JP4125221B2 - サンゴの海上養殖方法及びその装置 - Google Patents

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Description

この発明は、付着基板に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを、硬組織を有する稚サンゴとなって自然海域の海底に移設されるまで、自然海域で養殖するサンゴの海上養殖方法及びその装置に係り、特に、自然界ではブダイ等の魚類やウニ等の匍匐動物等による食害、海藻類等との競合、浮泥の堆積等により生存率が極めて低いプラヌラ幼生から変態したばかりの幼いポリプを、自然海域の海底に移設するのに適した稚サンゴになるまで養殖するためのサンゴの海上養殖方法及びその装置に関する。
近年、埋立て等による浅海域の消失、農地開発や道路整備等の陸上開発に起因する海水透明度の低下、地球の温暖化による海水温の上昇等が原因し、沖縄を始めとする世界各地において、サンゴ群集の白化やへい死、死滅といったサンゴ礁の衰退が深刻な問題になっている。
然るに、ミドリイシ属等のサンゴを始めとする造礁サンゴは、その多くが毎年一定時期に一斉産卵によって大量に卵と精子を放出し、海面付近で受精して受精卵となり、また、プラヌラ幼生に変態し、これら受精卵及び/又はプラヌラ幼生(以下、「卵・幼生」と略称する)が海面を漂い、やがてプラヌラ幼生は落ち着くべきところに着底し変態してポリプを形成し、更にサンゴ群体へと無性生殖によって増殖していく。そして、自然界では、卵・幼生が着底し変態してポリプを形成する確率は、その初期消耗が激しいことに加えて、着底・変態のための環境条件が厳しく、極めて低い値に止まっており、自然に任せてサンゴ礁の衰退を食い止めることは難しい。
そこで、このサンゴ礁を人工的に復旧させるための試みも行われており、例えば、(a) 消波ブロック等のサンゴの着底基盤の表面にサンゴの着底を促進するための凹凸等の加工を施したり、岩盤や防波堤等に着床促進基材を固定する(特開2003-61,506号公報)ことからなる基盤改良方法、(b) 健康なサンゴからその一部を切り取り、あるいは、分割して得た移植体を刺止突起、移植補助具等の手段で海底の所定の位置に固定し、あるいは、固定されることなく活着、成長させる移植方法(特開平6-303,875号、特開平7-39,270号、特開平8-112,048号、特開平9-121,712号、特開2001-238,563号、特開2001-321,001号、特開2002-45,075号公報)、(c) サンゴが着底した海底の岩等の着底基盤をそのまま切り出して工事中一時的に退避させ、あるいは、移設する退避・移設方法等が試みられている。
しかしながら、上記の基盤改良方法(a)にはプラヌラ幼生の供給が無い海域では効果が無く、また、上記の移植方法(b)には海水中での移植片の切出し作業に多大な労力を要するほか、健康なサンゴからその一部を切り取ることは天然のサンゴ自体に多大なダメージを与え、ひいてはサンゴ礁に対してもダメージを与えるという問題があり、また、台風等の自然現象が原因で生じた破片を採取して移植片とすることも移植片の入手が極めて不安定であるという問題がある。更に、上記の退避・移設方法(c)には重機等を用いた大掛かりな作業を要して高コストになり、しかも、退避・移設先がサンゴの生育に適さない海域であると、結果として実効が挙がらない場合もある。
また、上記の各方法(a)〜(c)とは別の方法として、(d) サンゴ礁海域でサンゴの一斉産卵により生じたスリックから卵・幼生を採取し、屋内で培養し、コンクリート片、タイル、石等の付着基盤に着底させて自然海域に移設したり(特開平11-276,013号、特開2002-272,307号の各公報)、また、サンゴを着底させる自然海域には採取した卵・幼生を培養するための浮遊培養池(floating culture pond)を浮かべると共にその海底の着底基盤をネットで囲んで圃場を形成し、浮遊培養池で培養したサンゴの幼生を浮遊培養池の底部から圃場のネット内まで供給ホースで送り込んで着底させたり(Mar Ecol Prog Ser 230; 113-118, 2002)、更には、スリック等から採取した卵・幼生を一時的に中間育成し、沈降・着底行動を始めたプラヌラ幼生を着底基盤の整った自然海域まで運搬し、その自然海域で拡散防止手段によりプラヌラ幼生を高濃度に維持して効率の良い着底を促す(特開2003-219,751号公報)等の卵・幼生を用いた種苗生産方法等も試みられている。
この種苗生産方法(d)は現状では最も期待されている方法ではあるが、コンクリート片、タイル、石等の付着基盤に着底させて自然海域の海底に移設された、あるいは、自然海域の海底の着底基盤に着底したプラヌラ幼生やこのプラヌラ幼生が変態したばかりで硬組織がまだできていない幼いポリプは、通常その大きさが1mm以下であるため、その上に浮泥が堆積すると光量不足等が生じて死滅し(浮泥の堆積による減耗)、また、付着基盤や着底基盤に入植した成長の早い海藻類等と光を求めて競合が生じるとこの競合に負けて死滅し(海藻類等との競合による減耗)、更には、ブダイ等の魚類やウニ等の匍匐動物による食害により死滅し(食害による減耗)、硬組織ができて複数のポリブの群体からなる一定の大きさの稚サンゴにまで成長して食害等に耐えられるまでの生存率が極めて低いという問題がある。
