JP3534240B2 - シート防水工法およびそれに用いる帯状補助具、ならびにそれに用いる熱風融着機 - Google Patents

シート防水工法およびそれに用いる帯状補助具、ならびにそれに用いる熱風融着機

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JP3534240B2 JP2000026729A JP2000026729A JP3534240B2 JP 3534240 B2 JP3534240 B2 JP 3534240B2 JP 2000026729 A JP2000026729 A JP 2000026729A JP 2000026729 A JP2000026729 A JP 2000026729A JP 3534240 B2 JP3534240 B2 JP 3534240B2
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sheet
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良伸 武本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防水シートの接合
部分が良好な仕上がりとなるシート防水工法およびそれ
に用いる帯状補助具、ならびに熱風融着機に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】建築物の屋上等を防水する工法の例とし
て、従来から、ポリ塩化ビニル系ゴム(PVC系ゴム)
等の防水シートを下地面に接着もしくは機械固定により
施工する方法(シート防水工法)が知られている。これ
らの方法では、防水シートの縁部と縁部を重ね、その重
なり部を接合することが必要であるが、その接合は、通
常、テトラヒドロフラン(THF)を用いた溶剤接着の
手法が用いられている。
【0003】しかしながら、上記PVC系ゴムを用いた
防水シートは、塩素原子を含むため、廃棄の際に適切な
処理がなされないと、ダイオキシンが発生するおそれが
あり、環境保全の上で好ましくないという問題や、接合
時に使用するTHFが蒸散して溶剤臭が発生するととも
に引火しやすく危険であるという問題を有している。ま
た、THF蒸気を吸引すると酩酊状態になりやすいた
め、作業者にとって高所作業が危険になるという問題も
ある。
【0004】そこで、本出願人は、防水シートとして、
少なくとも表裏面がオレフィン系熱可塑性エラストマー
を主成分とする高分子材料からなる特殊なシートを用い
ることにより、溶剤接着によらず、熱融着によって簡単
かつ安全に防水シートの端部同士を接合することのでき
る優れたシート防水工法を開発し、すでに出願している
(特願平10−235937号、平成10年8月21日
出願)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記熱融着
による接合では、図17に示すように、防水シート1,
1′の端部同士の重なり部1aに、熱風融着機の熱風吹
き出しノズル2を差し込んで熱風を供給しながら転圧ロ
ーラ3で転圧をかけて接合するため、接合する端部同士
だけでなく、防水シート1,1′の近傍部分が熱膨張で
伸びた状態で引っ張られることとなり、施工後、接合部
に沿って、防水シート1,1′の近傍部分、特に熱風が
内側から入り込んで熱がこもる部分が波うってしわ状に
なることが判明した。しわを4で示す。このようにしわ
4が発生すると、美観上好ましくない上、凹部に雨水等
が溜まるという問題や、局所的な応力荷重が防水シート
1,1′に加わり、その部分の早期劣化につながるとい
う問題があるため、その解決が強く望まれている。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、防水シートの接合部分周辺にしわが生じること
のない、優れたシート防水工法と、それに用いる帯状補
助具と、それに用いる熱風融着機を提供することをその
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下地面に直接もしくは絶縁シートを介し
て防水シートを敷設施工する防水工法において、上記防
水シートの端部同士を重ね、重なり部の防水シートと防
水シートの間に熱風吹き出しノズルを用いて熱風を吹き
込んでその重なり部を熱融着によって接合する際、上記
重なり部を上方から押し付け付勢することにより、上記
重なり部のノズルを差し込んだ部分のみに集中して熱を
与え、熱融着を行う重なり部以外に熱が拡散することを
遮断しながら、両者の融着を行うようにしたシート防水
工法を第1の要旨とする。
【0008】また、本発明は、下地面に直接もしくは絶
縁シートを介して防水シートを敷設施工する防水工法に
おいて、上記防水シートの端部同士を重ね、重なり部の
防水シートと防水シートの間に熱風吹き出しノズルを用
いて熱風を吹き込んでその重なり部のうち上側の防水シ
ート端縁部に沿う所定幅の帯状部分を熱融着によって接
合する際、上記帯状部分を上方から押し付け付勢するこ
とにより、上記帯状部分のノズルを差し込んだ部分のみ
に集中して熱を与え、熱融着を行う重なり部以外に熱が
拡散することを遮断しながら、両者の融着を行うように
したシート防水工法を第2の要旨とする。
【0009】さらに、本発明は、下地面に直接もしくは
絶縁シートを介して防水シートを敷設施工する防水工法
において、上記防水シートの端部同士を重ね、重なり部
の防水シートと防水シートの間に熱風吹き出しノズルを
用いて熱風を吹き込んでその重なり部全部もしくはその
重なり部のうち上側の防水シート端縁部に沿う所定幅の
帯状部分を熱融着によって接合する際、上記熱融着予定
部を可撓性と重量を備えた帯状補助具で覆い、該帯状補
助具の長手方向のノズルを差し込む縁部に対する他縁部
が上側に配置される防水シートの下地面もしくは絶縁シ
ートに当接する部分と重なるよう設定し、ノズルを差し
込んだ部分のみに集中して熱を与え、両者の融着を行う
ようにしたシート防水工法を第3の要旨とする。
【0010】そして、本発明は、上記第2の要旨および
第3の要旨であるシート防水工法に用いられる補助具で
あって、全体が帯状で、JIS K6301のスプリン
グ式硬さ試験A型による硬さが50〜75、比重が0.
