JP2002335806A - 多機能型増殖礁 - Google Patents

多機能型増殖礁

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JP2002335806A JP2001151320A JP2001151320A JP2002335806A JP 2002335806 A JP2002335806 A JP 2002335806A JP 2001151320 A JP2001151320 A JP 2001151320A JP 2001151320 A JP2001151320 A JP 2001151320A JP 2002335806 A JP2002335806 A JP 2002335806A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】藻場増殖機能、磯根資源増殖機能、魚礁機能、
魚類の増殖機能等の様々な水産関連機能を必要に応じて
選択的に組み合わせることができ、あるいはこれらの機
能を全て併せ持った新規な多機能型増殖礁を提供する。 【解決手段】多機能型増殖礁Aを、オプション配置部1
3を有し海底に沈設される水産関連機能を有する台座1
と、台座1とは別の水産関連機能を有しオプション配置
部13に選択的に配置される少なくとも1つのオプショ
ン部材3、4、5から構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、藻場増殖機能、磯
根資源増殖機能、魚礁機能、魚類や餌料生物を増殖させ
る餌料培養魚礁機能等の種々の水産関連機能を自由に組
み合わせて発揮させることができる多機能型増殖礁に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、魚礁は一般に魚類の蝟集効果
を高める機能を有するものであり、藻場増殖礁は藻場の
増殖を目的として藻類の新たな着床基質を供給するもの
であった。そして、これらはそれぞれ独立した性格を持
ち、コンクリート製品や鋼製製品等として提供される単
体の「魚礁」や「藻場増殖礁」として実施されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、「魚礁」に
ついては、魚類の蝟集効果を向上することは十分確認さ
れているが、魚類の数そのものを増加させる増殖効果に
ついては明確な評価がなされていないのが現状である。
魚類の数を増やすには、魚類の産卵場所や幼稚魚の生育
場所(隠れ家や餌料提供場所)を創出することが重要で
あるが、そのためには藻類(海藻類)が群生する「藻
場」の存在が重要になってくる。しかしながら、海水温
の上昇など様々な自然環境の変化により、次第に藻場が
減少する、いわゆる磯焼け現象が近年拡大しつつあり、
各地の海域において藻場の消失が認められており、大き
な問題となっている。
【0004】さらに、このような藻場の減少に伴って、
海藻類を餌としているアワビ、サザエ、ウニ等の有用な
磯根資源の水揚げ量も激減してきており、水産業に大き
な打撃を与えている。例えばアワビについては、アワビ
の生息場所として窪みを成型したコンクリート製増殖
礁、いわゆるアワビ礁等が実施されてはいるが、そもそ
も餌となる海藻が減少している現状にあっては、アワビ
礁にアワビの蝟集効果はあっても、増殖効果は殆ど期待
することができない。
【0005】また、元来、藻場を形成している天然の岩
礁帯は、魚類の産卵場所や幼稚魚の生育場所として機能
しており、魚類の増殖場所として極めて重要なものであ
るだけでなく、磯根資源を豊かにして、イセエビ等の多
くの水産資源の宝庫となっている。そこで、これまで様
々な形状を有する「藻場増殖礁」が開発・実施されては
いるが、その「礁」に海藻が着床し「藻場」となるまで
には数年の年月がかかっている。長期間を要しても「藻
場」が形成されればよいが、自然環境下では確実に藻場
が形成されるとは限られず、経験上、確率的には海藻が
全く着床しない場合が多い。そのため、従来の藻場増殖
礁による藻場の増殖が容易には実現できず、ひいては磯
根資源の増殖、魚類の蝟集、魚類の増殖を効率的に行う
ことが、現状では極めて困難である。
【0006】このような問題に対して、海底で効率よく
増殖できる程度まで予め生育させた、いわゆる中間育成
藻を着床させた部材を有する藻場増殖礁を海底に投入す
ることで、藻場形成の効率を飛躍的に向上させる方法
が、最近になって提案されている。
【0007】そこで本発明は、このような中間育成藻付
きの藻場増殖礁の有用性も考慮に入れ、藻場増殖機能、
磯根資源増殖機能、魚礁機能、餌料培養魚礁機能等の様
々な水産関連機能を必要に応じて選択的に組み合わせる
ことができ、あるいはこれらの機能を全て併せ持った、
これまでにない新規な多機能型増殖礁を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の多機
能型増殖礁は、オプション配置部を具備し海底に沈設さ
れる水産関連機能を有する台座と、前記オプション配置
部に選択的に配設され、台座が有する機能とは別の水産
関連機能を有する少なくとも一つのオプション部材とか