また、屋内で付着基盤に着底させたプラヌラ幼生を一定の大きさの稚サンゴにまで飼育することも、例えば海藻類等との競合、浮泥の堆積、食害等による減耗に比較的合い難い約3cm程度の大きさのポリプにまで成長させるのに約12ヶ月の月日を要し、しかも、流動環境の維持や餌料の供給等が難しくて現実的でない。更に、自然海域にネットで囲まれた圃場を形成して着底基盤に着底したサンゴのプラヌラ幼生をこの圃場のネット内で一定の大きさのポリプになるまで飼育することも、飼育期間が長くなることから現実的でない。
従って、この種苗生産方法(d)においても、プラヌラ幼生が付着基盤や着底基盤に着底して変態したばかりの幼いポリプの生存率を高めることが難しいという問題がある。
特開平6-303,875号公報 特開平7-39,270号公報 特開平8-112,048号公報 特開平9-121,712号公報 特開平11-276,013号公報 特開2001-238,563号公報 特開2001-321,001号公報 特開2002-272,307号公報 特開2002-45,075号公報 特開2003-61,506号公報 特開2003-219,751号公報 Mar Ecol Prog Ser 230; 113-118, 2002
そこで、本発明者らは、付着基盤に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプが硬組織を有する一定の大きさの稚サンゴに成長するまで、この幼いポリプを海藻類等との競合、浮泥の堆積、食害等の減耗から保護し、プラヌラ幼生から変態した幼いポリプの減耗を可及的に防止すると共に自然海域に移設した後のサンゴの生存率を高めることについて鋭意検討した結果、プラヌラ幼生が着底した付着基盤を自然海域の海底から所定の高さ位置に保持すると共にプラヌラ幼生から変態した幼いポリプをポリプ保護手段で保護し、この幼いポリプが付着基盤上で無性生殖により成長し、硬組織を有する一定の大きさの稚サンゴとなって自然海域の海底に移設されるまで自然海域で養殖することにより、幼いポリプの減耗を可及的に防止して自然海域に移設した後のサンゴの生存率を高めることができることを見出し、本発明を完成した。
従って、本発明の目的は、付着基盤に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプが硬組織を有する一定の大きさの稚サンゴに成長するまで、この幼いポリプを海藻類等との競合、浮泥の堆積、食害等の減耗から保護し、これによってプラヌラ幼生から変態した幼いポリプの減耗を可及的に防止すると共に自然海域に移設した後のサンゴの生存率を高めることができるサンゴの海上養殖方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、付着基盤に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプが硬組織を有する一定の大きさの稚サンゴに成長するまで、この幼いポリプを海藻類等との競合、浮泥の堆積、食害等の減耗から保護し、これによってプラヌラ幼生から変態した幼いポリプの減耗を可及的に防止すると共に自然海域に移設した後のサンゴの生存率を高めることができるサンゴの海上養殖装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、自然海域の海面に浮かべられる浮力付与体と、この浮力付与体から海水中に吊り下げられて所定の広さ及び深さの保育領域を区画する周囲区画部と、この周囲区画部の下端に設けられて保育領域の下方を区画する開閉可能な底区画部とを有する保育領域区画部材をサンゴ生息海域の海上であって卵・幼生採取の標的サンゴの上方に設置し、上記底区画部を開放して標的サンゴ付近上方に捕集領域を形成すると共に産卵されて上昇する標的サンゴの卵・幼生を採取し、次いで上記底区画部を閉塞して外部から隔離された保育領域を区画すると共にこの保育領域内で採取したサンゴの卵・幼生をこの卵・幼生がプラヌラ幼生となって沈降・着底行動を始める段階まで保育し、この段階で上記保育領域内には1個又は2個以上の付着基盤とその保持手段からなる養殖具を取り付けて付着基盤を海底から所定の高さ位置に保持し、これによって付着基盤にプラヌラ幼生を着底させ、引き続いて付着基盤に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを、硬組織を有する稚サンゴとなって自然海域の海底に移設されるまで、ポリプ保護手段で保護しながら自然海域で養殖することを特徴とするサンゴの海上養殖方法である。