9〜1.4である帯状補助具を第4の要旨とする。
【0011】また、本発明は、下地面に直接もしくは絶
縁シートを介して防水シートを敷設施工する防水工法に
おいて、上記防水シートの端部同士を重ね、重なり部の
防水シートと防水シートの間に熱風吹き出しノズルを用
いて熱風を吹き込んでその重なり部全部もしくはその重
なり部のうち上側の防水シート端縁部に沿う所定幅の帯
状部分を熱融着によって接合する際、上記熱融着予定部
から上側の防水シートの方にずれた隣接領域を、上方か
ら帯状補助具で押し付け付勢した状態で、熱融着予定部
の進行方向前後のノズルを差し込んだ部分のみに集中し
て熱を与え、両者の融着を行うようにしたシート防水工
法を第5の要旨とし、上記シート防水工法に用いられる
補助具であって、環状帯状体と、上記帯状体の外周面の
うち所定長の部分を常に下向きに押し付け付勢する押し
付け手段と、上記帯状体を、上記押し付け手段による押
し付け付勢を保ちながら周方向に回動可能に保持する保
持手段とを備えたことを特徴とする帯状補助具を第6の
要旨とする。
【0012】そして、本発明は、シート防水工法に用い
られる自走式熱風融着機であって、防水シートの端部同
士の熱融着予定部に荷重をかけながら走行する複数の転
圧ローラが取付けられた本体部と、上記本体部に根元部
が取り付けられ先端ノズル開口が上記熱融着予定部の防
水シートと防水シートの間に差し込まれるよう設定され
た熱風吹き出しノズルとを備え、上記本体部に、請求項
9記載の帯状補助具が、その帯状体の外周面のうち所定
長の部分を、常に、上記転圧ローラが走行する熱融着予
定部から上側の防水シートの方にずれた隣接領域に押し
付け付勢した状態で追従走行するよう取付けられている
熱風融着機を第7の要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0014】まず、本発明に用いられる防水シートは、
熱融着によって接合することのできるものであれば、ど
のようなものであっても差し支えないが、例えば、オレ
フィン系熱可塑性エラストマーを主成分とする高分子材
料からなるシートを用いることが好適である。
【0015】上記オレフィン系熱可塑性エラストマー
(以下「TPO」と略す)とは、熱可塑性を示すオレフ
ィン系樹脂とゴム成分からなり、高温で成形可能で、常
温ではゴム弾性を示す高分子材料である。そして、上記
オレフィン系樹脂成分としては、ポリエチレン,ポリプ
ロピレン等が用いられ、上記ゴム成分としては、エチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),ブタジエン
ゴム,イソプレンゴム等が用いられる。樹脂成分もゴム
成分も、それぞれ単独で用いても2種以上を併用しても
よい。なかでも、ポリプロピレンとEPDMからなるも
のが好適に用いられる。そして、特に、耐溶剤性、耐油
性の向上と、耐疲労性、耐圧縮性等の力学特性の向上を
目的として、樹脂とゴムブレンドにおいて部分架橋され
たタイプを用いることが好適であり、樹脂にブレンドし
たゴムに動的架橋の手法を採り入れた樹脂とゴムのブレ
ンドタイプとしてもよい。また、オレフィン系のモノマ
ーガスを反応器中で直接重合して樹脂成分とゴム成分を
同時に得るTPOのタイプとしてもよい。この場合、一
般的に樹脂成分は、ポリプロピレン,ポリエチレン、ゴ
ム成分は、エチレン−プロピレンゴムとなる。
【0016】なお、本発明に用いる防水シートは、全体
が、上記TPO等、熱融着可能な高分子材料で形成され
ている必要はない。例えば、その表裏面が上記TPOを
主成分とする高分子材料からなるシート(以下「TPO
シート」と略す)のみからなる単層シートであってもよ
いし、あるいは、表裏面が上記TPOシートからなり、
その間に、TPOシート以外のシートが一層以上積層さ
れた積層シートであってもよい。
【0017】また、本発明に用いる防水シートの厚み
は、それが単層シートであっても、積層シートであって
も、通常、0.7〜5.0mm、なかでも1.0〜3.