ら構成していることを特徴とするものである。
【0009】このような構成のものであれば、台座のオ
プション配置部にそれぞれ機能の異なるオプション部材
を配置することで、異なる水産関連機能を同時に有する
従来にない多機能型増殖礁を構成することができる。特
に、各オプション部材はオプション配置部に選択的に配
置することができるため、配置すべきオプション部材の
組み合わせによっては目的に応じた機能に加え、各機能
がもたらす相乗効果を発揮させることができるようにな
る。
【0010】特に、前記台座の一部を前記オプション配
置部に配設したオプション部材よりも外側に延出させ、
少なくとも前記張出部に藻類を増殖し得る藻場増殖機能
を付与した構成とすることで、海底において、基本的に
は台座を利用して藻類を増殖させて、幼稚魚の生育場所
とするとともに、アワビやサザエ等の磯根資源の餌とな
る藻類を供給し得る藻場を形成する藻場増殖機能を発揮
できる。さらに、水産業の目的に応じたオプション部材
を台座に配置すると、それらオプション部材は藻場増殖
機能を有する台座の部位の内側に配置された状態となる
ので、オプション部材の周囲や内部に住み着く磯根資源
や幼魚等の隠れ場所としての良好な環境を形成すること
ができるだけでなく、藻場に餌場や隠れ場所を求める魚
介類を集めたりそこで魚介類を増殖させたりするなどの
目的別の機能を多機能型増殖礁に付与することができ
る。また、近年激減しつつある藻場の回復にも寄与する
ことができる。なお、本発明の多機能型増殖礁では、藻
場増殖のみを目的とする場合には、オプション部材を台
座に配置せずに、台座を単独で用いることも可能なもの
である。
【0011】具体的に、有用な藻場増殖機能を付与する
ためには、台座を、海底に安定設置するためのアンカー
機能を有し表面に前記オプション配置部を形成した台座
本体と、藻類を着床させて育成するための育成部材を着
脱可能に取り付け得る育成部材取付部とを具備するもの
とすることが望ましい。
【0012】このような台座を用いて、より効率的な藻
場増殖を実現するには、育成部材取付部に取り付けられ
る育成部材の一部又は全部を、海底で生育可能となるま
で予め育成した中間育成藻を着床させたものとすればよ
い。すなわち、台座本体に取り付けられる育成部材の一
部のみを中間育成藻が着床したものとすれば、その藻類
が海底で増殖して胞子や遊走子を放出できるようになる
と、その周囲に藻類を着床させていない育成部材があっ
ても放出された胞子等が付着することで、海底において
新たに藻類を育成することができる。なお、既存の藻場
の近傍など、育成部材や台座に藻類の着床が確実に期待
できるような海域では、中間育成藻を着床させた育成部
材は、必ずしも使用する必要はない。
【0013】具体的に水産関連機能を有するオプション
部材としては、磯根資源に住処を供給し得る磯根資源増
殖部材、餌料生物を増殖させることで魚を増殖させ得る
餌料培養部材、及び魚類を蝟集させ得る魚礁部材が挙げ
られ、少なくともこれらのうちいずれか一又は複数のオ
プション部材を前記オプション配置部に選択的に配置し
得るようにすることが望ましい。
【0014】特に磯根資源増殖部材については、イセエ
ビ、ウニ、アワビ、サザエ等に代表される磯根資源が住
処として利用でき、外敵から身を守ってこの多機能型増
殖礁で棲息させ続けることが望ましいことから、これら
磯根資源が自由に通り得る通路を形成することが好まし
い。このような磯根資源増殖部材のみを台座本体のオプ
ション配置部に配置すれば、多機能型増殖礁が藻場増殖
機能と磯根資源増殖機能とを有するようにすることがで
きる。なお、他のオプション部材も磯根資源増殖部材と
共に台座本体に配置することができるのは勿論である。
【0015】さらに、イセエビやアワビ等の磯根資源
は、複雑な構造の場所を好んで入り込む習性を有してい
ることから、前記通路を、放射状をなす第1のスリット
と、輪状をなす第2のスリットとを組み合わせて形成し
た複雑な構造を有するものとすることが望ましい。さら
に、このような磯根資源増殖部材を台座とは別体をなす
部材とすることで、複雑な構造の磯根資源増殖部材を簡
単に製造できるようになる。
【0016】このような通路に棲息する磯根資源の隠れ
場所を、本多機能型増殖礁の基本的な構成である台座の
機能を利用して形成するには、オプション配置部に磯根
資源増殖部材を載置し、該磯根資源増殖部材の通路の出
入口となる部位よりも前方における台座本体に、前記育
成部材取付部を形成することが好ましい。このようにす
ることで、通路の出入口は、育成部材に生えた藻類によ
って隠されることになるため、イセエビやアワビ等の住
処としては極めて好都合である。
【0017】特に、多機能型増殖礁に、台座による藻場
増殖機能と上述のような磯根資源増殖部材による磯根資
源増殖機能加えて、平面的な陰を好む傾向にある魚類を
蝟集させる魚礁機能も付与し得るようにするには、魚礁
部材が板状をなす部材であって、該魚礁部材を、前記オ
プション配置部に載置した磯根資源増殖部材を上方から
覆う位置に配置すればよい。
【0018】また、餌料培養部材については、魚類の餌
となる餌料生物の培養機能が求められる。そのために
