JP3532865B2 - 藻類の育成部材 - Google Patents

藻類の育成部材

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JP3532865B2
JP3532865B2 JP2001037288A JP2001037288A JP3532865B2 JP 3532865 B2 JP3532865 B2 JP 3532865B2 JP 2001037288 A JP2001037288 A JP 2001037288A JP 2001037288 A JP2001037288 A JP 2001037288A JP 3532865 B2 JP3532865 B2 JP 3532865B2
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謙介 金井
達治 棚橋
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

Landscapes

  • Artificial Fish Reefs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、藻類を好適に育成
し得る育成部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、魚礁として利用するために藻類を
増殖させる藻場増殖場としては、天然の岩場、テトラポ
ットやコンクリートプレート、或いは、これらコンクリ
ート製品を重積したりその間に自然石を配設したもの等
が利用されてきた。ところで近時、主に海域において、
水温や水質の変化、或いはウニ、アワビ、サザエ等の植
食生物による食害等、様々な原因によって藻類が死滅し
藻場が消失してしまういわゆる磯焼け現象が問題となっ
ている。このような問題に対して、前述のような従来の
魚礁では、魚礁とすべきブロック等を目的とする藻類が
自生する海域に直接投入して藻類が付着し育成すること
を期待するものであるため、投入されたブロック等に藻
類が付着するのに時間がかかりすぎ、実質的には対応策
とならず、また、磯焼けが拡大してきた場合の対策方法
ともならなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、予め採取した
藻類に胞子(遊走子も含む)を放出させてその胞子を付
着させたいわゆる種糸を上述のようなテトラポット等に
巻きつけたり水中接着剤で固定することによって、より
確実かつ迅速に藻類を生育させる方法が考えられてい
る。しかしながらこのような方法では、重量物であるテ
トラポット等を、種糸を固定してから海底に沈設するの
には運搬に多大な手間や費用がかかるし、予め海底に沈
設しておいたテトラポット等に種糸を固定するのにも大
変な作業を伴うことになる。
【0004】このような問題を解消するために、藻場を
構成する藻場増殖礁を、藻類を胞子や幼芽の状態から育
成する機能を有する育成部材と、生育した藻類を活着さ
せた育成部材を固定して海底に安定設置する機能を有す
る台座とに分ける方法が考えられている。このような育
成部材において、藻類を確実に生育させるためには、藻
類が幼芽の段階からしっかりと根を張れるように構成し
た育成部材が望まれている。また藻類が十分に生育して
いない段階では、ウニやアワビ等の植食動物が嫌う苦味
成分を自ら分泌することができずそれら植食生物の格好
の餌料となるため、育成部材には植食生物による食害を
防止する機能も望まれている。
【0005】そこで本発明は、藻類が根を張り易く食害
を防止し得る構成を有する育成部材を提供し、藻場の確
実かつ迅速な形成に寄与することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の育成
部材は、板状をなす育成部材本体の表面上に複数の突起
部を形成し、これら突起部に藻類の胞子を付着させた種
糸を掛け回すことによって、育成部材本体の表面側にの
み種糸を取り付けるように構成していることを特徴とし
ている。
【0007】このような構成のものであれば、育成部材
本体の表面上に突出する突起部に種糸を簡単に掛け回し
おくことができるため、種糸の育成部材への取付作業
が容易であり、例えば海中等で藻類を種糸上で胞子から
ある程度の大きさまで育成するいわゆる中間育成を行う
場合であっても、種糸が育成部材から外れて流失してし
まう恐れを防止することができる。さらに、藻類は前記
種糸を設けた育成部材本体の表面側でのみ生育すること
から、中間育成の際に2枚の育成部材を裏合わせで海中
に吊せば育成部材本体の裏面にフジツボやムラサキガイ
等の不要な付着物が付着しないようにすることができ、
また、この育成部材を海底に移設する際に台座への取付