0mmに設定することが好適である。すなわち、0.7
mm未満では、軽量ではあるが防水材としての信頼性に
欠けるおそれがあり、逆に5.0mmを超えると、防水
材としての信頼性は高まるが、重量が大きく作業時のハ
ンドリングが悪くなるとともに経済的でないからであ
る。
【0018】そして、本発明のシート防水工法では、上
記熱融着可能な材質の防水シート同士を接合する際、例
えば図1(a)に示すように、上記重なり部1aのみに
集中して熱を与え、他の部分に熱が拡散することを遮断
しながら、重なり部1aの防水シート1と防水シート
1′との間に熱風を吹き込んで、上記重なり部1aの融
着を行うようにする。すなわち、熱風が、図1(b)に
示すように、重なり部1aを超えて、上側の防水シート
1′の下側の隙間に広く拡散すると、防水シート1′を
広い範囲にわたって熱膨張させ、しわ発生の原因となる
からである。熱風吹き込み領域をSで示す。これに対
し、本発明では、熱風吹き込み領域Sを、図1(a)に
示すように、熱融着しようとする重なり部1aに制限す
るのである。
【0019】このように、熱風の熱を、重なり部1aの
みに集中させ、他の部分に拡散させないようにする方法
としては、つぎの2通りの方法が考えられる。すなわ
ち、第1の方法は、両防水シート1,1′の重なり部1
a全体に、予め上方から荷重をかけた状態とし、この荷
重に抗って熱風吹き出しノズル2を差し込んで熱融着作
業を行い、その周囲における上側の防水シート1′の浮
き上がりを防止する方法である。また、第2の方法は、
両防水シート1,1′の重なり部1aから上側の防水シ
ート1′の方にずれた隣接領域に上方から荷重をかける
とともに、重なり部1aの、熱風吹き出しノズル2を差
し込んだ部位の前後を、熱融着機の転圧ローラ等で押圧
することにより、その周囲における上側の防水シート
1′の浮き上がりを防止する方法である。
【0020】上記第1の方法を行う場合には、図2に示
すように、防水シート1,1′の重なり部1a全体を覆
うことのできる帯状補助具10を用いることが好適であ
る。ただし、上記「全体を覆う」とは、必ずしも長く延
びた重なり部1aの長手方向の全体を覆う必要はなく、
熱融着作業時に、熱風吹き込みによって接合しようとす
る、その重なり部1aの部分を覆っていれば足りる趣旨
である。
【0021】このような帯状補助具10としては、上記
重なり部1aの段差や下地表面の凹凸等に沿って防水シ
ート1,1′としっくり重なるよう、一定の可撓性と重
量を備えていることが必要である。
【0022】すなわち、上記「可撓性」の程度は、JI
S K6301のスプリング式硬さ試験A型による硬さ
が50〜75の範囲内であることが要求される。上記値
が50未満の軟らかいものは、その上から転圧ローラ3
(図17参照)で転圧をかける際、転圧ローラ3が帯状
補助具10に食い込んでスムーズに回転せず、転圧が不
均一となってしわが生じやすい。逆に、上記値が75を
超える硬いものは、防水シート1への追従性が悪く、し
っくりと防水シート1に重なりにくいため、しわ防止効
果が得られない。
【0023】また、上記帯状補助具10において、防水
シート1の重なり部1aに対し、一定の重量をかけるに
は、帯状補助具10の大きさ、厚み等にもよるが、帯状
補助具10の取扱い作業性等を考慮すれば、その比重
を、0.9〜1.4に設定することが最適である。すな
わち、比重が0.9より小さいと、帯状補助具10の荷
重が不足して本発明の効果が不充分となり、逆に比重が
1.4より大きいと、取扱い作業性が悪く、実用的でな
いからである。
【0024】なお、上記帯状補助具10は、上記可撓性
と重量を備えていれば、どのような材質であっても差し
支えはないが、通常、各種加硫ゴムや、これに樹脂を配
合したもの、樹脂エラストマー等が用いられる。例え
ば、ブチルゴム(IIR)、EPDM、あるいはこれら
のブレンド品、これらに樹脂を所定割合で配合したブレ
ンド品等を主成分とし、これに加硫剤、加硫促進剤、プ
ロセスオイル、カーボンブラック、無機質充填剤等を加
え、公知の方法で帯状に加硫成形したものを好適に用い
ることができる。
【0025】さらに、上記帯状補助具10の寸法は、防
水シート1の種類、重なり部1aの幅等に応じて、適宜
に設定されるが、通常、その幅(図3においてWで示
す)は、重なり部1aの幅に対し、その1.5〜5倍程
度の長さに設定することが好適である。すなわち、重な
り部1aの幅に対し、帯状補助具10の幅Wが短すぎる
と、上記重なり部1aを上から完全に覆うことが困難と
なり、帯状補助具10を重ねる効果があまり得られなく