は、魚類が餌とする匍匐性の甲殻類や多毛類を多く付着
させる必要があり、コンクリート素材に貝殻等の海産物
を混入した餌料生物培養ブロックを具備するものとする
ことが望ましい。貝殻等を破砕・粉砕したものをコンク
リート素材に混ぜておけば餌料生物培養ブロックの比表
面積を大きくでき、匍匐性の甲殻類や多毛類を多量に付
着させることができる。また、漁業地域では、収穫した
カキ等の貝殻に代表される海産物の廃棄物の処分に困っ
ていることが大きな問題になっているが、そのような貝
殻等を餌料生物培養ブロックに利用することで、これま
で産業廃棄物とされてきた貝殻等の有効利用を行って、
漁業地域の問題解決の一助とすることもできるようにな
る。そして、このような餌料培養部材のみをオプション
配置部に配置することで、多機能型増殖礁に藻場増殖機
能と魚類増殖機能とを付与することができるが、他のオ
プション部材を併用することも可能である。
【0019】このような餌料生物培養ブロックは、特に
高強度を有するものとする必要がなく、餌料生物を培養
・拡散するために絶えず新たな基質を餌料生物に与える
には却って同ブロックを脆いものとした方が好都合であ
る。そのためには、餌料生物培養ブロックを、その表面
が逐次剥離する程度の強度にしておくと有効である。
【0020】このような餌料培養部材を用いて、多機能
型増殖礁の構築における作業効率を落とすことなく、魚
類に対する高い増殖機能を得るためには、餌料培養部材
を、隣接する餌料生物培養ブロック間に隙間を形成した
状態で、餌料生物培養ブロックを通水性を有する籠状体
に収容したものとすることが好ましい。
【0021】上述のような餌料培養部材では、イセエビ
等の磯根資源の前身(プランクトン)も増殖させること
ができる。
【0022】台座による藻場増殖機能、餌料培養部材に
よる餌料生物及び魚類の増殖機能に加えて、多機能型増
殖礁に魚礁機能を付与するためには、魚礁部材を板状を
なす部材として、魚礁部材を、前記餌料培養部材を上方
から覆う位置に配置することが好ましい。
【0023】磯根資源を餌料培養部材において培養・増
殖させ、成長した後もこの多機能型増殖礁で棲息できる
ようにするには、オプション配置部に磯根資源増殖部材
を載置するとともに、該磯根資源増殖部材の上方位置に
餌料培養部材を配置することが有効となる。さらに加え
て、多機能型増殖礁に魚礁機能も付与して、藻場増殖を
はじめとする総合的な機能を有する増殖礁を実現するに
は、餌料培養部材よりも上方位置に、魚礁部材を配置す
ることが好ましい。
【0024】魚類増殖礁の配置を容易に行うためには、
オプション配置部に、第1の保持部を具備するオプショ
ン保持部材を載置し、前記第1の保持部に餌料培養部材
を保持させることが好ましく、同様に、魚礁部材の配置
も容易なものとするには、オプション配置部に、第2の
保持部を具備するオプション保持部材を載置し、前記第
2の保持部に魚礁部材を保持させることが好ましい。オ
プション保持部材には、第1及び第2の保持部の両方を
設けると、より効率的である。
【0025】また、台座による藻場増殖機能に加えて、
多機能型増殖礁に魚礁機能のみを付与するためには、板
状をなす魚礁部材を、前記台座本体を上方から覆う位置
に配置すればよい。
【0026】さらにまた、魚礁部材にも、育成部材を着
脱可能に取り付け得る育成部材取付部を形成すること
で、多機能型増殖礁により大きな藻場増殖機能を付与す
ることができる。
【0027】さらに、台座単独でも、魚礁機能を発揮で
きるようにするためには、台座本体に、海底に接地し得
る脚部を設け、海底と台座本体との間に所定の空間を形
成することが好ましい。台座にこのような脚部があれ
ば、海底との間の空間によって魚類に隠れ場所を提供す
ることができる上に、海底が砂地でも台座が埋まってし
まうことなく安定的に沈設しておくことができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
面を参照して説明する。
【0029】図1は、本実施形態における多機能型増殖
礁Aの全部材を分解した状態を示している。この多機能
型増殖礁Aは、台座1と、台座1に取り付けられる育成
部材2とを基本部材とし、台座1に配置されるオプショ
ン部材として、磯根資源培養部材3、餌料培養部材4、
及び魚礁部材5を備えている。餌料培養部材4及び魚礁
部材5は、台座1に載置されるオプション保持部材6に
保持させた状態で台座1に配置される。これら各オプシ
ョン部材は、必要に応じて自由に組み合わせることによ
り台座1と共に使用されるものである。
【0030】まず、台座1は、平面視略六角形の平板状
をなすコンクリート製の台座本体11を主体としてなる
もので、台座本体11の裏面側に該台座本体11と一体
成形された複数の脚部12を設けている。この台座本体
11は、重量物であり、海底において安定設置するため
のアンカーとしての機能を有している。台座本体11の
略水平な六角形状の上面における中央部は、オプション
部材を配置するためのオプション配置部13として設定
しており、さらにオプション配置部13の外側3カ所に
台形状をなして外方に向けて前傾させた張出部14を形