具合を良好にすることができる。
【0008】また、突起部に掛け回した種糸を簡単に育
成部材に固定できるようにするためには、育成部材本体
に前記種糸を固定し得る固定手段を設けることが好まし
い。特に、育成部材本体の表面においてその中央部を挟
んで左側及び右側にそれぞれ前記複数の突起部及び種糸
の両端部を固定する前記固定手段を形成し、当該左側に
おける複数の突起部と右側における複数の突起部にはそ
れぞれ個別の種糸を掛け回すとともに、各種糸の両端部
をそれぞれ前記固定手段に固定するように構成するのが
好ましい。
【0009】ところで、藻類をまだ十分に生長していな
い胞子や幼芽の段階から育成するに際して、陸上に設置
した藻類育成用の水槽等の装置機器を利用する場合は、
新鮮な水を供給するための装置や広い土地を用意する等
の必要性から高コストになるという問題があり、藻類の
胞子等を水底(海底)で育成する場合には、十分な日照
量が確保できず食害被害にも遭いやすいという問題があ
る。そこで、水面(海面)に浮かべた筏やブイ等の浮遊
物に育成部材を吊下げて、育成部材に藻類が活着し食害
に遭いにくくなるまで藻類を水中(海中)で中間育成し
ておき、海底に沈設すべき重量物からなるアンカー機能
を有する部材に十分に生育した藻類が活着した育成部材
を移設するという方法が効率よい藻場造成には効果的で
あることが分かってきている。
【0010】このようにして藻類を中間育成する場合、
筏等からロープ等の吊下げ具を介して育成部材を垂下さ
せるが、水中では波や水流によって育成部材が絶えず揺
れ動くことになる。そのため、種糸が吊下げ具と擦れて
切れてしまい、藻類が流失してしまうというような不具
合を生じないようにするためには、前記育成部材本体の
表面において前記左右それぞれの複数突起部を避けた中
央部に、該育成部材本体を水中に吊り下げるための吊下
げ具を当該育成部材本体の表面に添接させる添接路を形
成することが好ましい。
【0011】この場合、簡単な方法で育成部材を吊下げ
具によりしっかりと固定し得るようにするためには、前
記添接路上に、育成部材本体を厚み方向に貫通する貫通
孔を形成し、その貫通孔に挿通した結束具によって、前
記添接路に添接させた吊下げ具を育成部材本体を厚み方
向に挟み込んだ状態で拘束し得るようにすることが好ま
しい。
【0012】また、前記添接路のあるなしに拘わらず、
育成部材本体における突起部を避けた部位に、育成部材
本体を厚み方向に貫通する貫通孔を形成しておけば、こ
のような貫通孔を利用して育成部材を海中に吊り下げて
藻類の中間育成を行ったり、前述のアンカー機能を有す
る部材に取り付けることを簡単に行うことができる。具
体的にこのような貫通孔を形成している場合、前記貫通
孔を、海底の所定位置に設置される台座に育成部材本体
を着脱可能に取り付けられる被取付部として機能させる
ことができるため、藻類の生育後に海底への移設を容易
に行い、育成部材を海底に沈設されるべき台座へ簡単に
固定することも可能である。また、前記固定手段として
は、育成部材本体の側端部においてそれとは別体の固定
部材を取り付けることができ、この固定部材には、種糸
の側端部を差し込んで固定する切欠部を形成するとよ
い。さらにこの固定部材において切欠部は、前記種糸の
両端部にそれぞれ対応して2つ形成することが望まし
い。
【0013】また、種糸の掛止機能を有する複数の突起
部によりしっかりと種糸を引っ掛けられるようにするた
めには、該第 1 の突起部に育成部材本体側を向く面を表
出させる逆勾配を形成し、その逆勾配を形成した複数の
突起部における部位と育成部材本体の表面との間に、前
記種糸を引っ掛け得る空間を形成することが好ましい。
【0014】このような構成の育成部材において、ウニ
やアワビ、サザエ等の植食生物による食害被害を有効に
防止するためには、育成部材本体の表面上に、植食生物
の進入を阻害し得る食害防止ゾーンを形成することが好
ましい。このことにより、藻類の育成部材への確実な活
着と食害防止を同時に図ることができるようになるた
め、確実かつ迅速な藻場造成を行うことができるように
なる。
【0015】具体的に、食害防止ゾーンを簡単に形成す
るには、食害防止ゾーンを前記複数の突起部から形成す
ることが好ましい。複数の突起部によって食害防止ゾー
ンを形成している場合には、種糸の掛止機能を有する突
起部に掛け止めた種糸を、食害防止機能を有する突起部
同士の間を通過させるようにすればよい。なお、種糸の
掛止機能を有する突起部が食害防止機能を兼ねていても
構わないし、食害防止ゾーンを構成する突起部が種糸の
掛止機能を有するようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
面を参照して説明する。
【0017】図1及び図2に示すこの実施形態における
