン5
の上端の位置より上側に形成された襞部7cの溝4の内
側面からの突出長さよりも短いように構成することもで
きる。この場合、電源用ピン5の上端の位置よりも下側
に形成されている襞部7bの側壁2bからの突出長さ
を、電源用ピン5の上端の位置よりも上側に形成されて
いるものよりも小さくすることで、電源用ピン5と襞部
7bの端面7aとの間隔が小さくなり過ぎて、襞部7b
の端面7aに吸着した水分や異物を介して短絡を起こす
といったことを防ぐことができる。
【0036】また、電源用ピン5の上端の位置よりも上
側に形成されている襞部7cの長さをより長くすること
で、電源用ピン5の上端の位置よりも下側に形成されて
いる襞部7bの長さが短くなった分か、あるいはそれ以
上に電源用ピン5と溝4の底面4aが接する部位5aと
フランジ6との間の沿面距離を増大することもでき、電
源用ピン5とフランジ6との間の短絡を有効に防ぐこと
ができる。
【0037】
【発明の効果】本発明は、絶縁材料から成り、上面に光
電子増倍管を収容するための凹部が形成されるとともに
凹部の底面の中央部に複数個の電極が形成されて成る電
極形成領域を有する基体と、基体の下面に立設されると
ともに電極に貫通導体を介して接続された複数の信号用
ピンと、凹部の底面の電極形成領域より外周側に形成さ
れた溝と、溝の底面を上下に貫通して挿着された電源用
ピンと、基体の上面の凹部の開口周辺に接合された枠状
のフランジとを具備し、溝の外周側の内側面に、凹部の
底面に略平行な襞部が上下に複数形成され、かつ襞部の
端面の算術平均粗さが10〜70μmであることによ
り、パッケージの高さを高くすることなく、電源用ピン
の基部からフランジ間の沿面距離を大きくすることがで
き、電源用ピンと側壁の上面に接合されているフランジ
との短絡を防止することを可能にした。
【0038】また本発明は、好ましくは、電源用ピンの
上端の位置より下側に形成された襞部の溝の内側面から
の突出長さが、電源用ピンの上端の位置より上側に配列
された襞部の溝の内側面からの突出長さよりも小さいも
のである。この場合、電源用ピンを挿着する貫通孔の形
成位置のバラツキにより、電源用ピンと襞部の端面とが
接近し過ぎて絶縁が破壊されるおそれがあり、これを回
避するために電源用ピンと襞部の端面との間隔を大きく
せざるを得ないが、電源用ピンの上端の位置より下側に
形成された襞部の溝の内側面からの突出長さを短くする
ことで、パッケージの小型化が妨げられるのを解消する
ことができる。
【0039】また、電源用ピンの上端の位置よりも上側
に形成されている襞部の長さをより長くすることで、電
源用ピンの上端の位置よりも下側に形成されている襞部
の長さが短くなった分か、あるいはそれ以上に電源用ピ
ンと溝の底面が接する部位とフランジとの間の沿面距離
を増大することもでき、電源用ピンとフランジとの間の
短絡を有効に防ぐことができる。
【0040】また、基体が例えば射出成形されたセラミ
ックスからなる場合には、襞部の形成や、更に襞部の端
面の面粗さを大きくすることが困難であるが、本発明の
パッケージでは大きな面粗さの端面を有する襞部を、セ
ラミックグリーンシート積層法により工程を増加させる
こと無く形成することができる。また、セラミックグリ
ーンシート積層法で襞部を形成する場合、中央部の貫通
孔の大きさが異なる枠状のセラミックグリーンシートを
複数積層して焼成することでパッケージを形成できるた
め、襞部を形成するための特別な製造工程が増えること
がなく、したがって低コストで歩留まり良く生産でき、
かつ量産性に優れている。
【0041】さらに、セラミックグリーンシート積層法
で襞部を形成する場合、襞部を上下に密に配列して形成
することができるので、短絡を防止することのできる沿
面距離を維持したままでパッケージの側壁の高さを低く
することができ、パッケージのさらなる低背化を達成で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電子増倍管用パッケージについて実
施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1の光電子増倍管用パッケージの蓋体および
光電子増倍管を除いたものの平面図である。
【図3】本発明の光電子増倍管用パッケージについて実
施の形態の他の例を示す要部拡大断面図である。
【図4】光電子増倍管の摸式的な分解断面図である。
【図5】従来の光電子増倍管用パッケージの断面図であ
る。
【符号の説明】
1:基体 2:凹部 2a:底面 2b:側壁 3:電極形成領域 3a:電極 3b:信号用ピン 4:溝 5:電源用ピン 6:フランジ 7:襞部 7a:襞部の端面 8:蓋体 100:MCP A:光電子増倍管用パッケージ B:光電子増倍管
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 43/00 - 43/30 G01T 1/00 - 7/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁材料から成り、上面に光電子増倍管
    を収容するための凹部が形成されるとともに該凹部の底
    面の中央部に複数個の電極が形成されて成る電極形成領
    域を有する基体と、該基体の下面に立設されるとともに
    前記電極に貫通導体を介して接続された複数の信号用ピ
    ンと、前記凹部の底面の前記電極形成領域より外周側に
    形成された溝と、該溝の底面を上下に貫通して挿着され
    た電源用ピンと、前記基体の上面の凹部の開口周辺に接
    合された枠状のフランジとを具備した光電子増倍管用パ
    ッケージにおいて、前記溝の外周側の内側面に、前記凹
    部の底面に略平行な襞部が上下に複数形成され、かつ前
    記襞部の端面の算術平均粗さが10〜70μmであるこ
    とを特徴とする光電子増倍管用パッケージ。
  2. 【請求項2】 前記電源用ピンの上端の位置より下側に
    形成された前記襞部の前記溝の内側面からの突出長さ
    が、前記電源用ピンの上端の位置より上側に形成された
    前記襞部の前記溝の内側面からの突出長さよりも短いこ
    とを特徴とする請求項1記載の光電子増倍管用パッケー
    ジ。
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