成している。この張出部14には、それぞれ前後3列に
複数本のボルト15(図4参照)を埋め込んでその先端
を突出させており、張出部14を育成部材2を取り付け
るための育成部材取付部として利用し得るようにしてい
る。また、各張出部14には、鋼製のフック16を埋め
込んでおり、このフック16にワイヤー等を引っ掛けて
台座1を運搬・沈設・引き揚げ等の作業を行うようにし
ている。
【0031】育成部材2は、一辺20cm程度の平面視
略正方形状をなし2cm程度の厚みを有する板状のコン
クリート製の部材であり、その重量は約1.5Kg程度
である。しかして、図2に示すように、表面の略中央部
に厚み方向に貫通する貫通孔21を形成するとともに、
その表面に凹凸部22を形成している。さらに、この育
成部材2を用いて藻類の中間育成を行う際にロープを添
接させて取り付けた状態で海中に吊すことができるよう
にするために、表面の対向する辺同士に亘って前記貫通
孔21の開口部分を通過するように略十文字状をなす添
接路23を形成している。そして、この添接路23を前
記凹凸部22を避けて形成するために、凹凸部22を表
面の中央部よりも四隅寄りに形成している。また、この
育成部材2の裏面は平坦に形成してある。
【0032】磯根資源培養部材3は、前記台座本体11
のオプション配置部13よりも一回り小さい平面視形状
を有する板状のコンクリート製部材であって、上面側に
放射状をなして窪ませた第1のスリット311及びその
第1のスリット311と交差するように輪状をなして窪
ませた第2のスリット312から構成される通路31を
形成している。通路31の出入口は、第2のスリット3
12の端部によって外方に開放されている。
【0033】説明の順番は前後するが、先にオプション
保持部材6は、台座本体11の六角形状をなすオプショ
ン配置部13の隅部に立設される2本3対の鋼製支柱6
1と、隣接する支柱61同士を連結するように上端部、
下端部及び中間高さ位置に配置され支柱61に溶接やボ
ルト締めされた鋼製横架材62とから構成される枠体状
をなすものである。支柱61の下端部に取り付けられた
横架材62は、前記オプション配置部13に安定設置す
るためのベースとして機能している。また、支柱61の
中間高さ位置に取り付けられた横架材62は、後述する
餌料培養部材4を保持するための第1の保持部63とし
て機能させるようにしており、支柱61の上端部におけ
る横架材62は、魚礁部材5を保持するための第2の保
持部64として機能させるようにしている。
【0034】餌料培養部材4は、魚類の餌となる餌料生
物を好適に培養し得る餌料生物培養ブロック41と、多
数の餌料生物培養ブロック41を収容する籠状体42と
から構成される。餌料生物培養ブロック41は、貝殻等
の海産物の粉砕物を混入した円錐台形状をなすコンクリ
ート製の部材である。この餌料生物培養ブロック41の
製造に際しては、廃棄物として処理されてきたカキ殻等
の貝殻等を洗浄した後適当な大きさに粉砕したものを、
型枠として使用済みの碗や紙コップ、弁当の空き箱等の
入手が容易な容器にモルタルやセメント等のコンクリー
ト素材と共に流し込み、硬化させるという簡単な方法で
製造することができるものである。あるいは粉砕した貝
殻等とコンクリート素材を手で団子を作るようにしても
製造することができる。本実施形態においては、餌料生
物培養ブロック41の製造用型枠として、紙コップを使
用している。なお、餌料生物培養ブロック41として
は、天然石等を使用することもできるが、貝殻等を粗く
混入したコンクリート素材の方が比表面積に勝るため、
上述の構造のものを餌料生物培養ブロック41とするこ
とが好ましい。しかして、コンクリート素材の硬化後の
餌料生物培養ブロック41の強度は、海中においてその
表面が逐次剥離する程度に弱く脆いものである。一方、
籠状体42は、前記オプション保持部材6の第1の保持
部63を構成する横架材62に載置するべく縦断面視コ
字形の鉄骨を平面視六角形状に形成した枠体421と、
鉄筋や金属網等を組んで餌料生物培養ブロック41が脱
落しないように枠体421を上下に挟む位置に配置され
る上下一対の網状部422とから構成される。なお、図
示しないが、本実施形態では籠状体として六面に網を張
った立方体状をなす部材も補助的に使用し得るようにし
ている。この籠状体も、多数の餌料生物培養ブロック4
1を収容し得るものである。しかして、これら籠状体4
2等に収容された餌料生物培養ブロック41同士の間に
は、多数の隙間が形成されている。
【0035】魚礁部材5は、平面視六角形状をなす扁平
なコンクリート板を主体としてなり、前記オプション保
持部材6の第2の保持部64を構成する横架材62に載
置されるものである。そしてその上面には、前記台座本
体11の張出部14と同様に多数のボルト51やフック
52を埋め込んでおり、そのボルト51は育成部材2を
着脱可能に取り付けられるようにした育成部材取付部を
形成するものとしている。
【0036】次に、本実施形態の多機能型増殖礁Aの利
用例を説明する。
【0037】まず、多機能型増殖礁Aを海底に沈設する
前に、育成部材2には海底でも十分生育できるようにな