育成部材1は、海底Pに沈設される台座2と共に図5及
び図6に示す着脱式藻場増殖礁Aを構成するものであ
る。この着脱式藻場増殖礁Aは、海藻類の一種であるア
ラメCを生育、増殖させて、主にそれを餌として食べる
ために集まるアワビ等の魚介類を漁獲するために使用さ
れるものである。この藻場増殖礁Aは、主としてアラメ
Bを育成するための機能を有する上述した育成部材1
と、この育成部材1を海底Pに保持する重しとしてのア
ンカー機能を有する台座2とから構成されている。海藻
類としては、アラメの他にも、カジメやクロメ等の多年
生の褐藻類を適用することもできる。
【0018】育成部材1は、図1及び図2に示すよう
に、10cmX25cm程度の平面視略長方形状をなし
2cm程度の厚みを有する板状のコンクリート製の育成
部材本体11を主体としてなるもので、その重量は約
1.5Kg程度である。このように人育成部材1を手で
取り扱い得る程度の大きさ及び重量を有するものとする
ことで、運搬等の取り扱い、メンテナンスの便を向上す
るようにしている。しかして、育成部材本体11の表面
11aの略中央部に厚み方向に貫通する直径2cm程度
の貫通孔111を形成している。またこの表面11aに
は、長手方向両側端部からやや内寄りの位置には前記表
面11aを上に凸の形状をなすように部分的に盛り上げ
た一対の隆起部112をそれぞれ形成している。この隆
起部112の裾野部分から前記平面的な表面11aに亘
る部位には、一般的なボルトの頭部及び軸部の一部を模
した形状の第1の突起部114を複数(図示例ではそれ
ぞれの隆起部112に対して4個ずつ)形成しており、
更にこの第1の突起部114よいり高い位置となる隆起
部112の表面には自然石の形状を模した複数の凹凸形
状からなる第2の突起部115を形成している。第1の
突起部114は、上述のようにボルトの頭部及び軸部の
一部を模した形状を有しているため、そのボルト頭部に
おける下向面を表出した逆勾配114aを有している。
一方、第2の突起部115同士の間の距離は、ウニ、ア
ワビ、サザエ等の植食生物がそれら第2の突起部115
同士の間に進入できない程度に狭く設定している。ま
た、第1の突起部114及び第2の突起部115の表面
を除いて、隆起部112の表面を含む育成部材本体11
の表面11aは、砂利の形状を模した浅い凹凸形状を形
成している。このような構成の育成部材本体11は、後
述のような方法によって製造されるコンクリート素材か
らなる一体成型品である。また、育成部材本体11の表
面11aにおける長手方向両側端部には、育成部材本体
11の幅寸法よりも短い細長い木製小片からなる固定部
材12を埋め込んで固定している。この固定部材12に
は、育成部材本体11の長手方向と略同一方向に延びて
上方に開口する切欠部121を図示例では2つ形成して
いる。そしてこのような固定部材12を育成部材本体1
1のコンクリート素材が硬化する前に埋め込んでおき、
硬化後に育成部材本体11と共に一体の育成部材1を構
成するようにしている。また、対をなす隆起部112同
士の間における育成部材本体11の平面的な表面11a
上の部位を、後述するように育成部材1をロープ4を添
接させて取り付けた状態で海中Rに吊す際にそのロープ
4を前記表面11aに沿って幅方向に亘って通過させる
ための添接路113としている。しかして、この育成部
材本体11においては添接路113上に前記貫通孔11
1が形成されていることになる。また、この育成部材本
体11の裏面11bは表面11aと同様に浅い凹凸を設
けて平面的に形成してある。
【0019】ここで、本実施例の育成部材本体11の製
造方法について、図3及び図4に従って説明する。図3
(a)に示すように、まず、周囲を鋼製等の素材からな
る外枠71で囲った型枠72の上に砂利(図示省略)を
敷き詰め、更にその上に転写元となる多数の砂利や数c
m程度の大きさの自然石8を二箇所で所定距離離間させ
て盛り上げ、その砂利や自然石及びボルト8の上方から
加熱溶融させた状態の熱可塑性材料9(91)を、自然
石等8の表面を覆うように流し掛ける。ここで、熱可塑
性材料9としては、例えば、「EM/エム」(商品名;
住友大阪セメント株式会社製)等を使用する。この「E
M/エム」は、特殊ポリマーの三次元網目構造にオイル
を封じ込めた熱可塑性エラストマーであり、常温におい
てはゴム弾性体となり、摂氏210℃以上の高温下では
オイル状となるものである。この状態でしばらく放置す
ると、この熱可塑性材料9が硬化し、ゴム弾性体からな
るシート状の型枠92が形成される(図3(b))。こ
の型枠92が形成された段階で、該型枠92を、部材の
弾性変形を利用して前記砂利等8から離脱させる(図3
(c))。このとき、前記自然石等8の表面側から流し
掛けられた熱可塑性材料9(91)は、各自然石等8の