なるからである。また、重なり部1aの幅に対し、帯状
補助具10の幅Wが長すぎると、これを敷設する作業が
容易でなく、また材料コストがかかるわりにそれ以上の
効果が得られず、経済的でないからである。
【0026】また、上記帯状補助具10の厚み(図3に
おいてTで示す)は、その材質にもよるが、通常、3〜
10mm、なかでも4〜6mm程度に設定することが好
適である。すなわち、厚みが薄すぎると、帯状補助具1
0が軽すぎて、防水シート1の重なり部1aからずれや
すく、しっかりとこれと重なりにくい。また、厚みが厚
すぎると、幅Wが長すぎる場合と同様、作業性と経済性
が悪くなるからである。ただし、上記帯状補助具10
は、例えば厚み1mmといった薄い厚みのシートを複数
枚重ねて積層一体化することにより、上記好適な厚みに
設定したものであってもよい。
【0027】なお、上記帯状補助具10の長手方向片縁
部10a(図2参照)は、防水シート重なり部の上側に
配置される防水シート1′の片縁部と揃うように配置す
ることが好ましい。すなわち、この縁部側から熱風吹き
出しノズル2(図4参照)を差し込むため、帯状補助具
10が防水シート1′の片縁部からはみ出した状態にな
っていると、作業性が低下するからである。そして、上
記帯状補助具10の長手方向他縁部10bは、防水シー
ト1,1′の重なり部1aから側方にずれて、上側に配
置される防水シート1′の、下地面もしくは絶縁シート
に当接する部分と重なるよう設定することが好ましい。
このようにすることにより、熱風が入り込みやすい部分
を上から押圧して、周囲の隙間を、より完全に遮断する
ことができるからである。
【0028】上記帯状補助具10を用い、例えばつぎの
ようにして防水シート1,1′の端部同士を接合するこ
とができる。すなわち、図4に示すように、通常のシー
ト防水工法と同様、コンクリート等の一般的な下地11
の上に、まず絶縁シート12を敷設し、その上に、第1
の防水シート1を敷設する。そして、上記第1の防水シ
ート1の端部に、第2の防水シート1′の端部を重ね
て、接合すべき重なり部1aを形成する。
【0029】つぎに、この重なり部1aの上に、帯状補
助具10を、重なり部1aが完全に覆われるように重
ね、その状態で、図示のように、熱風融着機の熱風吹き
出しノズル2の先端部を差し込んで、そのノズル開口2
aから、熱風を吹き出し供給しながら、帯状補助具10
の上から転圧をかける。この作業を、長手方向に沿って
少しずつ移動しながら行うことにより、重なり部1aの
全体を熱融着させて接合することができる。
【0030】このようにして防水シート1,1′の端部
同士を接合すると、上記接合部周辺に、従来のようなし
わ(図17参照)が全く発生せず、良好な仕上がりとな
る。これは、上記帯状補助具10の使用により、防水シ
ート1,1′の重なり部1aが、上方から押圧されて、
熱風吹き出しノズル2が差し込まれても、その差し込み
部分以外に余分な空間が形成されないことによるものと
考えられる。
【0031】すなわち、熱風は、熱風吹き出しノズル2
の差し込み先端部の周囲に形成された最小限の空間に充
満して、それ以外の部分への拡散は遮断されるのであ
り、熱融着予定部のみ効果的に加熱され、周辺の他の部
分は殆ど熱の影響を受けることがない。このため、周辺
の防水シート1,1′に熱膨張が生じず、しわの発生が
抑止されると思われる。そして、熱融着予定部に熱風が
集中して熱効率が向上するため、従来よりも熱融着作業
を迅速に進めることができる。なお、熱融着予定部で
は、温度上昇が急激に起こり、その部分において防水シ
ート1,1′は熱膨張で大きく変形しようとするが、そ
の上に重なる帯状補助具10の荷重を受けているため、
変位が生じず、加熱前と同じきれいな状態を保ったまま
熱融着される。このことも、周囲にしわが発生しない一
因と考えられる。
【0032】なお、このシート防水工法に用いる熱風融
着機は、従来から知られている、どのような熱風融着機
を用いても差し支えなく、いわゆるハンド式タイプのも
のであっても、自走式タイプのものであってもよい。
【0033】そして、熱融着条件は、特に限定するもの
ではなく、防水シート1,1′の材質や厚み等によって
適宜に設定される。例えば、TPOを主成分とする高分
子材料からなる防水シートを接合する場合、吹き出し温
度は、ハンド式のもので、500〜700℃、なかでも
550〜650℃に設定することが好適で、自走式のも
ので、400〜600℃、なかでも450〜550℃に
設定することが好適である。また、融着速度は、ハンド
式のもので、0.5〜2.0m/min、なかでも0.