るまで育成した中間育成藻を着床させておく。そのため
に、藻類の中間育成として、育成部材2に予め藻類の胞
子を付着させた図示しない種糸(いわゆるクレモナ糸)
を巻き付けた状態で、育成部材2を図3に示すように海
中に吊り下げる。この種糸の作成に当たっては、海底に
自生している藻類を採取してきて所定の水槽内に前記種
糸と共に入れ、その水槽内で種糸に藻類から放出された
胞子を付着させ、しかる後、種糸を水槽から引上げて、
所定の長さに切断した上で育成部材2に固定するように
している。また、このような育成部材2を海中に吊り下
げるに際しては、海面に浮かべた筏7に取り付けたロー
プ8を介して育成部材1を水深約5m以内の海中に吊り
下げる。このロープ8は、多数の細い糸を束ねて撚り合
わせることによって形成した太い2本のロープ要素81
を更に互いに撚り合わせて直径1〜2cmの太さにし
た、いわゆる漁業用ロープである。このロープ8を用い
て育成部材2を吊り下げるには、ロープ要素81同士の
撚り合せを部分的に解いておき、一対の育成部材2を相
互に裏面同士を合わせた状態で長手方向を水深方向と略
直交させた姿勢にして、先に解いておいたロープ要素8
1同士の間に挟み込み、それらロープ要素81をそれぞ
れ前記添接路23に添接させる。すると、解かれたロー
プ要素81同士は元の捻られた状態に戻ろうとするた
め、その力によってロープ要素81間に育成部材2を強
く挟み込むことになる。その上で更に育成部材1の脱落
防止を図るために、育成部材2の貫通孔21に挿通した
結束バンド(図示省略)によって両ロープ要素81を拘
束する。この結束バンドは、一端に孔部を有し、他端を
その孔部に挿入・係合することにより他の部材を拘束で
きるようにした樹脂製の市販のものである。このように
して一本のロープ8に高さを違えて複数の育成部材2を
取り付けて、ロープ8の下端部においてはロープ要素8
1同士を固く結んで瘤を作っている。本実施形態では上
述のように複数の育成部材2を多数用意して、合計20
00個程度の育成部材2を筏7から吊り下げられるよう
にしている。そして、種糸から生育した藻類は、やがて
根を伸ばして育成部材2の表面における凹凸部22に乗
り移り、しっかりと着床するようになる。なお、藻類が
自生している海域又はその近傍に設定し、海流に乗って
流れてくる胞子が育成部材2に自然に付着することが期
待できる場合は、育成部材2に種糸を取り付ける必要は
ない。
【0038】このように、海中に育成部材2を吊り下げ
て藻類の中間育成を行うことには、次のようなメリット
がある。すなわち、藻類を陸上で初期及び中間育成する
場合には、広大な敷地に大型で深い水槽を設置して藻類
を育成し、その水槽の水を清浄に保つために水の循環や
取り替え等の作業を必要とするため、多大な費用が必要
となるのに対して、本実施形態のような方法によれば、
自然な環境で藻類を育成することができるのみならず、
筏7等に育成部材2を吊すことによって常に清浄な海水
が供給され、同時に多量の育成部材2を吊すことがで
き、極めて適切で安価な藻類の育成が可能である。さら
に筏7等に育成部材2を保持させて海中に設置すること
で、藻類に十分な日照量を受けさせることができ、幼芽
の成長を促進し、海中で中間育成するため、海底に棲息
する植食生物等の食害動物からの食害を防止できるた
め、確実な中間育成ができる。また、海水温に対応して
育成部材2を吊り下げる深さも容易に変更することが可
能である。さらに、上述した大きさまで藻類を成育させ
た育成部材を海底に移設して藻場を形成しても、藻類は
食害動物に容易には食べられない程度の硬さや独特の渋
味成分等を分泌して自己防衛機能を発揮することができ
るので、幼芽の状態で海底に移設する場合と比較して、
確実に藻場を形成することができる。
【0039】さて、本題に戻って、以上のようにして中
間育成藻Bを着床させた育成部材2を使用して多機能型
増殖礁Aを形成するには、その奏し得る機能を目的に応
じて有効に発揮できるように、オプション部材を選択し
て行う。
【0040】まず、最も単純に「藻場増殖」のみを目的
とする場合は、図4に示すように、台座1と育成部材2
のみを多機能型増殖礁Aとして使用する。すなわち、中
間育成藻Bを活着させた育成部材2の貫通孔に21、台
座本体11の育成部材取付部たる張出部14のボルト1
5を挿入し、そのボルト15を錆や腐食、貝類等の付着
から保護するようにボルト15の先端部を略完全に隠蔽
する樹脂製蝶型ナット17を螺合させることによって、
育成部材2を台座1に取り付ける。すなわち、前記貫通
孔21は、海藻の中間育成時における吊り下げの際の育
成部材2の拘束のためと、藻場造成時の台座1への取り
付けのための両方に共用し得るようにしたものである。
育成部材2に着床させる海藻としては、多年生のアラメ
やカジメ等が適しているが、海藻の種類は目的に応じて
種々変更が可能である。その際、図示例では前記張出部
14に前後3列に並ぶボルト15のうち、中央の列のボ
ルト15には中間育成藻Bを活着させた育成部材2を取
り付け、後の2列のボルト15には中間育成藻Bを着床
させていない育成部材2を取り付けるようにしている。
これは、中央の列に配置された育成部材2の中間育成藻