隙間8aに流れ込むため、図3(c)及び図4(a)に
示すように、前記隙間8aに対応した柔突起92aを有
する型枠92が形成されている。しかる後、この型枠9
2を枠体73内に載置して、枠体73内にモルタル等の
セメント材料74を打設する(図4(a))。この際、
枠体73内の中央部に予め円柱状の棒75を立設してお
くことにより完成後の貫通孔111を形成する(図4
(b))。このセメント材料74を硬化させた後に、ゴ
ム弾性体である型枠92の弾性変形を利用すれば容易に
セメント材料74から剥離することができ、図1に示す
ような、転写元である山型に積んだ自然石等8の形状に
対応した表面形態をなす隆起部112、第1及び第2の
突起部114、115を有する育成部材本体11が形成
される。なお、前述したように、コンクリート素材であ
るセメント材料74が硬化する前に、所定箇所に前記取
付部材12を埋め込んでおけばよい。このような方法に
限らず、セメント材料74の硬化後に、取付部材12を
接着剤等で貼り付けるようにしても構わない。ここで、
セメント材料74には、図示しないカルシウム等の成分
を多量に含むカキ殻等を含有させておくと、アラメBの
生育効率やアワビ等の蝟集効果を向上することができ
る。
【0020】このような構成からなる育成部材1を用い
てアラメBを育成するために、本実施形態では図1及び
図2に示すように、前記取付部12にアラメBの胞子を
付着させた種糸3を取り付けるようにしている。この種
糸3は、太さ数mm程度のいわゆるクレモナ糸と称され
るものであり、海底に自生しているアラメBを採取して
きて所定の水槽内に前記種糸3と共に入れ、その水槽内
で種糸3にアラメBから放出された胞子を付着させるよ
うにしたものである。しかる後、種糸3を水槽から引上
げ、所定の長さに切断した上で一端部3aを育成部材1
の一固定部材12における一切欠部12aに差し込んで
固定し、その固定部材12を設けた側の第1の突起部1
14の逆勾配114aと育成部材本体11の表面11a
との間の空間sに掛け回すとともに、他端部3bを前記
固定部材12の他の一切欠部12aに差し込んで固定す
る。その過程で、種糸3を隆起部112の表面に沿わせ
るとともに、第2の突起部115同士の間や第1の突起
部114と第2の突起部115との間を通過させるよう
にしている。このようにして育成部材1の両側端部にお
いてそれぞれ種糸3を取り付けている。以上のことによ
り、第1の突起部114は主として種糸3を掛け止める
掛止機能を有することになり、その一方で、第2の突起
部115は種糸3上でアラメBが胞子から生長した際に
主として植食生物の進入を阻害して食害被害を防止する
食害防止ゾーンを構成することになる。また、第1の突
起部114と第2の突起部115との間が植食生物の進
入を阻み得る程度に狭い場合には、これらの間にも食害
防止機能が奏されることになる。
【0021】一方、図5、図6及び図8に示す台座2
は、一辺が2.2m程度の略正方形の平面視形状を有
し、高さ約1mのコンクリート製ブロックからなる重量
約9tのアンカーとしての機能を具備するものである。
また、この台座2は、海産物の廃棄物を有効利用するた
めに、図8に断面を示すように、そのコンクリート組成
中にカキ殻22を含有するものである。本実施形態で
は、台座2に主としてアンカーの役割を担わせている
が、海底Pで継続的に藻場Cを形成するために、経年変
化にある程度耐え得るだけの強度を付与するべく、コン
クリート組成中の前記カキ殻22を基本組成であるセメ
ント材料21に対して所定割合で混在させている。この
ようにすることで、漁業地域において処分に困っている
カキ殻の有効利用にも役立つことになり、さらにはアラ
メBの栄養分となるカルシウム成分等を多く含むカキ殻
を含有することで、アラメBの促成にも有効である。な
お、このようなものを含有しない一般のコンクリートブ
ロックを用いることもできる。そして、その表面に、育
成部材1の貫通孔111に挿通し得る金属製のボルト2
3を複数突出させている。また、同じく表面の略中央部
には、この台座2を沈設又は引き上げる際に利用される
フック24を取り付けている。なお、前記ボルト23に
は、不使用時に貝等が付着しないように、図示しない樹
脂製のカバーを取り付けて、ボルト23全体を覆うよう
にしている。
【0022】次に、アラメBの胞子を付着させた種糸3
を取り付けた育成部材1を利用したアラメBの中間育成
方法並びに藻場の造成方法について説明する。
【0023】まず図5(a)に示すように、海面Rに浮
かべた筏5に取り付けたロープ4を介して育成部材1を
水深約5m以内の海中Qに吊り下げ、その海域を中間育
成ゾーンXとする。なお、中間育成ゾーンXとしては、
アラメBが自生している海域又はその近傍に設定し、海
流に乗って流れてくる胞子が育成部材1に自然に付着す