7〜1.0m/minに設定することが好適で、自走式
のもので、3.0〜6.0m/min、なかでも3.5
〜5.0m/minに設定することが好適である。ハン
ド式より自走式の方が作業安定性がよいので、好適範囲
に上記のような差異が生じる。なお、ここでいう「作業
安定性」とは、熱融着部の接合信頼性が高いことを意味
する。すなわち、自走式のものは、熱融着を行う幅、融
着部の加熱温度、自走速度を一定に管理することができ
るのに対し、ハンド式のものは、これらを一定に保ちに
くいため、接合信頼性を高めるには、ゆっくりと熱融着
を行わなければならない。
【0034】一方、前記第2の方法を行う場合には、例
えば図5に示すような自走式の熱風融着機50を用いる
ことが好適である。すなわち、この熱風融着機50は、
通常の自走式熱風融着機と同様、重なり部1aのずれ防
止と熱融着時の転圧を目的として、接合しようとする防
水シート1,1′の重なり部1aに荷重をかけながら走
行する転圧ローラ51が取り付けられた本体部52と、
先端ノズル口が上記重なり部1aの防水シート1と防水
シート1′の間に差し込まれるよう設定された熱風吹き
出しノズル2とを備えている。そして、上記本体部52
の、熱風吹き出しノズル2取り付け面と反対側の面に、
図6(図5のA矢視図)および図7(図6のB矢視図)
に示すように、キャタピラ状の、特殊な帯状補助具60
が取り付けられている。
【0035】上記帯状補助具60は、環状帯状体61
が、複数のローラ(図では5個)62で回動自在に支受
されており、各ローラ62の取り付け軸63には、ロー
ラ62を下向きに押し付け付勢する圧縮コイルバネ64
が取り付けられている。したがって、環状帯状体61の
うち、防水シート1′の上に重なる部分が、常に下向き
に、防水シート1′を押し付け付勢するようになってい
る。
【0036】この自走式熱風融着機50によれば、ノズ
ル先端開口2aから熱風を吹き出して熱融着を行う際、
転圧ローラ51によって重なり部1aに荷重をかけると
同時に、上記帯状補助具60によって、上記重なり部1
aから上側の防水シート1′の方にずれた隣接領域に荷
重をかけることができるため、熱風が防水シート1′側
に拡散することなく充分に遮断された状態で熱融着を行
うことができる。したがって、前述の、ストレートな帯
状補助具10(図2参照)を用いた場合と同様、周囲に
しわが発生せず、良好な仕上がり具合となる。
【0037】なお、上記帯状補助具60は、文字通りの
「帯状」に限定されるものではなく、他の形状、例えば
紐状の形状としても差し支えはない。そして、上記環状
帯状体61を構成する材質は、前記ストレートな帯状補
助具10と同一であっても異なっていてもよいが、防水
シート1′に押し付け付勢された状態で回動させるた
め、一定の可撓性と強度を備えたものが好適である。し
たがって、最適な材質としては、ブチルゴム,エチレン
−プロピレンゴム,エチレン−プロピレン−ジエンゴム
等があげられる。
【0038】また、上記環状帯状体61を防水シート
1′に押し付け付勢するための、圧縮コイルバネ64に
よる押し付け荷重は、ローラ62の個数、防水シート
1,1′の材質や厚み等によってもかわるが、一般に、
40〜100N/m2 に設定することが好適である。そ
して、押し付け付勢する領域の幅(環状帯状体61およ
びローラ62の幅)は、上記押し付け荷重の強さにもよ
るが、通常、5〜15mmに設定することが好適であ
る。また、前述のように、環状帯状体61の形状を紐状
にする場合は、熱風の吹き込みを遮断させるために、少
なくとも5mmの直径を確保する必要がある。
【0039】さらに、この自走式熱風融着機50による
熱融着条件も、特に限定するものではない。
【0040】なお、上記帯状補助具60は、必ずしも上
記の例のように、自走式熱風融着機50に取り付けて用
いる必要はない。例えば、キャタピラ状の帯状補助具6
0のみを手動もしくは自動で走行可能な構成とし、通常
の自走式熱風融着機と並走させながら熱融着を行うよう
にしてもよい。転圧ローラ51とキャタピラ状の帯状補
助具60を組み合わせた装置を用い、これを手動で移動
させながら、ハンド式の熱風融着機で熱融着を行うよう
にしてもよい。
【0041】ところで、上記一連の例では、防水シート
1,1′の端部同士の重なり部1a全部を熱融着して接
合しているが、本発明において、熱融着させる部分は、
必ずしも防水シート1,1′の重なり部全部である必要
はない。例えば図8に示すように、下側の防水シート1
の端部を、所定間隔で、通常のディスク鋼板40および
アンカー41で固定し、この固定部分をも覆うようにし
て上側の防水シート1′の端部を重ね、両者の重なり部
1aのうち、上側の防水シート1の端縁部に沿う帯状部
分(図中、斜線で示す)1bを熱融着する場合にも、上
記一連の例と同様の考え方を適用することができる。す
なわち、この場合は、上記斜線で示す帯状部分1bのみ
に集中して熱を与え、他の部分に熱が拡散することを遮
断しながら、帯状部分1bの防水シート1と防水シート
1′との間に熱風を吹き込んで、両者の融着を行うこと
により、上記の例と同様の効果を得ることができる。
【0042】熱融着のための熱風を、上記帯状部分1b
のみに集中させる方法としては、前記と同様、帯状補助
具10や、特殊な帯状補助具60が取り付けられた自走
式熱風融着機50を用いることが好適である。
【0043】例えば、前記帯状補助具10を用いる場
合、図9に示すように、下地11上に絶縁シート12を
敷設したのち、第1の防水シート1を敷設し、その端部