類Bが海底で生育して胞子を放出し得るようになると、
その胞子が中間育成藻Bを付けていない育成部材2の凹
凸部22に付着して、そこから新たに海藻が育成するこ
とが期待できるからである。尤も、当初から全てのボル
ト15に中間育成藻B付きの育成部材2を取り付けるよ
うにしても構わないし、既存の藻場の近傍に多機能型増
殖礁Aを沈設して、その藻場の藻類から放出される胞子
が多機能型増殖礁Aにも付着することが十分期待できる
場合には、全ての育成部材2に中間育成藻Bを着床させ
ないで台座1に取り付けるようにすることもできる。
【0041】このような多機能型増殖礁Aを海底に沈設
することで、台座1及び育成部材2による藻場増殖機能
が発揮され、育成部材2上で藻類を増殖させてアワビや
サザエ等に餌となる海藻を供給するとともに、幼稚魚の
良好な生育場所を形成することが可能である。また、本
実施形態における台座1は、脚部12を有するものであ
るため、その脚部12を海底に接地させて安定性を向上
することができるだけでなく、脚部12の存在によって
海底と台座本体11との間には空間Sが形成されるの
で、その空間Sを平面的な陰を好む傾向にある魚の隠れ
場所とすることもでき、魚類を蝟集させる魚礁機能も発
揮させることができる。
【0042】また、上述のような基本的機能に加えて、
多機能型増殖礁Aの魚類の蝟集効果をより向上させたい
場合は、図5に示すように、台座1のオプション配置部
13にオプション保持部材6を載置し、その第2の保持
部64に魚礁部材5を載置したものを多機能型増殖礁A
として海底に沈設する。なお、魚礁部材5はオプション
保持部材6の第1の保持部63に載置するようにしても
よい。また、魚礁部材5をオプション保持部材6にボル
ト締めなどで固定してもよいし、オプション保持部材6
も台座本体11に載置するだけでなくボルト締めなどで
固定してもよい。しかして、上述したように、魚は平面
的な陰を好む習性があるため、平坦な魚礁部材5の裏面
は魚にとって格好の隠れ場所となる。また、育成部材2
上で海藻が十分大きく生育して藻場が形成されると、台
座1の表面と魚礁部材5の裏面との空間は藻場によって
隠されることになるため、魚類の蝟集効果がより一層高
まることになる。さらに、魚礁部材5の上面には、多数
のボルト51からなる育成部材取付部を形成しているた
め、このボルト51を育成部材2の貫通孔21に挿入し
て育成部材2を取り付けることにより、魚礁部材5にも
藻場増殖機能を発揮させることができるので、藻場を好
適に拡大することも可能である。
【0043】次に、多機能型増殖礁Aに藻場増殖機能と
磯根資源増殖機能とを発揮させるためには、台座1のオ
プション配置部13に磯根資源増殖部材3を載置して使
用する。なお、磯根資源増殖部材3に棲息するようにな
った磯根資源の隠れ場所を形成するとともに魚礁機能も
付加するには、図6に示すように、オプション配置部1
3の第2の保持部64(第1の保持部63でもよい)に
魚礁部材5を載置するとよい。
【0044】例えば磯根資源としてアワビを対象にし
て、この多機能型増殖礁Aをアワビ礁として利用する場
合、台座1に取り付けた育成部材2上の海藻(アラメや
カジメ)を餌としてアワビに供給できるだけでなく、磯
根資源増殖部材3に形成されたスリット311、312
からなる複雑な通路31はアワビにとって隠れやすい格
好の住処となるため、アワビを蝟集・増殖させることが
できる。また、通路31の出入口は育成部材2上の海藻
によって隠され、通路31の上方は魚礁部材5によって
隠されることになるため、通路31内で棲息するアワビ
は外敵から身を守りやすくなる。勿論、魚礁部材5と磯
根資源増殖部材3との間の空間や、台座本体11の裏面
と海底との間の空間Sには、魚類の蝟集効果があるが、
特に前記空間Sのような薄暗く平面的な所を好むアワビ
の住処として利用することも可能である。また、本実施
形態の磯根資源増殖部材3においては、通路31を放射
状をなす第1のスリット311と輪状をなす第2のスリ
ット312とを組み合わせた形状のものとしているが、
このような磯根資源増殖部材3は台座1とは別体をなす
ものであるため、目的とする磯根資源の種類に応じた形
状の通路を形成するのも容易であり、本実施形態の通路
31よりも更に複雑なあるいは簡素な形状の通路を形成
することもできる。
【0045】次に、多機能型増殖礁Aに、藻場増殖機能
に加えて餌料生物及び魚類を増殖させる餌料培養魚礁機
能を発揮させるためには、台座1のオプション配置部1
3にオプション保持部材6を載置するとともに、そのオ
プション保持部材6の第1の保持部63に餌料培養部材
4を載置する。なお、図7に示す多機能型増殖礁Aで
は、餌料培養部材4で生育する生物に隠れ場所を提供す
るとともに、魚礁機能をより向上させるために、上述の
構成に加えてオプション保持部材6の第2の保持部64
に魚礁部材5を載置したものである。なお、この多機能
型増殖礁Aでは、餌料生物培養ブロック41を収容した
立方体状をなす籠状体(図示省略)を、籠状体42の上
に数個載置するようにしている。
【0046】このような多機能型増殖礁Aにおいて、例
えば稚エビや稚魚を増殖させる場合、餌料培養部材4に