また、本発明は、付着基盤に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを、硬組織を有する稚サンゴとなって自然海域の海底に移設されるまで、自然海域で養殖するサンゴの海上養殖装置であり、プラヌラ幼生が着底した1個又は2個以上の付着基盤を保持手段に固定してなる養殖具と、この養殖具が取り付けられて自然海域の海面に浮かべられ、付着基盤を海底から所定の高さ位置に保持する浮力付与体と、上記付着基盤に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを養殖する間この幼いポリプを保護するポリプ保護手段とを備えており、このポリプ保護手段が、目合い1cm以上10cm以下のネットで形成され、少なくとも所定の広さ及び深さで周囲を区画する周囲区画部を有し、浮力付与体により海水中に吊り下げられて所定の広さ及び深さの養殖領域を区画する養殖領域区画部材であることを特徴とするサンゴの海上養殖装置である。
本発明において、サンゴの養殖具を構成してプラヌラ幼生が着底する付着基盤については、プラヌラ幼生を着底させて最終的に自然海域の海底に移設するこてができればどのような材質、形状、大きさ等であってもよく、特に限定されるものではないが、材質については例えばコンクリート製、モルタル製、セラミックス製、スレート板製、タイル製、その他の硬化物製等のものを例示することができ、また、その形状については円形、三角形、矩形、台形、多角形、雲形、その他の種々の形状を持つ板状、棒状、柱状、塊状等やこれらの組合せ形状等を例示でき、更に、大きさについても、吊下げ紐を用いて海水中に吊下げることができれば特に制限はないが、その吊下げ作業や移設時の取扱性を考慮すると、四角形状を想定して概ね縦5〜30cm×横5〜30cm×厚さ1〜5cm程度であるのがよい。また、この付着基盤については、ポリプが所定の大きさまで成長した後に自然海域の海底にそのまま移設されるので、予めこの移設作業のための固定手段、例えば接着剤塗布部、ボルト、ピン、コンクリート釘、固定用の紐やワイヤ等を設けておいてもよい。更に、この付着基盤には、プラヌラ幼生が着底し生育し易くなるように、好ましくはその表面に適当な大きさの突起、突条、窪み、凹溝等の凹凸や窪みを設けるのがよい。
ここで、この付着基盤の好ましい態様を例示すれば、例えば、コンクリート製、モルタル製、又はセラミックス製の縦長板材で形成され、その一方の側面には数mmから数cmの大きさの凹凸からなる多数の着底用凹溝が形成されているものを挙げることができ、吊下げ紐を用いて養殖領域内に吊り下げる際には2つの付着基盤を対にして用い、吊下げ紐に上記の着底用凹溝を外側にして互いに背中合せに固定するのがよく、これによって養殖されて移設先の自然海域の海底に移設する際に、サンゴのポリプが着底していない面を利用して、海底の天然岩盤、消波根固めブロック、魚礁ブロック等に水中ボンド、ボルトナット、コンクリート釘、固定用紐、水中コンクリート等の固定手段で固着することができほか、養殖領域のスペースを効率良く利用することができる。
また、このようなプラヌラ幼生が着底した付着基盤が固定される保持手段についても、付着基盤を保持して自然海域の海底から所定の高さ位置に保持することができ、丈夫で取り扱い易ければ特に制限はなく、典型的には、例えばナイロン製、クレモナ製等の丈夫な吊下げ紐を例示することができる。
そして、上記付着基盤と保持手段とを有する養殖具については、1つの保持手段(例えば、吊下げ紐)に1個の付着基盤を固定してもよいが、好ましくは2個以上の、より好ましくは多数の付着基盤を直列に固定して養殖具として構成するのがよい。ここで、1つの保持手段(例えば、吊下げ紐)に取り付けられる付着基盤の数は、付着基盤自体の大きさや後述する養殖領域区画部材により養殖領域が区画される場合には形成される養殖領域の深さ等を考慮して決定され、通常は1〜10個、好ましくは3〜6個程度である。
また、本発明において、上記浮力付与体は、上記の養殖具がその保持手段を介して取り付けられ、付着基盤に着底したプラヌラ幼生がポリプに変態して所定の大きさに成長するまでの養殖期間中、この付着基盤を自然海域の海底から所定の高さ位置に保持することができるものであればよく、例えば、生簀用の筏、オイルフェンス、シルトフェンス等を例示することができ、好ましくは、台風の襲来や時化等に備えて容易に移動可能なものであるのがよい。ここで、付着基盤が保持される自然海域の海底から所定の高さ位置については、少なくとも海底の匍匐動物による食害が防止され、また、浮泥の堆積が認められない、あるいは、極めて少ない高さであるのがよく、通常は50cm以上、好ましくは100cm以上であるのがよく、上限については特に限定されない。
更に、本発明において、養殖期間中幼いポリプを海藻類等との競合、浮泥の堆積、食害等の減耗から保護するポリプ保護手段については、例えば、上記浮力付与体から自然海域の海水中に吊り下げられて所定の広さ及び深さの養殖領域を区画し、主として魚類による食害を防止する養殖領域区画部材や、養殖具の付着基盤が海水中で位置する水深を調節し、主として海藻類等との競合に対処するための付着基盤の水深調節手段、例えば保持手段が吊下げ紐である場合この吊下げ紐の長さ調節手段等を挙げることができる。養殖領域区画部材は食害の原因となる魚類が養殖領域内に侵入して幼いポリプを食べるのを防止するものであり、また、付着基盤の水深調節手段はサンゴの生育水深範囲内で付着基盤の水深調節をしてブダイ等の魚類による食害や海藻類等との競合を避けるためのものであり、魚類による食害から保護するためには海底からの高さを200cm以上、好ましくは300cm以上とし、また、海藻類等との競合を避けるためには海藻類の生育水深帯から外れた水深にする。