るようにすることも可能である。このロープ4は、多数
の細い糸を束ねて撚り合わせることによって形成した太
い2本のロープ要素41を更に互いに撚り合わせて直径
1〜2cmの太さにした、いわゆる漁業用ロープであ
る。このロープ4を用いて育成部材1を吊り下げるに
は、図7に拡大して示すように、ロープ要素41同士の
撚り合せを部分的に解いておき、一対の育成部材1を相
互に裏面12同士を合わせた状態で長手方向を水深方向
と略直交させた姿勢にして、先に解いておいたロープ要
素41同士の間に挟み込み、それらロープ要素41をそ
れぞれ前記添接路113に添接させる。すると、解かれ
たロープ要素41同士は元の捻られた状態に戻ろうとす
るため、その力によってロープ要素41間に育成部材1
を強く挟み込むことになる。その上で更に育成部材1の
脱落防止を図るために、育成部材1の貫通孔111に結
束具たる結束バンド6を挿通し、この結束バンド6によ
って両ロープ要素41を拘束する。この結束バンド6
は、一端に孔部を有し、他端をその孔部に挿入・係合す
ることにより他の部材を拘束できるようにした樹脂製の
市販のものである。このようにして一本のロープ4に高
さを違えて複数の育成部材1を取り付けて、ロープ4の
下端部においてはロープ要素41同士を固く結んで瘤4
2を作っている。本実施形態では上述のように複数の育
成部材1を多数用意して、合計2000個程度の育成部
材1を筏5から吊り下げられるようにしている。なお、
ロープ要素41同士の撚りを解いた箇所には二つの育成
部材1を同時に挟み込むのではなく、一つだけの育成部
材1を挟み込むようにしても構わない。いずれの場合に
しても、ロープ4は添接路113に沿って育成部材1を
保持しているため種糸3に接触することがなく、海流や
波でロープ4が揺れてもそのために種糸3が摩擦により
切断されることはない。
【0024】また、育成部材1をロープ4に保持させる
には、育成部材1を略水平な姿勢にして貫通孔111に
ロープ4を通すとともに、ロープ4の一部を結んで作っ
た瘤によって育成部材1を下方から受けるようにするこ
とも考えられるが、このようにすると海中Qにおける育
成部材1の安定性が悪い上に、貫通孔111の縁部でロ
ープ4が切れてしまう恐れが生じる。さらに、貫通孔1
11に太いロープ4を摩擦による切断を防止して通すに
は、貫通孔111の直径をロープ4の太さ以上に大きく
する必要が生じるが、後述するように育成部材1を海底
Pに移設して台座2に固定する場合、前記貫通孔111
に挿通するためのボルト23もそれだけ太いものを用意
しなければならない。すなわち、コスト的な面において
もこのような吊り下げ方は不利であり、貫通孔の大きさ
も前記結束バンド6を通すことができ、一般的なボルト
23を挿通できる大きさであれば十分である。このよう
な観点からも、上述のような本実施形態における育成部
材の吊るし方を適用することが最も望ましいといえる。
【0025】さらに上述のように、二枚の育成部材1を
裏合せで吊るすことにより、裏面にフジツボやムラサキ
ガイ等の不要な付着物が付着することを防止できるた
め、後述するように育成部材1を海底Pに移設する際に
台座2への取付具合を良好に維持することができる。ま
た、二枚の育成部材1を裏合せにしてロープ4で吊り下
げるのではなく、一枚の育成部材1を吊り下げる場合に
は、その裏面にプレートや枠状物、ラップフィルム(食
品ラップフィルム等)等の着脱容易なものを取付けてお
いて、育成部材1の裏面にフジツボ等が付着しにくいよ
うにしておくこともできる。
【0026】このようにして一定期間、育成部材1を海
中Qに吊して中間育成を行い、その後この育成部材1を
引き上げて、図5(b)に示すように、海底Pにおいて
藻場を造成すべき場所として設定した造成ゾーンYへと
移設する。その際のアラメBの成育度合は、成育したア
ラメBが潮流から受ける抵抗力に抗し切れずに育成部材
1から抜けてしまわない程度の大きさ、例えば葉長10
〜60cm程度を目安にする。また、十分に成育してい
ないアラメBは柔らかいうえに、ウニ等の植食生物が嫌
う独特の渋味成分であるフロロタンニン等を分泌できな
いため、海底Pに移設すれば簡単に食害を受けてしまう
が、上述の大きさまで生育すれば自己防衛機能を発揮す
ることができるため、そのような恐れを回避することが
できる。さらに、アラメBは、海底Pよりも強い日照量
を受けることができ、生育が早く、中間育成としての育
成日数を短縮できるメリットがある。
【0027】しかして、図5(b)に示すように造成ゾ
ーンYにおいては、アラメBを活着させた育成部材1
を、貫通孔111に台座2のボルト23を挿入した上で
ボルトの先端部に該先端部を完全に覆う樹脂製蝶ナット
25取り付けて藻場増殖礁Aを構成する。藻場を広く造
成する場合には、多数の藻場増殖礁Aを配置すればよ