おける籠状体42内の餌料生物培養ブロック41同士の
間の小さな隙間には、稚エビ等の餌料となる甲殻類や微
小巻貝等が豊富に棲息するため、稚エビ等を餌が豊富に
ある環境下で順調に生育させることができる。また、餌
料生物培養ブロック41の表面は逐次剥離するので、餌
料生物に常に新鮮な基質(カルシウム成分等)を供給す
ることができ、餌料生物の培養も盛んなものとすること
ができる。また、この多機能型増殖礁Aにおいても、台
座1と育成部材2、魚礁部材5等による藻場増殖機能や
魚礁機能が十分に発揮されるのは前述の通りである。ま
た、餌料生物培養ブロック41は籠状体42に収容され
ているので、その取り扱いを極めて良好に簡便なものと
することもできる。
【0047】更に、図7に示した多機能型増殖礁Aに加
えて、増殖・生育させた稚エビや稚魚がその後もこの多
機能型増殖礁Aを住処とすることができるようにするた
めには、図8に示すように、オプション配置部13に磯
根資源増殖部材3を載置し、オプション配置部13に載
置したオプション保持部材6に餌料培養部材4及び魚礁
部材5を保持させる。すなわち、同図に示す多機能型増
殖礁Aは、下段側から順番に、育成部材2を取り付けた
台座1、磯根資源増殖部材3、餌料培養部材4、魚礁部
材5を積み上げた格好となっている。
【0048】このようにすることで、この多機能型増殖
礁Aは、藻場増殖機能、磯根資源増殖機能、餌料培養魚
礁機能、魚礁機能の全ての機能を併せ持つことになる。
しかして、この多機能型増殖礁Aにおいて、例えばイセ
エビの増殖・育成を行う場合は、稚エビの前身であるプ
ランクトンが餌料生物培養ブロック41の隙間に着床す
ると、そこでプランクトンは脱皮を繰り返して稚エビに
成長し、豊富な餌を食べて更にイセエビへと成長するよ
うになる。そして、成体となったイセエビは岩礁の亀裂
や棚に潜む性質があり、特に海中林のある岩礁帯を好む
ので、上述のように餌料培養部材4の餌料生物培養ブロ
ック41の隙間で稚エビが餌料を食べて成長した後、育
成部材2上に形成された藻場によって隠された磯根資源
増殖部材3の通路31が、イセエビにとって極めて好ま
しい住処となる。特にこのように配置された磯根資源培
養部材3では、イセエビの餌が餌料生物培養ブロック4
1や育成部材2上の海藻等から常に供給されるので、成
長後のイセエビの増殖効果も更に高いものとなる。さら
にこの多機能型増殖礁Aでは、餌料培養部材4において
稚魚から成長した魚に住処として、魚礁部材5や台座本
体11の下の空間を供給することができ、また、アワビ
やサザエ等の磯根資源にも磯根資源培養部材3の通路3
1等を住処として供給することができる。この多機能型
増殖礁Aにおいても藻場増殖機能が十分に発揮されるの
は勿論である。
【0049】なお、上記実施形態において、台座1及び
育成部材2のみを多機能型増殖礁Aとして使用する際に
は、その藻場増殖機能を十分に発揮させるために、図9
に示すように、台座本体11の上面における平坦なオプ
ション取付部13にも張出部14と同様にボルト15を
埋め込んで、オプション取付部13も育成部材取付部と
して機能させるようにすればよい。
【0050】その他、各部の具体的構成についても上記
実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱
しない範囲で種々変形が可能である。
【0051】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0052】すなわち、本発明の多機能型増殖礁は、海
底に沈設される水産関連機能を有する台座に設けたオプ
ション配置部に、台座が有する機能とは別の水産関連機
能を有する少なくとも一つのオプション部材を選択的に
配設するように構成しているため、台座やオプション部
材が有している「藻場増殖礁」や「魚礁」のような単独
の機能を発揮するだけでなく、各機能がもたらす相乗効
果を発揮させることができる。
【0053】具体的に、前記台座の一部を前記オプショ
ン配置部に配設したオプション部材よりも外側に延出さ
せ、少なくとも前記張出部に藻類を増殖し得る藻場増殖
機能を付与することによって、藻場増殖を中心とした様
々な機能が発揮されることになり、オプション部材の周
囲や内部に住み着く磯根資源や幼魚等の隠れ場所として
の良好な環境の形成、魚介類の増殖、減少しつつある藻
場の回復などの種々の有益な効果が奏される。
【0054】特に、台座には中間育成藻を着床させた育
成部材を取り付けることで、その藻場増殖機能を強化す
ることができるようになる。
【0055】特に水産関連機能として、イセエビ、アワ
ビ、サザエ等の磯根資源を増殖する機能と、魚を蝟集さ
せる魚礁機能と、餌料生物や魚の餌となる餌料生物を培
養するとともにそれら磯根資源や魚の培養を行う機能と
を想定し、そのためのオプション部材として磯根資源増
殖部材、魚礁部材、餌料培養部材を用意して、これらオ
プション部材のいずれか一又は複数、ひいては全部を台
座に配置すれば、藻場の増殖をきっかけに、様々な機能
を発揮することができる極めて有用な増殖礁を形成する
ことが可能である。このように、多様な機能を選択的に