本発明で用いる上記養殖領域区画部材については、この養殖領域区画部材で区画される養殖領域内に少なくともサンゴの餌となるプランクトンがその領域外から自由に入り込むことができ、また、少なくとも幼いポリプを餌とするブダイ、アイゴ等の魚類が侵入できない大きさの目合いを有することが必要であり、通常1cm以上10cm以下、好ましくは3cm以上7cm以下程度のネットであるのがよい。この目合いが1cmより小さいと付着生物によって網目が閉塞され易くてメンテナンスが面倒になり、反対に、10cmより大きくなると小さくて幼いポリプを餌とする比較的小型の魚類が侵入する虞が生じる。
この養殖領域区画部材については、自然海域の海水中に吊り下げられて少なくとも所定の広さ及び深さの養殖領域を区画できればよく、その材質や形状、大きさ等については、使用目的や使用方法等に応じて、適宜設計することができるほか、形成される養殖領域の底部についても、養殖領域区画部材で区画されていなくでも、また、区画されていてもよい。例えば、食害の原因となる魚類等が下方から養殖領域内に侵入する虞がない場合には、養殖領域区画部材は、所定の広さ及び深さで養殖領域の周囲のみを囲うように、底部が開放した周囲区画ネットのみで構成されていてもよく、また、食害の原因となる魚類等が下方から養殖領域内に侵入する虞がある場合には、上記の周囲区画ネットの下端に、養殖領域の下方を区画する底区画ネットを有するものであってもよい。
養殖領域区画部材の形状については、例えば、円形状であっても、矩形状であっても、また、多角形状であってもよく、また、大きさについては、通常は数ヶ月に亘って養殖する必要があることから、取扱性やメンテナンス等を考慮して、広さが2〜50m2、好ましくは4〜16m2であってその深さが0.3〜2.0m、好ましくは0.5〜1.0m程度の養殖領域を形成できる大きさであるのがよく、更には、取扱性やメンテナンス等に適した大きさを有する複数の養殖領域を形成できるように設計されていてもよい。
本発明において、プラヌラ幼生が着底した付着基盤を有する養殖具を得る方法については特に制限されるものではなく、例えば、サンゴが群生する適当な自然海域からサンゴの卵・幼生を採取し、この卵・幼生を屋内の施設で所定期間培養し、沈降・着底行動を始めたプラヌラ幼生を付着基盤に着底させ、このプラヌラ幼生が着底した1つ又は2つ以上の付着基盤を吊下げ紐等の保持手段に固定して調製してもよいが、好ましくは以下の方法で調製するのがよい。
すなわち、自然海域の海水中に、上述した浮力付与体を用いて所定の広さ及び深さを区画する周囲区画部とこの周囲区画部の下端に設けられて下方を区画する底区画部とを有する保育領域区画部材を吊り下げてサンゴの海上保育装置を構成し、この海上保育装置の保育領域区画部材により外部から隔離されてサンゴの卵・幼生が外部に流出することがなく、また、魚類等による食害を防止できる所定の広さ及び深さの保育領域を形成し、この保育領域内に予め採取したサンゴの卵・幼生を放流し、この卵・幼生が沈降・着底行動を始める段階まで保育し、次いでこの保育領域内に多数の養殖具の付着基盤を吊下げ紐等の保持手段で吊下げる等して配置し、これら養殖具の付着基盤にプラヌラ幼生を着底させ、プラヌラ幼生が付着基盤に着底した後に、上記保育領域区画部材を上記の養殖領域区画部材と交換してサンゴの海上養殖装置を構成し、引き続き上述した方法でプラヌラ幼生や変態後の幼いポリプの養殖を行うのがよい。
また、上記の採取されたサンゴの卵・幼生の保育に先駆けて、サンゴ生息海域の海上においてサンゴの卵・幼生を採取する場合には、上記保育領域区画部材の底区画部を開閉可能に形成し、これによって、サンゴの卵・幼生の採取時には開放されて海底の標的サンゴ付近上方まで垂下され、産卵されて上昇するサンゴの卵・幼生を捕集する捕集領域を形成できると共に、サンゴの卵・幼生の保育時には閉塞されて外部から隔離され、サンゴの卵・幼生が外部に流出することがなく、また、魚類等による食害を防止できる所定の広さ及び深さの保育領域を形成できるようにし、サンゴ生息海域の海上でのサンゴの卵・幼生の採取から、この採取した卵・幼生の保育を連続して行うのがよい。
このような保育領域区画部材と上記の養殖領域区画部材を用いることにより、自然海域において、サンゴの卵・幼生の採取から、採取した卵・幼生の保育と付着基盤への着底、更には付着基盤に着底したプラヌラ幼生及びその変態後のよう幼いポリプの養殖を連続して効率的に行うことができる。
このような目的で用いられる保育領域区画部材については、自然海域の海水中に吊り下げられ、少なくとも所定の広さ及び深さを区画してサンゴの卵・幼生が外部に流出することがなく、また、魚類等による食害を防止できる保育領域を形成できるものであればよいが、その材質については、サンゴの卵・幼生がその保育時に保育領域を区画する領域区画部材の喫水線付近に集まり、付着してへい死する傾向があるので、なるべくこのサンゴの卵・幼生が付着し難い、例えばポリ塩化ビニルシート(塩ビシート)、ポリエチレンシート等の材質を選択するのがよく、また、上記周囲区画部にはサンゴの卵・幼生の流出を防止できると共に外部の海水を取り込むことができる、好ましくは0.2〜0.25mmの目合いの通水可能な換水ネット孔を設けるのがよい。