を、ディスク鋼板40およびアンカー41で固定する。
そして、この端部に、第2の防水シート1′の端部を重
ねて、重なり部1aをつくる。そして、上記重なり部1
aのうち、少なくとも熱融着を行う帯状部分1b(図8
における斜線部分)を完全に覆うように帯状補助具10
を重ね、その状態で、図示のように、熱風融着機の熱風
吹き出しノズル2のノズル開口2aから、熱風を吹き出
し供給しながら、帯状補助具10の上から転圧をかけ
る。この作業を、長手方向に沿って少しずつ移動しなが
ら行うことにより、帯状部分1bの全体を熱融着させて
接合することができる。この方法によれば、前述の、重
なり部1a全部を接合する場合と同様、接合部周辺に、
従来のようなしわ(図17参照)が全く発生せず、良好
な仕上がりとなる。
【0044】また、前記自走式熱風融着機50を用いる
場合、図10に示すように、ノズル先端開口2aから熱
風を吹き出して熱融着を行う際、転圧ローラ51によっ
て帯状部分1bに荷重をかけると同時に、熱風融着機5
0に取り付けられた帯状補助具60によって、帯状部分
1bから上側の防水シート1′の方にずれた隣接領域に
荷重をかける。これにより、熱風が防水シート1′側に
拡散することなく充分に遮断された状態で熱融着を行う
ことができ、前述の、ストレートな帯状補助具10を用
いた場合(図9参照)と同様、周囲にしわが発生せず、
良好な仕上がり具合となる。
【0045】なお、これらの例において、下側の防水シ
ート1を固定する固定手段は、上記ディスク鋼板40に
限らず、プレート鋼板を用いても差し支えない。また、
ディスク鋼板40やプレート鋼板の表面がTPOで被覆
されたTPO被覆金具を用い、防水シート1の下側に予
め上記TPO被覆金具を固定し、その上に防水シート1
の端部を重ねて、防水シート1の上から電磁誘導加熱工
具を当ててTPO被覆金具と防水シート1を融着固定し
たのち、この融着固定部を乗り越えた帯状部分、あるい
は融着固定部の手前側の帯状部分に、上側の防水シート
1′の端部を重ねて融着接合する工法に適用こともでき
る。
【0046】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0047】
【実施例1】下記の組成からなるゴム組成物を、公知の
方法で加硫成形し、厚み1.2mmのゴムシートを作
り、これを、幅150mmの帯状に裁断して4層に重ね
て接着剤で一体化することにより、厚み4.8mmの帯
状補助具10を作製した。このもののJIS K630
1のスプリング式硬さ試験A型による硬さは59であっ
た。また、比重は1.15であった。
【0048】 〔帯状補助具10のゴム組成〕 エチレン−プロピレン−ジエンゴム 60重量部 ブチルゴム 40 〃 ZnO 5 〃 カーボンブラック 50 〃 無機質充填剤(クレー軽炭) 50 〃 加硫剤 20 〃 ナフテン系油 20 〃 加硫促進剤 3〜5 〃 硫黄 1〜2 〃
【0049】そして、得られた帯状補助具10を用い、
図2に示す工法にしたがって、実際に防水シート1,
1′の端部同士の接合を行った。なお、防水シート1,
1′として、厚み1.2mmのTPOシートを用い、接
合部の幅(端部同士の重なり部の幅)を40mmとし
た。また、熱融着は、バリアント型自動熱風溶接機No.
4(自走式タイプ、ライスター社製、ノズル吹き出し口
の幅が40mm)により行い、熱融着条件は、熱風吹き
出し温度が600℃、融着速度が4.0m/minとし
た。
【0050】このようにして得られた防水シート1,
1′の接合部は、その周囲に全くしわが発生しておら
ず、良好な仕上がりとなった。
【0051】
【比較例】比較のため、帯状補助具10を用いず、それ
以外の条件は上記実施例と同様にして、防水シート1,
1′の端部同士の接合を行った。この接合部は、その周
囲に向かっていくつもしわが発生しており、見栄えの悪
い仕上がりとなった。
【0052】なお、上記実施例1によって得られた接合
部と、比較例によって得られた接合部において、熱融着
時に、内部の温度はどのように上昇しているかを調べる
ために、つぎのような実験を行った。すなわち、まず、
図11に示すように、熱融着予定部において、X,A,
B,C,D,Eの6個所を温度測定点として定め、各点
に熱電対を装着して、熱風吹き込みによる熱融着直後か
らの経時的な温度変化を調べた。なお、各測定点の説明
を下記に示す(図11における符号省略)。
【0053】X:上側のシート端面から20mm離れた
位置でシートとシートの間 A:上側のシート端面から20mm離れた位置でシート
と帯状補助具の間 B:上側のシート端面から80mm離れた位置でシート
と帯状補助具の間 C:上側のシート端面から160mm離れた位置でシー
トと帯状補助具の間 D:上側のシート端面から80mm離れた位置でシート
裏面と下地の間 E:上側のシート端面から160mm離れた位置でシー
ト裏面と下地の間 *ただし、比較例にあっては、「シートと帯状補助具の
間」とある部分を、「シート表面」と読み替える。
【0054】得られたデータに基づき、実施例品のA
点、B点、C点における温度の経時的変化を図12に示
し、比較例品のそれを図13に示した。また、実施例品
のX点、D点、E点における温度の経時的変化を図14
に示し、比較例品のそれを図15に示した。
【0055】これらの図から、測定点Aでは、熱融着直
後こそ実施例品と比較例品に殆ど差はないものの、経時
的にみると、比較例品は温度低下が大きく、周囲に熱が
拡散して熱効率が悪いことがわかる。逆に、実施例品
は、測定点A,Xにおいて、一貫して他の測定点よりも