奏する増殖礁はこれまでにはなく、本発明を利用するこ
とで、水産業を包括的に実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における多機能型増殖礁に
備えられる各部材を分解して示す斜視図。
【図2】同実施形態において用いられる育成部材を示す
斜視図。
【図3】同実施形態において用いられる育成部材を使用
した藻類の中間育成方法を概略的に示す図。
【図4】同実施形態の使用状態の一つを示す斜視図。
【図5】同実施形態の使用状態の一つを示す斜視図。
【図6】同実施形態の使用状態の一つを示す斜視図。
【図7】同実施形態の使用状態の一つを示す斜視図。
【図8】同実施形態の使用状態の一つを示す斜視図。
【図9】同実施形態の台座の変形例を示す斜視図。
【符号の説明】
A…多機能型増殖礁 1…台座 2…育成部材 3…磯根資源増殖部材 4…餌料培養部材 5…魚礁部材 6…オプション保持部材 11…台座本体 12…脚部 13…オプション保持部 15、51…ボルト(育成部材取付部) 31…通路 41…餌料生物培養ブロック 42…籠状部 63…第1の保持部 64…第2の保持部 311…第1のスリット 312…第2のスリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 裕明 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 橘 紀久夫 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 (72)発明者 棚橋 達治 大阪市大正区南恩加島7丁目1番55号 住 友大阪セメント株式会社セメント・コンク リート研究所内 Fターム(参考) 2B003 AA01 BB02 BB03 CC04 DD01 DD02 EE01 EE02 EE03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オプション配置部を具備し海底に沈設され
    る水産関連機能を有する台座と、前記オプション配置部
    に選択的に配設され、台座が有する機能とは別の水産関
    連機能を有する少なくとも一つのオプション部材とから
    構成していることを特徴とする多機能型増殖礁。
  2. 【請求項2】前記台座の一部を前記オプション配置部に
    配設したオプション部材よりも外側に延出させ、少なく
    とも前記張出部に藻類を増殖し得る藻場増殖機能を付与
    していることを特徴とする請求項1記載の多機能型増殖
    礁。
  3. 【請求項3】前記台座が、海底に安定設置するためのア
    ンカー機能を有し表面に前記オプション配置部を形成し
    た台座本体と、藻類を着床させて育成するための育成部
    材を着脱可能に取り付け得る育成部材取付部とを具備し
    ている請求項2記載の多機能型増殖礁。
  4. 【請求項4】前記育成部材取付部に取り付けられる育成
    部材の一部又は全部が、海底で生育可能となるまで予め
    育成した中間育成藻を着床させたものである請求項3記
    載の多機能型増殖礁。
  5. 【請求項5】前記オプション配置部に、磯根資源に住処
    を供給し得る磯根資源増殖部材、餌料生物を増殖させる
    ことで魚類を増殖させ得る餌料培養部材、及び魚類を蝟
    集させ得る魚礁部材の中から選ばれる少なくとも一つの
    オプション部材を配置している請求項1、2、3又は4
    記載の多機能型増殖礁。
  6. 【請求項6】オプション部材として磯根資源増殖部材を
    配置し、該磯根資源増殖部材に、磯根資源が通り得る通
    路を形成している請求項5記載の多機能型増殖礁。
  7. 【請求項7】前記通路が、放射状をなす第1のスリット
    と、輪状をなす第2のスリットとを組み合わせて形成し
    たものである請求項6記載の多機能型増殖礁。
  8. 【請求項8】オプション部材としてさらに魚礁部材を配
    置し、該魚礁部材が板状をなす部材であって、該魚礁部
    材を、前記オプション配置部に載置した磯根資源増殖部
    材を上方から覆う位置に配置している請求項6又は7記
    載の多機能型増殖礁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006055047A (ja) * 2004-08-19 2006-03-02 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd コンクリートベース
JP2008054635A (ja) * 2006-09-02 2008-03-13 Okabe Co Ltd 藻場造成方法及び藻場造成用構造物
JP2013172651A (ja) * 2012-02-23 2013-09-05 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd イセエビ増殖礁及びその使用方法

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