また、上記保育領域区画部材を用いてサンゴの卵・幼生の保育を行う場合、この保育領域区画部材が取り付けられる浮力付与体には、卵・幼生の保育時に保育領域の外部から海水を汲み上げて保育領域区画部材の保育領域内喫水線上部近傍に散水する散水装置を設けるのがよく、この散水装置によって、単に保育領域の外部から新鮮な海水を保育領域の内部に確実に供給できるだけでなく、保育領域内喫水線近傍に集まる傾向がある卵・幼生がこの保育領域内喫水線上部に付着し、海水中に戻れなくなって乾燥する等の原因でその場でへい死するのを確実に防止することができる。
上記散水装置については、それが保育領域区画部材の保育領域内喫水線上部近傍に散水することができればよく、特に制限されるものではないが、例えば、海水を汲み上げる水中ポンプ又は揚水ポンプと、領域区画部材の保育領域内喫水線上部に配設され、上記の水中ポンプ又は揚水ポンプに接続され、所定の間隔を置いて設けられた多数のノズル孔を有する散水ホースとで構成されたものを例示することができる。
本発明において、付着基盤に着底しプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを養殖するのに必要な期間は、少なくとも硬組織ができて2個以上のポリプの群体からなる稚サンゴとなっている必要があり、ポリプの数が増して大きな稚サンゴに成長すればするほど海藻類等との競合、浮泥の堆積、魚類や匍匐動物等による食害に起因する減耗に耐えられるようになるので、長ければ長い程よく、養殖を行う自然海域や移設先の自然海域の環境等に応じて適宜決定することができる。
すなわち、付着基盤に着底しプラヌラ幼生から変態したポリプは2〜3ヶ月で直径2mm程度の大きさの硬組織を有する稚サンゴとなってヨコエビ等の小さな節足動物等の食害には耐えられるようになり、また、5〜6ヶ月で10mm程度の大きさの稚サンゴとなって小型の魚類による食害に耐えられるようになり、更に、10〜12ヶ月で直径2〜3cm以上の大きさの稚サンゴとなってブダイやウニ等の魚類等の食害や海藻類等との競合にも耐えられるようになるので、移設先の種々の自然海域の環境等を考慮して決定するのがよい。
また、本発明においては、養殖領域を形成する自然海域の環境によっては海藻類等の着生と競合する場合があるが、海藻類等と競合した場合には、例えば、定期的に1ヶ月に1回程度、養殖具に付着した海藻類等を海水で洗い流したり、海藻類等の着生と競合する時期に当該海藻類等の生育水深帯から外れた水深で養殖を行う等の方法により、海藻類等との競合に対応することもできる。
更に、本発明の海上養殖装置は、その浮力付与体により海上に浮かべられているので、必要によりサンゴの養殖に適した自然海域まで曳航して設置してもよく、また、強風の時等の必要な場合には安全な場所まで曳航することもできる。
本発明のサンゴの海上養殖方法及びその装置によれば、付着基盤に着底しプラヌラ幼生から変態した幼いポリプが硬組織を有する一定の大きさの稚サンゴに成長するまで、この幼いポリプを海藻類等との競合、浮泥の堆積、食害等の減耗から保護しながら養殖するので、この養殖期間中幼いポリプの減耗を可及的に防止できると共に、自然海域に移設した後のサンゴの生存率を飛躍的に高めることができ、自然海域の海底で行われて大変な人手と費用の要する移設作業が無駄になることがない。
また、このサンゴの海上養殖方法によれば、サンゴ生息海域でのサンゴの卵・幼生の採取に始まり、自然海域に保育領域を区画してプラヌラ幼生が付着した着底基盤を有する養殖具の調製から、付着基盤に着底させたプラヌラ幼生や変態後の幼いポリプの養殖を連続して行うことができ、サンゴ生息海域で採取したサンゴの卵・幼生を保育し養殖して最終的に高い生存率で自然海域の海底に移設することができる。
以下、添付図面に示す実施例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
〔実施例1〕
図1に本発明の実施例1に係るサンゴの海上養殖装置Aが示されている。この海上養殖装置Aは、基本的には、自然海域の海上に浮かべられる浮力付与体1と、所定の広さ及び深さで周囲を区画する四角筒状の周囲区画ネット4で構成され、上記浮力付与体1により海水中に吊り下げられて所定の広さ及び深さの養殖領域ASを区画する養殖領域区画部材2と、1本の吊下げ紐5に複数の付着基盤6を固定して形成され、上記吊下げ紐5により上記養殖領域AS内に垂下される多数の養殖具3とで構成されており、上記各付着基盤6に着底しプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを、この幼いポリプが硬組織を有する稚サンゴになって自然海域の海底に移設されるまで、自然海域の海水中で養殖することができるようになっている。