高温を保っており、他の測定点の温度は、いずれも略4
0℃以下に抑えられていることがわかる。また、比較例
品は、測定点A,Xの温度と他の測定点の温度が経時的
に接近しており、しかも他の測定点において温度が40
℃を大きく上回っている状態が長く続いていることがわ
かる。
【0056】これらの結果から、帯状補助具10は、吹
き出された熱風が熱融着予定部よりも外側に入り込んで
熱が拡散することを遮断して熱融着予定部のみを効率よ
く温度上昇させる機能を果たしていることがわかる。そ
して、周囲の温度が40℃を超えて大きく上昇しないた
め、周辺部において、防水シート1,1′に熱膨張によ
る変位が生じず、しわが発生しないと考えられる。
【0057】なお、何度以上の温度で防水シート1,
1′にしわ,たるみ等の変化が表われるかを確認するた
めに、つぎのような試験を行った。まず、図16に示す
ように、長さ360mm、幅30mmに裁断した帯状の
防水シート1を準備し、これをピンと張った状態で、そ
の両端30mmの部分をTPO被覆プレート20に熱融
着して試験体とした。そして、この試験体を恒温室内で
加熱し、所定温度ごとに、防水シート1にしわやたるみ
等の異状が生じていないかどうかを目視で観察した。そ
の結果を下記の表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】上記の結果から、防水シート1は、40℃
を超えるとたるみが生じていることがわかる。したがっ
て、前記実施例において、帯状補助具10によって周囲
の温度上昇が略40℃以下に抑えられているためしわ発
生が防止されていると考えたことが支持されたことがわ
かる。
【0060】
【実施例2】下記の組成からなるゴム組成物を、公知の
方法で加硫成形し、厚み7.0mm、幅20mm、長さ
360mmの環状帯状体61を作製した。そして、図5
〜図7に示す自走式熱風融着機50に取り付けた。な
お、上記環状帯状体61を押し付け付勢するための、5
本の圧縮コイルバネ64によるシート押し付け総荷重
は、400N/m2 であった。
【0061】 〔帯状補助具10のゴム組成〕 エチレン−プロピレン−ジエンゴム 60重量部 ブチルゴム 40 〃 ZnO 5 〃 カーボンブラック 50 〃 無機質充填剤(クレー軽炭) 50 〃 加硫剤 20 〃 ナフテン系油 20 〃 加硫促進剤 3〜5 〃 硫黄 1〜2 〃
【0062】そして、実施例1と同様の熱融着条件で防
水シート1,1′の接合を行ったところ、その周囲に全
くしわが発生しておらず、良好な仕上がりとなった。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明のシート防水工法
は、防水シートの端部同士を熱融着によって接合する
際、特殊な帯状補助具を用いて熱融着予定部を上方か
ら押し付け付勢することにより、熱融着予定部のみに集
中して熱を与え、他の部分に熱が拡散することを遮断す
るようにしたものである。したがって、この方法によれ
ば、熱融着時に接合部の周囲が熱膨張による変化を受け
ず、しわのない良好な仕上がり面を得ることができる。
【0064】そして、帯状補助具として、JIS K6
301のスプリング式硬さ試験A型による硬さが50〜
75、比重が0.9〜1.4のものを用いることによ
り、優れた効果を得ることができる。
【0065】また、他の帯状補助具として、環状帯状体
と、上記帯状体の外周面のうち所定長の部分を常に下向
きに押し付け付勢する押し付け手段と、上記帯状体を、
上記押し付け手段による押し付け付勢を保ちながら直進
走行可能に保持する保持手段とを備えたものを用いるこ
とにより、同様の優れた効果を得ることができる。
【0066】さらに、上記環状帯状体と、上記帯状体の
外周面のうち所定長の部分を常に下向きに押し付け付勢
する押し付け手段と、上記帯状体を、上記押し付け手段
による押し付け付勢を保ちながら回動可能に保持する保
持手段とを備えた帯状補助具を取り付けた自走式熱風融
着機を用いることにより、より簡単に、上記優れた効果
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のシート防水工法の説明図、
(b)は従来のシート防水工法の説明図である。
【図2】本発明の一実施例の説明図である。
【図3】上記実施例に用いる帯状補助具の説明図であ
る。
【図4】上記実施例における施工手順の説明図である。
【図5】本発明の他の実施例に用いる自走式熱風融着機
の説明図である。
【図6】図5のA矢視図である。
【図7】図6のB矢視図である。
【図8】本発明を適用しうる他のシート防水工法の説明
図である。
【図9】上記他のシート防水工法における実施例の説明
図である。
【図10】上記他のシート防水工法における他の実施例
の説明図である。
【図11】前記実施例における温度変化試験の説明図で
ある。
【図12】実施例品の所定部位における経時的な温度変
化を示す線図である。
【図13】比較例品の所定部位における経時的な温度変
化を示す線図である。
【図14】実施例品の所定部位における経時的な温度変
化を示す線図である。
【図15】比較例品の所定部位における経時的な温度変
化を示す線図である。
【図16】防水シートの熱による状態変化を調べる試験
方法の説明図である。
【図17】従来のシート防水工法の説明図である。
【符号の説明】