い。なお、台座2への育成部材1の取付作業は、上述の
ように台座2を予め海底Pに沈設しておきダイバーが潜
ることによって行ってもよいが、筏5から引上げた育成
部材1を海上の台船や陸上等で台座2に取り付けて、特
にアラメBが乾燥して枯死しないように留意した上でこ
れら育成部材1及び台座2からなる藻場増殖礁Aを海底
Pに沈設することもできる。この場合はこのようにし
て、図6(a)に示すアラメBの海中林が完成する。そ
して、藻場を造成した後、同図(b)に示すように、磯
焼け等の原因で一部又は全部のアラメBが死滅した場
合、あるいは育成部材1に集まったアワビを漁獲する場
合には、同図(c)に示すように、その育成部材1のみ
を台座2から取り外し、図6に示すように育成ゾーンX
においてアラメBが生育した新たな育成部材1を移設し
てきて交換する。また、取り外した育成部材1にはメン
テナンスを施して、再度育成ゾーンXにてアラメBを育
成するために利用する。このようにすることで、藻場全
体のメンテナンスを行うことができることとなる。
【0028】以上のように本実施形態によれば、育成部
材1を、育成部材本体11の表面11a上に、種糸3を
掛け止める機能を有する第1の突起部114と、植食生
物の進入を阻害して食害を防止する食害防止ゾーンを構
成する第2の突起部115とを形成してなるものとし、
第1の突起部114に掛け止めた種糸3を第2の突起部1
15同士の間を通過させるようにしているので、第1の
突起部114により育成部材1にしっかりと掛け止めた
種糸3から生長したアラメBが第2の突起部115によ
って食害被害に遭わないようにすることができ、アラメ
Bを育成部材1に根付かせてその後の藻場造成を確実か
つ迅速に行うことが可能である。
【0029】さらに、育成部材本体11の表面11aに
形成した隆起部112の下端部近傍に第1の突起部11
4を形成するとともに、その第1の突起部114よりも
高位置となる隆起部112上に第2の突起部115を形
成しているため、第2の突起部115間に通過させた種
糸3から生長したアラメBに、隆起部112を抱えるよ
うにして根を張らせることができ、アラメBをよりしっ
かりと育成部材1に根付かせることが可能である。更に
この隆起部112は上方に向けて凸となるように隆起さ
せたものであるため、種糸3が育成部材本体1から浮き
上がらずに隆起部112に沿うこととなって種糸3が海
流で揺れ動かないので、元来岩場等に掴まるための機能
を有するアラメBの根の育成部材1への活着をより確実
なものとすることができる。さらに隆起部112の表面
には凹凸形状を形成しているため、アラメBの根が隆起
部112をさらにしっかりと掴んで育成部材1に活着す
ることができ、アラメBの流失防止をさらに有効に図る
ことができる。
【0030】また、第1の突起部114に育成部材本体
11側を向く面を表出させた逆勾配114aを形成して
おり、この逆勾配114aと育成部材本体11の表面1
1aとの間の空間sに種3糸を引っ掛けるようにしてい
るため、種糸2の取り付けを簡単なものとして、第1の
突起部114に掛け止めた種糸3の安定性を向上するこ
とができる。
【0031】さらに、複数の第2の突起部115は、そ
れら相互の間隔を植食生物が進入できない程度に設定し
ているため、食害防止機能をより有効なものとして長期
に亘って藻場を健全に維持することができる。
【0032】さらにこのような構成に加えて、添接路1
13上に育成部材本体11を厚み方向に貫通する貫通孔
111を形成し、その貫通孔111挿通した結束具たる
結束バンド6によって、添接路113に沿って育成部材
本体11を厚み方向に挟み込んだロープ4を拘束するよ
うにしているため、極めて簡単な方法でしっかりと育成
部材11をロープ4に固定して吊り下げておくことがで
きる。
【0033】そしてこの貫通孔111は、育成部材1を
海底Pに設置される台座2に着脱可能に取り付けられる
被取付部としての機能を兼ねているので、中間育成の際
に育成部材1を吊り下げるための構成を有効に利用し
て、アラメBの生育後の海底Pでの藻場造成の際におけ
る台座2への移設を容易に行うことができる。
【0034】また、育成部材本体11に、種糸3を固定
する手段として、種糸3を差し込んで固定し得る切欠部
12aを形成した固定部材12を形成することによって
第1の突起部114に掛け止めた種糸3を固定するよう
にしているので、育成部材1に種糸3をより確実に固定
して、アラメBの流失防止をより有効に図ることができ
る。
【0035】なお、本発明は上記実施形態に限られるも
のではない。例えば育成部材への取付方法や、第1の突
起部及び第2の突起部の形状、ひいては育成部材そのも
のの形状など、各部の具体的構成についても本発明の趣
旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。また、藻
類の育成方法や藻場の形成方法についても同様に、種々
変更することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0037】すなわち、本発明は、表面上に複数の突起
部を形成し、その突起部に藻類の胞子を付着させた種糸
を掛け回すようにした育成部材本体を有する藻類を育成
するための育成部材である。そしてこのようにすること
で、育成部材本体の表面側でのみ種糸から藻類を育成す
るようにしている。このため、突起部には種糸を掛け止
めることで藻類を育成部材に根付かせてその生育を確実
なものとし、種糸の流失も有効に防止することができ
る。さらに、藻類は前記種糸を設けた育成部材本体の表
面側でのみ生育することから、中間育成の際に2枚の育
成部材を裏合わせで海中に吊せば育成部材本体の裏面に
フジツボやムラサキガイ等の不要な付着物が付着しない
ようにすることができ、また、この育成部材を海底に移
設する際に台座への取付具合を良好にすることができ
る。
【0038】また、育成部材本体に、突起部に掛け回し
た種糸を固定できる固定手段を設けることで、育成部材
への種糸の固定を更に確実なものとして、藻類の流失防
止をより有効に図ることができる。特に、育成部材本体
の表面においてその中央部を挟んで左側及び右側にそれ
ぞれ前記複数の突起部及び種糸の両端部を固定する前記
固定手段を形成し、当該左側における複数の突起部と右
側における複数の突起部にはそれぞれ個別の種糸を掛け
回すとともに、各種糸の両端部をそれぞれ前記固定手段
に固定するように構成すれば有効である。
【0039】また、陸上や海底で藻類の中間育成を行う
よりも好条件の中間育成方法として、水面(海面)に浮
かべた筏やブイ等の浮遊物に育成部材を吊下げて、育成
部材に藻類が活着し食害に遭いにくくなるまで藻類を水
中(海中)で中間育成しておき、海底に沈設すべき重量
物からなるアンカー機能を有する部材に十分に生育した
藻類が活着した育成部材を移設するという方法を採用す
る場合、育成部材本体の突起部を避けた部位、具体的に
は育成部材本体の中央部に、育成部材本体を水中に吊り
下げるための吊下げ具を表面に添接させる添接路を形成
すれば、第1の突起部に掛け止めて第2の突起部同士の
間に渡した種糸が吊り下げ具と干渉して切断されること
がないため、育成部材を海中に吊り下げて藻類の中間育
成を行う際に藻類が流失してしまう不具合を有効に回避
することができる。この場合、添接路上に形成した貫通
孔に結束具を挿入し、その結束具を用いて添接路に添接
させて育成部材本体を厚み方向に挟み込んだ吊下げ具を
拘束するようにしていれば、吊下げ具を簡単な方法でよ
りしっかりと育成部材に固定することが可能である。
【0040】さらに、育成部材本体における突起部を避
けた部位に、育成部材本体を厚み方向に貫通する貫通孔
を形成しておけば、種糸から生育して育成部材本体に乗
り移る藻類に傷を付けないようにして、貫通孔を利用し
て育成部材を海中に吊り下げて藻類の中間育成を行った
り、前述のアンカー機能を有する部材に取り付けること
を簡単に行うことが可能である。
【0041】また、種糸を掛け止めるための突起部に育
成部材本体側を向く面を表出させた逆勾配を形成し、そ
の逆勾配の面と育成部材本体の表面との間の空間に種糸
を引っ掛けるようにしていると、簡単でしっかりと種糸
を掛け止めておくことができる。
【0042】このような育成部材に、植食生物の進入を
阻害して食害被害を防止し得る食害防止ゾーンを育成部
材本体の表面上に形成していれば、せっかく生育した藻
類がウニ等に食べられてしまうのをこの食害防止ゾーン
によって防止できるため、安定的な藻場の造成に大いに
役立つことになる。
【0043】そして、食害防止ゾーンを複数の突起部か
ら構成している場合には、簡単に食害防止ゾーンを設け
ることができ、例えばこの場合、種糸の掛止機能を有す
る突起部に掛け止めた種糸を食害防止ゾーンを構成する
突起部同士の間を通過させるようにすることで、植食生
物の進入を突起部により邪魔をして食害被害を容易に防
止することができるため、藻類の育成とその後の藻場造
成を確実かつ迅速に行うことができるそのためには例
えば、複数の突起部を、ウニやアワビ、サザエ等の植食
生物が進入できない程度の間隔を開けて配置しておく
と、食害防止機能をより確実なものとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】同実施形態の育成部材を幅方向中央部で破断し
て概略的に示す縦断面図。
【図3】同育成部材の製造方法を概略的に示す説明図。
【図4】同製造方法の説明図。
【図5】同育成部材を使用した藻類の育成方法及び藻場
の形成方法を示す説明図。