この実施例1において、上記浮力付与体1は、四角形に枠組みされたフレーム1aとその各辺にそれぞれ取り付けられた比較的長尺の円筒形状の4個の浮き1bとで形成されている。また、上記養殖領域区画部材2は、その周囲区画ネット4が目合い4cmのナイロン製ネットで形成されており、また、その上部には四角形状の支持枠2aが設けられており、更に、上記周囲区画ネット4の四隅下端には錘2bが設けられて吊下げられている。そして、上記浮力付与体1のフレーム1aに上記殖領域区画部材2の支持枠2aを取り付けることにより、養殖領域区画部材2の周囲区画ネット4が錘2bによって浮力付与体1から海水中に略まっすぐに吊下げられるようになっている。
また、この実施例1において、上記養殖具3は、図1〜図4に示されているように、1本の吊下げ紐5と、この吊下げ紐5に固定された合計8個の付着基盤6と、吊下げ紐5の下端に取り付けられた錘7とで形成されており、また、上記各付着基盤6は、その全体がモルタルにより縦15cm×横8cm×厚さ3cmの大きさに形成されており、その一方の面(プラヌラ幼生が着底する面)には略中央部に幅方向に延びる幅1cm×長さ6cm×深さ0.7cmの大きさの着底用凹溝6aが8条形成されており、また、その縦方向上下端部には吊下げ紐5に固定する際に利用される貫通孔6bがそれぞれ1箇所づつ形成されており、これら各付着基盤6は、図4に示されているように、その2つを対にして吊下げ紐5により互いに背中合せにされて縦長に4段連結され、1本の吊下げ紐5に合計で8個の付着基盤6が固定されている。
そして、この実施例1においては、図1に示されているように、上記養殖領域区画部材2の支持枠2aには、その縦方向7本及び横方向6本の桟材で形成された格子状部材8が取り付けられており、この格子状部材8の交差点にそれぞれ上記養殖具3の吊下げ紐5の上端が固定され、これによって合計42個の養殖具3が養殖領域区画部材2の周囲区画ネット4で囲まれた養殖領域AS内に吊下げられるようになっている。
なお、この実施例1において、養殖領域区画部材2の周囲区画ネット4で囲まれた養殖領域ASは、その広さが16m2(縦4m×横4m)であってその深さが1mであり、また、各養殖具3は縦方向10cm及び横方向50cmの間隔で吊下げられている。
そして、この実施例1においては、各付着基盤6には、例えば、サンゴ礁海域でサンゴの一斉産卵により生じたスリック等から卵・幼生を採取し、屋内水槽等を用いて屋内で沈降・着底行動を始めるまで保育したプラヌラ幼生が予め着底させてあり、これを用いて各養殖具3が形成され、また、領域区画部材2で区画された養殖領域AS内に吊下げられている。
従って、この実施例1によれば、スリック等から採取したサンゴの卵・幼生を、屋内水槽等を用いて屋内で、あるいは、他の保育手段を用いて自然海域で、沈降・着底行動を始めるまで保育し、付着基盤6にプラヌラ幼生を着底させ、このプラヌラ幼生が着底した付着基盤6の8個を1本の吊下げ紐5に固定して養殖具3を調製し、このようにして調製された多数の養殖具3を用いて、自然海域の海水中でプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを海藻類等との競合、浮泥の堆積、食害等の減耗から保護しながら、この幼いポリプが硬組織を有する一定の大きさの稚サンゴに成長するまで養殖するので、この養殖期間中の減耗を可及的に抑制できるほか、移設先の自然海域の海底に移設した後のサンゴの生存率を大幅に高めることができる。
〔実施例2〕
図5〜図7に、本発明の実施例2で用いるサンゴの海上保育装置Bが示されている。
この実施例2の海上保育装置Bは、上記実施例1の海上養殖装置Aで用いたと同様の四角形状のフレーム1aとこのフレーム1aの各辺にそれぞれ2個ずつ取り付けられた合計8個の浮き1bとで形成された浮力付与体1と、上端が上記フレーム1aに取り付けられ、上部には四角形状の周囲区画部11を有すると共に、この周囲区画部11の下端にはその4つの各辺の下端縁部から垂下され、周囲区画部11が形成する保育領域BSの下方を開閉可能に区画するた四角形状の4枚の底区画部12を有する保育領域区画部材10と、この保育領域区画部材10が区画する保育領域BS内に吊り下げられる上記実施例1と同様の多数の養殖具(図示せず)とで構成されている。
この実施例2において、上記保育領域区画部材10は、その周囲区画部11と底区画部12とが塩ビシートで形成されており、周囲区画部11を構成する4つの側壁面にはサンゴの卵・幼生の流出を防止できる通水可能な換水ネット孔13がそれぞれ設けられており、また、開閉可能に形成された底区画部12は、サンゴの卵・幼生の採取時には開放されて海底の標的サンゴC付近上方まで垂下され、産卵されて上昇するサンゴの卵・幼生を捕集する捕集領域を形成すると共に、サンゴの卵・幼生の保育時には閉塞されて外部から隔離され、サンゴの卵・幼生を保育するための保育領域BSとして機能するようになっている。