1,1′ 防水シート 1a 重なり部 10 帯状補助具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−195614(JP,A) 実開 平6−62054(JP,U)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下地面に直接もしくは絶縁シートを介して
    防水シートを敷設施工する防水工法において、上記防水
    シートの端部同士を重ね、重なり部の防水シートと防水
    シートの間に熱風吹き出しノズルを用いて熱風を吹き込
    んでその重なり部を熱融着によって接合する際、上記重
    なり部を上方から押し付け付勢することにより、上記重
    なり部のノズルを差し込んだ部分のみに集中して熱を与
    え、熱融着を行う重なり部以外に熱が拡散することを遮
    しながら、両者の融着を行うようにしたことを特徴と
    するシート防水工法。
  2. 【請求項2】下地面に直接もしくは絶縁シートを介して
    防水シートを敷設施工する防水工法において、上記防水
    シートの端部同士を重ね、重なり部の防水シートと防水
    シートの間に熱風吹き出しノズルを用いて熱風を吹き込
    んでその重なり部のうち上側の防水シート端縁部に沿う
    所定幅の帯状部分を熱融着によって接合する際、上記帯
    状部分を上方から押し付け付勢することにより、上記帯
    状部分のノズルを差し込んだ部分のみに集中して熱を与
    え、熱融着を行う重なり部以外に熱が拡散することを遮
    しながら、両者の融着を行うようにしたことを特徴と
    するシート防水工法。
  3. 【請求項3】下地面に直接もしくは絶縁シートを介して
    防水シートを敷設施工する防水工法において、上記防水
    シートの端部同士を重ね、重なり部の防水シートと防水
    シートの間に熱風吹き出しノズルを用いて熱風を吹き込
    んでその重なり部全部もしくはその重なり部のうち上側
    の防水シート端縁部に沿う所定幅の帯状部分を熱融着に
    よって接合する際、上記熱融着予定部を可撓性と重量を
    備えた帯状補助具で覆い、該帯状補助具の長手方向のノ
    ズルを差し込む縁部に対する他縁部が上側に配置される
    防水シートの下地面もしくは絶縁シートに当接する部分
    と重なるよう設定し、ノズルを差し込んだ部分のみに集
    中して熱を与え、両者の融着を行うようにしたことを特
    徴とするシート防水工法。
  4. 【請求項4】上記帯状補助具の長手方向片縁部が、防水
    シート熱融着予定部の上側に配置される防水シートの端
    縁部と揃うように配置され、帯状補助具の長手方向他縁
    部が、上記熱融着予定部から側方にずれて、上記上側に
    配置される防水シートの、熱融着予定部以外の部分と重
    なるよう設定されている請求項3記載のシート防水工
    法。
  5. 【請求項5】上記請求項3または4のシート防水工法に
    用いられる補助具であって、全体が帯状で、JIS K
    6301のスプリング式硬さ試験A型による硬さが50
    〜75、比重が0.9〜1.4であることを特徴とする
    帯状補助具。
  6. 【請求項6】全体が、ブチルゴムとエチレン−プロピレ
    ン−ジエンゴムを主成分とするゴム組成物を加硫成形し
    たものである請求項5記載の帯状補助具。
  7. 【請求項7】上記防水シートの端部同士の熱融着予定部
    の幅を1とすると、帯状補助具の帯状の幅が1.5〜5
    に設定されている請求項5または6記載の帯状補助具。
  8. 【請求項8】下地面に直接もしくは絶縁シートを介して
    防水シートを敷設施工する防水工法において、上記防水
    シートの端部同士を重ね、重なり部の防水シートと防水
    シートの間に熱風吹き出しノズルを用いて熱風を吹き込
    んでその重なり部全部もしくはその重なり部のうち上側
    の防水シート端縁部に沿う所定幅の帯状部分を熱融着に
    よって接合する際、上記熱融着予定部から上側の防水シ
    ートの方にずれた隣接領域を、上方から帯状補助具で押
    し付け付勢した状態で、熱融着予定部の進行方向前後の
    ノズルを差し込んだ部分のみに集中して熱を与え、両者
    の融着を行うようにしたことを特徴とするシート防水工
    法。
  9. 【請求項9】請求項8記載のシート防水工法に用いられ
    る補助具であって、環状帯状体と、上記帯状体の外周面
    のうち所定長の部分を常に下向きに押し付け付勢する押
    し付け手段と、上記帯状体を、上記押し付け手段による
    押し付け付勢を保ちながら周方向に回動可能に保持する
    保持手段とを備えたことを特徴とする帯状補助具。
  10. 【請求項10】シート防水工法に用いられる自走式熱風
    融着機であって、防水シートの端部同士の熱融着予定部
    に荷重をかけながら走行する複数の転圧ローラが取付け
    られた本体部と、上記本体部に根元部が取り付けられ先
    端ノズル開口が上記熱融着予定部の防水シートと防水シ
    ートの間に差し込まれるよう設定された熱風吹き出しノ
    ズルとを備え、上記本体部に、請求項9記載の帯状補助
    具が、その帯状体の外周面のうち所定長の部分を、常
    に、上記転圧ローラが走行する熱融着予定部から上側の
    防水シートの方にずれた隣接領域に押し付け付勢した状
    態で追従走行するよう取付けられていることを特徴とす
    る熱風融着機。
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