【図6】同藻場の形成方法及びメンテナンス方法を示す
説明図。
【図7】同育成部材をロープにより吊り下げた状態で拡
大して示す斜視図。
【図8】同育成部材を取り付けるための台座を拡大して
示す断面図。
【符号の説明】
1…育成部材 2…台座 3…種糸 4…ロープ(吊り下げ具) 5…筏 6…結束具(結束バンド) 11…育成部材本体 11a…表面 12…固定部材(固定手段) 111…貫通孔 113…添接路 114…第1の突起部 114a…逆勾配 115…第2の突起部(食害防止ゾーン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 棚橋 達治 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住友大阪セメント株式会社 セメント・ コンクリート研究所内 (72)発明者 鈴木 裕明 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住友大阪セメント株式会社 セメント・ コンクリート研究所内 (56)参考文献 特開 平5−316891(JP,A) 特開 平7−236384(JP,A) 特開2001−25329(JP,A) 特開 平8−256618(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01K 61/00 A01G 33/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】藻類を育成するための育成部材本体を具備
    するものであって、板状をなす 育成部材本体の表面上に複数の突起部を形成
    し、これら突起部に藻類の胞子を付着させた種糸を掛け
    回すことによって、育成部材本体の表面側にのみ種糸を
    取り付けるように構成していることを特徴とする藻類の
    育成部材。
  2. 【請求項2】前記複数の突起部に掛け回された種糸の両
    端部を固定する固定手段を設けていることを特徴とする
    請求項1記載の藻類の育成部材。
  3. 【請求項3】前記育成部材本体の表面においてその中央
    部を挟んで左側及び右側にそれぞれ前記複数の突起部及
    び種糸の両端部を固定する前記固定手段を形成し、当該
    左側における複数の突起部と右側における複数の突起部
    にはそれぞれ個別の種糸を掛け回すとともに、各種糸の
    両端部をそれぞれ前記固定手段に固定するように構成し
    ていることを特徴とする請求項2記載の藻類の育成部
    材。
  4. 【請求項4】前記育成部材本体の表面において前記左右
    それぞれの複数突起部を避けた中央部に、該育成部材本
    体を水中に吊り下げるための吊下げ具を当該育成部材本
    体の表面に添接させる添接路を形成していることを特徴
    とする請求項3記載の藻類の育成部材。
  5. 【請求項5】前記添接路に開口するように、育成部材本
    体を厚み方向に貫通する貫通孔を形成し、該貫通孔に挿
    通した結束具によって、前記添接路に添接させた吊下げ
    具を育成部材本体を厚み方向に挟み込んだ状態で拘束し
    得るようにしていることを特徴とする請求項4記載の藻
    類の育成部材。
  6. 【請求項6】前記育成部材本体の側端部に、育成部材本
    体とは別体をなし前記固定手段として機能する固定部材
    を取り付けていることを特徴とする請求項2、3、4又
    は5記載の藻類の育成部材。
  7. 【請求項7】前記固定部材に、前記種糸の側端部を差し
    込んで固定する切欠部を形成していることを特徴とする
    請求項6記載の藻類の育成部材。
  8. 【請求項8】前記固定部材において切欠部は、前記種糸
    の両端部にそれぞれ対応して2つ形成してあることを特
    徴とする請求項7記載の藻類の育成部材。
  9. 【請求項9】前記複数の突起部に育成部材本体側を向く
    面を表出させる逆勾配を形成し、その逆勾配を形成した
    突起部の部位と育成部材本体の表面との間に、前記種糸
    を引っ掛け得る空間を形成していることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の藻類の育
    成部材。
  10. 【請求項10】前記複数の突起部によって、前記育成部
    材本体の表面上に植食生物の侵入を阻害し得る食害防止
    ゾーンを形成していることを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6、7、8又は9記載の藻類の育成部材。
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