また、上記の各養殖具は、上記実施例1の場合と同様に、1本の吊下げ紐と、この吊下げ紐に固定された複数の付着基盤と、吊下げ紐の下端に取り付けられた錘とで形成されており、実施例1の場合とは異なり、各吊下げ紐の上端が領域区画部材2の上端が取り付けられた浮力付与体1のフレーム1aに対して着脱可能な格子状部材(実施例1の図1参照)に固定され、また、吊下げ紐の下端に取り付けられた錘が互いに絡まり合わないように必要により最下段の部分をロープや棒等の適当な手段で連結し、多数の養殖具を格子状部材に取り付けた状態でその全体を浮力付与体1のフレーム1aに対して着脱できるようになっている。
この実施例2において、4枚の底区画部12には、その各稜辺部に水中で使用可能な樹脂製ファスナーが設けられていると共にその1つの稜辺部の下端に錘15が設けられており、これによって、サンゴの卵・幼生採取時には、標的サンゴの上方でファスナーを開放し、底区画部12を垂下させ、産卵されて浮上するサンゴの卵・幼生を採取する採取領域を形成すると共に、サンゴの卵・幼生保育時には、ファスナーを閉じて底区画部12を底面とし、採取したサンゴの卵・幼生を保育する保育領域BSが形成される。
そして、この実施例2の海上保育装置Bには、その浮力付与体1のフレーム1aに、保育領域BSの外部から海水を汲み上げる水中ポンプ14aと、使用時に保育領域BSを形成する上記保育領域区画部材10の周囲区画部11内喫水線上部に配設され、上記の水中ポンプ14aに接続され、所定の間隔を置いて設けられた多数のノズル孔を有する散水ホース14bとで構成された散水装置14が設けられており、サンゴの卵・幼生保育時に上記保育領域区画部材10の周囲区画部11が形成する保育領域BS内喫水線上部近傍に新鮮な海水を散水し、この保育領域BS内喫水線近傍に集まって付着する傾向がある卵・幼生が付着するのを防止すると共に、保育領域BSの外部から新鮮な海水を保育領域BSの内部に供給できるようになっている。
従って、この実施例2の海上保育装置Bによれば、サンゴの卵・幼生採取時には、図6に示すように、サンゴ生息海域の海上であって、卵・幼生採取の目標となる標的サンゴCの上方まで曳航し、そこで浮力付与体1をロープ及び錨等の手段で係留し、保育領域区画部材10の周囲区画部11から4枚の底区画部12を開放して底部開放状態で海底の標的サンゴC付近上方まで垂下させ、この標的サンゴCの上方に、産卵されて浮上するサンゴの卵・幼生を採取する採取領域を形成し、サンゴの産卵を待つ。
サンゴの産卵が終了し、周囲区画部11が形成する保育領域BS内にサンゴの卵・幼生を採取した後、図7に示すように、保育領域区画部材10の底区画部12を閉塞して外部から隔離された保育領域BSを形成し、同時に散水装置14でその保育領域BS内喫水線上部近傍に散水しながら卵・幼生の保育を行う。このサンゴの卵・幼生の保育は、サンゴの卵・幼生を採取したその場で引き続き行ってもよく、また、強風の時等の必要な場合には安全な場所まで曳航して行ってもよい。
プラヌラ幼生がある程度まで生育し、着底場所を探す沈降・着底行動をとるようになった時点で、上記の多数の養殖具を格子状部材に取り付けた状態でその全体を浮力付与体1のフレーム1aに取り付け、これら各養殖具の付着基盤をその吊下げ紐で保育領域BS内に吊り下げ、各養殖具の各付着基盤にそれぞれプラヌラ幼生が着底するのを待つ。
遊泳しているプラヌラ幼生の数が減少し、ほとんどのプラヌラ幼生が付着基盤に着底した後、保育領域区画部10と散水装置14とを浮力付与体1から取り外し、代わりに浮力付与体1に実施例1と同様の養殖領域区画部材を取り付けて養殖領域を区画し、上記実施例1と同様に、付着基盤に着底しプラヌラ幼生から変態した幼いポリプの養殖を行い、この幼いポリプを自然海域の海水中で食害や競合の心配がなくなる稚サンゴまで飼育し、その後に移設先の自然海域の海底に移設する。
この実施例2によれば、サンゴ生息海域でのサンゴの卵・幼生の採取に始まり、自然海域に保育領域BSを区画してプラヌラ幼生が付着した着底基盤を有する養殖具の調製から、付着基盤に着底とプラヌラ幼生から変態した幼いポリプが硬組織を有する稚サンゴになるまで連続して養殖を行うことができる。
本発明のサンゴの海上養殖方法及びその装置によれば、付着基盤に着底させたプラヌラ幼生がポリプに変態して硬組織を有する一定の大きさの稚サンゴに成長するまで、この幼いポリプを海藻類等との競合、浮泥の堆積、食害等の減耗から保護し、これによってプラヌラ幼生から変態した幼いポリプの減耗を可及的に防止すると共に自然海域に移設した後のサンゴの生存率を高めることができるので、自然海域の海底で行われて大変な人手と費用の要する移設作業が無駄になることがないほか、サンゴ生息海域で採取したサンゴの卵・幼生を保育し養殖して最終的に高い生存率で自然海域の海底に移設することができ、産業上実用的価値の高いものである。
なお、従来のサンゴの養殖方法は、サンゴの断片を育てるもので、天然の健康なサンゴ礁にダメージを与えるが、本発明の方法は、有性生殖を用いるので、天然のサンゴ礁にダメージを与えることがない。
図1は、本発明の実施例1に係るサンゴの海上養殖装置を示す斜視説明図である。 図2は、図1で用いられている養殖具の付着基盤を示す正面説明図である。
図3は、図2の付着基盤を示す断面説明図である。 図4は、図2の付着基盤を背中合せにした状態を示す断面説明図である。
図5は、本発明の実施例2に係るサンゴの海上養殖装置を示す斜視説明図である。 図6は、図5の海上養殖装置によりサンゴの卵・幼生を採取する状態を示す使用状態の説明図である。 図7は、図5の海上養殖装置によりサンゴの卵・幼生を保育する状態を示す使用状態の説明図である。
符号の説明
A…海上養殖装置、AS…養殖領域、1…浮力付与体、1a…フレーム、1b…浮き、2…養殖領域区画部材、2a…支持枠、2b,7,15…錘、3…養殖具、4…周囲区画ネット、5…吊下げ紐、6…付着基盤、6a…着底用凹溝、6b…貫通孔、8…格子状部材、B…海上保育装置、BS…保育領域、10…保育領域区画部材、11…周囲区画部、12…底区画部、13…換水ネット孔、14…散水装置、14a…水中ポンプ、14b…散水ホース、C…標的サンゴ。

Claims (12)

  1. 自然海域の海面に浮かべられる浮力付与体と、この浮力付与体から海水中に吊り下げられて所定の広さ及び深さの保育領域を区画する周囲区画部と、この周囲区画部の下端に設けられて保育領域の下方を区画する開閉可能な底区画部とを有する保育領域区画部材をサンゴ生息海域の海上であって卵・幼生採取の標的サンゴの上方に設置し、上記底区画部を開放して標的サンゴ付近上方に捕集領域を形成すると共に産卵されて上昇する標的サンゴの卵・幼生を採取し、次いで上記底区画部を閉塞して外部から隔離された保育領域を区画すると共にこの保育領域内で採取したサンゴの卵・幼生をこの卵・幼生がプラヌラ幼生となって沈降・着底行動を始める段階まで保育し、この段階で上記保育領域内には1個又は2個以上の付着基盤とその保持手段からなる養殖具を取り付けて付着基盤を海底から所定の高さ位置に保持し、これによって付着基盤にプラヌラ幼生を着底させ、引き続いて付着基盤に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを、硬組織を有する稚サンゴとなって自然海域の海底に移設されるまで、ポリプ保護手段で保護しながら自然海域で養殖することを特徴とするサンゴの海上養殖方法。
  2. ポリプ保護手段が、保育領域区画部材に換えて浮力付与体に取り付けられた養殖領域区画部材であり、この養殖領域区画部材が浮力付与体から自然海域の海水中に吊り下げられて所定の広さ及び深さの養殖領域を区画する請求項1に記載のサンゴの海上養殖方法。
  3. 養殖領域区画部材が、目合い1cm以上10cm以下のネットである請求項2に記載のサンゴの海上養殖方法。
  4. ポリプ保護手段は、養殖具の付着基盤が海水中で位置する水深を調節する付着基盤の水深調節である請求項1に記載のサンゴの海上養殖方法。
  5. 養殖具の保持手段が吊下げ紐であり、養殖具が1本の吊下げ紐に多数の付着基盤を直列に固定して形成されている請求項1〜のいずれかに記載のサンゴの海上養殖方法。
  6. 付着基盤は、コンクリート製、モルタル製、又はセラミックス製の縦長板材で形成されており、少なくともその一方の側面にはプラヌラ幼生が着底する多数の着底用凹凸が形成されている請求項1〜のいずれかに記載のサンゴの海上養殖方法。
  7. 付着基盤は、その一方の側面にのみ多数の着底用凹凸が形成されており、吊下げ紐に固定されて養殖具を形成する際には上記着底用凹凸を外側にして互いに背中合せに固定される請求項に記載のサンゴの海上養殖方法。
  8. 付着基盤に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを、硬組織を有する稚サンゴとなって自然海域の海底に移設されるまで、自然海域で養殖するサンゴの海上養殖装置であり、プラヌラ幼生が着底した1個又は2個以上の付着基盤を保持手段に固定してなる養殖具と、この養殖具が取り付けられて自然海域の海面に浮かべられ、付着基盤を海底から所定の高さ位置に保持する浮力付与体と、上記付着基盤に着底してプラヌラ幼生から変態した幼いポリプを養殖する間この幼いポリプを保護するポリプ保護手段とを備えており、このポリプ保護手段が、目合い1cm以上10cm以下のネットで形成され、少なくとも所定の広さ及び深さで周囲を区画する周囲区画部を有し、浮力付与体により海水中に吊り下げられて所定の広さ及び深さの養殖領域を区画する養殖領域区画部材であることを特徴とするサンゴの海上養殖装置。
  9. ポリプ保護手段は、養殖具の付着基盤が海水中で位置する水深を調節する付着基盤の水深調節手段である請求項に記載のサンゴの海上養殖装置。
  10. 養殖具の保持手段が吊下げ紐であり、養殖具が1本の吊下げ紐に多数の付着基盤を直列に固定して形成されている請求項8又は9に記載のサンゴの海上養殖装置。
  11. 付着基盤は、コンクリート製、モルタル製、又はセラミックス製の縦長板材で形成されており、少なくともその一方の側面にはプラヌラ幼生が着底する多数の着底用凹凸が形成されている請求項8〜10のいずれかに記載のサンゴの海上養殖装置。
  12. 付着基盤は、その一方の側面にのみ多数の着底用凹凸が形成されており、吊下げ紐に固定されて養殖具を形成する際には上記着底用凹凸を外側にして互いに背中合せに固定される請求項11に記載のサンゴの海上養殖装置。
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